戦略

International business 2

常務執行役員 電通イージス・ネットワークCEO ジェリー・ブルマン

常務執行役員
電通イージス・ネットワークCEO
ジェリー・ブルマン

デジタルエコノミーは、今後5年間で成長が確実なただひとつの分野であり、これからの5年は過去15年間よりも変化のスピードが増していくでしょう。
この新しい経済を支えているのは技術開発です。人工知能(AI)、IoT、ブロックチェーン、ロボット工学、センサー技術、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)などの技術は、産業や私たちの働き方を根こそぎ変えようとしています。
2020年までにはARとVRを合わせた売上は約1,500億ドルに達し、その大部分をARが占めていることでしょう。

こうした中、これまでのグローバルブランドはデジタル化に適応した/データドリブンな新規参入ブランドから挑戦を受けており、市場に即した新たな方法での迅速な対応が求められています。従来型ビジネスモデルの破壊は今後も続き、データは競争優位の決め手としてますます重要になるでしょう。
データは、ターゲットである個人に向けたマーケティングや広告サービスを提供する上で中心的役割を果たすものです。そして、今後も需要のけん引役は消費者であり、データ量はさらに増え続けていきます。すなわち、消費者データの中から施策として実施可能なインサイトを導き出せる者が競争優位を手にできるのです。

進化を続けるこうした事業環境の中で企業は、業績を重視する文化を基盤に、社内のシステムやプラットフォーム、部門横断的な働き方を再創造し、統合していくことが求められます。企業がこの新たな経済に対応していく上では、消費者インサイト、データ、クリエーティビティ、パフォーマンス、アカウンタビリティなど、あらゆる面にデジタルエコノミーのソリューションが求められます。

買収と企業文化が戦略を加速

このようにデジタルエコノミーが目覚ましい速度で変化し成長する中、電通グループがクライアントの戦略的パートナーとして高成長する分野やケーパビリティー、地域へアクセスできる優位なポジションを維持し続けるためには、事業運営と業績の両面で強いモメンタムを維持することが不可欠です。

その実現のため、DANは、2020年までにビジネスの100%をデジタルエコノミーに適合させる戦略に今後も全力で取り組みます。過去4年間にDANは、競合グループの平均を2~3倍上回るオーガニック成長率を一貫して達成してきました。
これを可能にしたのが、①グループ全体のサービス群活用、②「One P&L」モデルと重要なケーパビリティ層の活用による競合との真の差別化、③価値観とビジョンが生み出すハイパフォーマンス文化、④M&Aを中心とする効率的で最適な資本の活用です。
2016年には45社を買収し、グループのM&Aは業界最多となりました。2016年第3四半期に発表したマークル社の買収は業界でも世界最大規模であり、DAN発足以来最大のM&Aとなりました。電通グループにとってこの買収は改革への大きな一歩となり、規模や人材のみならず、質の高いデータ、アナリティックス、CRMにおける新たなケーパビリティの速やかな活用が可能になりました。

戦略的プライオリティ

今後は、

  1. 高成長市場で収益を高め規模を拡大する
  2. イノベーションにより我々の提案やサービスを変えていく
  3. データプラットフォームやアナリティックスソフトを新たに生み出す
  4. 新規ビジネスやグローバルクライアントを増やす
  5. コンテンツとメディアのバリューチェーン内で新たなモデルを推進する
  6. 拡張性のあるシステムやプラットフォームを構築する

などの戦略目標に注力することで強いモメンタムを維持し、クライアントの価値を高め、成果を出し続けます。

データは競争優位の源泉、そしてビジネスの通貨

マーケティングの主役は今や、抽象的な大衆ではなく具体的な個人にターゲットを絞った「ピープルベースドマーケティング」であり、マークル社が開発したピープルベースのインサイトプランニング・アクティベーションプラットフォーム「M1」はそこに大いに貢献するでしょう。
私たちは、イノベーションやデータプラットフォーム、重要なデータケーパビリティに投資してきました。今後はデータを最大限に活用し、クライアントに競争優位を提供していきます。また、海外事業全体でデータガバナンスを優先し、プライバシーやデータを厳重に保護していきます。

こうしたデータドリブン・ソリューションへの注力は、アドレッサブル(追跡可能)・ソリューションをリアルタイムで提供し、消費者エンゲージメントを推進し取引増加を実現します。それが、デジタルエコノミーに即したよりよい多様なソリューションを実現し、クライアントのブランド成長をさらに高めることを可能にするのです。

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