当社が2019年1月10日にニュースリリースで開示した「LGBT調査2018」(電通ダイバーシティ・ラボ(DDL)が取りまとめ)の結果について、ご理解を深めていただくため、リリース本文の前に補足説明を加えております。

「LGBT調査2018」についての補足説明

DDLの「LGBT調査」では、これまで便宜上、LGBTなどのセクシュアルマイノリティに該当する人を「LGBT層」と呼んでいました。
これはニュースリリース(2019年1月10日付け)の注釈に記載のとおり、「セクシュアリティーマップ(セクシュアリティを身体の性、心の性、好きになる相手の性に分けたもの)」の2と10(ストレート:生まれた時に割り当てられた身体の性と性自認が一致しており、異性愛者である人)以外の方々と規定しています。
従いまして、この「8.9%」の中には、「クエスチョニング(Q):自分の性自認や性的指向を決められない・決まっていない人」やその他も含まれています。
そうした意味でも、DDLが2012年、2015年、2018年に行った「LGBT調査」は、実質的にはすべてLGBTQ+調査であったと言えます。

リリース本文

電通ダイバーシティ・ラボが「LGBT調査2018」を実施
- LGBT層に該当する人は8.9%、「LGBT」という言葉の浸透率は約7割に -

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)においてダイバーシティ&インクルージョン領域に対応する専門組織「電通ダイバーシティ・ラボ」(以下「DDL」)は、2018年10月に全国20~59歳の個人60,000名を対象に、LGBTを含む性的少数者=セクシュアル・マイノリティ(以下「LGBT」層)に関する広範な調査を行いました。その結果、LGBT層に該当する人は8.9%、「LGBT」という言葉の浸透率は68.5%となりました。


加えて今回の「LGBT調査2018」では、LGBT層に対する性別・年代別の好意・容認度の傾向や職場の環境、メディアの影響力、行政による制度づくりに対する意見などについても聞いています。
当社は2012年と2015年にもLGBT調査を実施していますが、今回は国際的な大型スポーツ大会を目前に、東京都でもSOGI(Sexual Orientation Gender Identity:性的指向、性自認)に関する差別を禁止する条例が制定され、各職場での理解促進や制度づくりが進んでいるという実情を踏まえ、新たに調査を実施することにしました。
 
本リリースでは、本調査で得られたファインディングスの一部を紹介します。
なお、本調査では、セクシュアリティを「身体の性」、「心の性」(性自認)、「好きになる相手の性」(性的指向)の3つの組み合せで分類し、DDL独自の「セクシュアリティーマップ」に基づき、ストレート(異性愛者であり、生まれた時に割り当てられた性と性自認が一致する人=2と10)と答えた方以外をLGBT層と定義しています。

                                  
1.LGBT層の割合は8.9%
・LGBT層に該当する人は8.9%(2012年調査※1 5.2%、2015年調査7.6%)でした。
・2015年調査からの主な増加要因は、LGBTに関する情報の増加による一般理解の進展、LGBTへの理解が深い若年層のアンケート対象構成比の増加にあると推測しています。

※1:2012年調査の質問方法は、2015年・2018年とは異なるため単純比較はできません。

2. 「LGBT」という言葉の浸透率は約7割
・2018年調査では68.5%となり、2015年調査の37.6%から30.9ポイントと大幅に上昇しました。特に女性(女性70.9%:男性66.2%)と若年層(20代70.6%:30代 69.2%:40代 68.3%:50代 66.7%)において、より浸透している傾向が表れました。(グラフ1)
・76.0%の人がLGBTという言葉の認識にとどまらず、「LGBTについて正しい理解をしたい」という意向を持っています。(グラフ2)


3.職場の環境は改善の余地あり
・LGBT層の人にとって、「職場の同僚(上司・部下含む)へのカミングアウト」については、50.7%が抵抗あり、抵抗がない人は21.1%に留まりました。(グラフ3)
・また、「職場にサポート制度がない」※2と回答したLGBT層は過半の54.5%、一方、「職場に十分なサポート制度がある」と考えるLGBT層は5.5%に留まりました。(グラフ4)


※2:職場のサポート制度の例:同姓婚でも配偶者手当を支給するなどの福利厚生や、LGBTの理解を促進する社内イベント・勉強会の実施、トランスジェンダーも使いやすいトイレの設置など

4.国や行政による法制度づくりには7割以上の人が賛成
・多くの先進国で認められている「同性婚」については78.4%の人が賛成しています。賛成する人は男性(69.2%)よりも女性(87.9%)の方が多く、また若年層ほど高い傾向にあります(20代87.3%、50代72.5%)。(グラフ5)
・東京都のLGBT差別を禁止する条例※3については82.7%の人が賛成しており、さらに72.1%の人は日本全体で「もっと法整備をすべき」と考えています。(グラフ6、7)



※3:東京都条例:東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例
URL: http://www.soumu.metro.tokyo.jp/10jinken/tobira/pdf/regulations-summary.pdf

<事前スクリーニング調査概要>
・調査対象:20~59歳の個人60,000名
・調査対象エリア:全国
・調査時期:2018年10月26日(金)~29日(月)
・調査方法:インターネット調査

<電通LGBT調査2018概要>
・調査対象:20~59歳の個人6,229名
(LGBT層該当者589人/ストレート層該当者5,640人)
・調査対象エリア:全国
・調査時期:2018年10月26日(金)~29日(月)
・調査方法:インターネット調査

以上

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【本件に関する問い合わせ先】
株式会社電通 コーポレートコミュニケーション局 広報部
       渓、小嶋  TEL:03-6216-8041

【本調査に関する問い合せ先】
株式会社電通 電通ダイバーシティ・ラボ 
       伊藤、吉本 TEL:03-6216-0908