| 広告景気年表 |
| 1954年 | 99/3 |
1954年
■ 経済白書 副題(1954)
地固めの時
■ 経済概況(1954)
国内経済は前年の国際収支の不均衡を是正するためデフレ政策によって,インフレ環境から大きく転換した。デフレ政策によって国内需要が減少して,物価が低落,輸出も好調に転じ,国際収支は黒字になった。年後半から内外景気が好転した。
| 経済成長率 | 名目 11.0% | 実質 5.9% |
| 個人消費支出 | 名目 10.7% | 実質 4.9% |
| 民間設備投資 | 名目 5.8% | |
| 輸出 | 名目 8.2% | |
| 消費者物価 | 6.5% |
■ 日本の広告費(電通調査)(1954)
○広告費が500億円を突破。
億円 |
対前年比(%) |
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| 総広告費 | 550 | (112.0) |
| 新聞 | 332 | (100.6) |
| 雑誌 | 30 | (120.0) |
| ラジオ | 74 | (164.4) |
| テレビ | 4 | (400.0) |
| DM・屋外他 | 120 | (120.0) |
■ 政治・経済・業界(1954)
○50銭以下の小銭廃止(1.1 )。
×ダレス米国務長官が「アメリカの好む所に大量破壊力をもって即時に報復する」とした「ニュールック戦略」を発表(1.12)。
○憲法擁護国民連合発会式が開催。議長に片山哲氏(1.15)。
○静岡県焼津のマグロ漁船「第5福竜丸」がビキニ環礁付近で米国水爆実験の「死の灰」により被ばく(3.1 )。米軍告示の航行禁止区域外での被ばくが明らかとなり,国際法上の問題となる。
○相互防衛援助協定,米国農産物購入協定,経済措置協定,投資保証協定から成る「日米相互防衛援助(MSA)」協定に調印(3.8 )。
○市制ブーム−成田,小山,喜多方など全国で35市が誕生(3.31)。
×国連経済社会理事会がアジア極東経済委員会(ECAFE)への日本の加盟承認(4.22)。
○造船疑獄に関し,犬養法相が指揮権を発動。
×フランス軍のインドシナ戦争の拠点ディエンビエンフーが陥落(5.7 )。インドシナ戦争でのフランスの敗北が決定的となる。フランスが南ベトナムの完全独立を承認(6.4 )。ジュネーブでインドシナ休戦協定が調印(7.21)。8年間にわたる戦争が終わる。ベトナムは南北に分割される。
○改正警察法公布−国家地方警察と自治体警察を都道府県警察に統合(6.8 )。
○防衛庁設置法,自衛隊法公布。MSA協定等に伴う防衛秘密 保護法公布(6.9 )。陸・海・空3軍の自衛隊発足(7.1 )。
○海外市場調査会, 国際見本市協議会,日本貿易斡旋所協議会が統合し「海外貿易振興会」が発足(8.14)。
×アメリカで原子力法改正法が成立(8.30)。原子力の平和利用に関する知識の友好国への提供,私企業による原子力発電所の建設などを規定。
×東南アジア条約機構(SEATO)設立総会開催(9.8 )。
×米欧など西側9カ国の外相がパリ会議を開催。西独の主催を回復・ 再軍備・ NATO加盟承認などの「パリ協定」が結ばれる(10.23 )。
○自由党鳩山派・ 岸派,改新党,日本自由党が合流し日本民主党結成(11.24 )。
○吉田首相が内閣総辞職(12.7)。鳩山内閣成立(12.10 )。
■ マスコミ・広告・媒体(1954)
○朝日新聞社が創刊75周年記念号として,1ページ全面の金色グラビア版を含む20ページの特集号を発行(1.25)。
○「九州五社会」発足(2.24)。
○番組の共同制作,交換のために中部日本放送,ラジオ九州,北海道放送,東北放送が「四月会」を結成(4.1 )。
○新聞・放送・出版などマスコミ関係団体の自主規制機関「マスコミ連絡懇談会」発足(4.2 )。
○電電公社(現NTT)の初のマイクロ回線(東京−名古屋−大阪間)が業務開始(4.15)。
○東京・日比谷公園で第1回全日本自動車ショー開催。54万人が集まり,自動車よりオート三輪やオートバイに人気が集まる(4.20)。
○東京都が屋外広告物規制を実施(5 )。
○全日本広告連盟が「広告倫理綱領」を制定(6.18)。
○高さ 180mの名古屋テレビ塔が完成(6.19)。東京タワー完成('58.12.23 )まで日本一の高さ。
○経営者宣伝研究会が発足(8 )。
○九州広告協会設立(10)。
○北海道放送・東北6社・ラジオ新潟の8社で「えぞの会」発足(11.1)。
○読売新聞社が創刊80周年記念特集号を発行(11.2)。
○日本新聞協会が「新聞販売綱領」を制定(12.16 )。
■ 媒体の発足(1954)
○ラジオの開局−九州朝日放送1.1 ,ラジオ山陰3.1 ,ラジオ佐世保4.1 ,ラジオ山梨,ラジオ宮崎ともに7.1 ,ニッポン放送7.15開局。
○ラジオ長崎とラジオ佐世保が合併し「長崎放送」と社名変更(10.18 )。
○日本短波放送開局(8.27)。
○アメリカ民政府の許可により,琉球放送開局(10.1)。
○「カメラ毎日」毎日新聞社(6.1 )。
○男性ファッション誌「MEN' S CLUB」婦人画報社(6)。
○テレビ局数 1局
○ラジオ局数 39局(8局増(短波と琉球を含む),1局減)
○創復刊誌74誌,休廃刊誌26誌。
■ 媒体普及率(1954)
| テレビ契約数 | 16,779 |
| ラジオ契約数 | 11,709,173 |
(NHK契約世帯数)
■ 国内10大ニュース(1954)
○「洞爺丸」遭難事故発生(9.26)
○「第五福竜丸」事件と原水爆禁止運動
○陸運・造船・保安汚職
○改正警察法案成立をめぐる乱闘国会
○近江絹糸争議
○二重橋事件
○吉田首相の外遊
○吉田内閣総辞職(12.7)と鳩山内閣成立(12.10 )
○日本民主党結成(11.24 )
○街頭テレビブームとプロレスブーム
■ 海外10大ニュース(1954)
×マッカーシー議員けん責問題
×米下院における議員狙撃事件
×ディエンビエンフー陥落(5.7 )とインドシナ休戦(7.21)
×周恩来・ネール,平和5原則の共同声明発表(6.28)
×東南アジア条約機構(SEATO)設立で調印(9.8 )
×エジプト,ナセル政権成立(4.18)
×アルジェリア独立戦争開始(11.1)
■ 世相・風俗(1954)
○原子爆弾の恐怖−アメリカがビキニ環礁で水爆実験実施(3 〜5 )。米観測要員,島の原住民などが被ばく。3月1日の実験で「第五副竜丸」が被ばく。久保山無線長死亡(9.23)。築地などで同船から水揚げされたマグロから強度の放射能検出。3月以降相次いで放射能汚染魚が見つかる。さらに,日本各地の雨から放射能が検出,飲料水・農作物・加工食品などの汚染問題に注目が集まる。全国各地で原水爆禁止運動が起こり,「原水爆禁止署名運動全国協議会」結成(8.8 )。全国から2,000 万人以上の署名が集まる。
○二重橋事件(1.2 )−皇居の一般参賀に38万人が押し寄せ,二重橋上で老女が押されて転倒したのをきっかけに参賀客が将棋倒しとなり,16人圧死。
○青函トンネルの起工式開催(1.6 )。
○戦後初の地下鉄,丸の内線が池袋−お茶の水間 6.6kmの営業開始(1.20)。
○ハリウッドの“セックスシンボル”マリリン・モンローが夫の大リーガー・ ジョー・デマジオと来日(2.1 )。
○街頭テレビブームとプロレスブーム−日本初の国際プロレスリング大会が蔵前国技館で開催(2.19〜3.9 )。力道山・木村組対シャープ兄弟戦。NTV・NHKテレビでも放映されプロレスブームが巻き起こる。
○関門国道トンネルが貫通(3.4 )。
○国連家族連盟名誉会長のサンガー夫人が来日(4.9 )。日本家族計画連盟が結成され,家族計画運動が盛んとなる。
○ベビーブームで小学校の新入生が前年より 100万人も増加(4 )。
○日光いろは坂開通(10.1)。
○戦争で中断していた救世軍の社会鍋が名古屋で復活(12)。
○東京・芝にゴルフ練習場が登場(12)。
○造船疑獄,陸運疑獄が発覚。造船疑獄では佐藤栄作自由党幹事長の逮捕に対し犬養法相が指揮権を発動。
○ヒロポン全国に蔓延。
○新宿にうたごえ喫茶登場。
○近江絹糸労組の人権スト。
■ 消費者・住民運動・公害(1954)
○東京都が街頭広告放送などによる騒音に対し騒音防止条例を制定(1 )。
○第五福竜丸事件を契機として,全国で原水爆禁止運動が起こる。
○各地で基地接収反対運動が続く。
■ 時の商品・新製品(1954)
○電気冷蔵庫,洗濯機,テレビが「三種の神器」とよばれる。脱水機付き洗濯機,ワイドスペース型冷蔵庫なども相次いで新発売。
○噴流式電気洗濯機が各社から発売され,人気が高まる。
○噴流式に比べて布地の傷みが少なく,この後主流となる渦巻式電気洗濯機も登場。
○新鮮なフルーツ・野菜のジュースと,糖蜜やハイ芽などを混ぜ合わせて飲めば元気になるという“ハウザー式若返り法”が流行し,ミキサーの売れ行きが伸びる。
○武田薬品がビタミンB1強化白米「ビタライス」を発売(1 )。
○武田薬品がチオール型ビタミンB1「アリナミン」を発売(3 )。ビタミン剤ブームの引き金に。
○ジュースブーム−明治製菓がわが国初の缶ジュース「明治オレンジジュース」を発売(4.28)。「キリンジュース」や「タカラポンジュース」も売り出され,名糖産業は初の粉末ジュースを発売する。
○厚木編織(現厚木ナイロン)がウーリーナイロン肌着の販売を開始(8 )。
○主婦連が東京・世田谷区で10円牛乳(市販は15円)を発売。以後,都内に広がる(12.29 )。
○丸定商店がスプリング式折りたたみ傘「アイデアル」を発売。後に植木等のCMで人気。
■ テレビCM(1954)
森永製菓<やっぱり森永ね>シンギングテレビCM第1号
森永製菓<一枚のチョコレートから>人形を使ったCM第1号
ミツワ石鹸<ワ,ワ,ワー,ワが三つ>
資生堂<パールちゃんシリーズ>
■ 新聞広告(1954)
伊勢丹<ヘップバーンカットによく似合う服装>
郡是製絲・グンゼナイロン靴下<貴方の容姿をより美しく!>
明色アストリンゼン<アメリカではお化粧前必ずアストリンゼンを使う>伊東絹子
大塚製薬・オロナイン軟膏<3億円の景品を 225万人の愛用者に贈る!>
雪印乳業・雪印ネオマーガリン<バターとまちがえる>
ライオン歯磨<ライオン1個で御招待!アメリカへ空の旅>トニー谷
三洋電機・サンヨー電気洗濯機<欧米で一番人気のある噴流式>小暮実千代(サンヨー夫人)
キング除虫菊工業・デピースキング<ビキニの灰よりこのけむり!!>
■ 話題のテレビ番組(1954)
○NTV中継番組続々−男子スピードスケート世界選手権大会中継(1.18〜19),プロ野球公式戦中継開始(4.3 ),力道山・木村対シャープ兄弟のプロレス中継(2.19〜3.9 ),全日本柔道選手権大会中継(5.5 ),プロボクシング世界タイトルマッチ白井義男対エスピノザ戦中継(5.24),全日本水上選手権大会中継(8.14〜15),プロテニスのクレーマー,セッジマン,ゴンザレス,セグラ戦中継(9.25,10.17 ),全日本剣道大会中継(10.10 ),フランス美術展を東京国立博物館とスタジオを結び2元中継(10.13 )など。
○フランキー堺,中村メイコ出演の連続ミュージカルコメディ「二人でお茶を」(NTV)放送開始(3.5 )。
○近藤圭子出演の少女ドラマ「星をみつめて」(NTV)放送開始(3.6 )。
○人物のシルエットをスクリーンに映し出し,これを解答者が当てるテレビ的なクイズ番組「シルエットクイズ」(NTV),スポンサーをつけない自主番組(サスプロ)で放送開始(9 )。
■ NHK(1954)
○NHKも中継番組続々−力道山・木村対シャープ兄弟のプロレス中継(2.19),天皇誕生日参賀風景中継(4.29),世界レスリング選手権大会中継(5.22〜25),太平洋選手権争奪プロレスリング試合中継(8.8 ),フランス美術展中継(10.15 ),BBC交響楽団指揮者マルコム・サージェント指揮のN響特別演奏会中継(10.19 )など。
○徳川無声,柳家金語楼による社会時評「こんにゃく問答(のちのこんにゃく談義)」放送開始(12.15 〜'61.4.1 )。
■ 流行語(1954)
台風手形,リベート,指揮権発動,死の灰,ビキニマグロ,水爆マグロ,放射能雨,ロマンスグレー,パートタイマー,シャネルの5番,流言蜚語,むちゃくちゃでござりまするがな
■ 流行歌(1954)
黒百合の歌
お富さん
岸壁の母
あなたと共に
哀愁日記
ウスクダラ
高原列車は行く
オー・マイ・パパ
青いカナリヤ
茶色の小びん
子靴屋さん
パ・パーヤ・ママ
○「お富さん」ブーム−春日八郎が一躍スターダムに。
○国産EPレコード第1号−雪村いづみの「青いカナリヤ」。
○ 映画「グレン・ミラー物語」の封切りとともに「茶色の小びん」などのグレン・ミラー・サウンドがブームとなる。
○岡山労音誕生を皮切りに全国各地に労音誕生相次ぐ。
■ 話題の映画(1954)
洋画
嘆きのテレーズ
恐怖の報酬
ロミオとジュリエット
波止場
エヴェレスト征服
麗しのサブリナ
ケイン号の叛乱
嘆きのテレーズ
裁きは終りぬ
グレン・ミラー物語
陽気なドン・カミロ
帰らざる河
ダイヤルMを廻せ
邦画
君の名は 第3部
七人の侍
忠臣蔵
二十四の瞳
ゴジラ
月よりの使者
宮本武蔵
ハワイ珍道中
金色夜叉
叛乱
家族会議
山椒太夫
山の音
晩菊
女の園
大阪の宿
黒い潮
潮騒
足摺岬
太陽のない街
勲章
○この年も日本映画が海外で各賞を受賞−カンヌ映画祭で「地獄門」がグランプリを受賞(4.11)。チェコ・カルロビバリ映画祭で「原爆の子」が平和賞,「蟹工船」が特別賞を受賞(7)。ベニス映画祭で「七人の侍」「山椒太夫」が銀獅子賞を受賞(9)。
○「ローマの休日」がヒット,ヘップバーン・ブームが起こる。
○東京で第1回東南アジア映画祭開催(5)。
○東宝が日本初の特撮怪獣映画「ゴジラ」を公開(11)。1億5000万円の配給収入をあげ,アメリカでも評判となる。
○東映が新作映画の二本立興行を始める(1 )。「真田十勇士」「雪之丞変化」「笛吹童子」などがヒット,中村錦之助(萬屋錦之助),東千代之介がデビュー,一躍スターの座を獲得。
○マリリン・モンローが夫の野球選手ジョー・ディマジオと来日(2.1 )。
○東京で第1回東南アジア映画祭開催(5 )。
○日本語の吹替えが始まり, ディスニー映画「ダンボ」公開(3.12)。
○ビスタビジョン第1作「ホワイト・クリスマス」公開(12.17 )。
■ ベストセラー(1954)
女性に関する十二章
昭和文学全集
現代日本文学全集
君の名は
潮騒
人間の歴史
火の鳥
愛は死を越えて
カロリーヌ
現代世界文学全集
○全集ブームから新書ブームへ−中央公論の軽装版「女性に関する十二章」に始まったともいわれ,「文学と人間−百十一章」「伊藤整の生活と意見」「文学入門」「火の鳥」など伊藤整ブームとともに新書ブームが台頭。光文社もカッパ・ブックスを刊行(10)。
○写真が盛んに活用され,見る本も増加−空からみる日本,現代写真地理,日本文学アルバム,写真でみる日本史,現代名作名画全集など。
■ 話題のマンガ(1954)
○「文芸春秋臨時増刊・漫画読本」文芸春秋社12月創刊。ナンセンス漫画隆盛へ。
○加藤芳郎の「まっぴら君」が毎日新聞に連載開始(1 )。
○加藤芳郎の「おんぼろ人生」がサンデー毎日に連載開始(7 )。
○福井英一の「赤胴鈴之助」が少年画報に連載開始(8 )。連載1回で福井英一が急死,竹内つなよしが継承。
○手塚治虫の「火の鳥」が漫画少年に連載開始。
■ ファッション(1954)
○「ローマの休日」のヒットでショートカットのヘアスタイル“ヘップバーン・カット”が流行し,「麗しのサブリナ」の公開で細身のズボンのトレドアル・パンツとサブリナ・シューズが流行。
■ 気象状況(1954)
○東京地方に積雪31.5cmの大雪(1.23〜24)。
○京都地方にも積雪25cmの大雪(1.25)。
○台風12号が九州南端に上陸(9.13)。関東以西で,死者 107人,住宅の全・半壊39,855棟,家屋の浸水 181,380棟などの被害を残す。
○洞爺丸台風(台風15号)が九州北部をかすめて日本海を北上(9.25〜27)。天候の回復を待っていた青函連絡船「洞爺丸」が函館港を出航。陸からかわずか 800mの函館港外で強風を受けて転覆。死者・行方不明 1,183人にのぼる日本最大の海難事故となる(9.26)。
○浅間山が噴火(6.24)。火山灰が関東一円に降る。