― 今を知る集団ではなく、未来を創るチームに ―

株式会社電通(社長:山本 敏博)の創立116 周年記念式が、7月3 日午前10 時から、汐留本社ビル1階の電通ホールで行われ、山本社長が電通グループの社員に向けて所信を述べた。
要旨は以下のとおり。

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電通は今、変化の真只中にいる。10年後、20年後に電通社員が過去を振り返る時、2017年は大きな転換点になっているはず。創立記念日の今日、今立っている場所とこれから進む先を、皆さんと一緒に考えたい。

当社は116年の間に「革新と挑戦」を繰り返し、幾多の苦難を乗り越えてきた。戦前、戦後に活躍した私たちの先輩は、多様で多彩な特殊技能と知識、クリエーティビティー、ネットワークで力を発揮し、マイナスの状態から広告産業を創り上げた。その先輩方の多くの良き遺伝子が、今でも私たちに受け継がれている。
しかし、当社において立て続けに顕在化した問題は、社内に内包する新たな課題を気付かせ、軌道修正するきっかけを私たちに与えてくれた。サービスの品質向上や予算達成はとても大切なことだが、「当社は社会が必要とする変革をもたらす存在であること」「主役である社員一人ひとりが心身ともに健康で成長を実感できること」がその前提になくてはならない。

今からちょうど3年後の2020年7月にオリンピック・パラリンピックが始まるが、この先のことは「2020」抜きに語ることはできない。なぜなら、日本中が2020を契機に変わろうとしているからだ。「2020以降の日本と世界」をどう捉えるのか。私たちはそこから導き出される「2020に向けて成すべきこと」を考え、実行していかなければならない。
この国で活動する全ての人たちと共に、2020までに何を成し遂げ、それ以降の社会に何をもたらすべきか。電通はどのような役割を果たすべきなのか。もう一度、これまで来た道を見つめ、また先に広がる風景を見渡し、自分たちの目指す方向を確認し合いたい。

広告業界のトップではなく、社会変革のリーダーに、という「視座」。
単なる広告エキスパートではなく、事業発展のパートナーに、という「立ち位置」。
既得権益企業ではなく、フロンティア企業に、という「志」。
今を知る集団ではなく、未来を創るチームに、という「技術と機能」。

先が見えない世の中だからこそ、当社の仕事は尽きない。また先が見えない時代にこそ、当社のDNAが生きてくる。一人ひとりの仕事のやり方で、電通はできている。今、目の前にある転換点を大きく捉え、舵をとろう。