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ホットな父、クールな娘。――父娘のコミュニケーション温度を探る


ホットな父、クールな娘。――父娘のコミュニケーション温度を探る・旅行先でくつろぐ父娘  団塊と団塊ジュニアをめぐっては、母と娘の親密な関係から「母娘消費」といったキーワードが生まれた。また、新人類世代と新人類ジュニアの昆虫や鉄道など趣味を通じた父と息子の関係から「父子消費」も注目されている。トレンドボックス・リサーチでは、“父娘コミュニケーション”にスポットをあて、50代の父親250名、20歳〜34歳の娘250名を対象に、お互いの共通点や違いを明らかにするため、それぞれに同じ内容の質問をしてみた。
 父と娘とのコミュニケーションの温度差はどうなっているのか。女性の就業率の高まりにともなって、仕事をする父親に対する娘の理解はひと昔よりも進んでいるのだろうか。また、娘が高校生の頃が父娘のコミュニケーション温度が最も低いといわれているが、娘が成人してからのコミュニケーション復活は何がきっかけになるのだろうか。
 父と娘のお互いが求めているコミュニケーションのかたちを探りながら、父娘のコミュニケーションの現状と今後をのぞいてみた。

※調査対象:父親(50〜59歳の有職者で配偶者・娘と同居する男性)、娘(20〜34歳の有職者で両親と同居する女性)



finding#1
意外に高い?! 父娘コミュニケーション充足度と満足度

 父もしくは娘とのコミュニケーションに対する充足度を尋ねたところ、父では『充分(計)』(「充分」+「まあ充分」)が6割程度を占めた。一方娘の側では『充分(計)』が7割程度で、特に20代前半では4人に3人が充分だと思っていた。父・娘とも、充足度は意外に高い水準にあった。
 次に、この充足度のレベルを知るために、最近1か月の親子の会話や行動に対する満足度を聞いたところ、『満足(計)』(「満足している」)+「やや満足している」)が、父では71.6%、娘では74.0%と高く、「満足感」を伴う「充足感」であることがわかった。



finding#2
父娘の今後意向度ギャップ――修復期待の父、現状維持の娘

 今よりも父娘コミュニケーションを積極的にとりたいと思うかを聞いたところ、父では『思う(計)』(「そう思う」+「まあそう思う」)が75.2%だったのに対し、娘では51.2%に留まっている。父娘間で温度差はあるものの、娘側でも半数以上が父との関係を強めたいと考えていることがわかった。
 娘の今後意向を5歳刻みで年齢別にみると、年齢が上がるほど今後意向が低下する傾向が顕著で、30代になると『思わない(計)』(「あまりそう思わない」+「そう思わない」)が『思う(計)』を上回っている。積極的な父娘コミュニケーションを期待するには、娘が20代前半までに父娘関係の基盤を確立しておいたほうが良さそうだ。

 さらに、現在の充足度と今後意向度を掛け合わせ、父娘コミュニケーションを4つのパターンに分類した。



●父娘のコミュニケーション充足度×今後意向度

 
父娘のコミュニケーション充足度×今度意向度


 充足度が高い層ほど今後の意向も高い傾向にあり、結果、「ハナマル」な状態が父・娘とも約4割と最も多くなっている。しかし、充足度が低く意向が高い「修復期待」派は、父が3割強であるのに対して娘が約1割と、父の方が修復への期待感が高い。逆に、充足度が高いが意向は低い「現状維持」派は、娘が3割強であるのに対し、父が2割弱と、娘の方が現状で良しとする態度の人が多く、ここでも両者の温度差が明らかになった。



finding#3
1週間の父娘の会話時間――「1時間以上」が約4割、「あいさつ程度」が1割 !

 1週間の父娘の会話時間を聞いた結果、もっとも高かったのは、「30分〜1時間未満」(18.0%)で、「1時間〜2時間未満」(17.0%)が続いた。1時間以上の回答を合計した『1時間以上(計)』は41.0%だった。(ちなみに1日に換算すると9分弱以上)。なお、「あいさつ程度」は全体で1割程度だった。
 父娘年代別にみると、父では『1時間以上(計)』が50代前半で42.4%、50代後半で39.2%と、娘との会話時間は50代前半のほうがやや長くなっている。
 娘に関して、20〜34歳で5歳刻みでの傾向を見てみると、『1時間以上(計)』が20代後半で44.6%とやや高かったが、「あいさつ程度」も比較的高かった。一方、30代前半では『1時間以上(計)』が38.6%にとどまった。
 また、1週間の会話時間と家族での行動の関係をみたところ、親子の会話時間が短いほど、家族での行動が少ない傾向にあった。



finding#4
父娘(家族)の触れ合い――“買い物”に頼る父、“イベント”志向の娘

 家族で実際にしていることを聞き、さらにその中で家族のコミュニケーションに役立っていること/楽しみにしていること/主に父と娘でしていること、について聞いた。その結果、家族で実際にしていることで高かったのは“テレビ(バラエティ番組、TVドラマや映画、クイズ番組)”と“買い物”で、この2つは家族のコミュニケーションに役立っていることでも同じように高かった。しかし、家族の楽しみになっていることでは、“外食”や“旅行・ドライブ”が高く、主に父と娘で一緒にすることでは、“買い物”と“外食”が高かった。
 主に娘と(父と)一緒にすることについて年代別にみると、父では50代前半と50代後半に共通して「一緒に買い物に行く」が最も高いのに対して、娘で最も高いのは、20代前半では「クイズ番組を見る」(31.0%)、20代後半では「旅行・ドライブに行く」(19.3%)、30代前半では「ホテルやレストランに外食に行く」(16.9%)という、傾向の違いが見て取れる結果になった。
 50代の父は、“買い物”を娘との触れ合いの中心と考えているのに対し、20〜34歳の娘をみると、20代前半では“テレビ視聴”、20代後半では“旅行”や“家族行事”が高くなっており、父との触れ合いの中心は、「買い物」よりももっとイベント性が強い行動に意識があることからも見て取れるように、父娘双方で志向のズレがうかがわれる。

※調査対象である父親の年齢は50代であるが、50代前半の父親が同居している娘のボリュームゾーンは15〜19歳であることには留意する必要がある。



 

コラム(1) 就職して変わったこと

20代前半では、2人に1人が父の苦労を理解
娘に対して、就職したことによって変わったことがあるかを聞いた結果、全体では「父の苦労を理解できるようになった(理解が深まった)」(41.2%)が最も高く、「父への感謝の気持ちを持てるようになった」(35.2%)が続いた。年代別にみると、20代前半では、47.6%が父に対する“理解”を示しており、“感謝”など他の項目も高くなっている。就職して間もない頃に、娘は再び父の背中を見ていることがわかった。

 


 

コラム(2) フリーアンサーにみる父娘のコミュニケーション

父娘それぞれに「父娘でやってみたいこと」をフリーアンサーで尋ねた。

●父――
「ラスベガスでカジノをしたい」「ふだんの会話」「海外移住」
「娘が興味を持っていることを知りたい」「一緒に料理をしたい」
など
  父の回答では、積極的なものが目立った。
●娘――
「いままで通りの距離感がちょうどよい」「う〜ん、思いつかない」
「いまの状態で充分」「日帰り旅行ぐらいなら」
など
  娘では、「特にない」が多数で、消極的。少数派だが「旅行」系のコメントも。
●共通のキーワード――
「お酒」「釣り」「登山」
「話し合う」(「本音の会話」・「将来について真剣に話し合う」)
など
  父娘で共通するキーワードもあり、父娘のコミュニケーションを促進するテーマ別の商品やサービスの開発が期待される。

 


finding#5
父娘のコミュニケーション復活のカギは“人生相談”と“結婚や出産”?

 父と娘のコミュニケーションの復活のきっかけに「なったこと/なりそうなこと」について聞いてみた。



●父娘のコミュニケーション復活のきっかけになったこと

(%)

買い物に一緒にいく

プレゼントをもらう
(あげる)

旅行に行く

ドラマや映画・音楽を一緒に見る

ペットを飼う

悩みの相談(仕事・人間関係)

娘が(自分が)就職した・転職した

おこづかいをもらう(あげる)

全体
(n=500)

31.2

30.8

30.6

23.8

21.6

20.0

19.6

19.6

男性
50〜54歳
(n=125)

45.6

36.0

35.2

34.4

20.0

17.6

15.2

28.8

男性
55〜59歳
(n=125)

43.2

40.8

46.4

28.0

25.6

31.2

28.8

32.0

女性
20〜24歳
(n=84)

17.9

25.0

16.7

22.6

21.4

17.9

22.6

10.7

女性
25〜29歳
(n=83)

15.7

21.7

24.1

8.4

15.7

15.7

13.3

4.8

女性
30〜34歳
(n=83)

20.5

22.9

20.5

18.1

24.1

13.3

15.7

10.8


家族及び親戚がケガや病気をする

携帯やPCでのメールやチャット

冠婚葬祭(親戚と会う)

家の新築・改築(リフォーム)など

一緒に料理をつくる

悩みの相談(恋愛)

娘が(自分が)出産した

娘が(自分が)結婚した

あてはまるものはない

全体
(n=500)

19.2

17.4

11.6

10.0

9.2

4.6

2.8

2.8

25.6

男性
50〜54歳
(n=125)

16.8

18.4

12.0

5.6

12.0

6.4

3.2

2.4

19.2

男性
55〜59歳
(n=125)

19.2

25.6

12.8

16.0

15.2

8.0

4.0

4.8

18.4

女性
20〜24歳
(n=84)

20.2

13.1

11.9

7.1

3.6

0.0

2.4

1.2

29.8

女性
25〜29歳
(n=83)

16.9

13.3

10.8

7.2

4.8

2.4

2.4

3.6

41.0

女性
30〜34歳
(n=83)

24.1

12.0

9.6

13.3

6.0

3.6

1.2

1.2

26.5

* は全体に対して+10%以上のもの、全体に対して-10%以下のもの



●父娘のコミュニケーション復活のきっかけになりそうなこと

(%)

悩みの相談(仕事・人間関係)

旅行に行く

買い物に一緒にいく

娘が(自分が)就職した・転職した

プレゼントをもらう
(あげる)

家族及び親戚がケガや病気をする

娘が(自分が)結婚した

ドラマや映画・音楽を一緒に見る

全体
(n=500)

28.2

27.4

24.8

22.4

22.4

22.0

21.0

20.6

男性
50〜54歳
(n=125)

36.0

34.4

39.2

26.4

26.4

24.0

18.4

32.0

男性
55〜59歳
(n=125)

35.2

32.0

28.0

28.0

24.0

24.0

24.0

20.8

女性
20〜24歳
(n=84)

27.4

13.1

9.5

25.0

17.9

16.7

20.2

17.9

女性
25〜29歳
(n=83)

15.7

27.7

20.5

12.0

22.9

13.3

19.3

14.5

女性
30〜34歳
(n=83)

19.3

24.1

18.1

15.7

18.1

30.1

22.9

12.0


娘が(自分が)出産した

ペットを飼う

おこづかいをもらう(あげる)

携帯やPCでのメールやチャット

一緒に料理をつくる

冠婚葬祭(親戚と会う)

悩みの相談(恋愛)

家の新築・改築(リフォーム)など

あてはまるものはない

全体
(n=500)

20.4

17.2

17.0

16.8

15.2

15.0

14.6

13.0

21.4

男性
50〜54歳
(n=125)

16.8

17.6

20.8

24.0

22.4

16.8

23.2

8.0

12.8

男性
55〜59歳
(n=125)

24.0

20.0

20.0

20.8

21.6

19.2

23.2

17.6

13.6

女性
20〜24歳
(n=84)

15.5

15.5

15.5

9.5

8.3

10.7

3.6

10.7

31.0

女性
25〜29歳
(n=83)

20.5

13.3

13.3

15.7

9.6

8.4

4.8

10.8

33.7

女性
30〜34歳
(n=83)

25.3

18.1

12.0

8.4

7.2

16.9

9.6

18.1

24.1

* は全体に対して+10%以上のもの、全体に対して-10%以下のもの



 父と娘のコミュニケーションの復活のきっかけになったことに関して、父の回答で高かったのは、「買い物に一緒に行く」、「旅行に行く」、「プレゼントをもらう(あげる)」だった。
 一方娘の回答は、全般的に父に比べスコアは低いが、中では“プレゼント”、“旅行”、“ペット”、“身内のケガや病気”が高かった。“買い物”、“おこづかい”については、父を大きく下回っている。
 また、父娘とのコミュニケーションで復活のきっかけになりそうなことに関して、父の回答で高かったのは“仕事・人間関係の相談”、“買い物”、“旅行”だった。
 一方娘では、“旅行”に次いで、“仕事・人間関係の相談”、“結婚”が高く、父では高かった“買い物”は低くなっている。年齢別では、20代前半では“仕事・人間関係の相談”と“就職”、30代前半では、“身内のケガや病気”、“出産”が高く、結婚”はどの年齢層でも比較的高かった。
 このように娘は、ライフステージごとに訪れるであろう人生のイベントや相談ごとの機会を、父娘コミュニケーションのきっかけとして期待しており、“買い物”頼みの父とのすれ違いが起こっている。父はいつまでも娘扱いをしたいが、娘のほうは、一人前の大人として付き合って欲しいという気持ちが表れているのかもしれない。



 

 このたびの調査では、巷間いわれるような、父娘のすれ違いを示す結果もみられたが、父娘コミュニケーションの充足度や満足度は全体的に低くはなく、父と娘で一緒に行動するシーンもそれなりにあることが明らかになった。フリーアンサーからは、テレビ番組やメール、パソコン、ペットなどを介しながらコミュニケーションしている様子もうかがわれた。
 ただし、今後のコミュニケーション意向については父と娘のギャップは大きく、特に、今後意向が低くなる30代の娘においては、父娘コミュニケーション活性化の前途は多難かもしれない。活性化や復活を期するのであれば、娘が20代前半のうちのほうが効果は期待できるようだ。
 また調査結果から、娘は、父娘コミュニケーションとして、父側が考えているほど買い物やおこづかいといったことは重視しておらず、必要なときに相談に乗ってくれるなど、人生の節目節目でのコミュニケーションを求めている傾向が読み取れた。
 娘の側は就職を機に、父に対する理解を深め、「共感」も生まれつつある。父の側も、成長した娘の気持ちを理解して接することが、温かな父娘コミュニケーションの活性化につながるに違いない。

 




■調査概要

◎調査方法:

インターネット調査

◎調査時期:

2007年8月10日〜8月13日

◎対象者:

首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)在住で、
50〜59歳の有職者で配偶者・娘と同居する男性250名、
20〜34歳の有職者で両親と同居する女性250名

TOTAL:500サンプル

※調査結果を転載される場合には、事前にご連絡の上、許諾を得ていただくようにお願いいたします。






【父娘のコミュニケーションは充分だと思いますか(ひとつだけ選択)】

【父娘のコミュニケーションは充分だと思いますか(ひとつだけ選択)】 帯グラフ


【最近1か月の親子間の会話(メールなど含む)に満足していますか(ひとつだけ選択)】

【最近1か月の親子間の会話(メールなど含む)に満足していますか(ひとつだけ選択)】 帯グラフ

【現在よりも父娘のコミュニケーションを積極的にとりたいと思いますか(ひとつだけ選択)】

【現在よりも父娘のコミュニケーションを積極的にとりたいと思いますか(ひとつだけ選択)】 帯グラフ


【父娘のあいだで1週間にどの程度会話をしますか(ひとつだけ選択)】

【父娘のあいだで1週間にどの程度会話をしますか(ひとつだけ選択)】 帯グラフ


【家族のあいだで実際にしていること(複数選択)】

●父の回答

【家族のあいだで実際にしていること・父の回答】 折れ線グラフ

●娘の回答

【家族のあいだで実際にしていること・娘の回答】 折れ線グラフ
*上位項目を抜粋して記載


【家族のコミュニケーションに役立っていること(複数選択)】

●父の回答

【家族のコミュニケーションに役立っていること・父の回答】 折れ線グラフ

●娘の回答

【家族のコミュニケーションに役立っていること・娘の回答】 折れ線グラフ
*上位項目を抜粋して記載


【家族の楽しみになっていること(複数選択)】

●父の回答

【家族の楽しみになっていること・父の回答】 折れ線グラフ

●娘の回答

【家族の楽しみになっていること・娘の回答】 折れ線グラフ
*上位項目を抜粋して記載


【主に父娘で一緒にすること(複数選択)】

●父の回答

【主に父娘で一緒にすること・父の回答】 折れ線グラフ

●娘の回答

【主に父娘で一緒にすること・娘の回答】 折れ線グラフ
*上位項目を抜粋して記載


【就職して変わったこと(複数選択)】

【就職して変わったこと(複数選択)】 棒・折れ線グラフ


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