年ごとの政治・経済、広告、マスコミ、流行、生活の特徴を年表としてまとめ、掲載しています。

●各事項の頭の記号「○」は国内の事項、「×」は海外の事項を示す。

●「政治・経済・業界」欄はじめ各欄中の( )中の数字は月あるいは月・日を示す。

●「日本の広告費」は電通発表による。

2022年(令和4年)

経済財政白書 副題(2022)

人への投資を原動力とする成長と分配の好循環実現へ

首相 岸田文雄

経済概況(2022)

令和4年の日本経済は、実質GDP成長率が前年比1.0%増と2年連続のプラス成長となった。コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつあり、ゆるやかな持ち直しが続いた。一方で世界的なエネルギー・食料価格の高騰や世界経済減速の影響を受け、個人消費・民間設備投資が増加した。また輸出も大きく伸長。百貨店、スーパー、コンビニエンスストアの売上高はいずれも前年を上回り、住宅着工も2年連続のプラス。国内新車販売は伸び悩み4年連続のマイナス。白物家電市場は1年ぶりに前年を上回った。

経済成長率 名目 1.3% 実質 1.0%
民間最終消費支出 名目 4.9% 実質 2.1%
民間企業設備投資 名目 5.9% 実質 1.8%
輸出 名目 19.8% 実質  4.9%
消費者物価    2.3%

日本の広告費(電通調査)(2022)

○総広告費はコロナ禍前の2019年を超え、1947年に推計を開始して以降、過去最高となった。インターネット広告費は3兆円を超え、広告市場全体の成長を後押し。またテレビの見逃し配信などインターネット動画配信の広告費を推定範囲とする「テレビメディア関連動画広告費」は前年比140.6%の350億円と大きく伸長した。

  億円 対前年比(%)
総広告費 71,021 (104.4)
新聞 3,697 (96.9)
雑誌 1,140 (93.1)
ラジオ 1,129 (102.1)
テレビメディア 18,019 (98.0)
 地上波テレビ 16,768 (97.6)
 衛星メディア関連 1,251 (103.5)
インターネット 30,912 (114.3)
PM 16,124 (98.3)

※PM=プロモーションメディア

政治・経済・業界(2022)

〇東京証券取引所で新たな市場区分「プライム」「スタンダード」「グロース」の株式取引が開始(4.4)。約60年ぶりの大規模見直し。

〇安倍晋三元首相、奈良県で応援演説中に銃撃され死去(7.8)。国葬が執り行われた(9.27)。

○第26回参院選、自民党が63議席を獲得し、単独で改選定数124の過半数を占めて大勝(7.10)。

〇第2次岸田改造内閣が発足(8.10)。

○セブン&アイホールディングスは傘下の百貨店「そごう・西武」を米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに売却すると発表 (11.11)。

〇バイデン米大統領来日(5.22-5.24)、日米のパートナーシップ強化。

〇北大西洋条約機構(NATO)、北欧フィンランドとスウェーデンの加盟を認めることで合意(6.29。

○日中首脳会談(11.17)、対面ではおよそ3年ぶり。

〇日米金融政策の方向性の違いから1ドル151円台をつける(10.20)など急速な円安が進んだ。

○急速な円安対策として政府が24年ぶりに円買い為替介入を実施(9.22)。

×ロシア、ウクライナ全土にミサイル攻撃(10.10)。

×北朝鮮、相次ぎミサイル発射。

〇国家安全保障戦略(NSS)など安保3文書を閣議決定(12.16)。「反撃能力」保有へ。

〇電力需給ひっ迫警報、運用開始以来初めて発令(3.21)。

×G7エルマウ・サミット(6.26-6.28)。各国首脳はロシアのウクライナ侵攻を非難し、G7が結束してウクライナ支援を継続することを約束。

×米中間選挙(11.8)。共和党が4年ぶりに下院で過半数獲得。上院選は民主党が多数派維持。

○住宅着工は前年比0.4%増と2年連続の増加。新車販売は前年比5.6%減で4年連続の減少。登録車が8.3%減、軽自動車が0.9%減。販売台数も420万と1977年以来45年ぶりの低水準。百貨店は13.1%増でコロナ禍前の9割まで回復。スーパーは1.9%増と3年連続のプラス。コンビニも3.3%増と2年連続のプラス。失業率は年平均2.6%と前年と微減。12月の失業者数は158万人で前年同月に比べ15万人減少。18か月連続の減少となった。

○携帯電話の加入契約数は12月末で前年比3.7%増の2億747万件。

○為替相場は20年ぶりの「超円安」で推移。最終日は前年末より約16円安い1ドル131円台(12.30)。株価は最終日の終値が2万6,094円と前年末を2,697円(9.4%)下回り、4年ぶりに下落となった。

○訪日外国人数は、10月の入国制限緩和により前年比1458.6%増の383万1,900人。外国人消費額は試算値で8,991億円。

マスコミ・広告・媒体(2022)

×北京冬季オリンピック開催(2.4~2.20)。日本の金メダルは6個、合計18個となり冬のオリンピックで過去最多記録。

×北京冬季パラリンピック(3.4~3.13)。

○プロ野球・ロッテ佐々木朗希選手が28年ぶり完全試合達成(4.10)。20歳5ヵ月での達成は史上最年少。

〇世界水泳ASソロ、乾友紀子が日本史上初2冠(6.22)。

○夏の高校野球、宮城県の仙台育英が東北勢初の優勝(8.22)。

○フィギュアスケート男子で冬季五輪2連覇の羽生結弦が引退、プロへ転向を表明(7.19)。

○第94回米アカデミー賞、「ドライブ・マイ・カー」が日本映画では13年ぶりに国際長編映画賞を受賞した(3.27)。

○米大リーグ・エンゼルス大谷翔平が10勝目をあげ、ベーブ・ルース以来104年ぶりとなる「2桁勝利・2桁本塁打」を達成(8.9)。

×サッカーW杯カタール大会(11.20~12.18)。アルゼンチンがPKの末にフランスを下し36年ぶり3回目の優勝。

○プロ野球日本シリーズ、オリックスがヤクルトを下し26年ぶりの日本一(10.30)。

媒体の発足(2022)

○雑誌-ティーンズファッション誌-「Cuugal(キューーガル)」角川春樹事務所5.10など。クロスワードパズル誌-「ひらめく!クロスワード」マガジン・マガジン4.30など。 バーチャルYouTuber専門情報誌-「VTuberスタイル」アプリスタイル2.28など。 パーソナルマガジン-「栗原はるみ」講談社3.4など。 エンタメジャンル中心のムック誌-「BY MOOK」文友舎7.5など。 月齢別育児情報誌-「初めてのひよこクラブ」ベネッセコーポレーション6.15など。 アウトドア情報誌-「ENJOY!OUTDOOR(エンジョイ!アウトドア)」アシェット・コレクションズ・ジャパン5.18など。車中泊専門情報誌-「カーネル」八重洲出版2.9など。 DVD付き分冊百科-「隔週刊 西遊記DVDコレクション」デアゴスティーニ・ジャパン8.23など。 占い情報誌-「占いの世界 改訂版」アシェット・コレクションズ・ジャパン1.5など。

○主な休廃刊は「おかずのクッキング」テレビ朝日、「NHKラジオ 高校生からはじめる「現代英語」」NHK出版、「映画秘宝」双葉社、「演劇界」小学館、「Cure(キュア)」エイジアハウス、「つり丸」ジュネット、「かぞくのじかん」婦人之友社、「まんがライフ」竹書房、「近代柔道」ベースボール・マガジン社、「パチンコオリジナル実戦術」ガイドワークス、「経済研究」岩波書店など。

○民放テレビ局数 127局・民放ラジオ局数 99局

○コミュニティ放送局数  339局(1局増)

○創復刊誌数39誌,休廃刊誌数95誌

国内10大ニュース(2022)

○安倍晋三元首相、奈良県で応援演説中に銃撃され死去(7.8)。

○W杯カタール大会、日本が強豪ドイツ、スペインを撃破し16強。決勝トーナメントでクロアチアに敗れ敗退したものの、世界に日本の進化を示した。

○北海道知床半島で観光船「KAZU 1」沈没事故(4.23)、20人死亡6人不明。

○米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平、2桁勝利2桁本塁打達成。

○プロ野球・ヤクルト村上宗隆、56本塁打、史上最年少の三冠王を獲得。

○1ドル150円台まで下落(10.20)。バブル期以来約32年ぶりに円安水準更新。

○北京五輪、日本は冬季五輪過去最多となる18個のメダルを獲得。

○安倍元首相銃撃事件をきっかけに「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)の高額寄付被害が明らかになり、政治問題に発展した。

〇将棋の藤井聡太竜王、最年少の五冠を獲得(2.12)。

○コロナ感染、1日の感染者数が10万人を超えた(2.10)。

海外10大ニュース(2022)

×ロシア、ウクライナへ軍事侵攻(2.24)

×英国史上最長の約70年7カ月にわたり君主を務めたエリザベス女王、96歳で死去(9.8)。国葬が営まれ日本からは天皇皇后両陛下が参列された(9.19)。

×韓国ソウルの繁華街・梨泰院で、ハロウィーンに集まる若者らが折り重なって倒れる雑踏事故が発生(10.29)、158人が死亡した。

×サッカーW杯カタール大会開幕(11.20)。中東では初開催。酷暑を避けるため通常とは時期をずらして開催された。

×世界の新型コロナウイルス累計感染者数が6億人を突破した(8.26)。

×ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、原油価格が急騰。テキサス産軽質油(WTI)の先物価格は一時1バレル=100ドルを上回った(2.24)。

×中国、習近平総書記の異例となる3期目政権が発足した(10.23)。

×米テスラのイーロン・マスク氏、米ツイッター社を440億ドルで買収 (10.27)。

×国連、世界の人口が80億人に達したと発表(11.15)。

×中国・上海で新型コロナ感染拡大を受けロックダウン(3.28)。日本企業の現地工場でも休業が相次いだ。

生活(2022)

〇トンガの海底火山大噴火(1.15)、日本でも津波を観測。

〇原油高や原材料高、ロシアによるウクライナ侵攻や円高の影響でレトルトカレーや食用油、紙おむつ、電気代など値上がりが続いた。

○民法改正により成人年齢が20歳から18歳に引き下げ (4.1)。

〇海洋冒険家の堀江謙一さん、世界最高齢(83歳)でヨット単独無寄港の太平洋横断に成功(6.4)。

○インターネット上の誹謗中傷対策強化のため侮辱罪厳罰化が実施(7.7)。

〇長崎と佐賀を結ぶ西九州新幹線「かもめ」開業(9.23)。

〇育児・介護休業法の改正の一つとして新たに「産後パパ育休(出生時育児休業)」制度スタート(10.1)。

○河野太郎デジタル相、現行の健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替える方針を発表(10.13)。

○KDDI、全国で通信障害(7.2~7.5)。最大3,915回線に影響し、過去最大級の障害となった。

○新型コロナの水際対策が緩和(10.11)、入国者上限が撤廃され、個人の外国人旅行客の入国も解禁した。

〇原材料価格の上昇や円安の影響を受けて物価の高騰・値上げラッシュ(10.1)。

○旧統一教会問題をうけ、被害者救済新法が成立(12.10)、不当な寄付勧誘に罰則。

〇旧統一教会の問題をきっかけに高額寄付被害救済・防止法が成立(12.10)。

○東京ディズニーリゾートで3年ぶりに「ディズニー・クリスマス」開催。

大阪中之島美術館(2.2)、甲子園プラス(3.3)、ミカン下北(3.30)、シー・ドラグーン(3.15)、川口ハイウェイオアシス(4.25)、福岡おもちゃ美術館(4.25)、アートアクアリウム美術館GINZA(5.3)、自由が丘スイーツフォレスト(7.7)、グランドーム千葉富津(8.1)、ジブリパーク(11.1)、渋谷SAUNAS(12.23)

時の商品・新製品(2022)

○睡眠のエンタメ化-睡眠の質向上ドリンク・サプリ「Yakult1000/Y1000」、乳酸菌飲料、「アリナミンナイトリカバー」、「ナイトミン耳ほぐタイム」、夜間美容「YOLU」。

○ちいかわブーム-SNS発キャラクター「ちいかわ」快進撃。企業とのコラボで「ちいかわエポスカード」「ちいかわまんまる焼き」「ちいかわふりかけ」等も爆発的ヒット。

○物価高の中で高コスパ商品-「SHEIN」、「ワークマン キャンプギア」、「チューナーレステレビ」、軽自動車EV

○親子間2世代ヒット-「トップガン マーヴェリック」、「Tamagotchi Smart」、アサヒ生ビール、第2次カヌレブーム

○「行動制限」ムードの終焉-「PCM冷却ネックリング」、「炭酸飲料対応ボトル」、「卓上サワー」「旅行ガチャ」「ホテルガチャ」

〇人気漫画の映画・アニメ化―「ONE PIECE FILM RED」、「SPY×FAMILY」

○新発想-冷凍冷やし中華、置くだけ防カビ「ファブリーズ お風呂用防カビ剤」

○お得感のあるゴールドカード-「三井住友カード ゴールド(NL)」

○注目を集めた商品-「完全メシ」シリーズ、「翠ジンソーダ缶」、「スプラトゥーン3」、セカンド冷蔵庫、「ぷにるんず」「丸ごとシイタケスナック」「instax mini Evo」

話題の広告(2022)

・<au 三太郎シリーズ 進め!そっちだ!編他>=KDDI

・<タウンワーク 吊り橋編他>=リクルート

・<UNIQLO ワイドパンツはみんなのものへ。編他>=ユニクロ

・<アサヒ生ビール 2022年もおつかれ生です編他>=アサヒビール

・<UQ UQEEN・カモの親子編他>=KDDI

・<Uber Eats・今夜、私が頂くのは…帽子編他>=Uber Eats Japan

・<ワイモバイル 家族はいいのだ編他>=ソフトバンク

・<BOSS 宇宙人ジョーンズ・禁じられた惑星編他>=サントリーホールディングス

・<出前館 Demaecanしよ?スイーツ編他>=出前館

・<スーパードライ 最高の渇きに。イチロー編他>=アサヒビール

・<ハミング消臭実感 消臭する柔軟剤といえば編他>=花王

・<キリンホームタップ 妻の居ぬ間に編他>=キリンビール

・<iPhone iPhoneのプライバシー 個人情報オークション編他>=アップルジャパン

・<カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質 カプヌのプロ:リピーター続出編他>=日清食品

・<三角チョコパイ 黒と白の王様編他>=日本マクドナルド

・<ピルクル 錦鯉編>=日清ヨーク

・<どん兵衛 東西だし比べ編他>=日清食品

・<SoftBank お父さんペンギンになる編他>=ソフトバンク

・<SPY×FAMILY 新宿駅東口前3D屋外広告>=集英社

・<明治プロビオヨーグルトR1 受験生応援広告>=明治

話題のテレビ番組(2022)

○2022年の年間世帯視聴率は、全日帯とプライム帯でテレビ朝日が二冠達成、ゴールデン帯は日本テレビが首位となった。全日でテレビ朝日が首位になったのは初。一方、個人視聴率は12年連続で日本テレビが三冠獲得。

〇ドラマ視聴率は、NHK朝ドラの「カムカムエヴリバディ」(4月8日終了)の期間平均視聴率が17.1%と前作を上回ったものの、続く「ちむどんどん」が15.8%と2010年に放送開始が午前8時になって以降最低を記録した。「舞い上がれ!」(10月3日開始)は初回が16.3%と低調スタート、その後も好転することなく5週目以降は週平均15%台で推移。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は初回が17.3%と前作「青天を衝け」より約3%ダウン。年間視聴率も12.7%と前作を下回った。民放では、「silent」(フジテレビ)が見逃し配信で歴代最高記録を更新した他、「相棒 season20」「相棒 season21」(テレビ朝日)、日曜劇場「DCU」、「マイファミリー」(TBS)などが人気となった。

〇スポーツではサッカーW杯の日本戦が上位に並んだ。2戦目のコスタリカ戦(テレビ朝日11.27)が42.9%でトップを記録した他、初戦ドイツ戦(NHK総合11.23)が36.8%、決勝トーナメントのクロアチア戦(フジテレビ12.5)が34.6%を記録。早朝に行われたスペイン戦(フジテレビ12.2)も28.7%と高視聴率を獲得。北京オリンピックは最高視聴率がカーリング女子決勝(NHK総合2.20)の29.2%。箱根駅伝は往路26.2%、復路28.4%と2日間とも前年を下回る結果となった。

〇バラエティは、「ポツンと一軒家」「ザワつく!金曜日」(各テレビ朝日)「ブラタモリ」(NHK総合)が昨年に引き続きトップ3となった。「ブラタモリ」と同率3位で「ヒューマングルメンタリーオモウマい店」(日本テレビ)がランクインした他、「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ)、「プレバト!!」(TBS)「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ)などおなじみの番組が並んだ。レギュラー番組以外では、毎年元日に放送される「芸能人格付けチェック!2022年お正月スペシャル」(フジテレビ)が20.1%、「M-1グランプリ2022」(テレビ朝日)が17.9%の高視聴率を獲得。

〇夏恒例の「24時間テレビ45」(日本テレビ8.27~28)は平均視聴率が13.8%と前年(12.0)を上回った。

NHK(2022)

《カムカムエヴリバディ》 17.1% 《ちむどんどん》 15.8% 《舞い上がれ!》

《鎌倉殿の13人》 12.7%

〇「紅白歌合戦」の平均世帯視聴率は第一部が31.2%、第二部が35.3%。前年に比べ第一部は0.3ポイント減、第二部は1.0ポイント増。最低記録となった前年は上回ったもののワースト2位となった。

〇大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の平均世帯視聴率は12.7%と前作「青天を衝け」を1.4ポイント下回った。

〇「日本放送協会放送受信規約」の変更案が経営委員会で議決され、総務大臣に認可申請した(12.6)。認可されれば2023年4月から契約の申し込み期限を新たに規定。不正な受信料未払いについては、所定の受信料に加え、その2倍に相当する額の割増金を課す。

流行語(2022)

村神様、キーウ、きつねダンス、国葬儀、宗教2世、知らんけど、スマホショルダー、てまえどり、Yakult(ヤクルト)1000、悪い円安、“青春って、すごく密なので”、インティマシー・コーディネーター、オミクロン株、ヌン活、SPY×FAMILY、令和の怪物、顔パンツ、ブラボー

流行歌(2022)

レコード大賞:SEKAI NO OWARI<Habit>

最優秀新人賞:田中あいみ<大阪ロンリネス>

①ツキヨミ/彩り<King & Prince>
②オレンジkiss<Snow Man>
③ブラザービート<Snow Man>
④好きというのはロックだぜ!<乃木坂46>
⑤ここにはないもの<乃木坂46>
⑥I(CALL 119/We Are)<INI>
⑦The Answer/サチアレ<なにわ男子>
⑧Actually...<乃木坂46>
⑨TraceTrace<King & Prince>
⑩ハッピーサプライズ<なにわ男子>

○総売上金額は前年比1.3%増の1,537億円。内訳はシングルが2.3%減の484億円、アルバムが3.1%増の1,054億円。

○ミリオンセラーはSnow Man のアルバム「Snow Labo. S2」(101.5万枚)の1作品のみ。店舗とEコマースの売上は、店舗が前年比0.9%増、Eコマースが6.3%増と、どちらも増加傾向となった。

話題の映画(2022)

洋画
①トップガン マーヴェリック
②ジュラシック・ワールド/新たなる支配者
③ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密
④ミニオンズ フィーバー
⑤スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

邦画
①ONE PIECE FILM RED
②劇場版 呪術廻戦 0
③すずめの戸締まり
④名探偵コナン ハロウィンの花嫁
⑤キングダム2 遥かなる大地へ  

○年間入場者は前年比32.4%増の1億5,201万人。スクリーン数3,634スクリーン。

○興行収入は前年比31.6%増の2,131億円で3年ぶりに2000億円台に回復した。2000年以降7番目の数値まで回復し、邦画で興行収入100億超3本は史上初となった。アニメ映画の大ヒットが継続中。

ベストセラー(2022)

①80歳の壁<和田秀樹>
②同志少女よ、敵を撃て<逢坂冬馬>
③人は話し方が9割<永松茂久>
④ジェイソン流お金の増やし方<厚切りジェイソン>
⑤70歳が老化の分かれ道<和田秀樹>

〇紙の出版市場は18年連続の前年割れ。販売額は前年比6.5%減の1兆1,292億円。内訳は書籍が4.5%減の6,497億円、雑誌が9.1%減の4,795億円。これまで好調だった文芸書、児童書などの売れ行きも鈍化し不振が鮮明となった。

〇電子出版市場は前年比7.5%増の5,013億円。増加しているものの、伸び幅は前年までの2割前後に比べ縮小した。紙と電子を合算した出版市場は前年比2.6%減の1兆6,305億円と4年ぶりの前年割れとなった。

話題のマンガ(2022)

○コミック誌は年間推定発行部数が前年比6.3%減、コミックスは年間推定販売金額が16%減。その中でも書籍扱いコミックスは同10.5%増の263億円と大きく伸長した。

○20年の『鬼滅の刃』(集英社)に続き21年『呪術廻戦』(同)『東京卍リベンジャーズ』(講談社)とメガヒットが相次いだための前年比減となった。

○コミック全体(紙+電子)の推定販売金額は前年比0.2%増の6,770億円。内訳は紙のコミック市場が13.4%減、電子コミック市場が8.9%増。

○コミックスは販売金額大幅減とはいえ、アプリ「少年ジャンプ+」発の『SPY×FAMILY』(集英社)が4月のアニメ化でブレイク。『チェンソーマン』(同)もアニメ化で爆発的に売り伸ばすなど映像化作品の大ヒットがあった。『ONE PIECE』『僕のヒーローアカデミア』『怪獣8号』(各集英社)、『アオアシ』(小学館)などが好調。成年向けは『キングダム』(集英社)『その着せ替え人形は恋をする』(スクウェア・エニックス)、少女向けは『ミステリと言う勿れ』(小学館)、『ハニーレモンソーダ』(集英社)、『ちはやふる』(講談社)、などがそれぞれ健闘した。

ファッション(2022)

○暑さ対策として、「冷凍庫なしで凍る、服を濡らさずに使える、重くない」PCM冷却ネックリングが人気を博した。子供用やペット用なども各メーカー相次いで発売した。

〇手ぶらでいられることや落下防止などの利便性から、スマートフォンを肩から斜め掛けできる「スマホショルダー」が若い女性を中心に人気となった。

○着用時の疲労軽減効果をうたう「リカバリーウェア」が衣類市場で伸長した。イオンはセリアントを採用した、普段着にできるリカバリーウェアを発売。

○阪急メンズ東京に「GINZA SNEAKER HILLS」がオープン(3.19)。中古品販売、買取、歴史を感じる展示、修理サービス・リメイクまで対応できるサステナブルショップとして注目を浴びた。

○外国人の入国制限緩和や円安を背景に、百貨店の免税売り上げが大幅に増加。特に秋冬の特需として婦人向けコートやジャケットが伸長した。

気象状況(2022)

〇2022年の年間平均気温は統計開始以降4番目に高かった。

〇2021年12月より2月頃まで日本付近に強い寒気が流れ込むことが多かったため、北日本から西日本の日本海側を中心にしばしば大雪となった。全国12地点で積雪記録を更新し、気温も平年を下回る寒冬となった。

〇春の平均気温は全国的に高く、特に北・西日本でかなり高かった。

〇九州~東北南部まで6月中という異例の速さで梅雨明けが発表されたが、のちに"7月下旬の梅雨明け"と訂正された。また梅雨前線や湿った空気の影響で不順な天気となり、東北地方と北陸地方では梅雨明けの特定ができなかった。

〇高温が顕著だった6月下旬には東・西日本で、7月上旬には北日本で、統計開始以来1位となる記録的な高温となった。

〇秋の平均気温は全国的にかなり高かった。降水量は北日本太平洋側で少なかった一方、沖縄・奄美でかなり多かった。

〇12月には北極からの寒気が放出期となり新潟県などで記録的な大雪となった。

〇日本気象協会が、最高気温40度以上を「酷暑日」にすると命名。35度以上「猛暑日」を超える、暑さを示す新指標となった。

〇442年ぶりに皆既月食と天王星食が同時に観測(11.8)。

2021年(令和3年)

経済財政白書 副題(2021)

レジリエントな日本経済へ:強さと柔軟性を持つ経済社会に向けた変革の加速

首相 菅義偉→岸田文雄

経済概況(2021)

令和3年の日本経済は、実質GDP成長率が前年比1.6%増と平成30年以来、3年ぶりのプラス成長となった。新型コロナウイルスの感染者数が急減した10-12月期が好調で年間成長率を押し上げた。個人消費が増加、輸出が大きく伸長した。百貨店、スーパー、コンビニエンスストアの売上高はいずれも前年を上回り、住宅着工は5年ぶりのプラス。国内新車販売は世界的な半導体不足による生産調整が響いて3年連続のマイナス。白物家電市場は6年ぶりに減少した。

経済成長率 名目 0.7% 実質 1.6%
民間最終消費支出 名目 0.9% 実質 1.3%
民間企業設備投資 名目 0.7% 実質 -0.7%
輸出 名目 19.2% 実質 11.6%
消費者物価    -0.2%

日本の広告費(電通調査)(2021)

○総広告費は2年ぶりに増加し、令和元年に近い水準にまで回復した。東京オリンピックの開催や、下半期に新型コロナウイルス感染症の影響が緩和したことなどを背景に広告需要が拡大した。テレビメディア広告が持ち直し、デジタル化が進む中、インターネット広告が好調だった。

  億円 対前年比(%)
総広告費 67,998 (110.4)
新聞 3,815 (103.4)
雑誌 1,224 (100.1)
ラジオ 1,106 (103.8)
テレビメディア 18,393 (111.1)
 地上波テレビ 17,184 (111.7)
 衛星メディア関連 1,209 (103.1)
インターネット 27,052 (121.4)
PM 16,408 (97.9)

※PM=プロモーションメディア

政治・経済・業界(2021)

×核兵器の開発や保有を禁ずる核兵器禁止条約が発効(1.22)。日本は不参加。

○ヤフーを傘下に持つZホールディングスとLINEが経営統合(3.1)。

×中国で香港の選挙制度改変案可決(3.30)。民主派を排除。

○政府が東京電力福島第一原発の処理水を海洋放出する方針を決定(4.13)。

○菅首相が2030年度までに温室効果ガスの削減目標を13年度比で46%とする新たな目標を表明(4.22)。

○女性の政治参加を促す改正候補者男女均等法が成立(6.10)。

×中国共産党が結党100周年の祝賀式典を北京の天安門広場で開催(7.1)。

×アフガニスタン在留米軍が撤退(8.30)。20年に及ぶ「米国史上最長の戦争」が終結。

○政府のデジタル政策の司令塔となるデジタル庁が発足(9.1)。

○菅首相が自民党総裁選への不出馬を表明(9.3)。

○自民党総裁選で岸田文雄前政調会長が勝利(9.29)。岸田新内閣が発足(10.4)。

×経済協力開発機構(OECD)が各国共通の最低法人税率を15%とし、IT大手などを対象としたデジタル課税を導入する国際課税ルールの合意発表(10.8)。

×フェイスブックが社名を「Meta(メタ)」に変更すると発表(10.28)。

○第49回衆議院総選挙(10.31)。自民党が261議席で絶対安定多数を確保。日本維新の会が41議席を獲得し、第3党に躍進。立憲民主党は議席数を減らす。

○立憲民主党の枝野幸男代表が辞任の意向を表明(11.2)。枝野代表の後任を決める代表選で泉健太氏が勝利(11.30)。

×イギリスのグラスゴーで開催されたCOP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)が産業革命からの気温上昇を1.5度未満に抑える努力追求を盛り込んだ「グラスゴー気候合意」を採択し閉幕(11.13)。

×バイデン米大統領が新彊ウイグル自治区における人権侵害を理由に北京オリンピックに政府関係者を派遣しない外交的ボイコットを発表(12.6)。

×ドイツで3党連立による新政権が発足(12.8)。4期16年務めたメルケル首相が引退。社会民主党のオラフ・ショルツ氏が新首相に就任。

×EU議会がIT大手の独占的地位利用を禁じる「デジタル市場法」可決(12.15)。

○住宅着工は前年比5.0%増と5年ぶりの増加。新車販売は3.3%減と3年連続の減少、登録車が2.9%減、軽自動車が3.8%減。百貨店は5.8%増と4年ぶりのプラス。スーパーは2.3%増と2年連続のプラス。コンビニも0.6%増と2年ぶりのプラス。失業率は年平均2.8%と前年と同率。12月の失業者数は171万人で前年同月に比べ23万人減少。

○携帯電話の加入契約数は12月末で前年比4.6%増の1億9,999万件。

○為替相場は円安傾向で推移。最終日は前年末より約12円安い1ドル115円台(12.30)。株価は最終日の終値が2万8,791円と前年末を1.347円(4.9%)上回り、1989年以来、32年ぶりの高値水準となった(12.30)。

○訪日外国人数は前年比94.0%減の24万5,900人。訪日外客数の公表が開始された1964年以降で最低を記録。

マスコミ・広告・媒体(2021)

○東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会の新会長に橋本聖子氏が就任(2.18)。

○テニスの全豪オープン女子シングルスで大坂なおみが2度目の優勝(2.20)

○大相撲の横綱鶴竜が現役を引退(3.24)。

○陸上男子100メートルで山県亮太が9秒95の日本新記録(6.6)。

○ゴルフの全米女子オープンで19歳の笹生優花が史上最年少優勝(6.6)。

×香港の民主派を支持してきた「リンゴ日報」が廃刊に(6.24)。

○大相撲の大関照ノ富士の第73代横綱昇進決定(7.21)。

○東京オリンピック開催(7.23~8.8)。日本の金メダル27個、総メダル58個は過去最多。

○東京パラリンピック開催(8.24~9.5) 。日本のメダルは金メダル13個を含め計51個で2004年アテナ大会に次ぐ史上2番目。

○国内初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」が開幕(9.12)。

○大相撲の横綱白鵬が現役を引退(9.30)。優勝45回は史上最多。

○日本テレビが地上波プライムタイムの番組を中心に「TVer」による無料ライブ配信サービス「日テレ系ライブ配信」を開始(10.2)。

○作家で僧侶、文化勲章受章者の瀬戸内寂聴さんが死去(11.9)。

媒体の発足(2021)

○雑誌-女性向けモノ&ファッション誌-「LaLa Begin(ララビギン)」Begin9.10など。 女性ライフスタイル誌-「ねるね(nerune)」SW4.20など。 ビジネス&カルチャー誌-「magazineⅱ(まがじんに)」ミクシィ4.5、「tattva(タットヴァ)」ブートレグ4.10、「iSSUE」スイッチ・パブリッシングなど。 オピニオン誌-「モノノメ」PLANETS10.8など。 文芸誌-「紙魚(しみ)の手帖」東京創元社10.12など。 コミック誌-「青騎士(あおきし)」KADOKAWA4.20など。 写真誌-「FOTARC(フォトアーク)」彩流社9.25など。 VTuber専門情報誌-「VTuberスタイル」アプリスタイル8.31など。 地域情報誌-「CJ Monmo(シージェイ・モンモ)」エス・シー・シー7.25、「みなとみらいLOVEWalker」角川アスキー総合研究所11.30など。

○主な休廃刊は「ミセス」文化出版局、「小説 野生時代」KADOKAWA、「日経メディカル」日経BP、「日本カメラ」日本カメラ社、「ワンダーフォーゲル」山と渓谷社、「MADURO」MADURO ONLINE、「週刊パーゴルフ」グローバルゴルフメディアグループ、「関西ウォーカー」「東海ウォーカー」各KADOKAWA、「特選街」マキノ出版、「Seventeen」「Marisol」各集英社など。

○民放テレビ局数 127局・民放ラジオ局数 99局

○コミュニティ放送局数 338局( 3局増)

○創復刊誌数33誌,休廃刊誌数90誌

国内10大ニュース(2021)

○大リーグ・エンゼルスの大谷翔平がア・リーグの最優秀選手(MVP)に(11.18)。投打にわたる歴史的活躍が評価され、満票で選出

○東京オリンピック開催(7.23~8.8)。東京パラリンピック開催(8.24~9.5)

○新型コロナウイルスのワクチン接種スタート(2.17)。年末までに国民の8割近くが2回目接種を終え、12月には3回目接種がスタート

○秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さんが結婚(10.26)

○静岡県熱海市で大規模な土石流が発生(7.3)。死者26人、行方不明者1人

○新型コロナウイルスの変異株により感染者が急増。4~5月の第4波ではアルファ株、7月下旬~9月上旬の第5波ではデルタ株が猛威をふるった

○自民党の岸田文雄氏が第100代首相に就任、岸田新内閣が発足(10.4)

○将棋の藤井聡太三冠(王位、叡王、棋聖)が竜王戦で勝利(11.13)。史上最年少(19歳3ヵ月)で4冠達成

○男子ゴルフの松山英樹が米マスターズ・トーナメント優勝(4.11)。アジア勢初の快挙

○大阪市北区の雑居ビルで放火とみられる火災発生(12.17)。25人死亡。その後、容疑者に特定された男性も死亡(12.30)

海外10大ニュース(2021)

×アメリカの第46代大統領にジョー・バイデン元副大統領が就任(1.20)

×新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」が世界で急拡大。感染報告が100ヵ国を超える(12.21)

×世界の新型コロナウイルス累計感染者数が約2億8,000万人、累計死亡者数が約542万人に(12月下旬)

×ミャンマー国軍がクーデター。アウン・サン・スー・チー氏らを拘束(2.1)

×アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバンが全土掌握を宣言(8.15)

×日本の船会社所有の大型コンテナ船がエジプトのスエズ運河で座礁(3.23)

×北朝鮮によるミサイル発射が相次ぐ。新型の巡航ミサイルや極超音速ミサイルを発射(各9月中)。新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)も試射(10.19)

×アメリカのトランプ大統領支持者らが連邦議会議事堂に乱入(1.6)

×中国の不動産大手・中国恒大集団の経営危機が表面化(9月)

×米製薬大手メルクが新型コロナ治療の初の経口薬「モルヌピラビル」の使用許可を申請(10.11)。米食品医薬品局(FDA)が許可(12.23)

生活(2021)

○大学入試センター試験に代わる大学入学共通テストがスタート(1.16)。

×中国共産党が産児制限を緩和し、3人までの出産を認める方針を示す(5.31)。

○改正育児・介護休業法が成立(6.3)。「男性産休」を新設。

×米バイオジェンと日本のエーザイが共同開発したアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」がアメリカで条件付き承認(6.7)。

○「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録決定(7.26)。

○「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録決定(7.27)。

○気候変動の予測法を開発した真鍋淑郎・米プリンストン大学研究員のノーベル物理学賞受賞が決定(10.5)。

○厚生労働省の部会が子宮頸がん用HPVワクチンの勧奨再開を了承(11.12)。

○文部科学省が教員免許に10年の期限を設ける教員免許更新制の2022年度中の廃止を表明(11.19)。

×世界保健機関(WHO)が南アフリカで検出された新型コロナの新変異株を「オミクロン株」と命名し、最も警戒度が高い「懸念される変異株」に指定(11.26)。

○政府がオミクロン株への水際対策として全世界からの外国人の新規入国停止を発表(11.29)。

○天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが20歳の誕生日を迎え、成年皇族に(12.1)。

○ZOZO創業者の前澤友作氏が国際宇宙ステーション(ISS)での12日間滞在を終えて帰還(12.20)。日本の民間人のISS滞在は初めて。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のSuper nintendo world(3.18)、ロマンスカーミュージアム(4.19)、YOKOHAMA AIR CABIN(4.22)、西武園ゆうえんち(5.19)、ZUKAN MUSEUM GINZA powered by 小学館の図鑑NEO(7.16)、ディズニーフラッグシップ東京(12.5)

時の商品・新製品(2021)

○内食・家飲み-家庭用冷凍食品、セカンド冷凍庫、チューブ調味料、「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」、「キリン一番搾り 糖質ゼロ」、ノンアルコール飲料、微アルコール飲料、「BASE FOOD」、「丸亀うどん弁当」、チキンバーガー、機内食通販 。

○リラックスライフ-「Yogibo」、「パジャマスーツ」、ネコ家具 。

○昭和・平成ノスタルジー-「シン・エヴァンゲリオン劇場版」、「西武園ゆうえんち」、「桃太郎電鉄」、プリントグラス、「ホンダGB350」、アナログレコード、チェキ(instax mini40)、ルーズソックス 。

○節約・生活防衛-スマートフォン新料金プラン(「アハモ」「ラインモ」「ポヴォ」)、ディスカウント店、海外格安ネット通販(「Qoo10(キューテン)」「SHEIN(シーイン)」)、つみたてNISA。

○TikTok売れ-「ケイト リップモンスター」、「トローリ プラネットグミ」、「ラインソックス」、「ドライフラワー」、「残像に口紅を」。

○高機能-「ファインバブルシャワーヘッド」、「アリエール 除菌プラス ジェル」、「レノア超消臭1WEEK」。

○新決済-Visaのタッチ決済クレジットカード、後払い決済サービス。

○注目を集めた商品-マリトッツオ、「47JIMOTOフラペチーノ」、「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」、ザージーパイ、「カントリーマアム チョコまみれ」、吸水ショーツ、くちばし型マスク、「VLOGCAM ZV-E10」、「nasne (ナスネ) NS-N100」、「ウマ娘 プリティーダービー」、「ピッコマ」、「呪術廻戦」、「イカゲーム」、「BTS」。

話題の広告(2021)

・<au 三太郎シリーズ 5G つながる歌編他>=KDDI

・<SoftBank 白戸家 シリ-ズ 5Gってドラえもん?ドラミ登場編他>=ソフトバンク

・<NTT DOCOMO あなたと世界を変えていく。編他>=NTTドコモ

・<ワイモバイル Y!でいいのだ ハジメちゃん登場編他>=ソフトバンク

・<楽天モバイル Rakuten UN-LIMIT Vスタート編他>=楽天モバイル

・<UQ UQUEENシリーズ 懇願編他>=KDDI

・<Uber Eats 今夜、私が頂くのは…メイクアップ編他>=Uber Eats

・<NISSAN やっちゃえNISSANハマっちゃう編他>=日産自動車

・<Uber Eats 今夜、私が頂くのは…トレーニング編他>=Uber Eats Japan

・<UNIQLO 2021秋冬 LifeとWear/MENジーンズ地下鉄編他>=ユニクロ

・<出前館 Demae-canの歌編他>=出前館

・<AGC AGCを知ってるかい?編他>=AGC

・<Yogibo わたしが、ゆるんでいく編他>=ウエブシャーク

・<消臭力 2021西川貴教編他>=エステー

・<アタック3X 姉ちゃんち編他>=花王

・<キリン ホームタップ ビールぞくぞく編他>=キリンビール

・<ソリオ SOLIO5登場編>=ズズキ

・<パスタソース「ハコネーゼ」シリーズ さんまの休日編他>=創味食品

・<SDGsメッセージ広告 全国紙全面広告(6月1日朝刊)>=伊藤忠商事

話題のテレビ番組(2021)

○2021年の年間世帯視聴率は、全日帯が日本テレビ、プライム帯はテレビ朝日が首位、ゴールデン帯は日本テレビとテレビ朝日が同率首位となり、2局で2冠を分け合った。年間個人視聴率では、全日帯、プライム帯、ゴールデン帯とも日本テレビが首位を堅持し、3冠を達成した。同局の個人視聴率3冠は11年連続。

○東京オリンピック関連番組が軒並み高視聴率を獲得。開会式(NHK総合7.23)の世帯平均視聴率(以下同)は56.4%と、これまでの五輪開会式では1964年の前回東京大会(61.2%)に次ぐ高視聴率を記録。閉会式(NHK総合8.8)も前半の視聴率が46.7%、後半が39.8%と健闘した。また、侍ジャパンが金メダルに輝いた、野球男子決勝の日本対アメリカ戦(NHK総合8.7)が37.0%を獲得するなど競技別の多くの中継番組も注目を集めた。東京オリンピック以外のスポーツ番組では、箱根駅伝(日本テレビ1.2~3)が往路で31.0%、復路で33.7%と、いずれも前年を上回った。

○ドラマ視聴率は、NHK朝ドラの「おちょやん」(5月14日終了)の期間平均視聴率が17.4%、続く「おかえりモネ」が16.3%で、それぞれ前作を下回った。「カムカムエヴリバディ」(11月1日開始)は初回が16.4%と低調だったが、4週目以降は17%前後で推移。NHK大河ドラマ「青天を衝け」は初回が20.0%と13年度の「八重の桜」以来の20%台と好スタートを切ったが、年間視聴率は14.1%と前作「麒麟がくる」を下回った。民放では、人気シリーズ「ドクターX~外科医・大門未知子」(テレビ朝日)、「日本沈没-希望のひと-」「天国と地獄~サイコな2人~」(各TBS)、「相棒S season19」(テレビ朝日)、「ドラゴン桜」(TBS)などが話題を呼んだ。

○バラエティは、「ポツンと一軒家」「ザワつく!金曜日」(各テレビ朝日)が好調。「ブラタモリ」「ダーウインが来た!」(各NHK総合)、「プレバト!!」(TBS)、「ヒューマングルメンタリーオモウマい店」「ザ!鉄腕!DASH!!」「有吉ゼミ」(各日本テレビ)などが健闘した。レギュラー番組以外では、毎年元日に放送される「芸能人格付けチェック!これぞ真の一流品だ!2021年お正月SP」(フジテレビ)が18.1%の高視聴率を獲得。

○その他、長寿番組の「笑点」が堅調。夏恒例の「24時間テレビ44愛は地球を救う」(日本テレビ8.21~22)は平均視聴率が12.0%と前年(15.5%)を下回った。

NHK(2021)

《おちょやん》 17.4% 《おかえりモネ》 16.3% 《カムカムエヴリバディ》

《青天を衝け》14.1%

○「紅白歌合戦」の平均世帯視聴率は第一部が31.5%、第二部が34.3%。前年に比べ第一部は2.7ポイント、第二部は6.0ポイント減少した。第二部は二部制になった1989年以降で最低を記録した。

○大河ドラマ「青天を衝け」の平均世帯視聴率は14.1%と前作「麒麟がくる」を0.3ポイント下回った。

○「NHKプラス」の見逃し番組の配信をネット接続のテレビでも視聴可能とする「NHKインターネット活用業務実施基準」変更案を総務省に認可申請(10.26)。

流行語(2021)

リアル二刀流/ショータイム、うっせぇわ、親ガチャ、ゴン攻め/ビッタビタ、ジェンダー平等、人流、スギムライジング、Z世代、ぼったくり男爵、黙食、イカゲーム、ウマ娘、SDGs、推し活、路上飲み、ヤングケアラー

流行歌(2021)

レコード大賞:Da-ice(ダイス)<CITRUS(シトラス)>

最優秀新人賞:マカロニえんぴつ<なんでもないよ、>

①Grandeur<Snow Man>
②HELLO HELLO<Snow Man>
③初心LOVE(うぶらぶ)<なにわ男子>
④Secret Touch<Snow Man>
⑤僕は僕を好きになる<乃木坂46>
⑥ごめんねFingers crossed<乃木坂46>
⑦君に叱られた<乃木坂46>
⑧I promise<King & Prince>
⑨A(Rocketeer/Brighter<INI>
⑩君しか勝たん<日向坂46>

○総売上金額は前年比5.0%減の1,517億円。内訳はシングルが7.9%増の495億円、アルバムが10.1%減の1,022億円。

○ミリオンセラーはシングルの「Grandeur」(100万枚)の1作品のみ。アルバムでは「BTS,THE BEST」(99万枚)が1位。なお、デジタルシングルは「ドライフラワー」(優里)が46万DLで1位、「うっせぇわ」(Ado)が36万DLで2位。

話題の映画(2021)

洋画
①ワイルド・スピード/ジェットブレイク
②007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
③ゴジラvsコング
④映画 モンスターハンター
⑤エターナルズ

邦画
①シン・エヴァンゲリオン劇場版
②名探偵コナン 緋色の弾丸
③竜とそばかすの姫
④ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”
⑤東京リベンジャーズ

○年間入場者は前年比8.2%増の1億1,482万人。スクリーン数は前年より32増えて3,648スクリーン。

○興行収入は前年比13.0%増の1,619億円。2000年以降で過去最低を記録した前年を上回ったが、過去2番目の低さとなった。洋画が1.3%減の336億円、邦画が17.4%増の1,283億円。「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が103億円を獲得。

ベストセラー(2021)

①スマホ脳<アンデシュ・ハンセン>
②推し、燃ゆ<宇佐見りん>
③52ヘルツのクジラたち<町田そのこ>
④人は話し方が9割<永松茂久>
⑤本当の自由を手に入れるお金の大学<両@リベ大学長>

○紙の出版市場は17年連続の前年割れ。販売額は前年比1.3%減の1兆2,080億円。書籍が2.1%増の6,804億円で15年ぶりのプラス。雑誌が5.4%減の5,276億円で24年連続のマイナス。書籍は100万部超の大ヒット作はなかったが、文芸書などが堅調だった。

○電子出版市場は前年比18.6%増の4,662億円と好調。その結果、紙と電子を合算した出版市場は前年比3.6%増の1兆6,742億円と3年連続で前年を上回った。

話題のマンガ(2021)

○コミック誌は年間推定発行部数が前年比9.4%減と低迷したが、コミックスは年間推定販売金額が約2%増とプラスを維持した。

○コミック誌は月刊誌が約10%減、週刊誌が約9%減。月刊誌は『月刊少年シリウス』(講談社)が部数をやや伸ばしたが、『月刊ヒーローズ』(ヒーローズ)が休刊するなど全体的に低迷ぶりが目立った。週刊誌は『週刊少年ジャンプ』(集英社)、『週刊少年マガジン』(講談社)、『週刊少年サンデー』(小学館)など主要誌の部数減が響いた。

○コミックスは前年に大ヒットした『鬼滅の刃』(集英社)が堅調だったことに加え、『呪術廻戦』(同)と『東京卍リベンジャーズ』(講談社)がブレイクし、市場を牽引した。少年向けは、これら3作品のほか、『ONE PIECE』『僕のヒーローアカデミア』(各集英社)、『進撃の巨人』(講談社)、『SPY×FAMILY』『怪獣8号』(各集英社)などが好調。成年向けは『キングダム』(集英社)、『3月のライオン』(白泉社)、少女向けは『ミステリと言う勿れ』(小学館)、『ハニーレモンソーダ』(集英社)、レディス向けは『女の園の星』(祥伝社)などがそれぞれ健闘した。

ファッション(2021)

○マスク生活が定着したなかで、息がしやすい、化粧が付きにくい、顔のラインがくっきりする、小顔に見えるなど、機能性とファッション性を兼ね備えた立体形状のくちばし型の不織布マスクが流行した。

○自宅でリラックスしつつ仕事ができ、ビデオ会議にはフォーマルな見栄えで臨めるテレワーク向けスーツがビジネスマンの間で人気を呼んだ。

○ファミリーマートが素材やデザインにこだわって開発したコンビニ衣料の新ブランドが若者の注目を集めた。ラインアップはソックス、Tシャツ、アンダーシャツ、タオルなど。男女兼用のソックスがヒット商品となった。

○多様性重視の社会的気運の高まりを背景に、ジェンダーフリーで自分らしさを表現しようとするジェンダーレスファッションが新たなトレンドとなった。性差を問わない衣料品や化粧品が相次いで登場。男女ともに使いやすいデザインや色、ゆったりサイズを基調とした商品が話題を集めた。

気象状況(2021)

○年初から1月中旬にかけて強い寒気が南下し、日本海側では各地が大雪となった。特に7日から11日は記録的な降雪量により、多数の車両が立ち往生する大規模な交通障害が発生した。しかし、冬の後半は冬型の気圧配置が長続きせず、西日本を中心に暖冬となった。

○春は寒気の南下が弱く、全国的に平均気温が高かった。梅雨前線が早く北上した影響で中国、四国以西の西日本では5月に梅雨入りし、降水量が多かった。

○夏は梅雨明けが東北、北陸、近畿、中国、九州で早く、関東甲信、東海、四国が平年並み、沖縄、奄美では遅かった。7月上旬は東日本太平洋側で梅雨前線が停滞し大雨となり、静岡県熱海市では大規模な土砂災害が発生した。また、8月中旬を中心に本州付近に停滞した前線の影響で東日本太平洋側と西日本で大雨となった。北日本は太平洋高気圧に覆われ、晴れの日が多かった。

○秋は全国的に高気圧に覆われやすく、概ね晴れた日が続いた。10月後半に強い寒気が流れ込み、全国的に低温となったが、平均気温は北日本や西日本を中心に高めに推移した。

○12月は中旬までは暖かい日が続いた。しかし、下旬は強い寒気が南下し、日本海側を中心に大雪となった。

2020年(令和2年)

経済財政白書 副題(2020)

コロナ危機:日本経済変革のラストチャンス

首相 安倍晋三→菅義偉

経済概況(2020)

令和2年の日本経済は、実質GDP成長率が前年比4.8%減とリーマン・ショック後の平成21年以来、11年ぶりのマイナス成長となった。新型コロナウイルスの感染拡大による景気悪化を受け、個人消費、住宅投資、設備投資のいずれも振るわず、輸出も落ち込んだ。百貨店売上高は大きく減少。国内新車販売は2年連続のマイナス。住宅着工は4年連続の減少。白物家電市場は健闘した。

経済成長率 名目 -4.0% 実質 -4.8%
民間最終消費支出 名目 -5.6% 実質 -5.9%
民間企業設備投資 名目 -6.2% 実質 -5.9%
輸出 名目 -14.4% 実質 -12.3%
消費者物価    -0.2%

日本の広告費(電通調査)(2020)

○総広告費は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、4-6月期を中心に大幅に減少。通年で6兆1,594億円、前年比88.8%と東日本大震災のあった2011年以来、9年ぶりのマイナス成長となった。インターネット広告はデジタル化を追い風にプラス成長を維持した。

  億円 対前年比(%)
総広告費 61,594 (88.8)
新聞 3,688 (81.1)
雑誌 1,223 (73.0)
ラジオ 1,066 (84.6)
テレビメディア 16,559 (89.0)
 地上波テレビ 15,386 (88.7)
 衛星メディア関連 1,173 (92.6)
インターネット 22,290 (105.9)
PM 16,768 (75.4)

※PM=プロモーションメディア

政治・経済・業界(2020)

×中国政府が新型コロナウイルスの検出を公表(1.9)。武漢市を封鎖(1.23)。

×台湾総統選で現職の蔡英文氏が再選(1.11)。

○日中両政府が習近平国家主席の訪日延期を発表(3.5)。

○新型コロナウイルス対応の特別措置法成立(3.13)。

○NTTドコモが国内初の5G(次世代高速移動通信)サービス開始(3.25)。

○政府が東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡を対象に緊急事態宣言を発出(4.7)。全国に拡大(4.16)。全国で宣言解除(5.25)。

×中国の1~3月期実質GDP成長率が前年同期比6.8%減に転落。マイナス成長は1992年の統計開始以降、初めて。中国国家統計局が発表(4.17)。

×北朝鮮が南北共同連絡事務所を爆破(6.16)。

×イギリス政府が5G導入計画における中国の通信大手「ファーウェイ」排除を発表(7.14)。フランスなど欧州各国でも排除の動きが広がる。

○政府の観光支援策「Go To トラベル」開始(7.22)。

×ベラルーシ大統領選でルカシェンコ大統領の6選決定(8.10)。不正選挙疑惑で反政権派の抗議デモが拡大。

○4~6月期の実質GDP成長率の1次速報値が年率換算で27.8%減の戦後最悪を記録(8.17)。その後、同29.2%減に下方修正(12.8)。

○安倍晋三首相が辞任表明(8.28)。菅義偉官房長官が第99代首相に選出、菅新内閣が発足(9.16)。

×アゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ自治州でアゼルバイジャンとアルメニアの両軍が衝突(9.27)。

×アメリカ司法省が反トラスト法違反容疑でグーグルを提訴(10.20)。

○大阪市を4つの特別区に再編する「大阪都構想」が住民投票で否決(11.1)。

×アメリカ大統領選(11.3)。民主党のジョー・バイデン候補が勝利宣言(11.7)。選挙人による投票でバイデン候補の勝利確定(12.14)。

○秋篠宮さまの皇位継承第1位を国内外に示す「立皇嗣の礼」を挙行(11.8)。

×ニューヨーク株式市場のダウ平均株価の終値が3万46.24ドルに上昇(11.24)。史上初めて3万ドルを突破。

○JAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセル帰還(12.6)。

○住宅着工は前年比9.9%減と4年連続の減少。新車販売は11.5%減と2年連続の減少、登録車が12.3%減、軽自動車が10.1%減。百貨店は25.7%減と統計を開始した1965年以降、最大のマイナス。スーパーは0.9%増と5年ぶりのプラス。コンビニは4.7%減と3年ぶりのマイナス。失業率は年平均2.8%で前年に比べ0.4ポイント悪化。12月の失業者数は194万人、前年同月に比べ49万人増加。

○携帯電話の加入契約数は12月末で前年比3.5%増の1億8,662万件。

○為替相場は円高傾向で推移。最終日は前年末より約6円高い1ドル103円台(12.30)。株価は秋以降に急上昇、最終日の終値は2万7,444円と前年末を3,788円(16.0%)上回り、1989年以来、31年ぶりの高値水準となった(12.30)。

○訪日外国人数は前年比87.1%減の411万5,900人と激減。

マスコミ・広告・媒体(2020)

×韓国映画「パラサイト 半地下の家族」が米アカデミー賞の作品賞受賞(2.9)。

○Jリーグが全公式戦の中断を発表(2.25)。J1の公式戦再開(7.4)。

○安倍首相がスポーツ・文化イベントなどの2週間の自粛を要請(2.26)。

○プロ野球12球団と日本プロ野球機構がセ・パ両リーグの公式戦開幕の延期を決定(3.9)。3ヵ月遅れで開幕(6.19)。

○日本高等学校野球連盟が春の選抜甲子園大会の中止を決定(3.11)。

○東京オリンピック・パラリンピックの1年延期が決定(3.24)。

○新型コロナウイルス感染でコメディアンの志村けんさん死亡(3.29)。俳優の岡江久美子さん死亡(4.23)。

○全国高等学校体育連盟がインターハイの中止を決定(4.26)。

○日本相撲協会が夏場所の中止を決定(5.4)。

○日本高等学校野球連盟が夏の甲子園大会の中止を決定(5.20)。

○フジテレビのリアリティ番組「テラスハウス」出演の木村花さんがSNS上での中傷投稿を苦に自殺(5.23)。

○テニスの全米オープン女子シングルスで大坂なおみが2度目の優勝(9.12)。

○アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」公開(10.16)。

○人気アイドルグループ「嵐」が活動休止(12.31)。

媒体の発足(2020)

○雑誌-ファッション誌-「GIANNA(ジェンナ)」ナンバーセブン12.16、「S Cawaii!(エス カワイイ)」主婦の友社12.17など。グラビア誌-「DOLCE(ドルチェ)」白夜書房10.28、「GIRLS graph.(ガールズグラフ)」宝島社12.24など。 エンターテインメント誌-「MEN’S DVD」三和出版11.27など。コミック誌-「キャプテン翼マガジン」集英社4.2など。ウエディング情報誌-「ゼクシィ海外ウェディング」「ゼクシィ国内リゾートウェディング」各リクルート8.21など。キャンピングカー専門誌-「キャンプカーマガジン」グラフィス11.27など。オートバイ情報誌-「RIDE HI(ライドハイ)」MONSTER DIVE10.1など。文房具専門誌-「趣味の文具箱」エイ出版社6.27など。

○主な休廃刊は「CHANTO」主婦と生活社、「パチンコ攻略マガジン」双葉社、「コンフィデンス」オリコン、「K-STYLE」交通タイムス社、「大法輪」大法輪閣、「ザ・マイカー」文友社、「東京ウォーカー」、「横浜ウォーカー」、「九州ウォーカー」各KADOKAWA、「アサヒカメラ」朝日新聞出版、「HERS」光文社、「mamagirl」「andGIRL」各エムオン・エンタテインメント、「JJ」光文社など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数99局

○コミュニティ放送局数335局(3局増)

○創復刊誌数43誌、休廃刊誌数98誌

国内10大ニュース(2020)

○新型コロナウイルス感染拡大を受け、政府が緊急事態宣言を発出(4.7)

○東京オリンピック・パラリンピックの1年延期決定(3.24)

○菅義偉首相誕生、新内閣発足(9.16)

○安倍晋三首相が辞任表明(8.28)

○コメディアンの志村けんさんが新型コロナウイルス感染で死去(3.29)

○アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入が324億円の新記録を達成。「千と千尋の神隠し」を抜き、歴代1位に(12.28)

○安倍首相が新型コロナウイルスの感染防止策として全国小中高校などに臨時休校を要請(2.27)。文部科学省が全国小中学校などに休校要請を通知(2.28)

○春の選抜高校野球大会の中止決定(3.11)。夏の全国高校野球選手権大会の中止決定(5.20)。プロスポーツ界でも中止や延期が相次ぐ

○将棋の藤井聡太7段が棋聖戦で勝利、最年少タイトル記録を更新(7.16)。王位戦でも勝利(8.20)、史上最年少で二冠達成

○九州各地で記録的な豪雨。九州5県で77人死亡、行方不明2人(7.4)

海外10大ニュース(2020)

×アメリカ大統領選(11.3)。民主党のジョー・バイデン前副大統領が再選を目指す共和党のドナルド・トランプ大統領を破り勝利

×世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスのパンデミックを宣言(3.11)

×アメリカ・ミネソタ州で白人警察官の暴行により黒人男性が死亡(5.25)。以後、「ブラック・ライブズ・マター」を合い言葉とする抗議デモが拡大

×イギリスが欧州連合(EU)を離脱(1.31)

×香港での反体制活動を取り締まる「国家安全維持法」が施行(6.30)

×トランプ米大統領が新型コロナウイルス感染を発表(10.2)

×トランプ米大統領が世界保健機関(WHO)脱退を表明(5.29)。新型コロナウイルス対応が中国寄りと批判

×イギリスのヘンリー王子と妻のメーガン妃が王室公務から引退(3.31)

×サッカーのアルゼンチン元代表、ディエゴ・マラドーナ氏が死去(11.25)

×核兵器の開発や保有などを包括的に禁止する核兵器禁止条約の批准国・地域が50に到達(10.24)。21年1月22日に発効へ

生活(2020)

○厚生労働省が国内初の新型コロナウイルス患者の確認を発表(1.16)。

○横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で新型コロナウイルスの集団感染を確認(2.5)。

○新型コロナウイルス感染による国内初の死者を確認(2.13)。

○東京ディズニーリゾートが臨時休園(2.29~6.30)、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンも臨時休園(2.29~6.18)。

○政府がすべての海外渡航の自粛を要請(3.25)。

○安倍首相が全世帯に2枚ずつの布マスク配布を表明(4.1)。

○安倍首相が全国民に一律10万円の特別定額給付金の支給を表明(4.16)。

○政府の新型コロナウイルス専門家会議が「新しい生活様式」を提言(5.4)。

○厚生労働省が新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性があることを通知するスマートフォン向けアプリ「COCOA(ココア)」の配信開始(6.19)。

○プラスチック製レジ袋が原則有料化(7.1)。

○日本企業が運航する大型貨物船がアフリカのモーリシャスで座礁(7.25)。燃料油流出で海洋汚染被害が深刻化。

×レバノンの首都ベイルートで大爆発(8.4)。約200人が死亡。

○1927年開業の遊園地「としまえん」が閉園(8.31)。

○NTTドコモが低額(月額2,980円)の新料金プラン「ahamo(アハモ)」を発表(12.3)。スマートフォン料金の値下げ競争が広がる。

×イギリスでファイザー社の新型コロナワクチンの接種開始(12.8)。アメリカでも同様のワクチンの接種開始(12.14)。12月下旬からはドイツ、フランスなどEU各国でもファイザー社のワクチン接種が広がる。

○「伝統建築工匠の技」がユネスコ無形文化遺産に登録決定(12.17)。

×新型コロナウイルスの世界全体の累計感染者数が8,000万人突破(12.27)。

高輪ゲートウェイ駅(3.14)、DMMかりゆし水族館(5.25)、虎ノ門ヒルズ駅(6.6)、SMALL WORLDS TOKYO(6.11)、ミヤシタパーク(7.28)、東京ディズニーランドのニューファンタジーランド(9.28)、ところざわサクラタウン(11.6)

時の商品・新製品(2020)

○衛生重視-マスク、抗菌・除菌スプレー、抗菌・除菌ウエットシート、アルコール消毒剤、せっけん、うがい薬、加湿器、空気清浄機。

○内食・家飲み-テイクアウト、フードデリバリーサービス、オンライン飲み会、冷凍食品、プレミックス、「日清これ絶対うまいやつ!」、「ごちレピライス」、「こだわりレモンサワー檸檬堂」、「キリン・ザ・ストンロング麒麟特製レモンサワー」、「アサヒ ザ・リッチ」、「GOLD STAR」、「バーミキュラ フライパン」、ホームベーカリー、ホットプレート、ネットスーパー。

○おうちライフ-部屋着、「あつまれ動物の森」、「リングフィットアドベンチャー」、「プレイステーション5」、「ネットフリックス」、「TVer」、有料ライブ配信。

○DX-ワーケーション、オンライン学習、オンライン診療、オンライン旅行、ビデオ会議システム(「Zoom」、「Meet」)、D2C(ダイレクト・ツー・コマース)。

○健康維持-「ミロ」、「トリプルヨーグルト」、「iMUZE」、バナナジュース、「湖池屋プライドポテト 芋まるごと」。

○注目を集めた商品-「鬼滅の刃」、「Go To トラベル」、「Go To イート」、「サントリー緑茶 伊右衛門」、スキンケア用品、「エアリズムマスク」、「ゴキブリムエンダー」、「シュパット」、「オールバーズ」、「AirPods Pro」、「ポップイン アラジン2」、「ライズ」、「ヤリス」、「タフト」、「クロームブック」、「iPhone12」、唐揚げ専門店、「ペスト」、キャンプ、「愛の不時着」、「半沢直樹」、「香水」、「NiziU」、「SixTONES」。

話題の広告(2020)

・<au 三太郎シリーズ みんな自由だ編他>=KDDI

・<SoftBank 勝手にHERO’S シリ-ズ 勝手に仲直り編他>=ソフトバンク

・<ゼスプリ キウイフルーツ 好きなことを楽しみながら編他>=ゼスプリ インターナショナル ジャパン

・<Y!mobile 親子DE ダンス編他>=ソフトバンク

・<NTT DOCOMO カンナとミナミの約束編他>=NTTドコモ

・<ちょいマック ドライブスルーの歌編他>=日本マクドナルド

・<UQ mobile ずーっと前のCM編他>=UQコミュニケーションズ

・<アタックZERO あきらめタオルよみがえる実験編他>=花王

・<NISSAN やっちゃえNISSANハマっちゃう編他>=日産自動車

・<Uber Eats 今夜、私が頂くのは…トレーニング編他>=Uber Eats Japan

・<TVer 見たら見たでハマる編他>=TVer

・<サイボウズ がんばるな、ニッポン編他>=サイボウズ

・<ポカリスエット ポカリNEO合唱編他>大塚製薬

・<オンライン名刺 遠隔でやられた編>=Sansan

・<「鬼滅の刃」最終巻刊行記念全国紙全面広告(12月4日朝刊)>=集英社

話題のテレビ番組(2020)

○2020年の年間世帯視聴率は、日本テレビが全日帯とゴールデン帯、テレビ朝日がプライム帯で首位となり、日本テレビの7年連続の3冠はならなかった。

○ドラマ視聴率は、NHK朝ドラの「スカーレット」(3月28日終了)の期間平均視聴率が19.4%、続く「エ-ル」も20.1%と堅調。新型コロナウイルスによる「エール」の約2ヵ月間の放送中断の影響で、11月30日にスタートした「おちょやん」は18%台以下で推移、前2作に比べ低調だった。NHK大河ドラマ「麒麟がくる」は初回が19.1%と16年度の「真田丸」以来の好スタート。その後の視聴率も前3作を上回る水準で推移した。民放では、TBS系の「半沢直樹」が大ヒット。平均視聴率は24.8%、最終回は32.7%の高視聴率を獲得。また、テレビ朝日系の「相棒season19」が平均視聴率16.4%と健闘。「BG~身辺警護人~」(テレビ朝日)や「私の家政夫ナギサさん」(TBS)も人気を呼んだ。

○スポーツでは、箱根駅伝(日本テレビ1.2~3)が往路で27.5%、復路で28.6%の高視聴率を獲得したが、新型コロナウイルスの影響で主なスポーツイベントが相次いで中止や規模縮小での開催となったことにより、スポーツ中継番組は年間を通して盛り上がりに欠けた。

○バラエティは、「ポツンと一軒家」(テレビ朝日)が好調。「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ)、「ナニコレ珍百景」(テレビ朝日)、「有吉ゼミ」「ザ!鉄腕!DASH!!」(各日本テレビ)、「ブラタモリ」(NHK総合)も堅調だった。このほか、「世界まる見え!テレビ特捜部」、「踊る!さんま御殿!!」「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」(各日本テレビ)などが人気を集めた。全体的に日本テレビ系の健闘が目立った。

○その他、新型コロナウイルス感染で亡くなった志村けんさん関連の特別番組が高視聴率を獲得。緊急事態宣言が発出された4月7日前後には、「NHKニュース7」などのニュース・報道番組が軒並み高視聴率を獲得した。夏恒例の「24時間テレビ43愛は地球を救う」(日本テレビ8.22~23)も堅調を維持した。

NHK(2020)

《スカーレット》19.4%《エール》20.1%《おちょやん》
〈麒麟がくる〉14.4%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が34.2%、第二部が40.3%。第一部は前年を0.5ポイント下回ったが、第二部は3.0ポイント上回った。

○大河ドラマ「麒麟がくる」は新型コロナウイルス感染拡大による収録休止の影響で6月14日から放送を中断、8月30日に再開した。1月19日の初回視聴率は19.1%と16年の「真田丸」以来、4年ぶりに19%台を記録。中断の影響で最終回は21年2月7日に放送。全44話の平均視聴率は14.4%と前作「いだてん~東京オリムピック噺~」の8.2%を大きく上回った。

○地上波テレビ番組のインターネット同時配信サービス「NHKプラス」の試験サービスがスタート(3.1)、本格サービス開始(4.1)。

○受信料の値下げを実施(10.1)。10月分から地上契約で月額35円、地上契約を含む衛星契約で同60円引き下げられた。

流行語(2020)

3密、愛の不時着、あつ森(あつまれ どうぶつの森)、アベノマスク、アマビエ、オンライン○○、鬼滅の刃、Go To キャンペーン、ソロキャンプ、フワちゃん、ステイホーム、テレワーク、クラスター、PCR検査、ソーシャルディスタンス、新しい生活様式

流行歌(2020)

レコード大賞:LiSA<炎>

最優秀新人賞:真田ナオキ<恵比寿>

①Imitation Rain/D.D.<SixTONES vs Snow Man>
②失恋、ありがとう<AKB48>
③カイト<嵐>
④しあわせの保護色<乃木坂46>
⑤KISSIN’MY LIPS/Stories<Snow Man>
⑥NAVIGATOR<SixTONES>
⑦ソンナコトナイヨ<日向坂46>
⑧Mazy Night<King & Prince>
⑨smile<Twenty★Twenty>
⑩NEW ERA<SixTONES>

○総売上金額は前年比13.3%減の1,596億円。内訳はシングルが17.4%減の459億円、アルバムが11.5%減の1,138億円。

○ミリオンセラーはシングルが上位5作品、アルバムは「STRAY SHEEP」(米津玄師)の1作品で156万枚を販売。なお、デジタルシングルは「紅蓮華」(LiSA)が94万DLで1位、「炎」(同)が71万DLで2位となった。

話題の映画(2020)

洋画
①アナと雪の女王2
②スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
③パラサイト 半地下の家族
④TENET テネット
⑤キャッツ

邦画
①劇場版「鬼滅の刃」無限列車編
②今日から俺は!!劇場版
③コンフィデンスマンJP プリンセス編
④映画ドラえもん のび太の新恐竜
⑤事故物件 恐い間取り

○年間入場者は前年比45.5%減の1億614万人と1955年以来、過去最低を記録。スクリーン数は前年より33増えて3,616スクリーンとなった。

○興行収入は前年比45.1%減の1,433億円と現在の発表形式に変わった2000年以降で過去最低を記録。洋画が71.4%減の340億円、邦画が23.1%減の1,093億円。

ベストセラー(2020)

①鬼滅の刃 しあわせの花<原作:吾峠呼世晴 ノベライズ:矢島 綾>
②鬼滅の刃 片羽の蝶<原作:吾峠呼世晴 ノベライズ:矢島 綾>
③鬼滅の刃 風の道しるべ<原作:吾峠呼世晴 ノベライズ:矢島 綾>
④ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー<ブレディみかこ>
⑤ケーキの切れない非行少年たち<宮口幸治>

○紙の出版市場は16年連続の前年割れ。販売額は前年比1.0%減の1兆2,237億円。書籍が0.9%減の6,661億円で14年連続のマイナス。雑誌が1.1%減の5,576億円で23年連続のマイナス。書籍(単行本総合)はコミックス「鬼滅の刃」のノベライズが上位を独占。「しあわせの花」と「片羽の蝶」は100万部を突破した。

○電子出版市場は前年比28.0%増の3,931億円と好調。その結果、紙と電子を合算した出版市場は前年比4.8%増の1兆6,168億円と2年連続で前年を上回った。

話題のマンガ(2020)

○コミック誌は年間推定発行部数が前年比約16%減と低迷したが、コミックスは年間推定販売金額が約23%増と好調だった。

○コミック誌は月刊誌が約21%減、週刊誌が約13%減。月刊誌は『月刊サンデーGX』(小学館)や『月刊Gファンタジー』(スクウェア・エニックス)が部数を伸ばしたが、総じて厳しい状況が続いた。週刊誌は『週刊少年ジャンプ』(集英社)が「鬼滅の刃」最終回掲載号は完売したものの部数減。『週刊少年マガジン』(講談社)と『週刊少年サンデー』(小学館)も苦戦した。

○コミックスは『鬼滅の刃』(集英社)が累行部数1億2千万部を突破する空前の大ヒットになったことに加え、コロナ禍による外出自粛などで好調。少年向けは『鬼滅の刃』のほか、『ONE PIECE』『ハイキュー!!』『SPY×FAMILY』『呪術廻戦』『約束のネバーランド』(各集英社)、『進撃の巨人』『五等分の花嫁』『炎炎ノ消防隊』『彼女、お借りします』(各講談社)、『地縛少年花子くん』(スクウェア・エニックス)なども売れ行きを伸ばした。青年向けは『キングダム』『かぐや様は告らせたい』(各集英社)、『薬屋のひとりごと』(スクウェア・エニックス)などが健闘した。

ファッション(2020)

○新型コロナウイルスの感染拡大でマスク需要が急増。手作りマスクが流行するとともに、定番の不織布製以外にファッション性を高めた布製、ウレタン製など様々な新商品が登場。ユニクロの布製マスク「エアリズムマスク」など多くのヒット商品が誕生した。

○巣ごもり生活をより快適にしたいという人達が増え、部屋着需要が増加。ルームウェア専門ブランドや高級パジャマブランドが人気を呼んだ。

○天然素材を採用し環境に配慮したスニーカーブランドとしてアメリカを中心に急成長を遂げている「オールバーズ」の日本1号店が1月、原宿駅前にオープン。履き心地の良さとロゴを配さないミニマルなデザインで話題を集めた。

○プラスチック製レジ袋が7月に有料化されたことを受け、エコバッグ市場が拡大。コンパクトで簡単に折り畳める商品がヒットした。

気象状況(2020)

○1月と2月は全国的に寒気の流入が弱く、東・西日本の冬の平均気温は観測史上、最高記録を更新。北・東日本の日本海側の降雪量は最少記録を更新した。

○春は西日本を中心に移動性高気圧に覆われ、全国的に晴れの日が多く、また、南からの暖かい空気が流れ込んだため、平均気温が高かった。

○夏は梅雨明けが沖縄地方を除き全国的に遅かった。7月は梅雨前線の活動がたびたび活発になり、東・西日本を中心に各地で長時間にわたって大雨となり、河川の氾濫や土砂災害などで甚大な被害が発生した(「令和2年7月豪雨」)。特に九州各地では7月上旬に記録的な豪雨に見舞われ、多数の死亡者が出た。8月は一転して太平洋高気圧に覆われて東・西日本の平均気温は過去最高記録を更新した。

○秋の前半は9月上旬に西日本太平洋側に接近した台風10号をはじめ低気圧や秋雨前線の影響を受け、太平洋側を中心に曇りや雨の日が続いた。後半は東・西日本を中心に移動性高気圧に覆われ、晴れの日が多かった。

○12月は冬型の気圧配置となる日が多く、中旬以降は強い寒気が流れ込んだ。その影響で、北・西日本では平均気温が低く、北陸地方を中心に記録的な大雪となった。一方、北日本太平洋側では月降水量が過去最少を記録した。

2019年(令和元年)

経済財政白書 副題(2019)

「令和」新時代の日本経済

首相 安倍晋三

経済概況(2019)

令和元年の日本経済は、実質GDP成長率が前年比0.7%増と8年連続のプラス成長を維持した。個人消費は微増、設備投資も前年に比べ勢いに欠けたがプラスを確保。住宅投資、公共投資などが堅調だった。輸出は米中貿易摩擦の影響などで減少した。国内新車販売は3年ぶりのマイナス。住宅着工は3年連続の減少。白物家電市場が健闘した。日本人の海外旅行者数が初めて2,000万人を超えた。

経済成長率 名目 1.2% 実質 0.7%
民間最終消費支出 名目 0.5% 実質 0.2%
民間企業設備投資 名目 1.0% 実質 0.7%
輸出 名目 -4.5% 実質 -1.8%
消費者物価    0.6%  

日本の広告費(電通調査)(2019)

○総広告費は、新たに「物販系ECプラットフォーム広告費」と「イベント」を追加推定、通年で7兆円近くに達した。前年と同様の推定方法では前年比101.9%と8年連続のプラス成長を維持。インターネットがテレビメディアを超えた。

  億円 対前年比(%)
総広告費 69,381 (106.2)
新聞 4,547 (95.0)
雑誌 1,675 (91.0)
ラジオ 1,260 (98.6)
テレビメディア 18,612 (97.3)
 地上波テレビ 17,345 (97.2)
 衛星メディア関連 1,267 (99.4)
インターネット 21,048 (119.7)
PM 22,239 (107.5)

※PM=プロモーションメディア

注:総広告費は前年までの推定方法では6兆6,514億円(前年比101.9%)

政治・経済・業界(2019)

×アメリカが中距離核戦力(INF)全廃条約離脱を正式宣言(2.1)。

○政府が新元号「令和」を発表(4.1)。

○第19回統一地方選挙。知事・政令市長選と県議・政令市議選(4.7)。市区町村長・議員選(4.21)。

○麻生財務相が紙幣デザインを24年度に刷新すると発表(4.9)。新1万円札の肖像画には渋沢栄一、5千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎を採用。

○明仁天皇が退位(4.30)。徳仁皇太子が新天皇に即位・改元(5.1)。

×米中貿易摩擦が激化。アメリカが対中制裁関税第3弾(5.10)、「第4弾」(9.1)を発動、中国も同時に報復関税で対抗。

×イギリスのメイ首相がEU離脱の道筋をつけられず辞意を表明(5.24)。後任を選ぶ与党・保守党の党首選で勝利したジョンソン氏が新首相に就任(7.27)。

○主要20ヵ国・地域首脳会議(G20サミット)が大阪市で開催(6.28~29)。

○かんぽ生命の植平光彦社長らが不適切な保険契約問題で謝罪(7.10)。

○第25回参議院通常選挙で自民・公明の連立与党が過半数獲得(7.21)。

×米連邦準備制度理事会(FRB)が約10年半ぶりに利下げ決定(7.31)。

○就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアによる内定辞退率予測データの不正販売問題が発覚(8.2)。就活生の同意を得ずに販売。

○第4次安倍再改造内閣が発足(9.11)。小泉進次郎環境省ら13人が初入閣。

○携帯電話の端末代と通信料を切り分ける改正電気通信事業法施行(10.1)。

○日米両政府が日米貿易協定に署名(10.7)。

×アメリカがイスラム国(IS)のバグダディ最高指導者の死亡を発表(10.27)。

○ヤフー親会社のZホーディングスとLINEが経営統合で基本合意(11.18)。20年10月の実現を目指す。

○ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が38年ぶりに来日(11.23)。

×香港区議選で民主派が圧勝。議席数の8割超を獲得(11.24)。

×米中両政府が貿易協議の「第1段階」合意を発表(12.13)。

×アメリカ下院がトランプ大統領の弾劾訴追を可決(12.18)。

○保釈中のカルロス・ゴーン日産自動車前会長がレバノンに逃亡(12.29)。

○住宅着工は前年比4.0%減と3年連続の減少。新車販売は1.5%減と3年ぶりに減少。登録車が1.9%減、軽自動車が0.7%減。百貨店は1.4%減と2年連続のマイナス。スーパーは1.8%減と4年連続のマイナス。コンビニは0.4%増と2年連続のプラス。失業率は年間平均2.4%で18年と同率。12月の失業者数は前年比14万人減少の145万人。

○携帯電話の加入契約数は12月末で前年比4.4%増の1億8,026万件。

○為替相場は概ね円安傾向を維持。最終日は前年末より約1円高い1ドル109円台(12.30)。株価は夏頃までは2万1,000前後で推移。秋以降に上昇に転じ、最終日の終値は2万3,656円と前年末を3,641円(18.2%)上回り、1990年末(2万3,848円)以来、29年ぶりの高値を記録した(12.30)。

○訪日外国人数は前年比2.2%増の3,188万2,100人。外国人消費額は6.5%増の4兆8,113億円。いずれも過去最高を更新した。

マスコミ・広告・媒体(2019)

○テニス全豪オープンの女子シングルスで大坂なおみ選手が優勝(1.26)。アジア選手で男女初の世界ランキング1位に。

○セブン-イレブン・ジャパンとローソンが8月末までに成人向け雑誌販売の原則中止を発表(1.21)。ファミリーマートも同様の措置を表明(1.22)。

○アイドルグループ「嵐」が20年末をもっての無期限活動休止を発表(1.27)。

○日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が6月の任期満了での退任を表明(3.19)。後任に全日本柔道連盟会長の山下泰裕氏の就任決定(6.27)。

○東京オリンピックチケットの受付開始(5.9)。専用サイトに申し込み殺到。

○NHKのテレビ放送のインターネット常時同時配信を認める改正放送法が成立(5.29)。20年3月から試験的に実施、4月から1日18時間の同時配信開始。

○イベントチケットの高額転売を禁じるチケット不正転売禁止法施行(6.14)。

○八村塁が米プロバスケットボール協会(NBA)のドラフト会議でウイザーズから1位指名(6.20)。日本選手の1巡目指名は史上初。

○吉本興業社長が所属芸人の「闇営業」問題で謝罪会見(7.22)。

○メルカリがJ1鹿島アントラーズの買収を発表(7.31)。

○ラグビーワールドカップ2019日本大会開催(9.20~11.2)。

○東京オリンピックのマラソンと競歩の札幌開催が決定(11.1)。

媒体の発足(2019)

○雑誌-女性誌-「素敵なあの人」宝島社9.14など。ファッション誌-「LifeWear magazine」ユニクロ8.23など。ギャル系ファッション誌-「egg」大洋図書5.1、「Cuugal(キューーガル)」東京ニュース通信社10.21など。健康情報誌-「わたし時間」世界文化社6.1など。ライフスタイル情報誌-「MAU(マウ)」モノスデザイン10.31など。グラビア誌-「グラビアプレス」秀麗出版7.1など。コミック誌-「UNLIMITED」Unlimited8.5など。サッカー情報誌-「SOCCER KING」フロムワン3.15など。占い専門誌-「MY Calendar」説話社3.22など。囲碁誌-「碁楽室」囲碁の普及社11.20など。タウン情報誌-「横浜ウォーカー」「九州ウォーカー」各KADOKAWA1.19、「東海ウォーカー」KADOKAWA3.19など。

○主な休廃刊は「LOG HOUSE MAGAZINE」地球丸、「Men’s JOKER」KKベストセラーズ、「ランニングスタイル」エイ出版社、「出版ニュース」出版ニュース社、「mer」学研パブリッシング、「日経おとなのOFF」日経BP、「月刊BOSS」経営塾、「ホリデーオート」モーターマガジン社など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数100局

○コミュニティ放送局数332局(9局増)

○創復刊誌数58誌、休廃刊誌数127誌

国内10大ニュース(2019)

○新天皇陛下が即位。「令和」に改元(5.1)

○ラグビーワールドカップ2019日本大会で日本代表が予選のグループリーグを4戦全勝の1位で突破、初の8強入りを達成(10.13)

○「京都アニメーション」放火(7.18)。死者36人、負傷者33人

○消費税率が8%から10%に増税(10.1)

○台風19号が上陸。関東・甲信・東北地方で記録的な大雨(10.12~13)。浸水や土砂崩れで死者90人超

○リチウムイオン電池を開発した吉野彰・旭化成名誉フェローのノーベル化学賞受賞決定(10.9)

○那覇市の世界文化遺産、首里城で大火災。正殿など主要遺産が焼失(10.31)

○ゴルフの渋野日向子選手が全英女子オープン優勝(8.4)

○米大リーグ・マリナーズのイチローが引退を表明(3.21)

○日韓関係が悪化。日本政府は元徴用工問題の事実上の対抗措置として韓国向け半導体材料の輸出規制強化を発表(7.1)。韓国政府は報復措置として日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を通告(8.23)、その後、破棄撤回(11.22)

海外10大ニュース(2019)

×香港で大規模デモ(6.9)。中国への容疑者引き渡しを可能にする逃亡犯条例改正案に反対する香港市民が参加。以後、香港政府に対する抗議行動が拡大

×パリの世界文化遺産、ノートルダム大聖堂で大火災発生(4.15)

×スウェーデンの16歳の環境活動家グレタ・トゥンベリさんが国連本部で開催された「気候変動サミット」で演説(9.23)

×北朝鮮が新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を試験発射(10.2)

×アメリカが地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱を国連に正式通告(11.4)

×北朝鮮の非核化を協議する米朝首脳会談がベトナム・ハノイで開催(2.27~28)。会談はもの物分かれに

×米中両政府が貿易協議の「第1段階」の合意を発表(12.13)。両国は予定していた新たな制裁・報復関税の発動見送りを決定

×ブラジルのアマゾンで過去最大規模の森林火災が発生。ボルソナロ大統領が消火活動に軍を派遣する方針を表明(8.23)

×イギリスの下院総選挙で20年1月末のEU離脱を掲げる保守党が圧勝(12.12)

×イギリスのヘンリー王子とメーガン妃に第1子の男児誕生(5.6)

生活(2019)

○女子レスリングの国民栄誉賞受賞者、吉田沙保里が引退を表明(1.8)。

○大相撲の横綱・稀勢の里が現役引退(1.16)。

○競泳女子の池江璃花子選手が白血病を公表(2.12)。

○探査機「はやぶさ2」が小惑星リューグウに着陸成功(2.22)。

×エチオピア航空の旅客機「ボーイング737MAX」が墜落。乗員・乗客157人全員が死亡(3.10)。アメリカの連邦航空局が同機の運航を停止(3.13)。

×ニュージーランド・クライストチャーチのモスク2ヵ所で銃乱射。イスラム教徒ら51人が死亡(3.15)。

×スリランカでイスラム過激派による爆破テロ(4.21)。250人以上死亡。

○金融審議会が年金以外に老後資金2,000万円が必要との報告書発表(6.3)。

○改正動物愛護法が成立(6.12)。生後56日以下の子犬・子猫の販売禁止。

○政府の関係閣僚会議が共生と予防を基本理念とする認知症施策推進大綱を決定(6.18)。70代での発症を10年間で1歳遅らせることなどを記載。

○親による子供への体罰禁止と児童相談所の体制強化を柱とする改正児童虐待防止法と改正児童福祉法が成立(6.19)。

○「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府)の世界文化遺産登録決定(7.6)。

○幼児教育・保育の無償化スタート(10.1)。すべての3~5歳児と住民税非課税世帯の0~2歳児が対象。

○食品ロスの削減を目指す食品ロス削減推進法が施行(10.1)。

○政府がプラスチック製レジ袋の有料化を決定(11.1)。20年7月1日開始。

○萩生田文科相が20年度開始の大学入学共通テストにおける英語民間試験の見送りを発表(11.1)。国語と数学の記述式問題も見送りを表明(12.17)。

○新国立競技場が完成(11.30)。

アソビル(3.15)、ムーミンバレーパーク(3.16)、無印良品 銀座(4.4)、The Okura Tokyo(9.12)、渋谷スクランブルスクエア東棟(11.1)、渋谷パルコ(11.22)、渋谷フクラス(12.5)。

時の商品・新製品(2019)

○低価格・高品質-「ワークマン」、「デカトロン」、「ドゥクラッセTシャツ」、「マシュマロパンプス」、100円ショップ化粧品。

○こだわり・本格追求-「こだわり酒場のレモンサワー」、バスク風チーズケーキ、「悪魔のおにぎり」、「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」、「トーストスチーマー」、「サッポロチューハイ99.99」。

○家事・育児負担軽減-「ルックプラス バスタブクレンジング」、「ウーバーイーツ」、「アタックZERO」、乳児用液体ミルク、「ワイルディッシュ」。

○新時代感覚-スマートフォン決済サービス、定額制インターネット動画配信サービス、スタンドアローン型VRヘッドセット、ASMR(エーエスエムアール)。

○快適移動-ハンディファン、首掛けタイプ扇風機、「ポケトル」、「ニンテンドースイッチライト」、ノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホン。

○安全・安心-誤発進防止装置、360度撮影ドライブレコーダー。

○感動・応援-ラグビーワールドッカップ日本代表、「嵐」。

○注目を集めた商品-タピオカドリンク、ペットボトル紅茶、「大粒ラムネ」、「牛丼 超特盛」、「睡眠用うどん」、新型「RAV4」、「ドラゴンクエストウォーク」、「大乱闘スマッシュブラザーズSPECUAL」、「Zenly(ゼンリー)」、「翔んで埼玉」、「ボヘミアン・ラプロディ」、「天気の子」、「アナと雪の女王2」、「ムーミンバレーパーク」、「渋谷スクランブルスクエア東棟」、「鬼滅の刃」、樹木希林関連書籍、Official髭男dism、米津玄師。

話題の広告(2019)

・<au 三太郎シリーズ つながる話編他>=KDDI

・<SoftBank 真夏のバッキャロー編他>=ソフトバンク

・<NTT DOCOMO 星プロの緊張編他>=NTTドコモ

・<アタックZERO ゼロ洗浄、はじまる編他>=花王

・<ハズキルーペ 高級クラブ編他>=Hazuki Company

・<Y!mobile おトクなる一族:執事編他>=ソフトバンク

・<Indeed 近況シェア編他>=Indeed Japan

・<ずっとも電気 登場編他>=東京ガス

・<タウンワーク タウンワーク誰かな・登場 ダンス編他>=リクルートジョブズ

・<パズル&ドラゴンズ パズドラダンス編他>=ガンホー・オンライン・エンターテイメント

・<ゼスプリ キウイ アゲリシャスダンス編他>=ゼスプリ インターナショナル ジャパン

・<午後の紅茶 ザ・マイズターズミルクティー 深田恭子裏切られた編他>=キリンビバレッジ

・<カップヌードル HUNGRY DAYS ワンピース ゾロ編他>=日清食品

・<サロンパス 手編み編他>=久光製薬

・<カローラ 日本編2019他>=トヨタ自動車

・<PayPay 拡がるペイペイ編他>=PayPay

・<SK-Ⅱ ♯すっぴん素肌トーク予告編他>=SK-Ⅱ Japan

・<UR賃貸住宅 小さなまち編他>=都市再生機構

話題のテレビ番組(2019)

○2019年の年間視聴率は、日本テレビが全日帯、ゴールデン帯、プライム帯で、いずれも首位。6年連続で視聴率3冠王に輝いた。

○ドラマ視聴率は、NHK朝ドラの「まんぷく」(3月30日終了)の期間平均視聴率が21.4%、続く「なつぞら」が21.0%と堅調だったが、9月30日スタートの「スカーレット」は20%をやや下回る水準で推移した。民放では、テレビ朝日系のドラマが上位を独占した。「ドクターX~外科医・大門未知子」の第6シリーズが平均視聴率18.8%を獲得。「相棒season17」が15.3%、「相棒season18」が14.8%と健闘。「緊急取調室3rd SEASON」、「特捜9 season2」も人気を呼んだ。このほか、「グランメゾン東京」(TBS)や「監察医 朝顔」(フジテレビ)なども話題となった。

○スポーツでは、日本代表が大活躍したラグビーW杯中継が高視聴率を獲得。日本対南アフリカ戦(NHK総合10.20)の番組平均視聴率が41.6%、日本対スコットランド戦(日本テレビ10.13)が39.2%と全番組の年間視聴率トップ2を独占。日本対サモア戦(日本テレビ10.5)も32.8%の高視聴率を記録した。また、大坂なおみ選手が優勝を決めた全豪オープンテニス・女子シングルス決勝(NHK総合1.26)が32.3%。箱根駅伝(日本テレビ1.2~3)も復路が32.1%、往路が30.7%と、いずれも30%を超えた。

○バラエティは、「ポツンと一軒家」(テレビ朝日)が最高視聴率20.8%(9.29)を記録するなど好調。「世界の果てまでイッテQ!」「行列のできる法律相談所」「ザ!鉄腕!DASH!!」「踊る!さんま御殿!!」「嵐にしやがれ」「有吉ゼミ」「ザ!世界仰天ニュース」など、前年に続いて日本テレビ系が堅調を維持した。「チコちゃんに叱られる!」(NHK総合)も健闘した。

○その他、長寿番組の「笑点」(日本テレビ)が年間を通して高視聴率で推移。「24時間テレビ42愛は地球を救う」(日本テレビ8.24~25)も番組終盤の「PART10」の視聴率が27.9%と堅調。大災害をもたらした台風19号の動向が注目を集め、NHKのニュース番組(10.12~13)が軒並み高視聴率を獲得した。

NHK(2019)

《まんぷく》21.4%《なつぞら》21.0%《スカーレット》
〈いだてん~東京オリムピック噺~〉8.2%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が34.7%、第二部が37.3%。第一部は前年を3.0ポイント、第二部は4.2ポイント下回った。第二部は二部制となった1989年以降で最低となった。

○大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」の期間平均視聴率は8.2%。前年の「西郷どん」を4.5ポイント下回り、大河ドラマ史上最低を記録した。

○インターネット常時同時配信を実施するうえで総務省から求められていたNGK業務改革の一環として、「BS1」「BSプレミアム」「BS4K」「BS8K」の4波あるBSを3波に集約する方針を表明(12.8)。

○NHK経営委員会がNHK次期会長にみずほフィナンシャルグループ元会長の前田晃伸氏を選出(12.9)。

○NHK経営委員会がNHK経営委員長に阪神高速道路会長でMHK経営委員長代行の森下俊三氏を選出(12.24)。

流行語(2019)

ONE TEAM、計画運休、軽減税率、スマイリングシンデレラ/しぶこ、タピる、♯KuToo、○○ペイ、免許返納、闇営業、令和、後悔などあろうはずがありません、ジャッカル、にわかファン、笑わない男

流行歌(2019)

レコード大賞:Foorin<パプリカ>

最優秀新人賞:BEYOOOOONDS<眼鏡の男の子>

①サステナブル<AKB48>
②ジワるDAYS<AKB48>
③Sing Out!<乃木坂46>
④夜明けまで強がらなくてもいい<乃木坂46>
⑤黒い羊<欅坂46>
⑥Lights/Boy With Luv<BTS>
⑦BRAVE<嵐>
⑧キュン<日向坂46>
⑨こんなに好きになっちゃっていいの?<日向坂46>
⑩ドレミソラシド<日向坂46>

○総売上金額は前年比2.0%減の1,881億円。内訳はシングルが10.4%減の555億円、アルバムが2.0%増の1,327億円。

○ミリオンセラーはシングルが上位4作品、アルバムは「5×20 All the BEST!!1999-2019」(嵐)の1作品で210万枚を販売。

話題の映画(2019)

洋画
①アラジン
②トイ・ストーリー4
③ライオン・キング
④ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
⑤アベンジャーズ/エンドゲーム

邦画
①天気の子
②名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)
③キングダム
④劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」
⑤映画ドラえもん のび太の月面探査記

○年間入場者は前年比15.2%増の1億9,491万人と1971年以来48年ぶりに1億9千万人を超えた。スクリーン数は前年より22増えて3,583スクリーンとなった。

○興行収入は前年比17.4%増の2,612億円と現在の発表形式に変わった2000年以降で過去最高を記録。洋画が18.4%増の1,190億円、邦画が16.5%増の1,422億円。

ベストセラー(2019)

①一切なりゆき 樹木希林のことば<樹木希林>
②樹木希林120の遺言 死ぬときぐらい好きにさせてよ<樹木希林>
③日本国紀<百田尚樹>
④メモの魔力<前田裕二>
⑤妻のトリセツ<黒川伊保子>

○紙の出版市場は15年連続の前年割れ。販売額は前年比4.3%減の1兆2,360億円。書籍が3.8%減の6,723億円で13年連続のマイナス。雑誌が4.9%減の5,637億円で22年連続のマイナス。書籍(単行本総合)の年間ミリオンセラーは「一切なりゆき 樹木希林のことば」の1点(売上部数ベース)。雑誌はすべてのジャンルが低調だった。

○電子出版市場は前年比23.9%増の3,072億円と好調だった。

話題のマンガ(2019)

○コミック誌は年間推定発行部数が前年比約12%減と振るわなかったが、コミックスは年間推定販売金額が約3%増と健闘した。

○コミック誌は月刊誌が約16%減、週刊誌が約10%減。月刊誌は『ジャンプスクエア』(集英社)は小幅な減少にとどまったが、『月刊少年マガジン』(講談社)、『ゲッサン』(小学館)などが低迷。週刊誌は『週刊少年マガジン』(講談社)、『週刊少年サンデー』(小学館)、『ヤングジャンプ』(集英社)、『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)など、いずれも低調だった。

○コミックスは、少年向けは『鬼滅の刃』(集英社)が大ヒット、『ONE PIECE』(同)も好調を維持。青年向けは『キングダム』(集英社)などが堅調だった。少女向けは『思い、思われ、ふり、ふられ』(集英社)、レディス向けは『ちはやふる』(講談社)などが健闘した。

○『鬼滅の刃』『ONE PIECE』『キングダム』『約束のネバーランド』(各集英社)、『五等分の花嫁』(講談社)、『僕のヒーローアカデミア』(集英社)、『進撃の巨人』(講談社)、『ハイキュー!!』『かぐや様は告らせたい』(各集英社)、『転生したらスライムだった件』(講談社)など。

ファッション(2019)

○レディスではリブ素材のストレッチ性の高いレギンスと、ワンピースやスカート、ロングTシャツなどを組み合わせた着こなしが流行した。

○レディスではまた、「ドゥクラッセTシャツ」が50代前後の女性の間で人気となった。前身頃が二重になっていてインナーが透けないことや、手頃な価格に加えて、上質な手触りとエレガントなデザインが支持された。

○GUがヒール靴への女性の不満を解消すべく、柔らかな履き心地とフィット感を実現した「マシュマロパンプス」が大ヒットした。

○ワークマンの一般向けカジュルウェア専門店ワークマンプラスが低価格・高機能の品揃えを武器に男性のみならず女性客も吸引。既存のワークマンにも新規客が殺到、「ワークマン」は一躍、主力ブランドへと成長した。

気象状況(2019)

○1月と2月は北からの寒気が弱かった影響で全国的に平均気温がかなり高く、降雪量は少なかった。北日本では2月上旬に一時的に強い寒気が流れ込んだ。

○春は全国的に高気圧に覆われて晴れの日が多く、平均気温は高めに推移した。降水量は、東日本は平年並みだったが、北日本や西日本は少なかった。

○夏は全国的に梅雨明けが遅れ、7月は東・西日本を中心に気温が低く、日照時間が少ない不順な天候となった。7月末から8月前半にかけては、東日本を中心に太平洋高気圧に覆われ、厳しい暑さが続いた。西日本では、前線や台風の影響で、たびたび大雨となり、特に九州南部では7月に、九州北部では7月と8月に記録的な大雨を観測。土砂災害や河川の氾濫などで大きな被害が発生した。

○秋は9月から10月にかけて立て続けに台風被害に見舞われた。9月9日には台風15号が関東地方に上陸。記録的な暴風雨により、千葉県などで甚大な被害が発生した。10月12日には台風19号が伊豆半島に上陸。関東甲信から東北地方の広い範囲で大雨となり、堤防決壊による浸水や土砂崩れなどで、死者は90人を超えた。さらに10月25日には台風21号が関東北部や東北南部に接近。千葉県や福島県では死者も出た。11月は全国的に暖かい日が多かった。

○12月は寒気の南下が弱く、平均気温は全国的に高かった。降雪量は少なく、北・西日本の日本海側では、1961年の統計開始以降で最も少なかった。

2018年(平成30年)

経済財政白書 副題(2018)

今、Society5.0の経済へ

首相 安倍晋三

経済概況(2018)

平成30年の日本経済は、実質GDP成長率が前年比0.8%増。個人消費は弱含みながらプラス成長を確保、設備投資が好調、輸出も底堅く推移した。住宅投資は減少した。国内新車販売は2年連続の増加。ドライブレコーダー需要が急増。住宅着工は2年連続の減少。家電販売は白物を中心に好調だった。訪日外国人数が史上初めて3,000万人を超えた。

経済成長率 名目 0.7% 実質 0.8%
民間最終消費支出 名目 0.9% 実質 0.4%
民間企業設備投資 名目 4.8% 実質 3.9%
輸出 名目 4.3% 実質 3.1%
消費者物価    0.9%  

日本の広告費(電通調査)(2018)

○総広告費は、持続する緩やかな景気拡大に伴い7年連続のプラス成長。インターネット広告費が5年連続の二桁成長。地上波テレビに迫る規模となり、全体を牽引した。衛星メディアを除くマス4媒体では21業種中5業種が前年を上回った。

  億円 対前年比(%)
総広告費 65,300 (102.2)
新聞 4,784 (92.9)
雑誌 1,841 (91.0)
ラジオ 1,278 (99.1)
テレビメディア 19,123 (98.2)
 地上波テレビ 17,848 (98.2)
 衛星メディア関連 1,275 (98.1)
インターネット 17,589 (116.5)
PM 20,685 (99.1)

※PM=プロモーションメディア

政治・経済・業界(2018)

×北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実戦配備を宣言(1.1)。

○仮想通貨交換所のコインチェックが不正アクセスによる580億円分の仮想通貨NEMの流出を発表(1.26)。

×アメリカが「核戦略見直し」を発表。小型核兵器の開発を明記(2.2)。

×中国が国家主席の任期を撤廃(3.11)。習近平政権の長期化が可能に。

×ロシア大統領選でプーチン氏が勝利(3.18)。2000年の初当選から通算4選。

○地方圏の平成30年公示地価が平成4年以来26年ぶりに上昇(3.27)。

○黒田東彦・日銀総裁が再任(4.9)。

×キューバのラウル・カストロ国家評議会議長が退任(4.19)。

○武田薬品工業がアイルランドの製薬大手シャイアー買収で合意(5.8)。買収額は日本企業による海外企業の買収としては過去最大の約6.8兆円。

×トランプ米大統領がイラン核合意離脱を表明(5.8)。

×マレーシア総選挙でマハティール元首相率いる野党連合が勝利(5.9)。マハティール氏が15年ぶりに首相復帰。

○日本と欧州連合(EU)首脳が経済連携協定(EPA)に署名(7.17)。

○参議院定数を6議席増やす改正公職選挙法が成立(7.18)。

○カジノを中心とする統合型リゾート(IR)実施法が成立(7.20)。

○翁長雄志・沖縄県知事死去(8.8)。後任の知事に玉城デニー氏が当選(9.30)。

○自民党総裁選で安倍首相が連続3選(9.20)。第4次安倍改造内閣発足(10.2)。

×トランプ米大統領がロシアとの中距離核戦力全廃の条約破棄を表明(10.20)。

×ブラジル大統領選で右派のジャイル・ボルソナロ下院議員が当選(10.28)。

×アメリカが対イラン制裁を全面復活(11.5)。

○日露首脳会談、平和条約交渉加速で合意(11.14)。

○外国人労働者の受け入れ拡大を目指す改正出入国管理法が成立(12.8)。

○ソフトバンクグループの通信子会社ソフトバンクが東証1部上場(12.19)。

○政府が国際捕鯨委員会(IWC)脱退を発表(12.26)。2019年6月末に離脱。

○日本をはじめ11ヵ国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)が発効(12.30)。

○住宅着工は前年比2.3%減と2年連続の減少。新車販売は0.7%増と2年連続の増加。登録車が1.3%減、軽自動車が4.4%増。百貨店は0.8%減と2年ぶりのマイナス。スーパーは0.2%減と3年連続の減少。コンビニは0.6%増と2年ぶりのプラス。失業率は年間平均2.4%で8年連続の改善。12月の失業者数は前年比15万人減少の159万人。103ヵ月連続の減少。

○携帯電話の加入契約数は12月末で前年比4.1%増の1億7,262万件。

○為替相場は概ね円安傾向を維持。最終日は前年末より約2円高い1ドル110円台(12.28)。株価は乱高下が目立ったなかで、10月2日にバブル後最高値圏の2万4,270円をつけたが、その後、下落傾向に転じる。最終日は2万14円と前年末比2,750円(12%)下落。

○訪日外国人数は前年比8.7%増の3,119万2,000人。外国人消費額は4兆5,064億円。いずれも過去最高を更新した。

マスコミ・広告・媒体(2018)

○将棋の羽生善治永世7冠と囲碁の井山裕太7冠に国民栄誉賞決定(1.5)。

×平昌冬季五輪(2.9~25)。

×平昌冬季パラリンピック(3.9~18)。

×ニューヨーク・タイムズ紙などの性暴力報道がピュリツァー賞受賞(4.16)。セクハラや性被害を告発する「ME TOO」運動が広がるきっかけに。

○サッカー日本女子代表のなでしこジャパンがアジアカップ連覇(4.20)。

×スウェーデン・アカデミーが2018年の文学賞公表の見送りを発表(5.4)。

○是枝裕和監督「万引き家族」がカンヌ国際映画祭でパルムドール受賞(5.19)。

×欧州連合(EU)が個人情報保護の強化を目指す「一般データ保護規則(GDPR)」の運用開始(5.25)。

○男子フィギュアスケートの羽生結弦選手に国民栄誉賞決定(6.1)。

×サッカーW杯・ロシア大会(6.15~7.15)。日本代表は決勝トーナメント1回戦でベルギーに逆転負け(7.2)。

○サッカー日本代表の新監督に元J1広島監督の森安一氏が決定(7.26)。

○第100回全国高等学校野球選手権記念大会(8.5~21)。大阪桐蔭高校が史上初の2度目の春夏連覇を達成。

×ジャカルタ・アジア競技大会(8.18~9.2)。競泳の池江璃花子選手が6冠達成。

○2025年国際博覧会開催地に大阪市が決定(11.23)。

○4K8K放送がBSとCSの17チャンネルでスタート(12.1)。8Kは世界初。

媒体の発足(2018)

○雑誌-女性誌-「CRファッションブック日本版」ハースト婦人画報社10.10など。男性誌-「ANRULU」BARKS11.20など。料理誌-「cookpad plus」セブン&アイ出版9.1など。旅行誌-「OZ magazine Trip」スターツ出版6.7など。健康情報誌-「PHPからだスマイル」(PHP研究所)12.7など。モノ情報誌-「Mono Master」宝島社9.22など。ヨガ専門誌-「Yogini(ヨギーニ)」エイ出版社9.20など。コミック誌-「50代からの私たち」メディアックス3.17、「ヤングキングBULL」少年画報社8.4など。ビジネス誌-「NEWS PICKS Magazine」幻冬舎6.20など。マネー誌-「MONOQLO the MONEY」晋遊舎、「月刊 仮想通貨」プレジャー・パブリッシング9.21など。

○主な休廃刊は「スキージャーナル」スキージャーナル、「S Cawaii!」主婦の友社、「RUDO」マガジン・マガジン、「COMICリュウ」徳間書店、「アウトライダー」バイクブロス、「新潮45」新潮社、「ARiA」「小説現代」各講談社、「YOU」集英社、「BITTER」大洋図書など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数101局

○コミュニティ放送局数323局(8局増)

○創復刊誌数60誌、休廃刊誌数129誌

国内10大ニュース(2018)

○平昌冬季五輪で日本が過去最多の13個のメダルを獲得(2.9~25)。男子フィギュアスケートの羽生結弦選手が2連覇(2.17)。

○西日本豪雨で死者220人超、平成最悪の豪雨被害に(7.5~8)。

○日本大学アメフト部選手が関西学院大戦で危険タックル(5.6)。アマチュアスポーツ界で不祥事相次ぐ。

○女子テニス・大坂なおみ選手が全米オープン優勝(9.8)。4大大会で日本人初。

○東京地検が金融商品取引法違反容疑で日産自動車のカルロス・ゴーン会長ら代表取締役2人を逮捕(11.19)。

○北海道の胆振地方を中心に最大震度7の地震(9.6)。死者41人。

○ノーベル生理学・医学賞に本庶佑・京都大学特別教授の受賞決定(10.1)。

○オウム真理教元代表の松本智津夫死刑囚ら教団元幹部7人の死刑執行(7.6)、残る6人の元幹部の死刑執行(7.26)。

○大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手がア・リーグ新人王受賞(11.12)。

○大型の台風21号襲来、関西空港が冠水し孤立(9.4)。

海外10大ニュース(2018)

×タイ北部の洞窟に閉じ込められていた少年ら13人全員救出(7.10)。

×アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が史上初の米朝首脳会談(6.12)。北朝鮮の非核化を協議。

×インドネシア・スラウェシ島でM7.5の地震(9.28)。死者2,000人超、行方不明者1,300人超。

×金正恩朝鮮労働党委員長が北朝鮮指導者として初の訪韓、韓国の文在寅大統領と首脳会談(4.27)。朝鮮半島の非核化などで合意。

×サウジアラビア人記者のカショギ氏がトルコのサウジ総領事館で殺害(10.2)。

×イギリスのヘンリー王子がアメリカ出身の女優と挙式(5.19)。

×アメリカが中国製品の輸入制限を発動(3.23)。米中貿易摩擦が激化。

×アメリカで中間選挙(11.6)。上院は与党・共和党、下院は野党・民主党が過半数を占め、「ねじれ議会」に。

×欧州連合(EU)がイギリスの離脱条件を定めた離脱協定案を正式決定(11.25)。2020年末まで現状の貿易関係を維持。

×韓国最高裁が元徴用工訴訟で新日鉄住金に賠償命令(10.30)。

生活(2018)

○旧優生保護法による強制不妊手術を巡り、宮城県内の60代女性が国家賠償請求訴訟を提起(1.30)。

○宮内庁が秋篠宮家の長女眞子さまの結婚延期を発表(2.6)。

×アメリカ・フロリダ州の高校で銃乱射事件、17人死亡(2.14)。

×イギリスの物理学者スティーブン・ホーキング博士が死去(3.14)。

○成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が成立(6.13)。

○大阪北部で最大震度6弱の地震(6.18)。6人死亡、400人超が負傷。

○高度プロフェッショナル制度などを定めた働き方改革関連法が成立(6.29)。

○「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本両県)の世界文化遺産登録決定(6.30)。

○受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が成立(7.18)。

○東京医科大学の不正入試が発覚(8.2)。その後、他の大学の医学部でも不正入試が相次ぎ判明。

×イタリア・ジェノバで高速道路の高架橋が崩落、43人死亡(8.14)。

×アメリカ・ノースカロライナ州に大型ハリケーン「フローレンス」が上陸(9.14)。死者50人超。

○歌手・安室奈美恵が引退(9.16)。

○大相撲の貴乃花親方が退職(10.1)。貴乃花部屋は消滅。

○東京都の築地市場が営業終了(10.6)。豊洲市場が開場(10.11)。

○経団連が2021年度以降の新卒者採用選考指針の廃止を決定(10.9)。

○高円宮家の三女、絢子さまが結婚(10.29)。

○「男鹿のナマハゲ」(秋田県)など10件から成る「来訪神 仮面・仮装の神々」の世界無形文化遺産登録決定(11.29)。

×インドネシアのスンダ海峡で津波発生(12.22)。死者・行方不明者約590人。

東京ミッドタウン日比谷(3.29)、森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス(6.21)、Ginza Sony Park(8.9)、日本橋高島屋S.C.(9.25)、メッツァビレッジ(11.9)。

時の商品・新製品(2018)

○猛暑-エアコン、氷菓、茶系飲料、炭酸飲料、ペットボトルコーヒー、ミネラルウォーター、そうめん、梅干し。

○健康維持-サバ缶、イワシ缶、「ビスコ シンバイオティクス」、おからパウダー、糖質カット炊飯器。

○超刺激-強炭酸水、花椒(ホアジャオ)、チョコミント、高アルコール飲料。

○高コスパ-「本麒麟」、「夜マック」、「ワークマンプラス」、「アクオスセンス」。

○高価格・高品質-フルサイズミラーレスカメラ、ななめドラム洗濯乾燥機「NA-VX9800」、高級食パン。

○次世代感覚-AIスピーカー、「ポケトーク」、eスポーツ、バーチャルユーチューバー、「TikTok」、「森ビル デジタルアートミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」、スマートフォン決済サービス、コネクテッドカー。

○オーダーメイド-「ゾゾスーツ」、「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」。

○復活-「aibo」、「ジムニー」。

○共鳴・応援-「安室奈美恵」、「カメラを止めるな!」、「おっさんずラブ」。

○注目を集めた商品-ドライブレコーダー、「明治エッセル スーパーカップ スイーツ」、タピオカミルクティ-、「NONIO」、「ちふれウォッシャブルコールドクリーム」、「ビオレ おうちdeエステ 肌をなめらかにするマッサージ洗顔ジェル」、「ハズキルーペ」、「プリントス」、肩掛けスピーカー、低温調理器、「CX-8」、「N-VAN」、「リード プチ圧力調理バッグ」、「L.O.L.サプライズ」、「モンスターハンター:ワールド」、「namie amuro Final Tour 2018~Finally~」、「Lemon」、「U.S.A.」。

話題の広告(2018)

・<au 三太郎シリーズ 笑おう編他>=KDDI

・<Softbank 白戸家:ミステリートレイン編他>=ソフトバンク

・<NTT DOCOMO はじまりの物語編他> =NTTドコモ

・<Indeed インディード仕事もバイトも「ソバージュ」編他>=Indeed Japan

・<ワイモバイル カラフル転校生編他>=ソフトバンク

・<タウンワーク やる気の出る歌 熱唱編他>=リクルート

・<コカ・コーラ サマー カラーボトル登場編他>=日本コカ・コーラ

・<日清チキンラーメン 夏の日のぐで垣結衣編他>=日清食品ホールディングス

・<ハズキルーペ 渡辺謙と菊川怜編他>=Hazuki Company

・<カップヌードル HUNGRY DAYS最終回編他>=日清食品ホールディングス

・<SmartNews(スマートニュース) 呼び名編他>=スマートニュース

・<Mira TOCOT おとなまる子シリーズ:勘違い編他>=ダイハツ工業

・<本麒麟 投影編他>=キリンビール

・<ムシューダ そこにいる編他>=エステー

・<東京ディズニーリゾート パークデビュー、おめでとう編他>=オリエンタルランド

話題のテレビ番組(2018)

○2018年の年間視聴率は、日本テレビが全日帯、ゴールデン帯、プライム帯で、いずれも首位。5年連続で視聴率3冠王に輝いた。

○ドラマ視聴率は、NHK朝ドラが好調。3月31日終了の「わろてんか」の期間平均視聴率は20.1%、続く「半分、青い。」が21.1%、10月1日スタートの「まんぷく」は前2作品を上回る高水準で推移した。民放では、「99.9・刑事専門弁護士・SEASONⅡ」(TBS)が平均視聴率17.4%を獲得。人気シリーズ「相棒season17」(テレビ朝日)が16.5%、「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」(同)が16.4%と健闘した。この他、「相棒season16」、「BG~身辺警護人~」(各テレビ朝日)、「ブラックペアン」、「義母と娘のブルース」(各TBS)などが人気を呼んだ。

○スポーツでは、サッカーW杯中継が軒並み高視聴率を獲得。初戦の日本対コロンビア戦(NHK総合6.19)は前半が42.8%、後半が48.7%。日本対セネガル戦(日本テレビ6.24)が30.9%。日本対ポーランド戦(フジテレビ6.28)が44.2%。初のベスト8進出に挑んだ決勝トーナメント第1戦の日本対ベルギー戦(NHK総合7.3)は未明の中継にもかかわらず前半が25.6%、後半が36.4%に達した。また、平昌冬季五輪も注目を集めた。開会式(NHK総合2.9)が30.1%。羽生結弦選手が冬季五輪2連覇を達成したフィギュアスケート男子シングルフリープログラム中継(NHK総合2.17)は33.9%を獲得した。箱根駅伝(日本テレビ1.2~3)は往路が29.4%、復路が29.7%と、いずれも前年を上回った。

○バラエティは、「世界の果てまでイッテQ!」「ザ!鉄腕!DASH!!」「行列のできる法律相談所」(各日本テレビ)、「ポツンと一軒家」(テレビ朝日)、「踊る!さんま御殿!!」「有吉ゼミ」「しゃべくり007」(各日本テレビ)など、前年に続いて日本テレビ系が高い人気を集めた。

○その他、長寿番組の「笑点」(日本テレビ)が年間を通して好調を維持。「24時間テレビ41愛は地球を救う」(日本テレビ8.25~26)も堅調で、番組終盤の「PART10」の視聴率は27.6%を獲得した。

NHK(2018)

《わろてんか》20.1%《半分、青い。》21.1%《まんぷく》
〈西郷どん〉12.7%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部37.7%、第二部が41.5%。第一部は前年を1.9ポイント、第二部は2.1ポイント上回った。

○大河ドラマ「西郷どん」の期間平均視聴率は12.7%。前年の「おんな城主直虎」を0.1ポイント下回った。

○上田良一会長は、2019年10月の消費増税時には受信料を据え置くことで実質2%値下げし、さらに2020年10月に地上契約で月額35円、衛星契約で同60円を値下げすると発表した(11.27)。2020年10月以降のNHK受信料は、口座・クレジット払いで現行月額1,260円の地上契約が1,225円に、2,230円の衛星契約が2,170円になる(消費税込み)。

流行語(2018)

そだねー、eスポーツ、(大迫)半端ないって、おっさんずラブ、ご飯論法、災害級の暑さ、スーパーボランティア、奈良判定、ボーっと生きてんじゃねーよ!、#MeToo

流行歌(2018)

レコード大賞:乃木坂46<シンクロニシティ>

最優秀新人賞:辰巳ゆうと<下町純情>

①Teacher Teacher<AKB48>
②センチメンタルトレイン<AKB48>
③シンクロニシティ<乃木坂46>
④ジコチューで行こう!<乃木坂46>
⑤NO WAY MAN<AKB48>
⑥ジャーバージャ<AKB48>
⑦帰り道は遠回りしたくなる<乃木坂46>
⑧ガラスを割れ!<欅坂46>
⑨アンビバレント<欅坂46>
⑩シンデレラガール<King & Prince>

○総売上金額は前年比5.4%減の1,920億円。シングルが8.8%増の619億円、アルバムが10.9%減の1,301億円。

○ミリオンセラーはシングルが上位8作品、アルバムはなし。

話題の映画(2018)

洋画
①ボヘミアン・ラプソディ
②ジュラシック・ワールド/炎の王国
③スター・ウォーズ/最後のジェダイ
④グレイテスト・ショーマン
⑤リメンバー・ミー

邦画
①劇場版コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-
②名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)
③映画ドラえもん のび太の宝島
④万引き家族
⑤銀魂2 掟は破るためにこそある

○年間入場者は前年比3.0%減の1億6,921万人で2年連続の減少。映画館(スクリーン)数は前年より36スクリーン増えて3,561スクリーンとなった。

○興行収入は前年比2.7%減の2,225億円で2年連続の減少。洋画が2.5%減の1,005億円、邦画が2.8%減の1,220億円。洋画「ボヘミアン・ラプソディ」が102億円獲得。

ベストセラー(2018)

①漫画 君たちはどう生きるか<吉野源三郎(原作)、羽賀翔一(漫画)>
②大家さんと僕<矢部太郎>
③君たちはどう生きるか<吉野源三郎>
④頭に来てもアホとは戦うな!<田村耕太郎>
⑤おらおらでひとりいぐも<若竹千佐子>

○紙の出版市場は14年連続の前年割れ。販売額は前年比5.7%減の1兆2,921億円。書籍が2.3%減の6,991億円で12年連続のマイナス。雑誌が9.4%減の5,930億円で21年連続のマイナス。書籍(単行本総合)の年間ミリオンセラーは「漫画 君たちはどう生きるか」の1点(売上部数ベース)。雑誌はすべてのジャンルが低調だった。

○電子出版市場は前年比11.9%増の2,479億円と堅調だった。

話題のマンガ(2018)

○コミック誌は年間推定発行部数が前年比約9%減、コミックスは年間推定販売金額が同約8%減と、いずれも振るわなかった。

○コミック誌は月刊誌が約11%減、週刊誌が約8%減。月刊誌は『月刊少年マガジン』(講談社)、『ジャンプスクエア』(集英社)、『ゲッサン』(小学館)など主要誌が揃って低迷。週刊誌も『週刊少年マガジン』(各講談社)、『ヤングジャンプ』(集英社)など、少年・青年向けともに低調だった。

○コミックスは全体販売額では低迷したが、『ONE PIECE』『キングダム』『僕のヒーローアカデミア』(各集英社)、『進撃の巨人』(講談社)など人気シリーズは堅調。劇場版「名探偵コナン ゼロの執行人」が大ヒットした『名探偵コナン』(小学館)も健闘した。

○『ONE PIECE』『キングダム』『僕のヒーローアカデミア』(各集英社)、『進撃の巨人』(講談社)、『HUNTER×HUNTER』『東京喰種トーキョーグール』『ハイキュー!!』『ワンパンマン』(各集英社)、『よつばと!』(KADOKAWA)、『名探偵コナン』(小学館)、『黒執事』(スクウェア・エニックス)、『七つの大罪』(講談社)など。

ファッション(2018)

○レディスの春物ではブラウスが流行。フリルのついた可愛らしいデザインやスリーブ部分にボリューム感があるものなど様々なブラウスが人気を呼んだ。

○レディスではまた、薄く透けるチュール素材を使用したスカートなどが女性らしさをプラスできるアイテムとして流行した。

○紳士服では大手各社が揃ってストレッチ素材を使ったスーツを発売。伸縮性に優れ、シワに強く、自宅で洗えることなどから、快適な機能性スーツとしてビジネスマン達の支持を獲得した。

○低価格・高機能で評判のワークマンの作業服や靴などが男性のみならず女性にも浸透。同社は9月以降、新しいカジュアルウェア専門店「ワークマンプラス」を相次いで出店。各店とも入場制限が出るほどの人気店となった。

気象状況(2018)

○1月と2月は強い寒気が流れ込むことが多く、全国的に気温が低かった。北陸地方を中心に記録的な大雪に見舞われた。1月下旬には関東甲信や東北太平洋側でも大雪となった。

○春は全国的に気温が高く、特に東日本では記録的な高温となった。高気圧と低気圧が交互に通過。東日本以南では晴れの日が多かったが、低気圧の通過時は南から湿った空気が流れ込み、沖縄・奄美を除き、降水量が多かった。

○梅雨の時期は7月上旬に本州付近に梅雨前線が停滞。南からの大量の湿った空気の影響で西日本を中心に記録的な大雨となり、甚大な被害が発生した(気象庁は「平成30年7月豪雨」と命名)。

○夏は全国的に梅雨明けが早く、太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しが強まり、東・西日本を中心に猛暑となった。7月23日には埼玉県熊谷市で歴代全国1位となる41.1度を記録するなど多くの地点で過去最高気温が観測された。

○秋は9月に台風21号、24号、25号が上陸あるいは接近し、秋雨前線活動が活発となり、広い範囲で大雨、暴風、高潮、高波が発生した。平均気温は北・東日本で高かった。

○12月は寒気の南下が弱く、全国的に平均気温は高かったが、月末は強い冬型の気圧配置となり、北・東日本の日本海側を中心に暴風雪や大雪となった。

2017年(平成29年)

経済財政白書 副題(2017)

技術革新と働き方改革がもたらす新たな成長

首相 安倍晋三

経済概況(2017)

平成29年の日本経済は、実質GDP成長率が前年比1.7%増と回復傾向を強めた。個人消費がやや持ち直し、設備投資が底堅く推移、世界経済の景気拡大を受け輸出が好調だった。住宅投資は年後半に陰りが出たが、年間ではプラスを維持した。国内新車販売は3年ぶりに増加。住宅着工は3年ぶりの減少。家電販売は白物を中心に堅調だった。インバウンド市場は過去最高を更新した。

経済成長率 名目 1.5% 実質 1.7%
民間最終消費支出 名目 1.2% 実質 1.1%
民間企業設備投資 名目 3.6% 実質 3.0%
輸出 名目 11.3% 実質 6.8%
消費者物価    0.5%  

日本の広告費(電通調査)(2017)

○総広告費は、持続する緩やかな景気拡大に伴い6年連続のプラス成長となった。インターネット広告費が4年連続の二桁成長となり、広告費全体を押し上げた。衛星メディアを除くマス4媒体では21業種中6業種が前年を上回った。

  億円 対前年比(%)
総広告費 63,907 (101.6)
新聞 5,147 (94.8)
雑誌 2,023 (91.0)
ラジオ 1,290 (100.4)
テレビメディア 19,478 (99.1)
 地上波テレビ 18,178 (98.9)
 衛星メディア関連 1,300 (101.3)
インターネット 15,094 (115.2)
PM 20,875 (98.5)

※PM=プロモーションメディア

政治・経済・業界(2017)

×ニューヨーク株式市場のダウ平均株価が史上初の2万ドルを突破(1.25)。

○安倍首相が訪米(2.9~13)。トランプ大統領と初の首脳会談(2.10)。

×東芝のアメリカ原子力事業子会社ウェスチングハウスが連邦破産法11条の適用を申請、経営破綻(3.29)。

○都市ガス小売りが完全自由化(4.1)。

○日産自動車のカルロス・ゴーン社長・CEOが退任(4.1)。

×韓国大統領選挙で野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)氏が当選(5.10)。

○「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織的犯罪処罰法が成立(6.15)。

○東京都議会議員選挙で小池百合子知事率いる「都民ファーストの会」が勝利。自民党は史上最低の議席となる歴史的惨敗(7.2)。

○日本とEU(欧州連合)が経済連携協定(EPA)の大枠合意を発表(7.5)。

×核兵器禁止条約が国連本部での条約交渉会議で採択(7.7)。米・英・仏・露・中の5核保有国をはじめ日本、ドイツなどは不参加。

○トヨタ自動車とマツダが資本提携を締結(8.4)。互いに500億円出資。

○小池百合子東京都知事が「希望の党」を旗揚げ(9.25)。

×スペイン・カタルーニャ自治州の住民投票で独立賛成派が圧勝(10.1)。

○枝野幸男元官房長官が「立憲民主党」の結成を表明(10.2)。

×アメリカがユネスコ(国連教育科学文化機関)脱退を表明(10.12)。2018年末に。

×中国共産党大会開催(10.18~24)。習近平政権が2期目に。

○第48回衆議院選挙で自民党が大勝(10.22)。第4次安倍内閣発足(11.1)。

×アメリカを除く環太平洋経済連携協定(TPP)署名11ヵ国の閣僚会合で大筋合意を発表(11.11)。

×アメリカが北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定(11.20)。

×トランプ・アメリカ大統領がエルサルムをイスラエルの首都と認定(12.6)。

○シャープが東証1部に再上場(12.7)。1年4ヵ月ぶりに同2部から復帰。

○東京都が築地市場の豊洲への移転時期を2018年10月11日に決定(12.20)。

○住宅着工は前年比0.3%減と3年ぶりの前年割れ。新車販売は5.3%増と3年ぶりに増加。登録車が4.5%増、軽自動車が6.8%増。百貨店は0.1%増と3年ぶりのプラス。スーパーは0.9%減と2年連続の減少。コンビニは0.3%減と3年ぶりのマイナス。失業率は年間平均2.8%で7年連続の改善。12月の失業者数は前年比19万人減少の174万人。

○携帯電話の加入契約数は12月末で前年比3.2%増の1億6,582万件。

○為替相場は概ね110円超の円安基調で推移。最終日は1ドル112円台(12.29)。株価は上昇傾向を強め、年初来の最高値は2万2,939円とバブル崩壊後の高値を更新(12.25)。最終日は2万2,764円と前年末比3,650円(19%)上昇。

○訪日外国人数は前年比19.3%増の2,869万1,000人、外国人消費額は17.8%増の4兆4,161億円と、いずれも過去最高を更新した。

マスコミ・広告・媒体(2017)

○日本音楽著作権協会が音楽教室から著作権料徴収の方針を発表(2.2)。

○第8回アジア冬季競技大会が札幌市と帯広市で開催(2.19~26)。

○第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開催(3.7~22)。侍ジャパンは準決勝で敗退(3.21)。2大会連続で決勝進出を逃す。

○サッカーW杯ロシア大会アジア最終予選で日本代表が豪州に勝利。6大会連続の本大会出場が決定(8.31)。

○元SMAPの稲垣吾郎、草彅 剛、香取慎吾がジャニーズ事務所を退所(9.8)。ファンサイト「新しい地図」を開設(9.22)。

×IOC総会で2024年夏季五輪の開催地をパリ、28年夏季五輪をロサンゼルスに決定(9.13)。開催地の2大会同時決定は96年ぶり。

○歌手・安室奈美恵が2018年9月16日をもっての引退を発表(9.20)。

○NHKが番組のインターネット同時配信の方針を表明(9.20)。19年度内に受信契約世帯のみで開始。

○大リーグ・エンゼルスが日本ハムの大谷翔平選手の入団決定を発表(10.8)。

○囲碁の井山裕太六冠が名人戦に勝利、2度目の七冠に返り咲き(10.17)。

○第45回東京モーターショー2017が開催(10.27~11.5)。

○プロ野球ドラフト会議で高校通算最多の本塁打記録を持つ早稲田実業の清宮幸太郎選手を7球団が指名(10.26)。日本ハムに入団決定(11.16)。

○将棋の羽生善治棋聖が竜王戦に勝利、史上初の永世七冠を達成(12.5)。

媒体の発足(2017)

○雑誌-女性誌-「&ROSY(月刊)」宝島社3.23、「OWN」世界文化社4.7、「bis」光文社9.30など。男性誌-「Them magazine」Righters2.24、「GG(ジジ)」GGメディア6.24など。キッズファッション誌-「Piki」ぴあ11.28など。児童誌-「小学8年生」小学館2.15など。コミック誌-「乙女ドルチェ」ハーパーコリンズ・ジャパン3.20など。コスメ情報誌-「LDK the Beauty」晋遊舎8.23など。スポーツ情報誌-「SURF MAGAZINE」トレスクリエイティブ4.10など。音楽情報誌-「WeROCK」サウンド・デザイナー4.15、「Rolling Stone Japan」カルチュア・エンタテインメント12.25など。ビジネス誌-「WORK MILL with Forbes」プレジデント社9.27など。

○主な休廃刊は「小学二年生」(小学館)、「Soup.」、「KERA」各ジェイ・インターナショナル、「Como」主婦の友社、「日経情報ストラテジー」「日経コミュニケーション」各日経BP社、「STREET JACK」ベストセラーズ、「BIG Tomorrow」青春出版社、「Zipper」祥伝社、「GOLFコミック」秋田書店など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数101局

○コミュニティ放送局数315局(12局増)

○創復刊誌数69誌、休廃刊誌数107誌

国内10大ニュース(2017)

○最年少の中学生棋士、藤井聡太四段が公式戦29連勝の新記録達成(6.26)

○天皇退位特例法が成立(6.9)。2019年4月30日に退位へ。天皇退位は1817年の光格天皇以来、約200年ぶり

○大相撲の横綱日馬富士が幕内貴ノ岩への暴行問題で引退を表明(11.29)

○宮内庁が秋篠宮家の長女、眞子さまの婚約内定を発表(9.3)

○第48回衆議院選挙で自民党が圧勝(10.22)

○陸上男子100メートルの桐生祥秀選手が日本選手で初めて10秒の壁を破る9秒98の日本新記録を樹立(9.9)

○神奈川県座間市のアパートで男女計9人の切断遺体発見(10.31)

○上野動物園でジャイアントパンダのメスの赤ちゃん誕生(6.12)。「シャンシャン(香香)」と命名(9.25)

○大相撲の大関稀勢の里が第72代横綱に昇進(1.25)。66代横綱若乃花以来19年ぶりに日本人横綱が誕生

○トランプ・アメリカ大統領が初来日(11.5)。日米首脳会談を開催(11.6)

海外10大ニュース(2017)

×ドナルド・トランプ氏が第45代アメリカ大統領に就任(1.20)

×北朝鮮が6回目の核実験を実施(9.3)。弾道ミサイルの発射も相次ぎ強行

×北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシアのクアラルンプール国際空港で毒殺(2.13)

×長崎市出身の日系英国人作家、カズオ・イシグロ氏のノーベル文学賞受賞が決定(10.5)

×韓国憲法裁判所が朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾審判で罷免を決定(3.10)

×フランス大統領選挙で39歳のエマニュエル・マクロン氏が当選(5.7)

×イギリス政府がEU(欧州連合)離脱を正式に通知(3.29)

×アメリカ・ラスベガスで全米史上最悪の銃乱射事件(10.1)。58人死亡、400人以上が負傷

×トランプ・アメリカ大統領が地球温暖化対策の国際的枠組み、パリ協定からの離脱を表明(6.1)

×イラン・イラク国境でM7.3の地震が発生(11.12)。両国で500人以上死亡

生活(2017)

×トルコのイスタンブールのナイトクラブで銃乱射テロ(1.1)。39人死亡。

○月末金曜日に早帰りを呼びかけ、消費拡大を促す官民一体の取り組み「プレミアムフライデー」がスタート(2.24)。

○栃木県那須町のスキー場で登山講習中の高校生と教員計8人が雪崩に巻き込まれ死亡(3.27)。

○女子フィギュアスケートの浅田真央選手が現役引退を発表(4.10)。

○女子プロゴルフの宮里藍選手が今期限りの現役引退を発表(5.26)。

○安倍首相が待機児童ゼロ達成を2017年度末から20年度末に先送りすることを表明(5.31)。

○環境省が強毒性の外来種ヒアリが国内で初めて確認されたと発表(6.13)。

×ロンドンの24階建て高層住宅で大規模火災(6.14)。80人以上死傷。

○将棋の加藤一二三九段が引退(6.20)。77歳5ヵ月での引退は最年長記録。

○ブログで乳がん闘病記を発信し続けた小林麻央さんが死去(6.22)。

○九州北部で豪雨(7.5~6)。気象庁は「平成29年7月九州北部豪雨」と命名。福岡・大分両県で死者・行方不明者が計41人に。

○ユネスコの世界遺産委員会が福岡県の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の世界文化遺産登録を決定(7.9)。

○聖路加国際病院名誉院長の日野原重明氏が105歳で死去(7.18)。

○琉球大学が長崎県対馬で野生のカワウソの撮影に成功したと発表(8.17)。国内での確認は38年ぶり。後にユーラシアカワウソと判明。

○厚生労働省が約598億円に上る年金支給漏れを発表(9.13)。

×メキシコ市近郊でM7.1の地震が発生(9.19)。死者369人。

○ユネスコが群馬県の古代碑「上野三碑」と「朝鮮通信史に関する記録」の世界記憶遺産登録を決定(10.30)。

×エジプトのシナイ半島北部のモスクで爆弾テロ(11.24)。305人死亡。

IHIステージアラウンド東京(3.30)、レゴランド・ジャパン(4.1)、GINZA SIX(4.20)、トランスイート四季島(5.1)、トワイライトエクスプレス瑞風(6.17)、ガンダムベース東京(8.19)。

時の商品・新製品(2017)

○インスタ映え-「明治 ザ・チョコレート」、「エビータ ビューティホイップソープ」、「LIP38Cリップトリートメント」、ナイトプール、「タビジョ」、チーズタッカルビ。

○YouTube発-「うまれて!ウーモ」、ハンドスピナー、「恋ダンス」、「ダンシングヒーロー」。

○健康維持-甘酒、「たべるシールド乳酸菌タブレット」、リカバリーウェア。

○味覚追求-「カップヌードルナイス」、「クラフトボス」、「ゼロイチ」、「KOIKEYA PRIDE POTATO」。

○加齢・老後対策-物忘れ改善薬、シワ取り化粧品、「iDeCo」。

○次世代感覚-AIスピーカー、「AirPods」、VR体験施設、「IHIステージアラウンド東京」、「iPhone×」、加熱式たばこ、「NOTE e-POWER」、ビットコイン、クラウドファンディング。

○高機能・使い勝手-「キュキュットCLEAR泡スプレー」、「ジェルボール3D」、消臭・抗菌衣料、「バーミュキュラライスポット」、超音波ハンディ洗濯機、「アネロ」、「N-BOX」。

○復刻-「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」、初代「たまごっち」。

○注目を集めた商品-「ニンテンドースイッチ」、「GINZA SIX」、コンビニ焼き鳥、格安4Kテレビ、「うんこ漢字ドリル」、「ミニオン・パーク」、豪華寝台列車、ミールキット、「ドラゴンクエストXI」、「DAZN」、「AbemaTV」、「安室奈美恵」、「シャンシャン」。

話題の広告(2017)

・<au 三太郎シリーズ やってみよう編他>=KDDI

・<NTT DOCOMO みつきのほんき編他>=NTTドコモ

・<SoftBank SUPER STUDENT:転校生編他>=ソフトバンク

・<タウンワーク オーディション番組編他>=リクルートホールディングス

・<ワイモバイル ズキュン!夏祭り編他>=ソフトバンク

・<UQ mobile/UQ WiMAX 紀香の誕生日編他>=UQコミュニケーションズ

・<Amazonプライム モーターバイク編他>=アマゾンジャパン

・<ジョージア おつかれ、俺たち。編他>=日本コカ・コーラ

・<Galaxy S8/S8+ 昨日までを、超えてゆけ 永恋編他>=サムスン電子ジャパン

・<ポカリスエット 踊る修学旅行編他>=大塚製薬

・<VIERA 有機EL 驚きのリアリティー編他>=パナソニック

・<日野デュトロ けんけんぱ編他>=日野自動車

・<カップヌードル HUNGRY DAYS アルプスの少女ハイジ編他>=日清食品

・<ハーゲンダッツ とろけ食べ編他>=ハーゲンダッツ・ジャパン

・<一番搾り 堤真一どっち編他>=キリンビール

・<リポビタンD YouTuber編他>=大正製薬

・<ビオレ 薬用デオドラントZ Zダンス編他>=花王

・<UNIQLO ワイヤレスブラでぷるんと美胸編>=ユニクロ

話題のテレビ番組(2017)

○2017年の年間視聴率は、日本テレビが全日帯、ゴールデン帯、プライム帯で、いずれも首位。4年連続で視聴率3冠を達成した。

○ドラマ視聴率は、NHK朝ドラが好調。4月1日終了の「べっぴんさん」の期間平均視聴率は20.3%、続く「ひよっこ」が20.4%、10月2日スタートの「わろてんか」も20%前後の高水準を維持した。民放では、人気シリーズの第5弾「ドクターX~外科医・大門未知子」(テレビ朝日)が平均視聴率20.9%を獲得、17年の連続ドラマで第1位に輝いた。この他、「陸王」(TBS)、「相棒season15・16」(テレビ朝日)、「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-3rd season」(フジ)、「A LIFE~愛しき人~」(TBS)、「緊急取調室」(テレビ朝日)などが人気を呼んだ。

○スポーツでは、箱根駅伝(日本テレビ1.2~3)の平均視聴率が往路で27.2%、復路で28.4%と快調。第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)中継番組も第2次ラウンドの日本対キューバ戦(TBS3.14)が27.4%を記録するなど注目を集めた。大相撲中継が人気を呼び、春場所千秋楽(NHK総合3.26)が24.4%と健闘。サッカーでは、日本代表がFIFA W杯ロシア大会の本大会出場を決めたアジア最終予選の日本対オーストラリア戦(テレビ朝日8.31)が24.2%を獲得した。ソフトバンクが優勝を決めたプロ野球日本シリーズの最終戦(テレビ朝日11.4)やプロボクシングWBA世界ミドル級選手権アッセン・エンダム対村田諒太戦(フジ10.22)なども話題を呼んだ。

○バラエティは、「世界の果てまでイッテQ!」「ザ!鉄腕!DASH!!」「行列のできる法律相談所」「しゃべくり007」「踊る!さんま御殿!!」「世界まる見え!テレビ特捜部」など、日本テレビ系が軒並み上位を独占した。「ブラタモリ」(NHK総合)も健闘した。

○その他、長寿番組の「笑点」(日本テレビ)が年間を通して安定した高視聴率を獲得。「24時間テレビ40愛は地球を救う」(日本テレビ8.26~27)も好調で番組終盤の「PART10」の平均視聴率は28.4%を記録した。

NHK(2017)

《べっぴんさん》20.3%《ひよっこ》20.4%《わろてんか》
〈おんな城主直虎〉12.8%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が35.8%、第二部が39.4%。第一部は前年を0.7ポイント上回ったが、第二部は0.8ポイント下回った。

○大河ドラマ「おんな城主直虎」の期間平均視聴率は前年の「真田丸」を3.8ポイント下回った。

○籾井勝人会長が退任し、新会長にNHK経営委員で元三菱商事副社長の上田良一氏が就任した(1.25)。

○NHKの受信料制度が契約の自由を保障する憲法に違反するか否かが争われた訴訟で、最高裁判所大法廷が合憲判決(12.6)。テレビなどの受信設備の設置者はNHKとの契約の義務を負うとする放送法の規定を合憲とする最高裁の判決は初めて。

流行語(2017)

インスタ映え、忖度、35億、Jアラート、睡眠負債、ひふみん、フェイクニュース、プレミアムフライデー、魔の2回生、○○ファースト、9.98(10秒の壁)、29連勝(藤井フィーバー)

流行歌(2017)

レコード大賞:乃木坂46<インフルエンサー>

最優秀新人賞:つばきファクトリー<就活センセーション>

①願いごとの持ち腐れ<AKB48>
②♯好きなんだ<AKB48>
③11月のアンクレット<AKB48>
④シュートサイン<AKB48>
⑤逃げ水<乃木坂46>
⑥インフルエンサー<乃木坂46>
⑦いつかできるから今日できる<乃木坂46>
⑧不協和音<欅坂46>
⑨風に吹かれても<欅坂46>
⑩Doors~勇気の軌跡~<嵐>

○総売上金額は前年比2.8%減の2,029億円。シングルが4.3%減の569億円、アルバムが2.2%減の1,460億円。

○ミリオンセラーはシングルが上位6作品、アルバムは「Finally」(安室奈美恵)、「SMAP 25 YEARS」(SMAP)の2作品。

話題の映画(2017)

洋画
①美女と野獣
②ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
③怪盗グルーのミニオン大脱走
④パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊
⑤モアナと伝説の海

邦画
①名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)
②映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険
③銀魂
④劇場版ポケットモンスター キミにきめた!
⑤君の膵臓をたべたい

○年間入場者は前年比3.2%減の1億7,448万人で6年ぶりの減少。映画館(スクリーン)数は前年より53スクリーン増えて3,525スクリーンとなった。

○興行収入は前年比2.9%減の2,286億円で4年ぶりの減少。洋画が18.6%増の1,031億円、邦画が15.6%減の1,255億円。洋画「美女と野獣」が124億円獲得。

ベストセラー(2017)

①九十歳。何がめでたい<佐藤愛子>
②蜜蜂と遠雷<恩田陸>
③儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇<ケント・ギルバート>
④騎士団長殺し(第1部 顕れるイデア編・第2部 遷ろうメタファー編)<村上春樹>
⑤応仁の乱<呉座勇一>

○出版業界は13年連続の前年割れ。販売額は前年比6.9%減の1兆3,701億円。書籍は3.0%減の7,152億円で11年連続のマイナス。雑誌は10.8%減の6,548億円で20年連続のマイナス。書籍(単行本総合)は年間でのミリオンセラーなし(売上部数ベース)。雑誌はすべてのジャンルが低調だった。

○電子出版市場は前年比16.0%増の2,215億円と好調を維持した。

話題のマンガ(2017)

○コミック誌は推定発行部数が前年比約8%超の減少、コミックスは推定販売金額が約13%減と、いずれも前年に続いて大きく落ち込んだ。

○コミック誌は月刊誌、週刊誌ともに低迷。月刊誌は『月刊少年マガジン』(講談社)、『ジャンプスクエア』(集英社)など主要誌が揃って低調。週刊誌も『週刊少年ジャンプ』(集英社)など大部数誌の部数減が目立った。

○コミックスは全体販売金額が減少したなかで『ONE PIECE』(集英社)と『進撃の巨人』(講談社)が圧倒的な部数を維持。このほか、定番の人気作品以外に、ヒーローを目指す高校生を主人公にした『僕のヒーローアカデミア』(集英社)や、中学生の将棋プロ棋士を描いた『3月のライオン』(白泉社)が藤井聡太四段の活躍による将棋ブームを追い風に部数を伸ばした。

○『ONE PIECE』(集英社)、『進撃の巨人』(講談社)、『東京喰種トーキョーグール』『ワンパンマン』『ハイキュー!!』『キングダム』『僕のヒーローアカデミア』『HUNTER×HUNTER』(各集英社)、『銀の匙 Silver Spoon』(小学館)、『3月のライオン』(白泉社)、『七つの大罪』(講談社)、『ダンジョン飯』(KADOKAWA)など。

ファッション(2017)

○くるぶし丈のアンクルパンツが春から秋にかけてメンズの流行アイテムに。ウエストがゴム仕様で気軽に履けるアンクルパンツがヒット商品となった。

○レディスの春・夏物ではレース付きタンクトップやキャミソールがブームとなり、肩からレース部分がチラリと見えるファッションが若い女性に広がった。

○消臭・抗菌を重視する傾向が強まるなかで、エチケットとして消臭アイテムを取り入れる男性も急増。消臭・抗菌加工を施したスーツやジャケットなどの売れ行きが好調だった。

○がま口財布のように上部の開口部が大きく開くリュックが大流行。ほ乳瓶やおもちゃなどがすぐに取り出せるなど使い勝手が良いことから、若い母親達の人気を獲得したのを皮切りに、男性にも広がった。

気象状況(2017)

○1月と2月は寒気の南下が弱く、全国的に暖冬となったが、一時的に強い寒気が流れ込み、西日本の日本海側を中心に一部の地域では大雪となった。

○春は全国的に高気圧に覆われ、晴れて気温が上昇した日が多かったため、平均気温は高めだった。しかし、西日本や沖縄・奄美では3月に大陸からの寒気の影響で気温が低い日もあった。

○梅雨の時期は、関東・甲信や西日本は梅雨前線の影響を受けにくく、降水量が少なかったが、北陸と東北では多かった。一時的な前線の活発化によって7月には九州北部や秋田県などで記録的な豪雨も発生した。

○夏の平均気温は全国的に高く、特に沖縄・奄美や西日本で高かった。しかし、8月はオホーツク海高気圧が出現した影響で、北日本や東日本では曇りや雨の日が多い不順な天候となった。

○秋は本州付近に秋雨前線が停滞したうえに、台風18号、21号、22号が相次いで接近もしくは上陸した影響により、全国的に多雨となった。特に10月は北日本から西日本にかけて降水量が多く、日照時間がかなり少なかった。

○12月は強い寒気が断続的に流れ込んだため、全国的に気温が低かった。発達した低気圧や強い冬型の気圧配置によって、北日本や東日本の日本海側を中心に大雪となる日もあった。

2016年(平成28年)

経済財政白書 副題(2016)

リスクを越えて好循環の確立へ

首相 安倍晋三

経済概況(2016)

平成28年の日本経済は、実質GDP成長率が前年比1.0%増と弱含みながらも持ち直しの傾向を示した。個人消費が低調、設備投資、輸出も伸び悩んだが、いずれも前年比プラスを確保。住宅投資が好調だった。国内新車販売は2年連続の減少。住宅着工は2年連続の増加、特に貸家が大きく伸びた。家電販売は白物を中心に堅調。インバウンド市場が増加率は鈍化したものの、過去最高を更新した。

経済成長率 名目 1.3% 実質 1.0%
民間最終消費支出 名目 0.0% 実質 0.4%
民間企業設備投資 名目 0.5% 実質 1.4%
輸出 名目 -7.4% 実質 1.2%
消費者物価    -0.3%  

日本の広告費(電通調査)(2016)

○総広告費は5年連続のプラス成長。緩やかな景気拡大に加え、リオデジャネイロ五輪やFIFAワールドカップアジア最終予選などが推進力となった。インターネットが大きく伸び、全体を牽引した。衛星メディアを除くマス4媒体では21業種中9業種が前年を上回った。

  億円 対前年比(%)
総広告費 62,880 (101.9)
新聞 5,431 (95.6)
雑誌 2,223 (91.0)
ラジオ 1,285 (102.5)
テレビメディア 19,657 (101.7)
 地上波テレビ 18,374 (101.6)
 衛星メディア関連 1,283 (103.9)
インターネット 13,100 (113.0)
PM 21,184 (98.9)

※PM=プロモーションメディア

政治・経済・業界(2016)

×サウジアラビアがイランとの国交断絶を発表(1.3)。

×台湾総統選挙で野党・民主進歩党の蔡英文主席が当選(1.16)。初の女性総統が誕生。

○日銀が初のマイナス金利政策の導入を発表(1.29)。2月16日から実施。

○東芝が中国の家電大手、美的集団に白物家電事業の売却を発表(3.17)。

×ベルギーのブリュッセルの地下鉄と空港で同時テロ(3.22)。死者34人。

○民主党と維新の党が合流し新党「民進党」が旗揚げ(3.27)。

○集団的自衛権行使を可能とする安全保障関連法が施行(3.29)。

○電力小売りが完全自由化(4.1)。

○経営再建中のシャープが台湾の鴻海精密工業の傘下に入る契約に調印(4.2)。

×フィリピン大統領選挙でロドリゴ・ドゥテルテ氏が当選(5.9)。

○主要国首脳会議(G7)「伊勢志摩サミット」開催(5.26~27)。

○安倍首相が消費税10%への引き上げを2019年10月に延期すると発表(6.1)。

×トルコのイスタンブールの空港で爆弾テロ(6.28)。死者44人。

×バングラデシュの首都ダッカでテロ。日本人7人を含む23人が死亡(7.1)。

○第24回参議院選挙で与党の自民・公明両党が勝利(7.10)。

×オランダの国際仲裁裁判所が中国の南シナ海の管轄権主張を否定(7.12)。

×イギリスのテリーザ・メイ新首相が就任(7.13)。

×フランスのニースでフランス革命祝祭の花火見物客にトラック突入のテロ(7.14)。85人が死亡。

○小池東京都知事が築地市場の豊洲への移転延期を表明(8.31)。

○民進党代表選挙で蓮舫参議院議員を選出(9.15)。

×国連総会が次期(第9代)事務総長に元ポルトガル首相のアントニオ・グテレス氏を任命(10.13)。

×タイのプミポン国王が逝去(10.13)。

×地球温暖化対策の新しい国際ルール「パリ協定」が発効(11.4)。

○ロシアのプーチン大統領が訪日。山口県長門市で首脳会談(12.15)。

○住宅着工は前年比6.4%増と2年連続の増加。新車販売は同1.5%減と2年連続の減少。登録車が同3.0%増、軽自動車が9.0%減。百貨店は同2.9%減と2年連続のマイナス。スーパーは同0.4%減と2年ぶりのマイナス。コンビニは同0.5%増と2年連続のプラス。失業率は年間平均3.1%で6年連続の改善。12月の失業者数は前年比11万人減少の193万人。

○携帯電話の加入契約数は12月末で前年比4.1%増の1億6,071万件。

○為替相場は秋まで円高傾向が続いたが、アメリカ大統領選後に下落。最終日は1ドル117円台(12.30)と前年末比で約3円の円安。株価は最終日が1万9,114円と前年末比80円(0.42%)上昇。

○訪日外国人数は前年比21.8%増の2,403万9,000人、外国人消費額は同7.8%増の3兆7,476億円と、いずれも過去最高を更新した。

マスコミ・広告・媒体(2016)

×国際サッカー連盟(FIFA)が新会長に欧州サッカー連盟(UEFA)事務局長のジャンニ・インファンティノ氏を選出(2.26)。

×クラブチームのラグビー国際リーグ戦「スーパーラグビー」が開幕(2.26)。

○サイバーエージェントとテレビ朝日の共同出資によるインターネットテレビ局「AbemaTV」が開局(4.11)。

○囲碁の井山裕太6冠が十段戦に勝利し史上初の7冠達成(4.20)。

○2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレムが野老朝雄氏の作品「組市松紋」に決定(4.25)。

×プロボクシングのモハメド・アリ元ヘビー級チャンピオン死去(6.3)。

○日本で「ポケモンGO」配信開始(7.22)。全世界でのダウンロード数は5億件を突破。

○2020年東京五輪の追加種目に野球・ソフトなど5競技18種目が決定(8.3)。

×第31回夏季五輪リオデジャネイロ大会(8.5~21)。

○ジャニーズ事務所が「SMAP」の年内いっぱいでの解散を発表(8.14)。

×第15回夏季パラリンピック・リオデジャネイロ大会(9.7~18)。

○男子プロバスケットボール「Bリーグ」が開幕(9.22)。

○ビデオ・リサーチが関東地区で新たにタイムシフト視聴率(録画視聴率)と総合視聴率(リアルタイムにタイムシフトを加味した視聴率)の調査を開始(10.3)。

媒体の発足(2016)

○雑誌-女性誌-「小悪魔ageha(アゲハ)」主婦の友社9.1、「アンドロージー(&ROSY)」宝島社9.21など。男性ライフスタイル誌「HailMary Magazine」ヘイルメリーカンパニー4.30など。情報誌-「JTB小さな時刻表」JTBパブリッシング3.19など。ゲーム誌-「アプリスタイルQun(キュン)」アプリスタイル8.10など。コミック誌-「本当にあったかなりひどい話」マイウェイ出版9.17など。バイク専門誌-「道楽」源2.16、「Out Rider」バイクブロス7.11など。料理誌-「buono(ブオーノ)」エイ出版社12.6など。文芸誌-「小説幻冬」幻冬舎10.27など。総合誌-「月刊Hanada」飛鳥新社4.26など。

○主な休廃刊は「FYFTTE(フィッテ)」学研プラス、「TVぴあ」ぴあ、「クーリエ・ジャポン」講談社、「GOLD」世界文化社、「オリ★スタ」オリコン、「週刊将棋」マイナビ出版、「ケイコとマナブ」リクルートライフスタイル、「SEDA」日之出出版、「Gainer」光文社、「AneCan」小学館、「文学」岩波書店、「小学二年生」小学館など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数101局

○コミュニティ放送局数303局(5局増)

○創復刊誌数73誌、休廃刊誌数125誌

国内10大ニュース(2016)

○熊本地方を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生(4.14)。その後、マグニチュード7.3の本震が起き(4.16)、いずれも最大震度7を観測。余震を含む一連の地震で死者50人。関連死や二次災害死を含め計165人が死亡

○舛添要一前知事の辞任に伴う東京都知事選で小池百合子元防衛相が当選(7.31)。初の女性都知事誕生

○リオデジャネイロ夏季五輪で日本が史上最多のメダル41個を獲得(8.5~21)

○天皇陛下が生前退位のご意向を国民向けビデオメッセージで示唆(8.8)

○アメリカのオバマ大統領が現職大統領として初めて広島を訪問(5.27)

○ノーベル生理学・医学賞に大隅良典東京工業大学栄誉教授の受賞決定(10.3)

○北海道新幹線(新青森-新函館北斗間)が開業(3.26)

○神奈川県相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で元職員が入所者19人を刺殺(7.26)

○選挙権年齢を18歳以上に引き下げる改正公職選挙法施行(6.19)。参政権の拡大は71年ぶり

○安倍首相がハワイ・オアフ島の真珠湾のアリゾナ記念館を訪問(12.27)。現職首相がアメリカ大統領とともに真珠湾を訪ずれるのは初めて

海外10大ニュース(2016)

×アメリカ大統領選で共和党候補のドナルド・トランプ氏が当選(11.8)

×欧州連合(EU)離脱の是非を問うイギリス国民投票で離脱派が勝利(6.23)

×友人の国政介入疑惑をめぐる韓国の朴槿恵大統領に対する弾劾訴追案が可決(12.9)。大統領権限は即日停止に

×ノーベル文学賞にアメリカのシンガー・ソングライター、ボブ・ディラン氏の受賞決定(10.13)

×国際調査報道ジャーナリスト連合が租税回避地の不透明な取引に関する内部文書「パナマ文書」の分析結果を公表(5.9)

×アメリカのオバマ大統領がキューバの首都ハバナを訪問(3.20)。現職大統領の同国訪問は88年ぶり

×北朝鮮が初の「水爆実験」を発表(1.6)。水爆実験かどうかは懐疑的

×世界反ドーピング機関(WADA)がロシアの国主導によるドーピング不正を認定(7.18)

×ミャンマーでアウン・サウン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)の新政権が発足(3.30)

×キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長が死去(11.25)

生活(2016)

○マイナンバー制度がスタート(1.1)。

○長野県軽井沢町の国道18号でスキー客を乗せた大型観光バスが転落事故。15人死亡(1.15)。

×中南米で「ジカ熱」の感染拡大。WHOが緊急事態宣言(2.2)。

×アメリカの研究チームが重力波の初観測を発表(2.11)。

×エクアドルでマグニチュード7.8の大地震(4.16)。死者660人超。

○改正民法が成立(6.1)。女性の再婚禁止期間を離婚後6ヵ月から100日に短縮、離婚時に妊娠していない場合は100日以内でも再婚可能に。

○イチロー選手が日米通算最多の4257安打を達成(6.16)。

○東京・上野の国立西洋美術館の世界文化遺産登録が決定(7.17)。

○「山の日(8月11日)」が国民の新しい祝日に(8.11)。

×イタリア中部でマグニチュード6.2の地震(8.24)。死者約300人。

○台風10号による豪雨で岩手県と北海道で大規模被害(8.30~31)。死者22人。

○リオデジャネイロ五輪の女子レスリング58キロ級で4連覇達成の伊調馨選手が国民栄誉賞を受賞(10.20)。

○18府県の33におよぶ伝統行事「山・鉾(ほこ)・屋台行事」の世界無形文化遺産登録が決定(11.30)。

○理化学研究所のグループが発見した「113番元素」の元素名が「ニホニウム」に正式決定(11.30)。同研究所が命名、元素の命名はアジアで初めて。

○年金支給額を抑制する新ルールを盛り込んだ年金制度改革法が成立(12.14)。

○統合型リゾート(IR)の整備を政府に促すカジノ解禁法が成立(12.15)。

新東名高速道路「浜松いなさ-豊田東」(2.13)、大名古屋ビルヂング(3.9)、NEWoMan(3.25)、北海道新幹線(3.26)、東急プラザ銀座(3.31)、バスタ新宿(4.4)、京都鉄道博物館(4.29)、東京ガーデンテラス紀尾井町(7.27)

時の商品・新製品(2016)

○健康維持-乳酸菌入りチョコレート、グリーンスムージー、機能性ヨーグルト、麺なしラーメン、「骨盤おしりリフレ」。

○味覚追求-「ザ・チャーハン」、「カップヌードルリッチ」、「生茶」、「アサヒもぎたて」。

○次世代-加熱式たばこ、自動運転車、VRゴーグル、ロボット電話、AI(人工知能)、フィンテック。

○高機能-「レノア本格消臭」、「トップスーパーナノックス」、蚊取り機能搭載空気清浄機、大風量ドライヤー、超短焦点プロジェクター。

○ゆるファッション-ジョガーパンツ、スカンツ、ノンワイヤブラ。

○ご当地-「47都道府県の一番搾り」、ふるさと納税。

○ニューレトロ-「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」、「写ルンです」、「豚丼」、「おそ松さん」。

○注目を集めた商品-「ポケモンGO」、「インスタグラム」、「プリウス」、「NOTE e-POWER」、「ベイブレードバースト」、「メルカリ」、「AbemaTV」、「SNOW」、「ペヨングソースやきそば」、「EXPOCITY」、北海道新幹線、「バスタ新宿」、「京都鉄道博物館」、グランピング、「君の名は。」、「シンゴジラ」、ピコ太郎、ハロウィーン。

話題の広告(2016)

・<au 三太郎シリーズ 春のトビラ・みんながみんな英雄編他>=KDDI

・<SoftBank 白戸家シリーズ 白戸家 ギガ物語1(アヤ子犬拾う)編他>=ソフトバンク

・<NTT DOCOMO 得ダネを追え!斉藤さんゲーム編他>=NTTドコモ

・<ワイモバイル スカート1/3編他>=ソフトバンク

・<Amazonプライム ライオン編他>=アマゾンジャパン

・<ジョージア 公園施設点検員編他>=日本コカ・コーラ

・<タウンワーク ビデオレター編他>=リクルートジョブズ

・<キリン一番搾り生ビール しあわせ一番町 47都道府県の一番搾り編他>=キリンビール

・<カップヌードル OBAKA's大学テラ幸子編他>=日清食品

・<ボス 宇宙人ジョーンズシリーズ おまわりさん編他>=サントリー食品インターナショナル

・<iPhone6s Timer編>=アップルジャパン

・<NISSAN 自動ブレーキ搭載(キャラバン)編>=日産自動車

・<ポッキーチョコレート シェアハピ・デビュー編>=江崎グリコ

・<虫コナーズ はずしてみたら編>=大日本除虫菊

・<トップスーパーナノックス 登場編>=ライオン

・<ネオレスト リトルベンの作文編他>=TOTO

・<D-room 帰ったら、金爆編他>=大和ハウス工業

・<ワンアップ 海外、向こうで1UP 本人の証言編他>=住友生命保険

・<1,000万ダウンロード突破記念 ピコ太郎編>=AbemaTV

話題のテレビ番組(2016)

○2016年の年間視聴率は、日本テレビが全日帯、ゴールデン帯、プライム帯で、いずれも首位。3年連続で視聴率3冠を達成した。

○ドラマ視聴率は、NHK朝ドラが快進撃。16年4月2日終了の「あさが来た」の放送期間平均視聴率は23.5%と好調、続く「とと姉ちゃん」が22.8%、10月3日スタートの「べっぴんさん」も20%を超える高水準で推移した。大河ドラマ「真田丸」も平均16.6%と健闘。民放では、第4弾となる人気シリーズ「ドクターX~外科医・大門未知子」(テレビ朝日)が高視聴率を獲得。この他、「99.9-刑事専門弁護士-」(TBS)、「相棒season14・15」(テレビ朝日)、「世界一難しい恋」(日本テレビ)などが人気を呼んだ。

○スポーツでは、定番の箱根駅伝(日本テレビ1.2~3)の平均視聴率が往路で28.0%、復路で27.8%と快調。リオデジャネイロ夏季五輪の中継番組も人気を呼んだ。視聴率が最も高かったのは男子マラソン(NHK総合8.21)で23.7%を獲得。サッカーでは、FIFAW杯ロシア大会に向けたアジア最終予選の日本戦が注目を集めた。また、FIFAクラブW杯決勝の鹿島アントラーズ対レアルマドリード戦(日本テレビ12.18)が26.8%と健闘した。プロ野球日本シリーズの広島対日本ハム第6戦(日本テレビ10.29)も25.1%の高視聴率を獲得した。

○バラエティは、「世界の果てまでイッテQ!」「ザ!鉄腕!DASH!!」「行列のできる法律相談所」「踊る!さんま御殿!!」と日本テレビ系が上位を独占。「ブラタモリ」(NHK総合)、「ぴったんこカン・カン」「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(各TBS)なども好調だった。

○その他、SMAPが解散騒動を謝罪した1月18日放送の「SMAP×SMAP」(フジテレビ)が31.2%と紅白歌合戦を除く全番組中、最高視聴率を獲得。長寿番組「笑点」(日本テレビ)は桂歌丸の降板などで話題を呼び、5月29日放送分が28.1%と現行の放送枠となった96年4月以降の最高視聴率を更新した。「24時間テレビ39愛は地球を救うPART10」(日本テレビ8.28)も25.8%と堅調。

NHK(2016)

《あさが来た》23.5%《とと姉ちゃん》22.8%《べっぴんさん》
〈真田丸〉16.6%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が35.1%、第二部が40.2%。第一部は前年を0.3ポイント、第二部は1.0ポイント上回った。前年に過去最低を記録した第二部は再び40%台を回復した。

○大河ドラマ「真田丸」の期間平均視聴率は前年の「花燃ゆ」を4.6ポイント上回った。期間平均16%超えは2011年の「江~姫たちの戦国~」の17.7%以来、5年ぶり。

○NHK経営委員会は2017年1月24日に任期満了を迎える籾井勝人会長の後任に、NHK経営委員で元三菱商事副社長の上田良一氏を選出した(12.6)。任期は1月25日から3年間。経済界からの会長起用は4代連続で、経営委員からの転身は異例。

流行語(2016)

神ってる、聖地巡礼、トランプ現象、ゲス不倫、マイナス金利、盛り土、保育園落ちた日本死ね、ポケモンGO、(僕の)アモーレ、PPAP、復興城主、都民ファースト、君の名は。、びっくりぽん、SMAP解散、歩きスマホ、EU離脱、民泊

流行歌(2016)

レコード大賞:西野カナ<あなたの好きなところ>

最優秀新人賞:iKON(アイコン)<DUMB&DUMBER>

①翼はいらない<AKB48>
②君はメロディー<AKB48>
③LOVE TRIP/しあわせを分けなさい<AKB48>
④ハイテンション<AKB48>
⑤サヨナラの意味<乃木坂46>
⑥裸足でSummer<乃木坂46>
⑦I seek/Daylight<嵐>
⑧ハルジオンが咲く頃<乃木坂46>
⑨復活LOVE<嵐>
⑩Power of the Paradise<嵐>

○総売上金額は前年比2.4%減の2,089億円。シングルが1.6%減の595億円、アルバムが2.7%減の1,494億円。

○ミリオンセラーはシングルが上位4作品、アルバムはゼロ。

話題の映画(2016)

洋画
①スター・ウォーズ/フォースの覚醒
②ズートピア
③ファインディング・ドリー
④ペット
⑤オデッセイ

邦画
①君の名は。
②シン・ゴジラ
③名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)
④映画妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!
⑤ONE PIECE FILM GOLD

○年間入場者は前年比8.1%増の1億8,019万人で5年連続の増加、42年ぶりに1億8,000万人を超えた。映画館(スクリーン)数は2015年より35スクリーン増えて3,472スクリーンとなった。

○興行収入は前年比8.5%増の2,355億円で3年連続の増加。邦画アニメ作品「君の名は。」が235億円を突破した。

ベストセラー(2016)

①天才<石原慎太郎>
②おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本<カール・ヨハン・フォルセン・エーリン>
③ハリー・ポッターと呪いの子 第一部、第二部 特別リハーサル版<J.K.ローリングほか>
④君の膵臓をたべたい<住野よる>
⑤嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え<岸見一郎・古賀史健>

○出版業界は12年連続の前年割れ。販売額は前年比3.4%減の1兆4,709億円。書籍は0.7%減の7,370億円で10年連続のマイナス。雑誌は5.9%減の7,339億円で19年連続のマイナス。書籍の販売金額が雑誌を上回るのは1975年以来。

○書籍は年間でのミリオンセラーなし。雑誌はいずれのジャンルも低調だった。

○電子出版市場は前年比27.1%増の1,909億円と好調だった。

話題のマンガ(2016)

○コミック誌は推定発行部数が前年比約12%減、コミックスは推定販売金額が約8%減といずれも大きく落ち込んだ。

○コミック誌は月刊誌、週刊誌ともに不振。月刊誌は『コロコロコミック』(小学館)など主要誌が揃って低調。週刊誌は『週刊少年ジャンプ』(集英社)が人気作品の『暗殺教室』、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の連載終了などが響いて苦戦、『週刊少年マガジン』(講談社)も低迷した。

○コミックスは全体販売金額が減少したなかで『ONE PIECE』(集英社)と『進撃の巨人』(講談社)が圧倒的な強さを見せたほか、少年向けでは『ハイキュー!!』(集英社)などが手堅く伸び、青年向けでは『キングダム』(集英社)、『ダンジョン飯』(KADOKAWA)が好調、女性向けでは『orange』(双葉社)、『ちはやふる』(講談社)などが堅調だった。

○『ONE PIECE』(集英社)、『進撃の巨人』(講談社)、『HUNTER×HUNTER』『暗殺教室』『東京喰種トーキョーグール』『ハイキュー!!』『ワンパンマン』(各集英社)、『よつばと!』(KADOKAWA)、『七つの大罪』(講談社)、『君に届け』『キングダム』(各集英社)。

ファッション(2016)

○気軽に履けて軽やかに動ける、裾にリブの付いた運動着のようなジョガーパンツが男女を問わず流行した。

○ガウチョパンツの進化型で、ロングスカートのように見える裾のゆったりしたボトムス、スカンツが女性層の間でブームとなった。

○締め付けがなく、付け心地が楽な“ゆるブラ”と言われるワイヤーなしブラジャーが大人気となり、ヒット商品も相次いだ。

○スーツに合い、荷物の出し入れが簡単なリュックや大人向けのランドセルがビジネスマンの支持を集め、リュックやランドセル姿の男性が街中に目立った。

○ストレッチ素材を使い、身体の負担を軽くしたストレス対策スーツが登場。若い男性を中心に人気を呼んだ。

気象状況(2016)

○1月と2月は冬型の気圧配置が長続きせず、気温の変動が大きかったが、全国的に暖冬となった。降雪は西日本日本海側で多く、北日本や東日本では少なかった。1月中旬から下旬にかけ、強い寒気が流れ込み全国各地で大雪となった。

○春は本州付近を中心に晴れの日が多く、全国的に平均気温が高かった。降水量は西日本太平洋側や沖縄・奄美で多かった。

○梅雨入りは関東甲信から九州で平年より早く、沖縄・奄美で遅かった。梅雨明けは沖縄・奄美で早く、東北南部、関東甲信、東海で遅かった。梅雨の降水量は四国や九州南部で多く、東北南部や関東甲信では少なかった。

○夏の平均気温は全国的に高く、沖縄・奄美では猛暑となった。北日本では、8月に台風が相次いで接近・上陸したことなどで降水量が多く、特に北日本太平洋側の夏(6~8月)の降水量は統計開始以来、最多となった。

○秋は低気圧や前線などの影響で西日本を中心に全国的に日照時間が少なかった。しかし、西日本や沖縄・奄美の平均気温は統計開始以来、最も高い記録となった。11月24日には、関東甲信地方に強い寒気が流れ込み、広い範囲で季節はずれの雪となり、11月として最も多い積雪記録を更新した地域もみられた。

○12月は東日本以南で気温が高く、沖縄・奄美では記録的な高温となった。降雪量は北海道で平年並み、東北地方以南では少なかった。

2015年(平成27年)

経済財政白書 副題(2015)

四半世紀ぶりの成果と再生する日本経済

首相 安倍晋三

経済概況(2015)

平成27年の日本経済は、実質GDP成長率が前年比0.5%増とわずかな伸びにとどまった。個人消費が低迷、輸出も中国をはじめ新興国経済の減速によって弱含みで推移、設備投資も力強さに欠けた。国内新車販売は4年ぶりに減少、住宅着工は2年ぶりに前年を上回った。家電販売は白物とAV機器のいずれも前年割れとなったが、4Kテレビは好調だった。インバウンド市場が大きく伸長した。

経済成長率 名目 2.5% 実質 0.5%
民間最終消費支出 名目 -1.1% 実質 -1.3%
民間企業設備投資 名目 2.4% 実質 1.3%
輸出 名目 3.3% 実質 2.7%
消費者物価    0.5%  

日本の広告費(電通調査)(2015)

○総広告費は4年連続のプラス成長となった。しかし、前年のソチ冬季五輪やFIFAワールドカップの反動減などが影響し微増にとどまった。テレビメディアなどマス4媒体は減少したが、インターネットが好調だった。21業種中6業種が前年を上回った。

  億円 対前年比(%)
総広告費 61,710 (100.3)
新聞 5,679 (93.8)
雑誌 2,443 (97.7)
ラジオ 1,254 (98.6)
テレビメディア 19,323 (98.8)
 地上波テレビ 18,088 (98.6)
 衛星メディア関連 1,235 (101.5)
インターネット 11,594 (110.2)
PM 21,417 (99.1)

※PM=プロモーションメディア

政治・経済・業界(2015)

○国内航空3位のスカイマークが東京地裁に民事再生法適用を申請(1.28)。

×チュニジアの国立博物館でテロ。日本人を含む観光客ら22人死亡(3.18)。

○橋下徹大阪市長が提唱する大阪都構想が住民投票で廃案に(5.17)。橋下市長は任期満了(12.18)をもって政界引退を表明。

○選挙権年齢を18歳に引き下げる改正公職選挙法が成立(6.17)。

○東京五輪・パラリンピック担当大臣に遠藤利明衆議院議員が就任(6.25)。

×イランと米英独仏中ロ6ヵ国がイランの核開発大幅縮小とイラン制裁緩和で合意(7.14)。

○九州電力の川内原発1号機(鹿児島県)が再稼働(8.11)。

×中国人民銀行が通貨・人民元の基準値を切り下げ(8.11)。中国経済の減速懸念から世界で株安連鎖が進行。

○安倍内閣が戦後70年の「安倍談話」を閣議決定(8.14)。

×ユーロ圏財務相会合でギリシャへの金融支援合意(8.14)。

×タイ・バンコク中心部で爆破テロ(8.17)。20人死亡、約130人負傷。

×ロシア軍がアサド政権支援のためシリアで空爆開始(9.30)。

○スポーツ庁が発足。初代長官に鈴木大地氏が就任(10.1)。

×日米など12ヵ国が環太平洋経済連携協定(TPP)で大筋合意(10.5)。

○第3次安倍改造内閣が発足(10.7)。

×トルコの首都アンカラで自爆テロ(10.10)。約100人死亡。

×中国が「一人っ子」政策の廃止を決定(10.29)。

×ロシア旅客機がエジプトのシナイ半島に墜落。乗客乗員224人死亡(10.31)。ロシア政府は「イスラム国」(IS)による爆弾テロと断定。

○日本郵政グループ3社が東証1部に上場(11.4)。3社の時価総額は約16兆円。

○国産初のジェット旅客機「ミツビシ・リージョナル・ジェット」(MRJ)が試験飛行に成功(11.11)。

×国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」を採択(12.12)。

○日韓外相会談において慰安婦問題の妥結で合意(12.28)。

×中国が主導する「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」が発足(12.25)。創設メンバーは57ヵ国。日米は不参加。

○住宅着工は前年比1.9%増と2年ぶりに増加。新車販売は同9.3%減と4年ぶりに減少。登録車が同4.2%減、軽自動車が16.6%減。百貨店は同0.2%減と4年ぶりのマイナス。スーパーは同0.7%増と19年ぶりに増加。コンビニは同0.9%増と4年ぶりのプラス。失業率は年間平均3.4%で5年連続の改善。12月の失業者数は前年比6万人減少の204万人。

○携帯電話の加入契約数は12月末で前年比6.5%増の1億5,442万件。

○為替相場は円安が継続。最終日は1ドル120円台(12.30)と前年末比で1円超円安。株価は最終日が1万9,033円台(12.30)と前年末から9.0%上昇。

○訪日外国人数が前年比47.1%増の1,973万7,400人、外国人消費額が同71.0%増の3兆4,771億円と、いずれも過去最高を更新した。

マスコミ・広告・媒体(2015)

×サッカーAFCアジアカップ・オーストラリア大会(1.9~31)。日本代表は準々決勝で敗退(1.23)。

○サッカー日本代表のアギーレ監督がスペインでの八百長疑惑で解任(2.3)。新監督にはハリルホジッチ氏が就任(3.13)。

○2019年ラグビーW杯日本大会の開催地決定。全国12都市を選出(3.2)。

○インターネット広告推進協議会がネイティブ広告に関するガイドラインの策定を発表(3.18)。ユーザーに不利益や不信感を与えないことが狙い。

×ミラノ国際博覧会(5.1~10.31)。総来場者数2,150万人。日本館が人気に。

○FIFA女子W杯・カナダ大会で日本代表なでしこジャパンが準優勝(7.5)。

○日本経済新聞社がイギリスのフィナンシャル・タイムズ買収を発表(7.23)。

×2022年冬季五輪・パラリンピックの開催都市が北京に決定(7.31)。

○第44回東京モーターショー(10.29~11.8)。

×国際陸上競技連盟(IAAF)が組織的なドーミング問題でロシア陸連を資格停止処分(11.13)。

×国際サッカー連盟(FIFA)の倫理委員会がブラッター会長とプラティニ副会長を8年間の資格停止処分(12.16)。違法な支払いを認定。

○2020年東京五輪の主会場となる新国立競技場の設計・施工案が決定(12.22)。

媒体の発足(2015)

○雑誌-女性誌-「CLUÉL(クルーエル)」ザ・ブックスパブリッシング3.20、「姉ageha(お姉さんアゲハ)」主婦の友社4.7、「おとなスタイル」講談社8.25、「mamagirl」エムオン・エンタテインメント8.28、「L’OFFICIEL JAPAN(ロフィシャル ジャパン)セブン&アイ出版10.1、など。情報誌-「OZmagazine Petit」スターツ出版3.12、「クックパッドmagazine!」宝島社7.2など。ゲーム誌-「デンゲキBAZOOKA!!」KADOKAWA10.21など。コミック誌-「コミックキューン」KADOKAWA8.27、「電撃G’sコミック」KADOKAWA8.29、「少年マガジンエッジ」講談社9.17など。ビジネス誌-「PRESIDENT WOMAN」プレジデント社9.7など。オピニオン誌-「ザ・フナイ」メディアパル11.2など。

○主な休廃刊は「HUgE」講談社、「別冊文藝春秋」文藝春秋、「CHOKiCHOKi(チョキチョキ)」内外出版社、「週刊アスキー」KADOKAWA、「R25」リクルート、「CUTiE」、「宝島」各宝島社、「Gina」ぶんか社、「歴史読本」KADOKAWA、「SAKURA」小学館など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数100局

○コミュニティ放送局数253局

○創復刊誌数70誌、休廃刊誌数117誌

国内10大ニュース(2015)

○ノーベル医学生理学賞に北里大学の大村智特別栄誉教授の受賞決定(10.5)、ノーベル物理学賞に東京大学の梶田隆章教授の受賞決定(10.6)

○ラグビーW杯イングランド大会で日本代表が強豪の南アフリカを破る歴史的勝利(9.19)。決勝トーナメントは逃すが、1次リーグで3勝1杯の大活躍

○「イスラム国」(IS)が日本人2人を殺害。湯川遙菜さん殺害画像を公開(1.24)、ジャーナリストの後藤健二さんを殺害したとする映像を公開(2.1)

○マイナンバー制度関連法施行(10.5)。「通知カード」の配達開始(10.23)

○北関東や東北が記録的な豪雨に見舞われ、茨城県常総市で鬼怒川の堤防が決壊(9.10)。各地で計8人死亡、1万9千戸に被害

○集団的自衛権の限定的な行使などを認める安全保障関連法が参議院本会議で成立(9.19)。国会議事堂周辺では連日、反対デモが行われる

○北陸新幹線の長野-金沢間が開業(3.14)。東京-金沢間が最速2時間28分に短縮。半年間で約482万人が利用

○横浜市都築区の大型マンションで杭工事を請け負った旭化成建材による杭データ偽装が判明(10.14)。杭データ偽装は他社にも拡大

○2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会が大会エンブレムの使用中止を発表(9.1)。作り直しのため再公募に

海外10大ニュース(2015)

×フランス・パリで同時多発テロ(11.13)。死者130人、負傷者約400人。オランド大統領は「イスラム国」(IS)の犯行と断定、非常事態を宣言

×ネパール中部でM7.8の大地震(4.25)。余震も相次ぎ約9千人死亡

×アメリカとキューバが国交回復、54年ぶりに両国の大使館が再開(7.20)

×欧州でシリアなどからの難民が急増。12月初旬までに約95万人が流入

×ミャンマーで総選挙(11.8)。アウン・サン・スーチー氏が率いる野党・国民民主連盟(NLD)が勝利。上下両院の過半数の議席を獲得

×ドイツ・フォルクスワーゲンのディーゼル車で排ガス規制逃れが発覚(9.18)。同社はディーゼル車の不正対象が世界で1,100万台に上ると発表(9.22)

×イギリスのウィリアム王子の妻キャサリン妃が第2子シャーロット王女を出産(5.2)。正式な名前は「シャーロット・エリザベス・ダイアナ」

×アメリカ司法省が国際サッカー連盟(FIFA)の副会長ら計14人を収賄容疑で起訴したと発表(5.27)。その後、FIFAの汚職疑惑が拡大

×フランスの週刊新聞「シャルリー・エブド」で銃撃テロ(1.7)。イスラム過激派の容疑者2人と記者ら12人が死亡

×財政危機のギリシャで総選挙(1.25)。緊縮財政に反対する急進左派連合のチプラス党首が首相に就任(1.26)。一時期ユーロ危機が深刻化

生活(2015)

×ドイツのLCC旅客機がフランス南東部に墜落。日本人2人を含む乗員乗客150人死亡(3.24)。副操縦士が故意に機体を降下させた疑い。

○東京都渋谷区で全国初の同性パートナー条例成立(3.31)。同性カップルを結婚に準じる関係と認める証明書を11月に発行。

○厚生労働省が年金の「マクロ経済スライド」を初めて実施(4.1)。

○企業の責任で効能を表示できる機能性表示食品制度がスタート(4.1)。

○日本年金機構が計101万人の年金情報の流出を公表(6.1)。

○箱根山の大湧谷周辺で小規模噴火(6.30)。9月まで入山規制。

×韓国で中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大(6月)。

○「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録が決定(7.5)。

×サウジアラビアのイスラム教聖地メッカで圧死事故(9.24)。死者2,000人超。

○改正労働者派遣法施行(9.30)。同じ部署で働ける期間を3年に制限。

○第二次大戦後のシベリア抑留資料「舞鶴への生還」と京都・東寺に伝わる国宝「東寺百合文書」が世界記憶遺産に登録(10.10)。

○プロ野球・巨人の3投手が賭博で無期失格処分(11.10)。

○2017年4月の消費増税時の軽減税率の対象を酒類と外食を除く食品全般とする与党税制大綱決定(12.16)。

○最高裁大法廷が「夫婦別姓を認めない」とする民法規定を合憲、「女性は離婚後6ヵ月間、離婚できない」とする規定については100日を超える部分を違憲と判断(12.16)。

北陸新幹線(3.14)、上野東京ライン(3.14)、姫路城の平成の大修理完了(3.26)、成田空港第3旅客ターミナル(4.8)、新宿東宝ビル(4.17)、仙台うみの杜水族館(7.1)、エキスポシティ(11.19)

時の商品・新製品(2015)

○健康維持-機能性表示食品、抗プリン体機能性ヨーグルト、スーパーフード。

○こだわり-クラフトビール、蒸気でパンを食感良く焼き上げるトースター、ブルーボトルコーヒー。

○次世代-4K・8Kテレビ、「MIRAI」、「アップル ウォッチ」、自動運転車、ドローン。

○ロボット文化-「ペッパー」、「ロビジュニア」、「ベイマックス」。

○高機能追求-芯が折れないシャープペンシル、超望遠コンパクトデジタルカメラ、自在に剃れるカミソリ、0.01mmコンドーム。

○ゆったりファッション-ガウチョパンツ、コーディガン、「ワンダーメイク」。

○注目を集めた商品-コンビニドーナツ、塩パン、ヨーグルト味の天燃水、12の“神薬”、「インスタグラム」、「iPhone6s」「同Plus」、4代目「ロードスター」、4代目「プリウス」、スキレット、「スプラトゥーン」、「火花」、「まいにち、修造!」、プレミアム商品券、北陸新幹線、民泊、成田空港LCC専用ターミナル、ハロウィーン。

○新発想商品-握らないおにぎり、皮だけ焼いたメロンパン、ハンディ洗濯機、軽量紙パック掃除機、消せるスタンプ、シトラスハイボール、爪の内側まで浸透して補修するネイルケア液、四方に開くスーツケース、スティックPC。

話題の広告(2015)

・<au 三太郎シリーズ・あたらしい英雄編他>=KDDI

・<SoftBank 白戸家シリーズ・お父さん回想する編他>=ソフトバンク

・<RIZAP つぎつぎと!イキイキと!編他>=RIZAP

・<WAKE WAKE兄弟 ゴルフ編他>=ダイハツ工業

・<TOYOTOWN のび太とジャイ子の娘編他>=トヨタ自動車

・<家庭教師のトライ 聞かない人々100日前編他>=トライグループ

・<ジョージア 「世界は誰かの仕事でできている。」大工編他>=日本コカ・コーラ

・<カップヌードル SAMURAI-K編他>=日清食品

・<NTT DOCOMO 料金「得ダネを追え!家族まとめて割2」編他>=NTTドコモ

・<ボス 宇宙人ジョーンズシリーズ「プレミアム京都編他>=サントリー食品インターナショナル

・<iPhone6s 唯一変わったのは、そのすべて。編>=アップルジャパン

・<AQUOS 4K 美は、細部に宿る。編>=シャープ

・<ダイソン ボール フラフィ フラフィで同時に吸い取る編>=ダイソン

・<チキンラーメン ひよこちゃん編>=日清食品(インスタグラム広告)

話題のテレビ番組(2015)

○2015年の年間視聴率は、日本テレビが全日帯、ゴールデン帯、プライム帯で、いずれもトップに立ち、2年連続で視聴率3冠を達成。

○ドラマ視聴率は、NHK朝ドラが好調。15年3月28日終了の「マッサン」の放送期間平均の視聴率は21.1%、「まれ」(3月30日~9月26日)が19.4%と健闘。さらに、9月28日スタートの「あさが来た」は12月4日放送分の視聴率が平均27.2%とNHKと民放ドラマの年間最高視聴率を獲得した。この他、「下町ロケット」、「天皇の料理番」(各TBS)、「アイムホーム」(テレビ朝日)、「花咲舞が黙ってない(第2シリーズ)」(日本テレビ)、「DOCTORS3 最強の名医」(テレビ朝日)、「○○妻」(日本テレビ)、「相棒season14」(テレビ朝日)などが人気を呼んだ。

○スポーツでは、定番の箱根駅伝(日本テレビ1.2~3)が往路、復路ともに平均で28%台の高視聴率を獲得。世界野球プレミア12・日本対韓国戦(TBS11.19)も注目を集めた。また、浅田真央選手の復帰戦となった2015NHK杯フィギュア(NHK総合11.28)やフィギュアスケートグランプリシリーズ世界一決定戦2015第3戦中国大会(テレビ朝日11.7)、羽生結弦選手が大活躍したフィギュアスケートグランプリファイナル世界一決定戦(テレビ朝日12.11・13)などフィギュアスケート関連が健闘した。

○バラエティは、「世界の果てまでイッテQ!」「ザ!鉄腕!DASH!!」「行列のできる法律相談所」(各日本テレビ)、「ぴったんこカン・カン」(TBS)、「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」「天才!志村どうぶつ園」「ザ!世界仰天ニュース」「世界一受けたい授業」(各日本テレビ)などが高視聴率を獲得、前年に続いて日本テレビ系の番組が好調だった。

○その他、「24時間テレビ38愛は地球を救うPART10」(日本テレビ8.23)の平均視聴率が26.7%を記録。5月に放送開始50年目に突入した「笑点」(日本テレビ)が安定した高水準の視聴率を維持した。

NHK(2015)

《マッサン》21.1%《まれ》19.4%《あさが来た》
〈花燃ゆ〉12.0%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が34.8%、第二部が39.2%。第一部は前年を0.3ポイント、第二部は3.0ポイント下回った。第二部の視聴率は2部制となった1989年以降で最低となった。

○大河ドラマ「花燃ゆ」の期間平均視聴率は前年の「軍師官兵衛」を3.8ポイント下回った。2012年の「平清盛」と並び、過去最低。

○2014年5月14日に放送された「クローズアップ現代」における「出家詐欺」報道に対し、15年3月18日発売の週刊文春が「やらせがあった」とする記事を掲載。NHKの調査委員会は4月28日、最終報告書において、「やらせ」はなかったとする一方、過剰な演出や視聴者に誤解を与える編集があったと公表した。併せて、NHKは記者ら15人を懲戒処分とした。同日、報告書の内容を説明する特別番組を放送。国谷裕子キャスターが改めて謝罪した。

流行語(2015)

爆買い、トリプルスリー、アベ政治を許さない、安心して下さい(穿いてますよ)、一億総活躍社会、エンブレム、五郎丸(ポーズ)、SEALDs、ドローン、まいにち、修造!、ラッスンゴレライ、下流老人

流行歌(2015)

レコード大賞:三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE<Unfair World>

最優秀新人賞:こぶしファクトリー<ドスコイ!ケンキョにダイタン>

①僕たちは戦わない<AKB48>
②ハロウィン・ナイト<AKB48>
③Green Flash<AKB48>
④唇にBe My Baby<AKB48>
⑤コケティッシュ渋滞中<SKE48>
⑥今、話したい誰かがいる<乃木坂46>
⑦太陽ノック<乃木坂46>
⑧命は美しい<乃木坂46>
⑨青空の下、キミのとなり<嵐>
⑩Don't look back!<NMB48>

○総売上金額は前年比0.9%減の2,140億円。シングルが0.8%増の604億円、アルバムが1.5%減の1,535億円。

○ミリオンセラーはシングルが上位3作品、アルバムはゼロ。

話題の映画(2015)

洋画
①ジュラシック・ワールド
②ベイマックス
③シンデレラ
④ミニオンズ
⑤ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション

邦画
①映画妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!
②バケモノの子
③HERO
④名探偵コナン 業火の向日葵(ひまわり)
⑤映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)

○年間入場者は前年比3.4%増の1億6,663万人で4年連続の増加となった。スクリーン数は前年より73スクリーン増えて3,437スクリーンとなった。

○興行収入は前年比4.9%増の2,171億円と2年連続の増加。邦画は前年並みだったが、話題作が多かった洋画が健闘した。

ベストセラー(2015)

①火花<又吉直樹>
②フランス人は10着しか服を持たない<ジェニファー・L・スコット>
③家族という病<下重暁子>
④置かれた場所で咲きなさい<渡辺和子>
⑤一〇三歳になってわかったこと<篠田桃紅>

○出版業界は11年連続の前年割れ。販売額は前年比5.3%減の1兆5,220億円と減少率は過去最大となった。書籍は1.7%減で9年連続のマイナス。雑誌は8.4%減で18年連続のマイナス。特に週刊誌が13.6%減と不振が目立った。

○書籍はミリオンセラーが「火花」の1点。240万部超の大ヒットとなった。芥川賞や直木賞、本屋大賞などの受賞作にヒットが相次いだ。

○雑誌は男性誌、女性誌ともにミドルエイジ向けが堅調だった。

○電子出版市場が31.3%増の1,502億円と拡大した。

話題のマンガ(2015)

○コミック誌は発行部数が前年比約10%超の減少、コミックスは販売金額が約6%減といずれも低調だった。

○コミック誌は月刊誌、週刊誌がともに不振。「妖怪ウォッチ」効果で好調だった『コロコロコミック』(小学館)も勢いが減退した。

○コミックスは『ONE PIECE』(集英社)、『進撃の巨人』(講談社)などに加え、青年向けでは『キングダム』、『テラフォーマーズ』(各集英社)、『監獄学園』(講談社)、『アイアムアヒーロー』(小学館)、『ダンジョン飯』(KADOKAWA)、『ヲタクに恋は難しい』(一迅社)、少年向けでは『僕のヒーローアカデミア』(集英社)、少女向けでは『俺物語!!』(集英社)などもヒットした。

○ONE PIECE(集英社)、進撃の巨人(講談社)、NARUTO-ナルト-、東京喰種トーキョーグール、暗殺教室、ハイキュー!!、アオハライド、(各集英社)、銀の匙(小学館)、七つの大罪(講談社)。

ファッション(2015)

○七部丈でスカートのように裾が広がった、ゆったりとしたシルエットのガウチョパンツが女性層の間で大ブームとなった。

○厚底でクッション性の高いスポーツサンダルが疲れにくいうえに、街歩きできるファッション性が受け、春夏を中心に女性のみならず男性にも浸透した。

○コートのような丈の長いカーディガンのコーディガンが羽織るだけでトレンド感が出ることから、多くの女性の支持を獲得した。

○新開発のワイヤを使い違和感や痛みが出にくいブラジャーが「がんばらないブラ」と呼ばれ、人気商品となった。

○景気が良くなると流行すると言われる赤い口紅の売れ行きが伸び、化粧品各社では、鮮やかな赤い口紅の新商品を強化する動きが目立った。

気象状況(2015)

○1月と2月は北日本では暖冬、東・西日本や沖縄・奄美では寒冬となった。日本海側の降雪量は少なかったが、北海道では暴風雪もたびたび観測された。

○春は全国的に平均気温が高く、特に北日本では3月と5月に記録的な高温となり、統計を開始した1946年以降で春としては最も高い記録となった。

○梅雨入りは東北、北陸、沖縄・奄美で遅く、その他の地域は平年並みか早めだった。梅雨明けは関東甲信や沖縄で早く、これ以外の地域は平年並みか遅めだった。

○夏の平均気温は北日本や沖縄・奄美で高く、東日本は平年並み、西日本では低かった。8月下旬には非常に強い台風15号が接近・上陸し、沖縄・奄美や西日本で暴風雨となった。西日本では台風に加えて、前線や湿った気流の影響を受け、降水量が多かった。

○秋は全国的に平年並みの気温となったが、沖縄・奄美では11月に記録的な高温となった。9月上旬には台風17・18号の影響により、関東から東北の太平洋側で記録的な大雨に見舞われ、大きな被害が生じた(「平成27年9月関東・東北豪雨」と命名)。

○12月は寒気の南下が弱かったため、全国的に気温が高く、東日本では平年差+1.9℃で、統計開始以来、12月として最も高い気温となった。また、日本海側の降雪量はかなり少なかった。

2014年(平成26年)

経済財政白書 副題(2014)

よみがえる日本経済、広がる可能性

首相 安倍晋三

経済概況(2014)

平成26年の日本経済は、消費税増税による実質所得減の影響などで個人消費や住宅投資など家計部門が振るわず、実質ゼロ成長となった。設備投資は健闘したが、公共投資の伸びが鈍化。輸出から輸入を引いた純輸出も低迷した。国内新車販売は3年連続の増加、住宅着工は5年ぶりに前年割れとなった。家電は低調だった薄型テレビが4Kテレビ人気で復調気配、エアコンや冷蔵庫などの白物家電は出荷金額ベースで前年水準を維持した。

経済成長率 名目 1.6% 実質 -0.0%
民間最終消費支出 名目 0.8% 実質 -1.2%
民間企業設備投資 名目 5.2% 実質 4.1%
輸出 名目 11.3% 実質 8.2%
消費者物価    2.6%  

日本の広告費(電通調査)(2014)

○総広告費は3年連続の増加となる。消費税率引き上げの影響はあったものの、ソチ冬季五輪やFIFAワールドカップなどにより、6年ぶりに6兆円超となった。テレビメディアが堅調維持、インターネットが好調。21業種中14業種が前年を上回った。

  億円 対前年比(%)
総広告費 61,522 (102.9)
新聞 6,057 (98.2)
雑誌 2,500 (100.0)
ラジオ 1,272 (102.3)
テレビメディア 19,564 (102.8)
 地上波テレビ 18,347 (102.4)
 衛星メディア関連 1,217 (109.6)
インターネット 10,519 (112.1)
PM 21,610 (100.8)

※PM=プロモーションメディア

政治・経済・業界(2014)

○外交・安保政策の企画・分析を行う国家安全保障局が発足(1.7)。

○東京都知事選挙で元厚生労働大臣の舛添要一氏が当選(2.9)。

○国際司法裁判所が南極海での日本の調査捕鯨に中止命令(3.31)。

○消費税率が5%から8%に引き上げ(4.1)。

○安倍内閣が「防衛装備移転三原則」を閣議決定(4.1)。武器輸出が原則解禁に。

×タイでインラック首相が失職(5.7)。プラユット陸軍司令官がクーデターで全権掌握を発表(5.22)。国民立法議会は同氏を暫定首相に選出(8.21)。

×インドの総選挙で野党・インド人民党が圧勝(5.16)。ナレンドラ・モディ氏が新首相に就任(5.26)。政権交代は10年ぶり。

×ウクライナ共和国大統領選で元外相のポロシェンコ氏が当選(5.25)。

×イスラム過激派ISIL(ISIS)が「イスラム国」樹立を宣言(6.29)。

○安倍内閣が集団的自衛権の限定的な行使容認を閣議決定(7.1)。

×インドネシア大統領選で庶民派のジョコ・ウィドド氏が当選(7.22)。

×トルコ大統領選でエルドアン首相が当選(8.10)。

○原子力規制委員会が九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)の再稼働に向けた安全審査を承認(9.10)。鹿児島県知事が同意(11.7)、地元同意手続が完了。

○大田昭宏・国交相がJR東海のリニア中央新幹線の建設計画を認可(10.17)。

×アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和の終了を決定(10.29)。

○日本銀行が追加の金融緩和を決定(10.31)。株高・円安が進行。

×IPCCが地球温暖化に関する第5次統合報告書を発表(11.2)。

○日本とオーストラリアの経済連携協定(EPA)承認案が国会で可決(11.7)。

○安倍首相と中国の習近平国家主席が初の首脳会談(11.10)。

○沖縄県知事選で辺野古への基地移設反対の翁長雄志氏が初当選(11.16)。

○安倍首相が2015年10月に予定されていた消費税率10%への再引き上げを17年4月に先送りすることを表明(11.18)。

○政府指定の機密情報の漏洩を罰する特定秘密保護法が施行(12.10)。

○第47回衆議院総選挙で自民、公明の与党が325議席を獲得(12.14)。

×パキスタンでイスラム反政府過激派が学校を襲撃、約150人が死亡(12.16)。

○原子力規制委員会が関西電力高浜原発3、4号機の再稼働審査を承認(12.17)。

○第3次安倍内閣が発足(12.24)。

×マレーシアのLCC、エアアジア航空機がインドネシア海域で墜落、乗員乗客162人が死亡(12.28)。

○住宅着工は前年比9.0%減と5年ぶりに減少。新車販売は同3.5%増と3年連続の増加。登録車が同0.8%増、軽自動車が7.6%増。百貨店は同0.3%増と3年連続の増加。スーパーは18年連続の前年割れ。失業率は年間平均3.6%で4年連続の改善。12月の失業者数は前年比15万人減少の210万人。

○携帯電話の加入契約数は12月末で前年比1.5%増の1億4,505万件。

○為替相場は円安基調で推移。最終日は1ドル119円台(12.30)と約7年ぶりの円安水準。株価は最終日が1万7,450円(12.30)と15年ぶりの高値。年間で7%上昇。

マスコミ・広告・媒体(2014)

○サッカー・イタリア1部リーグでACミランの本田圭佑がデビュー(1.12)

○2020年東京五輪・パラリンピックの運営を担う大会組織委員会が発足(1.24)。

×ソチ冬季五輪開催(2.7~23)。

○黒木華さんがベルリン映画祭で最優秀女優賞受賞(2.15)。

○宝塚歌劇が初演から100周年(4.1)。「宝塚歌劇の殿堂」もオープン(4.4)。

○アメリカ大リーグ・ヤンキースの田中将大投手がデビュー(4.4)。右肘痛で途中離脱もあったが、シーズン13勝(5敗)をマーク。

○4Kテレビ試験放送開始(6.2)。

×サッカーW杯ブラジル大会開催(6.12~7.13)。日本代表は1次リーグ敗退。

○サッカー日本代表監督にメコシコ人のアギーレ氏の就任決定(7.24)。

○朝日新聞が従軍慰安婦報道の一部を撤回(8.5)。福島第1原発事故を巡る「吉田調書」報道での誤報も認め、木村伊量社長らが謝罪会見(9.11)。

○吉永小百合さん主演の「ふしぎな岬の物語」がモントリオール映画祭で審査員特別グランプリを受賞(9.1)。

×韓国・仁川アジア大会開催(9.19~10.4)。

○男子フィギュアスケートの高橋大輔選手が引退を表明(10.14)。

○札幌市が2026年の冬季五輪招致を表明(11.27)。

媒体の発足(2014)

○雑誌-女性誌-「Gina」ぶんか社3.7、「大人のおしゃれ手帖」宝島社3.7、「otona MUSE」宝島社3.26、「CHOKi CHOKi GiRLS」内外出版社4.7など。男性誌-「CLUTCH Magazine」枻出版社4.24、「GRIND」実業之日本社8.9、「MADURO」セブン&アイ出版9.24など。情報誌-「aene」学研マーケティング5.28、「CHANTO」主婦と生活社6.7、「PHPくらしラク~る♪」PHP研究所10.9、「SODA」ぴあ11.22など。ゲーム誌-「デンゲキBAZOOKA!!」KADOKAWA10.21など。コミック誌-「本当にあった笑える話スペシャル」ぶんか社5.7など。ビジネス誌-「Forbes JAPAN」プレジデント社6.25など。

○主な休廃刊は「Lips」マガジンハウス、「小悪魔ageha」インフォレスト、「すてきな奥さん」主婦と生活社、「Happie nuts」インフォレスト、「egg」大洋図書、「プレイコミック」秋田書店、「最強ジャンプ」集英社、「BLENDA」角川春樹事務所、「月刊IKKI」小学館など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数100局

○コミュニティ放送局数253局(27局減)

○創復刊誌数87誌、休廃刊誌数169誌

国内10大ニュース(2014)

○御嶽山が噴火(9.27)。死者57人、行方不明者6人

○消費税が5%から8%に(4.1)。消費税増税は1997年以来17年ぶり

○青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏のノーベル物理学賞受賞決定(10.7)

○全米オープンテニス男子シングルスで錦織圭選手が日本人初の準優勝(9.8)

○第47回衆議院総選挙で自民党が290議席を獲得し圧勝(12.14)

○広島市北部で猛烈な集中豪雨による大規模土砂災害が発生。死者74人、全半壊家屋約360戸(8.20)

○理化学研究所の小保方晴子氏らが「STAP細胞」論文を発表(1.29)。後に改ざんなどの不正が発覚し撤回(7.2)。論文作成を指導した笹井芳樹・同研究所副センター長が自殺(8.5)

○ソチ冬季五輪(2.7~23)で日本が歴代2位のメダル8個(金1、銀4、銅3)を獲得。男子フィギュアスケートの羽生結弦選手が金メダル、スキージャンプ男子個人ラージヒルでは41歳の葛西紀明選手が銀メダルに輝く

○群馬県の「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界文化遺産登録が決定(6.21)

○俳優の高倉健氏が83歳で死去(11.10)

海外10大ニュース(2014)

×WHO(世界保健機関)がエボラ出血熱で緊急事態宣言(8.8)。西アフリカを中心に感染が拡大、12月29日時点で感染者2万81人、死者7,842人

×韓国の旅客船「セウォル号」が沈没(4.16)。死者295人、行方不明者9人

×パキスタンで女性の教育権を訴え、銃撃されたマララ・ユスフザイさん(17歳)のノーベル平和賞受賞が決定(10.10)。史上最年少の受賞

×ウクライナ上空でマレーシア航空機が撃墜(7.17)。乗客乗員298人死亡

×ロシアがウクライナのクリミア自治共和国を併合(3.18)。欧米諸国は資産凍結などの対露制裁を発令

×アメリカ国防総省がイラク北部クルド自治区内の「イスラム国」への空爆開始を発表(8.8)。9月からシリア領内でも開始

×アメリカ中間選挙でオバマ政権与党の民主党が大敗。共和党が上下両院で過半数を獲得(11.4)

×乗客乗員239人を乗せたクアラルンプール発の北京行きマレーシア航空機が離陸後、消息不明に(3.8)

×香港で行政長官選挙制度を巡り民主派が大規模デモを開始(9.28)。街頭行動が長期化したが、香港警察による強制排除で終結(12.15)

×独立を問うスコットランド住民投票で反対派が勝利、英国残留が決定(9.18)

生活(2014)

○環境省が沖縄県の慶良間諸島を31番目の国立公園に指定(3.5)。

○静岡地裁が「袴田事件」の袴田巌元被告の再審開始と死刑・拘置の執行停止を決定、同被告を48年ぶりに釈放(3.27)。

○国際結婚の破綻による国境を越えた子どもの連れ去りを不法とするハーグ条約に日本が加盟(4.1)。

○スウェーデン王立バレエ団の木田真理子さんが世界で最も権威のあるブノワ舞踊賞を日本人として初受賞(5.27)。

○国立競技場が2020年東京五輪に向けた建て替えのために閉鎖(5.31)。

×国際自然保護連合(IUCN)がニホンウナギを絶滅危惧種に指定(6.12)。

○ベネッセホールディングスが「進研ゼミ」などの顧客情報の大量流出を発表(7.9)。流出は最大約3,500万件。

○日本マクドナルドとファミリーマートが品質期限切れの中国産鶏肉を使用した可能性のあるチキンナゲットの販売中止を発表(7.22)。

○警察庁と厚生労働省が「脱法ドラッグ」を「危険ドラッグ」に名称変更(7.22)。

○厚生労働省が約70年ぶりのデング熱の国内感染を発表(8.27)。東京・代々木公園を中心に感染が広がり、計160人で感染を確認。

○気象衛星「ひまわり8号」を打ち上げ(10.7)。

○「和紙 日本の手漉和紙技術」のユネスコ無形文化遺産登録が決定(11.26)。

○小惑星探査機「はやぶさ2」を打ち上げ(12.3)。2020年に地球に帰還予定。

○訪日外国人旅行者数が年間1,300万人を突破(12.22)。最終的に14年累計は前年を300万人超上回る1,341万人と過去最高を更新。

あべのハルカス全面開業(3.7)、コレド室町2・3(3.20)、虎ノ門ヒルズ(6.11)、ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター(7.15)

時の商品・新製品(2014)

○エンタテインメント-「妖怪ウォッチ」、「アナと雪の女王」、「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」、「ワンス・アポン・ア・タイム」。

○高額・本格-「ななつ星in九州」、高級輸入車、プレミアムビール。

○低価格・気軽・初心者-格安スマホ、ちょい飲み店、立ち食いステーキ店、小学生向け万年筆。

○健康・機能性-Wトクホ飲料、「伊右衛門 特茶」、糖質・プリン体ゼロの発泡酒、希少糖、フルーツグラノーラ、ミドリムシ食品、機能性マットレス、腹筋マシン、遺伝子検査サービス、血液検査サービス。

○次世代-4Kテレビ、ハイレゾ、「MIRAI」(FCV)。

○時間短縮・速効性-「ミラカール」、「バファリンプレミアム」。

○本物・本場感覚-「コロロ」、「トムヤムクンヌードル」。

○一芸調理家電-ティーメーカー、自動製麺機。

○注目を集めた商品-「iPhone6/6Plus」、「モンスターストライク」、「TSUM TSUM」、「マンガボックス」、「CREAR」、バーバリーのトレンチコート、「チェキ」、「クロームキャスト」、「SawadayPINKPINK」、牛すき鍋膳、大型画面タブレット、「デミオ」、NISA。

○新発想商品-「ハスラー」、ジェルボール洗剤、ワキ汗専用制汗剤、クロワッサンドーナツ、消せる色鉛筆、マッサージシート、ホースもマットもいらない布団乾燥機、そのまま飲める炭酸水。

話題の広告(2014)

・<SoftBank 白戸家シリーズ・渋谷で編他>=ソフトバンクモバイル

・<au au学割特訓編他>=KDDI

・<TOYOTOWN どこでもノア のび太とジャイ子の娘編他>=トヨタ自動車

・<NTT DOCOMO U25編他>=NTTドコモ

・<ジョージア 海の家従業員編他>=日本コカ・コーラ

・<ペプシネックス ゼロ 桃太郎「Episode.ZERO」編他>=サントリー食品インターナショナル

・<ロト7 話は変わる編 第5話他>=全国都道府県及び20指定都市

・<家庭教師のトライ 夏、ザワつくハイジ編他>=トライグループ

・<サントリーコーヒー プレミアムボス プレミアム対談A/B編他>=サントリー食品インターナショナル

・<カップヌードル 壁ドン編他>=日清食品

・<スーパードライプレミアム 最高傑作の時間編他>=アサヒビール

・<キンチョー虫コナーズ 落とし穴編他>大日本除虫菊

・<マキアージュ 初、咲、唇。編他>=資生堂

・<ファブリーズ 枕リレー&夜のカーペット編他>=P&G

・<行くぜ、東北。>=東日本旅客鉄道

話題のテレビ番組(2014)

○日本テレビが全日帯、ゴールデン帯、プライム帯で年間視聴率首位を達成し、3年ぶりの視聴率3冠に輝いた。テレビ朝日が3部門とも2位となった。

○ドラマ視聴率は、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日)が平均22.9%でトップ、12月18日の最終回は27.4%とNHKと民放ドラマの年間最高視聴率を獲得。NHK朝ドラは年度上半期の「花子とアン」が平均22.6%と好調、9月29日開始の「マッサン」も初回21.8%、その後も20%前後と堅調だった。この他、「HERO」(フジテレビ)、「相棒season13・12」(テレビ朝日)、「きょうは会社休みます。」「花咲舞が黙ってない」(各日本テレビ)、「軍師官兵衛」(NHK総合)などが高視聴率を獲得した。

○スポーツでは、2014サッカーW杯での日本代表戦や決勝のドイツ対アルゼンチン戦が健闘した。日本代表初戦の対コートジボワール戦(NHK総合6.15)後半が14年全番組の年間最高視聴率となる46.6%を記録した。このほか、定番の箱根駅伝(日本テレビ1.2~3)、世界フィギュアスケート選手権・女子フリー(フジテレビ3.29)などが注目を集めた。一方、プロ野球日本シリーズ(阪神対ソフトバンク)全5試合の平均視聴率は10%を下回り、過去最低となった。

○バラエティは、「ザ!鉄腕!DASH!!」「世界の果てまでイッテQ!」「行列のできる法律相談所」(各日本テレビ)、「ぴったんこカン・カン」(TBS)、「世界一受けたい授業」「世界まる見え!テレビ特捜部」「ぐるぐるナインティナイン」(各日本テレビ)などが高視聴率を記録、日本テレビ系の健闘が目立った。「笑っていいとも!グランドフィナーレ感謝の超特大号」(フジテレビ3.31)が平均視聴率28.1%を獲得し話題となった。

○その他、「24時間テレビ37愛は地球を救うPART10」(日本テレビ)の平均視聴率が31.5%を記録、「笑点」(日本テレビ)や「サザエさん」(フジテレビ)が安定した視聴率を維持した。

NHK(2014)

《ごちそうさん》22.3%《花子とアン》22.6%《マッサン》
〈軍師官兵衛〉15.8%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が35.1%、第二部が42.2%。第一部は前年を1.8ポイント、第二部は2.3ポイント下回った。

○大河ドラマ「軍師官兵衛」の平均視聴率は前年の「八重の桜」を1.2ポイント上回った。

○NHK新会長に籾井勝人氏が就任(1.25)。就任会見での政治的中立性を疑われる主張や歴史認識を巡る見解などが国会などで問題視された。籾井会長は番組内で一連の発言について視聴者に謝罪した(4.13)。

○NHKのインターネット業務拡大などを柱とする改正放送法が成立(6.20)。これを受けNHKはネット業務の「実施基準案」の認可を総務相に申請した(11.25)。2015年度から放送と同時に番組をネット配信する試験などを開始する予定。

流行語(2014)

ダメよ~ダメダメ、集団的自衛権、ありのままで、カープ女子、壁ドン、危険ドラッグ、ごきげんよう、マタハラ、妖怪ウォッチ、レジェンド、デング熱、ハーフハーフ、イスラム国、2025年問題

流行歌(2014)

レコード大賞:三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE<R.Y.U.S.E.I.>

最優秀新人賞:西内まりや<LOVE EVOLUTION>

①ラブラドール・レトリバー<AKB48>
②希望的リフレイン<AKB48>
③前しか向かねえ<AKB48>
④鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの<AKB48>
⑤心のプラカード<AKB48>
⑥GUTS!<嵐>
⑦Bittersweet<嵐>
⑧何度目の青空か?<乃木坂46>
⑨THE REVOLUTION<EXILE TRIBE>
⑩気づいたら片想い<乃木坂46>

○総売上金額は前年比2.8%減の2,159億円。シングルが6.1%減の600億円、アルバムが1.4%減の1,559億円。

○ミリオンセラーはシングルが上位5作品、アルバムは1作品。

話題の映画(2014)

洋画
①アナと雪の女王
②マレフィセント
③ゼロ・グラビティ
④GODZILLA ゴジラ
⑤アメイジング・スパイダーマン2

邦画
①永遠の0
②STAND BY ME ドラえもん
③るろうに剣心 京都大火編
④テルマエ・ロマエⅡ
⑤るろうに剣心 伝説の最期編

○年間入場者は前年比3.4%増の1億6,112万人で3年連続の増加となった。スクリーン数は前年より46スクリーン増えて3,364スクリーンとなった。

○興行収入は前年比6.6%増の2,070億円と2年ぶりの増加。「アナと雪の女王」が歴代3位の254.8億円を記録。

ベストセラー(2014)

①人生はニャンとかなる!<水野敬也、長沼直樹>
②村上海賊の娘(上・下)<和田竜>
③銀翼のイカロス<池井戸潤>
④学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話<坪田信貴>
⑤まんがでわかる7つの習慣<フランクリン・コヴィー・ジャパン(監修)、小山鹿梨子(漫画)>

○出版業界は10年連続の前年割れ。販売額は前年比4.5%減の1兆6,065億円と低調が続いた。書籍は4.0%減で8年連続のマイナス、雑誌は5.0%減で17年連続のマイナスとなった。

○書籍はミリオンセラーが健康関連の実用書の1点のみ。文芸書、ノンフィクションなど主要ジャンルでヒット作品が乏しかった。

○雑誌は30代以上向けでは健闘したものもあったが、若者向けが不振だった。

話題のマンガ(2014)

○コミック誌は発行部数が前年比7.2%減と苦戦したが、コミックスは販売金額が約1%増と堅調だった。

○コミック誌は月刊誌、週刊誌がともに不振。ただし、「妖怪ウォッチ」効果で『コロコロコミック』(小学館)は100万部に到達し好調だった。

○コミックスは『ONE PIECE』(集英社)、『進撃の巨人』(講談社)などのメガヒットに加え、『東京喰種』(集英社)、『七つの大罪』(講談社)など新しい人気作品が登場し市場を活性化した。

○ONE PIECE(集英社)、進撃の巨人(講談社)、NARUTO-ナルト-、君に届け(各集英社)、銀の匙(小学館)、坂本ですが?(KADOKAWA)、ハイキュー!!、黒子のバスケ、アオハライド、暗殺教室、テラフォーマーズ、青の祓魔師(各集英社)、マギ(小学館)。

ファッション(2014)

○スカートブームが久しぶりに到来した。特にふくらはぎまでの長さのミモレ丈スカートが成人女性を中心に新定番となった。

○清潔感や清涼感を醸し出す白いパンツが男女ともに流行した。春・夏には涼しげなトップスと合わせた爽やかで上品な着こなしが人気を呼んだ。

○両肩を大胆に露出したオフショルダーが顔周りがスッキリして華奢に見えることから、春・夏アイテムとして若い女性の支持を獲得した。

○1990年代に流行した白ソックスが男女を問わず大人気となった。また、足首までの丈の短い靴下が若い女性の間でブームとなった。

○女性向け秋・冬物では、三陽商会のバーバリーのトレンチコートが売れ行き好調だった。両社のライセンス契約が2015年6月に終了するため、駆け込み購入が急増した。

気象状況(2014)

○1月と2月は東日本で気温が低かったが、他の地域は平年並みだった。関東甲信地方では上旬と中旬に記録的な大雪に見舞われた。

○春は変動が大きかったが、全国的に晴れの日が多かった。平均気温は東・西日本が高く、北日本は平年並み、沖縄・奄美は低めだった。

○梅雨入りは四国と九州南部で平年並み、その他の地域は平年より早かった。梅雨明けは沖縄・奄美地方で遅かったほかは平年並みだった。

○夏は全国的に天候不順が目立った。6月前半は北日本と東日本で、7月上旬は台風8号の影響により全国各地で局地的な大雨となった。また、7月30日から8月下旬にかけては台風12号の接近と台風11号の上陸による前線の停滞などで沖縄・奄美、西日本、北陸・東海の各地において大雨となり、広島市では集中豪雨による大規模土砂災害が発生、74人が犠牲となった(「平成26年8月豪雨」)。平均気温は北・東日本、沖縄・奄美で高かったが、西日本では2003年以来11年ぶりの冷夏となった。

○秋は北・東・西日本の平均気温は平年並みだったが、沖縄・奄美ではかなり高く、特に9月は1946年の統計開始以来、最も高い記録となった。10月上旬から中旬にかけて大型の台風18号と19号が相次いで上陸、各地で死傷者が出た。

○12月は強い冬型の気圧配置となる日が多かった。中旬には北日本や東・西日本の日本海側で大雪や暴風雪となった。

2013年(平成25年)

経済財政白書 副題(2013)

経済の好循環の確立に向けて

首相 安倍晋三

経済概況(2013)

平成25年の日本経済は、「アベノミクス」効果によって景気回復が続いた。大胆な金融緩和による円安誘導が輸出企業を中心とする株高をもたらしたことを背景に消費マインドが改善、個人消費や住宅投資が回復した。公共投資の拡大も景気を下支えした。国内新車販売は2年連続の増加、住宅着工は4年連続の増加となった。家電は薄型テレビなどAV機器が低調だったが、エアコンや冷蔵庫などの白物家電は好調だった。

経済成長率 名目 1.0% 実質 1.5%
民間最終消費支出 名目 1.8% 実質 1.9%
民間企業設備投資 名目 -0.9% 実質 -1.6%
輸出 名目 11.1% 実質 1.6%
消費者物価    0.4%  

日本の広告費(電通調査)(2013)

○総広告費は2年連続の増加となる。「アベノミクス」効果による持続的な景気回復傾向と消費税増税前の駆け込み需要などで特に年後半が好調に推移した。テレビは堅調維持、衛星メディア関連やインターネットが好調。21業種中8業種が前年を上回った。

  億円 対前年比(%)
総広告費 59,762 (101.4)
新聞 6,170 (98.8)
雑誌 2,499 (98.0)
ラジオ 1,243 (99.8)
テレビメディア 19,023 (101.3)
 地上波テレビ 17,913 (100.9)
 衛星メディア関連 1,110 (109.6)
インターネット 9,381 (108.1)
PM 21,446 (101.1)

※PM=プロモーションメディア

政治・経済・業界(2013)

○最高裁が市販薬のインターネット販売を原則禁止する厚生労働省令を無効判決(1.11)。市販薬のネット販売が事実上解禁状態に。

○厚生労働省がBSE対策に伴うアメリカ産牛肉の輸入規制を緩和(2.1)。

○日経平均株価の終値が1万2,283円、リーマン・ショック前の水準回復(3.8)。

○黒田東彦日銀新総裁が就任(3.20)。

○日銀が過去最大の量的緩和を決定(4.4)。

○インターネット選挙運動を解禁する改正公職選挙法が成立(4.19)。

×イラン大統領選挙で穏健派のロハニ氏が当選(6.15)。

○東京都議会議員選挙で自民、公明両党が圧勝、候補者全員が当選(6.23)。

×エジプトでクーデター、イスラム系のムルシ大統領を軍が拘束(7.3)。

×アメリカのミシガン州デトロイト市が財政破綻(7.18)。

×シリアで化学兵器使用、ダマスカス近郊で1,400人以上死亡(8.21)。

○国産の新型固形燃料ロケット、イプシロンの打ち上げ成功(9.14)。

×ドイツ総選挙でメルケル首相の保守系与党が勝利、首相3選が決定(9.22)。

×国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が6年ぶりとなる第5次報告書を発表、地球温暖化の原因は人間活動の影響が極めて高いと報告(9.27)。

×アメリカで財政問題を巡る与野党対立によって暫定予算の折り合いがつかず、一部政府機関が閉鎖(10.1~16)。

○アメリカのキャロライン・ケネディ新駐日大使が着任(11.15)。

○最高裁が1票の格差訴訟判決で2012年12月の衆議院総選挙を「違憲状態」と判断(11.20)。

×中国が尖閣諸島を含む東シナ海に防空識別圏を設定(11.23)。

○国家機密漏洩に罰則を課す特定秘密保護法が成立(12.6)。

×北朝鮮が張成沢・前国防委員会副委員長を処刑(12.12)。

×アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和縮小を発表(12.18)。

○猪瀬直樹東京都知事が医療法人徳洲会グループからの5千万円受領問題で辞職表明(12.19)。

○沖縄県の仲井真知事が米軍普天間飛行場移設問題で国が申請していた辺野古埋め立てを承認(12.27)。

○住宅着工は前年比11.0%増と4年連続の増加。新車販売は同0.1%増と2年連続の増加。登録車が同3.8%減、軽自動車が6.7%増。百貨店は同1.6%増と2年連続の増加。スーパーは17年連続の前年割れ。失業率は年間平均4.0%で3年連続の改善。12月の失業者数は前年比34万人減少の225万人。

○携帯電話の加入契約数は12月末で前年比5.8%増の1億3,656万件。

○為替相場は円安基調で推移。最終日は1ドル105円台(12.30)と約5年ぶりの円安水準。株価は最終日が1万6,291円(12.30)と約6年ぶりの高値。年間で57%上昇。

マスコミ・広告・媒体(2013)

○アップルが日本向け「iBookstore」オープン、日本語版コンテンツ配信開始(3.6)。

○2013ワールドベースボールクラシック準決勝で日本代表がプエルトリコに敗退、3連覇を逃す(3.17)。

○東京ディズニーリゾートが開業30周年(4.15)。

○サッカーW杯ブラジル大会最終予選で日本代表がオーストラリアと引き分け、5大会連続の出場決定(6.4)。

○ソニー、シャープ、東芝が4Kテレビを相次ぎ発売(6月)。

○日本百貨店協会主催「ご当地キャラ総選挙2013」決勝大会で千葉県船橋市の非公認ゆるキャラ「ふなっしー」が優勝(8.6)。

○スタジオジブリが宮崎駿監督の長編映画製作からの引退を発表(9.1)。

○IOC総会で2020年東京五輪・パラリンピックの開催が決定(9.7)。

○ソニー・コンピュータエンターテインメントが次世代ゲーム機「プレイステーション4」の日本国内での発売日を2014年2月22日と発表(9.9)。

○NTTドコモが「iPhone」の取り扱いに参入。同「5s」と「5c」の販売開始(9.20)。

○ポール・マッカートニーが11年ぶりのツアーで来日(11.9)。大阪、福岡、東京で約25万人動員。

○無料通話・メールアプリ「LINE」の世界登録者数が3億人突破(11.25)。

○「第43回東京モーターショー2013」開催、約90万人動員(11.22~12.1)。

○サッカー日本代表、本田圭佑のイタリア・ACミランへの移籍決定(12.11)。

媒体の発足(2013)

○雑誌-女性誌-「Figue」双葉社3.1、「Majesty JAPAN」大誠社3.7、「DRESS」幻冬舎4.1、「LARME」徳間書店9.17、「GOLD」世界文化社10.7、「POINT DE VUE JAPON」PARISPRESSE12.18など。男性誌-「BITTER」大洋図書10.24、「PRODISM」創芸社10.24など。情報誌-「韓流新発見。」Korea Entertainment Journal4.26、「J-GENERATION」鹿砦社5.23、「LDK」晋遊舎5.28、「ROLa」新潮社8.1など。ゲーム誌-「SOCCER GAME KING」朝日新聞出版6.24など。コミック誌-「月刊アクション」双葉社5.25、「COMICストレンジャーソレント」小池書院9.2、「gateau」一迅社11.30など。

○主な休廃刊は「漫画サンデー」実業之日本社、「健康ファミリー」文理書院、「GLAMOROUS」、「Grazia」各講談社、「税経セミナー」税務経理協会、「おはよう奥さん」学研マーケティング、「日経WinPC」日経BPマーケティング、「men's egg」大洋図書、「書斎の窓」有斐閣など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数100局

○コミュニティ放送局数280局(27局増)

○創復刊誌数86誌、休廃刊誌数124誌

国内10大ニュース(2013)

○アルゼンチンのブエノスアイレスで開催された国際オリンピック委員会(IOC)総会で2020年夏季五輪・パラリンピックの開催地が東京に決定(9.7)

○国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会が「三保の松原」を含む「富士山」の世界文化遺産登録を決定(6.22)

○第23回参議院通常選挙で与党の自民・公明両党が過半数獲得(7.21)。ねじれ国会解消

○プロ野球の楽天が日本シリーズで巨人に勝利、初の日本一達成(11.3)

○長嶋茂雄氏と松井秀喜氏が国民栄誉賞受賞(5.5)

○台風26号に伴う記録的な豪雨により伊豆大島で大規模な土石流が発生(10.16)。死者・不明者43人

○安倍内閣が2014年4月からの消費税率8%への引き上げを閣議決定(10.1)

○楽天の田中将大投手が公式戦21連勝、プロ野球新記録を達成(8.16)

○安倍首相が環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加を正式表明(3.15)

○阪急阪神ホテルズが運営レストランの食材偽装表示を発表(10.22)。その後、全国のホテル、百貨店のレストランなどに食材偽装が広がる

海外10大ニュース(2013)

×台風30号がフィリピン中部を直撃(11.8)。死者・不明者約8,000人

×イギリスのウィリアム王子のキャサリン妃が長男ジョージ王子を出産(7.22)

×ロシア中部ウラル地方上空で隕石が爆発、約1,600人負傷、7千棟被害(2.15)

×中国の全国人民代表大会が国家主席と国家中央軍事委員会主席に習近平中国共産党総書記を選出(3.14)

×中国での1~10月の微小粒子物質(PM2.5)を含む濃霧の発生日数が過去50年で最多に。中国気象局が発表(11.1)

×第266代ローマ法王にアルゼンチン出身のホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿を選出(3.13)。「フランシスコ法王」として就任(3.19)。南米出身は初

×イギリスのマーガレット・サッチャー元首相が死去(4.8)

×アメリカの国家安全保障局による大量の個人情報や電話通信記録の傍受問題が発覚(6.6)。内部告発したスノーデン元CIA職員は後にロシアに亡命

×アメリカ・オバマ大統領の2期目の政権がスタート(1.21)

×南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領が死去(12.5)

生活(2013)

○東京・築地市場のマグロ初競りで史上最高値の1億5千万円を記録(1.5)。

×アルジェリアの天然ガス関連施設をイスラム勢力が襲撃。日本人10人を含む外国人人質37人が死亡(1.16)。

○柔道女子日本代表の園田隆二監督による暴力・体罰問題が発覚(1.30)。

○JR各社や私鉄などの交通系ICカード10種類の相互利用開始(3.23)。

×アメリカのボストン・マラソンで爆弾テロ、3人死亡(4.15)。

○出雲大社で60年ぶりの大遷宮行事、本殿遷座祭を開催(5.10)。

○三浦雄一郎氏が史上最高齢の80歳でエベレスト登頂に成功(5.23)。

○ユネスコの世界記憶遺産に支倉常長関連の「慶長遣欧使節関係資料」と藤原道長の日記「御堂関白記」の登録決定(6.19)。

○ユネスコの世界遺産委員会が「富士山」の世界文化遺産登録を決定(6.22)。富士登山が大ブームに

○高知県四万十市で国内の史上最高気温41.0℃を記録(8.12)。

○福島第一原発のタンクから汚染水300トン漏れが発覚(8.20)。

○ヤンキースのイチロー選手が日米通算4千本安打を達成(8.21)。

○最高裁が婚外子の遺産相続を婚内子の半分とする民法規定を違憲判決(9.4)。

○ヤクルトのバレンティン選手がプロ野球新記録の56本塁打達成(9.15)。シーズン通算で60本塁打を記録

○安倍首相が2014年4月からの消費税8%実施を正式表明(10.1)。

○伊勢神宮で20年ぶりの式年遷宮行事、遷御の儀を開催(10.2)。

○和食のユネスコ世界無形文化遺産登録が決定(12.4)。

○訪日外国人客数が初めて年間1千万人の大台を突破(12.20)。

○マルハニチロホールディングスがグループ会社生産の冷凍食品の一部から農薬「マラチオン」を検出したと発表(12.29)。

伊勢丹新宿本店リニューアル(3.6)、新石垣空港(3.7)、東急東横線と東京メトロ副都心線相互乗り入れ(3.16)、KITTE(3.21)、歌舞伎座リニューアル(4.2)、グランフロント大阪(4.26)、あべのハルカス部分開業(6.13)、MARK IS みなとみらい(6.21)、イオンモール幕張新都心(12.20)

時の商品・新製品(2013)

○日本文化-出雲大社大遷宮、伊勢神宮式年遷宮、富士山、和食、歌舞伎座。

○高額・本格-高級腕時計、輸入車、プレミアムビール、「セブンゴールド金の食パン」、「ななつ星in九州」。

○健康・清潔・安全-「ヘルシアコーヒー」、「伊右衛門特茶」、スムージー、「ルックおふろの防カビくん煙剤」、布団専用クリーナー、防塵マスク。

○時間短縮-「ウルトラアタックNeo」、メーク落とし不要化粧下地、トイレスタンプクリーナー。

○次世代技術-4Kテレビ、ウエアラブル端末、3Dプリンター。

○エコ&高性能-「AQUA」、「フィット ハイブリッド」。

○注目を集めた商品-コンビニコーヒー、「パズル&ドラゴンズ」、「アイカツ!」、7型タブレット、「iPhone5s・5s」、「LINE」、エナジードリンク、個包装顆粒インスタント紅茶、「ヨナナスメーカー」、「あずきバー」、野菜チップス、「足指セラピー」、ブルートゥーススピーカー、「東京スカイツリー」、「グランフロント大阪」、ふなっしー、B級グルメ、グルメポップコーン。

○新発想商品-油なしで揚げ物をつくれる調理家電、固形の鍋用調味料、眠くならない鼻炎内服薬、目元専用マッサージ機、貼るマニュキュア。

話題の広告(2013)

・<SoftBank 白戸家シリーズ・おじさんと再会編、半沢直樹編他>=ソフトバンクモバイル

・<au ドッキリCM本人登場編他>=KDDI

・<NTTドコモ ドコモのツートップ2CELLOS編他>=NTTドコモ

・<BOSS 宇宙人ジョーンズ・コンサート編他>=サントリー食品インターナショナル

・<トヨタ しずかのバイオリン編他>=トヨタ自動車

・<ムーヴ、ムーヴカスタム 手紙編他>=ダイハツ工業

・<ダイワハウス ベトナムにも編他>=大和ハウス工業

・<ロト7 話は変わる編他>=全国都道府県及び20指定都市

・<家庭教師のトライ 夏、ザワつくハイジ編他>=トライグループ

・<ヒートテック、ウルトラライトダウン 日本の冬をもっと元気に。編他>=ファーストリテイリング

・<EOS チャンスにKiss編他>=キヤノンマーケティングジャパン

・<Cook Do 回鍋肉 最後の一切れ編他>=味の素

・<ポッキー デビル・ニノ公園編他>=江崎グリコ

・<スーパードライ 誕生 金のスーパードライ編他>=アサヒビール

・<アレグラFX アレグラ人出没編他>=久光製薬

・<ギャツビー オサレ星人・検査編他>=マンダム

・<ファブリーズ こたつ編他>=P&Gジャパン

・<エネファーム 電気ウナギイヌ・ギター編>=東京ガス

・<東進ハイスクール 生徒への檄文編>=東進ハイスクール

話題のテレビ番組(2013)

○全日帯は日本テレビが3年連続の1位となったが、ゴールデン帯ではテレビ朝日が開局以来初の1位、プライム帯でも1位となり、初の2冠に輝いた。

○ドラマ視聴率は、「半沢直樹」(TBS)が平均29.1%でトップ、9月22日の最終回は42.2%と平成の民放ドラマの最高視聴率を更新した。「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日)も21.9%と高視聴率を記録した。NHK朝ドラも年度上半期の「あまちゃん」が平均20.6%と好調、9月30日開始の「ごちそうさん」も初回22.0%、その後も20%以上と順調だった。この他、「ガリレオ」「リーガルハイ」(各フジテレビ)、「DOCTORS2最強の名医」「相棒season12・11」(各テレビ朝日)などが健闘した。

○スポーツ中継では、2014サッカーW杯アジア地区最終予選で日本代表が本戦出場を決めた対オーストラリア戦(テレビ朝日6.4)が38.6%を記録。3月の2013ワールドベースボールクラシックの日本代表戦も軒並み高視聴率を獲得した。ソチ五輪フィギュア代表最終選考会・女子フリー(フジテレビ12.23)も30.0%と健闘。定番の箱根駅伝(日本テレビ)とプロ野球日本シリーズ(楽天対巨人)も注目を集めた。

○バラエティは、「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ)、「ぴったんこカン☆カン」(TBS)、「ぐるぐるナインティナイン」「ザ!鉄腕!DASH!!」(各日本テレビ)、「鶴瓶の家族に乾杯」(NHK総合)、「行列のできる法律相談所」「踊る!さんま御殿!!」(各日本テレビ)などが高視聴率を記録、日本テレビ系の健闘が目立った。

○その他、長寿番組では、「笑点」(日本テレビ)や「サザエさん」(フジテレビ)が安定した視聴率を維持したが、「笑っていいとも!」(フジテレビ)と「はなまるマーケット」(TBS)が2014年3月限りの放送終了を発表した。

NHK(2013)

《純と愛》17.1%《あまちゃん》20.6%《ごちそうさん》
〈八重の桜〉14.6%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が36.9%、第二部が44.5%。第一部は前年を3.7ポイント、第二部は2.0ポイント上回った。

○大河ドラマ「八重の桜」の平均視聴率は14.6%で、前年の「平清盛」を2.6ポイント上回った。

○NHK総合で、Web配信コンテンツをテレビ受像機で視聴できる「NHKハイブリッドキャスト」サービスを開始(9.2)。さらに、放送中の番組に関連する各種コンテンツを通信網経由で、テレビ受像機のほかスマートフォン、タブレット端末で視聴できる第2世代の同サービスもスタート(12.16)。

○NHK経営委員会がNHK新会長に日本ユニシス前社長の籾井勝人氏を選出(12.20)。

流行語(2013)

今でしょ!、お・も・て・な・し、じぇじぇじぇ、倍返し、アベノミクス、ご当地キャラ、特定秘密保護法、PM2.5、ブラック企業、ヘイトスピーチ、被災地が、東北が、日本がひとつになった楽天、日本一をありがとう、ななつ星、ビッグデータ、NISA、ふなっしー

流行歌(2013)

レコード大賞:EXILE<EXILE PRIDE~こんな世界を愛するため~>

最優秀新人賞:新里宏太<HANDS UP!>

①さよならクロール<AKB48>
②恋するフォーチュンクッキー<AKB48>
③ハート・エレキ<AKB48>
④So long!<AKB48>
⑤EXILE PRIDE~こんな世界を愛するため~<EXILE>
⑥Calling/Breathless<嵐>
⑦チョコの奴隷<SKE48>
⑧美しい稲妻<SKE48>
⑨僕らのユリイカ<NMB48>
⑩Endless Game<嵐>

○総売上金額は前年比10.7%減の2,220億円。シングルが638億円で同0.2%減、アルバムが1,581億円で同14.4%減となる。

○ミリオンセラーはシングルが上位5作品、アルバムはなし。

話題の映画(2013)

洋画
①モンスターズ・ユニバーシティ
②レ・ミゼラブル
③テッド
④シュガー・ラッシュ
⑤007 スカイフォール

邦画
①風立ちぬ
②ONE PIECE FILM Z ワンピース フィルム ゼット
③映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館
④名探偵コナン 絶海の探偵
⑤真夏の方程式

○年間入場者は前年比0.5%増の1億5,589万人で2年連続の増加となった。映画館(スクリーン)数は2012年より28スクリーン多い3,318スクリーンとなった。

○興行収入は前年比0.5%減の1,942億円と2年ぶりの減少。

ベストセラー(2013)

①医者に殺されない47の心得<近藤誠>
②色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年<村上春樹>
③聞く力 心をひらく35のヒント<阿川佐和子>
④海賊とよばれた男(上・下)<百田尚樹>
⑤ロスジェネの逆襲<池井戸潤>

○出版業界は9年連続の前年割れ。販売額は前年比3.3%減の1兆6,823億円と落ち込みに歯止めがかからなかった。書籍は2.0%減で7年連続のマイナス、雑誌は4.4%減で16年連続のマイナス。

○書籍はミリオンセラーが3点。売れ行きの二極化が進み、売れる本と売れない本との差が激しかった。ダイエット本など実用書が不発に終わった。

○雑誌は全般に30代以上向けは健闘したが、若者向けが苦戦した。

話題のマンガ(2013)

○コミック誌の発行部数は前年割れとなったが、コミックスは増加した。

○コミック誌は月刊誌、週刊誌がともに不振。『コロコロコミック』(小学館)など全般に不調だったが、「進撃の巨人」人気で『別冊少年マガジン』(講談社)が大躍進、「進撃の巨人」スピンオフを掲載した『ARIA』(同)も好調だった。また、『別冊マーガレット』(集英社)、『flowers』(小学館)も堅調だった。

○コミックスでは『進撃の巨人』(講談社)がシリーズ累計2,800万部を超える大ヒットとなった。『黒子のバスケ』、『暗殺教室』(各集英社)も好調。グルメマンガ『いつかティファニーで朝食を』(新潮社)もヒットした。

○ONE PIECE(集英社)、進撃の巨人(講談社)、NARUTO-ナルト-、HUNTER×HUNTER、君に届け(各集英社)、聖☆おにいさん(講談社)、銀の匙(小学館)、暗殺教室(集英社)、坂本ですが?(エンターブレイン)、青の祓魔師、黒子のバスケ(各集英社)

ファッション(2013)

○震災後の節電意識や猛暑などでステテコ愛好者が増加傾向にあるなかで、女性用ステテコも発売され、女性層にも人気が広がった。

○夏には短い丈で凝ったデザインのシースルータイプの靴下が流行。靴下とサンダルの組み合わせで足元のおしゃれを楽しむ若い女性が目立った。

○バブル期に人気を呼んだ、カーディガンやセーターを肩にかける「プロデューサー巻き」や体の線を強調したボディコン風のペンシルスカートが再び女性の間に流行した。

○イタリア発高級ニットブランドの刺しゅうブレスレットがブームとなった。特に願い事が叶うとされる4つ葉のデザインのブレスレットが若い女性に大人気となった。

気象状況(2013)

○1月と2月は北日本を中心に冬型の気圧配置が強く、全国的に平均気温は低めだった。北日本と新潟県までの日本海側では所々で記録的な大雪となった。

○春は変動が大きく、荒天の日が目立った。3月2日~3日には北海道で暴風雪となり9人が死亡した。4月上旬には発達した低気圧の影響で北日本から西日本の広い範囲で大雨や暴風となった。5月上旬は全国的に気温が低かった。

○梅雨入りは東海から九州は早く、関東甲信や北陸、東北南部は遅めだった。梅雨明けは関東から沖縄では早かったが、東北と北陸では8月上旬と遅かった。8月9日には東北を襲った記録的な豪雨により秋田県仙北市で土石流が発生、6人が死亡した。

○夏は太平洋高気圧の勢力が強く、全国的に暑い日が続いた。特に8月上旬から中旬は厳しい暑さに見舞われ、8月12日には高知県四万十市で過去最高気温の41.0度を観測した。

○秋は残暑が厳しく、天候も不安定だった。9月2日には埼玉県と千葉県で竜巻が発生、60人余りが負傷し約1,400棟が損壊した。台風接近個数は9個と1966年と並んで最も多く、多大な被害をもたらした。伊豆大島では10月16日、台風26号による記録的な大雨で土石流が発生し死者・不明者が43人に達した。

○12月は北海道では気温が高かったが、東日本から沖縄にかけては低温だった。降雪は北海道日本海側で少なく、その他の地域は平年並みだった。

2012年(平成24年)

経済財政白書 副題(2012)

日本経済の復興から発展的創造へ

首相 野田佳彦→安倍晋三

経済概況(2012)

平成24年の日本経済は、春頃までは堅調だったが、夏以降は不振が続いた。個人消費がエコカー補助金終了の影響などで鈍化、輸出は円高や欧州危機、さらに尖閣諸島問題などで低迷、設備投資も個人消費や輸出の弱含みを受けて減退し、夏から年末にかけて景気後退が鮮明になった。国内新車販売は2年ぶりに増加、住宅着工は3年連続の増加となった。家電は薄型テレビなどAV機器が低調、エアコンなどの白物家電は前年並みにとどまった。

経済成長率 名目 1.1% 実質 2.0%
民間最終消費支出 名目 1.8% 実質 2.4%
民間企業設備投資 名目 1.8% 実質 2.1%
輸出 名目 -2.3% 実質 -0.3%
消費者物価      -0.1%  

日本の広告費(電通調査)(2012)

○総広告費は5年ぶりの増加となる。年前半が復興需要やロンドン五輪効果などで好調。しかし、夏以降は個人消費の減退、円高や欧州経済の低迷、輸出の減少などによる景気後退のあおりを受け、減少傾向となった。衛星メディアやインターネットが好調。21業種中16業種が前年を上回った。

  億円 対前年比(%)
総広告費 58,913 (103.2)
新聞 6,242 (104.2)
雑誌 2,551 (100.4)
ラジオ 1,246 (99.9)
テレビ 17,757 (103.0)
衛星メディア 1,013 (113.7)
インターネット 8,680 (107.7)
PM 21,424 (101.4)

※PM=プロモーションメディア

政治・経済・業界(2012)

○東日本大震災からの復興施策を統括する「復興庁」が発足(2.10)。

○国内初のLCC「ピーチ・アビエーション」が運航開始(3.1)。

○東京地裁が収支報告書虚偽記載事件で強制起訴された小沢一郎・元民主党代表に無罪判決(4.26)。二審も無罪判決(11.12)で無罪確定。

×フランス大統領選で社会党のフランソア・オランド氏が当選(5.6)。

×国連持続可能な開発会議(リオ+20)がグリーン経済などの理念を盛り込んだ宣言「我々が望む未来」を採択(6.22)。

×エジプト大統領選でムハンマド・ムルシ氏が当選(6.24)。

○家電量販店5位のビックカメラが6位のコジマを買収・子会社化(6.26)。

○東京電力の実質国有化が決定(6.27)。

○関西電力の大飯原発3号機が再稼働(7.1)。

○再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度がスタート(7.1)。

○消費増税関連法が成立(8.10)。2014年4月に8%、15年10月に10%に。

×韓国の李明博大統領が竹島上陸(8.10)。

○J.フロントリテイリングがパルコを子会社化(8.27)。

○日本航空が2年7ヵ月ぶりに東証1部に再上場(9.19)。

○原子力発電の安全規制を担う「原子力規制委員会」が発足(9.19)。

○橋下徹大阪市長が率いる国政政党「日本維新の会」が発足(9.28)。

○沖縄の普天間飛行場にアメリカ軍の新型輸送機「オスプレイ」配備(10.1)。

×イスラエルがパレスチナ自治区ガザを空爆(11.14)。死者160人以上。

○野田首相が衆議院を解散(11.16)。

×北朝鮮が長距離弾道ミサイル発射を強行(12.12)。

○第46回衆議院総選挙で自民党が圧勝、294議席を獲得(12.16)。

○石原東京都知事の辞任・衆院選出馬に伴う都知事選挙で猪瀬直樹前副知事が個人最多の400万票超を獲得して当選(12.16)。

×韓国大統領選で与党セヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)候補が勝利(12.19)。同国初の女性大統領に。

○第2次安倍内閣が発足(12.26)。3年3ヵ月ぶりに自公連立政権に戻る。

○住宅着工は前年比5.8%増と3年連続の増加。新車販売は同27.5%増と2年ぶりの増加。登録車が同26.1%増、軽自動車が30.1%増。百貨店は同0.3%増と16年ぶりの増加。スーパーは16年連続の前年割れ。失業率は年間平均4.3%で2年連続の改善。12月の失業者数は前年比17万人減少の259万人。

○携帯電話の加入台数は12月末で1億2,913万台(イー・アクセス分を除く)。

○為替相場は12月に入って円安傾向に転じ、最終日は1ドル86円台(12.28)、約2年5ヵ月ぶりの安値に下落。株価は最終日が1万395円(12.28)と年間で23%上昇。

マスコミ・広告・媒体(2012)

○「J SPORTS3・4」「IMAGICA BS」など7チャンネルのBSデジタル放送がスタート(3.1)。BSデジタル放送が31チャンネルに増加。

○福島・宮城・岩手の被災3県の地上アナログ放送が終了、全国地上波のデジタル化が完了(3.31)。

○携帯端末向けマルチメディア放送「モバキャス」がサービス開始、同時にスマートフォン向け放送局「NOTTV(ノッティーヴィー)」が開局(4.1)。

○民放キー局5社と電通がインターネット対応テレビ向けのビデオ・オン・デマンドサービス「もっとTV」を開始(4.2)。

×韓国・麗水市で国際博覧会開催(5.12~8.12)。入場者総数は約820万人。

×フェイスブックがアメリカ・ナスダックに株式上場(5.18)。

○違法ダウンロードに刑事罰を科する改正著作権法が成立(6.20)。

×ロンドン五輪開催(7.27~8.12)。204ヵ国・地域が参加。

○ソフトバンクとKDDIが高速データ通信「4G LTE」を開始(9.21)。

○スカパーJSATがサービスブランド名を「スカパー!」に統一(10.1)。

○ソフトバンクがアメリカ携帯電話3位のスプリント・ネクステルの買収・子会社化合意を発表(10.15)。買収額は約1.6兆円、世界3位の携帯キャリアに。

○CATV1位のジュピターテレコム(J:COM)と2位のジャパンケーブルネット(JCN)が2013年秋の統合を発表(10.24)。シェア50%超へ。

媒体の発足(2012)

○雑誌-女性誌-「Richesse」ハースト婦人画報社6.28、「and girl」エムオン・エンタテインメント10.12など。男性誌-「昭和40年男」クレタパブリッシング9.11、「VOLT」徳間書店9.22、など。情報誌-「Blue.」ネコ・パブリッシング3.10、「オトメディア」学研パブリッシング5.10、など。ゲーム誌-「アプリスタイル」イースト・プレス12.28など。料理誌-「食べようび」オレンジページ6.20など。コミック誌-「月刊COMICリュウ」徳間書店3.19、「ジャンプ改」集英社4.10、「別冊少年チャンピオン」秋田書店6.12など。

○主な休廃刊は「男子食堂」ベストセラーズ、「Look!s」スタイライフ、「Men’sYOUNG」双葉社、「旅」新潮社、「あるじゃん」リクルート、「小学三年生」「小学四年生」各小学館、「ゲーマガ」ソフトバンククリエイティブ、「囲碁」誠文堂新光社、「現代展望」現代展望、「東洋経済統計月報」「オール投資」各東洋経済新報社、「パチンコフィーバー」一水社、など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数100局

○コミュニティ放送局数267局(14局増)

○創復刊誌数98誌、休廃刊誌数152誌

国内10大ニュース(2012)

○京都大学の山中伸弥教授にノーベル生理学・医学賞授賞決定(10.8)。iPS細胞の作製成功により再生医療の実現に道を開いたことを評価

○東京スカイツリータウンが開業(5.22)。2ヵ月で1,029万人が来場

○ロンドン五輪で日本人選手は史上最多のメダル38個を獲得(7.28~8.13)

○第46回衆議院総選挙で自民党圧勝(12.16)。第2次安倍内閣発足(12.26)

○野田内閣が尖閣諸島の国有化を閣議決定(9.11)。日中関係悪化

○932年ぶりに東北南部から九州南部の広い範囲で金環日食を観測(5.21)

○山梨県の中央自動車道笹子トンネルで崩落事故、9人死亡(12.2)

○オウム真理教事件の菊地直子容疑者を逮捕(6.3)。最後の特別手配犯、高橋克也容疑者も逮捕(6.15)。同教団を巡る事件捜査が終結(9.24)

○兵庫県尼崎市のドラム缶遺体事件が計6人の連続遺体遺棄・変死事件に発展。主犯格の角田美代子容疑者は兵庫県警本部の留置場で自殺(12.2)

○天皇陛下が狭心症治療ため心臓の冠動脈バイパス手術、無事成功(2.18)

海外10大ニュース(2012)

×アメリカ大統領選でバラク・オバマ大統領が再選(11.6)

×中国共産党総書記に習近平氏が就任(11.15)

×北朝鮮の最高指導者、金正恩氏が朝鮮労働党第1書記に就任(4.11)

×イギリスのエリザベス女王が即位60周年(2.6)。「ダイヤモンド・ジュビリー」(6.2~5)など多彩な祝賀行事を開催

×ミャンマーの下院議会補欠選挙で国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー氏が当選(4.1)

×ロシア大統領選でウラジーミル・プーチン首相が当選(3.4)。通算3期目の大統領に返り咲き

×ハリケーン「サンディ」がアメリカ北東部に上陸、死者170人超(10.29)

×シリアの内戦が泥沼化の様相を強める(6月)

×NASAの探査機「キュリオシティ」が火星に着陸(8.5)

×スペインがユーロ圏に金融支援を要請(6.25)。欧州危機が続く

生活(2012)

×イタリア西岸で大型クルーズ船が座礁、死者・行方不明32人(1.13)。

○ダルビッシュ有が大リーグ・レンジャーズとの6年契約に合意(1.18)。

○中学校の新学習指導要領でダンスと武道が必修化(4.1)。

○食品の放射性物質基準が厳格化。一般食品は1kg当たり放射性セシウム500ベクレルから100ベクレルに(4.1)。

○新潟県佐渡市で放鳥トキのペアにひな誕生(4.22)。

○金環日食がテレビで生中継されるなど全国的に注目される(5.21)。

○厚生労働省が牛レバーの生食用提供を禁止(7.1)。

○滋賀県大津市のいじめによる中学生自殺事件(2011年10月発生)で滋賀県警が中学校と市教育委員会を強制捜査(7.11)。

○大リーグ・マリナーズのイチローがヤンキースに電撃移籍(7.23)。

○国直轄の除染が本格的に開始(7.27)。福島県内11市町村が対象。

○環境省がニホンカワウソを絶滅種に指定(8.28)。

○ポリオの不活化ワクチン接種開始(9.1)。副作用不安で生ワクチンから変更。

○東京電力が家庭向け電気料金を平均8.46%値上げ(9.1)。

○エコカー補助金の申請受付終了(9.21)。

○大相撲・日馬富士が第70代横綱に昇進(9.26)。

○レスリング女子の吉田沙保里選手が五輪と世界選手権を合わせ13連覇達成の功績により国民栄誉賞を受賞(11.7)。

×アメリカ・コネチカット州の小学校で銃乱射事件、児童20人を含む26人が死亡(12.14)。

○大阪市立桜宮高校2年の男子バスケットボール部主将が体罰を苦に自殺(12.23)。体罰議論が高まる。

○日米のプロ野球で活躍した松井秀喜が現役引退を発表(12.27)。

東京ゲートブリッジ(2.12)、三井アウトレットパーク木更津(4.13)、新東名高速道路(4.14)、ダイバーシティ東京プラザ(4.19)、渋谷ヒカリエ(4.26)、東京スカイツリータウン(5.22)、原鉄道模型博物館(7.10)、ビックロ(9.27)、東京駅丸の内駅舎リニューアル(10.1)、大丸東京店リニューアル(10.5)、阪急百貨店梅田本店リニューアル(11.21)

時の商品・新製品(2012)

○新感覚情報ツール-スマートフォン、「LINE」、「4G LTE」、小型タブレット端末、電子書籍専用端末。

○安心・清潔・健康-ドア・モニター、ノンアルコールビールテイスト飲料、衣類の抗菌力を高める液体濃縮洗剤、ノンシリコンシャンプー、青色光カットメガネ、免疫力を高めるヨーグルト、特保コーラ飲料、特保炭酸飲料。

○伝統回帰-塩麹、チルド和菓子、プレーンストッキング、ペプラム。

○価格×サービス変革-国内LCC、立ち飲み×本格料理レストラン、焼き牛丼。

○本格追求-マルちゃん正麺、切れ味抜群の家庭用ハサミ、黒ビール系飲料。

○エコ&高性能-「AQUA」、「N BOX」、「CX-5」。

○注目を集めた商品-「東京スカイツリー」、「東京駅丸の内駅舎」、「渋谷ヒカリエ」、街コン、キッズダンス用品、スマホ用なめこ栽培ゲームアプリ、B級グルメ、一人カラオケ、お掃除ロボット、野菜チップス、高刺激チューインガム、マテ茶、柑橘系炭酸飲料、低速ジューサー、タトゥー入りストッキング、「Wii U」、「Windows8」、ゆるキャラ。

○新発想商品-眠くならない鼻炎内服薬、香り付け専用仕上げ剤、涙袋専用メイク化粧品、電子レンジ圧力鍋、空気と水の噴射で歯間を洗浄する電動フロス。

話題の広告(2012)

・<SoftBank 白戸家シリーズ>=ソフトバンクモバイル

・<トヨタ自動車 スネ夫の素敵なドライブ編他>=トヨタ自動車

・<NTTdocomo とあるプレゼンテーション編他>=エヌ・ティ・ティ・ドコモ

・<au auスマートバリュー「家族もおトク」編他>=KDDI

・<BOSS 医師編他>=サントリー食品インターナショナル

・<Tanto アルパカ牧場編他>=ダイハツ工業

・<ガス・パッ・チョ!コンロ ガスパッチョ!東京ガスストーリー2安心編他>=東京ガス

・<GREE 聖戦ケルベロス AKIRA&TAKAHIRO編他>=グリー

・<UNIQLO ヒートテック・ウルトラライトダウン 秋 日本の冬をもっと元気に。編他>=ファーストリテイリング

・<インテル トラダンス編他>=インテル

・<小さなチョコビスケット おぼっちゃまとメイド編他>=森永製菓

・<淡麗グリーンラベル お一人様る編他>=キリンビール

・<SK-Ⅱ グラフリレー編他>=マックスファクター

・<消臭力 ミゲル&ディラン ポルトガルデビュー編他>=エステー

・<家庭教師のトライ 教えてトライさん登場編他>=トライグループ

・<ダイワハウス ダイワニャン・その2編他>=大和ハウス工業

・<新EVER まねきねこダックX こまねき登場編他>=アフラック

・<東芝LED電球 僕とLEDの10年編他>=東芝

話題のテレビ番組(2012)

○全日帯とゴールデン帯の年間平均視聴率は日本テレビが2年連続の1位を獲得。プライム帯はテレビ朝日が開局以来初の1位に輝いた。

○ドラマ視聴率は、「梅ちゃん先生」が平均20.7%でトップ、3月まで放送の「カーネーション」(各NHK総合)も19.1%とNHKの朝ドラが好調だった。「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日)、「純と愛」(NHK総合)、「PRICELESS~あるわけねぇだろ、んなもん!」(フジテレビ)、「相棒season11」(テレビ朝日)も高視聴率を獲得。この他、「鍵のかかった部屋」「ラッキーセブン」(各フジテレビ)、「ATARU」(TBS)、「ストロベリーナイト」(フジテレビ)も健闘した。

○スポーツ中継では、2014サッカーW杯アジア地区最終予選・日本代表の各試合中継が軒並み好調だった。対オーストラリア戦(テレビ朝日6.12)は35.1%の高視聴率を記録した。夏のロンドン五輪も、日本代表が銀メダルを獲得した女子サッカーを中心に健闘した。定番の箱根駅伝も高い人気ぶりを示した。また、プロ野球日本シリーズ(巨人対日本ハム)の第6戦も注目を集めた。

○バラエティは、日本テレビ系の「世界の果てまでイッテQ!」「踊る!さんま御殿!!」「行列のできる法律相談所」「ぐるぐるナインティナイン」の4番組が上位を独占、「ザ!世界仰天ニュース」も好調だった。このほか、「ぴったんこカン・カン」(TBS)、「クイズプレゼンバラエティQさま!!」「もしものシミュレーションバラエティお試しかっ!」(各テレビ朝日)、「鶴瓶の家族に乾杯」(NHK総合)などが人気を呼んだ。

○その他、長寿番組では、「笑点」(日本テレビ)や「サザエさん」(フジテレビ)が安定した視聴率を維持したが、音楽番組「HEY!HEY!HEY!MUSICCHAMP」(フジテレビ)が12月17日放送をもって18年の歴史に幕を閉じた。

NHK(2012)

《カーネーション》19.1%《梅ちゃん先生》20.7%《純と愛》
〈平清盛〉12.0%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が33.2%、第二部が42.5%。第一部は前年を2.0ポイント下回ったが、第二部は0.9ポイント上回った。

○大河ドラマ「平清盛」の平均視聴率は前年の「江・姫たちの戦国」を5.7ポイント下回る12.0%で、大河ドラマ史上最低となった。

○受信料値下げを実施。地上契約が月額1,225円、衛星契約が同2,170円と、それぞれ120円引き下げられた(10.1)。


流行語(2012)

ワイルドだろぉ、iPS細胞、維新、LCC、終活、第3極、近いうちに…、手ぶらで帰らせるわけにはいかない、東京ソラマチ、爆弾低気圧、原発ゼロ、塩こうじ、これまでに経験したことのないような大雨、ロングブレスダイエット、美魔女、イクジイ、霊長類最強女子、ソー活、佐川男子

流行歌(2012)

レコード大賞:AKB48<真夏のSounds good!>

最優秀新人賞:家入レオ<サブリナ/Shine>

①真夏のSounds good!<AKB48>
②GIVE ME FIVE!<AKB48>
③ギンガムチェック<AKB48>
④UZA<AKB48>
⑤永遠のプレッシャー<AKB48>
⑥ワイルドアットハート<嵐>
⑦Face Down<嵐>
⑧片想いFinally<SKE48>
⑨キスだって左利き<SKE48>
⑩アイシテラブル!<SKE48>

○総売上金額は前年比4.3%増の2,432億円。シングルが632億円で同5.3%増、アルバムが1,800億円で同4.0%増となる。

○ミリオンセラーはシングルがAKB48の5作品、アルバムは3作品。

話題の映画(2012)

洋画
①ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
②バイオハザードV:リトリビューション
③アベンジャーズ
④アメイジング・スパイダーマン
⑤メン・イン・ブラック3

邦画
①BRAVE HEARTS 海猿
②テルマエ・ロマエ
③踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
④ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
⑤おおかみこどもの雨と雪

○年間入場者は前年比7.2%増の1億5,516万人で2年ぶりの増加となった。映画館(スクリーン)数は2011年より49スクリーン少ない3,290スクリーンとなり、2年連続の減少となった。

○興行収入は前年比7.7%増の1,952億円と2年ぶりの増加となった。

ベストセラー(2012)

①聞く力 心を開く35のヒント<阿川佐和子>
②置かれた場所で咲きなさい<渡辺和子>
③舟を編む<三浦しおん>
④大往生したけりゃ医療とかかわるな<中村仁一>
⑤人生がときめく片づけの魔法<近藤麻理恵>

○出版業界は8年連続の前年割れ。販売額は前年比3.6%減の1兆7,398億円と落ち込みに歯止めがかからなかった。書籍は2.3%減で6年連続のマイナス、雑誌は4.7%減で15年連続のマイナス。

○書籍はミリオンセラーが1点。文芸とビジネスジャンルにヒットがなく、自己啓発・生き方ジャンルも低調で大ヒット作品は不発に終わった。

○雑誌は30~40代向けの女性誌が比較的好調だったが、全般に低迷が続いた。

話題のマンガ(2012)

○コミック誌の発行部数は前年割れ、コミックスも減少した。

○コミック誌は月刊誌、週刊誌がともに不振。『コロコロコミック』(小学館)、『最強ジャンプ』(集英社)、『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)などの主要誌がいずれも部数減となった。そのなかで『週刊少年ジャンプ』(集英社)が唯一好調。少女向けの『りぼん』も部数を維持し健闘した。

○コミックスでは『銀の匙』(小学館)が5巻累計で520万部を突破する大ヒットとなったほか、『黒子のバスケ』、『暗殺教室』(各集英社)も好調。『今日、恋をはじめます』(小学館)、『宇宙兄弟』(講談社)、『テルマエ・ロマエ』(エンターブレイン)の3作品も映画化で話題を呼び売れ行きを伸ばした。

○ONE PIECE、NARUTO-ナルト-、君に届け、HUNTER×HUNTER、青の祓魔師(各集英社)、銀の匙(小学館)、進撃の巨人(講談社)、BLEACH-ブリーチ-(集英社)

ファッション(2012)

○4月に「AEO(アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ)」、7月にGAPの低価格ブランド「オールドネイビー」がそれぞれ東京都心にオープンして人気を集めた。アメリカ発のカジュアル衣料がファストファッションブームを再び呼び起こした。

○2012年度から中学校でダンスが必修化されたことをきっかけにダンス人気が高まったことを受け、キッズ向けのダンスシューズやダンスウェアが売れ行きを伸ばした。

○10~20代の女性の間で、素肌色のプレーンストッキングが人気を呼ぶとともにタトゥーを入れているように見える柄付きのストッキングが流行となった。

○ジャケットやブラウスのウエストから下の部分をフレアやフリルなどで裾広がりにした「ペプラム」が、女性らしさを演出するアイテムとして若者から大人の女性まで世代を超えて流行した。

気象状況(2012)

○1月と2月は西高東低の冬型の気圧配置が強く、全国的に平均気温は低めだった。北日本から西日本にかけての日本海側では大雪の日が多かった。

○春は不安定で荒れた天候の日が目立った。4月3日~5日には北日本から西日本の広い範囲で記録的な暴風雨となり、5月2日~4日には北・東日本太平洋側で大雨に見舞われた。また、5月6日には関東地方などで竜巻が発生し、多大な被害をもたらした。

○梅雨入りは概ね平年並み、梅雨明けは近畿・中国地方で早く、関東甲信・九州地方では遅かった。7月11日~14日には「平成24年7月九州北部豪雨」が発生し、甚大な被害を受けた(死者・行方不明者32人)。

○夏の気温は6月から7月中旬にかけて北・東日本では低温傾向にあったが、7月下旬以降は全国的に高温に転じ、猛暑日も多かった。

○秋は北・東日本で気温が高く、特に北日本では9月の平均気温が戦後最も高い記録的な残暑となった。10月は台風16号と17号の影響で各地に暴風雨被害が発生、11月は一時的に冬型の気圧配置が強まるなど、気象変化が激しかった。

○12月は寒気が流れ込んだ影響で、沖縄・奄美を除き全国的に低温だった。北海道から西日本にかけての日本海側ではたびたび大雪となった。

2011年(平成23年)

経済財政白書 副題(2011)

日本経済の本質的な力を高める

首相 菅直人→野田佳彦

経済概況(2011)

平成23年の日本経済は、3月11日の東日本大震災の影響で一時低迷したが、夏頃には生産活動の回復により持ち直した。しかし、秋以降は欧州債務危機による世界経済の減速や円高に伴う輸出の鈍化と、個人消費の下振れ懸念などを背景に景況不安が強まった。企業収益は2年ぶりの経常減益。国内新車販売も2年ぶりの減少。家電は薄型テレビが減少に転じた。

  対前年比(%) 対前年比(%)
経済成長率 名目 -2.8 実質 -0.7
民間最終消費支出 名目 -1.0 実質 0.0
民間企業設備投資 名目 0.1 実質 1.1
輸出 名目 -2.4 実質 0.0
消費者物価    -0.3  

日本の広告費(電通調査)(2011)

○総広告費は4年連続の減少となる。東日本大震災後の広告自粛ムードが響いた。マス4媒体広告費が10-12月期は好調だったが、年間では前年を割り込んだ。衛星メディアは堅調、インターネットも増勢を維持。プロモーションメディアは前年割れ。21業種中16業種が前年を下回った。

  億円 対前年比(%)
総広告費 57,096 (97.7)
新聞 5,990 (93.7)
雑誌 2,542 (93.0)
ラジオ 1,247 (96.0)
テレビ 17,237 (99.5)
衛星メディア 891 (113.6)
インターネット 8,062 (104.1)
PM 21,127 (95.4)

※PM=プロモーションメディア

政治・経済・業界(2011)

×アラブの春-北アフリカのチュニジアから始まった民主化運動がエジプト、リビアなどの諸国に広がり政権が交代(1月~12月)。

○東京電力が初の計画停電を実施(3.14)。

○家電エコポイント制度が終了(3.31)。

○パナソニックが三洋電機とパナソニック電工を完全子会社化(4.1)。

○菅首相が中部電力の浜岡原発の停止を要請(5.6)。全炉が停止(5.14)。

○「復興庁」の設置などを内容とする「復興基本法」が成立(6.20)。

×ドイツで「脱原発」法案可決(6.30)、2022年までに全原発17基を閉鎖。

×NASAが最後のスペースシャトルを打ち上げ(7.9)。

×S&Pがアメリカ国債を最上位の「トリプルA」から1段階格下げ(8.6)。

○東芝、ソニー、日立製作所が中小型液晶事業を統合(8.31)。

○生食用牛肉の加工や調理方法を厳格化した新規制がスタート(10.1)。

○オセアニア市場で円相場が一時、1ドル75円32銭の史上最高値を更新(10.31)。

×パレスチナがユネスコに正式加盟(10.31)。

○オリンパスの1千億円以上の損失隠しが発覚(11.8)。

○野田首相が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を表明(11.11)。

○震災からの復興と円高対策を盛り込んだ総額12.1兆円規模の第3次補正予算が成立(11.21)。

○東京と大阪の両証券取引所が経営統合計画を発表(11.22)。

×アメリカン航空が破綻、アメリカ連邦破産法の適用申請(11.29)。

×気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)で京都議定書の削減義務延長と2015年までの新体制採択が合意、日本は削減義務延長を拒否(12.11)。

○野田首相が「原発事故の収束」を表明(12.16)。

×アメリカ軍のイラク撤退が完了(12.18)。

×北朝鮮が金正日総書記死去を発表(12.19)。

○住宅着工は前年比2.6%増と2年連続の増加。新車販売は同15.1%減、登録車が同16.7%減、軽自動車が11.4%減。百貨店とスーパーは15年連続の前年割れ。失業率は年間平均4.5%(岩手・宮城・福島の被災3県を除く)。12月の失業者数は前年同月比1万人増加の299万人。

○携帯電話の加入台数は12月末で1億2,176万台(イー・アクセス分を除く)。

○為替相場は史上空前の円高が継続、最終日は1ドル77円台半ば(12.30)、前年末に比べ約4円の上昇。株価は最終日が8,455円(12.30)と、年間で約17%下落、1982年(8,017円)以来の低水準となった。

マスコミ・広告・媒体(2011)

○NTTドコモや大日本印刷などの共同事業会社トゥ・ディファクトが電子書籍サービスを本格開始(1.11)。

○凸版印刷とインテルなどがクラウド型電子書籍ストア「BookLive!」をオープン(2.17)。

○毎日放送が企業ロゴ入りキャラクターが登場するアニメ『TIGER&BUNNY』の放送開始(4.2)。

×マイクロソフトがネット電話大手スカイプの買収合意を発表(5.10)。

○Facebookが国内でチェックインクーポンサービスを開始(6.7)。

○タレントの島田紳助氏が暴力団関係者との親交発覚で芸能界引退(8.23)。

○マイクロソフトが「Windows8」を発表(9.13)。

○BSデジタル放送で新しく12チャンネルがスタート(10.1)。

○DeNAが横浜ベイスターズ買収を発表(11.4)、プロ野球オーナー会議が正式承認(12.1)。

○第42回東京モーターショー開催(東京ビッグサイト、12.3~11)。

媒体の発足(2011)

○雑誌-女性誌-「Lips」マガジンハウス3.23、「LoveCeleb」宝島社4.18、「Gina」ぶんか社10.7、「KATY(ケイテイ)」トランスメディア10.25など。男性誌-「男子食堂」ベストセラーズ3.19、など。生活情報誌-「ウレぴあ」ぴあ10.25など。スポーツ誌-「VOLT」徳間書店12.17など。コミック誌-「月刊コミック@パンチ」新潮社1.21、「月刊ヒーローズ」ヒーローズ発行/小学館クリエイティブ発売11.1、「グランドジャンプ」11.16「最強ジャンプ」12.3共に集英社など。シニア誌-「ねんきん生活」主婦と生活社4.15など。

○主な休廃刊は「ぴあ首都圏版」ぴあ、「PS」小学館、「PopSister」角川春樹事務所、「スーパージャンプ」集英社、「たまひよこっこくらぶ」ベネッセコーポレーション、「月刊消費者」日本消費者協会など。

○10月1日、BSデジタル放送が12チャンネル(スポーツ、音楽、映画、アニメ、競馬など)追加され、全24チャンネルに。これでテレビ放送22、ラジオ放送1、データ放送1となる。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数100局

○コミュニティ放送局数253局(10局増)

○創復刊誌数119誌、休廃刊誌数158誌

国内10大ニュース(2011)

東日本大震災が3月11日午後2時46分に発生。岩手、宮城、福島3県の沿岸は大津波に襲われ、壊滅的な被害を受けた。

○東日本大震災、国内観測史上最大のM9.0、死者・不明者約2万人(3.11)

○東京電力福島第1原発で水素爆発事故(3.12~15)、放射能汚染が拡大

○女子サッカーW杯・ドイツ大会で「なでしこジャパン」初優勝(7.17)

○日本相撲協会が八百長問題で春場所中止を決定(2.6)

○民主党・野田佳彦新内閣が発足(9.2)

○東京スカイツリーが自立式電波塔として世界一の634メートルに到達(3.18)

○大型台風12号と15号の相次ぐ上陸で記録的な被害(9月)

○政府は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を表明(11.11)

○地上波テレビのアナログ放送終了、地上デジタル放送に移行(7.24)

○東京電力と東北電力管内で電力制限令発動(7.1)

海外10大ニュース(2011)

×タイ中部で大規模な洪水が発生、日系企業を含め被害拡大(9月~12月)

×アメリカ同時テロ首謀者のオサマ・ビンラディン容疑者殺害(5.2)

×チュニジア政権崩壊(1.15)、民主化運動「アラブの春」広がる。エジプトのムバラク大統領辞任(2.12)、リビアのカダフィ氏死亡(10.20)

×ニュージーランドでM6.3の地震、日本人28人を含む180人超が死亡(2.22)

×ギリシャの財政危機が欧州各国に波及、ユーロ危機が深刻化(10月以降)

×中国・浙江省の高速鉄道事故で40人が死亡(7.23)

×アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏が死去(10.5)

×世界人口が70億人を突破(10.31)

×中国が2010年GDP統計を発表、日本を抜いて世界第2位に(1.20)

×イギリス王室のウィリアム王子が結婚式(4.29)

生活(2011)

○東京・秋葉原のホコ天が2年7ヵ月ぶりに再開(1.23)。

○東京ディズニーリゾートが東日本大震災の影響で長期休園(3.12~4.27)。

○上野動物園がジャイアントパンダの一般公開開始(4.1)。

○福島第1原発20km圏を警戒区域に指定、立ち入り禁止で検問強化(4.22)。

○富山県の焼き肉店のユッケで食中毒発生(4.29)、その後4人死亡。

○福島第1原発1号機で核燃料溶融のメルトダウンが判明(5.12)。

○レディガガ-奇抜なファッションで話題の彼女は度々来日。東日本大震災の復興応援のメッセージが話題に。

○東京都小笠原諸島の世界自然遺産登録決定(6.25)、岩手県平泉の世界文化遺産登録決定(6.26)。

○東京電力と東北電力管内に電力使用制限令発動(7.1)。

○文部科学省と厚生労働省が2011年春の大卒就職率が過去最低の91.0%になったと発表(7.1)。

○地上波テレビのアナログ放送終了、地上デジタル放送に移行(7.24)。

×アメリカをはじめ世界各地に反格差デモが拡大(10月)。

○オウム真理教事件の裁判が終結、元幹部13人の死刑確定(11.21)。

○震災復興費財源確保のための臨時増税法が成立(11.30)。

○芦田愛菜-ドラマやCMと7歳の子役のかわいい笑顔がお茶の間を席巻。

○AKB48-売り出すCDは全て100万枚を超え、レコード大賞を受賞。メンバーのテレビCM出演が急増した。

○女子ワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」のメンバーは澤キャプテンをはじめ、多くがCMやキャンペーンに起用され話題に。

JR博多シティ(3.3)、東北新幹線「はやぶさ」デビュー(3.5)、九州新幹線全線開通(3.12)、JR東海のリニア・鉄道館(3.14)、大阪ステーションシティ(5.4)、日本初のK-POP専用劇場「K THEATER TOKYO」(5.27)、サンシャイン水族館リニューアルオープン(8.4)、藤子・F・不二雄ミュージアム(9.3)、カップヌードルミュージアム(9.17)、阪急MEN'S TOKYO(10.15)、ルミネ有楽町店(10.28)。

時の商品・新製品(2011)

○新・情報ツール-スマートフォン、タブレット型情報端末、「ツイッター」、「Facebook」、ソーシャルゲーム。

○節電関連商品-LED電球、扇風機、太陽光発電、家庭用蓄電池、涼感寝具、石油ストーブ、節電機能搭載家電、家庭用燃料電池。

○非常時用商品-自転車、スニーカー、カセットコンロ・カセットガス、カセットガスストーブ、ラジオ、ミネラルウォーター、レトルト食品、家庭用放射線測定器。

○エコロジーな商品-ハイブリッド車、電気自動車、第3のエコカー、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)、濃縮液体洗剤。

○復活した往年の人気商品-「はちみつレモン」、「1969」(由紀さおり)。

○注目を集めた商品-「東京スカイツリー」、ノンアルコール飲料、ダイエットレシピ本、ミラーレス一眼カメラ、スイッチOTC解熱鎮痛剤、PHS通話定額アプリ、「ニンテンドー3DS」、食べるラー油、B級グルメ、ホームベーカリー、マッコリ、トーニングシューズ。

○新発想商品-ポン酢ジュレ、「日清カップヌードルごはん」、肌をケアできる洗顔料、白いココア、傷跡改善外用薬、軽量眼鏡フレーム。

話題の広告(2011)

・<SoftBank 白戸家:松木先生編他>=ソフトバンクモバイル

・<公共広告 全国キャンペーン あいさつ魔法編他>=ACジャパン

・<NTTdocomo タブレット編他>=エヌ・ティ・ティ・ドコモ

・<au Android au「お待たせ」編他>=KDDI

・<ボス 教師編他>=サントリー食品インターナショナル

・<ガス・パッ・チョ!ピピッとコンロ・東京ガスストーリー消える編他>=東京ガス

・<消臭力 唄う男の子:ミゲル編他>=エステー

・<Fit's 通学路編>=ロッテ

・<MOVE VS所長展開編他>=ダイハツ工業

・<ニンテンドー3DS 大野智と松本潤:体験中・カメラ編他>=任天堂

・<iPad iPadは刺激的編他>=アップルジャパン

・<REGZA 色の旅編他>=東芝

・<探検ドリランド 英雄戦隊TOKIO編>=グリー

・<カップヌードル この味は、世界にひとつ。編他>=日清食品

・<ザ・プレミアム・モルツ アカペラ編他>=サントリー酒類

・<虫コナーズ 玄関編他>=大日本除虫菊

・<マキアージュ CHU-NEW-LIP編他>=資生堂

・<UNIQLO 日常編他>=ファーストリテイリング

・<スカパー!兄夫婦の家編他>=スカパーJSAT

・<SEIYU バスプラダンス編他>=西友

・<ダイワウーマン ヒロイン・その2編他>=大和ハウス工業

・<生きるためのがん保険Days 青いダック登場編他>=アフラック

話題のテレビ番組(2011)

○日本テレビが年間平均視聴率で8年ぶりに3冠(ゴールデン帯、プライム帯、全日帯)を獲得。

○ドラマ視聴率は、「家政婦のミタ」(日本テレビ)が平均25.2%でトップ、最終回(12.21)は40.0%を獲得した。「JIN-仁-」(TBS)、「相棒Season9」(テレビ朝日)、大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」やテレビ小説「おひさま」(各NHK総合)も話題となった。その他では、「南極大陸」(TBS)、「妖怪人間ベム」(日本テレビ)、「マルモのおきて」「謎解きはディナーのあとで」「私が恋愛できない理由」(フジテレビ)、「新・警視庁捜査一課9係」(テレビ朝日)なども健闘。

○スポーツ中継では、サッカー・AFCアジア杯戦、箱根駅伝、世界フィギュアスケート選手権、サッカー女子ロンドン五輪アジア最終予選などが高視聴率を獲得した。なでしこジャパンが初優勝を飾ったサッカー女子W杯決勝の対アメリカ戦(フジテレビ7.18)が早朝にもかかわらず、瞬間最高視聴率27.7%を記録するなど女子サッカーの人気が目立った。また、プロ野球日本シリーズ(ソフトバンク対中日)の第7戦も注目を集めた。

○バラエティは、日本テレビ系の「行列のできる法律相談所」「ザ!世界仰天ニュース」「ぐるぐるナインティナイン」「世界の果てまでイッテQ!」の4番組が上位を独占した。このほか、「クイズプレゼンバラエティQさま!!」(テレビ朝日)、「ぴったんこカン・カン」(TBS)、「ホンマでっか!?TV」「ネプリーグ」(フジテレビ)、「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ)などが人気を呼んだ。

○その他、長寿番組では、「笑点」(日本テレビ)や「サザエさん」(フジテレビ)が高視聴率を維持したが、時代劇「水戸黄門」(TBS)が視聴率低迷で42年の歴史に幕を閉じた(12.19)。

NHK(2011)

《てっぱん》17.2%《おひさま》18.8%《カーネーション》
〈江~姫たちの戦国~〉17.7%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が35.2%、第二部が41.6%。第一部、第二部ともに前年並みを確保。

○大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」の平均視聴率は前年の「龍馬伝」を1.0ポイント下回る17.7%。

○「江~姫たちの戦国~」放送終了後の12月4日~12月25日にかけ午後7時30分~9時に「坂の上の雲」第3部全4話を放送。最終回の第4話の平均視聴率は11.4%。2009年~11年までの全3部13話の放送が完了した。

○大相撲の八百長問題で休止していた総合テレビでの中継放送を7月の名古屋場所から再開。

○BS放送をBS1とBSプレミアムの2チャンネル体制に統合・再編(4.1)。

流行語(2011)

なでしこジャパン、絆、スマホ、どじょう内閣、どや顔、帰宅難民、こだまでしょうか、3.11、風評被害、ラブ注入、がんばろう日本、計画停電、ジャスミン革命、想定外、ソーシャルメディア、年の差婚、美ジョガー、マル・マル・モリ・モリ

流行歌(2011)

レコード大賞:AKB48<フライングゲット>

最優秀新人賞:Fairies<More Kiss/Song for you>

①フライングゲット<AKB48>
②Everyday、カチューシャ<AKB48>
③風は吹いている<AKB48>
④上からマリコ<AKB48>
⑤桜の木になろう<AKB48>
⑥Lotus<嵐>
⑦迷宮ラブソング<嵐>
⑧マル・マル・モリ・モリ!<薫と友樹、たまにムック。>
⑨パレオはエメラルド<SKE48>
⑩Everyday Go<Kis-My-Ft2>

○総売上金額は前年比8.5%減の2,454億円。シングルが621億円で同16.9%増、アルバムが1,834億円で同14.7%減となる。

○ミリオンセラーはシングルがAKB48の5作品、アルバムはなし。

話題の映画(2011)

洋画
①ハリー・ポッターと死の秘宝 Part2
②パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉
③ハリー・ポッターと死の秘宝 Part1
④トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
⑤カーズ 2

邦画
①コクリコ坂から
②劇場版ポケットモンスターベストウィッシュ「ビクティニと黒き英雄ゼクロム」「ビクティニと白き英雄レシラム」
③ステキな金縛り
④SPACE BATTLESHIP ヤマト
⑤GANTZ

○年間入場者は1億4,473万人で前年比83.0%、2,963万人の減少となった。映画館数は2010年より73館少ない3,339館で18年ぶりに減少に転じた。

○興行収入は1,812億円で、前年比82.1%と2年ぶりの減少となった。

ベストセラー(2011)

①謎解きはディナーのあとで<東川篤哉>

②体脂肪計タニタの社員食堂 500kcalのまんぷく定食<タニタ>

③続・体脂肪計タニタの社員食堂 もっとおいしい500kcalのまんぷく定食<タニタ>

④心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣<長谷部 誠>

⑤もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら<岩崎夏海>

○出版業界は7年連続の前年割れ。販売額は前年比3.8%減の1兆8,042億円と落ち込みに歯止めがかからなかった。書籍は0.2%減で5年連続のマイナスとなったが、前年並みを維持。雑誌は6.6%減で14年連続のマイナス。

○書籍はミリオンセラーが10点。売れる本と売れない本の二極化現象が一段と鮮明になった。

○雑誌は付録企画が前年に続いて活発だった。

話題のマンガ(2011)

○コミック誌の発行部数は前年割れ、コミックスも減少となった。

○コミック誌は月刊誌、週刊誌がともに不振のなかで、『週刊少年ジャンプ』(集英社)が堅調。『別冊少年マガジン』(講談社)、『コミックアライブ』(メディアファクトリー)、『ジャンプSQ.』(集英社)も部数を伸ばした。

○コミックスでは『ONE PIECE』(集英社)の64巻(11月発売)の初版発行部数が400万部の日本記録を更新。また、『青の祓魔師』(集英社)の7巻(9月発売)の初版発行部数が100万部を突破し話題となった。

○ONE PIECE、君に届け(各集英社)、鋼の錬金術師(スクウェア・エニックス)、NARUTO、HUNTER×HUNTER(各集英社)、聖☆おにいさん、のだめカンタービレ、進撃の巨人(各講談社)、BLEACH-ブリーチ-、青の祓魔師(各集英社)

ファッション(2011)

○環境省が夏の電力不足対策の一環として、従来のクールビズより一層の軽装を促す「スーパークールビズ」を提唱。Tシャツやジーンズ、サンダル、スニーカーなどが容認されたことで話題となった。

○靴市場では、東日本大震災で帰宅困難者が続出した影響などによりスニーカー需要が増加。なかでも、履いて歩くことで下半身が引き締められ、シェイプアップ効果があるとされるトーニングシューズが年間を通して人気を呼んだ。

○若い女性の間では、ダボッとした英国紳士風のジャケットやタッグ入りパンツなどのおじさん風ファッションが秋に流行した。

○小顔風に脚をすっきりとスタイル良く見せられるポンチョが秋冬の女性の人気アイテムとなった。

気象状況(2011)

○1月は全国的に気温が低く、日本海側の広い範囲で大雪となったが、冬型の気圧配置は長続きせず、2月後半は全国的に気温は高めだった。

○春は西日本、沖縄・奄美を中心に全国的に低温だった。北日本や東日本の日本海側では雨が多く、沖縄・奄美では日照時間がかなり少なかった。

○梅雨入り・梅雨明けは多くの地方で早く、北日本太平洋側と沖縄・奄美では降水量が少なかったが、7月下旬に「平成23年7月新潟・福島豪雨」が発生、同地域に多大な被害をもたらした。

○夏の気温は全国的に高かったが、7月下旬など太平洋高気圧が弱まって気温が低くなる時期もあるなど、変動が大きかった。

○秋の気温も全国的に高く、また、台風などの影響で降水量も多かった。特に、9月には台風12号と15号による記録的な大雨により、紀伊半島を中心に甚大な被害が発生した。

○12月は後半を中心に北日本から西日本にかけて平均気温が低く、冬型の気圧配置が強まった下旬には日本海側で大雪となった。

2010年(平成22年)

経済白書 副題(2010)

需要の創造による成長力の強化

首相 鳩山由起夫→菅直人

経済概況(2010)

平成22年の日本経済は、秋口までは景気持ち直し傾向を維持したが、10月以降は足踏み状態が続いた。輸出は中国をはじめ新興国向けを中心に回復、設備投資も改善、個人消費もエコカー補助金、家電エコポイント等の政策効果や猛暑特需などで好調だった。しかし、秋以降は急激な円高による輸出の減速、エコカー補助金の終了、猛暑特需の反動減などで景況不安が強まった。企業収益は2年連続で経常増益。国内新車販売は6年ぶりの増加。家電は薄型テレビやブルーレイレコーダー、エアコンなどが好調だった。

経済成長率 名目 1.8% 実質 3.9%
民間最終消費支出 名目 0.3% 実質 1.8%
民間企業設備投資 名目 0.8% 実質 2.1%
輸出 名目 22.5% 実質 24.0%
消費者物価    -1.0%  

日本の広告費(電通調査)(2010)

○総広告費は3年連続の減少となる。しかし、企業業績の改善、サッカーW杯南アフリカ大会、上海万博等の大型イベントの開催やエコカー補助金、エコポイントなどの景気刺激策がプラス要因となり、回復基調に。21業種中8業種が前年を上回った。インターネット、衛星メディアが好調だった。

  億円 対前年比(%)
総広告費 58,427 (98.7)
新聞 6,396 (94.9)
雑誌 2,733 (90.1)
ラジオ 1,299 (94.8)
テレビ 17,321 (101.1)
衛星メディア 784 (110.6)
インターネット 7,747 (109.6)
PM 22,147 (95.6)

※PM=プロモーションメディア

政治・経済・業界(2010)

○日本年金機構が発足(1.1)。

○日本航空が経営破綻、会社更生手続き開始を申請(1.19)。

×トヨタ自動車がアメリカで8車種計約230万台のリコールを発表(1.21)。2月上旬には日米で新型「プリウス」のリコールも発表。

×グーグルが中国本土での検索サービスを停止(3.22)。

○第一生命が株式上場(4.1)。

×EUとIMFが財政危機のギリシャに緊急融資を決定(5.2)。

○日本経団連会長に米倉弘昌・住友化学会長が就任(5.27)。

○鳩山首相が退陣表明(6.2)、菅直人新内閣発足(6.8)。

×中国人観光ビザ緩和(7.1)。

○第22回参議院選挙で民主党が改選議席を10議席下回る大敗(7.11)。

○ネット検索大手のヤフー・ジャパンとグーグルが事業提携を発表(7.27)。

○パナソニックが三洋電機の株式公開買い付け(TOB)開始を発表(7.29)。

×イラク駐留米軍の戦闘任務終了(8.31)。

○経済産業省がエコカー補助金の打ち切りを発表(9.8)。

○日本振興銀行が経営破綻、初のペイオフ発動(9.10)。

○民主党代表選挙で菅首相が小沢一郎氏を破り再選(9.14)。

○財務省が6年半ぶりに円売りドル買いに介入(9.15)。

○消費者金融大手の武富士が経営破綻、会社更生法の適用を申請(9.28)。

○たばこ1本あたり平均3.5円の大幅増税実施(10.1)。

○日本銀行がゼロ金利政策を復活(10.5)。

○ジャスダックと大証ヘラクレスが統合、新ジャスダック発足(10.12)。

○生物多様性会議(COP10)が名古屋で開催(10.18)。

×メドベージェフ・ロシア大統領が国後島訪問(11.1)。

○尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の映像が流出(11.4)。

○APEC(太平洋経済協力会議)首脳会議が横浜市で開催(11.13)。

×米GMが再上場(11.18)。

×内部告発サイトのウィキリークスがアメリカ政府の外交文書を暴露(11.28)。

×COP16閉幕、2013年以降の骨格となる「カンクン合意」を採択(12.11)。

○住宅着工は前年比3.1%増と2年ぶりに増加。新車販売は同7.5%増、登録車が同10.6%増、軽自動車が2.3%増。百貨店とスーパーは14年連続の前年割れ。失業率は年間平均5.1%で前年と同率。12月の失業者数は前年同月比19万人減の298万人。

○携帯電話の加入台数は12月末で1億1,706万台となる。

○為替相場は史上空前の円高で推移、最終日は1ドル81円台半ば(12.30)、前年末に比べ約11円の上昇。株価は最終日が1万228円(12.30)、年間で317円下落。

マスコミ・広告・媒体(2010)

×カナダ・バンクーバー冬季五輪開催(2.12~18)。日本勢は浅田真央ら銀メダル3個、銅メダル2個を獲得。

○日本気象協会が桜や紅葉など季節情報に応じた広告を配信する「気象アドネットワーク」のサービス開始(3.1)。

○日本経済新聞社が「電子版」を創刊(3.23)。

×WHO(世界保健機関)がアルコール飲料の広告などの規制案を採択(5.20)。

○ソフトバンクモバイルが「iPad」を発売(5.28)。

○鉄道会社や鉄道系広告会社11社が首都圏主要駅でデジタルサイネージの共同実証実験を開始(6.21)。

○総務省が2011年秋以降に開始される新BSデジタル放送の追加免許割り当てを5社7チャンネルに決定、全37チャンネルの割り当て完了(10.1)。

○千葉ロッテ・マリーンズが日本シリーズ制覇、5年ぶりに日本一(11.7)。

○総務省が地デジ対応のテレビや受信機の世帯普及率が9月末時点で90.3%に達したと発表(11.24)。

×サッカーW杯の2018年開催地がロシア、2022年がカタールに決定(12.2)。

媒体の発足(2010)

○雑誌-女性誌-「Celeb Scandals」ぶんか社1.18、「PopSister」角川春樹事務所4.17、「EDGE STYLE」双葉社6.7、「ランドネ」枻出版社6.23、「リンネル」宝島社10.20、「GLOW」同10.28など。男性誌-「men's FUDGE」三栄書房3.24など。生活情報誌-「日経PCビギナーズ」日経BP4.13、「オトナファミ」エンターブレイン11.20など。ゴルフ誌-「EVEN」枻出版社5.6など。児童誌-「GAKUMANplus」小学館4.15など。歴史情報誌-「歴史人」ベストセラーズ9.11など。コミック誌-「ヤングエース」角川グループパブリッシング4.3、「SPA!コミックス」扶桑社5.15、「ARIA」講談社7.28など。

○主な休廃刊は「学習」「科学」学研、「sabra」「小学5年生」小学館、「NAVI」二玄社、「電気店」電波新聞社、「スコラ」スコラマガジン、「スイングジャーナル」スイングジャーナル社、「大相撲」読売新聞東京本社、「コミックパンチ」新潮社など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数100局

○コミュニティ放送局数243局(8局増)

○創復刊誌数110誌、休廃刊誌数216誌

国内10大ニュース(2010)

○尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突(9.7)、中国人船長の逮捕で日中関係悪化

○北海道大学の鈴木章名誉教授とアメリカ・パデュー大学の根岸英一特別教授のノーベル化学賞授賞決定(10.6)

○宮崎県で口蹄疫の牛を確認(4.20)、県内に汚染が広がる

○日本全国が観測史上最も暑い夏に(6月~8月)

○鳩山首相が退陣表明(6.2)、菅直人新内閣発足(6.8)

○小惑星探査機「はやぶさ」が7年ぶりに帰還(6.13)

○第22回参議院選挙で民主党が改選議席を10議席下回る大敗(7.11)

○日本相撲協会が野球賭博問題で大関琴光喜と大嶽親方を解雇(7.4)

○最高検が大阪地検特捜部主任検事を郵便不正事件における証拠改竄容疑で逮捕(9.21)、元上司の前特捜部長と前副部長を犯人隠避で逮捕(10,1)

○FIFAワールドカップ南アフリカ大会で日本代表がベスト16と健闘(6.29)

海外10大ニュース(2010)

×チリの鉱山落盤事故(8.5)で閉じこめられた作業員33人全員を救出(10.13)

×北朝鮮軍が韓国の延坪島を砲撃、4人が死亡(11.23)

×上海万博開催、史上最多の入場者数7,308万人を達成(5.1~10.31)

×ハイチのM7.0の地震で約23万人死亡(1.12)

×メキシコ湾の深海油田で掘削施設が爆発(4.20)、原油流出が続きアメリカ史上最悪の海洋汚染事故に拡大

×北朝鮮の金正日総書記の三男、金正恩氏が軍の指導部ポストに就任(9.28)

×中国で服役中の民主活動家、劉暁波氏のノーベル平和賞授賞決定(10.8)

×韓国軍哨戒艦が黄海で沈没(3.26)、韓国調査団は北朝鮮潜水艦による魚雷攻撃が原因と断定(5.20)

×自宅軟禁下にあったミャンマーの民主化運動指導者、アウン・サン・スー・チーさんが7年半ぶりに解放(11.7)

×アイスランドの火山が噴火(4.14)、欧州発着の航空便の多くが運行中止に

生活(2010)

○横綱・朝青龍が引退(2.4)。

×チリでM8.8の地震、死者450人超(2.27)。

○足利事件の菅家利和さんの無罪確定(3.26)。

○建設中の東京スカイツリーが東京タワー(333m)を抜き日本一に(3.29)。

○高校無償化法案が成立(3.31)。

○診療報酬を10年ぶりに増額改定(4.1)。

×中国の青海省でM7.1の地震、死者約2,700人(4.14)。

○殺人などの公訴時効を廃止・延長する刑事訴訟法改正が成立(4.27)。

○子ども手当(月額1万3千円)の支給開始(6.1)。

○改正臓器移植法施行、家族の承諾で臓器提供が可能に(7.17)。

×ビキニ環礁が核兵器の惨禍を伝える負の遺産として世界遺産に登録(7.31)。

○所在不明の高齢者が相次ぐ(8月)。

○郵便不正事件で村木厚子元厚労省局長に無罪判決(9.10)。

×シアトル・マリナーズのイチロー選手が10年連続200本安打達成(9.23)。

○羽田空港の4本目のD滑走路が運用開始(10.21)。

○横綱・白鵬の連勝が63でストップ、平幕の稀勢の里に破れる(11.15)。

○2011年春卒業の大学生の12月1日現在の就職内定率が過去最低の68.8%に。

○東北新幹線が新青森駅まで延伸し全線開通(12.4)。

○早稲田大学の斉藤祐樹投手が日本ハムに入団(12.9)。

○絶滅種の淡水魚クニマスの生息を確認(12.15)。

○西武有楽町店閉店(12.25)。

茨城空港(3.11)、成田スカイアクセス(7.17)、三越銀座店改装(9.11)、コピス吉祥寺(10.15)、羽田空港新国際線ターミナルビル(10.21)、COREDO(コレド)室町(10.28)、YUITO(ユイト)(10.28)

時の商品・新製品(2010)

○新時代感覚商品-スマートフォン、3D映画・テレビ・カメラ、電子書籍端末、タブレット型情報端末、地デジ対応薄型大画面テレビ、「ツイッター」、「facebook」。

○猛暑特需商品-エアコン、アイスクリーム、氷菓、涼感寝具、保冷枕、冷感美容液、衣類用冷感スプレー。

○低価格・高付加価値商品-ファストファッション、ヒートテック、コンビニロールケーキ、低価格基礎化粧品。

○エコロジーな商品-ハイブリッド車(「プリウス」「フィットハイブリッド」)、電気自動車(「アイ・ミーブ」「リーフ」)、LED電球、節水用液体洗剤。

○復活した往年の人気商品-ハイボール、「ミルミル」、「ラ王」、「メタルファイトベイブレード」、「ハイパーヨーヨー」、「爆丸」。

○注目を集めた商品-「東京スカイツリー」、「羽田空港」、「平城遷都1300年祭」、「ビッグアメリカシリーズ(ハンバーガー)」、B級グルメ、200円台牛丼、格安航空チケット、禁煙補助薬、しじみ成分入りみそ汁、ミラーレス一眼カメラ。

○新発想商品-食べるラー油、縦型カップ焼きそば、ライスブレッドクッカー「ゴパン」、携帯用電動歯ブラシ、電子レンジ用魚焼きパック、針なしホッチキス、羽根のない扇風機、アルコール・カロリー・糖類ゼロ飲料、電子タバコ。

話題の広告(2010)

・<SoftBank スーパーサブ編、白戸家シリーズ他>=ソフトバンクモバイル

・<au ガンガン学割編他>=KDDI

・<NTT docomo 堀北とカエラ編他>=エヌ・ティ・ティ・ドコモ

・<もっと頼れる医療保険 新EVER まねきねこダックシリーズ>=アフラック

・<Fit's 電車編他>=ロッテ

・<NOTE 低燃費オンジ編他>=日産自動車

・<ボス 2つのタワー編他>=サントリー

・<Tanto わかさぎ釣り編他>=ダイハツ工業

・<ダイワハウス NEW HERO編他>=大和ハウス工業

・<ガス・パッ・チョ!ピピッとコンロ・ガスツアー便利編他>=東京ガス

・<NEWスーパーマリオブラザーズWii こんな�����び方もあります。編、スピードクリア編>=任天堂

・<特選丸大豆しょうゆ 幸せって何だっけ?編>=キッコーマン

・<トリスウィスキー いろんな所で編他>=サントリー

・<モバゲータウン 同窓会編他>=ディー・エヌ・エー

・<GREE メジャーゲームシリーズ>=グリー

・<120年間、おつかれさまでした。そして、ありがとうございました。>=東芝

話題のテレビ番組(2010)

○フジテレビが年間平均視聴率で7年連続の3冠(ゴールデン帯、プライム帯、全日帯)を達成。

○ドラマ視聴率は、平均20%超えの連続ドラマが1本もなく低調が目立った。「相棒season9」(テレビ朝日)が平均19.7%でトップ。大河ドラマ「龍馬伝」やテレビ小説「ゲゲゲの女房」(各NHK総合)も話題となった。その他では、「臨場2」(テレビ朝日)、「フリーター、家を買う。」「月の恋人~Moon Lovers~」「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-2nd season」(フジテレビ)、「ホタルノヒカリ2」(日本テレビ)、「新参者」(TBS)などが健闘。

○スポーツ中継では、サッカーW杯の日本代表戦が視聴率上位を独占。ベスト8をかけた「日本×パラグアイ」戦(TBS・6月29日)は57.3%を獲得し年間視聴率トップとなった。バンクーバー冬季五輪では浅田真央選手が銀メダルとなった女子フィギュアスケートが人気を呼んだ。このほか、箱根駅伝やプロ野球日本シリーズの中日×ロッテ戦なども注目を集めた。

○巨人戦ナイター中継の年間平均視聴率は前年を1.6ポイント下回る8.2%。

○バラエティは、「行列のできる法律相談所」「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ)が引き続き高視聴率を維持。4月開始の「そうだったのか!池上彰の学べるニュース」(テレビ朝日)が好調で知的バラエティという新たなジャンルを開拓した。「世界一受けたい授業」(日本テレビ)、「ネプリーグ」(フジテレビ)、「ぴったんこカン・カン」(TBS)、「秘密のケンミンSHOW」(日本テレビ)なども健闘した。

○その他、長寿番組の「笑点」(日本テレビ)や「サザエさん」(フジテレビ)も高視聴率を獲得した。

NHK(2010)

《ウェルかめ》13.5%《ゲゲゲの女房》18.6%《てっぱん》
〈龍馬伝〉18.7%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が35.7%、第二部が41.7%。第一部は前年を下回ったが、第二部は上回った。

○大河ドラマ「龍馬伝」の平均視聴率は前年の「天地人」を2.5ポイント下回る18.7%。

○「龍馬伝」放送終了後の12月5日~12月26日にかけ午後8時から「坂の上の雲」第2部全4話を放送。

○大相撲の野球賭博問題でNHK記者が捜査情報を関係者の親方に漏らしていたことが発覚し(7.6)、社会問題となった。また、名古屋場所(7.11~25)の生中継を全面中止。1953年の中継放送開始以来、中止したのは初めて。

流行語(2010)

ゲゲゲの、いい質問ですねぇ、イクメン、AKB48、女子会、脱小沢、食べるラー油、ととのいました、~なう、無縁社会、何か持っていると言われ続けてきました、パワースポット、山ガール、2位じゃダメなんですか

流行歌(2010)

レコード大賞:EXILE「I Wish For You」

最優秀新人賞:スマイレージ「夢見る15歳」

①Beginner<AKB48>
②ヘビーローテーション<AKB48>
③Troublemaker<嵐>
④Monster<嵐>
⑤ポニーテールとシュシュ<AKB48>
⑥果てない空<嵐>
⑦Love Rainbow<嵐>
⑧チャンスの順番<AKB48>
⑨Dear Snow<嵐>
⑩To be free<嵐>

○総売上金額は前年比4.7%減の2,792億円。シングルが531億円で同7.8%増、アルバムが2,150億円で同11.8%減となる。

○ミリオンセラーはシングルはなし、アルバムは1作品。

話題の映画(2010)

洋画
①アバター
②アリス・イン・ワンダーランド
③トイ・ストーリー3
④カールじいさんの空飛ぶ家
⑤バイオハザードⅣ アフターライフ

邦画
①借りぐらしのアリエッティ
②THE LAST MESSAGE 海猿
③踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!
④ONE PIECE film STRONG WORLD
⑤劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール 幻影の覇者 ゾロアーク

○年間入場者は1億7,436万人で前年比103.0%、506万人の増加となった。映画館数は2009年より16館増え、3,412館で17年連続の増加。

○興行収入は2,207億円で、前年比107.1%と2年連続の増加となった。

ベストセラー(2010)

①もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら<岩崎夏海>
②1Q84(BOOK3)<村上春樹>
③伝える力<池上彰>
④くじけないで<柴田トヨ>
⑤超訳 ニーチェの言葉<F.W.ニーチェ>

○出版業界は6年連続の前年割れ。販売額は前年比3.1%減の1兆8,748億円と落ち込みに歯止めがかからなかった。書籍は3.3%減で4年連続のマイナス、雑誌は3.0%減で13年連続のマイナス。

○書籍はミリオンセラーが5点。売れる本は突出して売れ、それ以外は低調という二極化現象が顕著だった。ビジネス書の健闘が目立った。

○雑誌は前年に続き付録企画が活発だった。

話題のマンガ(2010)

○コミック誌はマイナス基調が続いたが、コミックスは微増となった。

○コミック誌は月刊誌、週刊誌がともに不振。こうしたなかで、子ども向け月刊誌の『コロコロコミック』(小学館)や大人向け月刊誌の『コミック乱』(リイド社)などが堅調だった。

○コミックスでは『ONE PIECE』(集英社)の最新刊(60巻・11月発売)の初版発行部数が1冊の書籍としては最多の340万部を記録。また、60巻までの累計販売部数が2億部を突破し話題となった。

○ONE PIECE(集英社)、鋼の錬金術師(スクウェア・エニックス)、NARUTO、君に届け(集英社)、のだめカンタービレ、聖☆おにいさん(講談社)、新世紀エヴァンゲリオン(角川グループパブリッシング)、BLEACH-ブリーチ-(集英社)、大奥(白水社)、テルマエ・ロマエ(エンターブレイン)

ファッション(2010)

○ファストファッション人気が継続。フォーエバー21の松坂屋銀座店への出店が注目を集めたほか、H&Mも出店を強化するなど海外ファストファションがブームを牽引。国内のユニクロやしまむら等の低価格カジュアルも健闘した。

○上からすっぽりかぶるニット素材のポンチョが女性に流行。通販やカジュアル専門店、百貨店など幅広い業態で売れ筋アイテムとなった。

○登山ブームを背景に女性の間で、レギンスの上に山スカートを履く「山ガール」ファッションが大流行となり、スポーツ専門店などは山スカートの売り上げを大幅に伸ばした。

○秋冬ファッションでは、ファー(毛皮)小物がヒット。帽子や耳当て、バッグ、ブーツカバーなど自分の好みに合わせて、アクセントとしてファーを使用する装いが若い女性を中心に人気を呼んだ。

気象状況(2010)

○1月と2月の平均気温は全国的に高かったが、気候の変動が激しく、日本海側の各地では大雪となった。

○春は全国的に寒暖の差が大きく、4月17日には東京などで史上最も遅い記録に並ぶ降雪が観測された。

○梅雨入りは、全国的に遅く、梅雨明けが早い地方が多かったが、梅雨前線の活動は活発で梅雨時期の降水量は平年並みだった。

○夏は強い太平洋高気圧に覆われることが多く、8月を中心に全国各地が猛暑に見舞われた。平均気温は観測データが存在する1898年以降の113年間で最も高い記録となった。

○秋は全国的に9月の残暑が厳しく、10月の気温も高めだったが、11月には高温が解消した。台風の接近数は7個と平年を下回ったが、沖縄・奄美地方では降水量が多かった。特に奄美大島では10月20日に1日の雨量としては観測史上最多の622ミリを記録する集中豪雨が発生し大被害を受けた。

○12月は北日本や東日本では暖かい日が多かったが、日本海側では下旬に強い寒気が到来し記録的な積雪となる地域もあった。

2009年(平成21年)

経済白書 副題(2009)

危機の克服と持続的回復への展望

首相 麻生太郎→鳩山由紀夫

経済概況(2009)

平成21年の日本経済は、前年秋のリーマン・ショック以降の世界同時不況を背景に景気低迷が続いた。輸出は中国などアジア向けを中心に改善、個人消費も政府の消費刺激策により微増に転じたが、一方で春頃からデフレが進行、企業収益環境が悪化した影響で設備投資はマイナス基調が続いた。円高不安も重なり、景気回復には至らなかった。企業収益はコスト削減などで2年ぶりの経常増益。国内新車販売は5年連続の減少。百貨店やスーパーも低調。家電は薄型テレビとブルーレイレコーダーが健闘した。

経済成長率 名目 -6.1% 実質 -5.2%
民間最終消費支出 名目 -3.1% 実質 -1.0%
民間企業設備投資 名目 -21.6% 実質 -19.3%
輸出 名目 -32.8% 実質 -24.0%
消費者物価    -1.3%  

日本の広告費(電通調査)(2009)

○総広告費は景気低迷を背景に2年連続の減少となる。衆議院総選挙、エコカー減税、エコポイントなどプラス材料はあったものの、世界的不況で低調だった。21業種中20業種が前年割れとなった。衛星メディアとインターネットは前年を上回った。

  億円 対前年比(%)
総広告費 59,222 (88.5)
新聞 6,739 (81.4)
雑誌 3,034 (74.4)
ラジオ 1,370 (88.4)
テレビ 17,139 (89.8)
衛星メディア 709 (104.9)
インターネット 7,069 (101.2)
PM 23,162 (88.2)

※PM=プロモーションメディア

政治・経済・業界(2009)

○日経平均株価の終値が7,054円、バブル後の最安値更新(3.10)。

○損保ジャパンと日本興亜損害保険が2010年4月の経営統合で基本合意(3.13)。

○政府が省エネ家電の「エコポイント」、エコカー購入補助金などを含む総額15兆円の経済対策を発表(4.10)。

○三井住友FGが日興コーディアル証券の買収を発表(5.1)。

×北朝鮮が2度目の地下核実験(5.25)。

○新生銀行とあおぞら銀行が2010年10月の合併で合意(7.1)。

×イタリアでG8ラクイラサミット開催(7.8~7.10)。

○7月の完全失業率が過去最悪の5.7%に。総務省発表(8.28)。

○消費者庁が発足(9.1)。

○前原誠司国土交通大臣が八ツ場ダムの建設中止を表明(9.17)。

○鳩山首相が国連気候変動サミットで温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減する中期目標を発表(9.22)。

○日本航空の経営が悪化(10.29)。

○住友信託銀行と中央三井トラスト・ホールディングスが2011年春の統合を発表(11.6)。信託業界首位に。

○ファミリーマートがam/PMの子会社化発表(11.13)。2010年春合併へ。

×ファンロンパイ・ベルギー前首相が初代EU大統領(首脳会議常任議長)に選出(11.19)。

○ドバイ・ショックで円急騰、1995年以来の1ドル84円台に突入(11.27)。

○「郵政民営化凍結法」成立(12.4)。

○日米が航空自由化(オープンスカイ)協定に合意(12.11)。

×コペンハーゲンのCOP15閉幕。京都議定書後の合意は不成立(12.19)。

○パナソニックが三洋電機を子会社化(12.21)。

○三井住友海上、あいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険3社の各臨時株主総会で2010年4月の経営統合が最終承認(12.22)。

○住宅着工は前年比27.9%減、1964年以来45年ぶりに80万戸を割り込む。新車販売は同9.3%減、登録車が同9.1%減、軽自動車が9.7%減。百貨店とスーパーは13年連続の前年割れ。失業率は年間平均で5.1%と大幅に悪化。12月の失業者数は前年同月比47万人増の317万人。

○携帯電話の加入台数は12月末で1億1,062万台となる。

○為替相場は円高で推移、最終日は1ドル92円12銭(12.30)、前年末に比べ1円86銭上昇。株価は最終日が1万546円(12.30)、年間で19%上昇。

マスコミ・広告・媒体(2009)

○三菱自動車が「ダカール・ラリー(パリ・ダカ)」から撤退を表明(2.4)。

○アメリカ・アカデミー賞で「おくりびと」が外国語映画賞、「つみきのいえ」が短編アニメーション賞を受賞(2.22)。

○日本テレビの久保伸太郎社長が「真相報道バンキシャ!」の虚偽報道問題で引責辞任(3.16)。

○任天堂と電通のWii向け動画配信サービス「Wiiの間」開始(5.1)。

○大日本印刷と講談社、小学館、集英社がブックオフの株式約31%(議決権ベース)の取得を発表(5.13)。

○サッカー日本代表が4大会連続のワールドカップ出場を決める(6.6)。

○2019年のラグビー・ワールドカップの日本開催決定(7.28)。

×2016年の夏季五輪の開催地がリオデジャネイロに決定(10.2)。

○「Windows7」発売(10.22)。

○「第41回東京モーターショー2009」開催(10.23~11.4)。

○トヨタ自動車がF1撤退を発表(11.4)。

○読売ジャイアンツが日本シリーズ制覇、7年ぶりに日本一(11.7)。

○BSデジタル放送受信機の普及数は6,535万台、CS放送の契約件数は371万件となる(12月末)。

媒体の発足(2009)

○雑誌-女性誌-「GINGER」幻冬舎3.23、「美STORY」光文社8.18、「Used Mix」ベストセラーズ9.23など。男性誌-「男の隠れ家」朝日新聞出版5.27など。生活情報誌-「MONOQLO」普遊舎3.19、「misaki」PHP研究所4.6、「ファミリーウォーカー」角川マーケティング6.24、「EFiL」扶桑社10.1、「家電批評」普遊舎11.2など。児童誌-「アイラブママ」インフォレスト3.17、「ジュニアエラ」朝日新聞出版4.15など。コミック誌-「ゲッサン(月刊サンデー)」5.12、「月刊ビッグコミックスピリッツ」8.27各小学館、「別冊少年マガジン」講談社9.9など。

○主な休廃刊は「広告批評」マドラ出版、「BRIO」光文社、「Cawaii!」主婦の友社、「エスクァイア日本版」エスクァイアマガジンジャパン、「マリ・クレール」アシェット婦人画報社、「諸君!」文芸春秋、「スタジオボイス」INFASパブリケーションズ、「PINKY」集英社、「小学五年生」「小学六年生」各小学館など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数101局

○コミュニティ放送局数235局(10局増)

○創復刊誌数135誌、休廃刊誌数189誌

国内10大ニュース(2009)

○第45回衆議院総選挙で民主党が圧勝(8.30)。鳩山連立内閣が発足(9.16)

○新型インフルエンザが国内でも大流行

○裁判員制度施行(5.21)。東京地裁で全国初の裁判員裁判の公判開始(8.3)

○プロ野球日本代表チームがWBC連覇(3.23)

○芸能界に薬物汚染広がる。酒井法子容疑者を覚醒剤所持容疑で逮捕(8.8)

○天皇、皇后両陛下が即位20周年(1.7)

○ETC搭載自動車の休日の「高速道路上限1,000円がスタート(3.28)

○足利事件で服役中の菅家利和さんが17年半ぶりに釈放(6.4)

○脳死を人の死と認める改正臓器移植法が成立(7.13)

○行政刷新会議の「事業仕分けで1兆9,500億円捻出(11.11~27)

海外10大ニュース(2009)

×新型インフルエンザが世界で猛威。死者1万人を超える

×第44代アメリカ大統領にバラク・オバマ氏が就任(1.20)

×マイケル・ジャクソン氏が急死(6.25)

×アメリカ自動車大手のクライスラー(4.30)とGM(6.1)が相次ぎ経営破綻

×オバマ大統領が「核なき世界」の推進でノーベル平和賞受賞決定(10.9)

×北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射(4.5)

×韓国釜山市の室内射撃場火災で日本人10人を含む15人が死亡(11.14)

×中国新疆ウイグル自治区のウルムチで暴動、武力鎮圧で死者197人(7.5)

×サモア諸島沖のM8.0の地震で死者・不明者143人(9.29)、インドネシアのスマトラ島沖のM7.9の地震で1,195人死亡(9.30)

×ウサイン・ボルトがベルリン世界陸上の男子100メートル決勝で9秒58の世界新記録(8.16)

生活(2009)

×USエアウェイズの旅客機がニューヨークのハドソン川に不時着。乗客・乗員は全員無事(1.15)。

○汚染米虚偽表示容疑で「三笠フーズ」社長らを逮捕(2.10)。

○総額2兆円の「定額給付金」の関連法成立(3.4)。

○「ハンセン病問題基本法」施行(4.1)。

×マリナーズのイチローが日米通算3,086安打、日本プロ野球の通算最多安打記録を更新(4.16)。

○新型インフルエンザ、国内で初確認(5.9)。アメリカから帰国の高校生3人。

×全盲の辻井伸行さんがアメリカの「バン・クライバーン国際ピアノコンクール」で優勝(6.7)。

×世界保健機関、新型インフルエンザの警戒度を最高のフェーズ6へ(6.11)。

○水俣病被害者を救済する特別措置法が成立(7.8)。

○北海道大雪山系で中高年ツアー客らが遭難、10人死亡(7.16)。

○鹿児島県の奄美大島などで皆既日食。国内陸地では46年ぶりに観測(7.22)。

○台風9号により兵庫県など4県で死者・不明者が27人(8.10)。

○女子テニスの杉山愛が引退表明(9.9)。

○新型インフルエンザのワクチン接種開始(10.19)。

×ヤンキースの松井秀喜がワールドシリーズで日本人初のMVP獲得(11.4)。

○俳優の森繁久弥さん死去(11.10)

○中小企業の借金や住宅ローンの返済猶予を促す「返済猶予法」成立(11.30)。

○「肝炎対策基本法」が成立(11.30)。

○「原爆症救済法」が成立(12.1)。

○男子ゴルフの石川遼が史上最年少の賞金王(12.6)。

シャングリラ・ホテル東京(3.2)、キットソン1号店(3.8)、キッザニア甲子園(3.27)、FOREVER21(4.29)、富士山静岡空港(6.4)、LABI1日本総本店池袋(10.30)、ヴィーナスフォート・アウトレット(12.11)、アバクロンビー&フィッチ(12.15)

時の商品・新製品(2009)

○低価格商品-激安ジーンズ、低価格カジュアル衣料、日本マクドナルドバリュー戦略商品、1000円高速、韓国旅行、格安弁当、「餃子の王将」、PB(プライベート・ブランド)。

○健康・美容関連商品-新型インフルエンザ対策グッズ(マスク、消毒液、イオン発生機)、発毛剤。

○エコロジーな商品-ハイブリッド車(「プリウス」「インサイト」)、電気自動車、エコカー減税・補助金対象車、エコポイント省エネ家電、LED電球、節水用液体洗剤、軽量ペットボトル入り天然水。

○復活した往年の人気商品-ハイボール、「ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人」、「ベイブレード」、「ザ・ビートルズ リマスター盤CD」、「機動戦士ガンダム」放映開始30周年記念イベント。

○注目を集めた商品-規格外野菜、「ツイッター」、「iPhone3GS」、「OLYMPUS PEN」、ドット入り罫線ノート、ETC、小型耕運機、「国宝 阿修羅展」。

○新発想商品-アルコール完全ゼロのビールテイスト飲料、噛むのが面倒な人向けのチューインガム、スプレー式整髪料、電動マスカラ、泡状ヘアカラー、折りたたみキーボード付き電子メモ帳、蒸気レス炊飯器。

話題の広告(2009)

・<SoftBank SMAP大移動編、白戸家シリーズ>=ソフトバンクモバイル

・<au 朝のはじまり編他>=KDDI

・<NTT DOCOMO 家族だから(家族への通話無料)編他>=エヌ・ティ・ティ・ドコモ

・<Fit's 噛むとフニャン編他>=ロッテ

・<ニンテンドーDSi 衣装編他>=任天堂

・<ファンタ ファン太郎が行く 俺たちのサイダー編他>=日本コカ・コーラ

・<キリン一番搾り生ビール 夏・サーバー編他>=キリンビール

・<新EVER まねきねこダック登場編他>=アフラック

・<フレッツ光 大忙し編他>=NTT東日本

・<ギャツビー 変身編他>=マンダム

・<ダイワハウス ダイワハウスが言えない男編他>=大和ハウス

・<トヨタ 子ども店長・給食編他>=トヨタ自動車

・<ムーヴ エコカー減税&補助金編他>=ダイハツ

・<NOTE やまびこ編他>=日産自動車

・<ウーノフォグバー 平成遣欧使節団編他>=資生堂

・<角瓶 来店編他>=サントリー

・<MOTTAINAIキャンペーン>=伊藤忠商事

話題のテレビ番組(2009)

○フジテレビが年間平均視聴率で6年連続の3冠(ゴールデン帯、プライム帯、全日帯)を達成。

○ドラマ視聴率は、NHK大河ドラマ「天地人」が年間を通して高視聴率を獲得。1月25日放送分は26.0%(NHK総合)と他のドラマを抑え年間最高視聴率を記録。2位が「JIN-仁-(最終回)」(TBS・25.3%)、3位が「MR.BRAIN(初回)」(TBS・24.8%)、4位が「コード・ブルーSP(1月10日放送)」(フジテレビ・25.6%)、5位が「相棒(3月11日放送)」(テレビ朝日・21.7%)。その他では、「刑事一代・平塚八兵衛の昭和事件史第2夜)」(テレビ朝日)、「ドラマ・サザエさん」、「BOSS」(各フジテレビ)、「ウェルかめ」(NHK)、「24時間TVドラマスペシャルにぃのことを忘れないで」(日本テレビ)などが健闘。

○スポーツ中継では、「プロボクシグWBC世界フライ級タイトルマッチ・内藤大助×亀田興毅」が年間視聴率総合トップの43.1%(TBS)を獲得。また、野球のWBCの日本戦中継番組が軒並み高視聴率となった。このほか、「全日本フィギュア女子フリー」、「東京箱根間往復大学駅伝」、「大相撲初場所・千秋楽」などが人気を呼んだ。

○巨人戦ナイター中継の年間平均視聴率は前年を0.3ポイント上回る10.0%。

○日本テレビ恒例の「24時間テレビ愛は地球を救う」では、“珍獣ハンター”タレントのイモト・アヤコがチャリティ・マラソンに挑戦、最終時間帯の視聴率が31.1%を記録した。

○バラエティは、「ネプリーグ」(フジテレビ)、「行列のできる法律相談所」(日本テレビ)、「クイズ!ヘキサゴンⅡ」(フジテレビ)、「世界の果てまでイッテQ」(日本テレビ)、「はねるのトびら」(フジテレビ)などが人気を集めた。

○その他、「笑点」(日本テレビ)も高視聴率を獲得した。

NHK(2009)

《だんだん》16.2%《つばさ》13.8%《ウェルかめ》
〈天地人〉21.2%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が37.1%、第二部が40.8%。第一部は前年を上回ったが、第二部は下回った。

○大河ドラマ「天地人」の平均視聴率は前年の「篤姫」を3.3ポイント下回る21.2%となる。

○「天地人」放送終了後の11月29日~12月27日にかけ午後8時から「坂の上の雲」第1部全5話を放送。

○2008年12月1日に開始した有料番組配信サービス「NHKオンデマンド」の年間売上高は約2億1,000万円にとどまり、2009年度末までの売上計画約27億円の達成は困難な状況に。

流行語(2009)

政権交代、こども店長、事業仕分け、新型インフルエンザ、草食男子、脱官僚、派遣切り、ファストファッション、ぼやき、歴女(レキジョ)、エコカー減税、エコポイント、1000円高速、小沢ガールズ、チェンジ、990円ジーンズ、トゥース

流行歌(2009)

レコード大賞:EXILE<Someday>

最優秀新人賞:BIGBANG<Rain Is Fallin’>

①Believe/曇りのち、快晴<嵐/矢野健太 Starring Satoshi Ohno>
②明日の記憶/Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~<嵐>
③マイガール<嵐>
④愛のままで…<秋元順子>
⑤Everything<嵐>
⑥イチブトゼンブ/DIVE<B'z>
⑦RESCUE<KAT-TUN>
⑧ひまわり<遊助>
⑨ONE DROP<KAT-TUN>
⑩急☆上☆Show!!<関ジャニ∞>

○総売上金額は前年比11.0%減の2,939億円。シングルが493億円で同9.2%減、アルバムが2,446億円で同11.3%減となる。

○ミリオンセラーはシングルはなし、アルバムでは3作品。

話題の映画(2009)

洋画
①ハリー・ポッターと謎のプリンス
②レッドクリフPartⅡ 未来への最終決戦
③マイケル・ジャクソン THIS IS IT
④WALL・E ウォーリー
⑤2012

邦画
①ROOKIES-卒業-
②おくりびと
③劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール アルセウス超克の時空へ
④20世紀少年<最終章>ぼくらの旗
⑤ヱバンゲリヲン新劇場版:破

○年間入場者は1億6,930万人で前年比105.5%、881万人の増加となった。映画館数はシネコンの増加が続き、2008年より37館増え、3,396館で16年連続の増加。

○興行収入は2,060億円で、前年比105.7%と3年ぶりの増加となった。

ベストセラー(2009)

①1Q84(BOOK1・2)<村上春樹>
②読めそうで読めない間違いやすい漢字<出口宗和>
③私服だらけの中居正広増刊号 輝いて
④告白<湊かなえ>
⑤「脳にいいこと」だけをやりなさい!<M.シャイモフ、茂木健一郎訳>

○出版業界は5年連続の前年割れ。販売額は前年比4.1%減の1兆9,356億円と21年ぶりに2兆円割れとなった。書籍は4.4%減で3年連続のマイナス、雑誌は3.9%減で12年連続のマイナス。

○書籍はミリオンセラーが2点。『1Q84』が1・2巻合計で223万部と突出して部数を伸ばし、村上春樹ブームに沸いた。

○雑誌は有名ブランドの付録つきファッション誌が人気を呼んだ。

話題のマンガ(2009)

○コミック誌、コミックスはいずれもマイナス基調が続いた。

○コミック誌は月刊誌、週刊誌がともに不振。『週刊少年マガジン』(講談社)など低迷が目立ったが、12月発売の『週刊少年ジャンプ』(集英社)の発行部数が300万部を超え話題となった。。

○少年コミック誌では『別冊少年マガジン』(講談社)が9月に創刊され、注目を集めた。

○ONE PIECE、NANA(各集英社)、鋼の錬金術師(スクウェア・エニックス)、NARUTO(集英社)、のだめカンタービレ(講談社)、BLEACH-ブリーチ-(集英社)、聖☆おにいさん(講談社)、君に届け(集英社)

ファッション(2009)

○ファーストリテイリング系のジーユーが3月に発売した990円ジーンズが大ヒット。スーパーやディスカウント店も相次ぎ低価格ジーンズを投入し売上げを伸ばすなど、激安ジーンズが話題を集めた。

○他方、価格を抑えつつ流行のスタイルを素早く取り入れるファストファッションが安いだけでは満足しない若い女性を中心に大ブームとなった。スウェーデンの「H&M」や、4月に進出したアメリカの「FOREVER21」が安価でデザイン性が高いことから人気を呼んだ。

○低価格店が席捲するなかで、3月にアメリカのセレクトショップ「キットソン」、12月にアメリカの高級カジュアル「アバクロンビー&フィッチ」が出店。

比較的高価格の品揃えにもかかわらず人気店となった。

○タンクトップやTシャツなどの普段着からワンピースに至るまで、スパンコールを付けたファッションが20~30代の若い女性の間で流行した。

気象状況(2009)

○年初は気温は低かったが、1月は北日本、東日本を中心に、2月は全国的に暖冬だった。日本海側を中心に降雪量は少なかった。

○3月は気候の変動が激しかったが、4、5月は晴れの日が目立った。春は全国的に降水量が少なく、日照時間が多かった。

○梅雨入りは、東北地方から九州北部地方は早かったが、九州南部から沖縄は遅かった。太平洋高気圧の張り出しが弱かったため、梅雨明けは多くの地方で遅くなったほか、東北など梅雨明けが特定できない地方もあった。

○7月から8月は、各地で大雨が続いた。西日本では7月19日から26日に、中国地方から九州北部にかけ記録的な大雨に見舞われ、被害が続出した。この大雨は「平成21年7月中国・九州北部豪雨」と命名された。また、8月8日から11日には、台風9号の影響で東日本から西日本にかけて記録的な大雨となった。

○9月は少雨で晴れの日が多かったが、10月、11月は多雨と対照的であった。10月には台風18号が2年ぶりに上陸、東日本から北日本を縦断、各地で暴風や大雨となった。

○12月は気温の変動が激しく、上旬は全国的に高かったが、中旬以降は強い寒気が南下、日本海側では大雪となった。

2008年(平成20年)

経済白書 副題(2008)

リスクに立ち向かう日本経済

首相 福田康夫→麻生太郎

経済概況(2008)

平成20年の日本経済は、サブプライムローン問題を起因としたアメリカ発の金融不安による世界経済の減速を背景に景気が悪化した。米欧向けを中心に輸出が失速、設備投資が落ち込み、個人消費も低迷した。特に、アメリカの証券大手リーマン・ブラザーズが9月15日に破綻後、世界景気が急減速、株安、資源安が進行、為替市場はドル・ユーロ安、円独歩高となり、輸出依存度の高い日本経済は未曾有の経済危機に陥った。企業収益は7年ぶりの減収減益。国内新車販売は4年連続の減少。百貨店やスーパーも低調。家電は薄型テレビと次世代DVDが健闘した。

経済成長率 名目 -1.6% 実質 -0.6%
民間最終消費支出 名目 1.0% 実質 0.5%
民間企業設備投資 名目 -2.5% 実質 -3.7%
輸出 名目 -2.6% 実質 1.7%
消費者物価    1.5%  

日本の広告費(電通調査)(2008)

○総広告費は景気減退を背景に5年ぶりの減少となる。年前半は堅調に推移したが、年後半は北京オリンピックなどプラス材料はあったものの、世界的な景気悪化で低調。21業種中18業種が前年実績を下回る。衛星メディアとインターネットは好調を維持した。

  億円 対前年比(%)
総広告費 66,926 (95.3)
新聞 8,276 (87.5)
雑誌 4,078 (88.9)
ラジオ 1,549 (92.7)
テレビ 19,092 (95.6)
衛星メディア 676 (112.1)
インターネット 6,983 (116.3)
PM 26,272 (94.2)

※PM=プロモーションメディア

政治・経済・業界(2008)

○京都議定書約束期間スタート(1.1)。

○大阪府知事選で橋下徹氏が当選(1.27)。

×セルビアのコソボ自治州が独立宣言(2.17)。

○東芝が次世代ビデオ規格HD-DVDからの撤退を発表(2.19)。

○海上自衛隊のイージス艦「あたご」が漁船と衝突、漁船員2人行方不明(2.19)。

×台湾総統に国民党の馬英九氏が当選(3.22)。

○福田首相が道路特定財源の2009年度一般財源化を表明(3.27)。

○ガソリン税などの暫定税率期限切れ(3.31)。翌月に復活(4.30)。

○三越伊勢丹ホールディングスが誕生(4.1)。

○日本銀行総裁に白川方明副総裁が昇格(4.9)。

○任天堂、2008年3月期決算で売上高が過去最高の1.6兆円に(4.24)。

○日本人材派遣協会が製造業などの日雇い派遣を原則禁止(5.28)。

×東シナ海ガス田共同開発で日中合意(6.18)。

×世界貿易機関(WTO)多角的貿易交渉が決裂(7.29)。

○ロシアがグルジアに軍事介入、グルジア紛争勃発(8.7)。

×パキスタンのムシャラフ大統領が辞任(8.18)。

○福田首相が辞意表明(9.1)、麻生内閣が発足(9.24)。

○大和生命保険が破綻(10.10)。

×アメリカが北朝鮮のテロ支援国家指定を解除(10.11)。

○麻生首相が27兆円を盛り込んだ新総合経済対策を発表(10.30)。

○日本銀行、政策金利を7年ぶりに利下げ(10.31)。12月19日に追加利下げ。

○パナソニックが三洋電機の子会社化を発表(11.7)。

×タイ・バンコク2空港を反政府団体が占拠、タイ政府が非常事態宣言(11.27)

×イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザへの空爆開始(12.27)。

○住宅着工は前年比3.1%増で2年ぶりのプラス。新車販売は同5.1%減、登録車が同6.5%減、軽自動車が同2.6%減。百貨店とスーパーは12年連続の前年割れ。失業率は年間平均で4.0%と6年ぶりに悪化。12月の失業者数は前年同月比39万人増の270万人。

○携帯電話の加入台数が12月末で1億583万台となる。

○為替相場は9月中旬以降、円高が急進し最終日は1ドル90円26銭(12.30)、前年末に比べ22円84銭上昇。株価は最終日が8,859円(12.30)、年間で42%下落。

マスコミ・広告・媒体(2008)

○超高速インターネット衛星「きずな」打ち上げ(2.23)。離島や山間部のネット環境を整備。

○全国紙の活字の大型化と12段制への移行が進む(4月)。

○公共広告機構が2009年から「ACジャパン」への名称変更を決定(5.26)。

○ワンセグ携帯電話機の累積出荷台数が4月末に3,000万台を突破。電子情報技術産業協会発表(6.11)。

○東京メトロポリタンテレビジョンが「ワンセグ2サービス」開始(6.23)。

○デジタル放送の録画規制を緩和する「ダビング10」スタート(7.4)。

○ソフトバンクモバイルが「iPhone3G」を発売(7.11)。

○総務省、3年後に迫ったアナログ停波に向け、「地上デジタル放送推進総合対策」を発表(7.24)。

○TBSが2009年4月に認定持ち株会社への移行を発表(9.11)。

○6月末時点でのブロードバンド契約数は2,934万件、うちFTTHが1,308万件を占め、DSL(1,229万件)を初めて上回る。総務省発表(9.17)。

○フジテレビが認定持ち株会社に移行、「フジ・メディア・ホールディングス」誕生(10.1)。

○松下電器産業が「パナソニック」に社名変更(10.1)。

○任天堂、「ニンテンドーDSi」を発売(11.1)。

○フジテレビが地上波で放送中のドラマとバラエティ番組を同社の動画配信サービス「フジテレビOnDemand」で配信開始(11.1)。

○埼玉西武ライオンズが日本シリーズ制覇、4年ぶりに日本一(11.9)。

○ホンダが自動車レースF1撤退を発表(12.5)。

○BSデジタル放送受信機の普及数は4,662万台、CS放送の個人契約数は370万件となる(各12月末)。

媒体の発足(2008)

○雑誌-女性誌-「ELLEgirl」アシェット婦人画報社1.12、「HERS」光文社3.10、「Jane」マガジン・ハウス5.29、「MAQUIA Royal」集英社9.1など。男性誌-「At Once」JTBパブリッシング9.1、「VOGUE HOMME Japan」コンデナスト・ジャパン9.10「プラチナ・サライ」小学館11.26、「Oily Boy」マガジン・ハウス12.3など。生活情報誌-「日経ヘルスプルミエ」日経BP3.22、「コレカラ」リクルート5.22など。エンターテインメント誌-「月刊EXILE」フラックス・パブリッシング6.27など。コミック誌-「月刊少年ライバル」講談社4.4、「コミックZERO」双葉社7.7、「ケロケロA」角川書店7.26など。

○主な休廃刊は「主婦の友」主婦の友社、「NIKITA」主婦と生活社、「TITLe」文藝春秋、「Style」「月刊現代」講談社、「REALSIMPLE JAPAN」日経BP社、「読売ウィークリー」読売新聞社、「ヤングサンデー」小学館、「PLAYBOY日本版」集英社、「BOAO」マガジンハウス、「GRACE」世界文化社など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数101局

○コミュニティ放送局数225局(9局増)

○創復刊誌数177誌、休廃刊誌数186誌

国内10大ニュース(2008)

○中国製冷凍ギョーザによる農薬中毒が発覚(1.30)

○福田首相が辞意表明(9.1)。麻生内閣が発足(9.24)

○スウェーデン王立アカデミーが日本人科学者4名にノーベル物理学賞と化学賞の授与を発表(10.7)

○北京オリンピックで競泳・平泳ぎの北島康介が史上初の連続2冠達成(8.14)。

○東京・秋葉原で無差別殺傷事件、7人殺害(6.8)

○後期高齢者医療制度スタート(4.1)。保険料天引きなどで批判続出

○元厚生事務次官宅連続襲撃事件。さいたま市では元次官夫妻殺害(11.18)

○東京株式市場の日経平均株価がバブル後の最安値7,162円を記録(10.27)

○岩手・宮城県で震度6強の地震発生、死者13人、行方不明者10人(6.14)

○地球温暖化などをテーマに北海道洞爺湖サミット開催(7.7~9)

海外10大ニュース(2008)

×アメリカ大統領選でオバマ氏当選(11.4)。初の黒人大統領誕生へ

×中国四川省で大地震発生、死者・行方不明者約8万7,000人に(5.12)

×アメリカ証券大手リーマン・ズラザーズが破綻(9.15)。金融不安が拡大

×北京オリンピック開催(8.8~24)。過去最多の204ヵ国・地域が参加

×ニューヨーク原油が史上最高値の1バレル147.27ドルを記録(7.11)

×ミャンマーでサイクロン被害、死者・行方不明者約13万8,000人(5.3)

×インド・ムンバイで同時テロ、日本人1人を含む163人が犠牲(11.26)

×中国チベット自治区ラサで大規模な暴動が発生(3.14)

×インドネシアで鳥インフルエンザによる死者が100人を突破(1.29)

×ロシア大統領にメドベージェフ氏就任、首相にプーチン前大統領指名(5.7)

生活(2008)

○石川遼がプロゴルフツアー宣言。16歳3ヵ月で史上最年少プロに(1.10)。

○国の責任を明記した薬害肝炎救済法成立(1.11)。

×男子プロテニスの錦織圭がデルレービーチ国際選手権で優勝(2.17)。

×ロス疑惑の三浦和義元社長、サイパンで逮捕(2.22)。移送先のロス市警の留置場で自殺(10.10)。

○特定困難な年金記録が2,025万件、社会保険庁発表(3.14)。

○桑田真澄投手が現役引退を表明(3.26)。

○特定健診・特定保健指導制度(メタボ健診)がスタート(4.1)。

○山口県光市の母子殺害事件犯人の元少年に死刑判決(4.22)。

○産地偽装などが発覚した船場吉兆が廃業(5.28)。

○将棋の羽生善治二冠が名人戦に勝利、永世名人の資格を獲得(6.17)。

○全国のたばこ自販機に成人識別カード「taspo」を導入(7.1)。

○原油価格の高騰(1バレル147ドル、7.11)に伴いガソリン価格が上昇(7月)。

○野茂英雄投手が現役引退を表明(7.17)。

×シアトルマリナーズのイチロー選手が日米3千本安打達成(7.29)。

○日本人の平均寿命、男性79.19歳、女性85.99歳で男女とも過去最高を更新、厚生労働省発表(7.31)。

○農林水産省が米販売会社の三笠フーズによる汚染米転売を発表(9.5)。

○中国輸入食品からのメラミン検出が発覚(9.20)。

○オリックス・バファローズの清原和博選手が引退(10.1)。

○大阪市の個室ビデオ店火災で25人死傷(10.1)。

○女子マラソンの高橋尚子選手が現役引退を表明(10.28)。

○音楽プロデューサーの小室哲哉容疑者を詐欺容疑で逮捕(11.4)。

○時間外労働の割増賃金を引き上げる改正労働基準法が成立(12.5)。2010年4月施行。

○厚生労働省が2008年10月から09年3月までに非正規労働者8万5千人が失業すると発表(12.26)。

赤坂サカス(3.20)、三井アウトレットパーク(入間4.10、仙台港9.12)、東京メトロ副都心線(6.14)、東京ディズニーランドホテル(7.8)、H&M(銀座店9.13、原宿店11.8)、シルク・ドゥ・ソレイユシアター東京(10.1)、イオンレイクタウン(越谷10.2)

時の商品・新製品(2008)

○低価格商品-PB(プライベート・ブランド)、低価格小型パソコン、カジュアル衣料、第3のビール。

○健康・美容関連商品-「Wii Fit」、ゼロカロリー飲料、男性用機能性下着、ニコチンパッチ、韓国コスメ、ホットなアイマスク。

○エコロジーな商品-電球形蛍光灯、湯たんぽ、ストラップ型の太陽光発電式ケータイ充電器、充電池式電気カイロ。

○本格感・高級感のある商品-「プレミアムローストコーヒー」、濃厚チーズスナック菓子、高アルコール度数缶チューハイ。

○セレブ感覚の商品-ブランドケータイ、国内線ファーストクラス。

○注目を集めた商品-ブルーレイ・ディスク・レコーダー、「iPhone3G」、郊外型アウトレットモール、タレント牧場生キャラメル、デジタルフォトフレーム、「モンスターハンターポータブル2ndG」、超小型車「iQ」、「鉄道博物館」、「taspo」。

○新発想商品-押すだけで個人情報を隠せるスタンプ、振って飲む炭酸飲料、温水シャワーで洗える機能性紳士スーツ、書くたびに芯が回転し細く書き続けられるシャープペンシル。

話題の広告(2008)

・<SoftBank 白戸家シリーズ他>=ソフトバンクモバイル

・<NTT DoCoMo 国境を越えて編他>=NTTドコモ

・<au 劇団なかまロミオとジュリエット編他>=KDDI

・<Wii Fit わかる30編他>=任天堂

・<SOYJOY ダイエット編他>=大塚製薬

・<TSUBAKI 新TSUBAKI赤編、同 白編他>=資生堂

・<ジョージア 麻雀編、シズル編他>=日本コカ・コーラ

・<ユニクロ ブラトップ>=ファーストリティリング

・<ボス 宇宙人ジョーンズ・地上の星編他>=サントリー

・<NOTE ローズ&マリー編、エヴァファミリー編他>=日産自動車

・<Tanto 子供服編他>=ダイハツ

・<フレッツ 光×Wii編、強敵の正体編他>=NTT東日本

・<カップヌードル DREAM!アフリカ大陸編他>=日清食品

・<企業広告 カレー屋編他>=ダイワハウス

・<BRAVIA ブルーレイ・ディスクレコーダー>=ソニー

・<この星のエネルギーとエコロジーのために。>=東芝

・<eco ideasシリーズ>=松下電器産業

話題のテレビ番組(2008)

○フジテレビが年間平均視聴率で5年連続の3冠(ゴールデン帯、プライム帯、全日帯)を達成。

○ドラマ視聴率は、NHK大河ドラマ「篤姫」が年間を通して高視聴率を獲得。11月30日放送分は29.2%(NHK総合)と他番組を抑え年間最高視聴率を記録。2位「CHANGE(最終回)」(フジテレビ・27.4%)、3位「ごくせん(4月19日放送)」(日本テレビ・26.4%)、4位「24時間テレビドラマスペシャル みゅうの足(あんよ)パパにあげる」(日本テレビ・25.6%)、5位「ラスト・フレンズ(最終回)」(フジテレビ・22.8%)。その他では、「流星の絆」(TBS)、「薔薇のない花屋」、「土曜プレミアム・SPスペシャルアンコール特別編」、「コード・ブルードクターヘリ緊急救命」、「のだめカンタービレinヨーロッパ二夜」(フジテレビ)などが健闘。

○スポーツ中継では、北京オリンピック関連番組が目立った。中でも開会式中継は37.3%(NHK総合)の高視聴率を記録。また、「プロ野球日本シリーズ・巨人×西武・第7戦」、正月恒例の「東京箱根間往復大学駅伝」、「プロボクシグWBC世界フライ級タイトルマッチ・内藤大助×ポンサクレック」、高橋尚子選手が出場した「名古屋国際女子マラソン」などが人気を呼んだ。

○巨人戦ナイター中継の年間平均視聴率は9.7%、前年を0.1ポイント下回り、3年連続の10%割れ。

○日本テレビ恒例の「24時間テレビ愛は地球を救う」では、人気お笑いタレントのエド・はるみがチャリティ・マラソンに挑戦、ゴールシーンを中継した最終時間帯の視聴率が30.2%を記録。

○バラエティは、「行列のできる法律相談所」(日本テレビ)、「クイズ!ヘキサゴンⅡ」、「はねるのトびら」、「SMAP×SMAP」、「爆笑レッドカーペット」(各フジテレビ)などが人気を集めた。

NHK(2008)

《ちりとてちん》15.9%《瞳》15.2%《だんだん》
〈篤姫〉24.5%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が35.7%、第二部が42.1%と、いずれも前年を上回った。

○大河ドラマ「篤姫」の平均視聴率は前年の「風林火山」を5.8ポイントも上回る24.5%。平均視聴率が30.5%だった「秀吉」(1996年)以降で最高となる。

○NHK記者ら3人が株のインサイダー取引で利益を得ていた疑いが明るみになり(1.17)、NHK職員81人が勤務中に株取引をしていたことが判明する(5.27)など、不祥事が目立った。

○インサイダー取引容疑で橋本元一会長が引責辞任(1.24)。後任に元アサヒビール相談役の福地茂雄氏が就任(1.25)。

○有料番組配信サービス「NHKオンデマンド」がスタート(12.1)。

流行語(2008)

グ~!、アラフォー、上野の413球、居酒屋タクシー、名ばかり管理職、埋蔵金、蟹工船、ゲリラ豪雨、後期高齢者、あなたとは違うんです、言うよね~

流行歌(2008)

レコード大賞:EXILE<Ti Amo>

最優秀新人賞:ジェロ<海雪>

①truth/海の向こうへ<嵐>
②One Love<嵐>
③I AM YOUR SINGER<サザンオールスターズ>
④キセキ<GReeeeN>
⑤羞恥心<羞恥心>
⑥HANABI<Mr.Children>
⑦そばにいるね<青山テルマ feat.SoulJa>
⑧DON'T U EVER STOP<KAT-TUN>
⑨LIPS<KAT-TUN>
⑩Beautiful days<嵐>

○総売上金額は前年比5.1%減の3,254億円。シングルが501億円で同4.9%減、アルバムが2,753億円で同5.1%減となる。

○ミリオンセラーはシングルはなし、アルバムでは4作品。

話題の映画(2008)

洋画
①インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国
②レッドクリフPart1
③アイ・アム・レジェンド
④ライラの冒険 黄金の羅針盤
⑤ハンコック

邦画
①崖の上のポニョ
②花より男子ファイナル
③容疑者Xの献身
④劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パールギラティナと氷空の花束シェイミ
⑤相棒-劇場版-絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン

○年間入場者は1億6,049万人で前年比98.3%、270万人の減少となった。映画館数はシネコンの増加が続き、2007年より138館増え、3,359館で15年連続の増加。

○興行収入は1,948億円で、前年比98.2%と2年連続の減少となった。

ベストセラー(2008)

①ハリー・ポッターと死の秘宝(上・下)<J.K.ローリング>
②夢をかなえるゾウ<水野敬也>
③B型自分の説明書ほか<Jamais Jamais>
④脳を活かす勉強法<茂木健一郎>
⑤お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本を実践<勝間和代>

○出版業界は4年連続の前年割れ。販売額は前年比3.2%減の2兆177億円。書籍は1.6%減で2年連続マイナス、雑誌は4.5%減で11年連続のマイナス。

○書籍はミリオンセラーが7点。血液型本、脳関連本、自己啓発本が好調だった。また、『カラマーゾフの兄弟』(光文社古典新訳文庫)や『蟹工船』(新潮文庫)など文庫本に意外なヒット作が出た。

話題のマンガ(2008)

○コミック誌は13年連続、コミックスは3年連続の前年割れ。

○コミック誌は月刊誌、週刊誌がともに不振。『週刊少年ジャンプ』(集英社)は実売部数を伸ばしたが、全体的には苦戦が続いた。『週刊ヤングサンデー』(小学館)が8月期に休刊となった。

○少年コミック誌では『月刊少年ライバル』(講談社)が4月に創刊され、注目を集めた。

○NANA、のだめカンタービレ、ONE PIECE(各集英社)、鋼の錬金術師(スクウェア・エニックス)、聖☆おにいさん(講談社)、花より男子、NARUTO(各集英社)、3月のライオン(白泉社)、HUNTER×HUNTER、君に届け(各集英社)

ファッション(2008)

○紳士服では、洗濯機を使わず、温水シャワーで手軽に洗えて、干すだけでシワが取れる機能性スーツが人気を呼んだ。

○水の抵抗を抑えた水着を着用した選手が世界新記録を連発。同様の素材を使用した水着も市販され、注目を集めた。

○梅雨の季節には、一見革のブーツに見えるゴム製のレインブーツが若い女性の間で流行した。

○スウェーデンの世界3位のカジュアル衣料チェーン「H&M」(ヘネス・アンド・モーリッツ)が秋に銀座と原宿に出店。低価格でデザイン性が高いことが話題を呼び、両店とも行列ができるほどの賑わいをみせた。国内最大手のユニクロも高機能でデザインを追求した低価格商品が人気となり、売上げを伸ばすなど、カジュアル衣料が席捲した。

○メタボ対策に注目が集まるなかで、歩くたびに運動効果が期待できる男性用機能性下着の売れ行きが好調だった。

気象状況(2008)

○全国的に1月半ばまでは暖冬だったが、2月は寒気が入り込んで厳しい冬の寒さが続いた。北日本や日本海側の降雪量は例年より少なかった。

○春は好天に恵まれた日が多く、全国的に平均気温は例年を上回った。特に、北日本や東日本では高温の日が目立った。

○梅雨入りは、関東甲信、東海、近畿、四国では例年より4~6日早かったが、東北や北陸、中国、九州北部では遅い梅雨入りとなった。梅雨明けは、東北や西日本は早く、関東甲信や東海は例年並みであった。

○7月から8月は、東日本や西日本は晴れて暑い日が続いた。8月終わりには、北日本から西日本にかけて各地で記録的な豪雨となった。河川の氾濫や土砂災害など大きな被害が発生した。気象庁は、8月26日から31日までの豪雨を「平成20年8月末豪雨」と命名した。また、予測できない局地的な集中豪雨に因んで“ゲリラ豪雨”という言葉も生まれた。

○上陸した台風はなく、例年に比べ台風被害は少なかった。

○秋は全国的に晴れの日が多く、残暑は10月まで続き、11月は寒暖の変動が大きかった。

○12月は南風が入り込み、北日本や東日本を中心に全国的に暖かい日が続き、北日本や日本海側での降雪量は少なかった。

2007年(平成19年)

経済白書 副題(2007)

生産性上昇に向けた挑戦

首相 安倍晋三→福田康夫

経済概況(2007)

平成19年の日本経済は、景気回復基調を維持したものの、弱含みに推移した。年間を通して、アジア向けを中心に輸出が好調、設備投資と個人消費も底堅さを示したが、夏以降は、改正建築基準法の影響で住宅投資が急減、また、アメリカのサブプライムローン問題を端緒とした金融不安が拡大したことにより円高・株安・原油高が急進するなど懸念材料が噴出し、景気先行きに対する不透明感が広まった。企業収益は6年連続の増収増益。国内新車販売は3年連続の減少。百貨店やスーパーも低調。家電は薄型テレビが大幅に伸長した。

経済成長率 名目 1.3% 実質 2.1%
民間最終消費支出 名目 0.9% 実質 1.4%
民間企業設備投資 名目 2.9% 実質 2.4%
輸出 名目 11.3% 実質 8.8%
消費者物価    0.1%  

日本の広告費(電通調査)(2007)

○総広告費は景気回復を背景に4年連続の増加となる。年前半は前年のトリノ冬季五輪、サッカーワールドカップによる高い伸びの反動で低迷したが、年後半は参院選や世界陸上、東京モーターショーなどにより持ち直した。21業種中11業種が前年実績を上回る。インターネットが大幅に増加。

  億円 対前年比(%)
総広告費 70,191 (101.1)
新聞 9,462 (94.8)
雑誌 4,585 (96.0)
ラジオ 1,671 (95.8)
テレビ 19,981 (99.1)
衛星メディア 603 (110.8)
インターネット 6,003 (124.4)
PM 27,886 (101.9)

※PM=プロモーションメディア

※媒体別広告費の区分・推定範囲を改訂

政治・経済・業界(2007)

○防衛省が発足(1.9)。

○日本銀行が政策金利を0.5%前後に引き上げ決定(2.21)。

○世界同時株安で東京市場の日経平均が一時、前日比737円安(2.28)。

○北海道夕張市が財政再建団体に移行(3.6)。

○イオンがダイエーと資本業務提携を発表、国内最大の流通業に(3.9)。

○大丸と松坂屋が経営統合を発表(3.14)。持ち株会社Jフロントリテイリングが発足(9.3)。

○全国の公示地価の平均変動率が16年ぶりに上昇に転じる(3.22)。

○統一地方選挙(4月)。石原慎太郎都知事3選(4.8)。

×中国の温家宝首相来日(4.11~13)。

○日興コーディアル証券、アメリカ・シティグループに傘下入り(4.27)。

○憲法改正手続を定める国民投票法が成立(5.14)。

○コムスンが介護事業所指定を不正取得、グッドウィルが事業撤退(6.6)。

○改正建築基準法施行(6.20)、住宅着工が大幅に減少。

×ゴードン・ブラウン氏がイギリス新首相に就任(6.27)。

○プロミスと三洋信販が経営統合発表(7.26)。

○三越と伊勢丹が経営統合発表。2008年4月1日に持ち株会社三越伊勢丹ホールディングスへ移行(8.23)。

×アメリカ・FRBがサブプライムローン問題による金融不安対策で4年3ヵ月ぶりに利下げ(9.18)。

○京都大学・再生医科学研究所の研究グループが人の皮膚から万能細胞を作ることに成功と発表(11.21)。

×韓国大統領選で李明博氏が当選(12.19)。

○トヨタ自動車が世界生産1位に(12.25)。

×パキスタンのブット元首相暗殺(12.27)。

○住宅着工は前年比17.8%減の大幅マイナス。新車販売は同6.7%減、登録車が同7.6%減、軽自動車が同5.1%減で4年ぶりのマイナス。百貨店・スーパーは11年連続の前年割れ。失業率は年間平均3.9%で10年ぶりに3%台に低下。12月の失業者数は前年同月比13万人減の231万人。

○携帯電話の加入台数が12月末で1億台を突破、1億52万台となる。

○年後半から円高傾向が続き最終日は1ドル113円10銭(12.28)。株価は最終日が1万5,307円、年間で11.1%下落(12.28)。

マスコミ・広告・媒体(2007)

○電通とリクルートが資本・業務提携を発表(1.25)、3月に提携。

○TBWA\HAKUHODOが業務開始(2.13)。

○JSATとスカイパーフェクト・コミュニケーションズが経営統合、スカパーJSATが発足(4.2)。

○エーシーニールセンが社名を「ニールセン・カンパニー」に変更(5.1)。

○総務省発表によると、ブロードバンド契約数が6月末で2,715万契約、うちFTTHが966万契約に。

×イチローが大リーグのオールスター戦で日本人初のMVPを獲得(7.10)。

○電子情報技術産業協会によると、ワンセグ携帯電話の累計出荷台数が7月に1千万台を突破し1,078万台に。

○IAAF世界陸上2007大阪大会(8.25~9.2)。

○総務省、次世代高速無線通信の免許申請受付開始(9.10)。12月にKDDIとウィルコムに内定。

○第40回東京モーターショー2007(10.26~11.11)。

×松坂大輔、岡島秀樹両投手の大リーグ・レッドソックスがワールドシリーズ優勝(10.28)。

○中日ドラゴンズが日本シリーズ制覇、53年ぶりに日本一(11.1)。

○グルメガイド「ミシュランガイド東京」発刊(11.22)。

○改正放送法が臨時国会で可決・成立(12.21)。2008年度から、認定放送持ち株会社制度の導入、ワンセグ専用番組の容認、NHKの過去の番組のブロードバンド配信を解禁などが主な内容。

○浦和レッズ、FIFAトヨタカップクラブ選手権で世界3位(12.16)。

○BSデジタル放送受信機の普及数は約3,200万台、CS放送の個人契約数は約367万件となる(各12月末)。

媒体の発足(2007)

○雑誌-総合誌-「文藝春秋SPECIAL」文藝春秋5.26など。女性誌-「AneCan」小学館3.7、「GRACE」世界文化社3.7、「marisol」集英社3.7、「エクラ」集英社9.1、「REINA」ベストセラーズ9.7、「Dear」エスクァイアマガジンジャパン9.12、「クロワッサンPremium」マガジンハウス10.20など。男性誌-「Gauguin」東京ニュース通信社4.21、「ジャンプSQ」集英社11.2など。生活情報誌-「zino」KI&Company3.24、「旅写真」ニューズ出版4.20、「TVfan」共同通信社4.24、「1+1」時事画報社7.31、「Lucere!」ベネッセコーポレーション9.7、「月刊TVガイドMuse」東京ニュース通信社10.24など。文芸誌-「yom yom」新潮社6.27など。

○主な休廃刊は「SAY」青春出版社、「BSfan」共同通信社、「美しい部屋」主婦と生活社、「月刊少年ジャンプ」集英社、「コミックボンボン」講談社、「Vingtaine」アシェット婦人画報社、「ダカーポ」マガジンハウス、「imidas」集英社、「朝日現代用語知恵蔵」朝日新聞社など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数101局

○コミュニティ放送局数216局(16局増)

○創復刊誌数182誌、休廃刊誌数218誌

国内10大ニュース(2007)

○安倍晋三首相が突然の辞意表明(9.12)、福田康夫新内閣発足(9.26)

○食品偽装が相次ぎ社会問題となる

○約5,000万件におよぶ年金記録漏れが判明(4.3)

○第21回参議院議員選挙で自民党が歴史的大敗。民主党が第1党に(7.29)

○守屋武昌前防衛事務次官を収賄容疑で逮捕(11.28)

○新潟県中越沖地震(7.16)

○宮崎県知事に東国原英夫(そのまんま東)氏が当選(1.21)

○横綱・朝青龍、サッカー問題で2場所の出場停止処分(8.1)

○郵政民営化スタート、日本郵政グループ発足(10.1)

○原油や穀物価格が上昇、暮らしに影響

海外10大ニュース(2007)

×ミャンマーで反政府デモ、日本人ジャーナリスト死亡(9.26)

×ニューヨーク原油、99ドル台の史上最高値を記録(11.20)

×アメリカで中国産品から有毒物質が相次ぎ検出される(8.24)

×アメリカの低所得者向け住宅融資(サブプライムローン)の焦げ付き急増で金融不安が世界に広がる

×アメリカのバージニア工科大学で韓国人学生が銃を乱射、32人死亡(4.16)

×北朝鮮の核の無能力化で6ヵ国協議が共同文書を採択(2.13)

×インドネシア・スマトラ島中西部で地震、80人以上が死亡(3.6)

×フランス大統領にニコラ・サルコジ氏が当選(5.6)

×ゴア前アメリカ副大統領にノーベル平和賞(10.12)

×イギリス首相にゴードン・ブラウン氏が就任(6.27)

生活(2007)

○不二家、消費期限切れ牛乳使用問題で洋菓子販売を休止(1.11)。

○柳沢厚生労働大臣、「女性は産む機械」発言で波紋(1.27)。

○第1回東京マラソン開催(2.18)。

○厚生労働省、インフルエンザ治療薬「タミフル」の10代使用を制限(3.21)。

○熊本市が「赤ちゃんポスト」設置を許可(4.5)。

×IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第2作業部会、2020年代に水不足や洪水の危険が高まると報告(4.6)。

○文部科学省、小6と中3を対象に43年ぶりの全国学力テストを実施(4.24)。

○15歳の石川遼選手が男子プロゴルフツアーで史上最年少優勝(5.20)。

○ミス・ユニバース世界大会で日本代表の森理世さんが優勝(5.28)。

○2006年の合計特殊出生率が1.32に上昇、4年ぶりに1.3台回復(6.6)。

○ミートホープの食肉偽装が発覚(6.20)。田中稔社長ら4人を不正競争防止法違反容疑で逮捕(10.24)。

○島根県石見銀山の世界文化遺産登録決定(6.28)。

○東京都労働局が人材派遣フルキャストに事業停止命令(8.3)。

○農林水産省発表によると、2006年度の食料自給率が39%と13年ぶりに40%を下回る(8.10)。

○石屋製菓の「白い恋人」、賞味期限偽装が発覚(8.14)。

○「赤福」餅の製造年月日の改竄が発覚(10.12)。

○英会話学校NOVAが会社更生法の適用を申請(10.26)。

○「船場吉兆」、消費期限切れ食品のラベル張り替え販売が発覚(10.28)。

○改正最低賃金法と労働契約法が成立(11.28)。

○サッカー日本代表監督に岡田武史氏が再登板(12.7)。

○原油や穀物相場が高騰し、ガソリンや食料品などの値上げが相次ぐ。

○生保の不払いが発覚(1.2)、不払いは12月に131万件に上った(12.7)。

国立新美術館(1.21)、ミッドランドスクエア(3.6)、ららぽーと横浜(3.15)、東京ミッドタウン、サントリー美術館、ザ・リッツ・カールトン東京(各3.30)、新丸の内ビルディング(4.27)、関西国際空港第2滑走路供用開始(8.2)、マロニエゲート(9.1)、ザ・ペニンシュラ東京(9.11)、有楽町イトシア(10.12)、鉄道博物館(10.14)、ブルガリ銀座タワー(11.30)

時の商品・新製品(2007)

○“つながり”を深める商品-「Wii」&「Wii」用ソフト、動画共有サイト、SNS。

○健康・美容関連商品-「ビリーズブートキャンプ」、男性用フレグランス、シミ取りOTC薬、美白美容液、「和漢箋」、ゼロカロリーコーラ、「造顔マッサージ」。

○高級感のある商品-プレミアムシャンプー、プレミアムアイスクリーム、高級炊飯器、「ザ・プレミアム カルピス」。

○リーズナブルな商品-携帯電話の家族割引サービス。

○ポータブルな商品-高性能携帯ゲーム機、「iPod touch」、ワンセグ対応携帯電話、デジタルカメラ。

○エコロジーな商品-有名ブランドのエコバッグ、バイオエタノール。

○注目を集めた商品-宮崎県および宮崎県産品、電子マネー、「東京ミッドタウン」、「キッザニア東京」、「クリスピー・クリーム・ドーナツ」、「人生銀行」、ガツン系フード、速弁、FX、「totoBIG」。

○新発想商品-消せるボールペン、泡で染めるヘアカラー、掃除不要の便座、「∞プチプチ」、おでん缶・ラーメン缶、トマトのお酒。

話題の広告(2007)

・<SoftBank 予想外な家族編>=ソフトバンクモバイル

・<DoCoMo2.0 変身編ほか>=NTTドコモ

・<au 誰でも割 ツルの恩返し編ほか>=KDDI

・<Wii 似顔絵チャンネル編ほか>=任天堂

・<TSUBAKI 白ツバキ誕生編ほか>=資生堂

・<ジョージア オフィス編ほか>=日本コカ・コーラ

・<ガス・パッ・チョ!床暖房 赤穂浪士編>=東京ガス

・<フレッツ 新生活3月編>=NTT東日本

・<AQUOS ゴッホひまわり編>=シャープ

・<ポッキー ダンスダンス編>=江崎グリコ

・<BOSS 宇宙人ジョーンズ カラオケ編ほか>=サントリー

・<ポカリスエット 砂の惑星編>=大塚製薬

・<オロナミンC 高橋選手に外回り!?指示編>=大塚製薬

・<VIERA 子犬編ほか>=松下電器産業

・<FMV お店にて編>=富士通

・<新コア・ヴァリュー広告キャンペーン>=ルイ・ヴィトン

・<企業広告>=キヤノン

話題のテレビ番組(2007)

○フジテレビが年間平均視聴率で4年連続の3冠(ゴールデン帯、プライム帯、全日帯)を達成。ノンプライム帯を加えると3年連続の4冠。

○ドラマの視聴率は、木村拓哉主演の「華麗なる一族最終回」(TBS・30.4%)がトップ。2位が「花より男子2(リターンズ)最終回」(TBS・27.6%)、3位が「ハケンの品格最終回」(日本テレビ・26.0%)と続き、それぞれ人気連続ドラマの最終回が高視聴率を獲得した。その他では、「ガリレオ」(フジテレビ)や、「テレビ朝日開局50周年記念ドラマスペシャル松本清張 点と線」、「24時間テレビスペシャルドラマ君がくれた夏 ガンと闘った息子の730日」(日本テレビ)なども健闘した。

○スポーツ中継は、安藤美姫や浅田真央選手が活躍した「世界フィギュアスケート選手権2007東京」の女子フリー競技が38.1%の高視聴率を獲得。正月恒例の「東京箱根間往復大学駅伝」、「WBC世界フライ級タイトルマッチ・内藤大助×亀田大毅」、「アジア野球選手権2007兼北京五輪アジア地区最終予選・日本×台湾」、「サッカー・AFCアジアカップ2007」の日本戦、「第1回東京マラソン」なども人気を呼んだ。

○巨人戦の年間平均視聴率は9.8%、前年より0.2ポイント回復したが、低迷が続いた。

○日本テレビ恒例の「24時間テレビ愛は地球を救う」は66歳の萩本欽一が70kmマラソンに挑んだ話題性が貢献し視聴率は29.8%に。そのゴールシーンを生中継した後続番組の「行列のできる法律相談所」は35.3%を獲得。

○納豆のダイエット効果データ捏造で関西テレビ「発掘!あるある大事典Ⅱ」が番組打ち切りとなる(1.21)。

○「藤原紀香・陣内智則 結婚披露宴スペシャル」が話題を集めた(5.30)。

NHK(2007)

《芋たこなんきん》16.8%《どんど晴れ》19.4%《ちりとてちん》
〈風林火山〉18.7%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が32.8%、第二部39.5%と、第一部は前年をやや上回ったが、第二部は過去ワースト2位。

○大河ドラマ「風林火山」の平均視聴率は前年の「功名が辻」を2.2ポイント下回る18.7%となる。

○石原邦夫NHK経営委員長が辞任(4.10)、新経営委員長に富士フイルムホールディングスの古森重隆社長兼CEOが就任(6.26)。

○NHK経営委員会が次期会長に福地茂雄アサヒビール相談役を任命(12.25)。

流行語(2007)

(宮崎を)どけんかせんといかん、ハニカミ王子、(消えた)年金、そんなの関係ねぇ、どんだけぇ~、鈍感力、食品偽装、ネットカフェ難民、大食い、猛暑日、KY(空気が読めない)、産む機械、欧米か!

流行歌(2007)

レコード大賞:コブクロ<蕾(つぼみ)>

最優秀新人賞:℃-ute(キュート)<都会っ子純情>

①千の風になって<秋川雅史>
②Flavor Of Life<宇多田ヒカル>
③蕾(つぼみ)<コブクロ>
④Love so sweet<嵐>
⑤Keep the faith<KAT-TUN>
⑥喜びの歌<KAT-TUN>
⑦明日晴れるかな<桑田佳祐>
⑧旅立ちの唄<Mr.Children>
⑨関風ファイティング<関ジャニ∞>
⑩weeeek<NEWS>

○総売上金額は前年比1.8%減の3,429億円。シングルが527億円で同8.7%減、アルバムが2,902億円で同0.4%減となる。

○ミリオンセラーはシングルでは「千の風になって」の1作品、アルバムでは2作品。アルバムが2作品にとどまったのは1990年以来17年ぶり。

話題の映画(2007)

洋画
①パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
②ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
③スパイダーマン3
④硫黄島からの手紙
⑤トランスフォーマー

邦画
①HERO
②劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パールVSバルキアVSダークライ
③ALWAYS 続・三丁目の夕日
④西遊記
⑤武士の一分

○年間入場者は1億6,319万人で前年比99.2%、139万人の減少となった。映画館数はシネコンの増加が続き、2006年より159館増え、3,221館で14年連続の増加となる。

○興行収入は1,984億円で、前年比97.8%と2年ぶりの減少となった。

○河瀬直美監督作品「殯(もがり)の森」がカンヌ国際映画祭で準最高賞のグランプリを受賞した(5.27)。

ベストセラー(2007)

①女性の品格<坂東眞理子>
②ホームレス中学生<田村裕>
③鈍感力<渡辺淳一>
④日本人のしきたり<飯倉晴武>
⑤ハローバイバイ 関暁夫の都市伝説<関暁夫>

○出版業界は3年連続の前年割れ。販売額は前年比3.1%減の2兆853億円。書籍は3.2%減で2年ぶりのマイナス、雑誌は3.1%減で10年連続のマイナス。

○書籍はミリオンセラーが4点。教養新書とケータイ小説の売れ行きが好調。

話題のマンガ(2007)

○コミック誌は12年連続、コミックスは2年連続の前年割れ。

○コミック誌は月刊誌、週刊誌がともに不振。『週刊少年ジャンプ』は安定した実売部数を維持したが、全体的には苦戦が目立った。

○少年コミック誌では『月刊少年ジャンプ』(集英社)が7月号で休刊となったが、11月に『ジャンプスクエア』としてリニューアル創刊。青年コミック誌では『コミックヨシモト』(ワニブックス)が6月に創刊され注目を集めたもののわずか7号で休刊となった。

のだめカンタービレ(講談社)、新世紀エヴァンゲリオン(角川書店)、ONE PIECE(集英社)、鋼の錬金術師(スクウェア・エニックス)、HUNTER×HUNTER(集英社)、おおきく振りかぶって(講談社)、君に届け(集英社)、クローズ(秋田書店)、らき☆すた(角川書店)

ファッション(2007)

○カラフルでユニークな形状のアメリカ生まれの樹脂製サンダル「クロックス」が若い母親と子供の間に爆発的な人気となった。

○夏にはヤング女性にブーツが流行。暑さ対策のため通気性に配慮し、つま先とかかとが開いたサンダルブーツや帆布を使ったブーツも登場した。秋にはくるぶし丈のブーツ「ブーティ」が人気を集めた。

○かつてはスパッツと呼ばれていた半端丈パンツ「レギンス」が大流行。ワンピースやミニスカートの下にはいたスタイルが幅広い年齢層の女性に浸透した。ミニスカートとレギンスにブーティを組み合わせた着こなしが目立った。

○ジーンズブームが下火にあるなかで、ユニクロのデニムが売れ行きを伸ばし注目を集めた。

気象状況(2007)

○2月頃までは歴史的な暖冬に見舞われ、日本海側の積雪量は例年を大幅に下回った。しかし、晩冬から春にかけては寒気の流れ込みが強まり、全国的に低温の状況が続いた。春の間も天候不順が相次いだ。

○梅雨入りは全国平均で平年より約9日、梅雨明けは約5日遅くなった。関東甲信地方の梅雨明けは8月1日と平年(7月20日)より11日もずれ込んだ。

○8月は記録的な猛暑となり、16日には埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で40.9度を観測。1933年7月25日に山形市で観測された、これまでの最高気温(40.8度)を74年ぶりに更新した。

○上陸した台風は平年並みの3個にとどまったが、7月14日に鹿児島県に上陸した台風4号は西日本地域に大きな被害をもたらした。

○秋になっても太平洋高気圧の勢力はあまり衰えず、西日本を中心に残暑は10月まで続いた。

○11月に入り、気温は平年並みに移行。下旬には寒波が襲来し、早めの冬入りが予想されたが、12月は比較的暖かい日が多かった。

2006年(平成18年)

経済白書 副題(2006)

成長条件が復元し、新たな成長を目指す日本経済

首相 小泉純一郎→安倍晋三

経済概況(2006)

平成18年の日本経済は、堅調な輸出、旺盛な設備投資、底堅い個人消費を背景に景気回復基調を維持、実質経済成長率は2.2%のプラスとなった。11月には景気拡大期間がいざなぎ景気を追い抜き戦後最長を更新。企業収益は5年連続の増収増益。年間を通して円安が続く。株価はあまり変動はなかったが、年末には1万7,000円台を回復。住宅着工は4年連続の増加、自動車販売は微減。百貨店やスーパーは低調。家電は薄型テレビを中心に好調であった。

経済成長率 名目 1.3% 実質 2.2%
民間最終消費支出 名目 0.6% 実質 0.9%
民間企業設備投資 名目 8.0% 実質 7.6%
輸出 名目 13.6% 実質 9.5%
消費者物価    0.1%  

日本の広告費(電通調査)(2006)

○総広告費は景気回復を背景に3年連続の増加となる。トリノ冬季五輪、サッカーワールドカップなどが追い風となるが前年の愛知万博などの反動もあって微増。マス4媒体広告費はいずれも減少したが、インターネットは大幅に増加。

  億円 対前年比(%)
総広告費 59,954 (100.6)
新聞 9,986 (96.2)
雑誌 3,887 (98.5)
ラジオ 1,744 (98.1)
テレビ 20,161 (98.8)
SP 20,002 (100.9)
衛星メディア 544 (111.7)
インターネット 3,630 (129.3)

政治・経済・業界(2006)

○東京三菱銀行とUFJ銀行の合併により三菱東京UFJ銀行が発足(1.4)。

○日本郵政公社発足(1.23)。

○JR東日本がモバイルSuicaのサービス開始(1.28)。

○玩具メーカーのタカラとトミーが合併。「タカラトミー」が発足(3.1)。

○日本銀行が量的緩和政策を5年ぶりに解除(3.9)。

○民主党代表に小沢一郎が就任(4.7)。

○新会社法施行(5.1)。

○村上ファンド代表の村上世彰がインサイダー取引容疑で逮捕(6.5)。

○北海道夕張市が財政再建団体入りの意向表明、負債額632億円(6.20)。

○日本銀行が5年4ヵ月続いたゼロ金利政策の解除を決定(7.14)。

×サンクトペテルブルク・サミット開催。ロシアが初の議長国(7.15~17)。

○イラク人道支援の陸上自衛隊員の撤退完了(7.25)。

○丸紅がダイエーの株式4割強を取得し子会社化(7.28)。

×7月のアメリカ月間新車販売台数でトヨタ自動車がフォードを抜き初の2位。

×タイで軍事クーデター勃発、タクシン政権崩壊(9.19)。

○安倍内閣発足(9.26)。

○阪急ホールディングスと阪神電鉄が経営統合、阪急阪神ホールディングスが誕生(10.1)。

○ボーダフォン日本法人、ソフトバンクモバイルに社名変更(10.1)。

×安倍首相が訪中。胡錦涛国家主席と首脳会談(10.8)。

×第8代国連事務総長に潘基文韓国外相を選出(10.13)。

×アメリカ合衆国の人口が3億人を突破(10.17)。

○住宅着工は前年比4.4%増で4年連続のプラス。新車販売は同1.9減、登録車は同5.4%減と不振だったが、軽自動車は同5.2%増で過去最高を更新。百貨店・スーパーは10年連続の前年割れ。失業率は年間平均で4.1%、4年連続で改善。12月の失業者数は244万人。

○携帯電話の加入台数が12月末で9,493万台となる。

○年間を通して円安傾向が続き最終日は118円90銭(12.29)。株価は最終日が17,226円(12.29)、年間で6.9%上昇。東証第一部の年間売買代金は前年に続いて過去最高を更新。

マスコミ・広告・媒体(2006)

○民放テレビ局はトリノ冬季五輪で初めてHD映像を地上波とBSでデジタル放送。

○地上デジタルテレビ放送用の「新東京タワー」の建設地が「墨田・台東エリア」に決定(3.31)。

○地上波デジタル放送の1セグメント放送「ワンセグ」がスタート(4.1)。

○「ワンセグ」対応携帯電話の出荷台数が6月までに118.7万台に。

○博報堂DYグループが2008年中に赤坂周辺に集結する方針を発表(6.15)。

○文化放送が東京都港区浜松町に本社移転(7.19)。

○東京都が2016年夏季五輪の国内立候補都市に決定(8.30)。

○SNS(ソーシャルネットワークサービス)のミクシィの会員数が約600万人に(9.30)。

○携帯電話の番号ポータビリティ制度開始(10.24)。

○国内唯一のBSデジタル放送ラジオ「ワールド・インディペンデント・ネットワーク・ジャパン」が放送休止(11.1)。

○地上デジタル放送の視聴可能地域が47都道府県に拡大(12.1)。

○BSデジタル放送の普及世帯数は約1,984万世帯(12.31)、CS放送の個人契約数は約361万人となる(12.31)。

媒体の発足(2006)

○雑誌-女性誌-「edu」小学館3.10、「JELLY」ぶんか社4.17、「SPURLUXE」集英社9.1など。男性誌-「OCEANS」インターナショナル・ラグジュアリー・メディア2.24、「GOETHE」幻冬舎2.24、「KING」講談社9.13など。生活情報誌-「AERAwithKIDS」朝日新聞社出版本部3.9、「プレジデントFamily」プレジデント社7.18、「HARUMI」扶桑社9.1、「リクウ」中央公論新社10.31、「CREA TRAVELLER」文藝春秋11.1、「ates」阪急コミュニケーションズ11.6、「月刊TVfan」共同通信社11.24など。無料誌-「楽天MAGAZINE」楽天3.15、「Gracious」ベストセラーズ5.25、「L25」リクルート11.1など

○主な休廃刊は「30ANS」アシェット婦人画報社、「éf」主婦の友社、「メイプル」集英社、「bis」光文社、「Caz」扶桑社、「VS.」光文社、「SPORTS Yeah!」角川クロスメディア、「relax」マガジンハウス、「AB・ROAD」リクルート、「ASAhIパソコン」朝日新聞社出版本部など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数101局

○コミュニティ放送局数200局(15局増)

○創復刊誌数161誌、休廃刊誌数167誌

国内10大ニュース(2006)

○秋篠宮妃紀子さま男子ご出産(悠仁親王)、41年ぶりに皇室に男子誕生(9.6)

○トリノ冬季五輪で荒川静香が金メダル(2.23)

○野球初の国・地域別対抗戦ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で王ジャパン優勝(3.20)

○安倍内閣発足。初の戦後生まれの首相誕生(9.26)

○熱闘夏の甲子園、早稲田実業初優勝(8.20)

○ライブドア堀江貴文社長逮捕(1.23)

○いじめを苦に自殺相次ぐ

○プロ野球・日本ハムファイターズが44年ぶりの日本一(10.26)

○秋田の小一男児殺害など各地で子供の殺害が多発

○福岡の飲酒運転事故で3児死亡(8.25)、飲酒運転の厳罰化が進む

海外10大ニュース(2006)

×北朝鮮がミサイル発射(7.5)、核実験(10.9)

×インドネシアのジャワ島で地震、死者5,700人以上(5.27)

×冥王星が惑星から降格、太陽系の惑星は8個に(8.24)

×アメリカ中間選挙で民主党勝利(11.7)

×サダム・フセイン イラク元大統領処刑(12.30)

×ニューヨーク原油が初めて1バレル77ドルを突破(7.14)

×鳥インフルエンザによる死者が世界で100人を超える(3.21)

×ロシア連邦保安局元中佐がイギリスで殺害される(11.23)

×インド・ムンバイで列車同時テロ、179人が死亡(7.11)

×イラクで正式政権発足(5.20)

生活(2006)

○預金者保護法施行(2.10)。

×トリノ冬季オリンピック開催(イタリア2.10~2.16)。

×第1回ワールド・ベースボール・クラシック開催、日本が初代王者に(アメリカ3月)。

○非接触型ICチップ内蔵の新型パスポートが登場(3.20)。

○薬剤師学校教育6年制へ移行(4.1)。

○日本ハムファイターズの新庄剛志選手が今期限りでの引退を表明(4.18)。

×海外在留邦人が戦後初めて100万人を突破(5月)。

○国民年金保険料の無断免除・猶予が全国26都府県で11万3,975件に上ることが判明(5.29)。

○改正道路交通法施行。駐車違反取締りが民間委託に(6.1)。

○シンドラーエレベータ社製のエレベーター誤作動で死亡事故(6.3)。

×サッカーW杯ドイツ大会開催(6.9~7.9)。イタリアが4回目の優勝。

○サッカー日本代表の中田英寿が現役引退を表明(7.3)。

○ガス瞬間湯沸かし器が原因の中毒事故が判明(7.14)。

○サッカー日本代表監督にイビチャ・オシム前ジェフ市原監督が就任(7.21)。

○亀田興毅がWBA世界ライトフライ級世界王座を奪取。判定に疑問噴出(8.2)。

○オウム真理教の松本智津夫被告の控訴棄却、事実上死刑判決が確定(9.15)。

○戦後国産旅客機第1号のYS-11が日本国内の定期路線から引退(9.30)。

×アジア競技大会(ドーハ)開催(カタール12.1)

○改正教育基本法が可決成立(12.14)。

○松坂大輔投手、6年61億円で大リーグ・レッドソックスと入団契約(12.15)

○2006年の出生数は前年を上回る。合計特殊出生率は1.3台に回復の見通し。

表参道ヒルズオープン(2.11)、神戸空港開港(2.16)、新北九州空港開港(3.16)、近鉄けいはんな線開業(3.27)、ゆりかもめが有明駅から豊洲駅間の2.7㎞延伸(3.27)、横浜ベイクォーター開業(8.24)、アジア最大規模のタイ・スワンナプーム空港開港(9.28)、ららぽーと豊洲オープン(10.5)、キッザニア東京オープン(10.5)、京都国際マンガミュージアム開館(11.25)

時の商品・新製品(2006)

○老化防止・健康関連商品-脳トレ関連商品(「脳を鍛える大人のDSトレーニング」など)、メタボリック症候群対策商品(肥満予防商品)、アンチエイジング(肌の老化を防ぐ商品)、デトックス、植物性乳酸菌飲料、高カカオチョコレート、缶入り酸素、おからこんにゃく。

○高級感のある商品-プレミアムビール、プレミアムシート、高級豆腐、「レクサスLS460」。

○リーズナブルな商品-軽自動車、セルフサービス型外資系家具チェーン。

○安全・安心な商品-子供向け携帯電話、疾病保障付き住宅ローン、介護サービス付きマンション、コンピュータウィルス対策ソフト。

○ポータブルな商品-高性能携帯ゲーム機、音楽プレーヤー付き携帯電話、ワンセグ対応携帯電話、携帯型デジタルAVプレーヤー、「おサイフケータイ」。

○エコロジーな商品-「エネループ」、超節水トイレ、マイボトル。

○注目を集めた商品-大画面薄型テレビ、デジタル一眼レフカメラ、「ダ・ヴィンチ・コード」、SNS、「TSUBAKI」、次世代ゲーム機、「キッザニア東京」。

○新発想商品-汚れを予防する除菌剤、進化型ドラム式洗濯乾燥機、「土鍋IH炊飯ジャー」、「カップシチュー」。

話題の広告(2006)

・<TSUBAKI 春・宣言編ほか>=資生堂

・<BOSS 宇宙人ジョーンズ>=サントリー

・<もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング 脳年齢ほか>=任天堂

・<日清カップヌードル FREEDOM>=日清食品

・<au 早くauにいらっしゃい>=KDDI

・<ガス・パッ・チョ!ピピッとコンロ・信長編ほか>=東京ガス

・<えびフィレオ エビちゃん>=日本マクドナルド

・<AQUOS 亀山工場>=シャープ

・<B-ing もっと輝ける場所へ>=リクルート

・<ライフカード どーすんの?オレ>=ライフ

・<あえるパスタソースたらこ たらこ~♪>=キューピー

・<Apeos ダメなんだよ、私の場合はネ>=富士ゼロックス

・<Switch!鉄人がやってきた編ほか>=東京電力

・<牛乳に相談だ。 ラブレター編ほか>=中央酪農会議

・<ジョージア 新しいジョージアはじまる>=日本コカ・コーラ

・<ギャツビー ムービングシズル編ほか>=マンダム

・<¥0「予想外割」宣言編>=ソフトバンクモバイル

話題のテレビ番組(2006)

○フジテレビが年間平均視聴率で3年連続の3冠(ゴールデン帯、プライム帯、全日帯)を達成。ノンプライム帯を加えると2年連続の4冠。

○トリノ冬季五輪、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、FIFAワールドカップドイツ大会など国際的なスポーツイベント中継が高視聴率を獲得した。ワールドカップ一次リーグ第2戦の日本対クロアチア戦が年間視聴率トップの52.7%、日本対オーストラリア戦が49.0%を記録。WBC決勝の日本対キューバ戦も43.4%と健闘。

○ボクシングの亀田興毅選手の世界タイトルマッチを中心とした亀田兄弟関連番組が注目を集める。

○ドラマの年間視聴率トップ10のうち1位から5位までをフジテレビが独占。
1位は2001年話題作の特別版、木村拓哉主演の「HERO」(30.9%)。連続ドラマでは、命の尊さと人間の絆の大切さをテーマとした吉岡秀隆主演の「Dr.コトー診療所2006」が人気となる。

○巨人戦の年間平均視聴率が9.6%と低迷、過去最低記録を更新。

○日本テレビ「笑点」が5月14日に番組開始40周年を迎える。これを機に三遊亭円楽が勇退し5代目司会者に桂歌丸が就任。

○日本テレビの52年間におよぶ民放最長寿番組「NNNきょうの出来事」が9月末で終了。

○大晦日が恒例だった「輝く!日本レコード大賞」が12月30日に変更、視聴率も上昇(2005年10.0%→2006年17.0%)。

○大晦日の格闘技番組「K-1Dynamite!!」が高視聴率(19.9%)を獲得。

NHK(2006)

《風のハルカ》17.5%《純情きらり》19.4%《芋たこなんきん》16.8%
〈功名が辻〉20.9%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が30.6%、第二部39.8%と、いずれも前年を下回った。第一部は過去最低、第二部は過去ワースト2位。

○大河ドラマ「功名が辻」の平均視聴率は前年の「義経」を1.4ポイント上回る20.9%となる。4年ぶりに20%台を回復。

○2005年に続いてNHK職員による不祥事が多発。

○受信料不払い問題で、11月、東京簡易裁判所に支払い督促の申し立てを行う。

流行語(2006)

イナバウアー、品格、エロカッコイイ(エロカワイイ)、格差社会、シンジラレナ~イ、たらこ・たらこ・たらこ、脳トレ、ハンカチ王子、ミクシィ、メタボリックシンドローム、新庄劇場、Web2.0、ロングテール

流行歌(2006)

レコード大賞:氷川きよし<一剣>

最優秀新人賞:絢香<三日月>

①Real Face<KAT-TUN>
②粉雪<レミオロメン>
③青春アミーゴ<修二と彰>
④抱いてセニョリータ<山下智久>
⑤SIGNAL<KAT-TUN>
⑥ただ…逢いたくて<EXILE>
⑦しるし<Mr.Children>
⑧純恋歌<湘南乃風>
⑨supernova/カルマ<BUMP OF CHICKEN>
⑩タイヨウのうた<Kaoru Amane>

○CDの総売上金額は前年比4.4%減の3,491億5千万円。シングルが577億円で同7.1%減、アルバムが2,914億円で同3.9%減となる。

○ミリオンセラーはシングルでは「Real Face」の1作品、アルバムでは6作品。

話題の映画(2006)

洋画
①ハリー・ポッターと炎のゴブレット
②パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
③ダ・ヴィンチ・コード
④ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女
⑤M:i:Ⅲ

邦画
①ゲド戦記
②LIMIT OF LOVE 海猿
③THE 有頂天ホテル
④デスノート the Last name
⑤日本沈没

○年間入場者は1億6,427万人で前年比102.4%、382万人の増加となった。映画館数はシネコンの増加が続き、2005年より136館増え、3,062館で13年連続の増加となる。21年ぶりに興行収入シェアで邦画が洋画を上回る。

○興行収入は2,026億円で、前年比102.2%と2年ぶりの増加となった。

ベストセラー(2006)

①国家の品格<藤原正彦>
②ハリーポッターと謎のプリンス(上・下)<J.K.ローリング>
③東京タワー オカンとボクと、時々、オトン<リリー・フランキー>
④えんぴつで奥の細道<大迫閑歩・書、伊藤洋・監修>
⑤病気にならない生き方<新谷弘実>

○出版業界は2年連続の前年割れ。販売額は前年比2.0%減の2兆1,525億円。書籍は1.4%増と2年ぶりの増加となるが、雑誌は4.4%減で9年連続のマイナス。

○書籍は4点のミリオンセラーが出るなど堅調。教養新書の売れ行きが好調。

話題のマンガ(2006)

○コミック誌は11年連続、コミックスは2年ぶりの前年割れ。

○コミック誌は月刊誌、週刊誌がともに不振。一方、コミックスは『DEATHNOTE』(集英社)、『のだめカンタービレ』(講談社)など、映画化、テレビドラマ化をきっかけにヒット作品が生まれる傾向が続いた。

○少年コミック誌では『月刊コミックアライブ』(メディアファクトリー)、『少年ファング』(リイド社)、青年コミック誌では『月刊COMICリュウ』(徳間書店)、『月刊ヤングキング』(少年画報社)などが創刊された。
NANA(集英社)、ONE PIECE(集英社)、PLUTO(小学館)、鋼の錬金術師(スクウェア・エニックス)、BLEACH(集英社)、NARUTO(集英社)、HUNTER×HUNTER(集英社)、ハチミツとクローバー(集英社)、蟲師(講談社)、きょうの猫村さん(マガジンハウス)、20世紀少年(小学館)、ラブ★コン(集英社)、僕等がいた(小学館)、ケロロ軍曹(角川書店)

ファッション(2006)

○流行色は白。コートからバッグ、パンプス、ベルトなどの小物まで白が注目され、全身を白でコーディネートというスタイルも見受けられた。

○女性誌のモデル、「エビちゃん」こと蛯原友里が若い女性に大人気。エビちゃんが好きな色「ピンク」は、ファッションだけでなく家電やゲーム機などにまで広がった。

○秋にはロング丈のニットカーディガンも人気となり、フードや襟に部分的にファーを使ったコートなどが浸透。そしてスリムジーンズよりもさらに裾が細い「スキニージーンズ」が登場し、長い丈のまま足首でたるませて履くスタイルや、裾をロングブーツに入れる「ブーツイン」スタイルが流行した。

気象状況(2006)

○前年12月から2006年1月にかけて日本海側で記録的な大雪。雪下ろし中の事故等で死者150人以上という深刻な被害を出し「平成18年豪雪」と命名。

○春から夏にかけて全国的に日照不足、五月晴れもほとんどないまま梅雨入りした。6月には沖縄本島で記録的な大雨、梅雨前線は梅雨後半に更に非常に活発になり北陸、長野、中国地方、九州南部などで相次いで集中豪雨が発生、7月半ばから各地に大きな被害をもたらした大雨は「平成18年7月豪雨」と命名された。梅雨明けも南西諸島を除いて平年より遅く長梅雨となった。

○秋以降は全国的に高温。記録的豪雪だった前年冬から一転し暖冬となった。

○9月に宮崎県延岡市で台風に伴い竜巻が発生し大きな被害を出し、11月には北海道佐呂間町で国内としては最大規模の竜巻が発生し大惨事となった。

×フィリピンで集中豪雨による大規模地すべりが発生、1,000人以上の死者(2月)。インドネシア・ジャワ島中部地震(マグニチュード6.3)により5,700人以上が犠牲に(5月)。欧米を熱波が襲い、多数の死者(6月~8月)。秋には南米ペルー沖の海水温が上昇するエルニーニョ現象が4年ぶりに発生。

×12月の世界の月平均気温は、平年差が+0.41℃で観測史上最高。また年平均気温は、世界が平年差+0.31℃で歴代3位タイ、日本は平年差が+0.44℃で10位タイとなった。

2005年(平成17年)

経済白書 副題(2005)

改革なくして成長なしⅤ

首相 小泉純一郎

経済概況(2005)

○平成17年の日本経済は、8月に政府および日銀が景気の踊り場脱却を宣言するなど回復基調を強めた。17年の実質経済成長率は2.7%のプラスとなった。企業収益は4年連続の増収増益、個人消費と輸出も堅調であった。アメリカの相次ぐ利上げなどの影響で年間を通して円安が続く。株は年間に40%上昇し年末には1万6.000円台を回復。住宅着工は3年連続の増加。自動車は前年並み。低迷が続く百貨店やスーパーはマイナス幅が縮小。家電も好調であった。

経済成長率 名目 1.4% 実質 2.7%
民間最終消費支出 名目 1.4% 実質 2.2%
民間企業設備投資 名目 6.8% 実質 7.8%
輸出 名目 8.4% 実質 6.9%
消費者物価    -0.1%  

日本の広告費(電通調査)(2005)

○総広告費は景気回復を背景に2年連続の増加となる。愛知万博(愛・地球博)、衆院選などが追い風となるが前年の反動もあって伸びは微増。21業種中10業種が前年実績を上回る。テレビ広告費は微減。インターネットが大幅に増加。

  億円 対前年比(%)
総広告費 59,625 (101.8)
新聞 10,377 (98.3)
雑誌 3,945 (99.4)
ラジオ 1,778 (99.1)
テレビ 20,411 (99.9)
SP 19,819 (101.3)
衛星メディア 487 (111.7)
インターネット 2,808 (154.8)

政治・経済・業界(2005)

○京都議定書が発効(2.16)。

×スマトラ島沖地震が再発生。死者1千人(3.29)。

×中国で反日デモが相次ぎ発生(4月)。

×新ローマ法王が決定。ベネディクト16世と名乗る(4.19)。

×韓国、中国との歴史認識問題が深刻化。

×中国人民銀行が人民元の2%切り上げ発表(7.21)。

○終戦60周年(8.15)。

○トヨタの高級車ブランド「レクサス」始動(8.30)。

○セブン&アイ・ホールディングスが発足(9.1)。

○民主党の新代表に前原誠司氏が選出される(9.17)。

○第3次小泉内閣発足(9.21)。

○村上ファンドが阪神電鉄の筆頭株主になったことが判明(9.27)。

○道路4公団民営化(10.1)。

○三菱UFJフィナンシャルグループ発足(10.1)。

×ドイツ首相に女性で旧東ドイツ出身のアンゲラ・メルケル氏が就任(10.10)。

×イラク国民投票で新憲法が承認される(10.25)。

○日本経団連が次期会長にキヤノンの御手洗冨士夫社長の内定を発表(11.7)。

×第1回東アジアサミットがマレーシアで開催(12.14)。

○セブン&アイ・ホールディングスがミレニアムリテイリングとの2006年6月をメドにした経営統合を発表(12.26)。

○住宅着工は前年比4.0%増で3年連続のプラス、新車販売は前年と同水準。百貨店・スーパーは9年連続の前年割れ。失業率は年間平均で4.4%、3年連続で改善。12月の失業者数は265万人。

○携帯電話の加入台数が9,018万台となる。

○年間を通して円安傾向が続き最終日は117円47銭(12.30)。株価は景気拡大期待から年間に40%上昇、最終日は16,111円となる(12.30)。東証第一部の年間売買代金は前年に続いて過去最高を更新。

マスコミ・広告・媒体(2005)

○楽天がTBSの筆頭株主になったことが判明(10.13)。

○KDDIと東京電力がFTTH事業で業務提携に合意(10.13)。

○総務省がブログサービスの登録者数473万人、SNSの登録者数393万人との調査結果を発表(10.19)。

○改正電波法・放送法が成立。放送局に対する外資の間接出資を規制(10.26)。

○地上デジタルテレビ放送の受信可能範囲が拡大。新たに東北6県でも放送開始(12.1)。

○NTTドコモがフジテレビへの出資を表明。大手通信会社の放送局本体への資本参加は初めて(12.21)

○BSデジタル放送の普及世帯数は約1,090万世帯(12.31)、CS放送の個人契約数は約350万人となる(12.31)。

媒体の発足(2005)

○雑誌-女性誌-「GLAMOROUS(グラマラス)」講談社3.7、「美人百花」角川春樹事務所8.27、「REAL SIMPLE JAPAN(リアルシンプルジャパン)」日経BP10.20、「GISELe(ジゼル)」主婦の友社10.28など。男性誌-「UOMO」集英社2.25、「駱駝」小学館5.10など。生活情報誌-「夢21」わかさ出版3.2、「食楽」徳間書店4.30、「wa.sa.bi(和・沙・美)」インデックス・マガジン5.7、「Body+」実業之日本社6.23、「パピルス」幻冬舎6.28など。パソコン関連誌-「オトナの週末パソコン」インフォレスト6.29など。ビジネス・マネー誌-「ダイヤモンド・マネー」ダイヤモンド社9.1など。

○主な休廃刊は「PREMIERE」アシェット婦人画報社、「melon」祥伝社、「Grand Magasin」日之出出版、「COSMOPOLITAN」集英社、「じゃらん」リクルート、「日経01EZ」日経ホーム出版など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数101局

○コミュニティ放送局数185局(8局増)

○創復刊誌数201誌、休廃刊誌数148誌

愛・地球博(愛知万博)。予想を上回る人出となり大いに盛り上がった。

国内10大ニュース(2005)

○JR福知山線脱線事故、死者107人(4.25)

○愛・地球博(愛知万博)開催、累計来場者数2,205万人(3.25~9.25)

○紀宮さまご結婚(11.15)

○第44回衆院選、自民党圧勝(9.11)

○マンションやホテルの耐震強度偽装事件発覚(11月)

○アスベスト(石綿)関連死問題広がる(6.29~)

○郵政民営化関連法が成立(10.14)

○プロ野球・千葉ロッテマリーンズが31年ぶりの日本一(10.26)

○野口聡一さん、スペースシャトルで宇宙へ(7.26~8.9)

○大相撲・横綱朝青龍が史上初の7連覇と年6場所完全制覇

海外10大ニュース(2005)

×超大型ハリケーン「カトリーナ」で米ニューオーリンズ大被害(8.29)

×第264代ローマ法王ヨハネ・パウロ2世死去(4.2)

×ロンドン同時爆破テロ(7.7)

×パキスタン大地震、約7万3千人が死亡(10.8)

×ニューヨーク原油の先物価格が高騰

×フランス各地で暴動発生(10月下旬~11月)

×スペースシャトル「ディスカバリー」打ち上げ成功(7.26)

×米ブッシュ大統領、2期目就任(1.20)

×中国政府、鳥インフルエンザによる死者発表(11.16)

×北朝鮮、核保有認める(2.10)

生活(2005)

○老人を狙った悪質な住宅リフォーム詐欺が発覚(6.30)。

○知床半島の世界自然遺産登録が決定(7.14)。

○女子プロゴルフ、宮里藍が日本女子オープンで史上最年少優勝(10.2)。

○東京モーターショーが幕張メッセで開催(10.22~11.6)。

○中央競馬のディープインパクトが史上2頭目の無敗の3冠馬に(10.23)。

○帰宅途中の女子児童の誘拐殺人事件が広島県(11.22)と栃木県(12.2)で相次ぎ発生。子供の通学路の安全確保が社会問題となる。

○歌舞伎がユネスコの世界無形文化遺産への登録決定(11.25)。

○女子フィギュアスケート・グランプリファイナルで15歳の浅田真央が史上最年少優勝(12.17)。しかし年齢制限で2006年トリノ冬季五輪出場を逃す。

○2005年の日本人口が統計開始以来初の自然減に転じたことが判明(12.22)。

○12月に入り日本海側各県で記録的な豪雪。

○JR羽越本線で特急電車脱線事故が発生12.25)。

中部国際空港(セントレア)開港(2.17)、首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス線開通(8.24)、そごう心斎橋本店開業(9.7)、香港ディズニーランドオープン(9.12)、ヨドバシカメラマルチメディアAkiba開業(9.16)

時の商品・新製品(2005)

○華やか気分を味わえる商品-大画面薄型テレビ、「愛・地球博」(愛知万博)、「レクサス」、次世代携帯ゲーム機、プレミアムビール、ブランド豚。

○人とのつながりを体験できる商品-ブログ、「ウィルコム定額プラン」、「たまごっちプラス」、高齢者向け携帯電話、「ごくせん」、「NANA」、「電車男」。

○健康を意識した商品-寒天、コンザイムQ10、ジンギスカン、ヨガ、デトックス(体内解毒・浄化)、「花粉ガード」、ウコン、食育。

○低価格で高品質な商品-第3のビール、無料IP電話、10万円液晶テレビ、新・100円ストア、低価格ホームセキュリティ。

○注目を集めた商品-携帯型デジタルオーディオプレーヤー、音楽配信サービス、着うたケータイ、ハードディスク付きDVDレコーダー、電子マネー機能付き携帯電話、クールビズ・ウォームビズ、防災グッズ・サービス、インターネット株取引、家庭用シュレッダー、金沢21世紀美術館。

○新発想商品-スチームオーブンレンジ、フィルター自動掃除エアコン、スープカレー。

話題の広告(2005)

・<伊右衛門 衣替え編・川床編・これもええ編>=サントリー

・<UNO>=資生堂

・<オロナミンC>=大塚製薬

・<Switch!オール電化マンション編など>=東京電力

・<エコロジーライフキャンペーン AQUOS編など>=シャープ

・<ライフカード カードの切り方が人生だ編シリーズ>=ライフ

・<スリムス ヨガ編など>=サッポロビール

・<No.1キャンペーン、EVER HALF>=アフラック

・<ポッキー お見合い編>=江崎グリコ

・<アジエンス>=花王

・<ドコモ 新キャラ登場編など>=NTTドコモ

・<インテル サボテン編>=インテル

・<ムーヴ ヒーローインタビュー編>=ダイハツ

・<のどごし<生>>=キリンビール

・<トータルアシスト 自動車サッカー編>=東京海上日動火災

・<グリーンガム スポーツを応援 マリーンズ編>=ロッテ

・<CMのCMキャンペーン>=日本民間放送連盟

話題のテレビ番組(2005)

○ワールドカップサッカーアジア地区最終予選、フィギュアスケートのグランプリファイナル、バレーボール女子世界戦など、国際色の強いスポーツ中継が軒並み高視聴率を獲得したが、プロ野球中継は振るわなかった。

○韓国ドラマに押され気味だった連続ドラマが元気を取り戻した。学園ものや、人気コミックが原作の高校生もの、30代独身女性や団塊世代を描いたドラマなどが話題となった。教育、家族、恋愛、社会不安といったテーマのもとに現代社会の問題を扱ったドラマが目立った。教師と生徒の信頼関係を描いた「ごくせん」(日本テレビ)、「熟年離婚」(テレビ朝日)の最終回視聴率は30%を超えた。

○医療現場の人間の葛藤を描いた「白い巨塔」(フジテレビ)も最終回視聴率が30%を超え、リメークものも健闘した。

○8月末の「24時間テレビ28 愛は地球を救う」がチャリティマラソンを走り抜いた丸山和也弁護士が注目を集め、平均視聴率19.0%と過去最高を記録。

○巨人戦の年間平均視聴率が最低だった前年をさらに2ポイント下回り10.2%と、過去最低を更新した。

○漫才やお笑い番組は前年に続き好調。有名俳優が落語家に扮したドラマが登場し落語人気も盛り上がった。

NHK(2005)

《わかば》17.1%《ファイト》16.7%《風のハルカ》
〈義経〉19.5%

○「紅白歌合戦」の視聴率は第一部が35.4%、第二部42.9%といずれも前年を上回った。一部、二部とも前年を上回ったのは7年ぶり。みのもんた氏の司会起用が話題になった。

○大河ドラマ「義経」は前年の「新選組!」を2.1ポイント上回る19.5%となる。

○2000年に開始され人気番組となっていた「プロジェクトX~挑戦者たち」は年内をもって放送終了となった。

○前年に発覚した不祥事による受信料不払いが激増した責任を取って、海老沢勝二会長が1月に辞任し、後任に橋本元一専務理事が昇格した。しかし受信料不払い・保留件数はさらに拡大。

流行語(2005)

小泉劇場、想定内(外)、クールビズ、ウォームビズ、刺客、ちょいモテオヤジ、フォーー!、富裕層、ブログ、ボビーマジック、萌え~、小泉チルドレン、セレブ婚、ヒルズ族、格差社会、下流社会、もったいない

流行歌(2005)

レコード大賞:倖田來未<Butterfly>

最優秀新人賞:AAA(トリプルエー)<BLOOD on FIRE>

①青春アミーゴ<修二と彰>
②さくら<ケツメイシ>
③四次元FourDimensions<Mr.Children>
④*~アスタリスク~<ORANGE RANGE>
⑤SCREAM<GLAY X EXILE>
⑥Anniversary
⑦OCEAN
⑧ラヴ・パレード
⑨ファンタスティポ
⑩GLAMOROUS SKY

○総売上金額は2,837億8千万円と前年比で2.7%増加した。売上枚数では1億2,421万枚と前年比で微増。ミリオンヒットはシングルで「青春アミーゴ」が大健闘しシングル売上5年ぶりの増加に貢献、アルバムは昨年の6作から10作へと増加した。

話題の映画(2005)

洋画
①スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐
②宇宙戦争
③チャーリーとチョコレート工場
④Mr.インクレディブル
⑤オペラ座の怪人

邦画
①ハウルの動く城
②劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ミュウと波導の勇者ルカリオ
③交渉人 真下正義
④NANA
⑤容疑者 室井慎次

○年間入場者は1億6,045万人で前年比94.3%、964万人の減少となった。映画館数はシネコンの増加が続き、2004年より101館増え、2,926館で12年連続の増加となる。

○興行収入は1,982億円で、前年比94.0%と洋画の落ち込みが響き3年ぶりの減少となった。

ベストセラー(2005)

①頭がいい人、悪い人の話し方<樋口裕一>
②香峯抄<池田香峯子>
③さおだけ屋はなぜ潰れないのか?<山田真哉>
④これだけは知っておきたい個人情報保護<岡村久道・鈴木正朝>
⑤「もっと、生きたい…」<Yoshi>

○出版業界は2年ぶりに前年割れ。販売額は前年比2.1%減の2兆1,964億円。書籍は2年ぶり、雑誌は8年連続のマイナス。

○書籍は5点のミリオンセラーが出るなど堅調だったが、好調だった前年の水準には達しなかった。

話題のマンガ(2005)

○コミック誌は10年連続減少、コミックスは2年ぶりに前年を上回る。コミックスの売上げがコミック誌を超える。

○コミックス誌は月刊誌、週刊誌がともに不振。一方、コミックスは「NANA」や「花より男子」(各集英社)、「ドラゴン桜」(講談社)などテレビ化や映画化された作品が評判を呼び、読者を獲得。

○小学館が少女コミック誌「ChuChu(ちゅちゅ)を創刊(12.14)。

○PLUTO(小学館)、「失踪日記」(イースト・プレス)、鋼の錬金術師(スクウェア・エニックス)、DEATHNOTE(集英社)、夕凪の街 桜の国(双葉社)

ファッション(2005)

○春には、白やピンクなどを基本色にフリルやリボンをあしらった、清楚で男性に受けそうな「モテ系」ファッションが若い女性たちの間で流行した。

○夏のサンダルで注目されたのは、靴底全体が地面に接する「ウェッジソール」や、キラキラ輝く飾りの「ジュエルサンダル」。足指用の指輪「トゥリング」も人気に。

○秋冬には、19世紀英ビクトリア王朝時代の服装をモチーフに襟元や袖口にレースを使った装飾的なスタイルや、ミリタリー調のコートなどが注目された。

○夏の軽装「クール ビズ」、温かい服装で暖房の設定温度を下げる冬の「ウォーム ビズ」を新しいビジネススタイルとして環境省が提唱した。

気象状況(2005)

○正月寒波の年明け。その後、春にかけては季節外れの大雪や暑さが訪れ、気温の変動が大きかった。6月以降の夏平均気温は全国的に高く、特に西日本は猛暑の夏となった。春から夏にかけて西日本と東日本の太平洋側では極端な少雨、特に四国では深刻な水不足に陥った。台風の発生数は平年より少なかったが、上陸・接近数は平年並み。9月に入って大気の状態が不安定になった東京都心などで1時間に100ミリを超す大雨で浸水被害、また台風14号による暴風雨で九州地方を中心に大きな被害が出た。10月まで全国的に顕著な高温が続くが、11月半ば以降は寒気が入り込み12月は全国的に低温、東日本・西日本では1946年以降の最低記録を更新した。また、日本海側を中心に12月としては記録的な大雪となり、雪による死傷者や家屋の倒壊が相次いだ。

○3月に福岡県西方沖を震源とするマグニチュード(M)7.0、最大震度6弱の地震が、8月には宮城県沖でM7.2、最大震度6弱の地震が発生し、大きな被害を出した。

×世界の年平均気温の平年差は+0.32度で、1891年の統計開始以降2番目の高さ。

×8月、米南部を超大型ハリケーン「カトリーナ」が襲い、ルイジアナ州ニューオーリンズでは堤防が決壊するなど甚大な被害が発生した。

2004年(平成16年)

経済白書 副題(2004)

改革なくして成長なし4

首相 小泉純一郎

経済概況(2004)

○平成16年の日本経済は、前年からの景気回復基調が続いたが年後半にはやや減速感がでてきた。16年の実質経済成長率は2.7%のプラスとなった。企業収益は3年連続の増収増益となるが、個人消費にかげりが見え始め輸出も鈍化した。世界的なドル安で年間を通して円高となる。株は4月までは上昇したがその後あまり変動することがなかった。自動車と住宅着工は2年連続増加。百貨店やスーパーは低迷。家電は五輪効果や猛暑の影響で2年連続増加となった。

経済成長率 名目 1.5% 実質 2.7%
民間最終消費支出 名目 1.0% 実質 1.5%
民間企業設備投資 名目 4.4% 実質 5.9%
輸出 名目 12.5% 実質 14.3%
消費者物価    -0.0%  

日本の広告費(電通調査)(2004)

○総広告費は景気回復を背景に4年ぶりの増加となる。参院選、アテネ五輪、猛暑などが追い風となるが10月以降は伸びが鈍化。21業種中16業種が前年実績を上回る。テレビ広告費は2年連続増、インターネットも大幅に増加

  億円 対前年比(%)
総広告費 58,571 (103.0)
新聞 10,559 (100.6)
雑誌 3,970 (98.4)
ラジオ 1,795 (99.3)
テレビ 20,436 (104.9)
SP 19,561 (100.7)
衛星メディア 436 (104.1)
インターネット 1,814 (153.3)

政治・経済・業界(2004)

○明治生命と安田生命が合併し明治安田生命保険が誕生(1.1)。

○陸上自衛隊と航空自衛隊にイラク派遣命令決定(1.9)。

○大阪府知事選で大田房江氏が再選(2.1)。

×スペインで列車や駅など4カ所を狙った同時爆破テロが発生(3.11)。

○九州新幹線が鹿児島中央~新八代間で部分開業(3.13)。

○円相場が一時1ドル=103.75円となり約4年ぶりの円高に(3.31)。

○日本航空と日本エアシステムが完全に経営統合(4.1)。

○日経平均株価が一時2年8ヵ月ぶりに1万2千円台に上昇(4.5)。

×イラクで日本人3人が人質になる(4.8)がその後無事開放(4.15)。

○東証一部売買代金が33日連続で1兆円を超え記録更新(4.14)。

○中川経産相ら現閣僚や国会議員の年金未納・未加入が相次ぎ発覚(4.23~)。

×ポーランドなど10ヵ国が新たにユーロに加盟し25ヵ国体制に(5.1)。

○三菱自動車の欠陥隠ぺいが相次ぎ発覚(5月~)。

×イラクで日本人ジャーナリスト2名が襲撃され死亡(5.27)。

○第20回参院選で民主党が躍進(7.11)。

○関西電力の福井県美浜原発で蒸気噴出事故(8.9)。

○第2次小泉改造内閣発足(9.27)。

○堤義明会長が西武グループの全役職を辞任(10.13)。西武鉄道の上場廃止へ。

○住宅着工は前年比2.5%増で2年連続プラス、新車販売は前年比1.6%減。百貨店・スーパーは8年連続で前年割れ。失業率は年間平均で4.7%、2年連続で改善し4年ぶりに5%を切った。失業者数は270万人。

○企業倒産は13,837件となり2年連続で前年より減少、10年ぶりに14,000件を割った。単月の件数も24ヵ月連続減少。負債総額も4年連続減少となる。

○携帯電話の加入台数は8,548万台となる。

○年間を通して円高傾向が続き最終日は103円77銭となる(12.30)。株価は4月まで上昇、年初来高値更新(4.26)を記録するがその後は大きな変化もなく最終日は11,488円(12.30)となる。東証年間総売買代金は過去最高に。

マスコミ・広告・媒体(2004)

○在京民放5社とNHKは05年度中の地上波デジタル放送における携帯受信端末向けサービスを開始する内容を発表(3.24)。

○しずおか国際園芸博覧会「浜名湖花博」が浜松市で開催、来場者は540万人を超える(4.8~10.11)。

○下請法の規制対象が広がり広告制作等サービス分野もその対象となる(4.1)。

○ビデオ・リサーチがTVCMと視聴者の消費行動を探る個人型消費調査「パーソナル スキャン システム」を開始(7月)。

×アテネ・オリンピック開催(8.13~29)。日本選手活躍で金16個など過去最多のメダルを獲得。テレビ番組は高視聴率を記録。

○テレビ東京が東証に株式上場(8.5)。

○総務省によると国内のADSLが1,280万件突破(9.30)。

○北日本放送が3大広域圏以外で民放初の地上波デジタル本放送開始(10.1)。

○わが国初のラジオ広告団体である「日本ラジオ広告機構」が発足(10.1)。

○JR西日本が「車体広告」販売開始(10.1)。

○日本広告審査機構(JARO)が創立30周年を迎える(10.15)

○エフエム東京の深夜番組「ジェットストリーム」が1万回達成(11.25)。

○BSデジタル放送の普及世帯数は約765万世帯(12.31)、CS放送の個人契約者は約326万人となる(12.31)。

媒体の発足(2004)

○雑誌-女性誌「precious」小学館3.8、「PINKY(ピンキー)」集英社8.23、「BOAO」マガジンハウス9.7、「MAQUIA」集英社9.22など。男性誌-「smart max」宝島社2.10、「Men’s JORKER」ベストセラーズ3.10、「Gentry(ジェントリー)」アシェット婦人画報社9.24など。生活情報誌-「VS.(ヴァーサス)」光文社9.15、「Straight,」扶桑社9.24、「大人のウォーカー」角川書店9.25、「NIKITA」主婦と生活社9.28、「COLORFUL(カラフル)」ぴあ10.7、「TV Japan」東京ニュース通信社11.15など。パソコン関連誌-「アスキープラス」アスキー3.29など。会員向け-「DEPARTURES(デパーチャーズ)」エスクァイアマガジンジャパン3.15など。

○主な休廃刊は「ビジオモノ」ワールドフォトプレス、「ビジネススタンダード」ソフトバンクパブリッシング、「オブラ」講談社、「Hot-DogPress」講談社、「MINE」講談社、「BOYS RUSH」主婦の友社、「TOKYO BROS」東京ニュース通信社、「リナックスマガジン」アスキーなど。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数101局

○コミュニティ放送局数177局(10局増)

○創復刊誌数216誌、休廃刊誌数172誌

谷でも金。アテネ五輪序盤での日本柔道陣の活躍が、その後の日本メダルラッシュの起爆剤となる。

国内10大ニュース(2004)

○新潟県中越地方でM6.8の地震発生、新幹線が営業中初の脱線(10.23)

○イラクで邦人の殺害(5.23、10.30)や拉致(12.9)相次ぐ

○台風が観測史上最多の10個、日本に上陸(6月~10月)

○北朝鮮の拉致被害者家族が帰国(5.22及び7.18)

○アテネ五輪で日本選手活躍、史上最多のメダル獲得(8.13~8.29)

○プロ野球史上初のスト決行(9.18、19)

○イチロー大リーグの最多安打記録を84年ぶりに更新(10.1)

○頻発した振り込め(おれおれ)詐欺

○佐世保市で小6少女が同級生を殺害(6.1)

○紀宮さま婚約内定(11.14)

海外10大ニュース(2004)

×スマトラ沖でM9.0の大規模地震・津波発生、過去最悪の犠牲者(12.26)

×米大統領選でブッシュ氏再選(11.2)

×イラク情勢混迷の一途

×ロシアで学校占拠テロ(9.1)

×PLOアラファト議長死去(11.11)

×スペインで列車や駅への同時爆破テロ(3.11)

×江沢民辞任により胡錦濤が中国最高指導者に(9.19)

×米調査団がイラクの「大量破壊兵器」の存在・計画なしと最終報告(10.6)

×鳥インフルエンザの猛威アジアで広がる(1.13~)

×原油価格急騰、史上初の「1バレル50ドル」突破(9.27)

生活(2004)

○79年ぶりに発生した鳥インフルエンザウイルス感染-始まりは山口県の採卵養鶏場で6,000羽死亡(1.12)、その後大分県(2.17)、京都府(2.27)と感染が拡大し鶏の大量死が続いたが4月中旬にようやく終息。

○帝都高速度交通営団が民営化され東京地下鉄=東京メトロが誕生(4.1)。

○消費税の内税表示義務化スタート(4.1)。

○日本人の平均寿命が4年連続で過去最高を更新(男性78歳、女性85歳)。

○国民に刑事裁判への参加を義務付ける裁判員法が成立、09導入予定(5.21)。

○スポーツ界に10代旋風-ゴルフの宮里藍(18)、横峯さくら(18)やサッカーの平山相太(19)、森本貴幸(16)、卓球で五輪出場の福原愛(15)など将来有望選手が次々と現れ活躍した。

○おれおれ詐欺多様化で「振り込め詐欺」と命名(12.9)。

○アテネ五輪-有力選手多数がCMに登場、過去最多のメダル獲得果たすなど日本選手の大活躍で番組は軒並み高視聴率となる。感動を鮮明に迫力ある画面で見れる大画面薄型テレビやDVDレコーダーが売り上げを伸ばした。

○揺れた日本プロ野球界-球団再編問題で選手会が史上初のストライキを決行(9.18、19)。楽天ゴールデンイーグルスの50年ぶり新球団誕生(11.2)やダイエーから譲渡で福岡ソフトバンクホークスの2005年から誕生決定(12.24)。

○記録的な猛暑や台風上陸、地震発生など自然の力に翻弄された。その影響からか普段人里に現れないクマが人や作物を狙った被害が各地で続発。

○1万円、五千円、千円の新紙幣が発行される(11.1)。

○新道路交通法が施行され運転中の携帯電話が罰則対象に(11.1)。

みなとみらい線開通(2.1)、コレド日本橋(3.30)、ダイアモンドシティ・ソレイユ(3.24)、九州新幹線一部路線開業(3.13)、札幌プリンスホテルタワー開業(4.24)、丸の内オアゾ開業(9.14)、羽田空港第2ターミナルビルオープン(12.1)。

時の商品・新製品(2004)

○アジアならではの商品-韓流、「伊右衛門」、「ラストサムライ」、「アジエンス」、本格焼酎、黒酢、豆乳、「ハウルの動く城」、ジャパンホラー。

○感動をくれた商品-アテネ五輪、「冬のソナタ」、「世界の中心で、愛をさけぶ」、日本人メジャーリーガー、「ファインディング・ニモ」、歌舞伎。

○特需でヒットした商品-大画面薄型テレビ、DVDレコーダー、エアコン、アイスクリーム、日焼け止め化粧品、制汗化粧品、ビール、清涼飲料。

○からだが悦ぶ商品-「マツケンサンバ」、コエンザイムQ10、「モイスチュア スキンリペア」、ウオーキング、黒豆ココア、大豆ペプチド商品、「暴君ハバネロ」、「ストッパ下痢止め」、「脳を鍛える大人のドリル」。

○注目を集めた商品-国産高級セダン、ミニミニバン、「D70」デジタル一眼レフカメラ、携帯型デジタルオーディオプレーヤー、着うた、タワーマンション、「負け犬の遠吠え」、ビール風飲料、キャスター付きバッグ、携帯ゲーム機、非接触ICカード、ブログ、「ハルウララ」、「旭山動物園」、萌え。

○新発想商品-斜めドラム式洗濯乾燥機、「ヘルシオ」、「骨までおいしい魚」、男性向け美脚・脚長パンツ、オキシライド乾電池、水遊び専用おむつ、「電車男」。

話題の広告(2004)

・<オロナミンC あの人に会いたい編>=大塚製薬

・<伊右衛門 妻に、編>=サントリー

・<アイフル くぅ~ちゃん帰宅編>=アイフル

・<アミノ式 宙返り挙式編>=サントリー

・<ネスカフェ 朝のリレー編>=ネスレジャパン

・<生茶 菜々子さんの冬編>=キリンビバレッジ

・<プリッツ ボンジョルノ編>=江崎グリコ

・<ジョージア 登場~プラチナ待遇編>=日本コカ・コーラ

・<iPod ダンス編>=アップルコンピュータ

・<アジエンス 世界が嫉妬する髪へ>=花王

・<セゾンカード ザ・大車輪編>=クレディセゾン

・<AQUOS リビングは環境です>=シャープ

・<Switch!>=東京電力

・<EVER よ~く考えよ~>=アメリカンファミリー生命保険

・<カップヌードル NO BORDER編>=日清食品

・CM界にも韓流ブームが到来。「冬ソナ」の主演俳優ほか韓国スターを起用したCMが増え始める。一方で五輪開催年にふさわしくアスリート達が続々とCMに登場し機運を盛り上げた。

話題のテレビ番組(2004)

○フジテレビが年間平均視聴率で3冠を達成し11年ぶりに年間平均視聴率首位の座を日本テレビから奪取した。巨人戦の視聴率の低迷が響いた日本テレビは2位となる。

○日本中を韓流ブームに巻き込んだNHKの「冬のソナタ」人気にあやかろうとこの秋から日本テレビやフジテレビも韓国ドラマの放送を開始。

○テレビ朝日の看板報道番組「ニュースステーション」が18年6ヵ月の放送にピリオドを打ち(3.26)、4月から「報道ステーション」がスタート。

○時代劇が姿を消そうとしている。日本テレビの休止に続きフジテレビも4月の番組改編で時代劇を休止。レギュラーの時代劇で残るはTBS、テレビ朝日の2局だけとなる。

○TBSとフジテレビが4月から新設した「二時間枠」番組に民放他局も追従。臨機応変な企画ができるなど、今後、定着しそうな気配だ。

○アテネ五輪中継が深夜・未明にもかかわらず高視聴率となり、有力選手が登場する番組は選手の活躍と連動するように期待どおりの視聴率を記録した。

○巨人戦の年間平均視聴率が最低だった昨年をさらに2.1ポイント下回り12.2%となる。8月の月間平均視聴率も8.7%と、こちらも過去最低を記録。

○日本テレビの「エンタの神様」からブレークした波田陽区や長井秀和、青木さやかなど若手芸人が活躍し、新お笑いブームの一翼を担った。

NHK(2004)

《てるてる家族》18.9%《天花》16.2%《わかば》
〈新選組〉17.4%

○「紅白歌合戦」の視聴率は4年連続の50%割れだった昨年をさらに下回り、初の40%割れとなり、過去最低記録を更新(39.3%)。

○大河ドラマは昨年の「武蔵 MUSASHI」を0.7ポント上回るものの平均視聴率は20%を割り込み、17.4%となる。

○アテネ五輪放送は日本人選手の活躍もあり高視聴率となる。

○昨年の4月に衛星第2で始まった韓国ドラマ「冬のソナタ」は、その後再放送され、この4月から地上波で登場すると人気はさらに広がり日本中を沸騰させ「冬ソナ」フィーバーを巻き起こした。

○夏ごろから次々と発覚した職員の不正行為が社会問題となる。

流行語(2004)

チョー気持ちいい、気合だー、サプライズ、自己責任、新規参入、セカチュー、中二階、って言うじゃない…残念!!…○○斬り、負け犬、韓流、ヨン様、萌え、間違いない!、ハッスル!ハッスル

流行歌(2004)

レコード大賞:Mr.children<Sign>

最優秀新人賞:大塚 愛<さくらんぼ>

①瞳をとじて<平井堅>
②Sign<Mr.children>
③平原綾香<Jupiter>
④花<ORANGERANGE>
⑤掌/くるみ<Mr.children>
⑥かたちあるもの
⑦ロコローション
⑧君こそスターだ/夢に消えたジュリア
⑨桜
⑩Mickey

○総売上金額は2,762億4千万円で昨年より16.9%アップ、総売上枚数は1億2,352万3千枚。シングルは4年連続の減少となるがアルバムは22.4%アップとなる。ミリオンセラーはシングルでは該当なく、アルバムは6作となるが、深刻な低迷が続いた近年において久しぶりに上昇傾向となる。

話題の映画(2004)

洋画
①ラスト サムライ
②ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
③ファインディング・ニモ
④ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
⑤マトリックス レボリューションズ

邦画
①世界の中心で、愛をさけぶ
②いま、会いにゆきます
③ポケットモンスター アドバンスジェネレーション/他
④ドラえもん のび太のワンニャン時空伝/他
⑤名探偵コナン

○年間入場者は1億7,009万人で前年比104.8%、774万人の増加となり15年ぶりに1億6,000万人の大台を回復した昨年をさらに上回った。映画館数は2003年より144館増え、2,825館で11年連続の増加となる。シネコンの増加は続いている。

○興行収入は2,109億円で、前年比103.8%であった。夏休み作品の不振を上半期の大ヒット作などが補い昨年の日本映画史上最高記録を更新した。

ベストセラー(2004)

①ハリーポッターと不死鳥の騎士団<J.K.ローリング>
②世界の中心で、愛をさけぶ<片山恭一>
③バカの壁<養老孟司>
④グッドラック<A.ロビラ>
⑤蹴りたい背中<綿矢りさ>

○出版業界は8年ぶりに前年を上回った。販売額は前年比0.7%増の22,428億円。販売金額で書籍は4.1%増となるが雑誌は7年連続のマイナス。

○書籍は「ハリーポッター」の第5作が初版で290万部刊行されたことや純愛、韓流ブームに乗って異例ともいえる7点のミリオンセラーを記録。

話題のマンガ(2004)

○コミックス誌は9年連続、コミックスは5年ぶりに前年割れ。

○コミックス誌は『少年ガンガン』や『週刊少年ジャンプ』が健闘してるものの全体では苦戦、コミックスもヒット作はあるがテレビ化作品の不振が影響。

○休刊していた『漫画アクション』(双葉社)が4月に復刊。

○値段が1,000円前後と高価で豪華な「完全版」コミックが好調。連載当時のカラーページ復活や大型化した迫力が魅力となり売り上げが伸びている。

○「鉄人28号」や「三国志」、「魔法使いサリー」の作者、横山光輝氏が死去(4.15)。

○鋼の錬金術師(スクウェア・エニックス)、DEATH NOTE(集英社)、銀魂(集英社)、のらみみ(小学館)、D.Gray-man(集英社)、PLUTO(小学館)、金魚屋古書店出納長(少年画報社)、ラーメン発見伝(小学館)

ファッション(2004)

○合成樹脂製で、菓子のジェリービーンズのような色合いから「ジェリーバッグ」と呼ばれる半透明のバッグが若い女性の間で春から夏にかけ流行した。

○鼻緒が付いた草履型のサンダル「トング」が注目され、ラインストーンや貝をあしらったものなど種類も豊富になり、女性たちの夏の足元を飾った。

○本来はパジャマとして売られていた動物や人気キャラクターの着ぐるみを、外出着として着用する若者が現れ「着ぐるみん」などと称された。

○「冬ソナ」ブームから、「ヨン様巻き」と呼ばれるマフラーの巻き方が人気に。

○旅行用とされていたキャスターバッグに、小型でカラフルなものやキャラクター入りのものが登場し、ファッションとして街で引く若い女性が目立った。

気象状況(2004)

○2月までは北日本を除いて晴れの日が多く、春は全国的に高温となった。10月まで太平洋高気圧の勢力が強い状況が続き、7月には東京で観測史上最高の39.5℃を記録するなど各地で猛暑の夏となった。10月は秋雨前線や台風の影響により多雨。冬も東京で12月としては観測史上初の夏日となるなど、一年を通じて全国的に高温傾向が続き、日本の年平均気温は平年より1.01度高く、1898年の統計開始以降2番目の高さとなった。

○集中豪雨や激しい雷雨、また、これまでの記録6個を大幅に上回る10個の台風上陸など、夏から秋にかけて全国各地で雨や風による大きな被害が出た。

○10月には新潟県中越地震が発生し最大震度7を1回、震度6弱以上を4回観測、その後も活発な余震活動が続き甚大な被害をもたらした。

×世界的な高温。世界全体の年平均気温は平年より0.45度高く、統計史上では4位。

×6月以降、東アジアやアジア南部で大雨や台風により多くの死者が出た。8月から9月には米国南東部やカリブ海諸国でハリケーンによる大きな被害。

×12月、インドネシア・スマトラ島沖でマグニチュード9.0の地震が発生、インド洋沿岸諸国に大津波が押し寄せた。日本人を含め死者・行方不明者は30万人を超え、未曾有の自然災害に世界が衝撃を受けた。

2003年(平成15年)

経済白書 副題(2003)

改革なくして成長なし3

首相 小泉純一郎

経済概況(2003)

○平成15年の日本経済は、企業設備投資の増加と輸出の持ち直しにより昨年からの緩やかな景気回復が続いた。15年の実質経済成長率は2.7%のプラスとなった。企業の景況感も各業種で改善、企業収益は2年連続の増収増益となった。世界的なドル安で円高となるが輸出は増加した。株は前年からの安値傾向が年央に上昇に転じた。住宅投資は増加したが個人消費は一進一退。百貨店やスーパーは低迷。家電は好調となり自動車も3年ぶりに増加した。

経済成長率 名目 0.1% 実質 2.7%
民間最終消費支出 名目 -0.3% 実質 1.1%
民間企業設備投資 名目 3.5% 実質 9.4%
輸出 名目 5.4% 実質 10.0%
消費者物価    -0.3%  

日本の広告費(電通調査)(2003)

○総広告費は3年続けて減少となる。前半は社会不安要因で減少するが、後半に増加。情報・通信や家電・AV機器をはじめ、ほぼ半数の業種が増加となる。テレビ広告費が3年ぶりに増加し、インターネットも再加速した。

  億円 対前年比(%)
総広告費 56,841 (99.7)
新聞 10,500 (98.1)
雑誌 4,035 (99.6)
ラジオ 1,807 (98.4)
テレビ 19,480 (100.7)
SP 19,417 (98.0)
衛星メディア 419 (98.6)
インターネット 1,183 (140.0)

政治・経済・業界(2003)

○我国初の個人向け国債募集開始(2.3)。

×韓国の第16代大統領にノムヒョン氏就任(2.25)。

○大和銀行とあさひ銀行が合併しりそな銀行発足(3.1)。

×中国の国家元首に胡錦涛氏、首相に温家宝氏が選出(3.5)。

×米英軍、イラクと開戦(3.20)。

○さいたま市、全国で13番目の政令指定都市に(4.1)。

○日本郵政公社が発足し生田正治氏が初代総裁に(4.1)。

○イオンがスーパー業界で初の売上高首位(4.7)。

○統一地方選挙で10都道府県知事選の投票が実施される(4.13)。

○日経平均株価が一時7,603円の最安値を記録(4.28)。

○東京電力のトラブルの影響で全原発17基が止まる(4.15)。

○産業再生機構設立(4.16)。

○個人情報保護法成立(5.23)。

○有事関連3法が成立(6.6)。

×英国がユーロ参加を見送り(6.9)。

○日経平均株価が02年8月以来の1万円台に(8.18)。

○J-フォンが「ボーダーフォン」に社名変更(10.1)。

○政府与党は道路四公団の民営化を決定(12.22)

○住宅着工は前年比0.8%増で3年ぶりにプラス、新車販売も前年比1.5%増。百貨店・スーパーは7年連続で前年割れ。失業率は年間平均で5.3%、過去最悪となった前年を0.1ポイント下回り13年ぶりに改善。失業者数は300万人。

○企業倒産は16,624件で4年ぶりに減少、すべての月で昨年の同月を下回った。上場企業の倒産は20件で過去2番目の記録。

○携帯電話の加入台数は7,979万台となり人口普及率は62.5%に。

○20兆円もの巨額で市場介入したが円高が徐々に進み最終日は106円95銭となる(12.30)。株価は4月バブル崩壊後の最安値を記録するが、その後一気に上昇に転じ最終日には10,676円となり4年ぶりに前年末を上回る。

マスコミ・広告・媒体(2003)

○昭和28年にNHKが日本初のテレビ本放送開始以来50年を迎える(2.1)。

○フジテレビがWOWOWの筆頭株主となる(2.15)。

○総務省によるとCATVの加入世帯数が1,514万世帯で普及率31.2%、ブロードバンド利用者も推計で1,955万人となる(3.31)。

○第10回世界水泳選手権大会がバルセロナで開幕(7.13~7.27)。

○民放連はゴールデンタイムにおける消費者金融CMを自粛(7.17)。

○日本テレビも初の民放テレビとして開局50年を迎える(8.28)。

○健康増進法に虚偽誇大広告を禁止する改正法が加えられ施行される(8.29)。

○2005年日本国際博覧会協会は「愛・地球博」前売入場券の発売開始(9.25)。

○全国朝日放送は「(株)テレビ朝日」に、エフエムジャパンは「J-WAVE」に社名を変更(10.1)。

○第37回東京モーターショー開催(10.24~11.5)。

○日本テレビのプロデューサーによる視聴率買収工作が発覚(10.24)。

○三大都市圏の一部で地上デジタル放送スタート(12.1)。

○博報堂、大広、読売広告社の3社は持ち株会社、博報堂DYホールディングスを設立(10.1)。

○BSデジタル放送の普及世帯数は約507万世帯、CS放送の個人契約者は約311万人となる(12.31)。

○総務省によると国内のADSLが年末で1,000万件突破(12.31)。

媒体の発足(2003)

○雑誌-女性誌「In Red」宝島社2.7、「ATTIVA」徳間書店3.24、「ドマーニプレシャス」小学館4.12、「ST+」集英社5.1、「SINPARA」学習研究社7.22、「BLENDA」角川書店9.9、「Ku:nel」マガジンハウス9.20、「VOCE PLATINUM」講談社10.1など。男性誌-「ビジネスDIME」小学館3.27、「GQ JAPAN」コンデナスト・ジャパン4.24、「SAFARI」日之出出版5.23など。生活情報誌-「invitation」ぴあ2.10、「TVNAVI」扶桑社3.22、「ためしてガッテン」アスコム6.16、「おとなの週末」講談社9.16、「コンビニ★一週間」講談社10.10など。パソコン関連誌-「DOS/Vユーザーデラックス」宝島社5.5、「仕事のPC」インプレス9.24など。

○主な休廃刊は「マタニティ」「ベビーエイジ」婦人生活社、「アスラ」毎日コミュニケーションズ、「ミマン」文化出版局、「BeneBene」オレンジページ、「Olive」マガジンハウス、「Muffin」小学館、「プチバースデイ」実業之日本社、「漫画アクション」双葉社、「CARV」徳間書店など。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数101局

○コミュニティ放送局数167局(8局増)

○創復刊誌数207誌、休廃刊誌数159誌

就任2年目の星野仙一監督率いる阪神タイガースが18年ぶりにセ・リーグを制覇。

国内10大ニュース(2003)

○衆議院選挙で民主党が躍進、2大政党化進む(11.9)

○政府はイラクへ自衛隊派遣を決定(12.9)

○阪神タイガーズ18年ぶりのリーグ優勝(9.15)

○有事関連法が成立(6.6)

○りそなグループ(5.17)、足利銀行(11.29)に公的資金投入決定

○個人情報関連法が成立(5.23)

○長崎で中1少年が男児殺害(7.2)など少年少女関連事件続発

○住民基本台帳ネットワークが本格稼動(8.25)

○宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」がアカデミー賞受賞(3.24)

○10年ぶり冷夏でコメや季節商品に影響

海外10大ニュース(2003)

×米英軍とイラクが開戦(3.20)、米軍がフセイン元大統領拘束(12.14)

×イラク日本人外交官2名が銃撃で死亡(11.29)

×新型肺炎(SARS)が世界中で猛威(~7.5)

×米スペースシャトル「コロンビア」空中分解で墜落(2.1)

×中国が世界で3ヵ国目となる有人宇宙飛行に成功(10.16)

×北朝鮮核拡散防止条約脱退(1.10)を受け北京で6ヵ国協議開催(8.27)

×米カリフォルニアで大規模な山火事発生(10.29)

×米北東部とカナダ南東部で広範囲な大停電発生5000万人に影響(8.14)

×韓国で放火による地下鉄火災(2.18)

×米カリフォルニア州知事にシュワルツェネッガー氏(10.7)

生活(2003)

○横綱貴乃花が引退(1.20)。

○医療保険制度が変更されサラリーマンの窓口負担が3割に(4.1)。

○東京電力の原発停止により首都圏では夏期の停電が懸念される(6.23)。

○たばこ税引き上げによりメーカー各社が1箱20~30円の値上げ(7.1)。

○相次ぐ少年少女がらみの事件・犯罪-7月に長崎で起こった12歳の少年による幼稚園児殺害をはじめ沖縄では中学生による友人殺害、東京では小6女児4人がマンションで監禁され4日後に無事保護されるなど子供が被害に遭う犯罪が頻発。また児童が虐待により死亡する率も前年に比べ高かった。

○おれおれ詐欺-お年寄りに対し電話で「おれおれ」と息子や孫を装い現金を騙し取る悪質な詐欺が横行。

○日本人選手が世界で活躍-米大リーグNYヤンキースに入団した松井選手は ワールドシリーズでは日本人初本塁打も放った。7月のスペイン水泳世界選手権では北島選手が平泳ぎの100mと200mに世界新記録で優勝。8月世界陸上では末続選手が日本人として初めて短距離で銅メダル獲得。

○新型肺炎SARSの流行-中国広東省に端を発し世界に広がったSARSは患者数8,000強、死者774人に達した。日本での患者は発生がなかったものの人々に不安が広がり、再流行に備え感染症法と検疫法が改正された。

○コメや高級さくらんぼなど農産物盗難が続発。

○ガソリンタンクやタイヤ工場の火災など大企業の工場での事故が相次ぐ。

大江戸温泉物語オープン(3.1)、札幌駅JRタワーの大丸札幌店と札幌ステラプレイス同時オープン(3.6)、六本木ヒルズオープン(4.25)、Spa LaQua(ラクーア)開業(5.1)、東海道新幹線品川駅開業(10.1)、なんばパークス開業(10.7)、自由が丘スイーツフォレストオープン(11.21)。

時の商品・新製品(2003)

○元気が沸いてきた商品-阪神タイガーズ、日本人メジャーリーガー、「踊る大走査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」、「地上の星」。

○おとなが主役商品-六本木ヒルズ、山口百恵などCD復刻盤、おまけ付き菓子・飲料、鉄腕アトム、VAN、個人向け楽器レンタル、本格スポーツカー。

○健康アップ商品-アミノ酸飲料、にがり、体質改善緑茶、健康系発泡酒、豆乳飲料、健康酢、虫歯予防機能性ガム、睡眠改善関連商品、洗顔クロス。

○リラックスして楽しめる商品-「トリビアの泉」、「ハリー・ポッター」、スローライフ、都市型温泉、プレミアム黒ビール、女子十二楽坊。

○注目を集めた商品-ブロードバンド、DVDレコーダー、薄型(プラズマ・液晶)テレビ、メガピクセル携帯電話、小型デジカメ、新世代ハイブリッドカー、「バカの壁」、テレビ通販、フリーペーパー、くぅーちゃん。

○新発想商品-チョイノリ、着うた、朝専用缶コーヒー、サイクロン掃除機、シリコン製吸着ブラジャー、個人向け国債、骨伝導携帯電話。

話題の広告(2003)

・<アミノ式 回転運動~くるくるピクニック>=サントリー

・<アイフル くぅ~ちゃんとペアルック>=アイフル

・<生茶 菜々子さんの夏編>=キリンビバレッジ

・<駅前留学、お茶の間留学 NOVAうさぎDJ編>=NOVA

・<ジョージア ゆーたった編>=日本コカ・コーラ

・<カローラフィールダー 小野伸二とクインティちゃん>=トヨタ自動車

・<午後の紅茶 あややスキャット編>=キリンビバレッジ

・<ボス ボス♪いつもそばにいてね>=サントリー

・<EVER よ~く考えよ~>=アメリカンファミリー生命保険

・<水性キンチョール つまらん!>=大日本除虫菊

・<ポカリスエット ボクシング編>=大塚製薬

・<au 着うた>=KDDI

・<FM V 岸部さんて?>=富士通

・<TBC JUST BEAUTYメンズコスメ編>=コミー

・人気女優を世に送り出してきた繊維メーカー各社のキャンペーンガール選考が中止される気運に。昨年東洋紡がそして今年はカネボウ、帝人がその中止を発表。

話題のテレビ番組(2003)

○テレビ放送50年目となった今年、12月1日より地上デジタル放送が開始されテレビは新しい時代を迎えた。この時点において放送の特長であるハイビジョン放送とデータ放送がテレビ局の目玉となった。現行の地上アナログ放送は2011年7月24日で停止される。

○日本テレビが放送した映画「千と千尋の神隠し」が視聴率46.9%を記録。年間視聴率ランキング1位となるとともに、過去テレビで放送された映画の最高記録を樹立(1.24)。

○年間平均視聴率において日本テレビが10年連続の4冠を達成。

○ドラマやバラエティーが伸び悩むなかドラマでは「GOOD LUCK!!」(TBS)が唯一平均視聴率30%を記録。続いて「渡る世間は鬼ばかり」(TBS)、「白い巨塔」(フジ)が上位を占めた。バレエティでは雑学をテーマにした「トリビアの泉~素晴らしきムダ知識~」(フジ)が大ヒット、関連本やグッズなども連動してヒットした。

○ドラマが低調だった一方でスポーツ「世界大会」が注目された。各局が競技ごとに世界大会やワールドカップを次々と放送したことで世界的なスポーツイベントが安定した視聴率を記録。なお、巨人戦は最低だった昨年をも下回り過去最低の14.3%となる。

○テレビ朝日の「ニュースステーション」から久米宏キャスターが、18年目となる04年3月末に降板することが発表される。

NHK(2003)

《まんてん》20.7%《こころ》21.3%《てるてる家族》
〈「武蔵」MUSASHI〉16.7%

○「紅白歌合戦」の視聴率は4年連続の50%割れで、過去最低を記録(45.9%)。

○大河ドラマは平均視聴率を昨年20%台に押し戻したにもかかわらず、再び20%を割り込みワースト3位となる。

○教育テレビはティーン層獲得を狙い過去最大の改編(56%)を行い、「サンダーバード」、「ひょっこりひょうたん島」、「人形劇・プリンプリン物語」のかつての大人気人形劇番組を復活させる。

○衛星第2で放送した韓国ドラマ「冬のソナタ」(4.3~9.4)が人気沸騰。ドラマのロケ地ツアーや関連本出版が相次ぎ、冬のソナタブームを巻き起こした。

流行語(2003)

毒まんじゅう、なんでだろう~、マニフェスト、勝ちたいんや!、コメ泥棒、SARS、年収300万円、バカの壁、ビフォーアフター、へぇ~、スローライフ、セレブ、おれおれ詐欺、ユビキタス、パティシエ、ゲッツ、新3種の神器、二大政党、高見盛(ロボ・コップ)

流行歌(2003)

レコード大賞:SMAP<世界で一つだけの花>

最優秀新人賞:一青 窈<もらい泣き>

①世界に一つだけの花<SMAP>
②虹(虹/ひまわり/それがすべてさ)<福山雅治>
③COLORS<宇多田ヒカル>
④さくら(独唱)<森山直太郎>
⑤月のしずく<RUI>
⑥明日への扉
⑦涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~
⑧ourselves(「&(ourselves,greatful day,HANABI~episode Ⅱ~,theme of a-nation’03)」
⑨HERO
⑩大切なもの

○総売上金額は2,363億4千万円で昨年より21.3%ダウン、総売上枚数は1億0,995万1千枚。シングルは3年連続の減少となりアルバムも2ケタの落ち込みとなる。ミリオンセラーはシングルが1作、アルバムは7作となり、昨年同様に深刻な低迷が続いた。

話題の映画(2003)

洋画
①ハリー・ポッターと秘密の部屋
②マトリックス リローデッド
③ターミネーター3
④ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
⑤パイレーツ・オブ・カリビアン

邦画
①踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
②ポケットモンスター アドバンスジェネレーション/他
③名探偵コナン 迷宮の十字路
④黄泉がえり
⑤座頭市

○年間入場者は1億6,234万人で前年比101.0%、158万人の増加となり15年ぶりに1億6,000万人の大台を回復した。映画館数は2002年より46館増え、2,681館で10年連続の増加となる。

○興行収入は2,032億円で、前年比103.3%であった。この結果は夏休み興行作品のヒットにより日本映画史上最高の記録となる。

ベストセラー(2003)

①バカの壁<養老孟司>
②世界の中心で、愛をさけぶ<片山恭一>
③トリビアの泉 へぇ~の本(1)~(4)<フジテレビトリビア普及委員会編>
④ベラベラブック2<スマステーション2>
⑤開放区<木村拓哉>

○出版業界は7年連続のマイナス成長。販売額は前年比3.6%減の22,278億円。販売金額で書籍はまたマイナスとなり、雑誌も6年連続のマイナス。

○昨年人気があった「ハリー・ポッター」シリーズは今年新刊がなく、ミリオンセラーは2点に留まる。書籍・雑誌とも返品率上昇が目立った。

話題のマンガ(2003)

○コミックス誌は8年連続の前年割れ、コミックスは4年連続のプラス成長。

○コミックスは作品のテレビによるアニメ・ドラマ化が要因となりどちらかというと大人向け作品がヒットした。

○今年は鉄腕アトムの誕生した年。1951年手塚治虫原作で漫画雑誌『少年』に連載され多くの日本人が知っている国民的なマンガのヒーローがストーリーの中で誕生した日が2003年4月7日、彼にちなんだPRが各地で実施された。

○『少年マガジン』、『ビッグコミック』が創刊1000号を達成。

○ブラックジャックによろしく(講談社)、Dr.コトー診療所(小学館)、カッパの飼い方(集英社)、NANA-ナナ-(集英社)、20世紀少年(小学館)、テニスの王子様(集英社)、鋼の錬金術師(スクウェア・エニックス)

ファッション(2003)

○肩ひもや背中のバンドがなく、胸に直接吸着させてつけるシリコン素材の米国製ブラジャー「ヌーブラ」が大ブーム。

○スカートスタイルが復活。裾のラインが斜めやギザギザになったデザインのアシンメトリー(非対称)スカートが流行った。また、ミニスカートと相性のいい膝上丈のニーハイブーツや、レッグウォーマーなども注目された。

○ユニクロや大手スーパーが、これまで高級衣料とされてきたカシミア100% のセーターを1万円以下の低価格で発売し人気となる。

○制服が定められていない学校の女子中高生の間で、評判のいい他校の制服のようにアレンジして着る「なんちゃって制服」がブームとなる。

気象状況(2003)

○冬から春先まで気温の変動が大きく、4月から6月頃は全国的に高温傾向。夏はオホーツク海高気圧と前線の影響で南西諸島を除き10年ぶりの冷夏となり、米などの農作物に深刻な打撃を与えた。東北地方は梅雨明けを特定できなかった。秋は気温の変動が大きくなり、特に11月は東日本以西を中心に記録的な高温となった。1年を通してみると日照時間は全国的に短かく、年平均気温では北日本と東日本が平年並み、西日本と南西諸島では平年を上回った。これまで高温傾向が続いていた東日本の平年並みは7年ぶり。

○台風の発生数は21個と少なかったが、早い時期から上陸したり、日本への接近数が多い年だった。

○大きな地震が相次ぎ発生。5月に宮城県沖マグニチュード(M)7.1震度6弱。7月に宮城県北部M6.4、震度6強。9月に北海道十勝沖M8.0、震度6弱。

×一部を除き世界的な高温。インドでは5~6月に気温が49℃台まで上昇し1400人以上が死亡。6~8月には欧州各地が40℃を超える熱波に見舞われ、フランスを中心に欧州全体で2万人以上の死者を出した。また、米カリフォルニア州では10月、異常高温と小雨から大規模な森林火災が発生した。

×中国中部で大雨による大洪水が発生(7月)する一方で、中国南部や台湾では干ばつの被害が広がった。

×8月、約6万年ぶりに火星が地球までの距離約5576万キロの大接近。

2002年(平成14年)

経済白書 副題(2002)

改革なくして成長なし2

首相 小泉純一郎

経済概況(2002)

○平成14年の日本経済は、年初から輸出主導による緩やかな景気回復が続いた。14年の実質経済成長率は0.3%で4年連続のプラスとなった。年後半になって米国の景気減速による輸出の伸び悩みとともに、銀行の不良債権処理加速による影響が懸念されて株価が急落するなどで景況感が悪化した。設備投資は減少、住宅投資や個人消費も低迷が続いた。百貨店やスーパーは一時回復の兆しが見えたが低調。家電や自動車も全体では減少した。

経済成長率 名目 -1.3% 実質 0.3%
民間最終消費支出 名目 0.0% 実質 1.5%
民間企業設備投資 名目 -7.4% 実質 -3.8%
輸出 名目 6.2% 実質 8.2%
消費者物価    -0.9%  

日本の広告費(電通調査)(2002)

○総広告費は2年続けて減少となる。W杯などがあったが情報・通信や飲料・嗜好品をはじめ多くの業種が減少、年前半に大幅な落ち込みとなる。衛星メディアは伸び悩みで減少、インターネットはナショナルクライアントが本格出稿で加速。

  億円 対前年比(%)
総広告費 57,032 (94.1)
新聞 10,707 (89.0)
雑誌 4,051 (96.9)
ラジオ 1,837 (91.9)
テレビ 19,351 (93.6)
SP 19,813 (96.7)
衛星メディア 425 (90.2)
インターネット 845 (115.0)

政治・経済・業界(2002)

×通貨統合参加12ヶ国でユーロの紙幣・通貨の流通開始(1.1)。

○三和銀行と東海銀行が合併し、UFJ銀行が誕生(1.15)。

○米ウォルマートが西友に出資、包括提携で合意(3.14)。

○疑惑絡みで辻元清美氏(3.26)、加藤紘一氏(4.8)、田中眞紀子氏(8.9)など有力議員の辞職が相次ぐ。鈴木宗男議員は逮捕される(6.19)。

○第一勧銀、富士、興銀の再編によりみずほが開業(4.1)。大規模なシステムトラブルが続いた。

○ペイオフが一部解禁(4.1)。

×米ヒューレットパッカードとコンパックが合併(5.7)。

○日本経済団体連合会(日本経団連)が発足(5.28)。

×米通信大手のワールドコムが倒産(7.21)。

○郵政関連法が成立(7.24)。日本郵政公社が03年4月発足へ。

○東京電力の原子力発電所で点検記録の改ざんが発覚(8.29)。

○小泉首相が日本の首相として初めて北朝鮮の金正日総書記と会談(9.17)。

○NKKと川崎製鉄が経営統合(9.27)。

○小泉改造内閣発足(9.30)。

○日本航空と日本エアシステムが経営統合(10.2)。

○ペイオフの全面解禁を2005年4月まで延期(10.7)。

○政府は総合デフレ対策を決定、産業再生機構の設置を盛り込む(10.30)。

×中国で胡総書記を中心とする新指導部が発足(11.14)。

○東北新幹線の盛岡、八戸間が開業(12.1)。

×次期韓国大統領にノ・ムヒョン氏が当選(12.19)。

○住宅着工は前年比1.9%減で2年連続減少。新車販売も前年比2.3%減、百貨店・スーパーも6年連続で前年割れ。失業率は年間平均で5.4%、前年比0.4ポイント悪化で2年連続の過去最悪を更新。失業者数は331万人。

○企業倒産は19,458件で3年連続で前年を上回り、戦後2番目の高水準となる。上場企業の倒産は29件で戦後最多を記録。

○携帯電話の加入台数は7,908万台となり人口普及率は62.0%に、カメラ付き携帯電話は5人に1人の割合に。

○4月までは円安基調が続いたが、5月から円高に転じ9月以降は120円台となる(12.30)。株価は8月まで10,000円前後で推移するが10月には9,000円を割り、11月にはバブル崩壊後の最安値を記録するなど低迷。

マスコミ・広告・媒体(2002)

○TBSが横浜ベイスターズを買収(1.26)。

○冬季五輪開催報道のため一部の一般紙が新聞休刊に特別版を発行(2.12)。

○冬季五輪の平均視聴率が6.4%で前回長野大会を下回る(2.24)。

○110度CSデジタルが本放送を開始(3.1)。

○スカパーの総登録者数が300万人を突破(3.4)。

○総務省は2001年末のインターネット普及率が44%と発表(5.21)。

○サッカーW杯で日本対ロシア戦の視聴率がスポーツ中継歴代2位の66.1%を記録(6.9)。

○総務省は3月末のケーブルテレビ加入世帯数を1,303万世帯と発表(6.10)。

○メディア規制2法案が国会で継続審議となる(7.31)。

○スカパーBB本格サービス開始(8.1)。

○衛星デジタル音楽放送(セント・ギガ)が総務省より再免許を取得(11.1)。

○博報堂、大広、読売広告社の3社が2003年秋に共同持ち株会社を設立する経営統合計画を発表(12.2)。

○電通が汐留シオサイトの新本社ビルで本格業務開始(12.2)。隣接する複合施設カレッタ汐留には日本初の広告資料館「アド・ミュージアム」もオープン。

○BSデジタル放送の普及世帯数は約366万世帯、CS放送の個人契約者数は約294万件となる(12.31)。

○総務省は2002年末のインターネット利用者は6,942万人、人口普及率は54.5%と発表(12.31)。

媒体の発足(2002)

○雑誌-女性誌「PS(プリティー・スタイル)」小学館4.1、「メロン」祥伝社8.31、「ベビモ」「プレモ」主婦の友社10.15、「STORY」光文社11.1、「スウィート」宝島社12.12など。男性誌-「サムライマガジン」英知出版3.6、「Sportiva」集英社3.25、「ライド」ベストセラーズ4.6、「SENSE」主婦の友社8.24など。生活情報誌-「BS&CSザ テレビジョン」3.23、「けっこんぴあ」ぴあ6.22、「月刊シュシュ関西」角川書店6.28、「テレパルf」小学館9.24、「テレビサライ」小学館9.24など。ビジネス・マネー誌-「日経ビジネスアソシエ」日経BP4.8など。

○主な休廃刊は「mc sister」アシェット婦人画報社、「Petit seven」小学館、「実業の日本JN」実業之日本社、「DIAS」光文社、「鳩よ!」マガジンハウス、「Balloon」「わたしの赤ちゃん」主婦の友社、「TANTO」集英社、「MILES」徳間書店、「gli(グリ)」講談社。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数101局

○コミュニティ放送局数159局(8局増)

○創復刊誌数197誌、休廃刊誌数152誌(パソコン誌15誌が休刊)

アジアで初のサッカーW杯が日本と韓国の共同開催で行われ、日本は決勝トーナメントへ進出した。

国内10大ニュース(2002)

○初の日朝首脳会談、その後拉致被害者が24年ぶりに帰国(9.17、10.15)

○サッカーW杯日韓共同開催、日本は決勝トーナメント進出(5.31~6.30)

○ノーベル賞で日本初のダブル受賞(10.8、9)

○牛肉偽装事件や食品不正表示相次ぐ(1~8)

○疑惑絡みで辻元、加藤、田中の衆議院議員辞職(3~8)

○鈴木宗男衆議院議員あっせん収賄容疑で逮捕(6.19)

○原発のトラブル隠し発覚(8.29)

○住民基本台帳ネットワーク稼動(8.5)

○株価バブル崩壊後の安値更新(11.14)

○長野県知事選で前知事の田中康夫氏が圧勝(9.1)

海外10大ニュース(2002)

×イラクの大量破壊兵器疑惑に対する国連査察4年ぶり再開(11.27)

×中国、瀋陽の日本総領事館に北朝鮮一家が駆け込み亡命(5.8)

×中国共産党が胡錦濤総書記体制の新指導部選出(11.14)

×韓国大統領選で与党民主党のノ・ムヒョン氏当選(12.19)

×欧州単一通貨ユーロの現金流通始まる(1.1)

×米大統領が北朝鮮、イラク、イランを「悪の枢軸」と非難(1.29)

×インドネシア、バリ島で爆弾テロ(10.12)

×北朝鮮が核開発継続を認める(10.16)

×イスラエル軍、パレスチナ自治政府議長府を制圧(3.29)

×アフガニスタンでカイザル大統領新政権発足(6.19)

生活(2002)

○道路交通法改正で飲酒運転の罰則が強化される(6.1)。

○国民に11ケタの住民票コードを付け国や自治体が個人情報をオンラインで共有する住民基本台帳ネットワークが稼動する(8.5)が、個人のプライバシーが守られるか否か問題も多く、スタートから自治体の不参加が続出した。

○東京都千代田区が全国初の路上禁止区域での喫煙やポイ捨てなどを禁止する条例を施行(10.1)。

○食品業界の不祥事相次ぐ-牛肉偽装(1月、6月、7月)、食肉不正表示(3月)、BSE確認(5月、8月)、無認可香料(5月)、中国製ダイエット薬品で健康被害(7月)、中国産冷凍野菜から残留農薬(8月)などで、新聞の広告欄が「お詫びとお知らせ」で埋め尽くされた。

○東京電力の原発で点検記録の改ざんが発覚、生活者の不信感が高まった。

○ノーベル賞W受賞-物理学賞で東大名誉教授の小柴昌俊氏が、化学賞ではサラリーマンの田中耕一氏が日本で初の2部門受賞が決まった(10.8-9)。飾らない2人の人柄もあり久々の明るいニュースとなった。

○スポーツで沸いた1年-2月の米国ソルトレークシティで開催された冬季五輪大会に続き6月にはアジアで初めてのサッカーW杯が日本・韓国共催のもとで行なわれ、世界トップレベルのプレーを堪能すると共に日本が初めて決勝トーナメントへ進出するなど歴史的な大会となった。また、年末には日本プロ野球界屈指のスラッガー松井秀喜選手が米大リーグ、ニューヨークヤンキースに移籍が決まるなど誰もが注目する話題が続いた。

○タマちゃんに癒された人々-8月、多摩川に突如現れたアゴヒゲアザラシの「タマちゃん」はその丸くて愛くるしい姿で人々を魅了し、多くのファンを生み出した。毎日川へ通い詰める人がいたり「見守る会」が結成されるなどその人気ぶりは流行語大賞にまで輝いた。

○誰もが知っている歌?-子供のころ誰もが一度は歌った「大きな古時計」が60万枚のヒットを記録したり、スーパーの鮮魚売り場から主婦やその子供の間で人気となった「おさかな天国」などシンプルな歌が大ブレークした。

JR上野駅新駅舎(2.22)、丸ビル新装開業(9.6)、汐留駅開業(11.2)、りんかい線全線開通、東北新幹線の盛岡-八戸間が開業(12.1)。

時の商品・新製品(2002)

○人とのつながりを楽しむ商品-丸ビル、カメラ付き携帯電話、サッカーW杯、ADSL、小沢征爾 第九のライブ録音CD、Jrファッションブランド、食のテーマパーク、東京ディズニーシー、横浜赤レンガ倉庫2号館、ガチャポン、職住近接マンション、カレッタ汐留。

○日本を見つめ直した商品-日本語ブーム、昭和30年代テーマパーク、駄菓子、復刻版家電・家具、讃岐うどん、おにぎり、元ちとせ、亜麻色の髪の乙女。

○自分を見つめ直した商品-廃虚ブーム、アミノサプリ、「生きかた上手」、プチ整形、「老いてこそ人生」、健康エコナ マヨネーズタイプ、高級ブランド。

○心地よさややすらぎの商品-ハリー・ポッター、スター・ウォーズ、大きな古時計、バウリンガル、タマちゃん、マイナスイオン家電、個室レストラン。

○注目を集めた商品-PDPテレビ、中国 上海、180円スニーカー、「海辺のカフカ」、アカペラ、松井秀喜、アブトロニック、菊川 怜、マーチとイスト。

○新発想商品-トップオープンドラム式洗濯機、ホテイチ、部屋干しトップ。

話題の広告(2002)

・<ボス ボス♪いつもそばにいてね>=サントリー

・<DAKARA 余分なもの>=サントリー

・<au インターネット接続サービス>=KDDI

・<FMV 何でここにいるんだ>=富士通

・<Qoo 子供だってうまいんだも~ん>=日本コカ・コーラ

・<ジョージア~♪明日があるさ>=日本コカ・コーラ

・<アイフル ペット編>=アイフル

・<タンスにゴンゴン>=大日本除虫菊

・<ホットペッパー ケチャップついてるやん>=リクルート

・<黒ラベル Love Beer?な男>=サッポロビール

・ <ポカリスエット 宇宙ステーション内>=大塚製薬

・ <ギャッツビー 人生いろいろ♪>=マンダム

・ <ムービー写メール>=ジェイフォン

・ <愛の分け前プレゼントキャンペーン>=全日本空輸

・ アジアで初めてのサッカーW杯が日韓で開催され、公式スポンサーを中心に数多くの企業がW杯バージョンのCMをオンエア。ナイキ、アディダスはスター選手を起用することで注目される。

話題のテレビ番組(2002)

○アジアで初めて開催されたサッカーW杯は、世界のスター選手が活躍するとあって大きな注目を集め、日本中がその中継に沸いた。日本対ロシア戦(フジ)は66.1%でスポーツ中継歴代2位の視聴率を記録。決勝のドイツ対ブラジル戦(NHK)後半も65.6%の3位、地上波で放送した40試合の約半数の19試合が30%を超えた。

○日本テレビは9年連続の年間平均視聴率4冠を達成、民放2位のフジを3位のTBSが追い上げた。

○ドラマやバラエティーは年間をとおして前半はサッカーW杯に後半は拉致報道の影響からか不振。特にドラマはここ数年視聴率の数字が下がり続けている。平均視聴率が20%を超えた作品は「渡る世間は鬼ばかり」(TBS)、「空から降る一億の星」(フジ)など3本のみ。過去に実績を残したタレントを起用してもその数字は伸びず、4割近くの作品は平均視聴率1ケタと苦戦が続いている。

○昨年のワイドショーの主役であった「小泉ワイドショー内閣」の政治家らを巻き込んだ度重なる疑惑の報道は、人気のあった彼らのイメージを損なわすことでワイドショーそのものの人気も落とす結果となった。

○1956年から46年間続いた「東芝日曜劇場」(TBS)から1社提供スポンサーの東芝が完全撤退、長寿番組のひとつが消えた。

○TBS系列が史上初の地上波とBSデジタル放送連動で孤島でのサバイバルゲームをテーマにしたライセンス番組が、日本版「サバイバー」、米版「サバイバーⅢ」として放送され注目を浴びる。

NHK(2002)

《ほんまもん》22.6%《さくら》23.3%《まんてん》
〈利家とまつ・加賀百万石物語〉22.1%

○「紅白歌合戦」の視聴率は3年連続の50%割れで、89年に次ぐワースト2位。

○昨年なんとか同率で踏み止まった大河ドラマはトレンディドラマの人気タレント起用で3年ぶりに平均視聴率を20%台に押し戻した。地元石川県ではドラマの経済効果が786億円にのぼる。

○大相撲秋場所で週末を中心に6日間、初の字幕放送を行う。

流行語(2002)

タマちゃん、W杯、中津江村、貸し剥がし、声に出して読みたい日本語、真珠夫人、ダブル受賞、内部告発、ベッカム様、ムネオハウス、拉致、びみょー、GODZILLA(ゴジラ)、プチ整形、イケメン、食肉偽装、マイナスイオン、ワン切り、○○再生

流行歌(2002)

レコード大賞:浜崎あゆみ<Voyage>

最優秀新人賞:中島美嘉<Forever Memories>

①independent(『H(independent, july 1st,HANABI)』(3曲A面))<浜崎あゆみ>
②traveling <宇多田ヒカル>
③ワダツミの木<元ちとせ>
④Life goes on<Dragon Ash>
⑤Way of Difference<GLAY>
⑥SAKURAドロップス/Letters
⑦大きな古時計
⑧愛のうた
⑨Voyage
⑩光

○総売上金額は3,001億7千万円で昨年より22.2%ダウン、総売上枚数は1億3,738万5千枚。シングルは史上最悪の昨年よりさらに落ち込みアルバムも2ケタの落ち込みとなる。ミリオンセラーはシングルが1作、アルバムは7作となり、深刻な低迷となる。

話題の映画(2002)

洋画
①ハリー・ポッターと賢者の石
②モンスターズ・インク
③スター・ウォーズ・エピソード2
④ロード・オブ・ザ・リング
⑤スパイダーマン

邦画
①猫の恩返し/ギブリーズepisode2
②名探偵コナン ベイカー街の亡霊
③ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃
④ポケットモンスター 水の都の護神/他
⑤ドラえもん のび太とロボット王国/他



○年間入場者は1億6,076万人で前年比98.5%、252万人のダウンであったが業界としてみれば健闘した年といえる。映画館数は2001年より50館増え、2,635館で9年連続の増加となる。

○興行収入は1,967億円で、前年比98.3%であった。昨年の好調さを上半期は持続したが下半期になり下降した。

ベストセラー(2002)

①ハリー・ポッターと賢者の石 他3部<J・K・ローリング>
②ビッグ・ファイト・キャットの世界一簡単な英語の本<向山淳子ほか>
③生き方上手<日野原重明>
④声に出して読みたい日本語<齋藤孝>
⑤世界がもし100人の村だったら<池田香代子ほか>

○出版業界は6年連続のマイナス成長。販売額は前年比0.6%減の23,105億円。販売金額で書籍は6年ぶりにプラスとなるが、雑誌は5年連続のマイナス。

○厳しい環境の中、書籍は「ハリー・ポッター」シリーズや英語学習書、日本語関連書が健闘する。雑誌は分冊百科が数多く創刊された。

話題のマンガ(2002)

○コミックス誌は7年連続の前年割れ、コミックは3年連続のプラス成長。

○大ヒットした「あしたのジョー」「巨人の星」を収録した講談社の『少年マガジン名作コレクション』(「ジョー&飛雄馬」)が団塊の世代を中心に人気となる。『イブニング』や『週刊少年ジャンプ』もかつての名作、人気作の続編を連載し話題を呼んだ。

○『少年ジャンプ』が『少年マガジン』を抜き返しコミック誌の首位に立つ。

○『少年ジャンプ』の英語版月刊誌が米国内で発売される。

ONE PIECE(集英社)、ブラックジャックによろしく(講談社)、バガボンド(講談社)、MONSTER(小学館)、すべてに射矢ガール(講談社)、テニスの王子様(集英社)、ヒミズ(講談社)、NANA-ナナ-(集英社)

ファッション(2002)

○前年から流行がみられたジーンズやスパッツの上にスカートやワンピースを重ね着するダブルボトムのスタイルがブレイクした。

○春夏のトレンドはボヘミアン。放浪生活を送るジプシーや自由気ままな芸術家をイメージしたファッションで、1960~70年代のブームの再燃となった。

○サッカーW杯で来日したイングランド主将ベッカム選手の髪型・ソフトモヒカンが流行、ベッカムもどきの男性が街に溢れた。

○秋にはクロス(=十字架)モチーフのペンダントが人気となる。

○ブーツとロングマフラーはすっかり定着し、この秋冬の目新しい流行はニットの帽子。耳当て付きやボンボリ付き、ターバン風等が若者に人気となった。

気象状況(2002)

○冬から春にかけて全国的に高温傾向が続いた。3~4月は極端に高温となり、東京では4月初めに25℃を超える夏日となった。夏は北日本で低温・多雨・寡照、西日本では高温・小雨・多照と地域差が大きく、梅雨前線の影響は少なかったが、東日本と東北では台風の影響もあり、降水量が平年より5割以上多かった。台風は1951年以降初めて関東地方に3個上陸、うち2個は7月中に上陸するなど、襲来も平年に比べ早かった。10月中旬まで各地で夏日を観測するほど残暑が続いたが、同月下旬以降は真冬並みの気圧配置となり、11月には平年より1カ月早く各地で初霜、初氷が観測され寒い秋となった。12月も関東に大雪が降るなど、北日本・東日本では低温が続いた。

×世界の年平均地上気温の平年差は+0.54℃で、統計史上2番目に高かった。

×1997年以来5年ぶりにエルニーニョ現象が発生した。

×3月に中国で過去最大規模の黄砂が発生。8月には中東欧諸国で150年ぶりの大洪水が発生し多数の被災者を出した。中国や韓国、南アジアなどでも洪水による被害に見舞われる一方、北米大陸では記録的な干ばつが発生した。12月にはオーストラリアで100年ぶりの大干ばつとなり、山火事の被害が広がるなど、世界の各地で異常気象による災害が目立つ年となった。

2001年(平成13年)

経済白書 副題(2001)

改革なくして成長なし

首相 森喜朗→小泉純一郎

経済概況(2001)

平成13年の日本経済は、年初から景気後退を続けた。13年の実質経済成長率は-0.5%と3年ぶりのマイナスとなった。年後半にはIT不況に米同時多発テロが重なり景気悪化が一段と鮮明になった。世界的な景気減速傾向のなかで、輸出、設備投資が落ち込み住宅投資も悪化、さらに個人消費の低迷が深刻化した。百貨店の売上げは持ち直しの兆しが見られたが、スーパーは低迷。家電は4月以降、自動車は9月以降前年割れ。外食や海外旅行は落ち込んだ。

経済成長率 名目 -1.9% 実質 -0.5%
民間最終消費支出 名目 -1.2% 実質 0.3%
民間企業設備投資 名目 -1.9% 実質 0.4%
輸出 名目 -4.9% 実質 -6.6%
消費者物価    -0.7%  

日本の広告費(電通調査)(2001)

○2年ぶりに減少となるが、総広告費は過去最高の前年に次ぐ水準。景気後退感が強まるなか情報通信や金融をはじめ多くの企業が広告費を抑制。衛星メディアの伸びが高いものの、インターネットは今までの急成長に急ブレーキがかかった。

  億円 対前年比(%)
総広告費 60,580 (99.1)
新聞 12,027 (96.4)
雑誌 4,180 (95.7)
ラジオ 1,998 (96.5)
テレビ 20,681 (99.5)
SP 20,488 (99.8)
衛星メディア 471 (177.1)
インターネット 735 (124.6)

政治・経済・業界(2001)

○中央省庁が再編され1府12省体制スタート(1.6)。

×アメリカ合衆国第43代大統領に共和党のブッシュ氏が就任(1.20)。

○宇和島水産高校の実習船がハワイ沖で米原潜と衝突、沈没(2.10)。

○政府は戦後初のデフレを公式に認定(3.16)。

○ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが大阪市にオープン(3.31)。

○住友、さくら両銀行が合併で三井住友銀行が開業(4.1)。

○NKKと川崎製鉄が経営統合で合意(4.13)、粗鋼生産量は世界2位に。

○小泉内閣が発足(4.26)。「聖域なき構造改革」を打ち出す。

○浦和、大宮、与野の3市が合併し人口103万人の「さいたま市」が誕生(5.1)。

○NTTドコモが第3世代携帯電話「FOMA」の試験サービス開始(5.30)、10月1日には商用サービスを開始。

○ソニーのネット専業銀行が営業開始(6.11)。

○第19回参院選で自民党が大勝(7.30)。

○吉野家など大手牛丼チェーン3社は牛丼を200円台に値下げ(8.1)。

○IT不況が深刻化、大手電機メーカーがリストラ計画を相次ぎ発表(8.20)。

○東京ディズニーシーがオープン(9.4)。

○農水省は国内で初めて狂牛病感染の牛を確認(9.10)。

×米国で同時多発テロが発生、世界貿易センタービルが崩壊(9.11)。

○マイカル民事再生法を申請(9.14)。東京生命(3.23)青木建設(12.6)も破たん。

×米国はテロの報復としてアフガニスタンのタリバン政権を攻撃開始(10.7)。

×米エネルギー会社エンロンが破綻(12.2)。

○住宅着工は前年比4.6%減で3年ぶりに減少。新車販売も前年比0.9%減、百貨店・スーパーも5年連続で前年割れ。失業率は12月に最悪の5.6%を記録、年間平均は5.0%で前年比0.3ポイント上昇。失業者数は過去最多の337万人。

○01年の企業倒産は戦後2番目の負債総額で16兆2,129億円となる。

○携帯電話は年間で891万台増(累計7,280万台)、移動電話全体の人口普及率は57.1%となったが96年以来初めて増加台数が900万台を割った。

○1年を通じて円安基調が続いた。米同時多発テロ後一時116円と急騰したが、その後は円安が続き131円台となる(12.28)。株価は5月に一時上昇したが、その後下落を続け9月には10,000円を割り込んだ。最終日は下値不安を抱えたまま10,542円の終値となった(12.28)。

マスコミ・広告・媒体(2001)

○電話会社事前登録制度「マイライン」の受付開始(1.10)。

○東経110度CSデジタル放送の委託放送事業会社が設立(2.26)。

○Jリーグを対象としたサッカーくじ「toto」の販売が全国でスタート(3.3)。

○民放連は静岡第一テレビの活動停止を解除(4.1)。

○スカパーの累計加入者が266万人となりWOWOWを抜く(5.8)。

○総務省は3月末のケーブルテレビ加入世帯数を1,048万世帯と発表(6.28)。

○ジャパンエキスポ「北九州博覧祭2001」(7.4~11.4)、「福島うつくしま未来博」(7.7~9.30)、「山口きらら博」(7.14~9.30)が開催。

○第9回世界水泳選手権福岡大会が開催(7.16~7.29)。

○ADSL料金を各社一斉値下げ(9.1)。

×同時多発テロ報道に際して米でテレビ史上初めて90時間CMなしの連続放送(9.11~9.14)。

○TBSのラジオ放送部門が独立(10.1)。

○東京都が電車の車体広告を解禁(10.18)。

○乗用車と二輪車が対象の第35回東京モーターショー開催(10.27~11.7)。

○電通、東証1部に上場(11.30)。

○国際宇宙ステーションで撮影した日本初の宇宙コマーシャルが完成(12.17)。

○インターネット博覧会(インパク)が閉幕(12.31)。

媒体の発足(2001)

○岐阜エフエム4.1開局。

○雑誌-女性誌「gli」講談社2.23、「mina(ミーナ)」主婦の友社3.5、「美的」小学館3.23、「BAILA」集英社5.12、「Style」講談社9.28など。男性誌-「Obra」講談社3.26、「週刊コミックバンチ」新潮社5.9、「DIAS」光文社6.18、「MILES」徳間書店9.26、「日経おとなのOFF」日経ホーム出版10.9など。生活情報誌-「古寺をいく」小学館1.23、「アサヒグラフ・PERSONS」朝日新聞社3.23、「Seoul Walker」角川書店5.20、「デジタルTVガイド」東京ニュース通信社5.24など。IT関連-「日経IT21」日経BP5.29など。ビジネス・マネー誌-「月刊ビジネスSPA!e+B」扶桑社3.5、「biztage」角川書店4.16など。

○主な休廃刊は「週刊宝石」光文社、「FOCUS」新潮社、「FMfan」共同通信社、「mc sister」アシェット婦人画報社、「Petit seven」小学館。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数101局

○コミュニティ放送局数151局(14局増)

○創復刊誌数167誌、休廃刊誌数170誌(過去最多で初めて創刊数を上回る)

米同時多発テロで9月11日午前ニューヨークの世界貿易センタービルにハイジャック機が突入。

国内10大ニュース(2001)

○雅子さま女児出産(12.1)

○小泉内閣発足(4.26)

○国内で初の狂牛病確認(9.10)

○小泉内閣がハンセン病控訴断念(5.23)

○女子マラソンで高橋尚子選手が世界最高記録樹立(9.30)

○大阪池田小に刃物男が乱入(6.8)

○歌舞伎町ビル火災で44人死亡の大惨事(9.1)

○野依名古屋大教授らにノーベル化学賞(10.10)

○奄美大島沖で海上保安庁巡視船と国籍不明の不審船が銃撃戦(12.22)

○機密費流用など外務省で不祥事相次ぐ(3.10)

海外10大ニュース(2001)

×アメリカで同時多発テロ発生(9.11)その後米英がアフガン空爆(10.7)

×オハフ島沖で愛媛県立水産高校のえひめ丸が米原潜と衝突し沈没(2.9)

×大リーグでイチロー大活躍(4~10)

×中国がWTOに正式加盟(12.11)

×米経済が8年半ぶりにマイナス成長(10.31)

×米エネルギー大手エンロンが経営破たん(12.2)

×フィリピン、インドネシアで女性大統領誕生(1.20、7.23)

×南シナ海で米偵察機と中国軍機が衝突(4.1)

×アフガニスタンのタリバンがバーミヤン石仏を爆破(3.7)

×イスラエルに対する連続自爆テロ(12~)

生活(2001)

○家電リサイクル法が施行される(4.1)。

○電話会社事前登録制度「マイライン」がスタート(5.1)。

○信頼が失墜した外務官僚-外務省の機密費詐欺事件で元室長が逮捕(3.10)されたのを皮切りに、経費水増し請求、公金流用と次々に不祥事が発覚した。

○日本で初の狂牛病-これまで国内は安全とされていた牛肉は、千葉県で感染牛が初めて発見(9.10)、北海道(11.21)、群馬県(12.1)と相次ぎ確認され消費者に不安感がひろがり消費量が激減した。

○増えてきた自己中心的な犯行と未解決事件-千葉県でおきた「3歳児虐待死事件」(2.20)や東京の「判事少女売春事件」(5.19)、大阪の「池田小刃物乱入殺傷事件」(6.8)など弱者への身勝手な犯行が目立った。前年末の「世田谷一家惨殺事件」や青森の「武富士放火殺人事件」(5.8)、新宿歌舞伎町での「雑居ビル火災事件」(9.1)は年末になっても未解決。

○巨人軍の長島監督が退任。(9.30)。

○皇太子妃雅子さまが女子を出産(12.1)、「敬宮愛子」さまと命名(12.7)。

○小泉ブーム-事前予想をくつがえして小泉純一郎氏が自民党総裁当選、組閣では田中真紀子氏を外相に80%を超える内閣支持率を得る。その人気はメールマガジンやキャラクターグッズのみならず連日のワイドショー報道やキャッチフレーズが流行語になってしまうほど。

○世界に挑戦した日本人アスリート-大リーグでイチローが新人王、MVPなどのタイトルを獲得する大活躍、佐々木も最多セーブを更新、野茂は2度目のノーヒットノーラン達成、新庄も話題となった。サッカーでは小野、稲本、高原といった日本代表クラスが海外移籍し注目された。高橋尚子選手は女子マラソンで世界初の2時間20分の壁を破り、柔道世界選手権で田村亮子選手が史上初の5連覇を達成した。

新東京宝塚劇場(1.1)、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(3.31)、札幌ドーム(6.2)、埼玉スタジアム(7.30)、東京ディズニーシー(9.4)、JR東日本の新タイプ定期券「Suica」登場(11.18)、湘南新宿ライン運転開始(12.1)。

時の商品・新製品(2001)

○本物をあじわえる商品-東京ディズニーシー、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、エルメス銀座店、デパ地下、有名店カップ麺。

○復刻商品-「明日があるさ」、ホービー玩具、コミックバンチ、復刻食品・飲料。

○日本をアピール-イチロー、「千と千尋の神隠し」、野依良治、ファイナルファンタジーX、小泉純一郎、二足歩行ロボット。

○注目を集めた商品-200円台牛丼、缶チューハイ、フィット、カフェ、浜崎あゆみ、アサヒ本生、ADSL、「チーズはどこへ消えた?」、液晶テレビ、低価格住宅、ミニモニ。、「プロジェクトX」、韓国料理、新タイプ納豆、無洗米、アイロン不要の柔軟剤、安全・防犯グッズ、銀イオン消臭パウダースプレー、ダイエット補助食品(ビール酵母など)、都心の超高層マンション。

○新発想商品-映像転送機能付き携帯電話、洗剤不要洗濯機、新機能型化粧品、タカラなんちゃってシリーズ、もも丈ストッキング。

○中国製品の流入が、日本で多くの低価格・高品質商品を実現させる。

話題の広告(2001)

・<ジョージア ♪明日があるさ>=日本コカ・コーラ

・<サッポロ黒ラベル Love Beer?>=サッポロビール

・<ボス 部長、ケミストリーって知っていますか?>=サントリー

・<キリンラガービール ♪カンパイ!!ラガー イェイ!>=キリンビール

・<カロリーメイト がんばれワカゾー>=大塚製薬

・<DAKARA あり得ないとも言い切れんな>=サントリー

・<ユニクロ>=ファーストリテイリング

・<タンスにゴンゴン>=大日本除虫菊

・<小泉の挑戦に、力を>=自民党

・<写メール>=ジェイフォン

・<スーパーチューハイ スーパー部長がなんて言うか…>=サントリー

・<カップヌードル>=日清食品

・<凍結果汁>=キリンビール

・コラボレーションCMが話題に(サントリー「ボス」とスカイパーフェクTVやKDDI、NTTドコモとローソンなど)

・マイラインや料金値下げ、新サービス競争で各電話会社が活発な広告展開。

話題のテレビ番組(2001)

○民放番組では「コンフェデレーションズカップサッカー決勝」、日本対フランスが37.9%で年間視聴率のトップとなる。

○日本テレビは他局の追い上げがあったものの8年連続の年間平均視聴率4冠を達成。

○ドラマではフジテレビの月9ドラマ「HERO」が初回から最終回までの各視聴率が30%以上を記録する大ヒットとなる。同局の「救命病棟24時」も人気を集めた。日本テレビでは人情コメディ「明日があるさ」がCMや同名の主題歌と共にヒットした。バラエティではフジテレビの「SMAP×SMAP」、日本テレビ「伊東家の食卓」やTBS「ガチンコ!」が昨年同様に人気となった。

○春の自民党総裁選に始まった小泉首相と田中真紀子氏の言動報道は徐々に拡大、昨年のサッチーVSミッチー騒ぎに勝るとも劣らない連日の報道が続いた。「小泉ワイドショー内閣」と流行語に選ばれるほど、年間を通してワイドショーの話題として取り上げられた。

○プロ野球巨人戦の平均視聴率が過去最低の15.1%となる。

○民放テレビ全社で秋の改編時より局側の判断で、午後9時から11時に放送するドラマや映画の事前番組情報を冒頭にスーパーなどで保護者や子供へ知らせる配慮が計られた。

○NHK放送文化研究所が発表した「2000年の国民生活時間調査」によると、テレビの平均視聴時間が平日、日曜とも過去最高を記録した。

○改正電波法が参議院本会議で可決され、2011年にアナログ地上放送の全廃が決定した(6.8)。

NHK(2001)

《オードリー》20.5%《ちゅらさん》22.2%《ほんまもん》
〈北条時宗〉18.5%

○「紅白歌合戦」は年間視聴率でトップを保つが2年連続で50%割れ。

○朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」はさわやかなヒロインと心優しい人々の朗らかな暮らしぶりや沖縄の美しい風景が視聴者にやすらぎを与え好評。番組に登場したキャラクター「ゴーヤーマン」は人気となり、沖縄料理もはやった。

○4年連続で年間平均視聴率が下降していた大河ドラマは同率で踏み止まる。

○戦後日本を築き上げた人々の挑戦の物語「プロジェクトX」が話題に。スタッフは菊池寛賞を受賞。関連のビデオやCD、本も番組と連動してヒット。

流行語(2001)

聖域なき改革、米百俵、骨太の方針、恐れず怯まず捉われず、ワイドショー内閣、改革の痛み、抵抗勢力、塩爺、明日があるさ、狂牛病、ショー・ザ・フラッグ、ヤだねったらヤだね、ファイナルアンサー、伏魔殿、ジハード、肉骨粉、感動した!

流行歌(2001)

レコード大賞:浜崎あゆみ<Dearest>

最優秀新人賞:w-inds.<Forever Memories>

①M<浜崎あゆみ>
②PIECES OF A DREAM<CHEMISTRY>
③波乗りジョニー<桑田佳祐>
④アゲハ蝶<ポルノグラフィティ>
⑤Can You Keep A Secret?<宇多田ヒカル>
⑥恋愛レボリューション21
⑦ultra soul
⑧Stand Up
⑨ボクの背中には羽根がある
⑩GLOBAL COMMUNICATION

○総売上金額は3,856億2千万円で昨年より1.2%ダウン、総売上枚数は1億7,444万7千枚。シングルは史上最悪の落ち込みとなるがアルバムは歴代4位の売り上げを記録し昨年から持ち直す。ミリオンセラーはシングルが昨年より大幅減で4作、アルバムは昨年より増加し26作となる。

話題の映画(2001)

洋画
①A.I.
②パール・ハーバー
③ジュラシック・パーク3
④ダイナソー
⑤PLANET OF THE APES 猿の惑星

邦画
①千と千尋の神隠し
②ポケットモンスター セレビィ 時を越えた遭遇
③バトル・ロワイヤル
④陰陽師
⑤2001年春東映アニメフェア

○年間入場者は1億6,328万人で前年比120.6%と15年ぶりに1億6,000万人台に乗った。映画館数は2,000年より61館増え、2,585館となる。

○興行収入も2,001億円で、前年比117.1%と大きくアップした。日本興行史上初めて2,000億円台を達成した。

ベストセラー(2001)

①チーズはどこへ消えた?<S・ジョンソン>
②ハリー・ポッターシリーズ3部作<J・K・ローリング>
③金持ち父さん 貧乏父さん<R・キヨサキ、S・レクター>
④話を聞かない男、地図が読めない女<アラン・ピーズほか>
⑤十二番目の天使<オグ・マンディーノ>

○出版業界は5年連続のマイナス成長。販売額も前年比3.0%減の23,250億円で低水準となる。販売金額で書籍が5年連続、雑誌が4年連続のマイナス成長。

○書店の新規出店は急速に減少、転廃業店も激増するなど厳しい環境となる。

○書店から出版社へのwebサイトを利用した受発注システムが進む。

話題のマンガ(2001)

○マンガは今年も低迷。相変わらずコミックスは好調だがコミック誌の販売部数が伸び悩む状況が続いている。

○マンガ界にリバイバルブームが到来し、かつての人気作品の復活や続編が活躍している。「キャプテン翼 ROAD TO 2002」や「キン肉マンⅡ」。そして5月に創刊された「週刊コミックバンチ」や8月創刊の「月刊イブニング」はマンガ全盛期の愛読者である30~40代をターゲットとし、リメイクものや続編ものを中心に掲載することで支持を集めた。

ONE PIECE(少年ジャンプ)、ジパング(コミックモーニング)、蒼天の拳(コミックバンチ)、20世紀少年(ビッグコミックスピリッツ)、フルーツバスケット(花とゆめ)、警視正 大門寺さくら子(ビッグコミックスペリオール)

ファッション(2001)

○つっかけ型のサンダル“ミュール”が引き続き大流行。

○片方ずつ買えるストッキングが発売され、柄の組み合わせの違いを楽しむはき方も話題となった。

○股上が浅く、腰の低い位置ではくローライズと呼ばれるジーンズ(ヒップハンガーなどとも呼ばれる)が若い女性を中心に人気となる。

○冬は長さが2m以上のニットのロングマフラーが人気を集め、首もとにぐるぐる巻くのが流行した。

○1970~80年代調のファッションがヤング層に流行。上部が丸く膨らみ前つばがついたキャスケットという帽子も人気となった。

気象状況(2001)

○年初に北日本では13年ぶりの厳しい寒さ、東日本は平年並み、西日本は暖冬になり、東西で寒暖差がはっきり出た冬となった。東日本では平年より20日ほど早い梅雨明けとなり、夏は強い勢力の太平洋高気圧に覆われた東日本以西で高温・小雨。特に7月の東日本は記録的な猛暑に見舞われた。秋には台風の影響で沖縄で大雨になるなど全国的にも降水量が多く秋らしい天気が少なかったが、気温は平年並みに戻った。年間の平均気温は北日本で5年ぶりに平年値を下回ったが、東日本と西日本は高めだった。

○11月にしし座流星群、大出現。日本で見られた流星群としては過去200年で最大規模となり、ピーク時には1時間に3千~5千個の流星が観測できた。

○3月に安芸灘を震源とするマグニチュード6.7の芸予地震が発生し、中国・四国・九州地方に死傷者を出した。また富士山では昨年秋から低周波地震が頻発し、政府や周辺の各県も万が一の噴火に備えた取り組みをスタートさせた。

×1月にインド西部でマグニチュード(M)7.7の地震が発生し、2万人の死者を出した。6月にはペルー沖でM8.4の地震が起きたが、震源が人口密集地から離れていたため犠牲者は100人余と比較的少なかった。

2000年(平成12年)

経済白書 副題(2000)

新しい世の中が始まる

首相 小渕恵三→森喜朗

経済概況(2000)

平成12年の日本経済は、緩やかながら景気の回復基調が続いた。12年の実質経済成長率は1.7%で前年の0.8%に続いてプラスとなった。IT(情報技術)関連を中心に企業の設備投資が活発化し景気回復を支えた。消費需要は百貨店・スーパーの売上は低迷を続けたが、パソコンや携帯電話は好調を維持、家電および自動車は回復の兆しが見られ、海外旅行も持ちなおした。全般に低価格志向が一段と進行した。

経済成長率 名目 0.0% 実質 1.7%
民間最終消費支出 名目 -0.6% 実質 0.5%
民間企業設備投資 名目 2.4% 実質 4.5%
輸出 名目 8.0% 実質 12.0%
消費者物価    0.7%  

日本の広告費(電通調査)(2000)

○多くの媒体が3年ぶりに増加、総広告費は過去最高額となる。厳しい市場競争のなか企業業績の改善を背景に企業の広告活動が活発化。特に情報通信や金融がこれを牽引した。衛星メディアが2ケタ、インターネットは倍々で伸びを示す。

  億円 対前年比(%)
総広告費 61,102 (107.2)
新聞 12,474 (108.1)
雑誌 4,369 (104.4)
ラジオ 2,071 (101.4)
テレビ 20,793 (108.7)
SP 20,539 (104.5)
衛星メディア 266 (118.2)
インターネット 500 (244.8)

政治・経済・業界(2000)

○ヤフーの株価が日本株価市場初の1億円の大台に乗る(1.19)。

○大阪府知事選挙で太田房枝氏が当選し、全国初の女性知事が誕生(2.6)。

○長崎屋が会社更生法適用申請(2.13)。

○デビットカードが本格スタート(3.6)。

×ロシアの大統領選挙でプーチン大統領代行兼首相が当選(3.27)。

○小渕首相が脳梗塞で入院(4.2)後、死去(5.14)。退陣を受けて第85代首相に森喜朗氏が就任(4.5)。

○第一火災海上保険に損保初の業務停止命令(5.1)。

×世界規模で「ラブ・ウィルス」によるコンピューター被害拡大(5.18)。

○第百生命保険が自主再建を断念、金融監督庁による破綻処理開始(6.1)。

×韓国・北朝鮮の首脳会議が南北分断後初めて実現(6.13)。

○第42回衆議院選挙で自公保の与党が絶対安定多数議席を確保(6.25)。

○食品メーカー製品で集団食中毒発生(6.28)。食品・飲料の不安が相次ぐ。

○そごうが経営破たん(7.12)。

○自動車メーカーのリコールにつながる欠陥情報隠しが判明(7.18)。

○沖縄サミットが開催(7.21)、これに向け2000円札発行(7.19)。

○偽造・変造防止対策として新500円硬貨の流通始まる(8.1)。

○日銀はゼロ金利政策の解除を決定(8.11)。

○政府は事業規模11兆円程度の新経済対策を決定(10.19)。

×アメリカ大統領選挙が大接戦で混乱した末にブッシュ氏が確定(12.13)。

○住宅着工は前年比1.3%増で2年連続の増加、新車販売も4年ぶりに前年比2.7%増となるが百貨店・スーパー売上は前年割れ。完全失業率も過去最悪であった昨年と同率の4.7%で失業者数は過去最多の320万人となった。

○2000年の企業倒産は負債総額で23兆9,874億円と戦後最悪となる。

○携帯電話は年間で977万台増(累計6,388万台)、移動電話全体の人口普及率は50.2%と国民二人に一人が持つようになった。

○円は11月ころまでは平均105円台~108円台で推移するが、12月に入ると円安となり最終日は114円後半の年初来最安値を更新(12.29)。株価は4月ころをピークに立ち直る気配もなく下降を続け最終日には13,785円の安値を記録、バブル崩壊後の最低となった(12.29)。

マスコミ・広告・媒体(2000)

○TBSが新シンボルマーク使用開始(3.1)。

○大広は世界第2位の米広告会社インターパブリック・グループとの資本提携に合意(3.)。

○淡路花博ジャパンフローラ2000が開催(3.18~9.17)。

○ニールセンジャパンがテレビの視聴率調査を休止(3.31)。

○I&Sは社名を「I&S/BBDO」に変更(4.1)。

○東京都がラッピングバスを運行開始(4.10)。

○スカイパーフェクTVの日本デジタル放送サービスが「スカイパーフェクト・コミュニケーションズ」に社名変更(6.28)。

○民放連は除名した静岡第一テレビの再加入を8月1日付けで承認(7.27)。

○NTTドコモの発表によるとiモード契約件数が1000万台を突破(8.6)。

×シドニー・オリンピック開催(9.15~10.1)。加盟200ヵ国・地域から1,600人を超える選手団が参加、日本選手では女性がめざましい活躍。

○ディレクTVがスカイパーフェクト・コミュニケーションズに統合(9.30)。

○日本衛星放送は12月1日より社名を「WOWOW」に変更(11.9)。

○BS(放送衛星)デジタル放送開始(12.1)。

○インターネット博覧会(インパク)が開催(12.31)。

○年前半を中心にインターネット(ドットコム)関連企業が積極的に広告展開。

媒体の発足(2000)

○愛知国際エフエム4.1、新潟県民エフエム12.20開局。

○雑誌-女性誌「S-Cawaii!」主婦の友社9.7、「A-GIRL」学習研究社9.7など。男性誌-「マンスリーM」ベルシステム243.24、「TITLE」文藝春秋3.27「ENGINE」新潮社8.26など。生活情報誌-「M-Telepal」小学館5.24、「MUTTS」マガジンハウス5.29、「神戸Walker」「北海道Walker」角川書店6.20、「週刊ウルトラONE」宝島社6.20など。Web&メール関連-「SABRA」小学館5.11、「サイトでーた」角川書店.29、「Webガイド」アスキー8.29など。ビジネス・マネー誌-「ZAI<ザイ>」3.21、「Harvard business review」10.10各ダイアモンド社。

○主な休廃刊は「ミスターマガジン」講談社、「BART」集英社、「じゃマール」リクルート、「OLIVE」マガジンハウス、「Men's Walker」角川書店、「アサヒグラフ」朝日新聞社出版局。

○CSデジタル放送のディレクTVはパフェクト・コミュニケーションズに統合され放送を終了(9.30)。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数100局

○コミュニティ放送局数137局(12局増)

○創復刊誌数209誌、休廃刊誌数135誌

マラソン女子五輪新記録でゴールした高橋尚子選手は日本女子陸上初の金メダル獲得。

国内10大ニュース(2000)

○シドニー五輪で女性選手大活躍(9-10)

○三宅島噴火(6.27)で全島民避難(9.4)

○17歳の凶悪な犯罪が続発(5-6)

○小渕首相が病に倒れ森連立内閣発足(4.5)

○食品メーカー製品で集団食中毒発生(6.28)

○新潟で9年間監禁の女性保護(1.28)

○ON対決となった日本シリーズで長嶋巨人日本一(10.28)

○白川博士にノーベル化学賞(10.10)

○沖縄サミット開催(7.21)

○北海道の有珠山が噴火(3.31)

海外10大ニュース(2000)

×アメリカ大統領選挙が大接戦で混乱の末、ブッシュ氏が当選(12.13)

×バレンツ海でロシア原潜が沈没、乗組員118名が死亡(8.14)

×分断後初の南北朝鮮首脳会談実現(6.13)

×パリ郊外に仏コンコルドが墜落、113名が犠牲に(7.26)

×ロシア大統領選挙でプーチン氏が当選(3.27)

×ノーベル平和賞に韓国の金大中大統領が決定(10.13)

×日本滞在中のペルー・フジモリ大統領が辞意表明(12.20)

×パレスチナ和平交渉にかげり(9-12)

×LOVEウイルスが猛威をふるう

×オーストリアの山岳鉄道トンネルで火災事故、邦人10人を含め155人が死亡(11.12)

生活(2000)

○介護保険制度がスタート(4.1)。

○殺人事件まで引き起こしてしまうなど社会問題化したストーカー行為に対しストーカー行為規制法が成立(5.18)。

○皇太后陛下が97歳でご逝去(6.16)。

○噴火活動に揺れた生活-北海道の有珠山では事前の緊急火山情報で16,000人の住民が避難後、噴火(3.31)。洞爺湖温泉街を中心に大きな経済的打撃を被る。夏になると伊豆諸島でも地震が頻発、三宅島では噴火(6.27)により全島民が避難(9.4)、不安で不自由な避難生活を送るが帰島の日は未定。

○少年による凶悪犯罪が続発-愛知での「主婦刺殺事件」(5.1)、佐賀でおきた「西鉄高速バス乗っ取り事件」(5.3)、岡山では「金属バット殴打事件」(6.21)、そして大分の「一家6人殺傷事件」(8.14)と凶悪な犯行が続け様に発生。あいまいな動機による少年達の不可解な犯行は世間を震撼させる。

○アウトレットモールが大流行-「グランベリーモール」町田市(4月)、「御殿場プレミアム・アウトレット」御殿場市(7月)、「ラ・フェット多摩南大沢」八王子市(9月)、「マリノアシティ福岡」福岡市(10月)、「ガーデンウォーク幕張」千葉市(10月)、「りんくうプレミアム・アウトレット」泉佐野市(11月)など続々誕生。

○世紀末に輝いた人達-高橋尚子、田村亮子両選手はシドニー五輪で金メダルを獲得。アメリカ大リーグではシアトル・マリナーズの佐々木主浩投手が新人王に、またイチローが野手として日本人初の大リーガーとなる。日本シリーズでは王と長嶋の夢の対決が実現。タイガー・ウッズが年間メジャー大会で3勝をマーク。筑波大の白川英樹名誉教授がノーベル化学賞を、韓国の金大中大統領も南北朝鮮の和平を推進し平和賞を受賞。

ジェイアール名古屋タカシマヤ開業(3.15)、モザイクモール港北(3.25)、渋谷マークシティ(4.7)、メディアージュ(4.18)、イクスピアリ(7.7)、東大門市場(9.30)、地下鉄大江戸線全線開通(12.12)。

時の商品・新製品(2000)

○複合化・多様化するデジタル商品-プレステ2、DVD、PDA、移動電話用コンテンツサービス。

○eビジネス商品-ネットスーパー/ネットコンビニ、ネット銀行/ネット証券、オンライン書店、ネットオークション、音楽配信サービス。

○癒し系商品-キャラクター(プーチ)、音楽(CD「feel」)、ゲームソフト(ぼくのなつやすみ)、書籍(ハリー・ポッター)、スポット(アジアンリゾート)。

○低価格満足商品-ユニクロ、平日半額ハンバーガー、アウトレットモール。

○注目を集めた商品-カラーiモード、スターバックス、イクスピアリ、IXYDIGITAL、DAKARA、アスクル、ひかりレールスター、カローラ、bB、プロビオヨーグルトLG21、スーパーチューハイ、「孫」、ドラクエⅦ。

○新しく登場した商品-フラン、生茶、ボトル型ビール。

○新しい世紀に向け21世紀記念商品が飲料・食品を中心に相次ぎ発売。

話題の広告(2000)

・<サッポロ黒ラベル Love Beer?>=サッポロビール

・<20世紀カップヌードル>=日清食品

・<ボス ♪馬鹿言ってんじゃないよ~>=サントリー

・<ユニクロ>=ファーストリテイリング

・<タカラcanチューハイ イチ・サン・パー>=宝酒造

・<ジョージア ♪明日があるさ>=日本コカ・コーラ

・<2位が世界を面白くする>=KDDI

・<カラリオ>=エプソン販売/セイコーエプソン

・<キリン 生茶>=キリンビバレッジ

・<DAKARA 余分なものが出ているの?>=サントリー

・<一番搾り<生>>=キリンビール

・<スーパーホップス マグナムドライ>=サントリー

・<Qoo ♪子供だって~うまいんだもん~>=日本コカ・コーラ

・<ゼロ 金は払うな>=プロバイダーゼロ

・<通話料金値下げ オサゲします>=NTT東日本

話題のテレビ番組(2000)

○シドニーオリンピックが開催され(9.15~10.1)、多くの人々が注目。中でも「サッカー男子準々決勝 日本×アメリカ」や「サッカー男子予選 日本×スロバキア」そして高橋尚子選手が金メダルを獲得した「女子マラソン」は視聴率が40%を超える番組(年間ベスト5入り)となった。

○NHKと民放連は青少年に配慮した放送の在り方を検討する「放送と青少年に関する委員会」を設立(4.1)。その後の会合でフジテレビ系「めちゃ×2イケてるッ!」、テレビ朝日系「おネプ!」の2番組に対し「放送基準等に照らし、青少年に与える影響や問題が大きい」として番組内容の改善を求め、両社はそれを受け入れた(11.29)。

○日本テレビは94年から7年連続の年間平均視聴率4冠を達成。

○ドラマではTBSの「ビューティフルライフ」が最高視聴率41.3%、平均視聴率でも32.3%と90年以降の最高記録を樹立、フジテレビ「やまとなでしこ」、日本テレビ「伝説の教師」が健闘。バラエティーでは日本テレビ「伊東家の食卓」やTBS「ガチンコ!」が根強い人気。その他注目を集めたのが恋愛ドラマ仕立ての素人参加型番組、TBS「未来日記」やフジテレビ「あいのり」が若者を中心に支持される。

○12月1日にBSデジタル放送がスタート。「WOWOW」、「民放キー5局」、「スターチャンネル」および「NHK-BS1、2、ハイビジョン」の計10チャンネルが高画質で楽しめるほか、双方向の機能があることで番組などへ参加も可能となる。

NHK(2000)

《あすか》24.4%《私の青空》24.1%《オードリー》
〈葵 徳川三代〉18.5%

○年間視聴率で「紅白歌合戦」がトップのほか「シドニーオリンピック」関連番組が健闘。

○大河ドラマは4年連続で年間平均視聴率が下降。

○教育テレビが24時間放送を開始。その教育テレビで10代の少年少女によるティーチ・イン番組「真剣10代しゃべり場」が注目を集める。台本、司会、結論、全てなしの形式により本音の言葉が聞けるのが魅力。

○衛星第2で'99年に放送された「ぶぶチャチャ」が人気のため再放送。アジア向けの「ディズニー・チャンネル」にも7月日本アニメとして初登場。

流行語(2000)

おっはー、IT革命、めっちゃ悔し~い、Qちゃん、最高で金最低でも金、パラパラ、17歳、『官』対『民』、ジコチュー、ワタシ的には…、しなやかに、ゴージャス、ドットコム、出会い系サイト、神の国、中抜き、外形標準課税

流行歌(2000)

レコード大賞:サザンオールスターズ<TSUNAMI>

最優秀新人賞:氷川きよし 箱根八里の半次郎

①TSUNAMI<サザンオールスターズ>
②桜坂<福山雅治>
③Wait&see~リスク~<宇多田ヒカル>
④Love,Day After Tomorrow<倉木麻衣>
⑤SEASONS<浜崎あゆみ>
⑥らいおんハート
⑦恋のダンスサイト
⑧今夜月の見える丘に
⑨ちょこっとLOVE
⑩NEO UNIVERSE/finale

○総売上金額は3,902億8千万円で昨年より9.8%ダウン、総売上枚数は1億8,794万9千枚。シングルはマキシ・シングルの定着もあり売上を伸ばすがアルバムは2年連続のマイナス。ミリオンセラーはシングルが昨年より2作増え14作、アルバムは昨年から減少し15作となる。

話題の映画(2000)

洋画
①M:I-2
②シックス・センス
③グリーンマイル
④パーフェクト ストーム
⑤トイ・ストーリー2

邦画
①ポケットモンスター 結晶塔の帝王
②ホワイトアウト
③ドラえもん のび太の太陽王伝説
④名探偵コナン 瞳中の暗殺者
⑤2000年春東映アニメフェア

○年間入場者は1億3,539万人で前年対比93.5%と減少。全国の映画館数は7年連続の増館で(大店立地法が背景にあり)99年より303館増え、2,524館となる。

○興行収入は1,708億円で前年に比べ6.5%のダウン。(今年から配給会社の発表数字が興行収入のみとなる。)

ベストセラー(2000)

①だから、あなたも生きぬいて<大平光代>
②話を聞かない男、地図が読めない女<アラン・ピーズほか>
③ハリー・ポッターと賢者の石/秘密の部屋<J・K・ローリング>
④これを英語で言えますか?<講談社インターナショナル編>
⑤「捨てる!」技術<辰巳渚>

○出版業界は4年連続のマイナス成長。販売額も23,966億円で前年比2.6%減となり92年以来8年ぶりの低水準となる。特に雑誌の低迷が目立った。

○講談社や角川書店など8社がオンラインで電子化した書籍を販売する「電子文庫パブリ」が9月からスタート。

話題のマンガ(2000)

○コミックス(単行本・文庫本・ムック)とコミック誌を合わせたマンガ産業は今年も低迷。コミックスが好調であったがコミック誌が大幅減少となる。

○昨年から売り出されたコンビニ向け低価格コミックスが予想以上に好調で、先発3社に加え新たに4社が参入。

○少年マガジンの発行部数減少と少年ジャンプの底打ちで両誌の部数が接近。

○チャーリー・ブラウンやスヌーピーなどの人気キャラクターが登場する世界的人気マンガ「ピーナツ」の作者チャールズ・シュルツ氏が死去(2.12)

ONE PIECE(少年ジャンプ)、犬夜叉(少年サンデー)、名探偵コナン(少年サンデー)、ドラゴンヘッド(ヤングマガジン)、CCさくら(なかよし)、HUNTER×HUNTER(少年ジャンプ)、ピーチガール(別冊フレンド)

ファッション(2000)

○昨年までの厚底靴にかわり、ミュール(かかとのひもがない"つっかけ"サンダル)がブームとなる。また足元のオシャレとしては、網タイツや柄タイツ、カラータイツなどがファッションアイテムとして見直される。

○1970年代後半から80年代にかけて神戸や横浜を中心に流行した「ニュートラ」が復活。千鳥格子柄や幾何学模様、ボウタイのブラウスなどをブランドもののバッグや靴、スカーフなどと組み合わせるお嬢様スタイル。

○昨年来のパシュミナ(カシミアの一種)ストール人気が続く。また、秋冬には太い毛糸でザックリ編んだマフラーも人気となる。

気象状況(2000)

○北海道の一部などを除いて暖冬傾向。春は、北日本で天気がぐづつき、東日本以西では晴天の日が多かった。夏は勢力の強い太平洋高気圧が日本を覆い、各地で記録的な猛暑となった。この高気圧により北日本を除き暖かい秋となるが晴れの日は少なく、北陸地方を除き日照時間は大幅に平年を下回った。年間の平均気温は全国的に高く、関西以西では、平年を1度以上も上回るところが多く見られた。

○また、大きな自然災害が続いた年でもあった。3月、北海道の有珠山で火山性地震が続き、周辺住民が避難した2日後、噴火。伊豆諸島の三宅島でも6月の島西方沖での海底噴火から始まり8月には最大規模の噴火。島外避難した全島民が、帰島のめどが立たないまま年を越した。9月には東海地方を記録的な豪雨が襲い、10月には(M)7.3の鳥取県西部地震が起きた。

×99年6月から始まり世界各地に異常気象をもたらしたラニーニャ現象(南米ペルー沖の海面水温が低くなる現象)が3月に終息。

×モンゴルの干ばつ、メコン川流域での洪水など世界で異常気象で被害続発。

1999年(平成11年)

経済白書 副題(1999)

経済再生への挑戦

経済概況(1999)

平成11年の日本経済は、2年ぶりに景気後退局面からようやく脱出して、回復の動きがみられた。11年の実質経済成長率は0.3%で前年のマイナス2.5%からプラスに転じた。大規模公共事業や住宅ローン減税、日銀のゼロ金利政策の政策効果が下支えをした。企業収益が改善に向かい、企業の景況感も底を打った。しかし、企業のリストラにより雇用・所得環境は厳しさを増し、自動車販売、百貨店・スーパー売上高などは低迷を続けた。

経済成長率 名目 -0.6% 実質 0.3%
民間最終消費支出 名目 0.7% 実質 1.2%
民間企業設備投資 名目 -8.2% 実質 -5.6%
輸出 名目 -7.3% 実質 1.8%
消費者物価    -0.3%  

日本の広告費(電通調査)(1999)

○2年連続の減少となる。ただし、金融、保険、情報・通信などの出稿増で後半にはプラスに。前年同様マスコミ4媒体とSP広告費が減少。ニューメディア広告費は1ケタの伸びに鈍化。インターネット広告費が2.1倍に拡大。

  億円 対前年比(%)
総広告費 56,996 (98.8)
新聞 11,535 (97.9)
雑誌 4,183 (98.2)
ラジオ 2,043 (94.9)
テレビ 19,121 (98.0)
SP 19,648 (99.8)
ニューメディア 225 (104.2)
インターネット 241 (211.4)

政治・経済・業界(1999)

×欧州連合(EU)の単一通貨「ユーロ」が11ヵ国で導入される(1.1)。

○自民・自由党連立の小渕改造内閣が発足(1.14)。

○金融再生委員会は大手銀行15行に7兆4,592億円の公的資金注入を正式承認(3.12)

○第14回統一地方選挙で都知事に石原慎太郎氏が初当選(4.11)。

○2000年サミット開催地が沖縄県名護市に決定(4.28)。

○本州四国連絡橋の尾道-今治ルート(瀬戸内しまなみ海道)が全線開通(5.1)。

○持ち株会社と事業3社に分割・再編された新生NTTが発足(7.1)。

○日の丸を国旗、君が代を国歌とする国旗・国歌法が成立(8.9)。

○興銀、第一勧銀、富士銀は2000年秋に業務の全面統合を発表(8.20)。

○茨城県東海村のウラン燃料加工施設で国内初の臨界事故発生(9.30)。

○株式売買委託手数料が完全自由化(10.1)。

○住友銀行とさくら銀行は2002年4月までに合併を決定(10.14)。

○ルノーと資本提携(3.27)した日産自動車は大規模な工場閉鎖・人員削減を含む再建計画を発表(10.18)。

○政府は総額18兆1,000億円の経済新生対策を決定(11.11)。

×ポルトガル領マカオが中国へ返還(12.20)。

○3年ぶりに住宅着工が前年実績を上回るが、新車販売や百貨店・スーパー売上が前年割れ。完全失業率も過去最悪の昨年より0.6ポイント悪化し4.7%。長銀(10.23)、日債銀(12.13)が破綻し、一時国有化が決定。

○99年の企業倒産は負債総額で13兆5,522億円と3年ぶりに減少するが戦後3番目の高水準。

○携帯電話は年間で947万台増(累計5,410.9万台)、移動電話全体の人口普及率は42.7%と4割を超える。

○円と株は回復。円相場は5月に124円台と円安が進んだが、その後政府と日銀の介入もあり円高に転じ102円台に(12.30)。株価も年初から7月にかけ上昇し、その後一進一退をくり返すが最終日には18,934円で年初来高値を更新(12.30)。

マスコミ・広告・媒体(1999)

○旭通信社と第一企画が合併、売上高国内第3位のアサツーディ・ケイが発足(1.1)。

○ビデオリサーチがインターネット版視聴率の実験調査に着手(1.21)。

○民放連はCM未放送問題で静岡第一テレビを除名(3.12)。

○日本を代表する企業60社が新聞で「ニッポンをほめよう」キャンペーンを実施(3.17~)。

○ジャパンエキスポ「南紀熊野体験博」が開催(4.29~9.19)。

○WOWOWの加入者数が91年の開局以来初めて月次ベースで減少(5.6)。この対応策として7月には期間限定で加入料の45%引き下げを実施(7.3)。

○郵政省はアナログ方式のハイビジョン放送を衛星の運用が終了する2000年7月で打ち切りを決定(6.11)。地上波デジタル周波数の割り当ては2000年4月以降に先送りとなる(6.29)。

○民放連が青少年向け「お奨め」番組放送などを含めた「性・暴力表現」の自主規制を実施(10.1)。

○郵政省の発表によるとCATVの受信契約世帯数が前年より18.1%増え794万世帯、世帯普及率は17.2%(3月末)となる(9.30)。

媒体の発足(1999)

○とちぎテレビ(TTV)4.1開局。

○エフエム岡山4.1開局。

○雑誌-女性誌「マリクレール日本版」角川書店4.23、「VOGUE NIPPON」日経コンデナスト7.28など。男性誌-「BRIO」光文社3.24、「スコラ」スコラマガジン社11.4など。パソコン関連情報誌-「iCupid」ディジット8.10、「INTERNET ST@RT」毎日コミュニケーションズ11.8、「ヤフーPress」ソフトバンクパブリッシング11.29など。生活情報誌-「KANSAI1週間」講談社3.16、「Chiba Walker」角川書店6.8など。総合コミック-「ハイパーコロコロ」小学館12.22。環境関連-「日経エコロジー」日経BP社6.9など。

○主な休廃刊は「pink」マガジンハウス、「中学一年~三年コース」学習研究社、「This is 読売」読売新聞社、「月刊宝石」光文社、「ゼッケン」産経新聞社

○北海タイムスの元社員や販売店主らが設立した北海道21世紀タイムス社が週刊紙「フロンティアタイムス」を創刊。

○民放テレビ局数127局・民放ラジオ局数98局

○コミュニティ放送局数125局(10局増)

○創復刊誌数172誌、休廃刊誌数143誌

国内10大ニュース(1999)

○東海村で国内初の臨界事故発生(9.30)

○臓器移植法に基づく初めての脳死移植が実施される(2.28)

○神奈川県警などで警察官の不祥事続出(9-12)

○自自公連立政権発足(10.4)

○銀行の大型再編相次ぐ(3-10)

○国旗・国歌法が成立(8.9)

○新ガイドライン関連法が成立(5.24)

○日本海の不審船に対し政府は初の海上警備行動を発令(3.24)

○プロ野球でダイエーホークスが球団創設初の日本一に(10.28)

○商工ローンが社会問題となり法改正(10-12)

海外10大ニュース(1999)

×EUで単一通貨「ユーロ」を導入(1.1)

×NATO軍によるユーゴスラビア空爆(3.24)

×トルコでM7.4の大地震が発生し死者1万7,000人を超える(8.17)

×台湾でM7.6の地震が発生し死者2000人を超える(9.21)

×東ティモールで住民投票が行なわれ独立が選択される(8.30)

×北朝鮮がテポドン発射実験凍結で米国と合意(9.24)

×米クリントン大統領不倫もみ消し疑惑で無罪確定(2.12)

×ロシア軍がチェチェン共和国へ進攻(10.1)

×ロシアのエリツィン大統領が辞任(12.31)

×インドネシアでワヒド大統領が誕生(10.21)

生活(1999)

○携帯電話とPHSの電話番号が11ケタとなる(1.1)。

○個人消費の拡大と地域振興を目的とした商品券「地域振興券」の交付が始まる(1.29)。

○テレホンカードの変造対策としてICを埋め込んだ新機能カードが登場、これにより全国30万台の公衆電話がICカード専用方式となった(4.1)。

○安全神話を脅かす事件・事故が相次ぐ-山陽新幹線で相次ぐトンネル内コンクリート塊崩落、茨城県東海村で国内初のウラン加工施設の臨界事故、全日空機ハイジャックや池袋と下関の通り魔などが続発。

○問われる放送関係者のモラル-覚せい剤所持や痴漢行為が発覚するなどで局員の逮捕が続いた。また、ミッチー・サッチーの過熱した報道や高視聴率番組でのヤラセ発覚による放送中止などが問題となる。

○社会生活に不可欠のコンピュータが誤作動を起こす2000年問題が世界的に大きくとりあげられ、政府・企業・家庭の広範囲でそれぞれ対応。

○新人の活躍-16歳の宇多田ヒカルがCD「First Love」で出荷枚数835万枚の日本音楽史上最大ヒットを記録、西武ライオンズの松坂大輔投手は16勝で観客動員増加に貢献するとともに高卒で45年ぶりの新人賞受賞、読売巨人軍の上原投手は最多勝、新人王、沢村賞、ベストナインの主要タイトル全てを獲得。

パレットタウン(3.19)、ヴィーナスフォート(8.25)、横浜ワールドポーターズ(9.10)、渋谷「QFRONT」(12.17)、名古屋駅ビル「JRセントラルタワーズ」完成(12.20)。

時の商品・新製品(1999)

○情報関連商品-低価格パソコン(アプティバ20Jなど)、新世代携帯電話サービス(iモード、cdmaOne、着メロ)、インスタントカメラ、携帯用MDプレーヤー、低価格DVDソフト、200万画素デジタルカメラ、デジタル家電

○癒す-キャラクター(AIBO、ファービー、たれぱんだ)、音楽(energy flow)、化粧品(リラックス化粧品、海洋深層水)、スポット(エスプレッソ専門店、併設カフェ)

○復活した人気-厚底靴、フォークロア、スポーツカー、高級寝台特急列車

○注目を集めた商品-「First Love」、ヴィッツ、エゴイスト、リアップ、百貨店閉店セール、「五体不満足」、ダンスダンスレボリューション、投資信託、「だんご3兄弟」、パレットタウン、発泡酒、低価格缶チューハイ、消臭剤

○新しく登場した商品-コンビニATM、オンライン株取引き、デビットカード、地域振興券、音楽配信サービス、コンビニドリンク剤

○2000年の区切りの年を迎えるにあたり各業界ではミレニアムグッズと称した記念商品の企画販売が相次ぐ。

話題の広告(1999)

・<ガツンと言ってくれ>=サントリー

・<そろそろ買いかえモード>=トヨタ自動車

・<踊りの稽古>=引越のサカイ

・<裁判長!>=サントリー

・<なんでも欲しがるマミちゃん>=マツモトキヨシ

・<この曲をすべての疲れている人へ>=三共

・<それは屁理屈よね>=象印マホービン

・<ジェイフォンは誰だ?>=J-フォン東京

・<iモード>=NTTドコモ

・<cdmaOne>=日本移動通信

・<デキタテ飲むかフジワラノリカ>=宝酒造

・<iMac>=アップルコンピュータ

・<走れJRA>=日本中央競馬会

・<ペレストロイカ>=日清食品

・<行った人から、夏になる>=日本航空

話題のテレビ番組(1999)

○郵政省とNHKおよび民放連の三者で構成される「青少年と放送に関する専門家会合」で10月より、青少年の情操を豊かにするような良質な番組を週3時間以上放送することが決定されたことを受け、各放送局は推薦番組を発表。NTV「伊東家の食卓」「所さんの目がテン」など5番組、TBS「筋肉番付」「どうぶつ奇想天外」など3番組、CX「サザエさん」「ポンキッキーズ」など5番組、ANB「たけしの万物創世記」「ドラエもん」など5番組、TX「テレタビーズ」「クイズ赤恥青恥」など7番組。

○日本テレビは6年連続の年間平均視聴率4冠を達成。

○野村監督夫人の沙知代さんと女優の浅香光代さんとの間で始まった言動問題に端を発した騒動は履歴詐欺疑惑にまで発展、各局は7ヵ月間に渡りワイドショーで取り上げるほど過熱した報道が続いた。

○フジテレビの人気番組「愛する二人別れる二人」の中でヤラセがあったことが発覚、番組を中止(11.18)。一方「笑う犬の冒険」はコントの新鮮さが再評価され深夜枠からゴールデンタイムに昇格。

○TBSの「魔女の条件」や「ケイゾク」、フジテレビの「リング・最終章」などが注目されるが全体的にドラマ離れの傾向がみられる。一方でTBS「渡る世間は鬼ばかり」シリーズ、フジテレビ「古畑任三郎」シリーズ、テレビ朝日「はぐれ刑事」シリーズなどの定番ドラマは健闘をみせた。

○世界で最初に2000年を迎える様子をお茶の間に伝えようとテレビ各局による大晦日の特番作りが過熱。

NHK(1999)

《やんちゃくれ》22.5%《すずらん》25.8%《あすか》
〈元禄繚乱〉20.2%

○「紅白歌合戦」が年間視聴率トップに返り咲く。

○幼児番組「おかあさんといっしょ」の1月のうたで歌われた「だんご三兄弟」がCDとなり爆発的ヒット。

○大河ドラマは3年連続で年間平均視聴率が降下。

○夏の全国高校野球選手権大会のラジオ全国実況で、NHKでは初めて女性アナウンサーが担当する。

流行語(1999)

リベンジ、雑草魂、ブッチホン、カリスマ、iモード、癒し、学級崩壊、ミッチー・サッチー、西暦2000年問題、だんご3兄弟、ミレニアム、ガングロ、ヤマンバ、自自公、下げ止まり、シロガネーゼ、勝ち組負け組

流行歌(1999)

レコード大賞:GLAY<Winter,again>

最優秀新人賞:八反安未果 SHOOTING STAR

①だんご3兄弟
②Winter,again
③monochrome(「A」)
④energy flow(「ウラBTTB」)
⑤Automatic/time will tell
⑥Addicted To You
⑦LOVEマシーン
⑧BE WITH YOU
⑨HEAVEN'S DRIVE
⑩フラワー

○総売上金額4,324億7千万円は過去最高だった昨年より0.1%減、総売上枚数は2億115万1千枚。ミリオンセラーはシングルが12曲と減少傾向にある。

○マキシシングルと呼ばれる12㎝のアルバムサイズに4曲まで収録できるCDが急速に普及し始める。

話題の映画(1999)

洋画
①アルマゲドン
②スター・ウォーズ/エピソード1
③マトリックス
④シックス・センス
⑤ハムナプトラ 失われた砂漠の都市

邦画
①ポケットモンスター/幻のポケモン・ルギア爆誕
②リング2/死国
③鉄道員(ぽっぽや)
④ドラえもんのび太の宇宙漂流記
⑤名探偵コナン世紀末の魔術師

○年間入場者は1億4,476万人で前年対比94.6%と減少。全国の映画館数は6年連続の増館で98年より228館増え、2,221館となる。

○前年まで2年続いた配収100億円を超えるヒット作品が無く、映画配収は前年に比べ5.2%ダウンの827億9千4百万円。

ベストセラー(1999)

①五体不満足
②日本語練習帳
③本当は恐ろしいグリム童話(Ⅰ・Ⅱ)
④繁栄の法
⑤新・人間革命(4・5・6)

○出版業界は3年連続のマイナス成長となる。新たな販売チャネルを求めインターネットを活用した出版物の受注・販売が急速に普及しはじめる。

○固定化していた読者の拡大を狙い平凡社、宝島社、集英社などから新書が相次いで創刊される。

話題のマンガ(1999)

○96年より始まったマンガ産業の低迷は今年も続いた。売上げの減少に歯止めをかけるべく300円均一のコンビニ向け廉価版マンガの刊行(小学館)やインターネットで配信する(講談社・小学館)などの新しい試みが行われる。

○98年9月から休刊していた月刊マンガ誌「ガロ」が1年4カ月ぶりに誌面をリニューアルして復刊、約3分の1はマンガ以外の音楽や映画などで占める。

○「鼻血ブー」や「アサー」など独特なセリフと斬新なタッチでマンガを描いた谷岡ヤスジ死去(6.14)

MONSTER(ビッグコミックオリジナル)、神童(双葉社コミック)、ヒカルの碁(少年ジャンプ)、ブラブラバンバン(ヤングサンデー)、銀玉マサやん(リイドコミック)、お水の花道(Kiss)、バガボンド(モーニング)、快感フレーズ(少女コミック)

ファッション(1999)

○10代女性を中心にアクセサリー感覚の付け毛が人気となる。

○ナイロン線を幾何学模様に編んだボディーワイヤーと総称されるアクセサリーが人気となる。伸縮性があり、肌に密着するブレスレットや指輪など。

○かかと高15㎝~20㎝の厚底靴の人気が依然続く。また、厚底靴をはいて、髪は金や銀に染め、メークは小麦色を通り越した顔黒(ガングロ)、白いアイシャドーに白い口紅といった少女たちが「ヤマンバ(山姥)」などと呼ばれ、マスコミにも取り沙汰された。

○秋冬には、刺繍・ビーズなどの装飾が多く施されたブラウスやスカート、手編み調のニット、鳥の羽根をあしらったアクセサリーなど、欧米の民族衣装風のフォークロア・ファッションが流行した。

気象状況(1999)

○東北以南は引き続き暖冬。春も北日本を除いて、高温の日が多かった。6月末には記録的な大雨が九州から近畿、中部地方を襲い、大きな被害となった。梅雨明け後は太平洋高気圧が北に偏り、北日本と東日本は記録破りの猛暑、西日本では大雨・日照不足という「東高西低」の夏となる。局地的な雷雨や豪雨も目立った。9月になっても厳しい残暑が続き、また西日本を中心に秋雨前線の活動が活発になった。一年を通して全国的に高温傾向が続いた。

×南米ペルー沖の海面水温が平年より低い状態が続いて、世界規模で異常気象をもたらすとされるラニーニャ現象が98年秋に発生し、3月にいったん終息したものの6月から再び傾向がみられた。

×8月にトルコ北西部でマグニチュード(M)7.4、9月には台湾でM7.6の地震が発生、それぞれ17,000人以上、2,000人以上の死者を出す惨事となった。

×12月には南米ベネズエラを豪雨が襲い、死者約30,000人の被害。今年も、世界各地で多雨、干ばつ、竜巻、洪水などの災害が多発した。

1998年(平成10年)

経済白書 副題(1998)

創造的発展への基礎固め

経済概況(1998)

平成10年の日本経済は、9年4月からの景気後退が続いた。実質国内総生産は9年10-12月期から各四半期が前年同期比マイナスとなった。「国内需要の低迷→企業収益の悪化→生産・雇用の縮小→家計所得の減少→個人消費の減少」という悪循環が続き、企業や消費者のマインドが期を追って悪化した。政府の総合経済対策や金融システム安定化策が相次いで打ち出されたが、その効果は翌年に持ち越された。

経済成長率 名目 -2.2% 実質 ‐2.5%
民間最終消費支出 名目 -0.4% 実質 -0.5%
民間企業設備投資 名目 -8.3% 実質 -7.6%
輸出 名目 -1.8% 実質 -2.5%
消費者物価    0.6%  

日本の広告費(電通調査)(1998)

5兆7,597億円(対前年比96.2%)と、5年ぶりに前年を下回る。テレビ、雑誌、ラジオ、新聞とマスコミ4媒体がいずれも減少。SP広告費も全体的には減少。ニューメディア広告費は4年連続の2ケタの伸び。

  億円 対前年比(%)
総広告費 57,711 (96.2)
新聞 11,787 (93.3)
雑誌 4,258 (96.9)
ラジオ 2,153 (95.8)
テレビ 19,505 (97.1)
SP 19,678 (96.7)
ニューメディア 216 (110.2)
インターネット 114 (190.0)

政治・経済・業界(1998)

○金融ビッグバンがスタート(4.1)。改正外為法施行(4.1)、損害保険料率自由化(7.1)、銀行の投資信託販売解禁(12.1)。メリルリンチ、GEキャピタルなど外国の金融機関が続々と日本に参入、国内の金融機関も金融商品を多様化させ、外資との提携を図るなど生き残りをかけた業界再編成が進む。

×欧州連合(EU)は99年1月から11ヵ国統一通貨「ユーロ」導入を決定(5.2)。

○参院選で自民党惨敗、橋本首相が退陣(7.13)。小渕内閣が発足(7.30)

×ロシアで首相以下の全閣僚が解任され(8.23)、中央銀行がルーブルの外為取引を全面停止する(8.27)など政局混迷や経済危機が表面化する。

○格安運賃を売り物にスカイマークエアラインズが羽田-福岡線の運行開始(9.19)、羽田-千歳線で北海道国際航空(エア・ドゥ)が就航(12.20)。

○軽自動車の規格が改定され(10.1)、各社が一斉に新型車を発表。

×金大中韓国大統領が訪日、日本は「反省とおわび」を表明(10.8)、これにより韓国における日本文化が解禁される。

○NTTドコモが東証1部に上場、初値は公募価格を70万円上回る(10.22)

○長銀(10.23)、日債銀(12.13)が破綻し、一時国有化が決定。

○政府は24兆円規模におよぶ過去最大の緊急経済対策を決定(11.16)。

○金融安定化のために、金融監督庁発足(6.22)、金融再生関連法成立(10.12)が相次ぐ。

○前年に引き続き住宅着工、新車販売、百貨店・スーパー売上などが減少。12月の完全失業率が4.4%と最悪記録を更新、雇用情勢も一段と悪化した。

○98年の企業倒産は、負債総額で14兆3,812億円と戦後最悪となる。

○金融機関による大蔵省、日銀への接待汚職が次々と明るみに出る。蔵相(1.28)、日銀総裁(3.20)が引責辞任。防衛庁でも背任・収賄事件が発覚し長官が辞任するなど国民の官僚への不信感がつのる。

○携帯電話が年間で1,025万台増(累計3,899.8万台)、移動電話の普及台数は4,499万台で人口普及率35.5%。

○景気後退を反映して円と株が変動、円相場は年初から8月(147円台)にかけて円安が進行し、9月以降は円高に転じ115円台に(12.30)。株価は10月には13,000円を割り込みバブル崩壊後の最安値を更新した。

マスコミ・広告・媒体(1998)

○パーフェクTVとJスカイBが合併、新会社「日本デジタル放送サービス」として、「スカイパーフェクTV」をスタート(5.1)。

○WOWOWの'97年度末契約者数は240万件(前年度比5.4%増)となる(5.7)。

○2001年の移動体向け衛星デジタル放送開始を目指して、衛星放送会社「モバイル放送」が発足(5.29)。

×英BスカイBがデジタル放送を開始(6.22)。

○国内広告会社第3位の旭通信社と第7位の第一企画が99年1月に合併で合意するともに世界第2位の英WPPとの資本提携予定も発表(7.30)。

○郵政省は98年3月末のCATVの加入世帯数が672万世帯で前年比34.4%増、世帯普及率も3.6ポイント上昇して14.8%となったことを発表(9.22)。

○オウム事件でワイドショーを中止していたTBSが2年5カ月ぶりに新ワイドショー「ジャスト」をスタート(9.28)。

×「海洋-未来への遺産」をテーマにポルトガルでリスボン国際博覧会が開催(5.22~9.30)。

○東京パイロット実験実施協議会と郵政省、電波産業会は2000年以降実現予定の地上波デジタル放送の実験を開始(11.11)。

○CSデジタル放送のスカイパーフェクTVとディレクTVの加入世帯数が115万世帯を突破(12.4)。

媒体の発足(1998)

○雑誌の創刊は一転縮小傾向へ。主な創刊誌は女性誌-「VOCE」講談社3.23、「メイプル」集英社4、「LUCi」扶桑社9.28、「my 40'S」主婦の友社9.4など。男性誌-「Monthly M」平凡社3.23、「ヤングマガジンUPPERS」講談社4.1など。パソコン関連情報誌-「日経モバイル」日経BP社3.24、「アスキーNT」アスキー4.24、「日経ソフトウェア」日経BP社5.25など。生活情報誌-「東京グルメバイブル」日経BP社3.11、「プレミア」アシェットフィリパッキ3.20、「関西ウォーカーChouChou」角川書店5.19、「YOKOHAMA Walker」角川書店3.24など。健康専門誌-「日経ヘルス」日経BP社3.2など。

○主な休廃刊は「自由時間」マガジンハウス、「カピタン」文藝春秋など。

○北海タイムスが廃刊(9.2)

○テレビ局数126局・ラジオ局数97局

○コミュニティ放送局数115局(31局増)

○創復刊誌数169誌、休廃刊誌数148誌

媒体普及率(1998)

テレビ契約数 36,282,854
(うち、衛星) (8,796,038)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <99.2%>
VTR普及率 <76.8%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1998)

○第18回冬季オリンピック長野大会が開催される(2.7~2.22)

○和歌山でカレーにヒ素が混入される事件が発生、4人が死亡63人が病院で手当をうける(7.25)。12月に容疑者を逮捕。

○第16回サッカーW杯仏大会に日本が初出場、予選リーグで敗退(6.27)

○金融ビッグバン始動(4.1)

○24兆円の過去最大の緊急経済対策が決定(11.16)

○プロ野球、横浜ベイスターズが38年ぶりに日本一に(10.26)

○北朝鮮のミサイル「テポドン」が三陸沖に落下(8.31)

○黒澤明映画監督が死去(9.6)

○第18回参議院選挙で自民党大敗、小渕内閣が誕生(7.30)

○若乃花連覇で史上初の兄弟横綱誕生(5.27)

海外10大ニュース(1998)

×米大リーグでカージナルスのマグワイア選手が37年ぶりに本塁打記録を更新(9.8)、最終的には70本の新記録達成

×インド(5.11)、パキスタンが核実験(5.28)

×ユーロ参加11国が決定(5.3)

×米大統領の不倫もみ消し疑惑で報告書が公開される(9.11)

×金大中氏が第15代韓国大統領に就任(2.25)

×中国揚子江流域の洪水で死者3,000人を超す災害発生(8.26)

×インドネシアでスハルト体制崩壊(5.21)

×ロシアで経済危機(8.17)や政局混迷(8.23)など問題が表面化

×ポル・ポト元カンボジア元首死去。(4.15)

×北アイルランド和平合意(4.10)

世相・風俗(1998)

○毒物混入事件-4人の犠牲者を出した和歌山市のヒ素混入カレー事件を引き金に、毒物混入事件が全国各地で続出。新潟市ではポットにアジ化ナトリウムが入れられ、長野県では青酸カリ入り清涼飲料水で死者も出すなど、列島中が不安感におおわれた。

○キレる少年たち-栃木県の中学校1年の男子生徒がナイフで英語担当の教諭を刺殺した事件を発端に、各地で中高生のナイフ事件が多発した。普通の少年がナイフを持ち歩き、ささいなことでカッとなり凶行に走る事件をきっかけに「キレる」という若者言葉が一般に広まった。

○景気低迷を反映して低価格志向が高まる-発泡酒、半額ハンバーガー、新規格軽自動車、100円ショップ、格安航空便、格安電話サービス、消費税分還元セールなど格安・半額をキーワードにした商品やサービスが話題。

○暗い世相にスポーツの明るさ-長野五輪、W杯サッカー、兄弟横綱、横浜ベイスターズ優勝、横浜高校の連覇など。

○横浜がフィーバー-横浜ベイスターズが38年ぶりの優勝、横浜高校は松坂投手の活躍で春夏連覇、地元小売店の売上もアップ。

○新宿サザンテラスがオープン(3.20)、明石海峡大橋が開通(4.5)、たばこが1箱20円の値上げ(12.1)

タイタニック、ドリームキャスト、電車でGO!、iMac、ビジュアル系バンド、男性のきれいブーム、キャミソール、ニアウォーター

消費者・住民運動・公害(1998)

○テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンの家電4品目を消費者が廃棄する際、リサイクルと運搬や回収に掛かる費用を消費者が支払う家電リサイクル法が成立(2001年施行)(5.29)。

○環境庁が行った96年度調査でダイオキシンは全地点で検出され(1.8)、98年8~9月にかけての調査では環境ホルモンが95%の調査地点で検出される(12.7)など汚染の拡がりが深刻化する。

時の商品・新製品(1998)

○低価格実力派商品・・発泡酒(麒麟淡麗<生>)、南米産ワイン、半額ハンバーガー、小型マルチワゴン車、「東京電話」、スカイマークエアラインズ、100円ショップ、「安・遠・短」国内旅行、新規格軽自動車、リスク細分型自動動車保険。

○未来を予感させる商品・・薄型軽量ノートパソコン(VAIOノート505)、「iMac」、高画質デジタルカメラ(ファインピックス700)、ハイブリッドカー(プリウス)、500系新幹線。

○注目を集めた商品・・消費税分還元セール、「タイタニック」、キャミソール、「ウィンドウズ98」、「ドリームキャスト」、平面ブラウン管テレビ、DVDプレーヤー、ベスト版CD、スタイニーボトル、外貨建て金融商品、「電車でGO!」、ポケットピカチュウ、ニアウォーター、ポリフェノール食品、子供向けPHS(ドラえホン)、耳式体温計、美白化粧品。

○新しく登場した商品・・ポケットボード、「バイアグラ」、衛星携帯電話、遠心力洗濯機、ナンバーディスプレイサービス。

テレビCM(1998)

サントリー・酒税改正第2弾シリーズ<ウイスキー飲もう気分>KONISHIKI、セガ・エンタープライゼス<立つんだ湯川専務!>、日本たばこ産業・桃の天然水<ヒューヒュー>華原朋美、キリンビバレッジ・サプリ<泳ぐ人編>吉川ひなの、サントリー・なっちゃん<デビュー>田中麗奈、サントリー・ボスセブン<ガッンと言ってくれ>、アサヒ飲料・オー・プラス<ペルージャ編>中田英寿、永谷園・お茶漬け海苔<ただいまお茶づけ中>、サントリー・スーパーホップス<すっきり爽快>岸谷五郎、中居正広、トヨタ自動車<GOA下さい。>、マツダ・ファミリアS-ワゴン<日本発、ショートワゴン>、ソニー・スタミナハンディカムTRV9<こどもの国>内藤剛志、アップルコンピュータ・iMac<Three Steps編>、ナイキ<エアポート98編>ロナウド他、国際電信電話・国内電話サービス<6秒1円>所ジョージ、東京通信ネットワーク・東京電話<寺内貫太郎一家>、ディレク・ティービー<日本へ輸出を!>アーノルド・シュワルツェネッガー、マツモトキヨシ<マツモトキヨシでお買い物>、アメリカンホーム保険・自動保険<♪チロリロリ~ン>、NOVA外語学院<考える人>、東京デジタルホン<携帯で話し歩く女>藤原紀香

新聞広告(1998)

サントリー・ペプシコーラ<宇宙へ行こう!>、キリンビール・麒麟淡麗<生><おいしさでは負けられない>、サントリー・酒税改正第2弾<ウイスキー飲もう気分>、メルセデス・ベンツ日本<Aという考え方>、ソニー・VAIOノート<ボクは、人のマネを、しない>、トヨタ自動車・プリウス<21世紀に間に合いました>、セガ・エンタープライゼス<セガは、倒れたままなのか?>、エプソン販売・エスパーレーザーインターカラー<日本中のオフィスが待っていた>飯島直子、豊島園<サッチー、キャンギャルになる。>、アメリカンファミリー生命保険<ほら、今年のほうが、もっと、元気>、コンパックコンピュータ<gigahit>、富士ゼロックス・カラーレーザーWind<PRINTER?XEROX!>東芝・ITS<統計によると、日本のクルマは動けない>、

○規制緩和に伴う広告出稿増加…4月の改正外為法、7月の損害保険料率の自由化、12月の銀行窓口での投資信託販売の解禁、酒税改正によるウイスキー価格値下げ、10月の軽自動車規格改定など。

話題のテレビ番組(1998)

○日本テレビがフジテレビの追い上げを受けながらも、年間平均視聴率で5年連続の4冠(全日、プライム、ゴールデン、ノンプライム)を達成。

○日本テレビとフジテレビを中心として、ドラマとバラエティー色が強い番組編成となる。

○長野冬季五輪のテレビ視聴時間が前回のリレハンメル五輪の2倍以上を記録し、冬季五輪としては過去最高となる(2.24)。

○SMAPを中心としたジャニーズ系のタレントをメインにすえた番組が数多く編成され、ゴールデンとプライムの番組時間帯(SMAP×SMAP、サタスマ=フジ、8時だJ=TBSなど)において、彼らは欠かせない「顔」となる。

○今年もメディアミックスで人気マンガが原作の連続ドラマが人気となる。フジテレビは「ショムニ」や「GTO」の高視聴率番組をはじめ「ハッピーマニア」、「じんべえ」、「ソムリエ」など次々にドラマ化、テレビ朝日は「羅刹の家」や、逆のパターンでドラマを原作にしながらマンガの連載が始まった「逆の試み」、「チェンジ!」が注目された。

○テレビ東京が昨年12月から放送を中断していたアニメ番組「ポケットモンスター」を再開(4.16)。

○冬季長野五輪、サッカーW杯フランス大会とスポーツのビッグイベントが開催され注目を集めたことで視聴率の上位を関連番組が占める。

NHK(1998)

《甘辛しゃん》26.6%《天うらら》27.7%《やんちゃくれ》
〈徳川慶喜〉21.1%

○サッカーW杯フランス大会の日本対クロアチア戦の世帯視聴率(関東)が60.9%となり、98年の最高視聴率を記録(6.22)。

○「紅白歌合戦」が始まって以来はじめて、年間視聴率第1位の座から滑り落ちる(12.31)

○朝の連続テレビ小説では3作続いて若いヒロインが活躍する姿を描き、安定した人気を示す。

流行語(1998)

だっちゅーの、凡人・軍人・変人、ハマの大魔人、老人力、冷めたピザ、ボキャ貧、キレる/むかつく、ビ・ビ・ビ、先送り、不適切な関係、環境ホルモン、絶対音感、モラルハザード、日本列島総不況、ショムニ、ガツン、バイアグラ、ウォーター系、変化の胎動、資本注入、女子アナ、着メロ

流行歌(1998)

レコード大賞:globe〈wanna Be A Dreammaker〉

最優秀新人賞:鈴木あみ 抱いて HOLD ON ME!

新人賞:トーコ、モーニング娘

誘惑
夜空ノムコウ
my graduation
タイミング
SOUL LOVE
長い間
HONEY
愛されるより愛されたい
Time goes by
全部抱きしめて/青の時代
ピンクスパイダー
明日が聴こえる/Children's Holiday

○今年は過去最高の総売上金額4,328億8千万円を達成(前年比13.6%増)、総売上枚数は2億656万3千枚と2年ぶりに2億万枚台を上回った。ミリオンセラーはシングルが前年に比べ2作少ない14曲、アルバムは過去最高であった前年よりさに4枚増え25枚となる。シングルは金額、枚数ともここ5年間で最低の数字であったのに対し、アルバムはベストアルバムブームの影響からか、その両方が過去最高を記録した。

話題の映画(1998)

洋画
タイタニック
ディープ・インパクト
メン・イン・ブラック
GODZILLA
プライベート・ライアン
エアフォース・ワン

邦画
踊る大捜査線 THE MOVIE
ポケットモンスター・ミュウツーの逆襲
ドラえもん のび太の南海大冒険
金田一少年の事件簿 上海人魚伝説
不夜城

○前年「もののけ姫」が樹立した日本配収記録を、今年は「タイタニック」が塗り替え、配給160億円・動員1,700万人のメガヒットとなる。

○黒澤明(9.6)、淀川長治(11.11)、木下恵介(12.30)らが死去。

○年間入場者は1億5,310万人と前年より1,238万人増え、対前年比では108.8%とアップした。全国の映画館数も'89年の1,912館を上回り2,000館に迫る勢いで5年連続の増館となった。

ベストセラー(1998)

新・人間革命1・2・3
大河の一滴
幸福の革命
ビストロスマップKANTAN レシピ
小さいことにくよくよするな!
他人をほめる人、けなす人
ダディ
ループ
釈迦の本心
ももこの話
新ゴーマニズム宣言スペシャル戦争論
松本人志 愛
絶対音感

○世紀末ということで20世紀を回顧する出版が相次ぐ。「20世紀の記憶」(毎日新聞社)、「20世紀どんな時代だったのか」(読売新聞社)、「人物20世紀」(講談社)、「20世紀システム」(東京大学出版会)など。

○経済不況の煽りをうけ出版業界も書籍や雑誌を中心にマイナス成長。

話題のマンガ(1998)

○元気のないマンガ市場に頼もしい助っ人が帰ってきた。20年ぶりに復活したのが「プロゴルファー猿」(ビックコミック)と一方17年ぶりに連載を開始した「ルパン三世」(漫画アクション)。週刊モーニングからは「沈黙の艦隊」の特別編や「夏子の酒」、「部長・島耕作」などなつかしの主人公が続々登場。

○従来玩具メーカーに依頼していたキャラクターの商品化を小学館、講談社、集英社など大手の出版社自らが行う専門セクションを設け、ビシネス展開。

○男性向けコミック誌で家族をテーマにしたマンガがブーム。

○サイボーグ009や仮面ライダーの作者、石ノ森章太郎死去(1.28)

あじさいの唄(ビックコミックオリジナル)、アイ・ムホーム(ビックコミックオリジナル)、哲也(少年マガジン)、かじ暦(コミックアルファ)、SEED(ビジネスジャンプ)

ファッション(1998)

○ヤングからOLまでの幅広い層に、細い肩紐のついたキャミソールファッションが街着として大流行。

○97年に引き続き、厚底の靴、ストレッチブーツが人気。

○秋にはプリーツスカートが注目され、色はグレーが人気となるが、冬に入ると白が急浮上。特に、白いコートが流行する。

○美白ブームで、肌を白くする効果のある化粧品の人気がヤングにも広がる。

○迷彩模様ファッションが流行。色も多様化し、雑貨や電気製品にも登場。

気象状況(1998)

○年初は暖冬傾向が続いた。首都圏で1月に3回も大雪が降り交通機関が大混乱となった。ウメやツバキは1カ月以上、ソメイヨシノは平年より3~10日早く開花した。4月は暖かく、各地で記録続出。夏は北陸・東北地方に梅雨明けがなく、日照不足の不順な年となった。台風1号の発生は観測史上最も遅く(7.9)、発生数(回)も最も少なかったが、日本への上陸(回)と被害は大きかった。秋も暖かく、多雨寡照だった。

○33年ぶりのしし座流星群に期待が集まるが日本では期待が外れる(11.18)。

×2月、アフガニスタンでマグニチュード6.1の地震が発生、死者は4,000人。

×97年春に発生した今世紀最大規模のエルニーニョ現象が終息する。

×7月、パプアニューギニアで大津波が発生、多大な被害を出す。

×中国の長江で大洪水による死者3,000人を超す被害が発生、米国では竜巻熱波、洪水などの被害が続出、世界的に異常気象が多発した。

1997年(平成9年)

経済白書 副題(1997)

改革へ本格起動する日本経済

経済概況(1997)

平成9年の日本経済は、年後半に景気が停滞した。前年からの景気回復基調に消費税率引き上げ前の駆け込み需要が加わって、3月までは個人消費が盛り上がった。4月以降は消費税率引き上げ、特別減税廃止、医療費負担増などで消費が低調になり、秋以降に株価の急落、金融機関の相次ぐ破綻などから景況感は一段と悪化した。住宅着工、新車販売、百貨店・スーパー売上高などが軒並みマイナスとなった。

経済成長率 名目 1.9% 実質 1.6%
民間最終消費支出 名目 2.2% 実質 0.5%
民間企業設備投資 名目 8.1% 実質 9.0%
輸出 名目 13.3% 実質 11.6%
消費者物価    1.8%  

日本の広告費(電通調査)(1997)

○テレビが全体を牽引し、雑誌が高い伸びを続けた。

ニューメディアもケーブルテレビを中心に3年続けて2ケタの伸びとなった。

  億円 対前年比(%)
総広告費 59,901 (103.8)
新聞 12,636 (102.1)
雑誌 4,395 (107.9)
ラジオ 2,247 (103.0)
テレビ 20,079 (104.8)
SP 20,348 (103.1)
ニューメディア 196 (112.6)
インターネット 60 (381.3)

政治・経済・業界(1997)

大手証券会社が総会屋への利益供与を認める(3.6)。この事件を発端に次々と総会屋と金融機関、大手企業との不正が発覚、トップの逮捕が相次ぐ。

○消費税率5%に引き上げ(4.1)。

○金融制度調査会、証券取引審議会、保険審議会が日本版ビッグバンの実現

を目指す報告書を三塚蔵相に提出(6.13)。

×タイは通貨バーツの実質的な切り下げを実施(7.2)。これをうけ東南アジア各国では、外貨流出や通貨下落が相次ぎ、日本のアジア向け輸出に影響。

×米マイクロソフトとアップルコンピュータが資本・技術提携を発表(8.6)。

○改正保健法がスタート(9.1)、本人負担は2割に。

○ヤオハングループの中核であったヤオハンジャパンが倒産(9.18)。

○97年の企業倒産負債総額は前年比75.4%増の14兆209億円で過去最高となる。

○行政改革会議(会長・橋本首相)は現在の22省庁を1府12省庁に再編する内容の最終報告を決定(12.3)。

○生保として戦後はじめての経営破綻となった日産生命保険(4.25)をはじめ、三洋証券(11.4)、北海道拓殖銀行(11.17)、山一証券(11.24)など金融機関の破綻が相次いだ。

○消費税増税が影響して住宅着工数、新車登録台数、百貨店・スーパーの売上高など、いずれも減少。

○携帯電話が急速に普及、年間で1,057.7万台増(累計2,874.5万台)、PHSは205.7万台増(累計699.4万台)となり、移動電話の普及台数は3,573.9万台に。

○株や円は6月に年間最高値をつけたものの、景気低迷や金融不安を反映し、株価は12年ぶりの低水準(15,258円)、円相場もアジア通貨危機などがさらに重なり129円台の安値で終わる(12.30)。

○日本経済は、第1四半期(1~3月)は消費税引き上げ前の駆け込み需要で個人消費が盛り上がるが、第2四半期はその反動と税率アップの影響で個人消費が低迷、第1次石油ショック以来のマイナス成長(前期比年率-10.6%)を記録、第4四半期もマイナスとなるなど、景気が停滞。月例経済報告からは18カ月間続いた「回復」の文字が消え、日銀の短観12月調査では企業の景況感がさらに悪化。

マスコミ・広告・媒体(1997)

○ソフトバンクと豪ルパート・マードック・ニューズは、両社の合併会社が取得したテレビ朝日の株を朝日新聞社へ売却することで合意(3.3)。

○民放連、ラジオ新時代キャンペーンを展開、ラジオの活性化を図る(4月~)。

○ビデオリサーチが関東地区で機械式個人視聴率調査を本格的に開始(4.1)。

○2005年の万国博が愛知県瀬戸市に決定(6.12)。

○福岡放送(6.10)および北陸放送(7.22)のCM間引きが相次いで発覚。

○ハイビジョン対応テレビ受像機の出荷台数が累計で100万台を突破(7.31)。

○鳥取県境港市で「夢みなと博」(7.12~9.28)、宮城県仙台市で「国際ゆめ交流博」(7.19~9.29)が開催される。

○フジテレビが民放TV局として37年ぶりに東証一部に上場(8.8)。

○CSデジタル放送「パーフェクTV」と98年放送開始予定の「JスカイB」が業務の一部を提携することを表明(8.24)。

○日本たばこ協会は、98年4月からたばこ銘柄のテレビ・ラジオCMを自粛する方針を発表(9.30)。

○CATVの受信契約者数が500万世帯となり、全世帯に占める普及率も11.2%となる(10.3)。

○CSデジタル放送のディレクTVが開局(12.1)。

○人気アニメ「ポケモン」(テレビ東京系)を見ていた視聴者が、突然けいれんや嘔吐を起こし、病院で手当を受けたり入院する騒ぎが全国で発生。原因判明まで放映は中止となる(12.16)。

媒体の発足(1997)

○「さくらんぼテレビジョン」、「高知さんさんテレビ」4.1開局。

○福岡外国語FM局「九州国際エフエム」4.1開局。

○雑誌の創刊が続く。主な創刊誌は女性誌-「GINZA」マガジンハウス3.28、「Optim」JTB出版3.7、「nicola」新潮社6.1、「DONNA giappone」ビクターエンタテインメント9.27など。男性誌-「ストリートジャック」ベストセラーズ4.24、「カピタン」文藝春秋6.20、「FineMAX」日の出出版4.11など。パソコン関連情報誌-「日経Windows NT」日経BP社3.28、「HOME PC日本版」デイジット6.24など、生活情報誌-「新米主婦の友WiWi」主婦の友社5.12、「Good Housekeeping」日経ホーム出版11.4など。地域情報誌-「TOKYO1週間」講談社11.18など。

○「BOSS」三笠書房、「Views」講談社、「るるぶ」JTB出版などが廃刊。

○テレビ局数126局(2局増)

○ラジオ局97局(1局増)

○コミュニティ放送局数84局(29局増)

○創復刊数179誌、休廃刊誌数134誌

媒体普及率(1997)

テレビ契約数 35,816,023
(うち、衛星) (8,171,648)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <99.2%>
VTR普及率 <75.7%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1997)

○ロシア船籍のタンカー「ナホトカ号」が日本海で沈没、重油が大量流出(1.2)

○消費税率を5%に引き上げ(4.1)

○「脳死を死と認める」臓器移植法案が成立(6.16)

○総会屋に対する利益供与で金融機関・大手企業の幹部が逮捕(5月~)

○神戸市須磨区の児童殺傷事件で14歳の少年逮捕(6.28)

○82年に起きた松山ホステス殺人事件の容疑者が、時効目前に逮捕(7.29)

○動燃で再処理施設爆発(3.11)、廃棄物のドラム缶腐食(8.21)と不祥事続く。

○日本サッカー、悲願のワールドカップへの出場決める。(11.16)

○北海道拓殖銀行(11.17)、山一証券(11.24)など金融機関の破綻が相次ぐ

○宇宙飛行士・土井隆男さんが日本初の船外活動を行い帰還(12.5)

海外10大ニュース(1997)

×中国の最高実力者、鄧小平氏が92歳で死去(2.19)

×英国のウィルムット博士らがクローン羊を作り出すことに成功(2.23)

×ペルー・リマの日本大使公邸人質事件が武力解決(4.22)

×156年にわたる英国の香港統治が幕を閉じ中国へ返還される(7.1)

×英国のダイアナ元皇太子妃がパリで交通事故死(8.31)

×ノーベル平和賞受賞者のカトリック修道女、マザー・テレサが死去(9.5)

×インドネシアで発生した煙害が9月中旬から東南アジアのほぼ全域を覆う

×朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が干ばつにより3年連続で食糧危機に

×エジプトのルクソールでイスラム過激派による観光客襲撃テロ(11.17)

×対人地雷全面禁止条約署名式がカナダで行われ121ヵ国地域が署名(12.3)

世相・風俗(1997)

○企業ぐるみの不正-3月に明るみに出た総会屋への不正利益供与事件は日本の4大証券会社および大手企業を巻き込み、多数の幹部辞任、逮捕が相次ぐなど経済・金融・政治の各界に波紋を及ぼす。

○金融不安-日産生命保険(4.25)、三洋証券(11.3)、北海道拓殖銀行(11.17)、山一証券(11.24)など金融機関の相次ぐ破綻で金融不安が高まる。

○犯人は透明な存在-神戸市須磨区で起きた連続殺人事件は、その残酷な犯行内容のみならず犯人が14歳の中学生であったことで社会に大きな衝撃をもたらす一方、教育や家庭のあり方、少年法の見直し、報道のモラルなど日本全体が考えさせられる事件となる。

○高まる地球へのいたわり-容器包装リサイクル法施行(4.1)、オーガニック(有機農産物)食品の開発や食材としての導入、排ガスを減らしたハイブリッドカー、電池交換不要のエコウォッチ、環境に配慮したせっけん・シャンプー、自然と人間をテーマとした「もののけ姫」の大ヒットなど地球との共存意識が高まる。

○イベント施設のオープン-東京国際フォーラム(1.10)、大阪ドーム(3.1)ナゴヤドーム(3.12)、新国立劇場(10.10)

たまごっち、ポケモン、イタリアン食材、マイブーム、ベルギーワッフル、キシリトール商品、小顔化粧品、ガーデニング、キティーちゃんグッズ、ボードゲーム、トレーディングカードが話題となる。

消費者・住民運動・公害(1997)

○長崎県諫早湾干拓事業のため、湾奥部の「潮止め」を実施(4.14)

○岐阜県御嵩町で産廃処分場問題をめぐる全国初の住民投票が行われ、建設反対が7割にのぼる(6.22)

○温暖化防止京都会議が開催され、先進国の温暖化ガス削減目標を盛り込んだ議定書が採択される(12.11)

時の商品・新製品(1997)

○行動拡大促進商品-国内線マイレージサービス、秋田新幹線「こまち」、長野新幹線「あさま」、東京アクアライン、グアム・サイパンツアーの子供料金割引、340円タクシー、消費者金融の郊外型自動契約機、DVDカーナビ、レトロスクーター(ビー)、ポータブルMDプレーヤー。

○デジタル・コミュニケーション商品-デジタルカメラ、デジタルビデオ

カメラ、インジェクトプリンター(POM-700C)、PDA(携帯情報端末)。

○“癒し”の商品-ガーデニンググッズ、アロマテラピー、赤ワイン、イタリア産食材、有機野菜メニュー、低煙たばこ、足専用冷却シート。

○その他注目を集めた商品-ベルギーワッフル、キシリトールガム、ねるじぇら、サプリ、H2ブロッカー、500mlペットボトル飲料、新酒税ウイスキー、小顔グッズ、体脂肪計、肩出しファッション、ポケットモンスター、キティちゃん、新世紀エヴァンゲリオン、デジキューブ、たまごっち、タイガーウッズ関連商品、サッカーワールドカップ商品、バリアフリー住宅、G-SHOCK、外貨預金、外貨建てMMF、通販保険、ハイブリッド カー(プリウス)、超小型軽量携帯電話。

テレビCM(1997)

ナイキ・ナイキシューズ<Just do it.>マイケル・ジョーダン、コミー・TBC<ナオミに変わる日>ナオミ・キャンベル、サントリー・サントリーモルツ<なんでモルツは…なんで>石橋貴明、木梨憲武、鈴木京香、アサヒビール・ファーストレディー<アサヒファーストレディーください>樹木希林、松本孝美、日清食品・日清庵「う・そ」<うそ答弁+会見>、アコム・むじんくん<ラララむじんくん宇宙編>、カタログハウス・通販生活<もうやだ、こんな生活>、富士写真フィルム・写ルンですスーパースリム<与作他>沢口靖子、稲垣吾郎、トヨタ自動車・コロナプレミオ<ぶつけんなよ>緒形拳、蝶矢洋酒醸造・チョーヤ梅酒紀州<女30歳…>松本明子、東芝・冷凍冷蔵庫<かわりばん庫>松たか子、本田技研工業・ホンダステップワゴン<こどもといっしょにどこいこう>、サカイ引越センター・引越のサカイ<2部上場や!>、東日本旅客鉄道・秋田新幹線「こまち」<機長、乗客が秋田新幹線に…>奥田瑛二、及川麻衣、マツモトキヨシ<出てこいマツモトキヨシ!>、東京総合信用<カレシ>、スタッフサービス<オー人事>

新聞広告(1997)

トヨタ自動車・トヨタエコプロジェクト<あしたのために、いまやろう>、オリンパス光学工業<微笑みがぎこちない>、サントリー・南アルプスの天然水<地球が大事に育てた水>、宝島社・別冊宝島<300号・7000万部突破いたしました>、松下電器産業・リチウム電池<帰っておいでほたるっ子>、日産自動車<もっと日産になる>、本田技研工業<I'm HONDA.>、シチズン時計<エコ・ドライブ>、全国牛乳普及協会<搾りきったレモン>、メルセデス・ベンツ日本<もういちど、自動車を発明します>、講談社<Yonda?>、モスフードサービス<全国に1442店を持つ責任として>、サントリー<10月1日。ウイスキー開放。>、キリンシーグラム・シーバスリーガル<Myson>、テレビ朝日・全米オープンゴルフ<早起きさせてごめんなさい>、日本サッカー協会<とにかく国立競技場へ行くこと>、豊島園<カモン>、東日本旅客鉄道・秋田新幹線開業<線路の夢はまだつづく>

話題のテレビ番組(1997)

○日本テレビが4年連続で年間平均視聴率の4冠(全日、プライム、ゴールデン、ノンプライム)を達成。

○引き続き好調なフジテレビ月曜9時ドラマ。「バージンロード」、「ひとつ屋根の下2」、「ビーチボーイズ」、「ラブジェネレーション」がたて続けにヒット。特に「ラブジェネレーション」(木村拓哉、松たか子共演)は初回でフジテレビ連続ドラマ歴代1位の高視聴率を記録。

○若者をターゲットとした新規深夜番組が4月から各局で増える。

○テレビ番組と雑誌を連携させるスタイルで効果を狙ったメディアミックス型のアニメ作品が増える。マンガ雑誌「コロコロコミック」の作品、「ドラえもん」や「B(ボンバーマン)ビーダーマン爆外伝」(ANB系)、「ポケットモンスター」、「爆走兄弟レッツ&ゴーMAX」、「学級王ヤマザキ」、「超魔人英雄伝ワタル」(テレビ東京系)など。

○テレビ東京系のアニメ番組「ポケットモンスター」を見ていた子供たちが、突然けいれんや嘔吐を起こして病院で手当を受けたり、入院する騒ぎが全国各地で発生(12.16)。

○小説をドラマ化した「失楽園」、「不機嫌な果実」や、多くの制作費を投じて全国各地でロケをした「青い鳥」など、不倫をテーマにした番組が話題を呼ぶ。

○関西で抜群の人気を誇る吉本新喜劇が、ゴールデンタイム枠の番組「超!よしもと新喜劇」(TBS系)で全国区デビュー。

○日本がイランを破りサッカーW杯フランス大会の出場を決めた試合の平均視聴率(47.9%)は民放での年間最高視聴率を記録(11.17)

NHK(1997)

《ふたりっ子》29.0%《あぐり》28.4%《甘辛しゃん》
〈毛利元就〉23.4%

○1992年度前期の「おんなは度胸」以来、視聴率が下降していた朝の連続テレビ小説が活気を取り戻す。前作「ひまわり」が25.5%とその下降をストップさせた後を受け、今年はそれを上回る結果を出した。

○英国のコメディアン、ローワン・アトキンソン主演の「ミスター・ビーン」の人気が高まる。せりふが少ない絶妙の演技が、ひと味違った笑いを誘いその分かりやすさから子供からお年寄りまで支持される。

流行語(1997)

失楽園、たまごっち、もののけ姫、ガーデニング、日本版ビッグバン、経営破綻、キティラー、モバイル、マイブーム、チャイドル、キシリトール、パパラッチ、火だるま行革、郵政3事業、アダルトチルドレン、ポケモン、ハイブリッド、オーガニック、透明な存在、複雑系、個人ぐるみ、イケてる、リセット世代、フィギュア、違和感、利益供与、貸し渋り

流行歌(1997)

レコード大賞:安室奈美恵〈CAN YOU CELEBRATE?〉

最優秀新人賞:知念理奈〈precious delicious〉

新人賞:猿岩石、岩出和也

CAN YOU CELEBRATE?
硝子の少年
ひだまりの詩
FACE
STEADY
PRIDE
YOU ARE THE ONE
Everything〈It's you〉
HOWEVER
白い雲のように
Red Angel
a walk in the park
Hate tell a lie
Glass
Calling

○ミリオンセラーはシングルが昨年より3作少ない16曲、アルバムが過去最高を記録した昨年と同数の21曲。総売上枚数は1億9,986万1千枚と2億万枚を下回り、総売上金額も前年比-11.3% の3,809億7千万円と9年ぶりの前年割れを示すなど減速傾向。

話題の映画(1997)

洋画
インデペンデンス・デイ
ロスト・ワールド・ジュラシックパーク
スピード2
フィフス・エレメント
スリーパーズ
身代金
デビル

邦画
もののけ姫
失楽園
ドラえもん・のび太のねじ巻き都市冒険記、他
THE END OF EVANGELION
モスラ
学校の怪談3
新世紀エヴァンゲリオン劇場版

○年間入場者数が1億4,071万人と7年ぶりに1億4千万人台を記録。対前年比117.7%と大きくアップ。全国の映画館数も4年連続の増館となる。

○「もののけ姫」が「E.T.」を抜き日本配収記録107億円を達成。この大ヒッにより邦画の配収シェアが4割台に回復する。

○カンヌ国際映画祭で「うなぎ」(今村昌平監督)がパルムドールを受賞(5月)、ベネチア国際映画祭では「HANA-BI」(北野武監督)が金獅子賞を受賞(9月)するなど海外においても邦画の評価が高まった。

○萬屋錦之介(3.10)、勝新太郎(6.21)、三船敏郎(12.24)らが死去。

ベストセラー(1997)

失楽園(上・下)
少年H(上・下)
ビストロスマップ完全レシピ
鉄道員
永遠の法
母の詩
ファイナルファンタジー7解体真書
たまごっち大百科
ダービースタリオン公式ガイドブック
7つの習慣
ももこの世界あっちこっちめぐり

○ミリオンセラーは失楽園(267万部)、少年H(160万部)、ビストロスマップ完全レシピ(150万部)、ふたり(累計136万部)が達成。

○文芸書が健闘-「失楽園」「少年H」「鉄道員」「女たちのジハード」「ももこの世界あっちこっちめぐり」「皇女の霊柩」などがロングセラーとなる。

話題のマンガ(1997)

○昨年に引き続き伸び悩んでいるマンガ市場だが、今年は大手出版社による懐かしの名作や傑作マンガの復刻本が注目を集める。

○日本を代表する文化の1つである「日本マンガ」を発展、育て上げた故手塚治虫の業績を記念し、「手塚治虫文化賞」が創設される。第1回の大賞は「ドラえもん」(故藤子・F・不二雄)が受賞。

○23年間発行部数でトップを走ってきた「少年ジャンプ」(集英社)がついに、「少年マガジン」(講談社)に首位を奪われる。

忍ペンまん丸(少年ガンガン)、ガンバ!Fly high(少年サンデー)、妖しのセレス(少女コミック)、山遊亭海彦(週刊モーニング)、コジコジ(きみとぼく)、犬夜叉(少年サンデー)、からくりサーカス(少年サンデー)、GTO(少年マガジン)、ポケモン(コロコロコミック)

ファッション(1997)

○「小顔」ブームで、ひきしめ効果のある美容クリームが大ヒット。また、顔のお手入れは若い男性にまで広がり、男性用化粧品が続々と発売される。

○夏は若い女性の間でホルターネックの肩出しファッションが流行。

○秋には左の前にスリットが入ったミニスカートが流行。

○「ババシャツ」と呼ばれる袖のついた肌着が、薄手のハイテク素材の開発で若い女性に大人気。

○伸縮性のある素材で足にぴったりフィットするストレッチブーツが大流行。

○ルーズソックス一色だった女子高校生の足元に変化が現れ、「ハイソ」と呼ばれるハイソックス派が登場。紺色が人気。

気象状況(1997)

○今年も暖冬、6月に異例の台風2個上陸、平年並みの夏-冬:北日本と東日本の気温は高めに推移、西日本は平年並み、春:3月上旬や5月上旬の気温は高めで特に東・西日本は高温が続く。夏:6月に台風7号が愛知県、8号が長崎県に、7月に9号が徳島県に上陸した。9月に入って台風19号による被害が特に大きかった。

×春に発生したエルニーニョ現象は今世紀最大規模となり、東南アジアの森林火災が30万haに及ぶなど世界各地に大きな被害と経済的な影響を及ぼした。

×中国華南では多量の降雨による洪水や土砂崩れの被害が相次ぎ、中国北東部から朝鮮半島北部にかけては降水量が極端に少なく干ばつが発生した。

×イラン東部でマグニチュード7.3の地震が発生。死者約2,400人、負傷者約6,000人の被害が出た。(5.10)

1996年(平成8年)

経済白書 副題(1996)

改革が展望を切り開く

経済概況(1996)

平成8年の日本経済は、全体としては緩やかな景気回復を続けた。年前半は、公共投資、民間住宅建設が景気をけん引した。年央には、半導体不況による企業業績の伸び悩み、病原性大腸菌「O157」騒動による個人消費の低迷が影響し、景気は足踏み状態となった。しかし、秋以降は乗用車販売、百貨店売上高の復調、円安傾向による外需の好転などから景気はやや明るさを取りもどした。

経済成長率 名目 3.5% 実質 5.1%
民間最終消費支出 名目 3.0% 実質 2.9%
民間企業設備投資 名目 5.6% 実質 11.3%
輸出 名目 9.5% 実質 6.3%
消費者物価    0.1%  

日本の広告費(電通調査)(1996)

○前年に引き続き堅調な伸びを示した。

○SP広告費は前年並みの伸びであったが、ケーブルテレビを中心にニューメディアは好調を続けた。

  億円 対前年比(%)
総広告費 57,699 (106.3)
新聞 12,379 (106.2)
雑誌 4,073 (108.8)
ラジオ 2,181 (104.8)
テレビ 19,162 (109.2)
SP 19,730 (103.5)
ニューメディア 174 (110.1)
インターネット 16 (-)

政治・経済・業界(1996)

○村山首相が退陣を表明(1.5)。橋本内閣が発足(1.11)。

○日本社会党が「社会民主党」に党名を変更(1.19)。

○三菱銀行と東京銀行が合併し、資金量世界最大の「東京三菱銀行」が誕生(4.1)。

○特定石油製品輸入暫定措置法の廃止に伴い、製品輸入が自由化される(4.1)。

○マツダが実質的にフォードの子会社となる(4.12)。

○コメの販売自由化スタート、国内航空の幅運賃制度スタート(6.1)。

○住専7社の巨額不良債権を引き継ぐ「住宅金融債権管理機構」が発足(7.26)。

○保険業法の改正により生保・損保の相互参入が認められ、各子会社が営業を開始(10.1)。

○新王子製紙と本州製紙が合併、国内最大の製紙会社「王子製紙」が発足(10.1)。

○高島屋新宿店がオープン(10.4)。

○初の小選挙区比例代表並立制による衆議院総選挙が実施(10.20)。自民党は過半数に届かなかったが議席増、3年3か月ぶりに自民党単独内閣となる。第二次橋本内閣が発足。投票率は戦後最低の59.65%。

○携帯電話とPHSの加入数が急増、10月に2,000万台突破。

○大蔵省が阪和銀行に対し自主再建は困難と判断し、銀行では初の業務停止命令を出す(11.21)。

○特別養護老人ホーム建設をめぐる汚職事件で厚生省前事務次官逮捕(12.4)。

×ペルーの日本大使公邸を左翼ゲリラが襲撃。パーティーに主席していた外交団、在留日本人を監禁(12.17)。

○東京外国為替市場と東京株式市場は円安(1ドル115円台)、株安(19,000円台)、債券安のトリプル安でこの年の取引を終える(12.30)。

マスコミ・広告・媒体(1996)

○首都圏初の外国語FM放送「FMインターウェーブ」が開局(4.1)。

○オープン懸賞の上限金額が1,000万円となるなど景品規制緩和(4.1)。

○TBSのオウム事件関連ビデオ問題で社長引責辞任(4.30)。

○ソフトバンク社と豪ニューズ・コーポレーション社は合弁会社を設立し、テレビ朝日の株式21%を持つ旺文社メディアを買収すると発表(6.20)。

○アトランタ・オリンピック開催(7.19~8.4)。加盟197ヵ国・地域が史上初めて完全参加。

○通信衛星を使った日本初のデジタル多チャンネル放送「パーフェクTV」が57チャンネルで本放送を開始(10.1)

○テレビ東京が地上データ放送開始(10.5)。

×英最大電話会社ブリティッシュ・テレコム(BT)は、全米第2位の長距離電話会社MCIコミュニケーションズの株式を買収して合併することで基本合意(11.3)。

○地域密着型のコミュニティ放送局が急増、92年12月に誕生して以来、95年末22局、96年末55局が運営。

○1年間にわたるインターネット上のバーチャル博覧会「インターネット'96ワールドエキスポ」が開催。

○プロ野球やアトランタ五輪などのスポーツ選手起用のCMが続出。

媒体の発足(1996)

○岩手朝日テレビ(IAT)10.1開局。

○FMインターウェーブ4.1、FM滋賀12.1開局。

○この年も活発な創刊活動が続く。主な創刊誌として女性誌-「Grazia」講談社3.1、「PINK」マガジンハウス5.27、「ZOLA」祥伝社9.2、「UNO!」朝日新聞社10.23、「ドマーニ」小学館12.7など。男性誌-「GOODY」ベネッセコーポレーション4.15、「evah」サンマーク出版10.3、「BOSS」三笠書房11.11、「Gillie」TBSブリタニカ11.22など。パソコン関連情報誌-「日経ベストPC」日経BP社3.13、「日経PC21」日経BP社3.23、「日経01」日経ホーム出版6.13など。生活情報誌・育児誌-「Oyako」小学館2.15、「サンキュ!」ベネッセコーポレーション4.2など。

○「微笑」祥伝社、「ノーサイド」文藝春秋、「MOTOR FAN」三栄書房などが廃刊。

○テレビ局数124局(1局増)

○ラジオ局数96局(2局増)

○コミュニティ放送局数55局(33局増)

○創復刊誌数200誌、休廃刊誌数103誌

媒体普及率(1996)

テレビ契約率 35,377,295
(うち、衛星) (7,374,885)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <99.1%>
VTR普及率 <73.8%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1996)

○病原性大腸菌「O157」による食中毒が堺市をはじめ全国各地で発生。

○オウム真理教元代表の松本被告の裁判がスタート(4.24)。

○アトランタ五輪開催(7.19~8.4)。日本勢の獲得メダルは14個

○住専処理に6,850億円の財政資金を投入(5.10)。

○厚生省前事務次官が特別養護老人ホーム建設をめぐる汚職事件で逮捕(12.4)

○薬害エイズ事件で安部前帝京大副学長逮捕(8.29)

○北海道の豊浜トンネルで落盤事故発生(2.10)。20人が死亡

○「男はつらいよ」の主演、渥美清氏が死去(8.4)

○小選挙区比例代表並立制による初の総選挙実施(10.20)。自民党が復調

○プロ野球日本シリーズでオリックスが巨人を破り初の日本一に(10.24)

海外10大ニュース(1996)

×米大統領選挙(11.5)でクリントン大統領が再選

×ロシア大統領選挙の決選投票(7.3)の結果、エリツィン大統領が再選

×インド上空で航空機が空中衝突し349人が死亡(11.12)

×チャールズ英皇太子とダイアナ妃の離婚が正式に決定(8.28)

×ヨーロッパで狂牛病パニック。欧州委員会は英国産牛肉の輸出禁止を決定(3.27)

×ルワンダなどで難民危機

×北朝鮮潜水艦が韓国に侵入(9.18)

×フランスが核実験終結を宣言(1.29)

×韓国の全元大統領に死刑判決(8.26)

×アトランタの五輪公園で爆弾テロ(7.27)

世相・風俗(1996)

○大型複合商業施設、都市型テーマパークのオープンが相次ぎ注目を集める-キャナルシティ博多(4.20)、ナンジャタウン(7.6)、東京ジョイポリス(7.12)、タカシマヤ タイムズスクエア(10.4)など。

○携帯電話の普及につれて、ドライバーの携帯電話使用中の交通事故増加、病院内での使用による電磁波障害の発生、電車内での使用などでマナーの指摘も高まる。

○堺市の学校給食が原因とみられる病原性大腸菌「O157」による集団食中毒発生など、全国各地でO157による食中毒が頻発。

○若手の活躍-将棋の羽生名人が史上初の7冠を達成(2.14)。ウインブルドンテニス選手権で伊達公子が初の4強に(7.5)。アトランタ五輪の女子マラソンで有森裕子が銅メダル(7.28)。大リーグの野茂英雄投手がノーヒット・ノーランを達成(9.18)。日本の野球界でもイチロー選手、松井選手が活躍。

○行政への不信感が高まる-薬害エイズ事件での厚生官僚と医師、製薬会社のもたれあい、石油卸業者から接待を受け処分された通産官僚、老人ホーム建設にまつわる厚生省事務次官の汚職事件、自治体の公費不正支出など。

○ナイキ社のスポーツシューズ「エアマックス」が若者を中心に爆発的人気。地ビール、プリクラ、携帯用ミニゲーム、アムラーファッション、SMAPなどがブーム、個人の自己破産急増、母親がパチンコ中の幼児死亡相次ぐ

消費者・住民運動・公害(1996)

○非加熱製剤でHIVに感染した血友病患者たちが国と製薬会社5社に損害賠償を求めたHIV訴訟で、東京・大阪の原告団は裁判所の和解案を受け入れ、和解が成立(3.29)。

○沖縄県の米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の見直しについて全国初の県民投票が実施され、賛成票が89%となり全有権者の半数を突破(9.8)。

○東京都23区内の事業所系ごみの収集が有料となる(12.1)。

時の商品・新製品(1996)

○デジタル商品-携帯情報端末、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、インターネットTV、DVD、MDプレーヤー・ソフト。

○コミュニケーション商品-「プリント倶楽部」、子連れ海外旅行、携帯電話・PHS、電子メール、ミニバン。

○健康・からだ関連商品-美白歯磨き、鼻パック、男性育毛・増毛サービス、茶髪グッズ、抗菌グッズ(薬用石鹸など)、ノンシュガー食品、健康茶。

○自然・環境商品-生ゴミ処理機、低ベンゼンガソリン、リサイクル商品(ペットボトル再生繊維)。

○注目を集めた商品-ハイビジョンテレビ、「パーフェクTV!」、直接噴射式ガソリンエンジン、APS対応カメラ、ナビ機器、「GOA」、レトロ調軽自動車、食器洗浄機・乾燥機、時間短縮洗濯機、輸入家電、ホームページ作成ソフト、パソコン習得ツール、「エアマックス」、「タカシマヤタイムズスクエア」、「キャナルシティ博多」、お台場&「ゆりかもめ」、チューブ型食品、安眠グッズ、ミニテトリス、無人契約機。

○新しく登場した商品-電気自動車、双方向テレビ。

テレビCM(1996)

サンギ・アパガード<芸能人は歯が命>東幹久、高岡早紀、宝酒造・すりおろしりんご<りんごすったー>リンゴ・スター、日本ペプシコーラ・ペプシコーラ<♪ペプシマ~ン>、民放123社・五輪小委員会<オリンピックがなければ、平凡な夏でした>、富士通・FMV DESK POWER<上手になったね>、キヤノン・PIXEL<美しい人がいました>夏目雅子、カネボウ・テスティモ2<スーパーリップで攻めてこい>木村拓哉、JR東日本<東北大陸から>、サントリー・サントリーBOSS<チョーオッケーっすよ>矢沢永吉、アステル東京・PHS<愛している人と、ピーしている>前園真聖、日本ビクター・ポケットデジタルムービー<ダンシングペンギン>、ナイキ<Just do it>、日本コカ・コーラ・ジョージア<がんばってコート>飯島直子、NTT移動通信網<NTTドコモ携帯電話>織田裕二、アコム・むじんくん<♪ラララむじんくん~>

○スポットCMでインターネットアドレスを表示するCMが増加。

新聞広告(1996)

全国牛乳普及協会<どの国の骨が、いちばん美しいか>、豊島園<とし博開催決定!>、キリンビール・ガンバレ!ニッポン!<キリンもがんばる>、長野県・1998長野オリンピック<もういくつねるとオリンピック>、自由民主党<政治をオープンにします>、大塚製薬<カロリーメイトには、ルーツがあります>、日清食品<ありがとう1,000万円>、Perfec TV<日本初のデジタル衛星多チャンネル放送>、アサヒビール<ありがとうございます。最高売上を達成しました。>、松下電器産業<これがDVD、「ドリーム」いよいよ誕生>、ダイエー<主婦のみなさん、聞いてください>、本田技研工業・ステップワゴン<こどもといっしょにどこいこう>、旭硝子<ガラス注意>、明治製菓・ココア<全国のココア好きの皆さんごめんなさい>、ソニー・スタミナ液晶ハンディカム<試しに東京から風景撮り続けてみたりして>、無印良品<無印良品の¥が↓になりました>、NTT移動通信網<携帯電話を使用しながらの運転はやめましょう>

話題のテレビ番組(1996)

○1981年に始まった長寿番組「なるほど!ザ・ワールド」(CX系)が3月末で終了。海外情報クイズの先駆けとして数多くの話題を提供してきた。

○16年ぶりにウルトラマンシリーズが復活。いつの時代も子供たちに夢と希望を提供するとともに、数々の付加価値商品を生み出してきたスーパーヒーロー「ウルトラマン」がテレビに戻ってきた。「ウルトラマンティガ」がMBS/TBS系でスタート(9.7)。

○「テレ・コンワールド」(テレビ東京系)、「亜米利加的買物」(TBS系)などをはじめとする情報番組形態のテレビショッピングが、深夜から早朝の時間帯にも関わらず人気となり急成長。インフォマーシャルによる通信販売として話題となる。

○おなじみのフジテレビ月曜9時のドラマ(月九ドラマ)が今年も人気。「ロングバケーション」(CX系)が配役(木村拓哉、山口智子)、テーマソング(LA・LA・LA LOVE SONG)などが20代の女性に支持され、社会現象となる(4月~6月)。

○国産のテレビアニメ第1号「鉄腕アトム」(手塚治虫原作)がWOWOWで再放送(4月)。

○「タモリのジャングルTV」(TBS系)、「SMAP×SAMP」(CX系)などの「番組内の料理コーナー」が注目を集める。

○TBSがオウム関連のビデオ問題でワイドショーを一新。「スーパーワイド」、「モーニングEye」、「スペースJ」の放送を生活情報系の番組に変更した。

NHK(1996)

《ひまわり》25.5%《ふたりっ子》
〈秀吉〉30.5%

○総合テレビの放送時間が延長され、試験的に24時間放送も始まる。緊急報道への対応や生活時間の多様化にこたえて、平日(月~木)の深夜は午前2時まで放送を延長。週末(金・土)は24時間放送とした。

○NHK放送文化研究所より「国民生活時間調査」が発表され、テレビ視聴時間が5年前に比べ「平日・土曜・日曜」それぞれ30分以上増加し、これまでの最長となった。

流行語(1996)

メークドラマ、イントラネット、Eメール、電子マネー、O157、住専、金融破綻、丸投げ、オンブズマン、EQ(こころの知能指数)、アムラー、チョベリバ、茶髪(チャパツ)、ベル友、ジミ婚、ストーカー、プリクラ、自分をほめてあげたい、援助交際、コマダム、芸能人は歯が命、バリアフリー、バーチャルアイドル、夫婦別姓、ビッグバン、友愛、なごみ顔(系)

流行歌(1996)

レコード大賞:安室奈美恵〈Don't wanna cry〉

最優秀新人賞:Puffyアジアの純真

新人賞:SPEED、dos

名もなき詩
DEPARTURES
LA・LA・LA LOVE SONG
チェリー
花-Memento-Mori-
空も飛べるはず
愛の言霊
I'm Proud
don't wanna cry
Chase the Chance
ミエナイチカラ/MOVE
You're my sunshine
アジアの純真

○ミリオンセラーはシングルが前年より9曲少ない19曲、アルバムが7枚多い過去最高の21枚を記録。総売上枚数は2億2,155万5千枚と前年を下回ったが、総売上金額は過去最高となる。

○特に注目を集めたのが、小室哲哉プロデュースの作品。一時期シングルチャートベスト5までを独占するなど驚異的な売上げを記録した。

話題の映画(1996)

洋画
ミッション・インポッシブル
セブン
ツイスター
イレイザー
ザ・ロック
ベイブ
ノートルダムの鐘

邦画
ゴジラVSデストロイア
Shall We ダンス?
ドラえもん・のび太と銀河超特急/他
学校の怪談2
スーパーの女
男はつらいよ・寅次郎紅の花/他
ガメラ2・レギオン襲来

○映画館数は、外資系興行会社の参入によりシネマコンプレックス建設が相次ぎ、前年比52館増の1,828館で3年連続の増加となるが、年間入場者数は1億1,957万人と過去最低を記録。

○渥美清が死去(8.4)。人気シリーズ「男はつらいよ」が主役の死亡により全48作で幕を閉じる。

ベストセラー(1996)

脳内革命
「超」勉強法
神々の指紋
脳内革命2

猿岩石日記1
読め!
金田一少年の事件簿3
あのころ
愛、無限
ふたり
EQ~こころの知能指数

○脳内革命1(累計350万部)、脳内革命2(100万部)、神々の指紋(上下巻225万部)、超勉強法(131万部)、弟(100万部)とミリオンセラーが5点もでるなど久々に業界が好調。

○司馬遼太郎(2.12)、大藪春彦(2.26)、宇野千代(6.10)、遠藤周作(9.29)など著名なベストセラー作家が相次いで他界。

○宮沢賢治誕生100年を迎え、関連書の出版が盛況となる。

話題のマンガ(1996)

○'96年に入ってマンガ界は市場の伸びが鈍化し、かつてない不況に。雑誌界の巨人といわれた「少年ジャンプ」の発行部数も大きく減少。

○少女マンガの世界では、ホラーブーム。「ホラーM」ぶんか社、「恐怖の館デラックス」リイド社、「サスペリア」秋田書店など相次いで創刊された。

○「パーマン」、「ドラえもん」、「キテレツ大百科」など数多くの愛されるキャラクターを生みだした藤子・F・不二雄(藤本弘)が他界(9月)。

地獄先生ぬ~べ~(少年ジャンプ)、みどりのマキバオー(少年ジャンプ)、新世紀エヴァンゲリオン(少年エース)、砂流羅(ヤングマガジン)、特効天女(少年チャンピオン)、ご近所物語(りぼん)、輝夜姫(花とゆめ)、るろうに剣士(少年ジャンプ)、イタズラなKISS(別冊マーガレット)、どんぐりの家(ビッグコミック)、サッチモ(ビッグコミック)

ファッション(1996)

○アムラー(人気歌手「安室奈美恵」のファッションをまねた若い女性)が急増。茶髪、ロングヘア、細い眉、ベージュ系の化粧、厚底の靴、ミニスカートかショートパンツ、冬にはマキシコートなどの独特のスタイルが流行。

○ナイキ社のスポーツシューズ「エアマックス」が若者を中心に爆発的人気。

○夏にストッキングをはかない「ナマ足」が若い女性の間で流行。

○秋には柄タイツが流行。網タイツやレース柄に黒や茶色のものが人気。

○若い男性にはスポーツシューズをはき、だぼだぼのズボンを腰の低い位置ではきこなす「だらしな系」と呼ばれるファッションが流行。

○女子高校生にはミニスカートにルーズソックスが流行。

気象状況(1996)

○暖冬、猛暑は一段落-1月には全国的に暖かい日が多かったものの2月、3月にかけて寒さが戻り、冬は東・西日本とも平年並みの気温となる。また毎年連続していた猛暑も7月は全国的に暑い日が多かったものの、8月には平年より気温の低い日が続くなど、全体では平年並みに落ち着いた。1993年以降続いていた全国的な高温・小雨・多照や低温・多雨・寡照などのような大きな天候異常はなかった。

×ニューギニア島イリアンジャヤ沖でマグニチュード8.1の地震が発生、高さ7mの津波が発生した(5.17)。

×アメリカ合衆国南西部からメキシコにかけて、ここ100年以来最悪の干ばつが発生(6月)。

×アジアを中心に各地で大雨による洪水が発生、中国や北朝鮮では大きな被害が各地から伝えられた(6月~7月)。

1995年(平成7年)

経済白書 副題(1995)

日本経済のダイナミズムの復活をめざして

経済概況(1995)

平成7年の日本経済は、年初から阪神大震災、オウム真理教事件、急激な円高、金融機関の相次ぐ経営破綻などが続き、夏まで景気は冷え込む一方であった。9月には公定歩合が史上最低の水準に引き下げられ、為替相場が1ドル=100円台に戻り、最大規模の経済対策が打ち出された結果、景気の底割れの事態は避けられ、再び回復を探る動きとなった。

経済成長率 名目 0.8% 実質 1.5%
民間最終消費支出 名目 1.5% 実質 2.1%
民間企業設備投資 名目 2.7% 実質 5.2%
輸出 名目 2.2% 実質 5.4%
消費者物価    -0.1%  

日本の広告費(電通調査)(1995)

○5年ぶりに4媒体がそろって増加。ニューメディア広告費もCATVの拡大で高い伸びとなる。

  億円 対前年比(%)
総広告費 54,263 (105.0)
新聞 11,657 (104.0)
雑誌 3,743 (107.8)
ラジオ 2,082 (102.6)
テレビ 17,553 (106.8)
SP 19,070 (103.6)
ニューメディア 158 (126.4)

政治・経済・業界(1995)

×世界貿易機関(WTO)が発足(1.1)。

○午前5時46分、淡路島付近を震源とするM7.2の直下型地震が発生(平成7年兵庫県南部地震)(1.17)。兵庫県南部、淡路島を中心に家屋・ビルの倒壊、高速道路や鉄道高架線の崩落、大規模火災が多発(阪神大震災)。

○東阪で無党派のタレント知事が誕生-東京都知事選挙で青島幸男氏、大阪で横山ノック氏が当選(4.9)。

○年初来、円高が急ピッチで進み、政府が緊急円高・経済対策を決定、日銀が公定歩合を1.00%としたが(4.14)、円高は止まらず、1ドル=79円75銭と最高値を更新(4.19)。

○青島東京都知事が選挙公約の「世界都市博覧会」開催の中止を決定(5.31)。

×北朝鮮が天候不順により食糧不足となり、日韓でコメを援助(6)。

○製造物責任(PL)法が施行(7.1)。

○PHS(簡易型携帯電話)サービス開始(7.1)。

○参議院選挙で新進党が参院第2党に躍進(7.23)。

○コスモ信組(7.31)、兵庫銀、木津信組(8.30)が経営破たん。

○東京外為市場は、日米独の協調介入でドル高・円安が進み、一時1ドル=99円台と半年ぶりの円安水準に戻る。東京株式市場も全面高となり、終値も半年ぶりに1万8,000円台に回復(8.16)。

○日本銀行が、公定歩合を0.5%引き下げ、年0.5%として即日実施(9.8)。

○政府が、総事業費14兆2,200億円と史上最大の経済対策を決定(9.20)。

○アジア太平洋経済協力会議(APEC)大阪会議が開催(11.15~19)。

○日本企業の海外生産シフトや海外依存が進む-トヨタ、ニッサンの94年度の海外生産が初の100万台を突破。6月のカラーTVの輸入台数が国内生産台数を上回る。富士通が96年初めから海外調達率100%のパソコンを販売する計画を発表。

○12月の完全失業率は3.4%で、11月に続き統計開始以来、最悪を記録。95年平均でも3.2%となる(総務庁調べ)。

○95年の企業倒産は、負債総額で史上最悪の9兆2,411億円、倒産件数では15,108件と9年ぶりの高水準となる(東京商工リサーチ調べ)。

マスコミ・広告・媒体(1995)

○阪神大震災に見舞われた神戸の新聞・放送各社は震災下で業務を続行(1)。

×世界的情報通信基盤(GII)整備のための「情報社会に関するG7閣僚会議」がブリュッセルで開催される(2.24~26)。

○マスコミ各社は、94年の松本サリン事件の報道について第一通報者を容疑者として扱ってきたことに関して誤報を認める(4~5)。

○CATVや番組製作会社が利用できる映像や音響などを収集、保管して提供する「東京映像アーカイブ」が業務開始(5.22)。

○日本たばこ協会が、テレビ、ラジオのたばこCMの自主規制強化策をまとめる(6.19)。10月から実施。

○日経新聞社、富士通などがNTTの超高速回線を使い、企業向けのマルチメディア情報サービス「MEDIA TOWER」を開始(7.1)。

○PCM音声放送事業者のミュージックバードとサテライトミュージックが対等合併、「ミュージックバード」が新発足(7.1)。

○読売新聞社は、視聴覚障害者が読売新聞の記事を音声で聞くことができるパソコン通信の「サービスSPD」を開始(8.1)。

○毎日新聞社、朝日新聞社、北海道新聞社などが、それぞれインターネットのホームページを開設(8)。企業、自治体などでも、ホームページの開設が相次ぐ。

×英国BBCが世界初のデジタル音声放送の本放送を開始(9.27)。

○エフエムジャパンがFM文字多重放送の「アラジン」の放送開始(10.1)。

媒体の発足(1995)

○愛媛朝日テレビ(EAT)4.1、琉球朝日放送(QAB)10.1、東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)11.1開局。

○エフエム福島10.1、関西インターメディア10.16開局。

○創刊誌数が10年ぶりに200誌を超える。主な創刊誌として女性ライフスタイル誌-「VERY」光文社6.7、「ラ・ヴィ・ドゥ・トランタン」婦人画報社10.2など。生活実用情報誌-「幼稚園ママ」朝日新聞社6.2、「おはよう奥さん」学習研究社6.2、「saita」芝パーク出版10.12など。

エリア情報誌-「Monthly Walker」角川書店4.25、「POTA」小学館9.19、「関西ザ・テレビジョン」角川書店12.6など。パソコン関連情報誌-「日経Win PC」3.29、「日経マルチメディア」7.15ともに日経BP社、「DOORS」朝日新聞社9.29など。健康情報誌-「大丈夫」小学館4.8、「ゆほびか」マキノ出版11.2など。

○テレビ局数123局(3局増)

○ラジオ局94局(2局増)

○創復刊誌数202誌、休廃刊誌数130誌

媒体普及率(1995)

テレビ契約数 35,027,169
(うち、衛星) (6,580,934)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <98.9%>
VTR普及率 <73.7%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1995)

○M7.2の直下型地震による「阪神大震災」発生(1.17)。6,308人が死亡

○東京の営団地下鉄に毒ガスのサリンがまかれ、11人が死亡、約5,000人が重軽症を負う

○相次ぐ金融機関の経営破たんと不良債権問題で金融不安が拡大

○拉致事件を契機に、オウム真理教の関係とされる一連の事件が明かされる

○野茂が米大リーグで活躍、新人王も獲得

○公定歩合が史上最低の0.5%に(9.8)

○米兵による女子小学生暴行事件をきっかけに沖縄の米軍基地問題が紛糾

○統一地方選で無党派旋風が吹き荒れる

○世界都市博覧会の中止を青島都知事が決定(5.31)

○景気低迷で失業率が上昇、企業倒産も続発

海外10大ニュース(1995)

×フランスがムルロワ環礁で核実験を強行。国際的非難が高まる(9.5~)

×ラビン・イスラエル大統領が、イスラエル人により暗殺される(11.4)

×ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争終結の平和協定が結ばれる(12.14)

×アメリカ連邦政府ビルで史上最悪の爆弾テロ事件(4.19)

×韓国の廬前大統領、全前大統領が逮捕(11~12)

×ミャンマーのアウン・サン・スー・チーさん、6年ぶりに解放(7.10)

×O・J・シンプソン被告に無罪判決(10.3)

×韓国ソウル市で営業中の百貨店が突然崩壊。500人以上が死亡(6.29)

×ロシア連邦内のチェチェン紛争は不安定な状態が続く

×ロシアのサハリンで直下型大地震発生。2,000人以上が死亡(5.28)

世相・風俗(1995)

○日本の安全神話が崩壊したといわれた年-淡路島北部を震源とするM7.2の直下型の兵庫県南部地震が発生、兵庫県を中心に建物の倒壊や火災が相次ぐ。高速道路、駅、役所、病院なども倒壊。交通、通信、電気、水道などのライフラインが寸断された(1.17)。死者・行方不明者は6,308人。

午前8時すぎ、東京の営団地下鉄の3路線・5本の電車に異常な臭気が発生(3.20)。死者11人、重軽傷者約5,500人を出す、毒ガス「サリン」による無差別テロ事件となる。その他、新宿駅地下トイレの青酸ガス発生未遂事件(5.5)、東京都知事宛郵便物爆破事件(5.16)などが起き、オウム真理教幹部の逮捕が相次ぐ。警察庁の国松長官が狙撃される(3.30)。

○金融機関の「不倒神話」も崩壊-'94年に放漫経営で行き詰まった東京共和・安全信用組合の問題が大型経済事件に発展。コスモ信用組合(7.31)、兵庫銀行、木津信用組合(8.30)、大阪信用組合(12.7)の経営破たんが相次ぐ。

○阪神大震災直後から、全国から若者を中心に多数の人が被災地に入り、ボランティアとして活躍。企業もボランティア支援のために特別休暇制度を設けるなど、社会人の参加を支援した。

○米大リーグで日本人の野茂投手が活躍。新人王も獲得するなどで、野茂ブームとなる。日本でも、オリックスのイチロー選手が'94年に続き活躍。

ウィンドウズ95フィーバー、パチンコブーム、スノーボードブーム、SMAPブーム、安室奈美恵ブーム

消費者・住民運動・公害(1995)

○水俣病患者として行政の認定制度で認められなかった被害者が、患者としての救済を求めていた「水俣病未認定救済問題」が、水俣病公式発見から40年目にして、政府・与党の示した最終解決案を各患者団体が受け入れて決着(10)。各患者団体の平均年齢は70歳。

時の商品・新製品(1995)

○行動範囲を拡大する商品-インターネット、パソコン通信、携帯電話、ポケットベル、マルチメディアマンション、家庭用通信カラオケ、一体型パソコン、携帯端末、個性派RVなど。

○安全対策、不安を解消する商品-耐震住宅、非常用品・避難グッズ、地震保険、エアバック標準装備乗用車、アレルギーフリー衣料、抗菌・防臭下着、ミネラルウォーター、ミネラル水生成器、携帯おしり洗浄器、空気清浄機、SPF豚など。

○低価格商品-ビール風発泡酒、国内航空券事前購入割引制度、土日・昼間専用の鉄道回数券、特定通話割引サービス、低価格パソコンなど。

○居ながらにして自分の好きな商品を入手-個人輸入、テレビショッピング、インターネット通販、地方自治体のアンテナショップなど。

○注目を集めた商品-簡易型携帯電話(PHS)、「Windows95」、デジタルカメラ・ビデオカメラ、32ビットゲーム機、マルチメディアタイプのワイドテレビ、見えるラジオ、フルカラーワープロ、ミニディスク、輸入住宅、フローリングクリーナー、スノーボード、地ビール

テレビCM(1995)

日産自動車<イチロ ニッサン>イチロー、公共広告機構<震災支援>、富士通・FMV<ザ・初心者>高倉健、日立製作所・FLORA PX<いわゆるひとつのWサポートですね>長嶋茂雄、ツーカーセルラー東京<パパデチュヨ>本木雅弘、アステル東京<おでかけ電話は、ルルルのル>、サカイ引越センター<勉強しまっせ>徳井優、華ゆり、NOVA外語学院<NOVAの日>山崎一、グアム政府観光局<遠くの日本より、近くのグアム>、富士写真フイルム・スーパー写ルンです<武士の高島一家>高島忠夫一家、東京ビューティーセンター<私、脱いでもすごいんです>、日本コカ・コーラ・ジョージア<'95飯島 夏>飯島直子、日清食品・カップヌードル麻婆<あさばあ>大島朱美、サントリー・アイスジン<ジンジンジン>森高千里、サントリー・ニューオールド<恋は、遠い日の花火ではない>長塚京三、サントリー・新モルツ<新球団結成>川籐幸三、大沢啓二他、カルピス食品工業・カルピスウォーター<ココロにウォーター>内田有紀

新聞広告(1995)

山梨県<山梨県を面接してください。>、沖縄県<生きることの豊かさに出会う島、沖縄>、秋田県<秋田県は骨が伸びてきた。>、日産自動車<変わらなきゃ。>イチロー、ダイエー<お願い!買ってください。>、としまえん<4倍としまえん>、モトローラ<好奇心とモトローラ>、マイクロソフト・ウインドウズ95<もう、テレビより面白い。>、バンダイ<今日は、何をしますか。>、小学館・小学一年生<人生は、みんな一回。>笠智衆、ニコン・F4<あの事件の夜、父は現場から帰ってこなかった。>、メルセデス・ベンツ日本<100年目の責任です。>、松下電器産業<ファイト>、キヤノン販売・ニューピクセルディオ<実感画質。>、国際羊毛事務局<おやっ、なるほど>、トヨタ自動車<ビッグチャレンジ>野茂英雄、JR東海<そうだ、京都行こう。>、日本たばこ産業<ムラリラリ>、東芝<DVDがやって来た>、東京ガス<こんな部屋に帰りたい。>、ボルボ・カーズ・ジャパン<側面エアバッグ>

話題のテレビ番組(1995)

○地下鉄サリン事件、オウム真理教関連施設への家宅捜査などから、各局は競って報道番組、ワイドショーなどでオウム真理教の報道を開始。4月には“オウム特番”をプライムタイムで組むなど、番組編成も混乱。

○先にレンタルビデオで話題を集めたアメリカのミステリードラマ「X-ファイル」(ANB)がゴールデンタイムにレギュラー番組として登場(11.22)。

○視聴覚障害者を主人公にしたドラマ「愛してると言ってくれ」(TBS系)が話題となり、手話への関心も高まる。

○「僕らに愛を!」(CX系)、「毎度おジャマしまぁす」(TBS系)、「セカンド・チャンス」(TBS系)、「SALE!」(ANB系)など、コメディータッチのドラマが春の番組改編時から増加。

○人気の高かった「3年B組金八先生」(TBS系)が復活(10.12~)。

○インターネットが話題となるなか、インターネットを解説した番組「インターネット・エキスプレス」(TX系)が登場(10~)。

○気象業務法が改正され、気象予報士が独自の局地予報を公表できることとなり、各局でも天気情報番組のなかで、特定の場所の気象を予報する「ピンポイント予報」を設けるなど、番組の個性化が進んだ。

○'94年秋から始まった「HEY!HEY!HEY!」(CX系)に続き、「FAN(ファンタスティックナイト)」(NTV系)、「歌いこみ音楽隊!」(TBS系)などの音楽番組が増加。

○自慢の骨董品や、家に伝わる宝物を鑑定する「開運!なんでも鑑定団」(TX系)が話題を集める。

NHK(1995)

《走らんか!》20.0%〈八代将軍吉宗〉26.4%

・朝の連続テレビ小説「春よ、来い」が、放送期間が1年と長かったことや、主役の途中交代などがあり、視聴率はビデオリサーチの調査開始以来、同番組の歴代のなかで最低の24.7%となる。

・様々な角度からソフトウェア産業を分析したNHKスペシャル「新・電子立国」が話題を集める。

・NHK衛星第一が、アメリカ大リーグの野茂投手の先発試合を中継。

流行語(1995)

戦後50年、変わらなきゃ、がんばろうKOBE、ライフライン、安全神話(の崩壊)、ボランティア元年、NOMO、マインドコントロール、乱脈融資、金融不安、護送船団方式、ジャパン・プレミアム、超氷河期、無党派、インターネット、WWW(World Wide Web)、SMAP、キムタク、だ・よ・ね、ああ言えば上祐、官官接待、シャネラー、激やせ、ワタシ脱いでもすごいんです

流行歌(1995)

レコード大賞:trf<Overnight Sensation>

最優秀新人賞:美山純子 桃と林檎の物語

新人賞:華原朋美、矢吹春佳

LOVE LOVE LOVE/嵐が来る
WOW WAR TONIGHT
HELLO
Tomorrow never knows
シーソーゲーム
HELLO Again
奇跡の地球
TOMORROW
ロビンソン
LOVE PHANTOM
CRAZY GONNA CRAZY
KNOCKIN'ON YOUR DOOR
ら・ら・ら
ズルい女

○ミリオンセラーはシングルが前年より10曲多い28曲、アルバムが6枚多い14枚。また総売上げ枚数でもシングル1億2,388万7千枚、アルバム1億258万7千枚といずれも過去最高売上となる。

話題の映画(1995)

洋画
ダイ・ハード3
スピード
フォレスト・ガンプ
マディソン郡の橋
ウォーターワールド
アポロ13
マスク

邦画
耳をすませば
ゴジラVSスペースゴジラ
男はつらいよ・拝啓車寅次郎様/釣りバカ日誌
学校の怪談
ドラえもん・のび太の創世日記/他
'95 春東映アニメフェア

○全国の映画館数は1,776館で前年より18館増え、2年連続の増加。年間入場者数も過去最低の前年に比べ450万人(3.3%)増の1億2,704万人となる。

○各配給会社は入場者獲得のため、毎週月曜日の最終回割引き、毎週金曜日の女性割引きなど、独自のサービスを展開。

○松竹が、大船撮影所に「鎌倉シネマワールド」をオープン(10.10)。

ベストセラー(1995)

遺書
松本
ソフィーの世界
フォレスト・ガンプ
マディソン郡の橋
幸福の科学興国論
大往生
パラサイト・イヴ
「ダービースタリオン3」公式パーフェクトガイド
新・太陽の法
「ダービースタリオン」全書

○「大」の付く本ブーム-永六輔の「大往生」にはじまり、「大教訓」「大航海」「大真実」「日本経済の大逆流」など「大」が付いた本が数多く出版。

○おごるな上司!(堀田力)、続「超」整理法・時間編(野口悠紀雄)、脳内革命(春山茂雄)がビジネスマンを中心に話題を集める。

○遺書(144万部、初版からの累計209万部)、松本(135万部)、ソフィーの世界(102万部)、フォレスト・ガンプ(101万部)がミリオンセラーを記録。

話題のマンガ(1995)

○大人気マンガ「ドラゴンボール」が10年間の連載にピリオド。

○日本のアニメが海外で話題-米国では「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」、「セーラームーン」、「ドラゴンボール」。欧州やアジアでは「アルプスの少女ハイジ」、「聖闘士星矢」、「ドラえもん」が人気となる。

○マンガCD-ROM登場-「ウィンドウズ95」の発売にタイミングを合わせるように「マンガCD-ROM倶楽部」(企画・四次元、製造ゲームバンク)、「MANGAROM」(小学館)が相次いで発売される。

金田一少年の事件簿(少年マガジン)、行け!稲中卓球部(ヤングマガジン)、H2(少年サンデー)、名探偵コナン(少年サンデー)、ドカベン(少年チャンピオン)、オデッセイ(ビッグコミックスペリオール)、おーい!竜馬(ヤングサンデー)

ファッション(1995)

○10代の女性を中心にミニピタTシャツ、カチューシャ代わりのサングラス、ヘソ出しルックが流行。

○豊かなバストを演出する新機能ブラジャーが人気となる。また、“見せる下着”が一つのファッションとなり、男性用のブリーフを女性が買い求めた。

○アニマル柄、再びブーム。豹、蛇、牛、キリンなど様々な動物柄が登場。

○20年ぶりにロングブーツが大流行。

○カジュアルフライデーを採用する企業が増え、ビジネスマンもお洒落に。

気象状況(1995)

○この年も各地で地震が相次ぐ-関東大震災に次ぐ、昭和以降では最大の地震災害となった阪神大震災が発生(1.17)。岩手県沖でM7.2の地震発生。八戸、盛岡で震度5を記録(1.7)。新潟県北部でM6の地震。気象庁では、一部地域で震度6に近い揺れがあったと推定(4.1)。駿河湾でM5.1の地震。静岡、小田原で震度4(4.18)。北海道空知支庁でM5.6の地震。北竜町で震度5(5.23)。伊豆半島東方沖で群発地震(9.29~10.11)など。

×世界中でM7以上の地震が相次ぐ-ロシア・サハリンでM7.6の地震が発生(5.27)。死者1,989人以上。中国とミャンマーの国境付近でM7.2(7.12)。チリ北部でM7.3(7.30)。インドネシア・スマトラ島でM7.0(10.7)。メキシコでM7.2(10.9)など。

○2年連続の猛暑-6月から梅雨明けまでは低温、多雨、日照不足と'93年の夏を思わせるような天候が続いたが、梅雨明けとともに関東以西では連日最高気温が30℃を超え、東京では真夏日が史上最長の37日を記録。

1994年(平成6年)

経済白書 副題(1994)

厳しい調整を越えて新たなフロンティアへ

経済概況(1994)

長期低迷を続けていた日本経済は、平成6年になって資産価値の下落、設備の過剰など多くの不況後遺症を抱えるなか、6月以降、所得税減税、夏の猛暑、円高を主因とした価格低下などから、個人消費が部分的ながらも盛り上がり、生産活動も増勢に転じ、企業収益にも改善傾向が見られるなど、ようやく緩やかではあるが景気回復の傾向が出てきた。

経済成長率 名目 0.8% 実質 0.6%
民間最終消費支出 名目 2.7% 実質 1.9%
民間企業設備投資 名目 -7.6% 実質 -5.3%
輸出 名目 0.5% 実質 4.6%
消費者物価    0.7%  

日本の広告費(電通調査)(1994)

○3年ぶりに前年を上回った。

○自動車・関連品やサービス・レジャーの広告が活発化。

  億円 対前年比(%)
総広告費 51,682 (100.8)
新聞 11,211 (101.1)
雑誌 3,473 (101.6)
ラジオ 2,029 (96.0)
テレビ 16,435 (103.4)
SP 18,409 (98.7)
ニューメディア 125 (105.0)

政治・経済・業界(1994)

×アメリカ、カナダ、メキシコによる北米自由貿易協定(NAFTA)が発効。欧州連合(EU)の12ヵ国と欧州自由貿易連合(EFTA)の5ヵ国が参加して欧州経済地域(EEA)が発足(1.1)。

○衆議院への小選挙区比例代表制の導入を柱とする政治改革関連法案が、衆参両院本会議で可決、成立(1.28)。

○政府が、所得・住民税減税の先行実施、公共投資の拡大などを柱とする総額15兆2500億円の総合経済対策を決定(2.8)。

○スーパー最大手のダイエーが、忠実屋、ユニードダイエー、ダイナハの3社を吸収合併(3.1)。スーパーとしては北海道から沖縄までをカバーする日本初のナショナルチェーンを実現。

○政界再編が進む中、首相の交代が相次ぐ-1億円借り入れ問題などから細川首相が辞任を表明(4.8)。新生党の羽田氏が連立与党などの支持を受け衆参本会議で首相に指名(4.25)。新生党、日本新党、自由党と衆院会派「改革の会」が、衆院の統一会派「改新」を社会党抜きで結成(4.25)。社会党が連立政権離脱を表明(4.26)。少数与党の羽田内閣が発足(4.28)。羽田内閣が総辞職を表明(6.25)。自民党、社会党、新党さきがけ擁立により、社会党の村山首相が誕生(6.29)。共産党を除く野党により、所属国会議員200人を超える「新進党」が旗揚げ(12.10)。

○円高が加速し、1ドル=99円93銭(東京・終値)となり戦後初100円を突破(6.27)。11月には1ドル=96円40銭と戦後最高値を更新(11.2)。

×核問題解決への米朝交渉が進む中、北朝鮮の金日成主席が死去(7.8)。平壤放送は、金正日書記による全権力の継承が決定された事を伝える(7.12)。

○アジアの拠点をめざす、関西国際空港が開港(9.4)。

○城南信用金庫が懸賞金付き定期預金を発売(11.7)。

○経済企画庁が、景気の谷は「93年10月」と発表(11.17)。今回の不況期間は30カ月に。

○JT株上場(11.27)、初値は119万円と低調。

○9月中間決算の東証1部上場企業715社の業績は、売上高は1.6%減少だが、経常利益は2.3%増加で4年ぶりの増益となる(和光経済研究所調べ)。

○勤労者世帯の94年平均実収入が名目値で初の減少となる(家計調査)。

マスコミ・広告・媒体(1994)

○NTTは、2015年までに45兆円の資金を投入し、全加入者回線の光ファイバー化をめざすなど、マルチメディア時代に向けた基本構想を発表(1.12)。

○郵政省が、通信政策局内に「マルチメディア振興室」を設置(3.1)。文部省も政策課に「マルチメディア政策企画室」を設置(6.20)。

○郵政省の「有線テレビジョン放送の現況」(3月末現在)によると、都市型CATVの施設数は148施設で、受信契約者数は約163万世帯(対前年比51.5%増)となる。

○関西からの情報発信機能強化をはかるため、全国の新聞、通信、放送58社により「関西プレスクラブ」を発足(5.18)。

○民放連、新聞協会など著作権利者20団体で構成する「マルチメディア問題に関する著作権連絡協議会」が発足(7.1)。

○PCM音声放送のピーシーエム・ジパングコミュニケーションズとニッポンミュージックコングレスが合併。ジパング・アンド・スカイコミュニケーションとなる(10.1)。

○TOKYO FMがFM文字放送「見えるラジオ」の本放送開始(10.1)。

○ニールセン・ジャパンが機械式個人視聴率調査を開始(11.1)。

○都営地下鉄で一部を除き、車内や駅のホームでAMラジオの聴取が可能となる(11.1)。

○市町村を放送エリアとするミニFMのコミュニティー放送の開局が相次ぐ-1992年12月に第1号が開局、94年は6局が開局し合計12局となる。

媒体の発足(1994)

○鹿児島読売テレビ(KYT)4.1開局。

○エフエム栃木4.1開局。

○テーマを絞ったセグメント誌を中心とした創刊誌が注目を集める。

男性誌-「type」キャリアデザインセンター5.10、「PAN・JA」扶桑社6.25、「PENTHOUSE JAPAN」ぶんか社11.30など。関西版情報誌-「Kansai Walker」角川書店6.28など。健康情報誌-「日経ウエルネス」日経BP社10.8など。コンピューター関連情報誌-「日経Click」日経BP社10.8、「WIRED」同朋舎出版11.21など。家庭用ゲーム誌-「Game Walker」角川書店9.22、「The Playstation」ソフトバンク11.29など。

○「月刊Asahi」朝日新聞社、「ル・クール」学習研究社、「マダム」鎌倉書房などが廃刊。

○テレビ局数120局(1局増)

○ラジオ局数92局(1局増)

○創復刊誌数157誌、休廃刊誌数120誌

媒体普及率(1994)

テレビ契約数 34,701,008
(うち、衛星) (5,862,530)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <99.0%>
VTR普及率 <72.5%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1994)

○全国各地で記録的な猛暑、水不足が深刻化

○日本人初の女性宇宙飛行士・向井千秋さん、宇宙へ(7.8~23)

○政権交代が相次ぎ首相が3人、自民・社会・さきがけ連立の村山政権誕生(6.30)

○円レート、戦後初の100円突破(6.27)

○価格破壊が進行

○平成コメ騒動

○関西国際空港が開港(9.4)

○中華航空機が名古屋空港で着陸に失敗、炎上、264人死亡(4.26)

○大江健三郎氏にノーベル文学賞(10.13)

○松本市で有毒ガス「サリン」発生、7人が死亡(6.27)

海外10大ニュース(1994)

×ルワンダ内戦で難民200万人

×アメリカの中間選挙で野党・共和党が大勝(11.8)

×南アフリカで全人種参加の初の制憲議会選挙実施(4.26~30)、ネルソン・マンデラ大統領が誕生(5.9)

×北朝鮮の核問題と金日成首席の急死(7.8)

×中東和平の前進、イスラエル・ヨルダン平和条約調印(10.26)

×バルト海でフェリー「エストニア号」沈没、死者・不明者900人超す(9.28)

×ドロ沼化するボスニア・ヘルツェゴビナ内戦

×アメリカ軍のハイチ進攻を回避、民政復帰(10.15)

×北アイルランド紛争に和平の兆し、アイルランド共和軍が停戦(9.1)

×英仏海峡の「ユーロトンネル」が開通(5.6)

世相・風俗(1994)

○“観測史上最も暑い夏”-全国各地で最高気温を更新。プールは人気となるが、遊園地などの屋外施設は入場者が減少。ミネラルウォーター、ビール、エアコン、水着など夏の商品が爆発的に売れる。暑さのために熱中症で倒れる人が続出。

○プロ野球を中心にスポーツ界に話題が集まる-セ・リーグで史上初の同率最終日決戦、日本シリーズで長島巨人が初の日本一に(10.29)、オリックスのイチロー選手が振り子打法で史上初の210安打を記録。F1レーサー・アイルトン・セナ選手がサンマリノGPで死亡(5.1)。2場所連続全勝優勝で貴乃花が横綱に(11.23)。広島でアジア競技大会開催(10.2~16)。

○平成コメ騒動-93年産米が大凶作となり、94年に入ると「コメが無くなる」との情報が全国を駆け巡り、米屋やスーパーの店頭からコメが姿を消した。緊急輸入米が売り出されるが、人気はいまひとつで、逆に国産米指向が強くなり、国産のヤミ米が高騰。この現象も4月以降には鎮静化。

○「いじめ自殺」が深刻化-いじめを苦に愛知県の中学生が克明な遺書を残し自殺(11.27)。全国の家庭や学校関係者に衝撃を与えた。

○この年は、一般人のピストル被害が増加、バラバラ殺人事件も相次ぐ。松本サリン事件、「悪魔ちゃん」命名事件、屋台村ブーム

消費者・住民運動・公害(1994)

○日本でも欧米並みの強い酸性雨が降り、樹木の立ち枯れ現象の原因になっている可能性が高いことが明らかとなる(環境庁調べ)。

○全国規模でボランティア活動を進めている「全国福祉協議会」「日本青年奉仕協会」など11の民間団体が、全国組織「広がれボランティアの輪連絡会議」を結成(6)。

時の商品・新製品(1994)

○進む円高により、国産商品より割安な輸入商品などが注目を集める-輸入ビール、輸入コーラ、輸入車、PB商品、格安海外旅行、海外委託生産の低価格コンパクトカメラなど。

○新技術に裏打ちされた-通信モデム内蔵カメラ一体型VTR、カーナビゲーションシステム、レンズ交換のできる高級コンパクトカメラ、携帯情報端末、ワイドテレビ、高機能スーツ、透けない白い水着など。

○規制緩和に伴い-売り切り携帯電話、定期借地権付き住宅、懸賞金付き定期預金など。

○注目を集めた商品-家庭用32ビットゲーム機、パソコン通信、パーソナルファクス、CD-ROMソフト、テレビパソコン、逆輸入車、小型RV車、生前給付特約付き保険、24時間風呂装置、低価格一眼レフカメラ、通信カラオケ、ハンディカラオケ、家庭用生ごみ処理器、携帯用MDプレーヤー、電動自転車、節水型電気洗濯機、焼きたて直送パン、イカスミ食品(パン、スパゲッティ、ポテトチップスなど)、ニンジンジュース、無糖茶飲料、抗菌文具、消音ピアノ、パワーセンター、志摩スペイン村

テレビCM(1994)

NTT移動通信網・ムーバ<課長・島耕作>宅麻伸、日本移動通信・タックスミニモ<きっと、IDO>安田成美、ツーカーセルラー東京<ミチコと話す編>本木雅弘、国際電信電話<安いがイチバン>西田敏行、谷啓、日本電気・98MULTI<スグできる>大地康雄、有田気恵、東芝・ワイドバズーカ<鋭い輝き>、ニッセン・カタログ<見てるだけ~>石田えり、田嶋陽子、人村明美、サントリー・ボス<会議編>矢沢永吉、サントリー・CCレモン<公園で「イエ~」>、ポッカ・ラバットアイスビール<青空編>、キリンビール・一番搾り<すきやき>緒形拳、鈴木杏樹、宝酒造・タカラカンチューハイDX<すったもんだが、ありました>宮沢りえ、湖池屋・ドン・タコス<ストリート・オブ・ドン・タコス>、三洋電機・新テブラコードるす<つよし君とふとし君とけが>所ジョージ、JR東海・京都キャンペーン<そうだ京都、行こう>、第一生命・キーパープラン<死んでからじゃ、おそい>泉谷しげる

新聞広告(1994)

・44道府県が「全国地域情報発信推進協議会」を結成。新聞15段を使った各県のPR広告が全国59紙で展開(7~'95.3)-山口県<東京卒業>、新潟県<環日本海。>、香川県<高松県とか言わないでね。>など。

NTT移動通信網<きょうから、ドコモ値下げ。>、東京デジタルホン<値下げ>、関西国際空港・開港告知<西まわりで、ふるさとへ。>横綱曙、マイクロソフト・オフィス<世界なんて一瞬で変わる。>、シャープ・ザウルス<欲しいときに、すぐ取れなきゃ情報といえないじゃないか。>、日本アイ・ビー・エム・PS/V Vision<かんたんパソコン>、サントリー・南アルプスの天然水<主婦のための水問題>、あき缶処理対策協会<リサイクルは簡単でなければ、ブームで終わる。>、メルセデス・ベンツ日本<人は誰でもミスをする。>、西武百貨店<安いものはほしくない。安くなったものがほしい。>、日本橋三越<安くは、ありません。>、日本即席食品工業協会<インスタントラーメン正誤表>、BMWジャパン<独走>

話題のテレビ番組(1994)

○他局より少しでも早くスタートして視聴率を獲得しようとの狙いから、中途半端な時間から始まる番組が増加-マジカル頭脳パワー!!(NTV、19:54~)、きょうの出来事(NTV、22:55~)、どうーなってるの?!(CX、9:55~)、浪漫紀行・地球の贈り物(TBS、22:25~)など。

○“早朝番組競争”が激化-日本テレビの「ジパングあさ6」「ズームイン!!朝!」に対抗して4月から「めざましテレビ」(CX)、「ニュースもぎたて朝一番」(TX)が参入、10月からは「やじうま6」(ANB)、「ザ・フレッシュ」(TBS)が参入。

○スポーツ中継にこの年も人気が集まる-セ・リーグの優勝がもつれたナイター中継、日本シリーズ中継、ボクシング・バンタム級の薬師寺対辰吉戦など。サッカー・Jリーグ中継はプロ野球人気にやや押され気味。

○料理の鉄人(CX系)、チューボーですよ!(TBS系)などの料理バラエティー番組が話題となる。

○視聴者から情報を募るバラエティー系番組「投稿!特ホウ王国」(NTV系)がヒット。

○ドラマでは、「同情するなら…」が流行語となった「家なき子」(NTV系)、タイトルが話題となり、いじめ問題を描いた「人間・失格」(TBS系)がヒット。「妹よ」「29歳のクリスマス」(CX系)なども話題となる。

○地方局が制作した番組を全国ネット化したり、地方局が制作したドラマを地方だけで放送するという動きが広がる。

○関西テレビが、Jリーグの中継に、CM中にも試合中継を流す実験放送を実施(5.15)。

○12年にわたり年間視聴率の「三冠王(全日、ゴールデン、プライム)」を続けていたフジテレビを抜いて、日本テレビが94年年間視聴率の「三冠王」を獲得。フジテレビもゴールデンとプライムは同率で「二冠」は死守。

NHK(1994)

《ぴあの》25.5%《春よ、来い》24.7%(10~'95.9)
〈花の乱〉13.9%(4~12)

○日曜日の朝8:30から小・中学生をターゲットに「週刊こどもニュース」をスタート(4.10)。子供たちの間で話題となる。

○恐竜ブームにのり、「NHKスペシャル」では「生命・40億年はるかな旅花に追われた恐竜」「これが恐竜だ!」「“巨大”生命システムの謎~草食恐竜」などを放映(7~8)。

流行語(1994)

人にやさしい政治、新・新党、価格破壊、規制緩和、内外価格差、空洞化、大往生、すったもんだがありました、同情するなら金をくれ、イチロー、マルチメディア、インターネット、デリバティブ、関空、契約スチュワーデス、不惜身命、トンちゃん、猛暑、水不足、サリン、平成コメ騒動、○○の鉄人、コギャル、茶髪、ゴッドハンド、いじめ、就職氷河期

流行歌(1994)

レコード大賞:Mr.children<innocent world>

歌唱賞:川中美幸

最優秀新人賞:西尾夕紀 海峡恋歌

新人賞:Be-B、水田竜子

innocent world
ロマンスの神様
恋しさと せつなさと 心強さと
Don't Leave Me
空と君のあいだに/ファイト!
Hellow,my friend
survival dAnce~no no cry more~
あなただけ見つめてる
Boy Meets Girl
世界が終るまでは…
TRUE LOVE
IT’S ONLY LOVE/SORRY BABY
愛が生まれた日

○ミリオンセラーはシングルが'93年より1曲多い18曲、アルバムは同数の8曲。オーディオレコードの生産数は'93年より3%減の4億400枚に止まる。

話題の映画(1994)

洋画
クリフハンガー
トゥルーライズ
シンドラーのリスト
ライオン・キング
パーフェクト・ワールド

邦画
平成狸合戦ぽんぽこ
ゴジラVSメカゴジラ
男はつらいよ/釣りバカ日誌6
94春東映アニメフェア、ドラえもん のび太と夢幻三剣士/他
ヒーローインタビュー

○立地条件や定員などの規制緩和により、シネマコンプレックス(複合映画館)の開館が相次ぎ、'76年以来18年ぶりに映画館数が増加となる。年間映画入場者数は減少傾向が止まらず。

○松竹が映画ファンド第1号の「映画ファンドNo.1」を設立(11.28)。松竹の他、第一勧業銀行、三井物産、富士通、ロッテなど32社が投資。

ベストセラー(1994)

日本をダメにした九人の政治家
大往生
マディソン郡の橋
遺書
FBI心理分析官
ファイナルファンタジー6
天使の自立(上・下)
ガン再発す(逸見政孝・晴恵)
「超」整理法(野口悠紀雄)
日本一短い「母」への手紙

○大江健三郎氏のノーベル文学賞の受賞が決定(10.13)。

○「マディソン郡の橋」(初版からの累計222万部)、「ワイルド・スワン(上・下)」(上・下累計210万部)、「南仏プロバンスの12か月」(累計60万部)、「完全自殺マニュアル」などが2年連続の売れ行き良好となる。

○「『超』価格破壊の時代」「超恐慌」などの「超」を冠にしたビジネス書、浜田幸一「日本をダメにした九人の政治家」、後藤田正晴「政と官」、武村正義「小さくともキラリと光る国・日本」などの政治家本が、'93年暮れからこの年にかけ続々登場し、注目を集める。

話題のマンガ(1994)

○漫画文庫本ブーム-'93年7月秋田書店が「ブラック・ジャック」を文庫化、700万部の売れ行きに触発され、朝日新聞社「サザエさん」、中央公論社「プロゴルファー猿」、日本文芸社「いなかっぺ大将」、小学館「ドラえもん」、アース「赤胴鈴之助」、講談社「夏子の酒」、スコラ「エリア88」、角川書店「ロストワールド」などが相次ぎ登場。

○プロだけではなく、一般の若者を対象とした新たな漫画コンクールが注目を集める-パルコのPR誌「GOMES」による「GOMESマンガグランプリ」、ソニー・マガジンズ主催の「コミック・オーディション」。

今日は元気か(モーニング)、赤ちゃんと僕(花とゆめ)、金田一少年の事件簿(少年マガジン)、修羅の門(月刊少年マガジン)

ファッション(1994)

○若い女性にミニスカート・パンツが復活。プラットフォーム・シューズが人気となる。

○夏には透けない白い水着がヒット。

○ビジネスマンに三つボタンスーツ、襟ベストのスリーピース、高機能スーツが浸透。

気象状況(1994)

○4月以降、全国的な高温と少雨が続き、空梅雨から7~8月には全国各地で統計開始以来の記録を更新する猛暑となる-日最高気温では山形で40.8C°(7.25)、天竜で40.6C°(8.4)、八開(愛知)で40.3C°(8.5)などを記録。6~8月の真夏日の日数では大阪で70日、名古屋66日、福岡64日、東京53日。給水制限や断水を行った都道府県は40にも及んだ。11月半ばを過ぎても九州、中国地方を中心に給水制限が続いた。

○釧路で震度6を記録、北海道東部を中心に200人以上が重軽傷、北方4島でも多数の死傷者を出したM8.1の「北海道東方沖地震」(10.4)。青森、岩手を中心に死者2人、負傷者300人以上を出したM7.5の「三陸はるか沖地震」(12.28)など、この年も地震が相次ぐ。

×ロサンゼルス市を中心とした南カリフォルニア一帯でM6.8の「ロサンゼルス地震」が発生(1.17)。死者61人、負傷者9,000人以上。

1993年(平成5年)

経済白書 副題(1993)

バブルの教訓と新たな発展への課題

経済概況(1993)

平成5年の日本経済は、企業設備投資の減少と個人消費の低下で景気低迷が続き、不況の影響が一段と深刻になった。前半に景気底入れの期待が生まれたが、後半は急激な円高、冷夏・長雨、ゼネコン汚職などが重なり、景気浮揚をめざして史上最大規模の総合経済対策が決定されたが、景気回復の兆しが見られないまま年末を迎えた。

経済成長率 名目 0.9% 実質 0.3%
民間最終消費支出 名目 2.4% 実質 1.2%
民間企業設備投資 名目 -11.0% 実質 -10.2%
輸出 名目 -6.6% 実質 1.3%
消費者物価    1.3%  

日本の広告費(電通調査)(1993)

○推定開始以来初の2年連続減少。

○ニューメディア以外の媒体はいずれも減少。

  億円 対前年比(%)
総広告費 51,273 (93.9)
新聞 11,087 (91.1)
雑誌 3,417 (92.6)
ラジオ 2,113 (89.9)
テレビ 15,891 (96.2)
SP 18,646 (94.4)
ニューメディア 119 (104.4)

政治・経済・業界(1993)

×第42代アメリカ大統領にビル・クリントン氏が就任(1.20)。

○金丸前自民党副総裁と元秘書が東京地検に所得税法違反容疑で逮捕(3.6)。ゼネコンなど8社の首脳、仙台市長(6.29)、茨城県知事(7.23)、宮城県知事(9.27)など現職の地方自治体首長の東京地検による逮捕者が相次ぐ。

○金融機関、郵便局の定期預貯金金利が完全自由化(6.21)。

○衆院本会議で宮沢内閣不信任案が可決、衆議院解散(6.18)。自民党離党代議士が「新党さきがけ」(6.21)、「新生党」(6.23)結成。衆議院総選挙(7.18)の結果、自民過半数割れ、社会惨敗、新3党が103議席を獲得、「55年体制」が崩壊。宮沢内閣が総辞職(8.5)。衆参両院本会議で日本新党の細川代表が首相に指名される(8.6)。非自民・非共産の7党1会派による細川連立内閣が発足(8.9)。

○2月から円高が急速に進み、100円割れ寸前の戦後最高値1ドル=100円40銭を記録(8.17)。

○政府が総事業規模過去最大の13兆2000億円に達する新総合経済対策を決定(4.13)。さらに、規制緩和、円高差益還元を含む総額6兆2000億円の緊急経済対策を決定(9.16)。

○株主の権利や監査役の機能を強化した改正商法が施行(10.1)。

○JR東日本株が上場、初値60万円(10.26)。

○政府がコメの部分開放を含むガットの新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の受け入れを決定(12.14)。

○公定歩合、初の1%台へ、3.25%→2.5%(2.4)、2.5%→1.57%(9.21)。

○5月から9月にかけての長雨、低温、台風などによる農作物被害は、コメの9313億円を中心に、合計1兆2122億円となり過去最悪の規模となる。

○村本建設が戦後最大の負債総額5900億円を抱え倒産(11.1)。この年の企業倒産は倒産件数14,564件で3年連続増加。負債総額は6兆8476億円(東京商工リサーチ調べ)。

○百貨店、スーパーの年間販売額が2年連続のマイナス(通商産業省調べ)。

マスコミ・広告・媒体(1993)

○郵政省、電機メーカー、NTT、NHK、民放など116社が参加した「高度映像技術開発推進会議」が設立総会を開催(2.16)。

○マルチメディア分野でソニー、松下電器、アメリカのAT&T、モトローラ、アップル・コンピュータ、オランダのフィリップスの6社が提携(2)。

○CM時間制限の撤廃、比較広告の解禁など銀行の広告が全面自由化(4.1)。

○Jリーグ(日本プロサッカーリーグ)が開幕(5.15)、テレビ中継は高視聴率。新聞、雑誌にも盛んにとりあげられる。

○日本国際広告協会と国際広告協会(IAA)日本支部が一本化、「IAA日本国際広告協会」が発足(5)。

○山形テレビがフジテレビ系列からテレビ朝日系列に移行。日本テレビとテレビ朝日をクロスネットとしていた山形放送は日本テレビ系列へ(4.1)。

○民放連はこれまでの「放送広告の日」(4.21)を「民放の日」と改称。

○毎日新聞社が「FAX毎日夕刊版」のサービス開始(6.7)。

○全日本CM協議会は社団法人全日本シーエム放送連盟(ACC)として新発足(6.17)。

○CSを使ったPCM音声放送のPCMジャパン、PCMセントラルの2社が委託放送業務を廃止(7.1)。

○日本通信衛星(JCSAT)とサテライトジャパン(SAJAC)が合併し、新会社「日本サテライトシステムズ」を発足(8.17)。

○日本経済新聞社が「日本経済新聞CD-ROM版」の販売開始(9.13)。

×アメリカ政府が「情報スーパーハイウエー(NII)構想」を発表(9.15)。

○「グリーンフェア'93いばらき」「アーバンリゾートフェア神戸'93」「信州博」「TAMAライフ21」「火の国フェスタ・くまもと'93」などのイベント開催。

媒体の発足(1993)

○山口朝日放送(YAB)、大分朝日放送(OAB)10.1開局。

○エフエム・ノースウェーブ8.1、エフエム九州9.1、エフエム名古屋10.1開局。

○創刊誌は、総合男性誌「GQ JAPAN」中央公論社2.6、総合誌「宝島30」宝島社5.8、「SINRA」新潮社12.9など。

○女性向け生活情報誌が充実-「Chou Chou」角川書店3.24、「Zipper」祥伝社4.23、「TANTO」集英社5.17、「Maia」三起商行10.2、「たまごクラブ」「ひよこクラブ」福武書店10.5など。

○夕刊紙「日刊アスカ」飛鳥新社12.13発行。

○長崎新聞の夕刊が5月末をもって休刊。

○夕刊紙の大阪日日が土曜日付を休刊(7)。

○琉球新報、沖縄タイムスが第二土曜の夕刊を休刊(10.9)。

○テレビ局数119局(2局増)

○ラジオ局数91局(3局増)

○創復刊誌169誌、休廃刊誌118誌

媒体普及率(1993)

テレビ契約数 34,344,041
(うち、衛星) (5,012,152)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <99.1%>
VTR普及率 <75.1%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1993)

○自民党政権崩壊、細川連立内閣発足(8.9)

○円高が進み100円割れ寸前、戦後最高値100円40銭(8.17)

○金丸前自民党副総裁の逮捕(3.6)、ゼネコン汚職事件が地方に拡大

○皇太子・雅子さま御結婚(6.9)

○冷夏、豪雨など列島に異常気象、コメは大凶作となり緊急輸入

○細川内閣がコメ市場の部分開放受け入れを決定(12.14)

○北海道南西沖地震(M7.8)、大津波が奥尻島などを直撃(7.12)

○戦後最大ともいわれる不況深刻化、リストラと雇用不安が強まる

○日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)開幕(5.15)

○小選挙区制導入を柱とする政治改革法案が衆院を通過(11.18)

海外10大ニュース(1993)

×イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)が暫定自治宣言に調印(9.13)

×エリツィン大統領による最高議会の武力制圧などロシア政情不安

×国連管理下のカンボジア総選挙で新体制発足(9)

×旧ユーゴスラビア、旧ソ連などで民族紛争続く

×欧州連合条約(マーストリヒト条約)が発効(11.1)

×関税貿易一般協定(GATT)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)が妥結(12.15)

×クリントン米大統領就任(1.20)と難航する政権

×南アフリカの民主化進展

×インド中西部で直下型大地震(M6.4)

×北朝鮮の核疑惑で緊張高まる

世相・風俗(1993)

○バブル崩壊・景気後退の影響深刻化、冷夏も追い打ち-企業は経費削減に続いて雇用調整に進み、賃金・ボーナスが減少。サラリーマンの消費支出も13年ぶりに実質減少。93年春の新卒者の採用内定取り消しが相次ぐ。

○スポーツ界はサッカーで盛り上がる-初の日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)開幕(5.15)。サッカーW杯最終予選で敗れるが人気を盛り上げる。Jリーググッズも好調。大相撲で曙が外国人初横綱に、貴ノ花も史上最年少大関に昇進(1.27)。兄の若ノ花も大関に(7.21)。プロ野球はFA制度導入(9.21)。巨人入団の松井選手が大物ぶりで人気。

○レジャー施設・新名所の開設相次ぐ、屋内施設は冷夏で繁盛-福岡ドーム(4.2)、シーパラダイス(5.8)、ザウス(7.15)、ランドマークタワー(7.16)、オーシャンドーム(7.30)、レインボーブリッジ(8.26)、羽田ビッグバード(9.27)など。

○オードリー・ヘップバーン(1.20)、田中角栄元首相(12.16)が死去。人気司会者の逸見政孝氏もガン死(12.25)。

○消費者の低価格志向が一段と強まる-PB商品、アウトレット、格安紳士服、格安パックツアー、低価格マンション、食べ放題レストランなど。

雅子さんブーム、子供の間でしんちゃん言葉が流行、矢ガモ騒動、ジュリアナ現象、ミサンガ、ナタデココブーム

消費者・住民運動・公害(1993)

○釧路でラムサール条約締約国会議が開催(6.9~16)。

○国内の環境行政の基本を定めた「環境基本法」が成立(11.12)。

×コロンビアで開催の世界遺産会議が屋久島、白神山地、法隆寺地域仏教建造物、姫路城を日本初の世界遺産として登録(12.8~9)。

時の商品・新製品(1993)

○不況が続き、消費者の低価格志向に対応し大胆な低価格商品・サービスが提供される-格安紳士服、スーパーのPB商品、アウトレット、円高差益還元商品、食べ放題レストラン、低価格外食メニュー、格安海外ツアーなど。

○日常生活を快適に、自分のからだとこころへの気遣い-24時間風呂装置、トイレ脱臭装置、IHジャー炊飯器、テレビデオ、ステンレス槽洗濯機、簡単ビデオカメラ、植物性石けん、ミネラルウォーター、浄水器、液体歯磨、「グッドアップブラ」など。

○新車販売台数の売れ行きが落ち込む中で、乗用車系RVが人気持続。

○注目を集めた商品-カルシウム強化食品、DHA食品、杜仲茶、缶入り緑茶、マグヌードル、生タイプカップめん、マーガリン付きトースト、ナタ・デ・ココ、浅漬けの素、ウィンドウズ3.1、ワイドテレビ、家庭用FAX、高級コンパクトカメラ、ポケットベル、多機能電子手帳、子供向け電子手帳、カーナビゲーションシステム、MMF、Jリーグ関連商品

○新しく登場した商品-電子書籍、フラットビジョン、形状記憶ワイシャツ、水割りウイスキー、株式累積投資

テレビCM(1993)

JR東日本<その先の日本へ。>、サントリー・モルツ<お見合いモルツ>和久井映見、缶緑茶<まあまあお茶でも>市田ひろみ、日清食品・日清焼きそばUFO<巨大やかん>マイケル富岡、袋めん35周年フェア<モンローのハッピーバースデー>、グアム政府観光局<VSハワイ>、東京都衛生局<ストップエイズキャンペーン>間寛平、浅井慎平他、東京都清掃局<ゴミ袋の半透明化>加賀まりこ、永谷園本舗・Jリーグカレー<ラモスに変身>ラモス瑠偉、ワーナーランバート・スーパートライデントシュガーレスガム<鉄工所>千堂あきほ、富士写真フイルム・フジカラー写ルンですSuper800<崖 もっと上>デーモン小暮、ワコール・グッドアップブラ<父の心配>、国際電信電話<安いがイチバン>西田敏行、エーザイ・チョコラBB<シコをふむ女>

○スーパー各社のチラシCMが出稿され、集客効果を上げる。

新聞広告(1993)

としまえん<祈景気回復>、ベネトン・ジャパン<洋服ダンスをカラッポにしよう>、東京ガス<今日は、まっすぐ帰る日です。>、西武百貨店<かならずそうします>、日本テレコム・第二電電・日本高速通信<0070も、0077も、0088も、ご加入が無料になります。>、日本電信電話<市外通話料金大幅値下げ>、朝日新聞社・週刊朝日リニューアル<71年間、ご愛読ありがとうございました。><これは、週刊朝日ではありません。>、サントリー・白角<不景気なんか、飛んでいけ。>、全日空・テクノジャンボ機体カラーデザイン募集<ありがとう。20,110回も驚きました。>、東芝<遊んでくれてありがとう。ぼくは石油にもどります。>、BMWジャパン<土に返せるものは土に、返せないものは、人間に返そうと思う。>、シャープ・液晶ビューカム<撮られた人は、すぐ見たい。>、松下電器産業・フラットビジョン<これは、一枚のテレビである。>

話題のテレビ番組(1993)

○「家族」「きずな」「友情」をテーマにしたドラマが増加-並木家の人々、ひとつ屋根の下、じゃじゃ馬ならし(CX系)、ダブル・キッチン、渡る世間は鬼ばかり(TBS系)、嘘つきは夫婦のはじまり(NTV系)など。

○東京放送の長寿番組「東芝日曜劇場」が1話完結のスタイルから連続ドラマに変身(4)。「課長さんの厄年」「カミさんの悪口」など。

○「高校教師」「誰にも言えない」(TBS系)、「悪魔のKiss」(CX系)など衝撃的な内容のドラマも話題となる。

○東京放送が高視聴率をあげたドラマ「高校教師」を初めてCD-ROM化して発売(9)。新たなドラマの二次利用として話題を集める。

○「ゲイ」を採り上げた番組が登場-ドラマでは「同窓会」(NTV系)、「あすなろ白書」「都合のいい女」(CX系)、バラエティーでは「Johnny」(CX)など。

○スポーツ番組の人気が目立った-ワールドカップサッカー・アジア地区最終予選(10.28、48.1%)、Jリーグ中継、プロ野球巨人戦中継、大相撲ダイジェスト、世界陸上など。

○「健康」をテーマにしたバラエティ番組がゴールデンタイム(20:00~)に登場。元気増進!健康堂本舗(TX系)(10.13)。

○雅子さんブーム、ゼネコン汚職、政局の混乱などでニュース・報道番組が好調-ザ・ニュースキャスター(ANB)、ザ・ワイド(NTV)、ブロードキャスター(TBS系)など。

○大人に話題となった早朝幼児番組「ウゴウゴ・ルーガ」(CX)が金曜日のゴールデンタイム(19:00~)に進出(10.22)。

○アニメ番組「嵐を呼ぶ園児クレヨンしんちゃん」が平均視聴率20%以上の人気。

○子供料理番組が増加-モグモグゴンボ(NTV系)、ネーコの手(TBS系)など。

NHK(1993)

《ええにょぼ》35.2%《かりん》31.5%
〈琉球の風〉17.2%(1~6)〈炎立つ〉17.6%(7~94.3)

○NHKでもドラマが注目を集める-新銀河シリーズ「大阪で生まれた女やさかい」「コラッ!なんばしよっと2」「親子は他人の始まり」、列島ドラマシリーズ「魚のように」など。

○ウルトラマンの静かなブームが続く中でドラマ「私が愛したウルトラセブン」が話題を集める。

流行語(1993)

平成大不況、消費不況、リストラ、リエンジニアリング、雇用調整、採用内定取り消し、天の声、ゼネコン(汚職)、規制緩和、清貧、うそつき解散、連立与党、殿、ムーミンパパ、政治改革、守旧派、地方分権、凶作、コメ市場開放、一生全力でお守りします、フリーエージェント(FA)、それがあなたのいいと・こ・ろ、激安、オラ、○○すればぁ~、Jリーグ、イエローカード、サポーター、聞いてないよ~、ブルセラ、マルチメディア

流行歌(1993)

レコード大賞:香西かおり<無言坂>

歌唱賞:前川清<別れ曲でも唄って>

最優秀新人賞:山根康広 Get Along Together

新人賞:国武万里、シュー・ピンセイ

YAH YAH YAH/夢の番人
愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない
ロード
エロティカ・セブン
裸足の女神
負けないで
時の扉
真夏の夜の夢
揺れる想い
世界中の誰よりきっと
もっと強く抱きしめたなら
オールウェイズ・ラブ・ユー

○93年のミリオンセラーは、シングルが92年の11曲を上回り17曲。アルバムは8枚。CMソング、テレビドラマ主題歌などのタイアップによるミリオンセラーが大半を占める。

○ミニディスク(MD)本格普及の兆し-MDソフトが各社から出され、ソフトの充実が図られる。

○作曲家服部良一(1.30),猪俣公章(6.10),歌手藤山一郎(8.21)死去。

○ミニディスク(MD)本格普及の兆し-MDソフトが各社から出され、ソフトの充実が図られる。

話題の映画(1993)

洋画
ジュラシック・パーク
ボディガード
アラジン
ホーム・アローン2
逃亡者
幸福の条件

邦画
ゴジラVSモスラ
REX・恐竜物語
水の旅人・侍KIDS
ドラえもん のび太とブリキの迷宮/ドラミちゃん ハロー恐竜キッズ!!/他
男はつらいよ/釣りバカ日誌5

○93年の映画界はジュラシック・パーク、ボディガードなど洋画の大ヒットにより入場者数、興業収入ともに90年以来3年ぶりに前年実績を上回る。

○テレビで高視聴率をあげた「高校教師」が映画化され、劇場離れが進む若者層をとらえてヒット。

○日本初の映画会社「にっかつ」が事実上倒産(7.1)。

ベストセラー(1993)

人間革命(12)
磯野家の謎(正・続)
マディソン郡の橋
たいのおかしら
私は別人(上・下)
ドラゴンクエスト5 公式ガイドブック(上・下)
ファイナルファンタジー5(基礎知識編、戦闘解析編、冒険ガイドブック、完全攻略編)
清貧の思想
日本改造計画
生きるヒント
ワイルド・スワン(上・下)
サザエさんの秘密
マーフィーの法則

○謎本ブーム-「磯野家の謎」が短期間に180万部以上のベストセラーになったのをきっかけに、「サザエさんの秘密」「ドラえもんの秘密」「オラは野原しんのすけ」など謎本が続々登場し、謎本ブームとなる。

○ヌード写真集ブーム続く-「川島なお美写真集WOMAN」「石田えり写真集 罪」「石原真理子写真集 Marie!」などが話題となる。

○文芸書が復調の兆し-「マディソン郡の橋」「とかげ」「清貧の思想」「ワイルド・スワン」「雨の日には……」などが好調な売れ行きとなる。

○「夢文庫」河出書房新社、「朝日文芸文庫」朝日新聞社など文庫17点が相次ぎ創刊。

話題のマンガ(1993)

○「美少女戦士セラームーン」がテレビアニメ化され人気爆発、掲載誌「なかよし」の9月号は少女誌初の200万部を突破。

○「赤胴鈴之助」「月光仮面」「少年ジェット」など'50年代のマンガの復刻版が出版され、団塊世代を中心に人気が集まる。

○少女マンガ「キャンディキャンディ」が「るんるん」に再登場し、人気。

○硬派マンガが注目を集める-どんぐりの家(ビッグコミック)、AIDS-少年はなぜ死んだか(少年マガジン)など。

良寛日記、スチャラカ(漫画アクション)、ゴーマニズム宣言(SPA!)、少年よラケットを抱け(少年マガジン)、鉄人ガンマ、宮本から君へ(コミックモーニング)、ヤングマン、月下の棋士(ビッグコミックスピリッツ)

ファッション(1993)

○ミニスカートの流行にかげりがさし、ロングタイトスカートが目立ってきた。

○ビジネスファッションでは形状記憶ワイシャツが人気を呼び、ソフトスーツにかわり三つボタンスーツが話題となる。

○ヤングファッションでは、サッカー人気の高まりもあってスポーツ観戦ファッションなどのスポーツカジュアルが人気となる。

気象状況(1993)

○年明けは、東日本、西日本で7年、北日本では5年連続の暖冬となる。

○3月半ば以降、半月から20日くらいの間隔で寒気が流れ込み、全国的に低温となる。

○6月から8月の夏の気象は、平均気温では'46年以降東日本で第1位、北日本、西日本で第2位の低温、降水量も前線や台風の日本接近・上陸により東日本、西日本で平年の1.5倍以上となり、梅雨明けの日が特定できないほどの長雨・日照不足・冷夏となる。

○北海道南西沖でM7.8の北海道南西沖地震が発生(7.12)、奥尻島を中心に死者・行方不明者231人の犠牲者。

○M7.8の釧路沖地震(1.15)、M6.6の能登半島沖地震(2.7)、伊豆半島東方沖群発地震(1)など地震が相次ぐ。

×アメリカ中西部で平年の4倍以上の降水量でミシシッピ川大洪水(6~7)。

1992年(平成4年)

経済白書 副題(1992)

調整をこえて新たな展開をめざす日本経済

経済概況(1992)

平成4年の日本経済は、企業設備投資の減少と個人消費の停滞により景気後退が続いた。販売不振や固定費の増大で企業収益が悪化し、経費節減、雇用調整の動きが広がった。賃上げやボーナスの低伸長率、残業料減少などで消費マインドも次第に低下した。最大規模の総合経済対策が8月末に打ち出されたが、景気回復の兆しが見られないまま年末を迎えた。

経済成長率 名目 2.8% 実質 1.0%
民間最終消費支出 名目 4.0% 実質 2.1%
民間企業設備投資 名目 -4.8% 実質 -5.6%
輸出 名目 1.3% 実質 4.9%
消費者物価    1.6%  

日本の広告費(電通調査)(1992)

○27年ぶりの前年割れ。

○テレビが初の前年割れとなったほか、ラジオ、雑誌、新聞の各媒体がそろって減少。

  億円 対前年比(%)
総広告費 54,611 (95.4)
新聞 12,172 (90.5)
雑誌 3,692 (95.5)
ラジオ 2,350 (97.7)
テレビ 16,526 (98.4)
SP 19,757 (95.7)
ニューメディア 114 (104.6)

政治・経済・業界(1992)

○ブッシュ米大統領が米自動車業界ビッグ3とともに来日(1.7~10)。

○大型店の出店調整期間を1年に短縮する改正大規模小売店法施行(1.31)。

×EC加盟12ヵ国が域内の政治・経済統合の基本を定めた欧州連合条約(マーストリヒト条約)に調印(2.7)。

○地価公示価格が、全国平均で住宅地、商業地とも17年ぶりに下落(国土庁、3.26)。

×EC加盟12ヵ国と欧州貿易連合(EFTA)7ヵ国が欧州経済領域(EEA)条約に調印(5.2)。

○細川護煕氏が「日本新党」(5.22)、大前研一氏が「平成維新の会」(11.25)を発足。

○国連平和維持活動(PKO)法案が可決(6.15)。自衛隊のカンボジアへの派遣が始まる(9.17)。

○経済審議会が新経済計画「生活大国5カ年計画」を首相に答申(6.25)。

○証券会社の損失補てん、インサイダー取引など不公正取引の摘発を目的ととした大蔵省の証券取引等監視委員会が発足(7.20)。

○参議院選挙(7.26)で自民党大勝。

○東京佐川急便事件をめぐり、金丸氏が議員辞職(10.21)、竹下派会長も辞任、羽田・小沢派が結成(12.11)、竹下派が分裂。国会では事件関係者の証人喚問などが相次ぐ。

○政府が景気回復のため過去最大規模の10兆7,000億円の総合経済対策を決定(8.28)。

○9月中間決算の693社の業績は、売上高で前年同期比3.8%減、経常利益で28.9%減となる(和光経済研究所調べ)。

○天皇・皇后両陛下が初の中国訪問(10.23~28)。

×米国、メキシコ、カナダが北米自由貿易協定(NAFTA)に調印(12.17)。

○知的所有権係争が相次ぐ-米ハネウエル社が自動焦点技術の特許侵害で日本のカメラメーカーなどを提訴。巨額の和解金で決着。ビデオゲーム機械会社も米発明家に57億円支払い和解。

○公定歩合、この年も2度にわたり引き下げ-4.5%→3.75%(4.1)、3.75%→3.25%(7.27)。

○この年の企業倒産は、倒産件数14,069件、負債総額7兆6,014億円となる(東京商工リサーチ調べ)。

マスコミ・広告・媒体(1992)

○日本経済新聞社がファクスを利用した「日経NEWS-FAX」の提供開始(3.1)。

○東京放送、文化放送など5局が中波ラジオのステレオ放送開始(3.15)。

○銀行の広告規制緩和。テレビ広告の番組CM解禁。新聞広告、雑誌広告の制限枠撤廃(4.1)。

○朝日新聞社はテレビ録画予約の「Gコード」を夕刊のテレビ番組欄に掲載開始(4.1)。以降、他紙、雑誌も相次いで掲載。

×コロンブス500年記念の最大イベント「セビリア万博」開催(4.20~10.12)。総入場者数4,200万人を記録。

○通信衛星を使った“CSテレビ”6局が放送開始-「CNN」「スター・チャンネル」が本放送開始(5.1)。また“PCM音声放送”18局も放送開始(6.15~)。

○読売新聞社が東京本社発行版の朝刊に「こするとオレンジの香りがでる広告」を掲載(7.16)。

×バルセロナ・オリンピック開催(7.25~8.9)。史上最多の172ヵ国・地域から15,000人が参加。

○全民放ラジオ統一のオリンピック放送を実施(7.27~8.9)。

○日本民間放送連盟は、やらせ事件をきっかけに放送基準審議会の常設機関「放送番組調査会」を設置(11.1)。

○読売新聞の朝刊2面に広告インデックス「暮らしの情報 きょうの広告から」が新設(11.1)。

○徳間インテリジェンスネットワークが新聞社のファクス新聞を取り出せる「FAX新聞ネットワーク」サービス開始(12.1)。

○衛星音楽放送局「セント・ギガ」が広告を導入(12.1)。

媒体の発足(1992)

○秋田朝日放送(AAB)、伊予テレビ(ITV)10.1開局。

○エフエム徳島、エフエム高知、エフエム佐賀4.1、エフエム鹿児島10.1開局。

○大型誌の創刊激減。男性誌では「DENiM」小学館6.29、女性誌では「ポポロ」麻布台出版社4.23、「Oggi」小学館8.28、その他では、ビジネス誌「Forbes日本版」ぎょうせい3.23、総合誌「Big Days」大阪日日新聞社7.29創刊など。

○「POPEYE」マガジンハウス、月2回刊から週刊化(4)。

○主な休廃刊誌-「BOX」ダイヤモンド社3.8、「SHE'S」主婦と生活社3.28、「朝日ジャーナル」朝日新聞社5.21、「Peach」角川書店10.23、「NEXT」講談社11、「DANSEN男子専科」スタイル社12など。

○夕刊えひめ3.31、フクニチ新聞、フクニチスポーツ4.17、東京タイムス8.1が休刊。

○テレビ局数117局(2局増)

○ラジオ局数88局(4局増)

○創復刊誌158誌、休廃刊誌106誌

媒体普及率(1992)

テレビ契約数 33,937,251
(うち、衛星) (3,811,279)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <99.0%>
VTR普及率 <63.8%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1992)

○東京佐川急便事件で金丸氏議員辞職(10.21)。政局が混乱

○PKO法案の成立(6.15)、自衛隊のカンボジア派遣が始まる(9.17)

○不況の深刻化と過去最大規模の大型景気対策

○天皇・皇后両陛下が初の中国訪問(10.23~28)

○2番目の日本人宇宙飛行士・毛利さん、宇宙へ(9.12~20)

○広がるエイズ感染者にエイズ対策活発化

○地価下落。公示地価は17年ぶり、基準地価は初

○「日本新党」「平成維新の会」「シリウス」など“新党”ブーム

○ブッシュ米大統領が米自動車業界ビッグ3とともに来日(1.7~10)

○冬夏五輪で日本勢活躍。女子200m平泳ぎで史上最年少の金

海外10大ニュース(1992)

×米大統領選挙でクリントン候補が現職に大差で当選(11.3)

×旧ユーゴスラビアの分離・解体と泥沼化する内戦

ד今世紀最悪”の干ばつにより、南アフリカ諸国で深刻な食糧不足

×ブラジルのリオデジャネイロで「国連環境開発会議」開催(6.3~14)

×旧ソ連共和国の難航する独立移行と続く民族紛争

×ドイツの極右(ネオナチ)による外国人襲撃

×南アフリカでアパルトヘイト撤廃の動きが進む

×ロサンゼルスで米国史上最悪の人種暴動が発生(4~5)

×韓国と中国が国交樹立(8.24)

×地域経済ブロック化の動き-欧州経済領域条約調印(5.2)、北米自由貿易協定調印(12.17)、ASEAN自由貿易圏閣僚評議会設立(9)。

世相・風俗(1992)

○バブル崩壊・不況深刻-企業は交際・交通・広告費の3K経費削減、2年連続の1万件を超す企業倒産、ボーナス現物支給の電機メーカーも出現。不況は家計も直撃、お歳暮は3J(地味・重量感・実用性)が売れ筋に。

○この年もスポーツ界に話題が集まる-バルセロナ五輪で岩崎恭子などがメダル獲得、プロ野球セ・リーグの4球団による首位争い、長島氏が12年ぶりに巨人軍監督に復帰(10.12)、大相撲ブームも続く、本田技研が'93年からのF1グランプリレース撤退決定(7.17)など。

○「ハウステンボス」(3.25)、「ナムコ・ワンダーエッグ」(2.29)、「ワイルドブルーヨコハマ」(6)などのテーマパークがオープン。

○東海道新幹線に「のぞみ」が登場(3.14)。東京-山形間にミニ新幹線「つばさ」が開業(7.1)。

○雑誌、写真集、映画などで“ヘア”論争相次ぐ。

○全国の国公立学校で週休2日制がスタート(9.12)。

○千葉市が全国で12番目の政令指定都市に移行(4.1)。

日本酒の級別制度廃止(4)、家庭回帰現象、アウトドアブーム、第3次カラオケブーム(カラオケBOX)、フリーマーケット盛況、一児豪華主義、個人破産増加、冬彦現象、もつ鍋ブーム、老後不安症

消費者・住民運動・公害(1992)

×「国連環境開発会議(地球サミット)」がリオデジャネイロで開催。「環境と開発に関するリオ宣言」などを採択(6.3~14)。

○長良川河口堰建設反対運動に1万人が参加(10.4)。

○全国初のごみのポイ捨てに対する罰金条例が福岡県北野町で施行(10.1)。

×モントリオール議定書の改定をめざした「第4回締約国会議」が代替フロンHCFCを2020年までに原則的廃止を決定(11.25)。

時の商品・新製品(1992)

○消費マインドが冷え込むなか、値ごろ感、ボリューム感のある商品がヒット-低価格パソコン、特盛牛丼、もつ鍋、カリー工房、デカビタC、百貨店オリジナルブランド衣料品など。

○郊外型量販店「洋服の青山」の東京・銀座出店(10)も話題となる。

○余暇・レジャー関連用品がヒット-RV車(レクリエーショナル・ビークル)、特定小電力トランシーバー、キャンプ用品、アミューズメント施設、パノラマカメラ、レンズ付きフィルム、ゲームソフト「ストリートファイター2」など。

○エコロジー商品の登場相次ぐ-腐葉土で作ったゴルフティー、生分解性プラスチックボールペン、端材で作った鉛筆、低燃費乗用車など。

○注目を集めた商品-落ちにくい口紅、低カロリーコーラ、丸大豆醤油、省エネ住宅、ハイビジョンテレビ、横長テレビ、電磁誘導加熱(IH)炊飯器、食器洗い乾燥機、グッドアップブラ、コンドーム、ハウステンボス、液晶ビューカム

○新しく登場した商品-ミニディスク(MD)、デジタル・コンパクト・カセット(DCC)、AMステレオ対応ラジオ、電気自動車、ミニ新幹線「つばさ」、ビデオプラス(Gコード録画予約)

テレビCM(1992)

サントリー・BOSS<ボスのむ>矢沢永吉、上島珈琲・缶コーヒー<うまいのはコーヒー会社の缶コーヒー。>所ジョージ、菊池桃子、三共・新三共胃腸薬<反省>、ライオン・エメロン植物物語<私達の自信作です>原田知世、ダスキン・コールセンター<双子のおばあちゃん>成田きん、蟹江ぎん、富士写真フイルム・写ルンです<自転車><鏡>デーモン小暮、東京電力<家庭が一番あったかい><電気を大切に>、日本電気<バザールでござーる>、サントリー・モルツ<うまいんだな これが>萩原健一、ワコール・グッドアップブラ<よせてあげる>、コーセー化粧品・ルシェリ<チューしてョ>唐沢寿明、水野美紀、味の素・クノールカップスープ<朝帰り編>小泉今日子、大成建設<地図に残る仕事>、東京都衛生局<ストップエイズキャンペーン>長島茂雄、岡本綾子他、JR東日本<答えは15秒後>小泉今日子、<その先の日本へ。>、日清食品・カップヌードル<hungry?>

新聞広告(1992)

日本ペプシコーラ・ダイエット ペプシ<コカ・コーラ ライトの12分の1カロリーだから>、日本ゼネラルモーターズ<燃費。比べてください。>、東京都清掃局<使い捨ての時代は、もう終わりです。>、東京機械製作所・アルマン他・連合広告<不便になろう。>、東京新聞エイズキャンペーン企画広告<エイズは予防できる>、東京ガス<環境問題に少なからず心を痛めているのは、あなた。>、日本新党<反・金権選挙報告。>、農業協同組合・意見広告<Welcome to Japan、President Bush.>、池袋東武・オープン告知<グッドデパートメント>、日本テレビ<千年先も、巨人ファン。>、コンパック・ProLinea<¥128,000の裏技。>、東芝・Dyna Book EZ<すぐ使えるって、いいね。>、東京ガス<今日は、まっすぐ帰る日です。>、トヨタ自動車<コロナ氏>中村雅俊、ハウス食品<休日、父、カレーをつくる。>

話題のテレビ番組(1992)

○平日の朝に新聞紹介の番組が並ぶ-やじうまワイド(ANB)、ビッグモーニング(TBS)に続き、モーニングLIVE(CX)が登場(4)。ジパングあさ6(NTV)でもスポーツ紙の芸能面の紹介コーナーを設ける(3)。

○人気タレントを起用したクイズ番組、バラエティ番組が人気-たけし・逸見の平成教育委員会、クイズ!年の差なんて(CX系)、それいけ!!ココロジー、マジカル頭脳パワー!!(NTV系)、ギミア・ぶれいく、たけし&所のドラキュラが狙ってる(TBS系)など。

○教養番組では「追跡」「知ってるつもり!!」(NTV系)が安定した人気。

○ドラマでは「愛という名のもとに」(CX系)が大ヒット。また、「ずっとあなたが好きだった」(TBS系)も“冬彦ブーム”を巻き起こす大ヒット。「ホームワーク」「十年愛」(TBS系)、「素顔のままで」(CX系)、「悪女」(NTV系)にも話題が集まる。

○男性サラリーマンの家庭回帰とともに、巨人戦ナイターの視聴率低下傾向に歯止めがかかる。

○子供向け番組が話題-漫画アクションに連載中の「クレヨンしんちゃん」がテレビ朝日系で登場(4.13)。子供たちに予備知識がなかったにもかかわらず高視聴率となる。平日の早朝(午前6:10~)に幼児番組「ウゴウゴ・ルーガ」(CX)が登場(10.5)。大学生、若い主婦などにも人気が広がる。

○学生、独身者を対象としたチープ料理番組が深夜に登場-セイシュンの食卓(4.4、ANB)、おかずな夜(10.7、TBS)。

○フジテレビが民放初の自己批評番組「週刊フジテレビ批評」を放送開始(4.17)。

○「やらせ」が発覚-素敵にドキュメント(ANB系)、どーなるスコープ(YTV)で「やらせ」があり、両番組とも放送中止となる。

○「クイズダービー」(TBS系)が17年862回で放送終了('76.1~12.19)。

NHK(1992)

《おんなは度胸》38.5%《ひらり》36.9%
〈信長〉24.6%

○大相撲人気で、相撲の世界を取り上げた「ひらり」が話題となる。

○午後7時30分から時代劇「腕におぼえあり」、アニメ「おーい!竜馬」が登場(4)。

○NHKでもNHKスペシャル「奥ヒマラヤ・禁断の王国ムスタン」で「やらせ」があったことがわかる。また、'91年の大晦日から元旦にかけての「ゆく年くる年」でも初詣客を規制し演出を行い、問題となる。

流行語(1992)

バブル崩壊、複合不況、上申書、ほめ殺し、現物支給、とばし、ダウンサイジング、アウトレット、労働分配率、ミンボー、エイズ、HIV(エイズウイルス)、統一教会、合婚(合同結婚式)、仮面夫婦、今まで生きていた中で一番幸せでした、PKO、UNTAC、院内感染、カード破産、遠距離恋愛、アミューズメント施設、ねえ チューして、生活大国、きんさん ぎんさん、バウバウ、安・近・短(楽)、もつ鍋、冬彦さん、家庭回帰、特盛

流行歌(1992)

レコード大賞:大月みやこ<白い海峡> 米米CLUB<君がいるだけで>

歌唱賞:山川豊<夜桜> 松田聖子<きっと、また逢える…>

最優秀新人賞:永井みゆき 大阪すずめ、小野正利 You're the Only…,

新人賞:大黒摩季、加藤紀子、高橋洋子、田川寿美

君がいるだけで/愛してる
悲しみは雪のように
BLOWIN'/TIME
それが大事
涙のキッス
ガラガラヘビがやってくる
もう恋なんてしない
if
PIECE OF MY WISH
浅い眠り
ZERO
Choo Choo TRAIN
シュラバ・ラ・バンバ

○「君がいるだけで/愛してる」米米CLUBから「ZERO」B'zまでシングル上位11曲がミリオンセラー。アルバムも「スーパーベストⅡ」CHAGE&ASKA、「IN THE LIFE」B'zが200万枚以上のヒット、上位14枚がミリオンセラー。

○アナログのレコードが12年ぶりに数量・金額ともに前年を上回る-クラシックやジャズの復刻盤シリーズが人気を集め、ロック、ポップスの分野にも復刻の動きが広がる。

話題の映画(1992)

洋画
フック
エイリアン3
氷の微笑
JFK
美女と野獣
パトリオット・ゲーム
ホット・ショット

邦画
紅の豚
おろしや国酔夢譚
ドラえもん・のび太と雲の王国/21エモン/他
ドラゴンボールZ・激突!!100億パワーの戦士たち/他
ミンボーの女

○「紅の豚」「ドラえもん」「ドラゴンボール」「美女と野獣」などのアニメ映画が人気を集める。

○ミニシアターも健闘-「ナイト・オン・ザ・プラネット」「ポンヌフの恋人」「デリカテッセン」など20週以上のロングランで10万人近い動員を記録。関西でもミニシアターのオープン相次ぐ。

○「美しき諍い女」「愛人/ラマン」「氷の微笑」など映画でもヘアが話題。

ベストセラー(1992)

それいけ×ココロジー(1・2・3)
人間革命(11)
さるのこしかけ
明け方の夢(上・下)
世紀末クイズ(1・2・3)
真夜中は別の顔(上・下)
ストリート・ファイター(2)
ロマンシング サ・ガ 徹底攻略編・基礎知識編・完全解析編
国境の南 太陽の西
複合不況
わが友 本田宗一郎

○テレビ関連本がヒット-「それいけ×ココロジー」「世紀末クイズ」「たけし・逸見の平成教育委員会」「マジカル頭脳パワー!!」など。

○ヌード写真集ブーム、ヘアも話題に拍車-'91年の樋口可南子、宮沢りえのヌード写真集に続き、「島田陽子写真集KirRoyai」「荻野目慶子写真集」「SEX by MADONNA」など各10万部以上のヒット。

○初の国際ブックフェア「東京国際ブックフェア」が池袋で開催(10.31~11.4)。

○作家の訃報相次ぐ-井上光晴(5.30)、松本清張(8.9)、中上健次(8.12)、干刈あがた(9.6)など。

話題のマンガ(1992)

○成長を続けてきたマンガ各誌の実売数が横這いないし漸減となる。

○漫画アクションに掲載の「クレヨンしんちゃん」、テレビ化され子供から大人にまで人気となり、単行本も1~4巻で550万部以上の売れ行き。

○'83から9年間続いた「課長 島耕作」(コミックモーニング)終了(1.23)。

○「ブラックジャック」「あしたのジョー」「ベルサイユのばら」などの名作マンガが豪華本で復刊、人気に。

墨攻、福ちゃん、川歌(ビックコミック)、HAPPY MAN、電劇愚連帯(漫画アクション)、ゴン、俗物王(コミックモーニング)、ラストニュース(ビッグコミックオリジナル)、ポコあポコ(ビッグコミックスピリッツ)、取締役 平並次郎、プロゴルファー織部金次郎(ビッグコミックスペリオール)、SLAM DUNK、幽☆遊☆白書(少年ジャンプ)、美少女戦士セーラームーン(なかよし)

ファッション(1992)

○10代にスウェットパンツやGパン、Tシャツ、スウェットシャツなど1~2サイズ大きめのものを着る“だぼだぼルック”が人気。

○ヤングの女性はミニスカートやジーンズを中心としたカジュアルルックが主流。ミニのフレアスカート、スリップ・ドレスなどセクシーなカジュアルルックも登場。ブーツも春夏を通して小さなブームに。

○サラリーマンには大型の内ポケット付きコートが通勤ファッションとして注目を集める。

気象状況(1992)

○全国的に平均気温が高く、6年続きの暖冬となる(1~2)。

○千葉県沖の東京湾・浦賀水道付近でM5.7の地震が発生(2.2)。東京で'85年10月4日以来の震度5を記録。

○九州に台風9・10・11号が上陸(8.4、8.8、8.18)。西日本で被害。

○8月の東京都心の降水が9┝と史上最少を記録。8月13日から9月14日まで33日間1┝以上の降水がなく、暖候期の連続無降水記録を更新。

×超大型ハリケーン「アンドリュー」が米フロリダ・ルイジアナ州などを直撃(8.25)。死者50人以上、被害総額約200億ドル以上。

×インドネシア・フローレス島付近で大規模な地震が発生(12.12)。死者2,000人以上。

○気圧の単位がミリバール(mb)からヘクトパスカル(hPa)に移行(12.1)。

1991年(平成3年)

経済白書 副題(1991)

長期拡大の条件と国際社会における役割

経済概況(1991)

平成3年の日本経済は、住宅投資の減少と設備投資の伸び鈍化で、国内需要の拡大テンポが急激に減速した。特に夏以降は需要の低下で在庫が増加し、これまで急拡大した設備や耐久財のストック調整局面に移った。

経済成長率 名目 6.6% 実質 3.8%
民間最終消費支出 名目 5.1% 実質 2.5%
民間企業設備投資 名目 8.0% 実質 6.3%
輸出 名目 1.7% 実質 5.2%
消費者物価    3.3%  

日本の広告費(電通調査)(1991)

○ここ数年続いた高成長が一段落。

○新聞が金融、不動産、案内などの広告費減少で、昭和40年以来26年ぶりののマイナスを記録。SP広告費は初めて2兆円を超えた。

  億円 対前年比(%)
総広告費 57,261 (102.9)
新聞 13,445 (98.9)
雑誌 3,866 (103.3)
ラジオ 2,406 (103.0)
テレビ 16,793 (104.7)
SP 20,642 (104.2)
ニューメディア 109 (91.6)

政治・経済・業界(1991)

×湾岸戦争に突入(1.17)。多国籍軍はさらに地上戦に移り、クウェート解放に成功(2.27)。イラクが国連決議を全面受諾、湾岸戦争は開戦43日目にイラクの敗北で終結(2.28)。イラク軍の破壊や多国籍軍の応戦による油田の破壊・炎上、石油の海への流出など戦後の環境問題が注目を集める。

×平壌で日本と北朝鮮の国交正常化のための第1回本交渉開催(1.30~31)。

○ゴルバチョフ・ソ連大統領がソ連の元首としては初めて来日(4.16~19)。

○経団連が環境保護に対する企業行動の指針25項目の「地球環境憲章」を発表(4.23)。

○東北・上越新幹線の上野-東京間3.6kmが開業(6.20)。

×コメコン解放(6.28)。ワルシャワ条約機構も完全解体(7.1)。

×ソ連消滅と独立国家共同体(CIS)創設、軍部・保守派による8月クーデターが失敗。ソ連共産党解体。ソ連国家評議会がバルト3国の独立を承認。ロシアなど3共和国がCIS創設とソ連邦消滅を宣言。グルジアを除く11ヵ国がCISに調印(12.21)。ゴルバチョフ大統領が辞任(12.25)。

○海部首相が政治改革関連法案廃案で辞任。宮沢政権発足(11.5)。

○日本の国際貢献の柱「PKO法案」がまとまらず、継続審議に(12.10)。

×NATO首脳会議が「北大西洋協力会議」の創設などを盛り込んだ「ローマ宣言」を採択。冷戦構造が消滅(11.8)。NATO16ヵ国と旧ワルシャワ条約機構加盟国など9ヵ国外相が北大西洋協力会議の初会議開催(12.20)。

○金融不祥事が続発-大手証券会社による大口顧客への損失補てんや暴力団関係者との取引きなどが発覚。都市銀行の不正融資、信金、信組など各種金融機関で不正が発覚。

○公定歩合、3度にわたる引き下げ-6.0%→5.5%(7.1)、5.5%→5.0%(11.14)、5.0%→4.5%(12.30)。

○株式市場は薄商いで株価低迷。

×'91年の世界経済は実質成長率-0.3%と戦後初のマイナス成長(国連調)。

マスコミ・広告・媒体(1991)

○銀行のテレビCM(スポット)解禁(1.1)。ニューメディア利用も自由化。

○PCM放送の普及促進のため「日本PCM放送協議会」設立(2.21)。

○湾岸戦争が長期化の様相をみせる中、「時節柄、大量消費や戦争を連想させるCMを自粛する」という企業の動きが出始める(2)。

○任意団体「日本産業広告協会」は社団法人として通産省から許可(3.1)。

○日本経済新聞社が「日経国際ニュースセンター」を設立(3.1)。

○TBS、フジテレビはそれぞれ日米間を24時間結ぶ専用回線を開設(4.1)。

○折り込み広告のクーポン解禁(4.1)。

○民間の通信衛星を利用している衛星テレビジョン13社により「衛星テレビ広告協議会」設立(4.6)。

○関西テレビ、三菱商事などにより衛星利用の番組供給会社「スペース・シアター」設立(4.12)。

○関西新聞がイトマンの絵画取引きにからみ資金繰り悪化で休刊(4.17)。倒産(4.23)。

○静岡県広告協会が発足(9)。

×EC各国のテレビでたばこのCMが姿を消す(10.3)。

○テレビ番組を収集・保存し一般に公開する「放送ライブラリー」が、横浜みなとみらい地区の横浜館に開設(10.25)。

×国際オリンピック委員会が米グレイ・アドバタイジング社と広報関係子会社GSIグループをIOC初の公式「コミュニケーション・コンサルタント」に指名。

○新聞の文字拡大化相次ぐ-朝日新聞が1行14文字→12文字に。中日新聞、岩手日日、静岡新聞、山陽新聞などが1行13文字→12文字に。

○毎日新聞をはじめ北國新聞など地方紙がCIを導入。

媒体の発足(1991)

○長崎国際テレビ(NIB)、ティー・エックス・エヌ九州(TVQ)、岩手めんこいテレビ(MIT)、長野朝日放送(ABN)4.1、青森朝日放送(ABA)、北陸朝日放送(HAB)10.1開局。

○エフエム京都7.1開局。

○海外雑誌との提携による男性誌の創刊相次ぐ-「Bart」集英社5.13、「マルコポーロ」文藝春秋5.17、「サンタクロース」文藝春秋5.22、「i-DJAPAN」U・P・U9.10、「VIEWS」講談社10.23創刊など。

○女性誌の創刊も相次ぐ-「Cardie」福武書店4.8、「H2O」日本送出版協会9.2、「花時間」同朋社9.11、「FRaU」講談社9.24創刊。

○衛星放送番組誌も登場-「WOWOW」日本衛星放送3.25、「TV TARO」東京ニュース通信社3.28、「BS fan」共同通信社9.27創刊。

○衛星デジタル音楽放送が本放送開始(4.1)。9月1日から有料放送開始。

○日本衛星放送(JSB)が有料放送へ移行、本放送開始(4.1)。

○「週刊明星」集英社が休刊(12)。

○テレビ局115局(6局増)

○ラジオ局84局(1局増)

○創復刊誌165誌、休廃刊誌81誌

媒体普及率(1991)

テレビ契約数 33,542,701
(うち、衛星) (2,357,832)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <99.3%>
VTR普及率 <71.5%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1991)

○雲仙・普賢岳で火砕流、死者行方不明43人(6.3)

○バブルの崩壊と証券・金融不祥事続出

○若貴ブームと千代の富士の引退

○宮沢政権発足(11.5)

○公定歩合の引き下げと金融緩和

○信楽高原鉄道で列車正面衝突、42人が死亡(5.14)

○湾岸戦争に90億ドルの追加支援と掃海艇の派遣

○日本・北朝鮮の国交正常化への政府間交渉開催(1.30~31)

○ゴルバチョフ・ソ連大統領来日(4.16~19)

○東京都庁が新宿に移転(4.1)

海外10大ニュース(1991)

×ソ連の「8月政変」と連邦の消滅

×湾岸戦争のぼっ発と終結

×フィリピン・ピナツボ火山が大噴火(6.15)

×南北朝鮮が国連に同時加盟

×バルト3国が独立

×米ソが相次いで核軍縮発表

×世界経済が戦後初のマイナス成長に

×フィリピンが台風災害により6,000人以上の犠牲者

×南アフリカがアパルトヘイト撤廃

×ガンジー・インド元首相暗殺(5.21)

世相・風俗(1991)

○スポーツ界に話題が集まる-日本プロサッカー10チーム決定(2.14)、プロ野球落合選手初の3億円プレーヤーに(12.9)、マツダがル・マン初優勝(6.23)、F1ブーム、千代の富士引退(5.14)・若貴・外人力士の活躍などで大相撲ブーム、1998年冬季五輪開催地が長野に決定(6.16)、東京・国立競技場で168ヵ国・地域が参加し第3回世界陸上選手権開催(8.23~9.1)。

○バブルの崩壊-営業特金、株価急落、損失補てん、架空預金証書事件、株式不正売買事件、イトマン事件、国際航業株事件、茨城カントリークラブ会員権乱売事件、クレジット破産急増など。

○湾岸戦争に90億ドルの支援と機雷除去のため海上自衛隊の掃海艇派遣。

×国際移住機構が「90年代は途上国から先進国へ大量移住の時代」との報告書発表(11.25)。

幸福の科学VSフライデー、りえヌードフィーバー、偽コシヒカリ・ヤミひとめぼれなどのブランド米騒動、大林雅美(雅子)騒動、一卵性母娘、結婚しないかもしれない症候群、乳離れ不能症候群、ダンスブーム、渋カジ族

消費者・住民運動・公害(1991)

○猛毒のダイオキシンの検出数が海・湖沼などの泥や魚類とも倍増、国内でも拡散していることが明らかとなる('90年度環境庁調べ)。

○首都圏や近畿圏などからごみの持ち込みを認めてきた敦賀市が、住民の反対からごみの搬入を拒否(4)。

○日本の生活協同組合では初の「環境問題生協国際会議」を横浜で開催(6)。

○ごみ問題解決のため、資源の再利用を進める「再生資源の利用の促進に関する法律(リサイクル法)」が施行(10)。

時の商品・新製品(1991)

○自然、環境、ベーシックをキーワードとした商品が注目を集める-ミネラルウォーター、カルピスウォーター、家庭用浄水器、リサイクルグッズ、自然志向化粧品、天然原料の洗剤、マウンテンバイク、オートキャンプ、浴衣、風呂敷、お香、扇子、エコマーク商品など。

○健康志向は依然と続く-電子血圧計、電動歯ブラシ、紫外線カット商品、飲む栄養食、ドクダミ飲料、機能性パンティストッキング、ボディケア商品、医療相談サービス、シルバーマンションなど。

○自分にとって価値のあるものを大切にする。生活にゆとり、潤いを求める-国内旅行、RV車、大画面高画質テレビ、DCブランド子供服、ビンテージものジーンズ、CD BOOKなど。

○注目を集めた商品-携帯電話、パーソナルファクス、軽オープンカー、マッキントッシュ、シミュレーションゲーム、衛星放送、FAX情報サービス、液晶自動車テレビ、パノラマカメラ、プレミアムアイスクリーム、デザート感覚チョコレート、立体駐車場

○新しく登場した商品-ボランティア預貯金、カラー液晶ノート型パソコン、カップ入りインスタント茶漬け、水洗い不要米「無洗米」、豆スナック

テレビCM(1991)

JR東海<日本を休もう>、JR東日本<ジャンジャカジャ~ン>小泉今日子、フジテレビジョン<ルール>、朝日新聞<私の意見は朝日新聞のウケウリです。>有村務、ジミー大西、間寛平、松下電器産業・発声発語訓練システム<私の声がみえた>、キリンビール・一番搾り<のほほ~ん>緒方拳、松下電器産業・画王<キレイじゃ 新画王じゃ>津川雅彦、清水建設<昼間のパパ>忌野清志郎、リクルート・フロム・エー<カーキン音頭>、JR東日本・踏切事故防止キャンペーン<暴走トラック>、ロッテオリオンズ<テレビじゃ見れない 川崎劇場>、大阪府<大阪名物「迷惑駐車」>、大日本除虫菊・アリキンチョール<電柱編><階段編>中村雅俊、間寛平、そのまんま東、ピップフジモト・ダダン<ダッダーン ボヨヨン>レジー・ベネット、日本電信電話・タウンページ<ウォーリーの街を行く>、郵政省・ゆうパック<心の太陽>所ジョージ、池田優美

新聞広告(1991)

日本電信電話<今日から東京03地域の市内局番が4ケタになりました。>、メルセデス・ベンツ日本<メルセデスの嘘。>、JR東海・ビジネス新幹線<聖夜。>、伊勢丹<ミニきませんか>、岩波書店・広辞苑<これが、日本語です。>、日本サッカー協会「Jリーグ」設立準備室<大相撲、プロ野球、プロサッカー。少年たちの夢は多いほどいい。>千代の富士、としまえん<考える遊園地。>、日新製鋼<お母さん ここが日新製鋼です。>萩原健一、日本ペプシコーラ<テレビでコマーシャルが見られる日まで。>、東京都清掃局・東京ごみ会議<意見広告。意見募集。>、萬有製薬<経済も、文化も、動脈硬化も、進んでいる国。>、世界自然保護基金日本委員会・連合広告・ペルシャ湾環境レポート<海が閉じる。>、日本電気<空気という宇宙服>、アップルコンピュータジャパン<小学生になろう。>、野村証券<私たちの決意>、公共広告機構<海ガメの無念>

話題のテレビ番組(1991)

○松本清張作家活動40周年を記念し、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日が輪番制で「松本清張作家活動40周年記念テレビドラマスペシャル」を放送-西郷礼、黒い画集(TBS)、波の塔、張込み(CX)、砂の器、霧の旗(ANB)、ゼロの焦点、けものみち(NTV)など。

○テレビ朝日系列でモーツァルト没後200年記念番組相次ぐ-モーツァルトプロジェクト「モーツァルトと行く旅」(7.14)。モーツァルト没後200年記念「99歳のモーツァルト弾きホルショフスキーの軌跡」(12.1)、2夜連続ドラマスペシャル「モーツァルト」(12.2~3)など。

○“純愛”をテーマにしたフジテレビの連続ドラマ「東京ラブストーリー」「101回目のプロポーズ」が大ヒット。

○フジテレビ系の1時間ドラマ「学校へ行こう」「もう誰も愛さない」「逢いたい時にあなたはいない…」「しゃぼん玉」などが話題を集める。

○ADブギ、あしたがあるから(TBS系)、愛さずにいられない(NTV系)なども話題となる。

○時代劇では“仕掛人”が復活-仕掛人・藤枝梅安(CX系、5回)、必殺仕掛人・激突!(ANB系)。

○湾岸戦争報道や雲仙・普賢岳の火砕流報道、ソ連の「8月クーデター」など生々しい場面が茶の間に飛びこんできた。

○懐かしのTVドラマ”がビデオやレーザーディスクで復活。人気となる-「ちびっこギャング」「ちびっこ大将」「サンダーバード」「コンバット」「スター・トレック」「傷だらけの天使」など。

○フジテレビは人気ドラマ「東京ラブストーリー」を放送終了後4カ月たらずでビデオ化。これも人気となる。

NHK(1991)

《君の名は》29.1%〈太平記〉26.0%

○NHKスペシャル「電子立国日本の自叙伝」「アインシュタイン・ロマン」が話題を集める。

○4月からスタートした子供向け料理番組「ひとりでできるもん!」(NHK教育)が人気番組に。

○NHK教育の「芸術劇場」で「モーツァルト・オン・ツアー」とモーツァルトの歌劇「後宮からの誘拐」を放映(12.1)。

流行語(1991)

重大な決意、バブル(破裂・崩壊)、損失補てん、国際貢献、PKO、PKF、湾岸戦争、多国籍軍、デザート・ストーム(砂漠のあらし)作戦、ピンポイント(爆撃)、世界の警察、八月革命、CIS、新世界秩序、島原大変、火砕流、土石流、過労死、社畜、バツイチ、バーチャル・リアリティ、チャネリング、ひとめぼれ、魚沼コシヒカリ、替え玉受験、散骨、……じゃあ~りませんか、僕は死にましぇ~ん、かい~の、ダイジョウV、ダッダーン ボヨヨン、トランタン、エコロジー、地球にやさしい

流行歌(1991)

レコード大賞:北島三郎<北の大地> KAN<愛は勝つ>

歌唱賞:坂本冬美<火の国の女> ASKA<はじまりはいつも雨>

最優秀新人賞:唐木淳、Mi-Ke

新人賞:しじみとさざえ、中嶋美智代、槙原敬之、観月ありさ

Oh!Yeah!/ラブ・ストーリーは突然に
SAY YES
愛は勝つ
どんなときも。
はじまりはいつも雨
あなたに会えてよかった
LADY NAVIGATION
しゃぼん玉
Eyes to me/彼は友達
ALONE

○シングル上位7曲がミリオンセラーを達成。

○モーツァルト没後200年を記念した演奏会やCDの全集企画が相次ぐ。

○「Oh!Yeah!/ラブ・ストーリーは突然に」小田和正から「LADYNAVIGATION」B'zまでシングル上位7曲がミリオンセラー。アルバムも「天国のドア」松任谷由美、「TREE」CHAGE&ASKAなど上位6枚がミリオンセラーとなる。

דジャズの帝王”マイルス・デイビス死去(9.28)。

話題の映画(1991)

洋画
ターミネーター2
ホーム・アローン
プリティ・ウーマン
トータル・リコール
ダンス・ウィズ・ウルブス

邦画
おもひでぽろぽろ
ドラえもんのび太のドラビアンナイト他
男はつらいよ/釣りバカ日誌3
ドラゴンボールZ他
ちびまる子ちゃん

○邦画はアニメが健闘。

○黒沢ブーム-リバイバル公開の「七人の侍」が大ヒット。「八月の狂詩曲」もヒット。

ベストセラー(1991)

Santa Fe
もものかんづめ
血族
ノストラダムス戦慄の啓示
時間の砂
だから私は嫌われる
タモリ・ウッチャンナンチャンの世紀末クイズ
water fruit
ホーキングの最新宇宙論
宜保愛子の幸せを呼ぶ守護霊
結婚式
諸葛孔明
アラーの大警告
恋愛論

○宮沢りえの写真集「Santa Fe」が、発売1カ月前の新聞の全面広告掲載からマスコミ各方面で取り上げられ、発売前から異常なフィーバーとなる。

○絵本「ウォーリーをさがせ」が幼児から若者まで幅広い層に受けて、4冊のシリーズで2,100万部以上の売れ行きとなる。

○辞・事典が多様化-「日本語逆引き事典」大修館書店、「現代形容詞用法辞典」東京堂出版、「最新データーベース活用辞典」講談社など。

○「広辞苑」(第四版)(岩波書店)も発売後わずかで70万部以上を売る。

○書籍もモーツァルト-「モーツァルト辞典」東京書籍など。

話題のマンガ(1991)

○大相撲人気とともに、マンガ界の相撲ブームも続く-のたり松太郎(ビッグコミック再開)、おかみさん(ビッグコミックオリジナル)、両国花錦力士(ビッグコミックスピリッツ)、闘魔伝(漫画アクション)など。

○政治をテーマにしたマンガ相次ぐ-大と大(モーニング)、サンクチュアリ(ビッグコミックスペリオール)、メドゥーサ(ビッグコミック)、百年の祭(漫画アクション)、加治隆介の議(ミスターマガジン)など。

タンブリング、東京爆弾、クレヨンしんちゃん(漫画アクション)、ギャンブルレーサー、ナニワ金融道、OL進化論(モーニング)、風します?、イオナ(ビッグコミックスピリッツ)、龍、風の大地、家栽の人(ビッグコミックオリジナル)、家族の食卓、C級サラリーマン講座(ビッグコミック)、用心坊(漫画サンデー)、だから笑介(ビッグコミックスペリオール)

ファッション(1991)

○ミニスカートが定着しスカート丈も膝上10㎝から20㎝の超ミニも目立ち、ショートパンツやキュロットも出現。ミニの進行とともにむき出しの脚をどのように装うか、ストッキング、タイツ、ブーツなどのレッグファッションも注目を集める。また、ミニカスートはミセスにも定着しつつある。

○ヤングサラリーマンにソフトスーツが定着。

○夏に浴衣ブーム。

○ヤングにブーツカットやベルボトムのジーンズ、アンクルブーツ、革ジャンのワイルドファッション流行。

○アクセサリーなどで光ものブーム。

○紺ブレがポスト渋カジとして台頭、中高年にも普及。

気象状況(1991)

○年平均気温は全国的に高めに推移。年間降水量は、梅雨前線、台風、秋雨前線の影響で、東日本、九州などで平年を上回った。

○週末台風相次ぐ-台風14・17号が土曜日に、19号は金曜日に上陸。12・18・21号が金曜から土曜日に本土に接近。とくに、台風17・18・19号により果樹・水陸稲・野菜等の農作物に各地で大きな被害が発生。

○雲仙・普賢岳噴火-土石流が続き島原市と深江町の住民1,300人が避難。溶岩ドームが出現し火砕流が頻発(5)。大規模火砕流が発生し、消防、報道関係者など43人が死亡・行方不明に(6.3)。住民の避難生活が長期化。

×フィリピン・ピナツボ火山で今世紀最大の火山噴火発生(6.15)。

1990年(平成2年)

経済白書 副題(1990)

持続的拡大への道

経済概況(1990)

平成2年の日本経済は、全般的には設備投資の高い伸びと堅調な個人消費による内需主導の景気拡大を続けた。7月頃には「いざなぎ景気」を超えるとの楽観的見通しも強まったが、イラクのクウェート侵攻を境に、原油高、金利高、株安、米国経済の悪化など、好景気を支えた条件が大きく変化した。

経済成長率 名目 7.5% 実質 5.1%
民間最終消費支出 名目 7.0% 実質 4.4%
民間企業設備投資 名目 13.3% 実質 10.9%
輸出 名目 8.4% 実質 6.9%
消費者物価    3.1%  

日本の広告費(電通調査)(1990)

○3年ぶりに1ケタ伸長となった。

○ラジオ、雑誌、SPは好調に推移するが、テレビ、新聞は後半息切れ。

  億円 対前年比(%)
総広告費 55,648 (109.7)
新聞 13,592 (106.8)
雑誌 3,741 (111.5)
ラジオ 2,335 (110.9)
テレビ 16,046 (109.7)
SP 19,815 (111.1)
ニューメディア 119 (125.3)

政治・経済・業界(1990)

○「国際花と緑の博覧会」開幕(4.1)。9月30日までの会期183日間の入場者は2,312万人となる。

○景気拡大は6月に43カ月目となり、「岩戸景気」を抜き戦後2番目の長さとなる(経済企画庁、6月月例経済報告)。

○日米構造協議で、日本の3年度から10年間で430兆円の公共投資実行、市場開放、アメリカの財政赤字削減などを内容とする最終報告を発表(6.28)。

○公定歩合、前年に続き引き上げ-3月20日に1%、8月30日に0.75%引き上げて、年6.0%に。

×イラクがクウェートに侵攻(8.2)。湾岸危機勃発。イラクは西側外国人を人質として拘束、国連安保理は対イラク「武力容認」決議採択など緊張した状態が続く。

×自民党と社会党の代表団が、北朝鮮を訪問(9.24~28)。朝鮮労働党との間で「早期の国交樹立。北朝鮮への戦後45年間も含めた謝罪と償い」などを盛り込んだ3党共同宣言に調印。

×韓ソ国交樹立(9.30)。

×東西ドイツは、西ドイツが東ドイツを編入し、国家統一を実現(10.3)。

○東京証券取引所1部平均株価が、一時19,781円と3年7カ月ぶりに2万円を割る(10.1)。

×全欧安保協力会議(CSCE)首脳会議、パリで開催(11.19~21)。東西ヨーロッパ、アメリカ、ソ連など34ヵ国が参加。「新しい欧州のためのパリ憲章」NATOとワルシャワ条約機構の「不戦宣言」などを採択。

×ソ連では、バルト3国などのソ連邦からの独立の動き、タジク共和国などの民族抗争、共産党内での保守派の台頭、シェワルナゼ外相の辞任、食糧難を生んだ経済策の混乱など、国内危機が深まる。

○企業買収、提携が活発に行われる-三菱グループ4社、西ドイツのダイムラー・ベンツグループと提携に合意(3.6)、松下電器、アメリカのMCA買収(11.26)、レナウン、イギリスのアクアスキュータム買収など。

マスコミ・広告・媒体(1990)

○企業による芸術文化擁護の推進団体「企業メセナ協議会」発足(2)。

○首都圏でAM・FM合同のラジオ新聴取率調査スタート(4)。

○銀行のラジオCM解禁(6.1)。

○ニュース素材の国際配信、映像ソフトの購入・販売などを目的として、NHKエンタープライズ、伊藤忠、第一勧銀などが「国際メディア・コーポレーション」を設立(7.5)。この動きに対し、民放側は「NHKの肥大化商業化傾向に拍車をかけるもので容認できない」とする文書を、郵政省に提出(7.8)。

○電通がソ連・モスクワ事務所を開設(10.1)。

○新聞本紙・別刷りのクーポン広告解禁(10.1)。

○第3番目の視聴率調査会社「日本データコム」設立(10.4)。

○NHKと民放各社は湾岸危機による郵政省の省エネルギー対策要請を受け、深夜放送を短縮(10)。

×TBS宇宙特派員・秋山記者、日本人では初めて、ジャーナリストでは世界で初めて宇宙飛行を体験(12.2~10)。

○産経新聞、毎日新聞が本文文字を1行13字から12字に拡大(12)。

○マスコミ各社、欧州各地に支局開設相次ぐ-朝日新聞は東ベルリン、ブダペスト、ベオグラード、プラハ。読売新聞はウィーン。日本経済新聞は東ベルリン。共同通信社はブダペスト。中日新聞はウィーン。日本テレビはバルセロナ、東ベルリン。テレビ朝日は東ベルリン。

○ニュース利用に関して、東京キー局はアメリカのテレビネットワークと提携-東京放送=CBS、フジテレビ=ABC、日本テレビ=NBC。

○都市型CATV開局ラッシュ続く、20局開局し計61局に。通信衛星を使ったCATV向けのソフトを供給するプログラムサプライヤーも配信開始。

媒体の発足(1990)

○テレビ金沢(KTK)、長崎文化放送(NCC)4.1、テレビユー富山

(TUT)10.1開局。

○エフエム石川4.1、兵庫エフエムラジオ放送、エフエム大分10.1開局。

○女性向け生活実用情報誌、モノ情報誌が充実-「すてきな奥さん」主婦と生活社4.2、「COMO」主婦の友社6.2、「VISIO MONO」ワールドフォトプレス11.2、「マチエール」徳間書店11.16など。

○テーマを絞った男性誌の創刊相次ぐ-ヤング男性誌「CADET」講談社9.20、「クロコダイル」KKベストセラーズ10.10など。熟年誌「自由時間」マガジンハウス10.18など。オピニオンリーダー誌「THIS IS 読売」読売新聞社3.9、「サンサーラ」徳間書店6.5。

○リゾート情報誌ブーム-「リゾートマインド」徳間書店4.18など。

○海外誌との提携が盛ん-「FIGARO japon」TBSブリタニカ3.29、「JAPAN AVENUE」ジャパン・アベニュー社4.20など。

○テレビ局数109局(3局増)

○ラジオ局数83局(3局増)

○創復刊誌155誌、休廃刊誌81誌

媒体普及率(1990)

テレビ契約数 33,188,737
(うち、衛星) (1,207,004)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <99.4%>
VTR普及率 <66.8%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1990)

○天皇陛下の即位の礼(11.12)と大嘗祭(11.22~23)

○湾岸危機への貢献策・国連平和協力法案廃案に(11.10)

○礼宮さま、紀子さま結婚の儀(6.29)

○株暴落、バブルに亀裂、財テクに警鐘

○日朝3党、「謝罪と償い」盛った共同宣言調印(9.28)。日朝国交交渉開始へ

○イラクのクウェート侵攻で、日本人を含む外国人が人質に

○大阪で「花の万博」開催。入場者総数2300万人を突破

○総選挙で自民党が安定多数獲得(2.18)

○東京放送の秋山記者、日本人初の宇宙旅行(12.2~10)

○生体肝移植相次ぎ、脳死論議も高まる

海外10大ニュース(1990)

×イラクがクウェートに侵攻(8.2)。中東湾岸危機勃発。国連安保理、武力行使容認(11.29)

×東西ドイツ、45年ぶりに統一(10.3)

×ソ連、一党独裁放棄、大統領制へ移行、ゴルバチョフ氏大統領に(3.13)。食糧難、民族対立などで国内危機は深まる

×サッチャー英首相辞任(11.22)。メージャー蔵相が後任に(11.28)

×全欧安保協力会議首脳会議でパリ憲章採択。不可侵宣言(11.19~21)

×韓ソ国交樹立(9.30)

×東欧諸国で自由選挙。ブルガリアを除き、民主・改革勢力が勝利

×韓国と北朝鮮が半島分断後初の首脳会談開催(9.5~6)

×モントリオール会議で、2000年までにフロン全廃を決定(6.29)

×南ア黒人指導者マンデラ氏が27年ぶりに解放される(2.11)

世相・風俗(1990)

○この年もNEW SPACEのオープン相次ぐ-東京武道館(2.10)、水戸芸術館(3.22)、スペースワールド(4.22)、東京都写真美術館(6.1)、東京芸術劇場(10.30)、サンリオピューロランド(12.7)など。

○大好評の葛西臨海水族館を追いかけて水族館のオープンも相次ぐ-鳥羽水族館新館(7.15)、海遊館(7.20)、登別マリンパーク(7.20)、マリンピア日本海(7.27)など。

○深夜ラジオのファンの想像から生み出された、実体のない幻のアイドル「芳賀ゆい」、一夏のブームを巻き起こす。

地球環境問題が注目を集める、花の万博開催、湾岸危機と日本の貢献策、10万円金貨大量偽造事件、女子高生校門圧死事件、女性の平均出産児数1.57人、ちびまる子ちゃん現象、カラオケボックス激増、女性に競馬ブーム、人面魚、人面犬、イタメシ、ライトアップ、十二単ブーム、パンツ論争、ランバダ、バブル経済、ボーダーレス社会、日本人初の宇宙飛行、海外旅行者数1000万人突破、人手不足、バラドル(バラエティー系アイドル)

消費者・住民運動・公害(1990)

○アースデー(地球の日)統一国際行事に世界の約140ヵ国、1億人が参加。日本も初参加し、国内2000カ所で各種行事が催される(4.22)。

○ゴルフ場で使用される農薬による水質汚染が問題となり、地元住民の反対運動によって、ゴルフ場造成計画の凍結、見直しを迫られるケースが続出。

○紙、粗大ゴミの増加など、ゴミの排出量が急増し社会問題となる。

○青森・秋田県境の白神山地・ブナ原生林を分断する青秋林道計画は、自然保護団体や地元住民の反対運動によって建設中止となる。

×温暖化、酸性雨など地球環境をめぐって、国際会議が相次いで開催される。

時の商品・新製品(1990)

○高機能と使いやすさがうけて、ファジー家電続々登場-全自動洗濯機、掃除機、電子レンジ、炊飯器、エアコン、扇風機など。

○ゴルフ場の農薬による水質汚染など“水”に対する意識の高まり、2年夏の猛暑と水不足などにより、ミネラルウォーター、家庭用浄水器がヒット。

○携帯性、機動性を生かした商品がヒット-ノート/ブック型パソコン・ワープロ、自動車・携帯電話、コードレス留守番電話、レンズ付きフィルム、電子プリントカメラなど。

○「女の時代」を背景に、女性専用スペースサービスとして、女性専用寝台車両、ホテルの女性専用フロア、女性専用ホテルなどが話題を集める。

○注目を集めた商品-エコマーク商品、ちびまる子ちゃんグッズ、一番搾り、BSチューナー内蔵TV、ダイヤルQ2、ティラミス、スーパーファミコン、スポーツカー「NSX」、RV車、からくり時計、家庭用入浴剤、マウンテンバイク、東京湾クルーズ、ピーチカクテル、鉄骨飲料、再生紙

○新登場した商品-小型CD-ROM再生装置、絵の出るシングルCD、ミニ容器入り外用薬、音声反応型カメラ、パノラマ写真撮影カメラ

テレビCM(1990)

JR東海<クリスマスエクスプレス>、NTTデータ通信<ホーキングの宇宙>、武田薬品工業・アリナミンVドリンク<ちちんブイブイ>アーノルド・シュワルツェネッガー、シャネル・エゴイスト<エゴイスト!>、キンチョー・ゴン<もっと端っこ歩きなさいよ>ちあきなおみ、美川憲一、JR東日本<もっと!>小泉今日子、学生援護会・サリダ<職業選択の自由>高橋幸宏、仙道敦子、ポッカコーポレーション・つぶコーンスープ<情けないほどおいしいよ>ちびまる子ちゃん、味の素・パルスイート<ふとっても可愛いモナリザ編>、サントリー・ポケメシ<あ~りませんか編>チャーリー浜、川崎製鉄<ピテたまトロプス>たま、松下電器産業・キャニスター<おりこうファジィ>三田佳子、サントリー・鉄骨飲料<乙女のめざめ>鷲尾いさ子、日本ビクター・ムービーごっこ<ビーチ編>菊池桃子

新聞広告(1990)

JR東海<日本を休もう>、ホクレン<お待たせしました。噂のきららでご・ざいます。>、としまえん<史上最低の遊園地。>、日本電気・オフィスプロセッサ3100/3050Aシリーズ<社長!ウチもSISやりましょう。>田原俊彦、西武百貨店<わたしは行かん。>、京セラ<手塚治虫に賛成。>、キヤノン・EOS10<これは、浅井愼平さんの風景写真です。>、ボルボ・ジャパン<私たちの製品は、公害と、騒音と、廃棄物を生みだしています。>、公共広告機構<たった二羽からの提言。>、あき缶処理対策協会<あき缶。遊んでもいいけど 遊ばせないで。>、サントリー夢大賞<とんでもねえめに、あってみてえ。>、忠実屋<はじめまして、クーポン広告です。>、キリンビール・一番搾り<ああ、うれしい。>緒形拳、日立製作所・日立洗濯機<これっきりボタン>

話題のテレビ番組(1990)

○1月からスタートした「ちびまる子ちゃん」(CX系)が人気を集め、動画の視聴率としては史上最高の39.9%を記録(10.28)。社会現象となる。

○東京放送の開局40周年事業として、約50億円をかけて「宇宙特派員計画」を実施。秋山記者は、ジャーナリストとしては世界初の宇宙飛行士となり、東京放送は、連日にわたり特別番組を組んだ。

○時代劇ブーム続く-春の番組改編時には13本、秋には14本ものスペシャル番組が放映される。レギュラー番組は、リメーク、続編ものラッシュ。

○深夜帯に、各局とも意欲的に「実験番組」を投入、話題を集める-EXテレビ(NTV系)、青春!島田学校(TBS)、カノッサの屈辱、子供ほしいね(CX)、GOB(NTV)など。

○フジテレビの人気深夜番組、夜7時台に昇格-世にも奇妙な物語、やっぱり猫が好き、ものまね珍坊。

○地域の情報を地域の言葉で伝える“方言番組”、各地に定着-およねのコケコッコー(熊本放送)、美味しん坊(テレビ西日本)、19笑なまるが勝ち(青森テレビ)など。

○高視聴率を安定して獲得してきた、巨人戦ナイター中継は、ここ数年低下傾向を見せている。

○長寿番組が姿を消す-昭和40年11月スタートの「11PM」(NTV系)、昭和34年12月スタートの「兼高かおる 世界の旅」(TBS系)、昭和43年11月スタートの「夜のヒットスタジオ」(CX系)など。

NHK(1990)

《凛凛と》33.9%《京、ふたり》35.6%
〈翔ぶが如く〉23.2%

○春の番組改編から、手話を取り入れた教育テレビ初のニュース番組発足。

○NHKスペシャル「チャウシェスク政権の崩壊」「社会主義の20世紀」「銀河宇宙オデッセイ」など話題集める。

○「関東甲信越小さな旅」、ゴールデンタイムで15%前後の視聴率獲得。

流行語(1990)

ファジー、ゆらぎ、オヤジギャル、アッシーくん、バブル(経済)、ブッシュホン、貢献策、温暖化、地球環境、メセナ、ボーダーレス、車庫とばし、タテノリ、ぶっとびー、いけずゥ、新秩序、おケバ、成田離婚、ドクターK、トルネード、もっと端っこ歩きなさいよ、見逃してくれよ~、あたしゃ○○だよ~、トリカブト、人間の盾、職業選択の自由、オタッキー、あげまん、痛惜、マネー・ローンダリング、○○じぁあ~りませんか、3K、三高(身長、学歴、収入)、SIS、リンケージ

流行歌(1990)

レコード大賞:堀内孝雄<恋唄綴り>

B・B・クイーンズ<おどるポンポコリン>

歌唱賞:松原のぶえ<螢>

ボーカル賞:竹内まりや<告白>

最優秀新人賞:ヤン・スギョン 愛されてセレナーデ

新人賞:晴山さおり 一円玉の旅がらす、忍者 お祭り忍者、たま さよなら人類

おどるポンポコリン
浪漫飛行/ジェットストリーム浪漫飛行
今すぐKiss Me
さよなら人類/らんちう
OH YEAH!
Dear Friend
情熱の薔薇
くちびるから媚薬
真実の果実
イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥギャザー

○“ちびまる子ちゃん”のエンディングテーマ「おどるポンポコリン」B・B・クイーンズ、シングルで131万枚と久々のミリオンセラーとなる。

○ユーミン現象-平成元年の暮にだされたアルバム「LOVE WARS」年間で161万枚をセールス。2年暮の「天国のドア」は発売後1週間で165万枚を出荷。

○桑田佳祐初監督の映画と同タイトルのサザンオールスターズ「稲村ジェーン」も117万枚と、ミリオンセラーを記録。

○ローリング・ストーンズ、初来日。東京ドーム10回公演で55万人動員という驚異的な記録を残した。続いて、「やっと、会えるね。」とポール・マッカートニーも来日。

話題の映画(1990)

洋画
バック・トゥ・ザ・フューチャー2
バック・トゥ・ザ・フューチャー3
ダイハード2
ゴースト ニューヨークの幻
バットマン
7月4日に生まれて

邦画
天と地と
タスマニア物語
ドラえもんのび太とアニマル惑星/他
稲村ジェーン
男はつらいよぼくの伯父さん/釣りバカ日誌2
クライシス2050
オーロラの下で

○多国籍映画の台頭-「夢」黒沢明監督、アメリカ資本、ワーナーブラザーズ世界配給。「チャイナシャドー」柳町光男監督、日本資本、アメリカ、香港など多国籍のスタッフ、出演者。「菊豆」日本資本の中国映画など。

○サントリーと6つの独立プロが、配給会社「アルゴプロジェクト」設立。

ベストセラー(1990)

愛される理由
真夜中は別の顔(上・下)
「NO」と言える日本
ドラゴンクエストⅣ 公式ガイドブック(上・下)
明日があるなら
「1998年日本崩壊」エドガー・ケイシーの大予言
文学部唯野教授
恋愛論
うたかた
41歳寿命説
それでも「NO」と言える日本
日はまた沈む
国際情報JUST NOW

○二谷友里恵の「愛される理由」(朝日新聞社)がミリオンセラーに。

○CDプレーヤーの普及にともない、CDブックの刊行相次ぐ。

○地球環境問題への関心が高まり、“環境・公害問題”をテーマとした書籍も注目を集める-「キーワード事典 地球環境」中央法規出版、「地球環境報告」岩波書店、「オゾン層を守る」日本放送出版協会など。

○エコロジー運動の先駆者、南方熊楠、没後50年でブームとなる-「縛られた巨人-南方熊楠の生涯-」新潮社、「巨人伝」文藝春秋

○ジョン・レノン生誕50年で関連書の刊行相次ぐ-「誰がジョン・レノンを殺したか」音楽之友社、「ジョン・レノン家族生活」小学館など。

話題のマンガ(1990)

○マンガ界に相撲ブーム-うっちゃれ五所瓦(少年サンデー)、ももたろう(ビッグコミックスペリオール)、達麿(漫画ゴラク)、ああ播磨難(コミックモーニング)、はっけよい(少年マガジン)など。

○意味不明な四コママンガ「伝染るんです」、異常なブームを巻き起こす。

○女性の競馬ブームにのり、女性の読者に支えられて競馬マンガ誌の創刊相次ぐ-「競馬コミック」竹書房、「競馬ゴールド」日本文芸社など。

○「少年ジャンブ」年末最終号が600万部突破。

企画アリ(ビッグコミック)、心地よい戦士たち、定年諸君!(ビッグコミックオリジナル)、ZIP!(漫画アクション)、BOSS(ビッグコミックスペリオール)、はじめの一歩(少年マガジン)、沈黙の艦隊、夏子の酒(コミックモーニング)、おはようKジロー(少年チャンピオン)

ファッション(1990)

○猛暑が続いた夏に、10~20代の女性の間でソフト・キュロット、サイクリスト・パンツ、Gパンをひざ丈にカットしたものなど、ショートパンツが流行。

○ミニスカート定着。

○秋以降、ヤングファッションは、ダウンジャケット、ムートン、フィッシャーマンセーター、ピーコート、チノパンツなどの“リバカジ”リバイバル・カジュアルがブームとなる。

気象状況(1990)

○異常な暖かさが続き、「観測史上初めて」という流行語を生んだ気象記録。年平均気温も、全国主要観測地のうち43カ所で統計開始以来最高を記録。

○7月の降水量が、関東・甲信、北陸、四国の各地で平年の半分以下。平均気温も、西日本、特に九州南部で過去最高を記録し、気象庁は関東・甲信以南の地域に対し、異例の高温・少雨情報を出し、節水を呼び掛けた。

○東京の8月は猛暑となり、8月24日朝の最低気温は28.8度と観測史上最も暑い熱帯夜となる。

○久々の台風の当たり年となり、1年に6個もの台風が上陸した。また、11月30日台風28号が上陸し、観測史上最も遅い上陸台風の記録を作った。

1989年(平成元年)

経済白書 副題(1989)

平成経済の門出と日本経済の新しい潮流

経済概況(1989)

平成元年の日本経済は、設備投資と個人消費を中心とした内需拡大に支えられ、いざなぎ景気に迫る勢いともみられる力強い景気拡大を続けた。4月の消費税導入による駆け込み需要の反動が現われて、個人消費を中心に一時停滞したが、後半には持ち直した。

経済成長率 名目 7.0% 実質 4.8%
民間最終消費支出 名目 6.9% 実質 4.8%
民間企業設備投資 名目 15.1% 実質 14.5%
輸出 名目 13.0% 実質 9.1%
消費者物価    2.3%  

日本の広告費(電通調査)(1989)

○初めて5兆円を突破した。SP広告費は活発な販促活動やイベントの隆盛などを背景に力強い伸びを示す。

  億円 対前年比(%)
総広告費 50,715 (114.8)
新聞 12,725 (112.9)
雑誌 3,354 (113.2)
ラジオ 2,084 (110.9)
テレビ 14,627 (111.1)
SP 17,830 (120.2)
ニューメディア 95 (121.8)

政治・経済・業界(1989)

○昭和天皇崩御(1.7)。平成に改元(1.8)。

×第41代アメリカ大統領にジョージ・ブッシュ氏が就任(1.20)。

○銀行、郵便局など金融機関の週休2日制スタート(2.4)。

○消費税実施(4.1)。

×アメリカ通商代表部が、新通商法スーパー301条に基づき、日本を不正貿易国に指定(5.25)。

×中国・天安門事件-戒厳部隊が天安門広場のデモ隊を武力鎮圧(6.4)。

○参議院選挙で自民党大敗北。参院での単独支配が崩れる。また、マドンナ旋風にのり22人の女性候補が当選(7.23)。

○首相の交代相次ぐ-リクルート疑惑と政局混迷の責任をとり竹下首相退陣(6.2)。後継の宇野首相も参院選敗退で短命の69日政権で終わる(8.9)。初の昭和生まれの海部首相が誕生(8.10)。

×東欧に民主化の雪崩現象-ハンガリーが複数政党制を復活(2月)。ポーランドの自由選挙で「連帯」が圧勝(6月)。東ドイツが西ドイツとの国境を開放(11.9)。チェコスロバキア、一党独裁を廃止(11.30)。ルーマニア・チャウシェスク政権崩壊(12月)。また、ソ連でも民族問題が先鋭化。

×マルタ島で米ソ首脳会談が開かれ、東西冷戦の終結を確認(12.2~3)。

○景気拡大4年目に-個人消費、設備投資が高水準を維持し、国内需要も好調が続き、景気は37カ月連続で拡大局面にあると経済企画庁発表(12月)。

○1年間に3回の公定歩合引き上げ-5月31日、9年2カ月ぶりに0.75%引き上げ、以降10月11日、12月25日に0.5%ずつ引き上げ、年4.25%に。

○企業合併・買収(M&A)が話題となる-アメリカ投資家の小糸製作所株買い占め(3月)。ソニーのコロンビア映画買収(9.27)。イギリスのポリー・ペック社の山水電気買収(10.27)。三菱地所のロックフェラーグループ社買収(10.31)など。

マスコミ・広告・媒体(1989)

○天皇崩御に伴い、テレビ各局は特別番組編成を実施。民放各局は、2日間にわたるCM抜きの特別番組編成となる(1.7~8)。また、「大喪の礼」当日もCM抜きの特別番組を実施(2.24)。

○郵政省が高度映像都市(ハイビジョンシティ)構想のモデル都市として、名古屋市など13地域を指定(3.23)。

○東京放送は、番組の販売・購入、イベントの開催・放映権の獲得などのために、ニューヨーク現地法人「東京放送インターナショナル」設立(4.1)。

○第2KDDの日本国際通信(4.1)、国際デジタル通信(5.1)がサービスを開始。

○全国銀行協会連合会が銀行の新聞・雑誌広告の規制を緩和(6.1)。

○NHKの衛星放送の本放送がスタート(6.1)。8月1日から有料となる。

○民間通信衛星の「JC-SAT1号」(日本通信衛星)(3.6)、「スーパーバードA」(宇宙通信)(6.5)が打ち上げられる。これを利用して、民放各局では、サテライト・ニュース・ギャザリング(SNG)システムの運用を開始。

○民放各局、クリアビジョンの本放送を開始(8月)。

○CATV向け番組供給会社「衛星チャンネル」が通信衛星「スーパーバードA」を使用し、番組提供を開始(10.1)。

○幕張メッセがオープン(10.26)。

○広告会社の海外拠点づくりが進行-電通スペイン(1月)、電通バーソン・マーステラ(1月)、博報堂UK(5月)、博報堂フランス(6月)、電通オーストラリア(12月)、HDM韓国(12月)を設立。

○全国38市が市制百周年を迎え、世界デザイン博(名古屋市)、アジア太平洋博(福岡市)、横浜博など15地方博が各地で開催された。

媒体の発足(1989)

○テレビ北海道(TVH)、テレビユー山形(TUY)、熊本朝日放送(KAB)10.1開局。

○NHK衛星放送、本放送を開始(6.1)。

○エフエム山形4.1、エフエムはちまるに6.1、エフエムサウンド千葉10.1開局。

○女性誌の創刊相次ぐ-「Miss家庭画報」世界文化社3.28、「Caz」扶桑社4.26、「CLiQUE」マガジンハウス6.5、「ヴァンテーヌ」婦人画報社9.12、「SPUR」集英社9.22、「ル・クール」学研9.28、「CREA」文芸春秋11.7、「any」西武タイム11.9など。

○個性的な男性誌-「月刊ASAHI」朝日新聞社5.8、「SAPIO」小学館5.25、「週刊テーミス」学研6.21、「サライ」小学館9.7、「ガリバー」マガジンハウス10.18、「03」新潮社11.2。

○テレビ局数106局(3局増)

○ラジオ局数80局(3局増)

○創復刊誌112誌、休廃刊誌56誌

媒体普及率(1989)

テレビ契約数 32,839,193
(うち、カラー) (31,289,438)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 99.3%
(VTR普及率) 63.7%

(消費動向調査)

○衛星放送契約件数831,987件(12月末現在 NHK調)

国内10大ニュース(1989)

○昭和天皇崩御(1.7)、平成スタート(1.8)

○消費税スタート(4.1)

○参議院選挙で与野党逆転(7.23)

○幼女誘拐殺人犯を逮捕(8.10)

○美空ひばりさん死去(6.24)

○リクルート事件で逮捕者相次ぐ(2.13~3.28)

○岩戸景気に迫る好景気

○礼宮さま、川嶋紀子さんと婚約(9.12)

○政治不信で竹下、宇野、海部と政権交代

○アメリカ政府、包括通商法スーパー301条を日本に適用(5.25)。日米構造協議始まる(9.4)

海外10大ニュース(1989)

×中国天安門流血事件、民主化運動弾圧(6.4)

×東欧、激動の民主化。「ベルリンの壁」崩壊

×米ソ首脳、マルタで会談。冷戦終結宣言(12.2~3)

×サンフランシスコでマグニチュード7.1の大地震(10.17)

×ソ連ゴルバチョフ書記長、訪中。関係正常化へ(5.15~18)

×地球環境問題が国際課題となる

×ブッシュ政権発足(1.20)

×ソ連軍、アフガニスタンから撤退完了(2.15)

×イランの最高指導者ホメイニ師死去(6.3)

×アメリカの惑星探査機ボイジャー2号、海王星に最接近(8.25)

世相・風俗(1989)

○NEW SPACEのオープン相次ぐ-横浜アリーナ(4.1)、MYCAL 本牧・アポロシアター(6.2)、Bunkamura(9.3)、横浜ベイブリッジ(9.27)、幕張メッセ(10.9)、葛西臨海水族園(10.10)など。

○大学・短大卒の新規女子就職者数、初めて男子を上回る。

○5月以降、ベトナムからの難民船が次々に九州に漂着。大半が、中国から出稼ぎに来た偽装難民と判明。また、観光ビザなどで入国している不法就労者の摘発も相次ぐ。

○幼女連続誘拐殺人事件、女子高生コンクリート詰め殺人事件、ウサギ惨殺事件など、猟奇事件が続いた。

○高級化する消費市場に対応するため、百貨店のリニューアル相次ぐ。

消費税実施、参院選保革逆転、内定切り、1円玉落札、吉野ケ里ブーム、究極の選択、W浅野ブーム、昼シャン、Hanako族、クロワッサン症候群、パソコン売春、帰宅拒否症、ほたる族、ウルトラマン再ブーム、おたく族、初のみどりの日(4.29)、相互銀行の普通銀行転換

消費者・住民運動・公害(1989)

○二酸化炭素など温室効果ガスによる地球温暖化、フロンガスによるオゾン層破壊、酸性雨による自然生態系への影響など、地球環境問題が国際課題としてクローズアップされる。

○オフィスオートメーションの普及により、コピー用紙やコンピューター記録紙などオフィス用紙の需要が急増し、都会での紙ゴミが社会問題となる。

○各地でゴルフ場開発が乱立するなか、ゴルフ場で使用される農薬による水質汚染が問題となる。

×アメリカで操業中のランチョセコ原発、住民投票で閉鎖が決定(6.6)。

時の商品・新製品(1989)

○“自分のライフスタイル”を求めたパーソナル商品がヒット-小型カメラ一体型VTR、ニュースポーツカー、コードレス多機能電話機など。

○便利さを追求する傾向が強まる-省スペースミニコンポ、ゲームボーイ、大型カップめん、大型全自動洗濯機、大型冷蔵庫、セカンド冷蔵庫、インスタントパスタ、深夜バスなど。

○高性能・高品質の新製品続々登場-重低音再生・高画質大型カラーTV、ブック型パソコン、高性能・目的別フィルムなど。

○本物志向、一段と強まる-高級大型乗用車、豪華客船でのクルージング輸入車、北米輸入住宅、留学ビジネス、ヘリコプター利用ビジネスなど。

○ナチュラル&ヘルシー志向-はちみつレモン飲料、機能性飲料、朝シャンタオル、抗菌・防臭ブラウス、ストレス解消グッズなど。

○金宝飾品、皮革、ワインなどで空前のイタリアンブーム。

○その他の注目を集めた商品-テトリス、脱フロン商品、フラワーロック、小口MMC、食用花、カラー複写機、バットマングッズ、カラー液晶ラッブトップ型パソコン、長距離高速バス、ティファニー、トマト銀行など。

テレビCM(1989)

三共・リゲイン<24時間戦エマスカ!>時任三郎、JR東海<ハックルベリーエクスプレス>、学生援護会・DODA<鼻歌編・足かけ編>大地康雄、イッセー尾形、学生援護会・サリダ<公園編>芳本美代子、本木雅弘、ミツカン・ミツカン酢<ハナターカダカ>とんねるず、ソニー・ハンディカム55<パスポートサイズ>浅野温子、サントリー・生ビール<空飛ぶクジラ>、サントリー・鉄骨飲料<陽気な乙女編>鷲尾いさ子、国際デジタル通信<あちらよりは23%安い>イッセー尾形、大阪府<迷惑駐車>、住友金属<遊びゴコロ・カンパニー>山瀬まみ、日本国際通信<CALL ME>、松下電器産業・愛妻号Day<シンバル編>、日本ビクター・VHSムービー<ちょっと高いですよ>小松政夫、イッセー尾形、明星食品・えびワンタンめん<パパになったウルトラマン>

新聞広告(1989)

旭化成工業・デュークス<主婦は家にいない>、政府広報<もう一度、お話させてください。消費税について。>橋本龍太郎、日清食品・カップヌードル<ちからこぶる。>アーノルド・シュワルツェネッガー、新日鉄<生きることの、すべてに。>シガニー・ウィーバー、川崎重工<変わっていく私を、見つめてください。>宮沢りえ、幕張メッセ・オープン告知<日本は幕張メッセのある国です。>、キヤノン・ピクセル・デュオ<カラーステーション宣言>、トヨタ・セルシオ<この車から、クルマが変わります>、日産自動車・インフィニティQ45<きっと、日本が変っていく。>、世界デザイン博覧会・オープン告知<世界のデザイン、名古屋に野放し。>、東急広報委員会・Bunkamuraオープン告知<心が、でんぐりがえる。>、日本電信電話グループ<地球の言葉を、探したい。>

話題のテレビ番組(1989)

○深夜番組、ヤング・深夜族を中心に話題を集め、大企業のスポンサーも定着し始める-朝まで生テレビ、PRE・STAGE(ANB)、やっぱり猫が好き、いきなりフライデーナイト(CX)、平成名物TV・イカすバンド天国(TBS)、禁断!イモリ帝国(NTV)など。

○子ども向けアニメ、リメーク版が相次ぎ登場-ひみつのアッコちゃん、おそ松くん(CX系)、悪魔くん、魔法使いサリー(ANB系)、ジャングル大帝(TX系)など。

○「関口宏のサンデーモーニング」(TBS系)を追って、日曜日の午前中に情報番組が相次ぎ登場-サンデープロジェクト(ANB系)、中村敦夫のザ・サンデー(NTV系)、噂の!東京マガジン(TBS系)、フジ系は土曜日の午前中に「THE WEEK」を投入。

○「昭和」の終わった節目として、8月に終戦関連番組増えるシリーズ真相(ANB系)、ドキュメント'89「語り継ぐ戦争」、リトルボーイ・リトルガール(NTV系)、翔べ!千羽鶴(TBS系)、託す広島へのメッセージ(CX系)など。

○とんねるずの「とんねるずのみなさんのおかげです」「ねるとん紅鯨団」(CX系)高視聴率をマーク。

○視聴者の多様化が進み、音楽番組の地盤沈下が目立つ-12年間続いた「ザ・ベストテン」(TBS系)9月で終了。「夜のヒットスタジオ」(CX系)2時間枠を1時間に縮小。「ヒットスタジオN&R」「インターナショナル・ヒットスタジオ」が分割新設される。

○昭和31年から続いてきた民放テレビ全局共通の年越し番組「ゆく年くる年」各局独自の番組となる。

NHK(1989)

《青春家族》37.8%《和っこの金メダル》33.1%
〈春日局〉32.4%

○「NHK特集」が終了、「NHKスペシャル」として生まれ変わる。放送時間を固定しない編成とし、美空ひばり追悼番組、消費税討論番組など話題を集める。

流行語(1989)

セクシャルハラスメント(セクハラ)、山が動いた、平成、三点セット、消費税、ケジメ、トレンディー、マドンナ旋風、オバタリアン、オジンギャル、けばい、水っぽい、バイリンギャル、お局(つぼね)さま、アッシー、みつぐ君、つくしん坊、デューダする、DEWKS、平成貴族、時短、3K(汚い、きつい、危険)、フリーター、イカ天、ホコ天、ファジー、24時間戦えますか、濡れ落ち葉、そこまでいう、来てます、ツーショット、グッドですよ、ディベート、イケイケ、こんなん出ましたけど~、Mr.レディ

流行歌(1989)

レコード大賞:WINK<淋しい熱帯魚>

歌唱賞:石川さゆり<風の盆恋歌>

最優秀新人賞:マルシア ふりむけばヨコハマ、

新人賞:尾鷲義人、川越美和、香田 晋、田村英理子

Diamonds
世界でいちばん熱い夏
とんぼ
太陽がいっぱい
愛がとまらない
恋一夜
淋しい熱帯魚
嵐の素顔
黄砂に吹かれて
涙をみせないで
地球をさがして

バット・ダンス

○インディーズ系の活躍でロックバンドがブームに-BAKUFU-SLUMP、THE BLUE HEARTS、PERSONZ、Xなど。

○国民的歌手“歌謡界の女王”美空ひばりさん死去。レコード店に記念盤を求めるファンが殺到、“ひばりフィーバー”盛り上がる。

○リメーク曲のヒット相次ぐ-「夢の中へ」斎藤由貴、「17才」森高千里、「エリー・マイ・ラブ」レイ・チャールズ、「涙の太陽」田中美奈子など。

○料理やファッションの世界に広がったエスニックブームが、音楽でも話題を集める-モリ・カンテ、ジブシーキングス、マハラティーニ&マホテラ・クイーンズ、オルケストル・ルンバ・ライなど。

話題の映画(1989)

洋画
インディ・ジョーンズ最後の聖戦
レインマン
カクテル
ロジャーラビット
ブラックレイン

邦画
魔女の宅急便
ドラえもんのび太の日本誕生/他
オルゴール
利久
男はつらいよ寅次郎サラダ記念日/釣りバカ日誌
226
座頭市

○日本ビクター、徳間グループ、学研、NHKエンタープライズなど、大企業による海外映画への制作出資が相次ぐ。また、ソニーのコロンビア映画買収も話題を集める。

○松田優作、ガンで死去。

○ル・シネマ1、2、キノ青山など、ミニシアターの開館相次ぐ。

ベストセラー(1989)

TUGUMI
キッチン
消費税こうやればいい
時間の砂(上・下)
白河夜船
うたかた/サンクチュアリ
哀しい予感
消費税 実務と対策はこうする
ノルウェイの森
人麻呂の暗号
ドラゴンクエスト3公式ガイドブック
パイナップリン
ホーキング・宇宙を語る
ラッフルズホテル
下天は夢か

○若い女性に支持され、“吉本ばななブーム”盛り上がる-「キッチン」「TUGUMI」など計6点で500万部の売れ行き、ベストセラー部門の上位を独占する勢いとなる。

○「昭和二万日の全記録」講談社、「昭和史全記録」毎日新聞社、「写真集昭和天皇」朝日新聞社など、昭和、天皇関係の企画相次ぐ。

○前年の「大辞林」に続き、講談社が「カラー版 日本語大辞典」を発刊、年内で80万部の売れ行き。

○「知恵蔵」朝日新聞社が創刊、「現代用語の基礎知識」「イミダス」と現代用語三つ巴の戦いとなる。

話題のマンガ(1989)

○「火の鳥」「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」など、数々の名作を残した漫画家・手塚治虫氏死去(2.9)。

○レディスコミック誌、創刊ラッシュ-「CHATON」バンダイ、「ザ・マーガレット」集英社、「レディスコミックSARA」主婦と生活社、「Young Jour」双葉社など。

票田のトラクター、MASTER キートン(ビッグコミックオリジナル)、あんたの代理人(ビッグコミックスペリオール)、ドトウの笹口組、右曲りのダンディー(コミックモーニング)、恋の街東京、Dr.タイフーン(漫画アクション)、雲盗り暫平(リイドコミック)、柔道部物語(ヤングマガジン)、拳児、うっちゃれ五所瓦(少年サンデー)、DRAGON QUEST(少年ジャンプ)、板前鬼政、静かなるドン(漫画サンデー)、ちびまる子ちゃん(りぼん)、悪女(BE LOVE)

ファッション(1989)

○輸入ジーンズに、夏は綿シャツ、冬はラムウールセーター、革のハーフコートを中心にした、高級カジュアル「渋カジ」がヤングの間で流行。

○エスニックブームで、スパイシーカラーのバンダナハット、プリントシャツが人気を集める。

○ダナ・キャランの新ブランド「DKNY」、キャリア女性を中心に急速に人気を伸ばす。

○新素材の開発により、ポリエステルを中心とする合繊の人気が復活。

○イタリアン・ファッションがブームのなか、サラリーマンのビジネススーツにも、ソフトスーツが浸透。

気象状況(1989)

○3年続きの暖冬となる-1月の月平均気温は全国的に高く、2月、3月も北海道、東北地方を中心に高い気温となる。

○年平均気温も全国的に平年より高く、北海道、東北、九州などで観測開始以来の記録を更新した。

○6月から9月にかけて、5個の台風が日本に上陸、久しぶりの台風の当たり年となる。

○伊豆半島東方を中心に5月から群発地震が活発化し、7月13日伊東市沖で大規模な海底噴火が発生。市民の避難騒ぎが各所で起こる。

1988年(昭和63年)

経済白書 副題(1988)

内需型成長の持続と国際社会への貢献

経済概況(1988)

昭和63年の日本経済は、円高・原油安の効果により物価が安定し、企業も円高に対する抵抗力がついたことにより、62年の景気リーディング要因であった公共投資、建設需要にかわり、個人消費と設備投資を中心とした民間主導型内需に支えられて景気拡大が続き、近年まれにみる好景気を示した。

経済成長率 名目 6.9% 実質 6.2%
民間最終消費支出 名目 5.8% 実質 5.3%
民間企業設備投資 名目 13.9% 実質 14.7%
輸出 名目 3.5% 実質 5.9%
消費者物価    0.7%  

日本の広告費(電通調査)(1988)

○広告費は、9年ぶりの2ケタ成長となる。特に、新聞とテレビの活況が高成長に寄与。

  億円 対前年比(%)
総広告費 44,175 (112.0)
新聞 11,267 (114.0)
雑誌 2,962 (114.9)
ラジオ 1,879 (108.8)
テレビ 13,161 (112.1)
SP 14,828 (110.3)
ニューメディア 78 (109.9)

政治・経済・業界(1988)

○1月1日現在の地価公示によると、東京圏住宅地の前年上昇率が68.6%で地価公示史上最高を記録(国土庁調べ)。

○世界最長の青函トンネル(58.85km)が開業(3.13)。

○少額貯蓄非課税制度(マル優)が、65歳以上の高齢者など一部の人を除き、原則廃止、預金利子に一律20%が課税(4.1)。

○世界最長の道路・鉄道併用橋の瀬戸大橋が開通(4.10)。

○牛肉・オレンジの輸入自由化をめぐる日米交渉は、日本が平成8年から自由化することで妥結(6.20)。

×第24回オリンピック大会が韓国・ソウルで開催される(9.17~10.2)。

12年ぶりに東西各国がそろい、過去最高の160ヵ国・地域が参加。

○天皇陛下が吐血され容体が急変(9.19)。国事行為を皇太子に全面委任。一般記帳を開始(9.22)。

×アメリカ大統領選挙で共和党のブッシュ候補が民主党のデュカキス候補を破って当選、第41代大統領に。上下両院選挙では民主党勝利(11.8)。

○竹下首相は、新行革審に対し「ふるさと創生」を進めるため、国と地方の関係を機能分担や財政負担などの面から見直すよう諮問した(12.21)。

○「消費税」の導入を軸とする税制改革関連6法案が成立(12.24)。

○円は年初に瞬間値で1ドル=120.45円の最高値をつけ、平均株価も12月には3万円の大台を突破するなど、日本経済の絶好調ぶりが際立った。

○株疑惑続発-JR川崎駅前進出のリクルートコスモスが、川崎市助役に未公開株を譲渡し巨額を稼がせたことが明るみに出たのがきっかけとなり、政治家、官僚、財界人、マスコミ関係者にまで汚染が広がっていることが判明。その他、「明電工事件」、「新日本製鉄と三協精機製作所の提携に絡むインサイダー取引事件」など相次いだ。

マスコミ・広告・媒体(1988)

○日本電信電話は、総合デジタル通信網(ISDN)サービスを東京、名古屋、大阪で開始(4.19)。

○国際広告会社賞に電通が日本初受賞(5月)。

○中部読売新聞社は、読売新聞社と合体、読売新聞中部本社として発足(6.1)。

○エフエム東京、日本初のFM音声多重放送を開始(8.1)。

○公正取引委員会は「雑誌のクーポン広告」についてのガイドラインを発表。不当廉売、不当表示に該当しない限り、どのような割引率、割引額の値引きクーポンでも発行できる、などの内容(8.29)。

○ハイビジョン推進協議会は、ハイビジョン・デモンストレーションとして、ソウル・オリンピックの実況中継を実施(9.27)。

○郵政省は、地方博覧会などの催しに臨時の放送局設置を認めた「イベント用放送局の免許方針」を決定(10.14)。

○電通とY&R、ユーロコム3社合併による世界ネットワーク「HDM」は、台湾に「HDM台湾」を設立(10月)。

○自粛ムード広がる-天皇陛下の容体を気遣い、企業や自治体のイベントに中止が相次ぎ、CMの差し替えなども行われる。

○地方博が大ブーム-地域活性化のため地方博が全国各地で相次いで開催され話題を集める。

○文字放送に明るさ-文字放送専門局10社の62年度決算によると、営業収入は約20億円に達し、前年度比31%増と順調な伸びを示し、経常損益も4社が初の黒字を計上。

○大規模チャンネル型CATV(都市型CATV)、前年に続きこの年も開局ラッシュ-インターナショナルケーブルネットワーク(3.1)、札幌ケーブルテレビジョン、近鉄ケーブルネットワーク、文京ケーブルネットワーク(4.1)、横浜ケーブルビジョン(4.2)、八王子テレメディア(10.1)。

○サントリーが「文藝春秋」12月号に音の出る広告を日本で初めて掲載。

媒体の発足(1988)

○FM5局が発足-エフエム香川4.1、エフエム富士8.1、長野エフエム放送、エフエムジャパン10.1、エフエム埼玉10.31開局。

○女性誌創刊ラッシュ-働く女性向け情報誌「日経Woman」日経ホーム出版4.7、「Hanako」マガジンハウス5.26、「She's」主婦と生活社6.27、「Caraway」文化出版局10.27など。

○モノマガジンの創刊も相次ぐ-「B-TOOLマガジン」ナツメ社3.17、「Goods Press」徳間書店9.26、「Begin」世界文化社10.14など。

○ニュース週刊誌「AERA」朝日新聞社5.17創刊。

○「婦人倶楽部」「平凡パンチ」など廃刊。

○テレビ局数103局

○ラジオ局数77局(5局増)

○創復刊誌131誌、休廃刊誌79誌

媒体普及率(1988)

テレビ契約数 32,396,565
(うち、カラー) (30,691,653)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <99.0%>
VTR普及率 <53.0%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1988)

○青函トンネル開業(3.13)

○東京ドームが完成(3.18)

○少額貯蓄非課税制度(マル優)が廃止(4.1)

○瀬戸大橋開通(4.10)

○海上自衛隊の潜水艦「なだしお」が衝突、死者30人(7.23)

○ソウル・オリンピック開催、日本は不振(9.17~10.2)

○藤ノ木古墳で考古学的に重大な発見(10.8)

○地方博が大ブーム

○天皇陛下の容体悪化、緊迫した事態が続く

○リクルート疑惑、政財界に吹き荒れる

海外10大ニュース(1988)

×アフガニスタン問題で和平合意調印とソ連軍の撤退開始(5.15)

×米ソ首脳会談と中距離核廃棄条約の発効(6.1)

×ペルシャ湾で米艦がイラン旅客機撃墜(7.3)

×イラン・イラク戦争8年ぶり休戦(8.20)

×チリでピノチェト大統領の続投に不信任(10.1)

×米大統領選挙でブッシュ副大統領勝利(11.8)

×PLOが国家樹立宣言(11.15)

×搭乗機爆発でハク・パキスタン大統領死亡、ブット女史首相就任(12.1)

×ゴルバチョフ書記長の支配体制強化と改革キャンペーン

×ソ連で民族抗争

世相・風俗(1988)

○“ハナモク”が盛況-定休日を木曜日から火・水曜日に移す百貨店、木曜日の売り上げが伸びた飲食店、ディスコ、タクシー業界など。

○天皇陛下の容体急変で「自粛」ムードが支配-タレントの結婚式、各種団体の行事・催し物、スポーツの応援、優勝の祝賀、バーゲンセールにいたるまで「自粛」が相次ぎ、これに対する反発もあった。

○青函トンネル・瀬戸大橋開通で日本列島が陸続きとなる。

地方博ブーム、シーマ現象、超高級品ブーム、M&A、DINKS、東京ドーム完成、横綱千代の富士・史上2位の53連勝、プロ野球の南海・阪急が相次いで身売り、村上春樹ブーム、アグネス論争、オバタリアン、ボディコン、潔癖症候群、クロワッサン症候群、玉の輿症候群、逆・玉の輿症候群(マスオさん現象)、深夜バス、ムーンライター(ダブル就業)、エスニックブーム、カウチポテト族、私生活至上主義、コインシャワー、リクルート疑惑

消費者・住民運動・公害(1988)

○主婦層を中心とした新しい反原発運動が台頭-広瀬隆氏の「危険な話」などの著書や講演活動が原動力となり、反原発運動を主婦や若者を含む一般市民にまで広げて、「ヒロセタカシ現象」を生んだ。これにより、東京日比谷公園で開かれた「原発をとめよう1万人行動」には2万人が参加(4月)。

○スパイクタイヤ粉じん公害をめぐり、国の機関「公害等調整委員会」で調停が成立。メーカー7社は平成2年末までにスパイクタイヤの製造を中止、3年3月末までに販売を中止、特例は一切認めないなどの内容(6.2)。

時の商品・新製品(1988)

○快適さを目指し、それぞれのライフスタイルに合わせた商品が続々登場-リゾートマンション、高級輸入家具、朝シャンCLUB、木造3階建て住宅、温水洗浄便座、雨センサー付き物干し。

○ハイテクを駆使して家電品リニューアル-コードレスアイロン、大型冷蔵庫、カメラ一体型VTR、ラップトップパソコン、ビデオウォークマンノートワープロ、多機能電話、静止画TV電話、コードレス電話。

○高級・高額商品売れる-上級小型車、ミノルタα-7700i、ズーム付きコンパクトカメラ、オリエント急行日本一周、船上パーティサービス。

○新しいサービスが、この年も続々登場-ハウスクリーニングサービス、24時間営業の語学学校、クール宅急便、国際宅急便、駅ビジネス。

○注目された商品-ドライビール、高級パンティストッキング、ファイブミニ、シーマ、逆輸入車、インポートブランド(シャネル、グッチなど)、電子手帳、NIES製品、ミニ四駆、宝飾品、ドラクエ3、カラクリ時計。

○新登場した商品-フロッピーカメラ、女性向けKIOSK、一局専用カードラジオ、厚ラケ、生クリームチョコレート、ダックスボイス。

テレビCM(1988)

日産自動車・セフィーロ<くうねるあそぶ>井上陽水、大塚食品・ファイブミニ<やまだかつてない>山田邦子、川崎製鉄<チャレンジ>小倉久寛、中外製薬・グロンサン強力内服液<5時から男>高田純次、国際電信電話<人の間に>オノ・ヨーコ、ショーン・レノン、大日本除虫菊・キンチョウゴン<春に入れたら秋に買う>ちあきなおみ、民放テレビ103社<ソウルフル・TV>、森永製菓・チョコボール<かるがも>とんねるず、ワーナーランバート・クロレッツ<電車篇・スキ>岡本麗・尾美としのり、フジッコ・つけもの百選<しば漬けたべたい>山口美江、松下電器産業・マックロードCムービー<ネクタイとってくれ>泉谷しげる、セブンイレブン<よいことのある帰り道>、三菱電機・エアコン霧ケ峰<風呂上がり>小泉今日子、JR東海<距離に負けるな、好奇心>

新聞広告(1988)

川崎西武百貨店・オープン告知<川崎事件>、川崎製鉄<Kawasaki Steelby Junko Koshino>、角川書店・ピーチ創刊<女のアソビジョン>、日本電気・パーソナルコンピューター<これからは、英語より大切かもしれない>斉藤由貴、サッポロ・生ビール<サッポロドライだ、さらりと切れる。>、サントリー・モルツ<ドライなビールではありません。>、山一證券・ファミコン株式投資<ピピッと株式、ファミコンで。>山崎努、旭化成工業・旭化成ホームズ・ヘーベルハウス<スーパー長女現象。>、ツムラ<エー津村順天堂の名前が変わりました ツムラ君をよろしく 伊丹十三>、松屋<花の木曜開く。>、丸井<毎日がリボンの日>、JR東日本<人に、新しいストーリー。>、としまえん<今年は渋谷をヒマにします。>、松下電器産業・More<正しい選択です。>、AGF<生豆>

話題のテレビ番組(1988)

○9月17日~10月2日の16日間にわたってソウル・オリンピックが開催され、各放送局で放映されたオリンピック番組は延べ293時間11分におよんだ。

○日本テレビは開局35周年記念として、世界最高峰のチョモランマ(エベレスト)頂上からの衛星生中継に世界で初めて成功。日本を含む世界6ヵ国で同時放送される(5.5)。

○日本テレビの「ニュースプラス1」がリクルートコスモスの国会議員への“贈賄工作”現場のスクープを放送(9.5)。

○低迷を続けてきたドラマに復活の兆し-恋人も濡れる街角、もっとあぶない刑事(NTV系)、抱きしめたい、君が嘘をついた、教師びんびん物語(CX系)、時間ですよたびたび、若奥さまは腕まくり!、3年B組金八先生、とんぼ(TBS系)など話題を集めるドラマが続いた。

○時代劇も復活の兆し-長七郎江戸日記(NTV系)、大岡越前、水戸黄門(TBS系)、名奉行遠山の金さん(ANB系)などが15~20%の安定した視聴率を挙げる。

○10月の番組改編では、クイズ番組の新設が相次ぐ-クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!、クイズ!!体にいいTV(NTV系)、クイズ年の差なんて(CX系)、石坂浩二の世界うらも・おもても、クイズおもしろ料理館(ANB系)など。

○前年のフジテレビ、東京放送の連日終夜放送開始に続き、10月から日本テレビ、テレビ朝日も連日の終夜放送に踏み切る。番組内容も、映画や外国ドラマ再放送から、音楽ライブ、スポーツ、討論番組など多様化してきた。

○東京オリンピックの年にスタートした人気音楽番組「ミュージック・フェア」(CX系)が放送1,200回を迎える(3.27)。

NHK(1988)

《ノンちゃんの夢》39.1%《純ちゃんの応援歌》38.6%
〈武田信玄〉39.2%

○「武田信玄」は大河ドラマ史上2位の高視聴率39.2%を挙げる。

○4月、22本の新番組を含む大幅番組改編。ニュース枠を大変革。

流行語(1988)

今宵はここまでにいたしとうござりまする、ペレストロイカ、5時まで男・5時から男、しょう油顔・ソース顔、カイワレ族、一村一品、ドライ、自粛、御記帳、Xデー、フリーター、プータロー、ドーピング、ハッカー、DINKS、WW(ワーキング・ウーマン)、ウォーターフロント、バイオテクノロジー、そりゃあもう大さわぎさ、まあ~い、のりピー語、茶魔語、逆輸入、ゲロゲロ、インサイダー(取引き)、NIES、カウチ・ポテト、だう~ん、オバタリアン、イチゴ世代、みなさ~ん お元気ですか

流行歌(1988)

レコード大賞:光GENJI<パラダイス銀河>

歌唱賞:島倉千代子<人生いろいろ>

最優秀新人賞:男闘呼組 DAY BREAK

新人賞:相川恵理、香西かおり、仲村知夏、BUCK-TICK、大和さくら

パラダイス銀河
ガラスの十代
Diamond ハリケーン
DAY BREAK
乾杯
MUGO・ん…色っぽい
剣の舞
ANGEL
人魚姫
You Were Mine
吐息でネット

○“純愛”をテーマにした松任谷由美の新作「Delight Slight Light KISS」は発売後わずかで100万枚をセールス。

○外有名歌劇団の来日相次ぎ、オペラブーム。本場に比べ3~4倍高いチケットも即時完売の異常さ。

○ミック・ジャガー待望の初来日。

○おじさんパワー大挙来日-ビリー・ジョエル、ボズ・スキャッグス、アート・ガーファンクル、ブルース・スプリングスティーン、エリック・クラプトン、チック・コリアなど。

話題の映画(1988)

洋画
ラストエンペラー
ランボー3
危険な情事
ウィロー
ニューヨーク東8番街の奇跡
怒りのアフガン

邦画
敦煌
優駿
いこかもどろか
あぶない刑事/七福星
どらえもん・のび太のパラレル西遊記/他

○マルチスポンサー映画が登場-「敦煌」(電通、丸紅他)、「マリリンに逢いたい」(三菱商事、第一企画他)、「アキラ」(講談社、住友商事、バンダイ他)など。○坂本龍一、アメリカアカデミー作曲賞受賞。

○坂本龍一、アメリカアカデミー作曲賞受賞。

ベストセラー(1988)

こんなにやせていいかしら
ノルウェイの森(上・下)
ゲームの達人(上・下)
私の人間学(上・下)
裕さん、抱きしめたい
ダンス・ダンス・ダンス
金子信雄の楽しい夕食
頭が突然鋭くなる右脳刺激法
あなはた3日間で巨人軍と別れられる
十津川警部の挑戦
危険な話
トパーズ
たかが江川されど江川

○「キッチン」の吉本ばなな、「遠い海から来たCOO」の影山民夫、「尋ね人の時間」の新井満、「ノーライフキング」のいとうせいこうなど、新しい書き手が続々台頭。各賞を受賞した。

○三省堂が「大辞林」を発売、わずか2週間で18万部を売る。「広辞苑」を上回る22万語を収録、“読める辞書”で百科辞典化。

○天皇・昭和史を扱った書籍多数。

○マガジンハウスが書籍部門に進出。1月、椎名誠「長く素晴らしく憂鬱な一日」等10点を一挙刊行。

話題のマンガ(1988)

○マンガでサントリー、本田技研工業、電通、味の素、住友生命、三井物産など人気企業を紹介した企業コミックの出版相次ぐ。

○オバさんの生態を描いたマンガ「オバタリアン」(竹書房刊)が人気。

○「少年ジャンプ」年末最終号で500万部を発行。同じく「少年マガジン」240万部、「少年サンデー」140万部、「少年チャンピオン」120万部を発行し、少年週刊誌1,000万部時代に入る。

味いちもんめ(ビッグコミックスペリオール)、明日カップイン(ビッグコミックオリジナル)、総務部総務課 山口六平太、カムイ伝(ビッグコミック)ツヨシしっかりしなさい(コミックモーニング)、ファンシーダンス(プチフラワー)、鉄拳チンミ(月刊少年マガジン)、マドンナ(ビッグコミックスピリッツ)、孔雀王、押忍!!空手部(ヤングジャンプ)、名門!第三野球部(少年マガジン)、遥かなる甲子園(漫画アクション)

ファッション(1988)

○春先から一大ひまわりブーム。

○DCブランドに変わり、シャネル、グッチ、ヴィトンなどのインポートブランドに人気が集まる。

○ボディコンファッション、ブームは終わったといわれながらも花盛り。

○若者のファッションやライフスタイルをテレビタレントがリード-松田聖子「フローレスセイコ」が火つけ役となりタレントキャラクターブランド(TCブランド)が多数登場。

○冬には女性に黒の皮ジャンブーム。

気象状況(1988)

○63年の気象は、暖冬、長梅雨、日照不足など異常気象に悩まされた1年であった。

○1月は2年続きの暖冬となったが、2月からは寒さがもどり、3月以降春季は多雨で寒暖の変化が激しく、サクラの開花も3~7日遅れた。

○関東および東北地方の太平洋側で季節外れの大雪が降り、東京で9cmの積雪を記録(4.7~8)。

○梅雨入りは平年並だったが、北日本、東日本は曇りや雨の日が多く、低温と日照不足となり、梅雨明けも大幅に遅れた。

○8月に入ると夏らしい天候となるが、中旬には太平洋側地方では熱帯低気圧が次々に通過、9月も秋雨前線が南岸に停滞し曇りや雨の日が続き、東京では9月の雨なし日が2日で、日照時間も平年の3分の1となる。

1987年(昭和62年)

経済白書 副題(1987)

進む構造転換と今後の課題

経済概況(1987)

昭和62年の日本経済は、物価が安定し個人消費、住宅投資など国内民間需要の堅調な伸びに支えられ、回復から拡大局面に入った。また、企業活動も生産、収益とも回復を示し、設備投資も非製造業、製造業とも上向きに転じた。政府の内需主導型成長政策への転換によって、経常収支黒字は減少をたどった。

経済成長率 名目 4.3% 実質 4.2%
民間最終消費支出 名目 4.7% 実質 4.2%
民間企業設備投資 名目 4.4% 実質 5.9%
輸出 名目 -4.9% 実質 0.5%
消費者物価    0.1%  

日本の広告費(電通調査)(1987)

○停滞していた広告費は、上昇傾向となる。

○各媒体は回復ないし拡大傾向を示す。

  億円 対前年比(%)
総広告費 39,448 (108.1)
新聞 9,882 (108.1)
雑誌 2,577 (108.2)
ラジオ 1,727 (105.8)
テレビ 11,745 (107.7)
SP 13,446 (108.8)
ニューメディア 71 (134.0)

政治・経済・業界(1987)

×61年末のアメリカの対外債務残高が、60年末より2.4倍の2,636億ドルにのぼり、アメリカは世界最大の債務国に転落(アメリカ商務省発表)。

○日本電信電話(NTT)株が上場(2.9)。

○日銀は2月23日公定歩合を引下げ(3.0%→2.5%)、史上最低に。

○国鉄分割・民営化(4.1)。

×アメリカ政府は、日米半導体協定を日本が順守していないことを理由に、通商法301条(不公正貿易慣行に対する対抗処置)に基づいて、戦後初めての本格的な対日経済措置を取る(4.17)。

○東芝機械がココム(対共産圏輸出統制委員会)規則に違反したとして、警視庁が捜索(4.30)。親会社・東芝の社長と会長の辞任にまで発展(7.1)。

○売上税関連法案が廃案となる(5.12)。

○基準地地価が東京都内で1年間に85%強の高騰となり、坪1億円以上の評価地が、銀座、新宿で登場(国土庁発表、7.1)。

×ニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価が、1929年の大恐慌時を上回る、22.6%もの大暴落(10.19)。世界連鎖暴落現象を引き起こした。

○中曾根総裁の裁定による、竹下新政権が発足(11.6)。

○日本航空が特殊法人から純民間会社へ移行(11.18)。

○日本最大の労働ナショナルセンター「全日本民間労働組合連合会(全民労連、略称“連合”)」結成(11.20)。

×韓国では、16年ぶりの大統領直接選挙実施。第13代6人目の大統領に与党の盧泰愚候補が当選(12.16)。

×主要7ヵ国蔵相・中央銀行総裁会議は、各国で「これ以上のドルの下落は好ましくない」との共同声明を発表、ドル下落防止を確認した(12.23)。

○東京の円相場は、62年の最終日12月31日に一時121円台をつけ、終値122円の最高値を記録。60年3月からの急上昇が続いた。

マスコミ・広告・媒体(1987)

○電通はCIを導入し、シンボルマーク、社名ロゴ、社歌を一新(1.5)。

○朝日、毎日、読売の全国紙三紙が相次いで朝刊24ページから28ページへ増ページ実施(3月~4月)。信濃毎日新聞、サンケイ新聞なども増ページ実施。

○弁護士広告解禁(4.1)-日本弁護士連合会は、一定の制限を設けたうえで、広告を解禁とした。

○公正取引委員会は61年6月の見解を受けて、比較広告のガイドラインを示した「比較広告に関する景品表示法上の考え方」を発表(4.21)。

○日本経済新聞が、ニューヨーク近郊とロサンゼルス近郊で現地印刷を開始(5.1)。オランダでも現地印刷を開始(7.1)。

○郵政省が、ハイビジョンの普及促進策を総合的に検討するため、放送行政局内に「ハイビジョン推進室」を設置(5.18)。

○電通が全額出資し、人間研究に重点を置くシンクタンク「電通総研」発足(6.9)。

○NHKは2chを使って衛星放送を開始。衛星第1テレビは日本で初めて24時間編成による独自番組を放映(7.4)。

○電通、アメリカのヤング・アンド・ルビカム、フランスのユーロコムの三社は、合弁による多国籍広告会社の世界ネットワーク「HDM」設立のため、契約調印に達した(7.7)。

○日本電信電話は、電通、ぴあなどと共同で、基本電話帳以外の各種ニーズに合わせた、各種電話帳の企画・制作を行う「NTTメディアスコープ」を設立(8.6)。

○第二電電、日本テレコム、日本高速通信の“新電電”三社が東京-大阪間を中心に市外電話サービスを開始(9.4)。

○大規模チャンネル型CATV(都市型CATV)の開局相次ぐ-インフォメーションネットワークコミュニティ(6.20)、セントラルケーブルテレビ(10.1)、東急ケーブルテレビ(10.2)など。

媒体の発足(1987)

○エフエム青森4.1、エフエムラジオ新潟10.1開局。

○女性向け生活情報誌の創刊相次ぐ-「NESPA」学研3.23、「MINE」講談社9.10、「レタスクラブ」西武タイム11.10など。

○民放の24時間放送、NHKの衛星放送開始が話題となり、隔週テレビ情報誌の創刊ブームとなる-「TV Bros」東京ニュース通信社7.1、「TV Station」ダイヤモンド社9.24、「TV ぴあ」12.2。

○ビデオソフト情報誌「ビデオでーた」角川書店2.18、CD新譜情報誌「C-Day」デジタルネットワーク10.20、「CDでーた」角川書店12.19などニューメディア関連情報誌の創刊相次ぐ。

○その他の創刊誌-「mono Business」ワールドフォトプレス4.2、「日経イベント」日経マグロウヒル7.1、「日経トレンディ」日本経済新聞社11.4。

○テレビ局数103局

○ラジオ局数72局(2局増)

○創復刊誌126誌、休廃刊誌116誌

媒体普及率(1987)

テレビ契約数 31,954,635
(うち、カラー) (29,999,747)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <99.6%>
VTR普及率 <52.0%>

(消費動向調査)

○衛星放送受信世帯、11月末で30万世帯を超える。

国内10大ニュース(1987)

○日本電信電話会社(NTT)株が新規上場。財テクブームにのり1株160万円の初値がつくフィーバー(2.10)

○誘拐された三井物産マニラ支店の若王子支店長、無事生還(3.31)

○国鉄を11の新会社に分割・民営化した、新生JRがスタート(4.1)

○石原裕次郎さん、肝細胞ガンのため死去(7.17)

○天皇陛下が腸の手術(10.7)

○利根川進教授がノーベル医学・生理学賞を受賞(10.12)

○株価が世界的に大暴落(10.19~20)

○中曾根総裁裁定の竹下新政権が発足(11.6)

○南アフリカ航空機墜落、邦人47人絶望(11.28)

○エイズ(後天性免疫不全症候群)汚染深刻に

海外10大ニュース(1987)

×ベルギー沖で英フェリー「ヘラルド・オブ・フリーエンタープライズ」沈没(3.6)

×西ドイツ青年のセスナ機がモスクワの赤の広場に着陸(5.28)

×イラン・イラク戦争でペルシャ湾情勢緊迫。米艦がタンカー護衛(7月~)

×中米紛争で「グアテマラ和平合意」(8.7)

×米ソ首脳会談で中距離核廃棄(INF)条約に調印(12.8)

×米ドル暴落で世界の金融市場混乱

×ソ連のペレストロイカ(改革)

×米イラン・コントラ秘密工作事件で米議会が調査

×エイズ禍拡大

×大韓航空機、ビルマ沖で爆破墜落(11.29)

世相・風俗(1987)

○ゲンキ、ヤルキ、ナマイキと“三拍キ”そろった「国民的美少女」、後藤久美子こと「ゴクミ」ブームに。

○時流は「女流」-サラダ記念日の俵万智、直木賞受賞の山田詠美、ミリオン・プレーヤー岡本綾子、後藤久美子など、女性がますます注目される時代に。

○静かに広がるエイズ汚染-日本初の女性エイズ認定患者が死亡(1.20)。その後の20日間で全国の「エイズ相談窓口」に5万2千件の相談が寄せられた。エイズ患者は、11月末で59人、感染者986人が確認された。

○7打席5安打4ホーマー。豪快なホームランが観客を集め、ホーナー現象にわく。

○安田生命が、ゴッホの「ひまわり」を53億円で購入。

モーニングシャンプー、プールバー、ウォーターフロント、インテリジェントシティ、超電導ブーム、タンゴブーム、地価狂騰、地上げ屋、民活、ジャパン・バッシング、オモコワ現象、ノリサメ現象、ダブルスクール族、冠講座、非婚時代、ロフトブーム、10回クイズ、巨大迷路(メイズ)ブーム、金余り現象、鉄人衣笠選手引退、巨人江川選手も引退、横綱双羽黒・親方と対立し廃業に(12.31)、国民の3割弱に当たる約3,500万人が有病者であることが判明(厚生省調べ)、カルチャー教室ブーム、世界の人口50億人を突破(7.11)

消費者・住民運動・公害(1987)

○青森・秋田県境の白神山地・ブナ原生林を分断する青秋林道計画は、保安林解除問題を契機に自然保護団体や地元民の批判が高まり、解除手続が難行し、62年度予定工事は中止に追い込まれた。

○知床国立公園内の国有林伐採問題は、一時凍結状態にあったが、林野庁は国有林伐採に踏み切る(4.14)。自然保護団体の猛反発は、4月下旬の町長選に表われ、伐採推進派の現職が敗れ、反対派の新人が町長に当選した。

○オゾン層を破壊し、皮膚ガンの多発や生態系へ影響を与えるとされるフロンガスが国際的に問題化され、環境庁も規制の方向へ乗り出す。

時の商品・新製品(1987)

○ハイグレード商品に人気が集まる-高級乗用車、輸入車、大型TV、住みかえ住宅、1食1,000円の高級即席めん、新ハイオクガソリンなど。

○快適なライフスタイルを主張する商品、サービスが増加-スポーツクラブ、空気清浄器、酸素ビジネス、ストレス解消ビジネス、ウォーキングシューズ、自転車、生薬入りミニドリンクなど。

○ニューサービス業続々登場-ウィークリーマンション、各種ケータリングサービス、海外居住者向け生活支援サービス、ボイスメール、個人輸入代行業、雑誌宅配レンタル、トランクルーム、カーリース、カラーコンサルティング、早朝ビジネス、オフィス向けコーヒー宅配、国際宅配便など。

○注目された商品-自動パン焼き器、海外旅行、生ビール、CDミニコンポ、抗菌防臭ソックス、ビリヤード、カードラジオ、Be-1、ペットフード、ラップトップ型パソコン、S-VHS方式VTR、南極の氷、養毛剤、男性用化粧品、オレンジカード、カット野菜、めがねふき「トレシー」

○新登場した商品-4WS車、電子脱臭装置付き冷蔵庫、花王「アタック」、カセットブック、水耕栽培セット、電気漬物器、ナイター競馬

テレビCM(1987)

キリンビール<麒麟伝説・麒麟獅子編>、ソニー・ウォークマン<さる>、日本電信電話・フリーダイヤル<鉄棒するネコ編、木に登る犬編>、日本コカ・コーラ<I feel Coke '87>、サントリー・NCAA<山下 in Lond on>山下泰裕、キリンビール・キリンメッツ<アイアンライダー>、アサヒビール・生ビール<缶・白いイス>青木功、尾崎将司、キッコーマン・ぽん酢しょうゆ<しあわせって……>明石家さんま、味の素ゼネラルフーヅ・マキシムレギュラーコーヒー<ハンカチ>岩城滉一、長島暎子、大日本除虫菊・金鳥ゴン<匂わないのが新しい>ちあきなおみ、中島葵、サントリー・オールド<フィンガーキャンペーン>村松友視、ニッカウヰスキー・スーパーニッカ<湖畔編>キャサリーン・バトル、日本電信電話・トークの日<好きです>薬師丸ひろ子、JR東日本<私たち変わります>後藤久美子

新聞広告(1987)

アサヒビール・スーパードライ<辛口、生。>落合信彦、日産自動車<私は、日産のスローガンです>、サントリー・オールド<関西にんげん図鑑シリーズ>、ヤクルト・ミルミル・ミルミルEシリーズ広告<うんちクン>、西武セゾングループ<いてもいいし、いてほしいと、おもう。>、チネチッタ川崎<シネマを噛むと>、パルコ<それがどうした。>、ポッカコーポレーション・維力<力がほしい今井美樹さんは>今井美樹、長谷工グループ<ニッポンチャレンジアメリカ杯1991>、松下電器産業・パナソニック<いつもSOMETHING NEW>ジョージ・ルーカス、日本高速通信・0070<どんどん市外電話。>、キリンビール・ハートランドビール<ラベルを貼らないのは、中身で勝負したいからです。>、メルセデス・ベンツ日本・ベンツ190シリーズ<ダイナミック・コンパクト>、第二電電<おトクな市外電話0077>

話題のテレビ番組(1987)

○前年に続き、62年も秋の番組改編で報道番組の強化が進む-東京放送は月~金曜日の夜10時台に「ニュース22・プライムタイム」を新設、テレビ朝日の「ニュースステーション」と“夜10時台ニュース戦争”と話題を集める。

○月~金曜日、午後7時20分から8時のゴールデンタイムに、星野知子をニュースパーソナリティとする「ニュースシャトル」登場(ANB系)。

○毎正時に1分間のニュース枠「ショットガン」を新設(CX系)。

○“ギョーカイ”を取り上げたドラマ、次々に登場-ラジオびんびん物語、ギョーカイ君が行く(CX系)、アナウンサーぷっつん物語(TBS系)など。

○NHKの衛星放送を使った24時間放送に対抗し、フジテレビ、東京放送は、東京ローカル地域でほぼ連日にわたる終日放送に踏み切る。この動きに追随し、日本テレビ、テレビ朝日、テレビ東京も週末だけ終夜放送を始める。

○テレソン(テレビ・マラソン)相次ぐ-一億人のテレビ夢列島(CX系)、愛は地球を救う(第10回)(NTV系)、カリブソン'87(ANB系)。

○数々の話題作を生んだ「金曜ドラマ」(TBS系)が終了。

○夜11時にドラマが登場-ドラマ23(TBS系)。

○芸能人の結婚式を一局独占中継で報道、高視聴率となる(郷・二谷-CX系、渡辺・榊原-NTV系)。

○テレビもレトロブーム-泉麻人のウルトラ倶楽部(TBS系)「ウルトラQ」「ウルトラセブン」深夜全作品放送、仮面の忍者・赤影(NTV系)、仮面ライダーブラック(TBS系)新作で登場。

NHK(1987)

《チョッちゃん》38.0%《はっさい先生》38.1%
〈独眼竜政宗〉39.7%

○「独眼竜政宗」年間平均視聴率39.8%で、大河ドラマ史上1位となる。

○衛星放送スタート(7.4)。衛星第一テレビは24時間放送となる。

○視聴率低下が続く「紅白歌合戦」、改革を図るものの55.2%と最低記録を更新。

流行語(1987)

懲りない○○、マルサ、JR、しあわせって何だっけ、レトロ、梵天丸もかくありたい、民活、地上げ屋、財テク、だーいじょーぶだー、ココムる、売上税、な~んやそれ、ただものではない、目が点になる、鉄人、ホーナー効果、ハナモク、億ション、○○記念日、いらっしゃいまホ~、ジャパン・バッシング、フリーアルバイター、ワンフィンガー・ツウフィンガー、身に覚えのある人

流行歌(1987)

レコード大賞:近藤真彦<愚か者>

歌唱賞:大月みやこ<女の駅>

最優秀新人賞:立花理佐 キミはどんとくらい

新人賞:酒井法子、坂本冬美、島田理恵、BaBe

命くれない
TANGO NOIR
雪國
STAR LIGHT
Strawberry Time
難破船
Blonde
無錫旅情
追憶
君だけに
SHOW ME
Stand by Me
BAD
true blue

○MM旋風-マドンナ、6月に来日。マドンナ旋風を巻き起こす。CMが評判となり、三菱電機のAV機器売れ行きにはずみがつく。マイケル・ジャクソン、9月に来日。42日という異例の長期滞在、14公演で43万人を動員。

○ビートルズのCDが続々登場し、売れ行きも好調。

○CMで、お茶の間にも人気になった、ソプラノ歌手キャサリーン・バトル初来日。ビデオテープも発売され、大ヒットとなる。

○レコード盤が衰退をたどるなか、CDが急成長。デジタル技術の進展により、デジタル・オーディオテープ(DAT)、絵の出るコンパクト・ディスク(CDV)などのニュー・パッケージ・メディアが登場した。

話題の映画(1987)

洋画
トップガン
プラトーン
アンタッチャブル
ビバリーヒルズ・コップ2
プロジェクトA2史上最大の標的
オーバー・ザ・トップ

邦画
ハチ公物語
ドラえもん-のび太と竜の騎士/他
竹取物語
マルサの女
男はつよいよ・知床慕情/塀の中の懲りない面々
次郎物語

○「プラトーン」のヒットに続き、「ハンバーガー・ヒル」「友よ、風に抱かれて」など戦場をリアルに再現したベトナム戦争映画が相次ぐ。

○第2回東京国際映画祭が開催され、初の東京グランプリに中国の「古井戸」が授賞されるなど、アジア諸国の映画の成長ぶりが目立った。

ベストセラー(1987)

サラダ記念日
ビジネスマンの父より息子への30通の手紙
塀の中の懲りない面々
MADE IN JAPAN
詩集 広布抄
極道渡世の素敵な面々
別れぬ理由
塀の中のプレイ・ボール
ノルウェイの森
頭のいい銀行利用法
最後の超念力
鈴の鳴る道
ドラゴンクウェスト2完全攻略本
恐慌が迫る

○異色の新人作家、俵万智、安部譲二ブーム沸騰。

○“聴く本”カセットブックが台頭-新潮社が1月から発売した「新潮カセットブック」がヒットし、4月以降各社が相次いで参入、話題を集める。

○堅い政治、経済、実用書などをマンガで描いた本が増加、人気となる-マンガ日本経済入門、劇画 MADE IN JAPANなど。

話題のマンガ(1987)

○動物擬人化マンガがブームに-かってにシロクマ(漫画アクション)、ナマケモノが見てた(ヤングジャンプ)、気分は形而上(コミックモーニング)など。

○増えるビジネス・ハウツー・教養マンガ-第三の波(中央公論社)、マンガ日米貿易戦争(学習研究社)、マンガ超電導入門(講談社)、劇画 古代史(小学館)、劇画 MADE IN JAPAN(朝日新聞社)など。

ハートカクテル(コミックモーニング)、いまどきのこども(ビッグコミックスピリッツ)、風を抜け!(少年サンデー)、シャコタン・ブギ(ヤングマガジン)、アクター(コミックモーニング)、マッド・ブル34(ヤングジャンプ)、大東京ビンボー生活マニュアル(コミックモーニング)、YAWARA!(ビッグコミックスピリッツ)、ミスター味っ子(少年マガジン)、シャッター(コミックアクションキャラクター)、魁!!男塾(少年ジャンブ)

ファッション(1987)

○モノトーンが影をひそめ、花柄などのカラフルなプリント模様、無地でもロマンチックなパステルカラーが復活。

○ワイシャツのそでをクリップやアーム・バンドで止め、サスペンダー付きのズボンをはく、といったレトロ趣味のファッションが学生や若いサラリーマンの間にひろまる。

○キャリアルックからロリータルックへ-ミニ丈のフレア、女学生風の白い衿、フリルやリボンなどのディテールが流行る。

○ミニスカートが定着-フレア、プリーツ、タイト、バルーンなどあらゆるタイプのスカートがミニとなった。

気象状況(1987)

○首都圏では、暖冬、4~5月の少雨、カラ梅雨と続き、6~7月前半に深刻な水不足となり、7月2日には30%の取水制限が実施され、市民生活から産業面まで大きな影響を与えた。

○カラ梅雨の後、東日本は猛暑に襲われ、7月23日にはクーラーの使用による電力需要が瞬間に激増、1都5県280万戸で最高3時間以上の真昼の大停電が発生。この影響で、銀行のオンラインがストップ、大企業のオフィスコンピューターがダウンするなど、社会活動全般に悪影響を及ぼした。

○北海道、岩手、福島、宮崎などで大規模な地震が相次ぐ。8月20日から27日にかけては富士山頂で、山頂測候所開設以来初めての有感地震を記録。年末の12月17日には、千葉県沖を震源とした地震が発生、東京でも震度4を記録、首都圏に被害を及ぼした。

1986年(昭和61年)

経済白書 副題(1986)

国際的調和をめざす日本経済

経済概況(1986)

昭和61年の日本経済は、急激に円高が進み、前年からの景気減速傾向を強めた。これは貿易摩擦や円高により輸出が減少し、景気牽引役の民間設備投資が鈍化してきたことによるが、他方、個人消費と住宅投資は堅調に推移した。輸出と内需、製造業と非製造業の好不調が対照的に現れ、いわゆる景気の二面性が指摘された年であった。

経済成長率 名目 4.7% 実質 2.9%
民間最終消費支出 名目 4.2% 実質 3.5%
民間企業設備投資 名目 3.4% 実質 4.5%
輸出 名目 -17.7% 実質 -5.7%
消費者物価    0.6%  

日本の広告費(電通調査)(1986)

○ニューメディアが好調な伸びを示すとともに、雑誌、SPも堅調な伸び。

  億円 対前年比(%)
総広告費 36,478 (104.1)
新聞 9,145 (102.9)
雑誌 2,382 (106.8)
ラジオ 1,633 (101.3)
テレビ 10,908 (102.6)
SP 12,357 (106.0)
ニューメディア 53 (176.7)

政治・経済・業界(1986)

×フィリピンのマルコス政権が崩壊。アキノ政権が誕生(2.25)。

×アメリカの60年の経常収支赤字が史上最高の1,176億ドルとなり、71年ぶりに債務超過国へ転落する(アメリカ商務省発表)(3.18)。

○職場での男女差別の解消を目指す男女雇用機会均等法が施行(4.1)。

○6年ぶりの衆参同日選挙で、自民党(追加公認を含む)が衆院304、参院142議席を獲得して圧勝。社会党は左右統一後最低の議席となる(7.6~7)。

×60年12月のOPEC総会で、石油の生産水準維持優先の方針決定などにより、価格カルテルの崩壊が進み、原油価格が急落。7月には1バレル=7~8ドルに。

○新自由クラブ10年目で解党(8.15)。

○東京証券市場1部の平均株価終値が1万8,936.24円となり(8.20)、21日の出来高も約23億1,200万株で、ともに過去最高の記録となる。

○日本初の女性党首・社会党土井たか子委員長誕生(9.6)。

○自民党は、中曾根首相の総裁としての任期切れを控え、党則を改正し任期を1年延長し、62年10月30日までとすることで正式決定(9.11)。

○世界経済の不安定要因とされる異常なドル高の修正のために、日銀は公定歩合を、1月30日(年5.0%→4.5%)、3月10日(4.5%→4.0%)、4月21日(4.0%→3.5%)、11月1日(3.5%→3.0%)と4回にわたって引き下げた。

○為替相場もドル高修正が進み、60年9月のニューヨークG5以降急速な円高となり、8月20日には1ドル=152.55円と戦後最高値をつけ、11カ月で90円の円高に。

○政府は、急激な円高が進むなか、総合経済対策を3度にわたって打ち出した-4月8日に、公共事業の施行促進、円高・原油値下がりの差益還元などを、次いで5月30日には、中小企業救済策、雇用対策などを、さらに9月19日には、公共投資の拡大、民間活力活用のための規制緩和などを打ち出した。

マスコミ・広告・媒体(1986)

○電通・NHKエンタープライズなど22社が加わり、衛星放送などのニューメディア映像ソフトの開発を目指し、「総合ビジョン」が発足(1.17)。

○全国銀行協会連合会理事会は、銀行広告の自主規制を見直し、新聞では全5段まで、雑誌では2ぺージまで緩和、またタイアップ広告も緩和することとし、4月1日からの実施を決定(2.18)。

○公正取引委員会は、「比較広告は禁止されていない」との見解表明(6.5)。

○電通は、創立85周年記念式典を通信衛星を使い開催(7.1)。

○日本雑誌協会理事会が、クーポン広告の導入を認める(7.16)。

×アメリカでは、3大ネットワークに対抗する第4のネットワーク「FBC(フォックス・ブロードキャスティング・カンパニー)」設立(10.9)。

○電通、朝日新聞社、NTTなど、国内の主要な新聞社、通信社、出版社が参加、新聞、雑誌の記事を蓄積し、ユーザーが自由に検索できるデータベースの構築を目的に「エレクトロニック・ライブラリー」を発足(12.8)。

○全国紙、仙台、福島で相次ぎ現地印刷を開始。

○朝日新聞、読売新聞は海外でも印刷発行開始-朝日新聞、1月ロンドン、10月ニューヨーク。読売新聞、11月ニューヨーク、12月ロサンゼルス。

○全国紙で経済面の拡充相次ぐ-1月、毎日新聞「マネー&ライフ」、朝日新聞「ウイークエンド経済」、2月、日本経済新聞「Monday Nikkei 読売新聞「読売家庭経済新聞」(別売)など。

×広告会社の合併・買収が世界的規模で進む-アメリカのBBDO、DDB、ニーダム・ハーバー社の3社が合併、オムニコム社を創設(4.27)。日本では、第一広告社とSPNが合併、I&Sが発足(10.1)。

○第1種電気通信事業の日本テレコム(8.1)、第二電電(10.24)、東京通信ネットワーク(11.1)、日本高速通信(11.11)が事業開始。

媒体の発足(1986)

○エフエム山陰10.1開局。

○読売家庭経済新聞2.1創刊。

○メンズファッション誌「MEN' S NON・NO」集英社5.9、創刊号30万部を完売。

○写真週刊誌に参入相次ぎ、“3F・ET”と5誌競合となる-「TOUHCH」小学館10.21、「FLASH」光文社11.5創刊。「Emma」文芸春秋、9.17より隔週刊から週刊化。

○ファミコン誌の創刊相次ぐ-「ファミコン必勝本」JICC出版局3.8、「勝ファミコン」角川書店4.25、「ファミコン通信」アスキー6.5など。

○様々な分野の最新情報・知識を収録した「imidas」集英社11.17創刊。

○その他の創刊誌-「Newsweek 日本版」TBSブリタニカ1.23、「Tarzan」マガジンハウス3.20、「DIME」小学館4.17、「LA SEINE」学習研究社6、「AVENUE」世界文化社8.27、「BALLOON」主婦の友社10.15など。

○テレビ局数103局

○ラジオ局数70局(1局増)

○創刊ブームが一段落-この年の創復刊誌179誌、休廃刊誌133誌

媒体普及率(1986)

テレビ契約数 31,509,288
(うち、カラー) (29,454,146)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 98.9%
VTR普及率 33.5%

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1986)

○イギリスのチャールズ皇太子とダイアナ妃が初来日(5.8~13)

○衆参同日選挙で自民党が304議席と歴史的な大勝利を収める(7.6)

○日本初の女性党首・社会党土井たか子委員長誕生(9.6)

○天皇御在位60年記念式典開催(4.29)。記念金貨・銀貨も発行(11.10)

○伊豆大島の三原山で溶岩流出をともなう大噴火発生。全島民が避難(11.15~23)

○国鉄分割・民営化関連8法案が国会で可決成立(11.28)

○売上税の導入、マル優の廃止などを基本とした税制改革案を自民党が決定(12.5)

○ハレー彗星が76年ぶりの地球接近で、ブームにわく

○史上最高の円高に見舞われ、製造業など不況深刻化

○株価高騰。NTT株フィーバーなどマネーブーム高まる

海外10大ニュース(1986)

×スペースシャトル「チャレンジャー」発射直後に爆発。乗組員全員死亡(1.28)

×フィリピンのマルコス政権が崩壊。アキノ政権が誕生(2.25)

×ソ連チェルノブイリ原子力発電所で爆発事故(4.26)。大量の放射能が放出

×カメルーンのニオス湖から有毒ガスが噴き出し、周辺住民1,700人が死亡(8.21)

×アイスランドのレイキャビクで米ソ首脳会談開催。会議は決裂(10.11~12)

×アメリカ中間選挙で与党・共和党が敗北(11.4)

×北朝鮮の金日成主席の死亡説かけめぐる(11.17~18)

×ストックホルム、西ベルリン、パリ、インドなど世界各地でテロが横行

×OPECの価格カルテルが崩壊、石油価格が暴落

×エイズ、世界各地に広がる

世相・風俗(1986)

○「おニャン子クラブ」「キャッツ」「子猫物語」「マイケル」などネコブーム

○女性が話題の主役に-男女雇用機会均等法スタート、大卒女子の就職率73.4%、日本初の女性党首・社会党土井たか子委員長誕生、ダイアナフィーバー、アキノ・フィリピン大統領など。

○再び東京集中の時代へ-東京の人口再び微増へ(国勢調査)、東京の地価高騰(地価公示)、3大都市圏から「東京圏」と「関西圏及び名古屋圏」として東京圏を別格扱いに(第四次全国総合開発計画中間報告)、東京湾横断道路会社設立、東京湾臨海部再開発、東京駅周辺再開発など東京大改造計画が花盛りとなる。

○アイドル歌手岡田有希子がビル屋上から飛び降り自殺(4.8)。ファンを中心に後追い自殺が増加。

三原山大噴火、スペースシャトル「チャレンジャー」爆発事故、天皇御在位60年、東京サミット、過激派によるテロ・ゲリラ相次ぐ、衆参ダブル選挙で自民党圧勝、財テクブーム、NTT株フィーバー、温泉ブーム、激辛ブーム、レトロブーム、パンダの赤ちゃん「トントン」誕生、老年人口が総人口の10%を超える、東京の世帯は3分の1が1人住まい(国勢調査)、日本のエイズ患者増加、新・人類、テレクラ、じゃぱゆきさん

消費者・住民運動・公害(1986)

○沖縄県石垣島白保地区のサンゴ礁を埋め立てる新石垣空港建設に反対して、全国的な「土地共有運動」が始まる(8.1)。

○知床国立公園内の国有林伐採計画が決定。北海道自然保護団体連合などが反発。保護団体が林野庁、環境庁に伐採中止を要請。全国から抗議の手紙が殺到、「しれとこ100平方メートル運動」への基金を寄せる新参加者も急増するなど反対運動が全国的に広がり、農林水産省は伐採の一時凍結を決める。

×カナダで開かれた国際鳥類保護会議世界大会で、三宅島米軍訓練飛行場計画について、建設計画撤回を米政府に勧告する決議を採択(6.21)。

時の商品・新製品(1986)

○ブームにのり財テク関連商品がヒット-一時払い養老保険、株式、投資信託、抵当証券、10万円金貨、マネー雑誌など。

○コンビニエンス商品が相次ぎヒット-使い捨てカメラ、使い捨てラジオ紙おむつ、ハンディ複写機、カードサイズラジオ、チームデミ、下着乾燥機、レンタルビデオ、リースマンション、レンタルオフィス、レンタルブティック、オレンジカード、テレホンカード、ゲームカード、ストアカードなど。

○フィルム食品、カード食品が話題を集める。

○スナック菓子から、即席めん、エスニック料理、さらには、カレー、ラーメン店まで、辛口、極辛を売り物にして激辛ブームが広がる。

○注目された商品-地金型金貨、4WD車、輸入車、小型VTRカメラ、CDラジカセ、単機能電子レンジ、電子レンジ専用食品、麦芽100%ビール、高級アイスクリーム、大型カラーテレビ、簡易施工型システムキッチン、システム手帳、ファミコンディスクシステム、育毛・養毛剤、入浴剤

○新登場した商品-形状記憶合金付ブラジャー、ズームレンズ搭載コンパクトカメラ、韓国製即席めん、家庭用精米機、かもめーる

テレビCM(1986)

キッコーマン・ぽん酢しょうゆ<しあわせって……>明石家さんま、リクルート情報出版・週刊就職情報<ヤリガイ>とんねるず、サントリー・生ビール<これが生ビールだ>椎名誠、いすゞ自動車・ジェミニ<ワルツ編>、湖池屋・カラムーチョ<ヒーヒーおばあちゃん>、大日本除虫菊・ゴン<亭主元気で留守がいい>木野花、もたいまさこ、日本電信電話・ウィークエンドコール<三女のパンツ編>富田靖子、国際電信電話<メッセージコンサート東京編>斉藤晴彦、味の素<原料訴求・家族・雨編>、サントリー・ローヤル<マーラー>、資生堂<遠野物語>、カンロ・健康のど飴<ワニの女学生>、ニッカウヰスキー・スーパーニッカ<湖畔編>キャサリーン・バトル大正製薬・サモン内服液<サモンと聞いただけで>ビートたけし、松下電器産業・ナショナル乾電池<漕げよ!ウルトラネオ>

新聞広告(1986)

○CI広告引続き盛ん-東京ガス、アサヒビール、キッコーマン、森永乳業、明治乳業、味の素、東レ、象印マホービン、東洋信託銀行など。

○外資系企業の広告相次ぐ-メルセデス・ベンツ、BMW、ユナイテッド航空、ルフトハンザ航空、デュポン、バイエル、ボルボなど。

豊島園<プール冷えてます>、サントリー・モルツ<素材の恵みのビールです。>、キャノン・T90<知的物体か。>、日本新聞協会・新聞週間<新聞広告をみれば、企業がみえる。>、米国ポテト協会・日本初の読売新聞1紙買い切りのマルチプル広告、東京ガス・お風呂の日キャンペーン<おまえの頭は、東京タワーだ。>、サントリー・ピュアモルト7年<同じ名詞で言われるのは、不満だ。>、日本電気<ハレー彗星。2061年は、宇宙で会おう。>、日本小売業協会ほか77団体協賛・大型間接税導入反対広告<拝啓 内閣総理大臣殿>、森ビル・アークヒルズ<知の森を創る。>

話題のテレビ番組(1986)

○グルメブーム、温泉ブームを反映した、長時間ドラマ、バラエティ番組が続出。

○秋の番組改編では、ニュース、報道番組の新設、ワイド化が相次ぐ-ライブオンネットワーク(NTV系)、ネットワーク(TBS系)、ニュース工場一本勝負(CX系)、キャスター(TX系)など。

○朝の時間帯でも報道番組の強化相次ぐ-ヤジウマ新聞、モーニングファイル(ANB)、FNNモーニングコール、黄金世代!(CX系)など。

○情報系番組も増加-日本が知りたい(TBS系)、なんたって好奇心(CX系)、極める!匠と技の世界(TX系)、テーマはお・ん・な(ANB系)など。

○ニュース、報道番組の強化が進むなか、女性キャスターが注目を集める-井田由美、美里美寿々、三雲孝江、宮崎緑、久和ひとみ、池田裕子、幸田シャーミン、安藤優子、有村かおり、城ヶ崎祐子、清水圭子など。

○花盛りだった2時間ドラマ曲がり角-月曜ワイド劇場(ANB系)、木曜ドラマストリート(CX系)が姿を消す。

○テレビ東京、「ドラマ・女の手記」で1時間ドラマに復活。

○男女7人夏物語(TBS系)、大ヒットとなる。

○毎週土曜日の深夜から早朝にかけて、4時間半のワイド番組「録画チャンネル4.5」(CX)、ビデオ録画番組としてスタート(9.12)。

○「白虎隊」(NTV系)、12月30日25.8%、31日17.2%の視聴率をかせぎNHK紅白歌合戦の裏番組としては、史上最高の視聴率となる。

NHK(1986)

《はね駒》41.7%《都の風》39.3%
〈いのち〉29.3%

○「主夫物語」「続・たけしくんハイ!」「まんが道」など、NHKの正統派ドラマが健闘。

○「紅白歌合戦」が、史上最低だった前年の66%をさらに下回る59.4%の視聴率となる。

流行語(1986)

究極、激辛、プッツン、バクハツだ!、なんだかわからない、ハイホー、アホちゃいまんねん パアでんねん、亭主元気で留守がいい、やるしかない、家庭内離婚、おかぴー、オチャメ、冗談じゃあないよぉ、○○してちょんまげ、やったぁ、やめられまへんな~、○○(な)わけやね、みょ~なやつ、知的水準、オッシャレー、川の手、マジ、ピンポン、ブー、ワカンナ~イ、新人類、地上げ・底地買い

流行歌(1986)

レコード大賞:中森明菜<DESIRE>

歌唱賞:北島三郎<北の酒場>

最優秀新人賞:少年隊 仮面舞踏会

新人賞:石井明美、西村知美、水谷麻里、真璃子

CHA-CHA-CHA
DESIRE
仮面舞踏会
Ban BAN Ban
MY Revolution
恋におちて
ジプシークィーン
スキップ・ビート
OH!!POPSTAR
青いスタスィオン
ダンシングヒーロー
シーズン・イン・ザ・サン
君は1000%、熱き心に

○CDが急成長をみせ、61年の生産額は981億円となり、前年比205%の伸びを示し、生産額・枚数ともにLPを上回る。

○プリンス初来日。

○ソ連の若手ピアニスト、スタニスラフ・ブーニン初来日。クラシックファン以外の層からも人気を集め、ブーニンブームを巻き起こす。

○「ビギナーズ」「ラウンド・ミッドナイト」などの映画で、ジャズが取り上げられ、若い音楽ファンの間でジャズがブームに。また、夏のジャズフェステイバルも全国各地で30回を超え、空前の規模となる。

○2,000人を収容する、本格的コンサート専用ホール「サントリーホール」が、アークヒルズに開館。

○貸しレコード問題について、4月からCDのレンタルが解禁となり、これを扱う店舗が次第に増加。

話題の映画(1986)

洋画
バック・トゥ・ザ・フューチャー
ロッキー4・炎の友情
グーニーズ
コブラ
コーラスライン
ダウン・バイ・ロー

邦画
子猫物語
野蛮人のように/ビー・バップ・ハイスクール
植村直己物語
キネマの天使
ドラえもんなどアニメ三本立て
火宅の人
天空の城
ラピュタ

○新作映画を1~3館で独占公開するミニ・ロードショーが注目を集め、「ホテル・ニューハンプシャー」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」などがロングランとなる。

○映画制作をテレビ局が相次いで行う。

○映画制作に乗り出すテレビ局相次ぐ-「子猫物語」フジテレビ、「植村直己物語」毎日放送、「人間の約束」テレビ朝日

ベストセラー(1986)

スーパーマリオブラザーズ完全攻略本
自分を生かす相性殺す相性
スーパーマリオブラザーズ裏ワザ大全集
化身
日本はこう変わる
知価革命
うつみ宮土里のカチンカチン体操
運命を読む六星占術入門
ツインビー完全攻略本
大殺界の乗りきり方
大前研一の新・国富論

○ビジネス書のヒット相次ぐ-「知価革命」「大前研一の新・国富論」「前川レポートの正しい読み方」「日本はこう変わる」「岩波現代産業情報'86」

○ファミコンブームに乗って、ファミコン本も売れ行き拡大。

○文庫本創刊ブーム依然続く-「激写文庫」「ピラミッド文庫」「サンケ文庫 海外ノベルシリーズ」「ハヤカワ・ヤングロマンス」など。

○“おニャン子クラブ”の写真集がたて続けに刊行、好調な売れ行きとなる。

話題のマンガ(1986)

○レディスコミックの創刊、この年も相次ぐ-「女性自身ComicVAL」光文社、「LADY' SComicRouge」大陸書房など。

○レディスコミック創刊ラッシュの中、レディスよりもヤングをターゲットとした女性マンガ誌も登場-「ami Jour」双葉社、「YOUNG YOU」集英社。

○週刊少年誌ヤング「少年宝島」JICC出版局、12月5日創刊。

ジャンク・ボーイ(漫画アクション)、BARレモンハート(コミックアクションキャラクター)、Dr.クマひげ(ヤングマガジン)、パイナップルARMY(ビッグコミックオリジナル)、湘南爆走族(少年KING)、HOTEL(ビッグコミック)、あんみつ姫(なかよし)、クッキングパパ(コミックモーニング)、代打屋トーゴー(コミックモーニング)、恋子の毎日(漫画アクション)、極道くん(少年マガジン)、なぜか笑介(ビッグコミックスピリッツ)

ファッション(1986)

○DCブランドの男物への参入が相次ぎ、バーゲンセールに徹夜で並ぶ高校生まで現われる。

○ビキニの派手なカラーの男性用ブリーフがヒット。

○男もメーキャップの時代。

○女性ファッションは、からだの線を意識したボディ・コンシャスが主流。

○レトロブームの象徴として、髪飾り、ベルト、靴、パンティ・ストッキング、洋服のデザインの一部としてあらゆる場所にリボンがあしらわれた。

○指輪、ネックレス、イヤリングなどのアクセサリーは、6年ぶりに世界相場が下がったことと、円高の相乗効果が作用して、金ブームとなる。

気象状況(1986)

○3月の関東地方で大雪。東京は、春分過ぎでは観測史上1位の大雪。この影響で首都圏の交通機関はマヒ、1都8県で130万世帯が停電(3.23)。

○台風10号崩れの温帯低気圧が東海、関東、東北地方を縦断。各地に豪雨をもたらし、土砂崩れ、河川の氾らん、道路や鉄道の寸断などの被害がでた(8.4~5)。

○伊豆大島の三原山で12年ぶりの噴火。割れ目噴火、溶岩流出をともない、伊豆大島の住民全員が島から避難(11.15~23)。

×中米エルサルバドルでマグニチュード5.4の地震が発生、死者900人をだす(10.10)。また、地中海東沿岸でもマグニチュード6の地震が発生(10.11)。

×アフリカでは、前年からの降雨で干ばつによる食糧危機を脱したが、イナゴやバッタの大発生もうながし、東アフリカを中心として農作物に大被害をもたらした。

1985年(昭和60年)

経済白書 副題(1985)

新しい成長とその課題

経済概況(1985)

昭和60年の日本経済は、2年前からの景気回復過程を受けて拡大を続けたが後半に入ると、米国景気のスローダウンと円高による輸出の鈍化が目立ち、内需も個人消費、住宅投資が盛り上がりを欠き、景気は徐々に減速傾向を見せ始めた。

経済成長率 名目 6.6% 実質 4.4%
民間最終消費支出 名目 5.7% 実質 3.3%
民間企業設備投資 名目 12.4% 実質 12.0%
輸出 名目 2.8% 実質 5.4%
消費者物価    2.0%  

日本の広告費(電通調査)(1985)

3兆5,049億円となる(新推定値)。

  億円 対前年比(%)
総広告費 35,049 (-)
新聞 8,887 (-)
雑誌 2,230 (-)
ラジオ 1,612 (-)
テレビ 10,633 (-)
SP 11,657 (-)
ニューメディア 30 (-)

<参考>

旧推定値による4媒体別の伸び率は、雑誌広告費(対前年比105.8%)、ラジオ広告費(103.8%)、テレビ広告費(101.9%)、新聞広告費(101.0%)で、新聞とテレビが低迷した。

政治・経済・業界(1985)

○自民党内最大派閥田中派から、中堅、若手議員を中心にして、竹下登氏が「創政会」を旗揚げ(2.7)。田中元首相、突然脳こうそくで倒れる(2.27)。

×チェルネンコ・ソ連共産党書記長が死去(3.10)。後継に、ゴルバチョフ政治局員兼書記を選出(3.11)。以後、早いテンポでその基盤を固めるとともに、ソ連指導層の若返りが進められた。

○上越・東北新幹線、上野乗り入れ開始(3.14)。

○「科学万博-つくば '85」(国際科学技術博覧会)が茨城県筑波研究学園都市で開催。3月17日から9月16日までの184日間の期間、2,033万人の入場者を記録。

○公社の民営化で日本電信電話(NTT)、日本たばこ産業が発足(4.1)。

○59年度の貿易、輸出超過額が350億7500万ドルに達した。うち96%が対米出超額(4.12通関速報)。

○政府が包括的な対外政策を決定。首相は、テレビで外国製品の1人100ドル購入を呼びかける(4.9)。対外経済政策推進本部は、市場開放のための行動計画(アクション・プログラム)の骨格を決定(7.30)。経済対策閣僚会議が、当面の事業規模約3兆1,000億円の内需拡大策を決定(10.15)。

○羽田発大阪行き日本航空ジャンボ機が、群馬県の山中に墜落。世界最大の航空機事故。520人の乗員・乗客が死亡、乗客4人が奇蹟的に生存(8.12)。

○三光汽船が倒産。負債総額5200億円、戦後最大の倒産となる(8.13)。

×主要5ヵ国蔵相・中央銀行総裁会議、ニューヨークで開催。ドル高修正を合意(9.22)。11月25日、4年9カ月ぶりに1ドル=200円を突破する円高に。

○関越自動車道、前橋-湯沢インター間が完成、全線開通(10.2)。

×レーガン・米大統領とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長が、ジュネーブで6年半ぶりに米ソ首脳会談を開く。核不戦の原則確認などを骨子とする共同声明を発表。文化交流協定に調印(11.19~21)。

マスコミ・広告・媒体(1985)

○地方自治体のイベント、イメージアップ事業計画が表面化するなかで、電通は地域計画室を設置(2.10)。博報堂も21世紀デザイン室を設置(10.1)。

○電通は、電通ワンダーマンダイレクトを設立(3.2)。

○郵政省は、地域ぐるみの高度情報化を図る、未来型コミュニケーションモデル都市(テレトピア)構想の指定地域20カ所を発表(3.5)。

○電気通信産業に競争原理を導入することを意図とした電気通信事業法など電電改革三法が施行される(4.1)。

○電通田丸秀治社長が退任、八代目社長として木暮剛平氏が就任(4.3)。

○女性週刊誌、まんが雑誌などに多く掲載されている、健康食品の広告について、厚生省と公正取引委員会は、商品や広告に薬事法違反や景品表示法違反にあたるものが多いとして、具体的基準を作成(6.28)。

○電通とアディダスの合同出資会社「インターナショナル・スポーツカルチャー・アンド・レジャーマーケティング」は、国際オリンピック委員会から五輪マークの独占使用権を獲得(7月)。

○民放13社とNHKが、緊急警報放送システムをスタートさせる(9.1)。

○電通は、アメリカ大リーグと、日本での試合の放映権、球団マークの商品化、関連商品の販売などについて、63年末まで独占契約を結ぶ(12.19)。

○CIブームが続くなか、立教大学、淑徳学園などの私学までCI導入を図る

○媒体が送り出す情報供給量が増加するなかで、国民のテレビ離れなどが進み、受け手に実際に利用された情報消費量は、6%に過ぎないことがわかった(60年通信白書)。

媒体の発足(1985)

○テレビせとうち(TSC)10.1開局。

○FM8局が開局エフエム秋田、富山エフエム放送4.1、三重エフエム放送6.1、エフエム岩手、エフエム群馬10.1、エフエム中九州11.1、エフエム山口12.1、横浜エフエム12.20開局。

○一般読者を対象に、利殖をテーマとしたマネー誌が創刊-「Money JAPAN」西武タイム5.27、「日経マネー」日経ホーム出版10.21。

○ファミコンブームにのってコンピュータゲーム誌も登場-「ファミリーコンピュータMagazine」徳間書店7.6、「コンブティーク」角川書店12.7。

○その他の創刊誌-「Emma」文芸春秋6.10、「Mil」双葉社3.27、「オレンジページ」アシーネ6.17。

○テレビ局数103局(1局増)

○ラジオ局数69局(8局増)

○創復刊誌245誌、休刊誌151誌

媒体普及率(1985)

テレビ契約数 31,061,592
(うち、カラー) (28,905,772)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <99.1%>
VTR普及率 <27.8%>

(消費動向調査)

○1世帯当たりテレビ保有台数が、2.02台となる(MMR調査)。

国内10大ニュース(1985)

○創政会発足(2.7)、田中元首相脳こうそくで倒れる(2.27)

○「科学万博-つくば'85」が開催され、2,033万人が入場(3.17~9.16)

○日本電信電話(NTT)、日本たばこ産業が発足(4.1)

○日航ジャンボ機、群馬県御巣鷹山に墜落。520人死亡、4人が奇蹟的生還(8.12)

○ロス疑惑の三浦和義逮捕(9.11)

○阪神タイガース、初の日本一に。全国で虎フィーバーが吹き荒れる(11.2)

○首都圏と関西で、国鉄通信ケーブルを狙った“国鉄同時多発ゲリラ”発生(11.29)

○豊田商事事件、日本相互リース事件など、悪徳マネー犯罪相次ぐ

○有毒ワイン騒ぎ深刻化、自販機農薬ドリンク事件で被害者続出

○いじめ問題が深刻化

海外10大ニュース(1985)

×チェルネンコ書記長死去、ゴルバチョフ新書記長を選出(3.11)

×メキシコで大地震が発生、死者は8,000人にも及ぶ(9.19)

×ニューヨーク緊急5ヵ国蔵相会議(G5)、ドル高修正で合意(9.22)

×パレスチナゲリラによるイタリア客船乗っ取り事件(10.7)

×コロンビアのネバドデルルイス火山が大噴火。アルメロが土砂に埋まる(11.13)

×米ソ首脳会談、6年半ぶりにジュネーブで開かれる(11.19~21)

×南アフリカのアパルトヘイト政策に対する暴動激化

×継続するアフリカの飢餓と食糧問題

×エイズ、世界的に広がるとともに、女性や子供にも広がる

×イベリア航空機、インド航空機などの航空機事故による死亡者、史上最悪

世相・風俗(1985)

○阪神タイガース、初の日本一に(11.2)-全国で虎フィーバー。

○女子大生ブームが去って、女子高生、お嬢さまブームが到来。

○素人の投資ブームが注目を集めるなか、豊田商事事件、投資ジャーナル事件、ジャパンライフ事件など悪徳マネー犯罪が相次いだ。

○家庭劇場化時代-豊田商事の永野会長刺殺事件(6.18)、長野市の地滑り災害(7.26)、日航機墜落事件と生存者救出スクープ(8.12~13)、ロス疑惑の三浦和義逮捕など、生々しい場面が直接家庭へ流れ込んだ。

○いじめ問題が深刻化、教師による学校内暴力、見て見ぬふりなども問題となる。

ハレー彗星76年ぶりに接近、ファミコン大流行、日本の総人口1億2,000万人を突破(国勢調査)、アフリカ救済キャンペーン、キャバクラ、金妻症候群、不倫ブーム、(元)愛人、エイズ日本にも上陸、毒入りドリンク事件各地で発生、かい人21面相が脅迫終結宣言(8.12)、徳島市と淡路島を結ぶ「大鳴門橋」開通(6.8)、民活ユニバーシアード神戸大会開催(8.24~9.4)、ホラー映画ビデオブーム、マル字(変体少女文字)、新風営法施行(2.1)

消費者・住民運動・公害(1985)

○この年は、外国人登録の大量切り替え年にあたり、「指紋押捺は人権侵害」と、押捺拒否、制度の廃止、外国人登録法の改正を求める運動が高まる。

○逗子市池子弾薬庫跡地の米軍住宅建設問題をめぐり、反対派は市議会のリコールに、促進派は市長のリコールに踏み切り、住民同士の対立が深まる。

○名古屋市内の地下街と地下鉄駅構内が、終日全面禁煙となる(4.1)。

○国際森林年にちなみ、森林再生を目指し、「緑の文明学会」が設立される(4.30)。

○全国で初めて、粉じん公害の原因となるスパイクタイヤの使用を規制した「スパイクタイヤ対策条例」、宮城県で成立(12.18)。

時の商品・新製品(1985)

○虎フィーバーにのり、乗用車からカメラ、テレビ、ビール、下着にいたるまで、タイガースキャラクター商品が登場。

○企業名をつけず、商品そのもののセンスや質、話題性で勝負する“覆面ブランド”が増加-「ピュアモルト」ニッカウヰスキー、「ニューズビア」キリンビール、「AXIA」富士写真フイルム、「NEXT ONE」サッポロビールなど。

○女性スタッフによる新製品相次ぐ-料理によって異なる加熱時間などをレンジ本体に記憶できるオーブンレンジ、画面の色を好みの単色に変えられるカラーテレビ、録音機能なしのステレオラジカセ、ダニ取り用掃除機。

○注目された商品-液晶ポケットテレビ、CDプレーヤー、ファミリーコンピューター、テレホンカード、一眼レフAFカメラ、パーソナルワープロ、フルタイム4WD車、音声合成置き時計、積立女性保険、電子黒板、禁煙パイポ、ウーロン茶、8ミリビデオ、ハンディクリーナー、浴用剤

○新登場した商品-超小型複写機、パソコン通信用アダプター、オレンジカード、氷温室付き冷蔵庫、コンポーネント・ブラジャー、男性用泡状整髪料、電子郵便、分割前払い旅行券、カーCDプレーヤー

テレビCM(1985)

松下電器産業<21世紀の平安京>、パルコ<ニューヨーク・イーストリバー>、東亜合成化学工業・アロンアルファースーパーセット<点と点の瞬間接着>、公共広告機構<投げたらアカン>鈴木啓示、日立製作所<インターフェイス>、リクルート情報出版・週刊就職情報<ヤリガイ>、セブンイレブンジャパン<けい子さんのセブンイレブン>、日本電信電話<声に会いたい・ひろし編・ひろ子編>五木ひろし、薬師丸ひろ子・<カエルコール>、講談社・フライデー<みーちゃった、みーちゃった>、日本テレビ放送網<活火山です、4チャンネル>三宅裕司、ユニチャーム・ニューソフィ<今晩は、お月さんですけど>鶴瓶、大日本除虫菊・ゴン<主婦パート編>もたいまさこ、木野花、日立マクセル・ビデオテープ<ナイアガラ>、日本電気・CD-500<CatがDance>、松下電器産業・オーブン電子レンジ<まだ怒ってるの>間下このみ、三菱鉛筆・ユニポスカ<カメレオン>

新聞広告(1985)

日本電信電話<もっと自由なコミュニケーションのために>、朝日新聞社・シリーズ企画広告<ん……なるほど>、キューピー<いいニュースだから再掲載します。>、ニッカウヰスキー・ピュアモルト<私はおいしいウイスキーを知っています。>、東宝・乱<鬼も哭かん!>、新潮社・新潮文庫<インテリげんちゃんの、夏休み。>、西武流通グループ<情熱発電所>、東京ガス・「お風呂の日」<すっぽんぽんだ。>、CBSソニー・WE ARE THE WORLD<人間と音楽。1人の力、1枚の力、1人の命。>、読売新聞社・読売アフリカ募金<もう一つの雨、愛を。>、ユナイテッド航空<アメリカ50州、よりどり、みどり>、豊島園<誇大広告。>、三菱電機<歓迎。ハレー彗星、来日。>、日本電装・オペレーション・ローリー参加募集<きみよ、心の波は高いか。>

話題のテレビ番組(1985)

○各局で報道番組の強化が続くなか、テレビ朝日が、月~金曜日のゴールデンタイムに80分の「ニュースステーション」を登場させた。

○前年に続き、女性向けドラマ人気を集める-金曜日の妻たちへ3・恋におちて(TBS系)、妻たちの課外授業(NTV系)、毎度おさわがせします(TBS系)、男の家庭科(CX系)など。

○フジテレビ「オールナイトフジ」の女子高生版「夕やけニャンニャン」が中・高校生を中心に話題を集め、番組に登場する女子高生たちの「おニャンコクラブ」が大人気となる。

○59年各局でスタートして、話題を集めた深夜生番組、3月の国会で「お色気過剰だ」として問題になり、テレビ東京、テレビ朝日、TBSは番組を打ち切る。

○平日の深夜0時以降のヤング向け番組、話題を集める-さんまのまんま(CX系)、ウソップランド(ANB系)、トライアングルブルー(ANB系)、タモリ倶楽部(ANB系)。

○40年から続いた「アフタヌーンショー」(ANB系)、やらせリンチ事件で打ち切りになる(10.18)。

○おもろい夫婦(CX系、44.4~)、パンチDEデート(CX系、49.10~)、プロポーズ大作戦(ANB系、48.4~)、8時だョ!全員集合(TBS系44.10.4~60.9.28)など長寿番組の終了が相次ぐ。

○放送大学が、東京と群馬でスタート(4.1)。

○ハイブリット伝送方式による文字多重放送始まる-日本テレビ(11.29)、読売テレビ(12.6)、フジテレビ(12.8)など。

NHK(1985)

《澪つくし》44.3%《いちばん太鼓》33.4%
〈春の波濤〉18.2%

○38年4月から続いた「明るい農村」「あなたのメロディー」が終了。

○NHKでも文字多重放送スタート(11.29)。

○「紅白歌合戦」66.0%と紅白史上最低の視聴率を記録。

流行語(1985)

ヤリガイ、ヤッちゃん、いじめ、お嬢サマ、ダッチロール、ヤラセ、知っとるけ、新人類、知りまっ(できまっ)しぇ~ん、オーイ一緒に帰ろう、イッキ!イッキ!、投げたらアカン、勤続疲労、私はコレで会社をやめました、パフォーマンス、淫行、不倫、金妻、分衆、小衆、実年、ニューリッチ、ニュープア、トラキチ、トラフィーバー、ネバカ、カエルコール、角抜き、ホロニック、どうもぉ~、てか~?

流行歌(1985)

レコード大賞:中森明菜<ミ・アモーレ>

歌唱賞:石川さゆり<波止場しぐれ>

最優秀新人賞:中山美穂 C

新人賞:本田美奈子、芳本美代子、小林明子、松本典子

ミ・アモーレ
ジュリアに傷心
恋におちて
飾りじゃないのよ涙は
あの娘とスキャンダル
ロマンチックがとまらない
SAND BEIGE~砂漠へ
俺たちのロカビリーナイト
悲しみにさよなら
天使のウインク
セーラー服を脱がさないで
俺ら東京さ行くだ
雨の西麻布
Like A Virgin
なんてったってアイドル
メロディ

×アフリカ救済のために、アメリカでライオネル・リッチー、スティービー・ワンダー、マイケル・ジャクソンなどビッグアーティスト45名が唱った「We Are The World」、世界中で大ヒット。84ヵ国に衛星中継された「LIVE ADE」など、各国で救済チャリティーコンサートも相次ぐ。

○国際青年年に協賛した「ALL TOGETHER NOW」、吉田拓郎、サザン・オールスターズ、オフコース、はっぴいえんどなどの人気アーチストが参加し、国立競技場で6万人を酔わせる(6.15)。

○グループサウンズブームーチェッカーズ、安全地帯、C-C-Bなど。

話題の映画(1985)

洋画
ゴーストバスターズ
グレムリン
ランボー怒りの脱出
ネバーエンディング・ストーリー
007/美しき獲物たち
スパルタンX
アマデウス

邦画
ビルマの竪琴
ガジラ

Wの悲劇/天国にいちばん近い島
男はつらいよ・寅次郎真実一路/ねずみ小僧怪盗伝
早春物語
それから
お葬式

○オーソンウエルズ、ユル・ブリンナー、永田雅一、夏目雅子、大友柳太朗、天知茂、小池朝雄など死去。

○第1回東京国際映画祭、NHKホールをメーン会場に、渋谷周辺で開催される。ヘアの無修正上映をめぐっても注目を浴びた(5.31~6.9)。

ベストセラー(1985)

スーパーマリオブラザーズ完全攻略本
アイアコッカ
科学万博つくば'85公式ガイドブック
プロ野球殺られても書かずにいられない
わが家の確定申告法
首都消失
豊臣秀長
ダーティペアの大逆転
ああ人間山脈
スーパーマリオブラザーズ裏ワザ大全集
チェッカーズ in TANTANたぬき
洋子へ

○この年の書籍の新刊点数は35,920点(前年比0.2%増)となり、56年から続いた新刊多発状況が一段落した。

○第四次文庫ブーム依然続く-「廣済堂文庫」「フランス書院文庫」「祥伝社ノンポシェット」「福武文庫」「ちくま文庫」などが新たに参入。

○パソコン世代を中心に、ゲームブック、パソコン攻略本が人気を集める。

○ビジネスマン層には、「豊臣秀長」などの生き方を示唆する本が注目を集める。

話題のマンガ(1985)

○グルメブームにのって、男の料理マンガが人気-美味しんぼ(ビッグコミックスピリッツ)、ザ・シェフ(漫画ゴラク)、流れ板竜二(漫画サンデー)など。

○「少年ジャンプ」快進撃、平常号で390~400万部、年末最終号では435万部を発行。

○「月刊あすか」角川書店、「Lady's Comic Hi」主婦と生活社、「OFFICE YOU」集英社など、レディスコミックの創刊が相次ぎ、18誌で月間600万部以上を発行。

What's Michael?(コミックモーニング)、あいつとララバイ(少年マガジン)、ドラゴンボール(少年ジャンプ)、BE-BOP-HIGHSCHOOL(ヤングマガジン)、万才ハイウエイ(コミックモーニング)、寄席芸人伝(ビッグコミック)、ホットDOC(ビッグコミックオリジナル)、アンコールが3回(別冊マーガレット)、アイドルを探せ(mimi)、スプリンター(少年サンデー)

ファッション(1985)

○若い女性の間でパンツ離れが進み、ミニ、ロング、セミタイト、フレアなどのスカート姿が目立った。

○春からのプリントブームに乗って、伝統的なペイズリー柄が復活、カジュアル衣料に広がる。

○春夏に、今まで静かな人気を続けてきた、麻、麻混のジャケットが、アダルト男性層にまで浸透。

○女性のスカーフ姿が復活、再びブームの兆し。

○機能的で働きやすいという点で、ヤングの間でリュックサックがブーム。

○ホワイトラッセル・パンスト(白い網模様くつ下)がブームに。

気象状況(1985)

○2~3年続いた異常気象は、'85年に入ると季節への移り変わりも正しくなり、日本らしい気象状態へ戻った。

○夏は2年続きの猛暑となり、各地で高温の記録が塗り替えられた。

○茨城と千葉の県境でM6.2の強い地震が発生。東京では、56年ぶりの震度5を記録した(10.4)。

×メキシコのアカプルコ沖でM8.1の地震が発生(9.19)。翌日にもM7.5の地震があり、死者8,000人、家を失った市民10万人、物的損害40億ドルにも上った。

×コロンビアのネバドデルルイス火山が2度の大噴火を起こし、アルメロなど周辺の町を土砂で埋めつくし、死者・行方不明者2万3,000人を出す。

1984年(昭和59年)

経済白書 副題(1984)

新たな国際化に対応する日本経済

経済概況(1984)

昭和59年の日本経済は、米国の景気上昇に伴う輸出の増加、原油価格の低下による物価の安定、国内でのハイテク(高度先端技術)関連の設備投資急増などに支えられて、個人消費は依然停滞したままであったが、景気回復を次第に確実なものとしながら拡大を続けた。

経済成長率 名目 6.7% 実質 3.9%
民間最終消費支出 名目 5.3% 実質 2.6%
民間企業設備投資 名目 11.8% 実質 11.6%
輸出 名目 14.7% 実質 14.8%
消費者物価    2.3%  

日本の広告費(電通調査)(1984)

昭和50年代で最も低い伸び率となる。唯一、輸出広告費が好調に推移。

  億円 対前年比(%)
総広告費 29,155 (104.8)
新聞 8,468 (101.2)
雑誌 1,857 (106.8)
ラジオ 1,501 (105.3)
テレビ 10,307 (107.1)
DM・屋外他 6,294 (104.5)
輸出 728 (113.4)

政治・経済・業界(1984)

○大蔵省は今後の金融政策の基本指針をまとめた「金融自由化の展望」を発表。預金金利の自由化や資本市場の拡充を進める方針(4.13)。

○国鉄運賃値上げ、初めて地域別運賃制を導入(4.20)。

○経済対策閣僚会議は、118品目の関税率撤廃または引き下げなどの包括的「対外経済対策」を決定(4.27)。

×第23回オリンピック大会がアメリカ・ロサンゼルスで開催(7.28~8.12)。ソ連・東欧圏のボイコットにもかかわらず、史上最高の140ヵ国が参加。また、五輪史上初めての民間運営方式で行われ、多額の黒字も生みだした。

×IMFは世界景気回復宣言を発表(9.12)。

○通商産業省、国土庁など4省庁は、長岡、熊本など9地域をテクノポリス地域として指定(3.23)。さらに9月までに函館など全国で計14カ所のテクノポリスが決定。

○東京・有楽町の日劇、朝日新聞社跡地にマリオンが建設され、映画館5館、朝日ホールとともに、西武と阪急がオープン(10.6)。

○労働省が59年版「婦人労働白書」を発表。主婦3,042万人のうち働く主婦が50.3%と、初めて働く主婦が半数を超す(10.20)。

○二階堂擁立の動きなどに揺さぶられながら、第2次中曾根内閣発足(11.1)。

○新しい日本銀行券3種類(1万円、5千円、千円)が発行される(11.1)。

×米大統領選挙、レーガン現大統領が再選。第2期レーガン政権発足(11.6)。

○「グリコ・森永事件」の影響は、菓子業界全体に広がる。

○景気上昇下で、この年の倒産件数2万件を超し、負債総額も3兆円台に乗る。大沢商会、リッカー、ヤタガイクレジットなどの大型倒産も相次ぐ。

○東京証券取引所第1部のダウ平均株価は1月9日に1万円の大台に乗せ、年末には1万1,500円台まで上昇、株高が続く。

マスコミ・広告・媒体(1984)

○博報堂、東北新社など4社は、CATVのソフト供給会社「日本映像ネットワーク株式会社」を設立(1.20)。

○在京民放テレビ5社とNHKで構成する「国際衛星共同利用機構(JISO)」のアメリカ-日本間専用回線開通(4.1)。

○日本初の実用放送衛星BS-2a(ゆり2号a)の打ち上げ成功(1.23)。5月12日からNHKの衛星放送がスタート。

○通商産業省は、ニューメディア・コミュニティ構想のモデル地区に、横浜市など8地域を指定(8.14)。

×アメリカ海外情報局はテレビ受像機台数に関する統計を報告。58年末現在の世界の受像機数は6億5700万台で、50年にくらべ65%増(8.31)。

○電通は、女性主体の広告・商品企画会社「電通EYE」を設立(9.5)。

○電通、東宝、NHKなど企業・団体120社からなる、CATVの番組供給会社「CATV番組供給協議会」が設立される(9.19)。

○高度通信情報システム(INS)のモデル実験、東京の三鷹・武蔵野地区と都心の霞が関地区などを光ファイバー・ケーブルで結び始まる(9.28)。

○「第29回IAA(国際広告協会)世界広告会議」東京で開催(10.2~5)。

○キャプテン・システム、首都圏と京阪神の両地区でスタート(11.30)。

○第2次CIブーム依然続く-マツダ、東芝、ブリヂストン、リクルート。

○「週刊文春」のシリーズ記事“疑惑の銃弾”が社会的注目を集め、連載中の売れ行きも伸びるとともに、報道と人権に関する論議も活発となる。

○読売新聞社は、110周年記念として「読者が選ぶ読売広告大賞」を制定。

○都市型CATVの開設をめざし、全国各地で免許申請相次ぐ。

○中央各紙を中心にセグメント情報紙の開発続く-朝日新聞「マリオン」、毎日新聞「Scan」、読売新聞「My Town INDEX」など。

×アメリカのCATV普及率43%(3611万世帯)に達した(ニールセン調べ)。

媒体の発足(1984)

○極東放送がFM局に移行し「エフエム沖縄」として再スタート(9.1)。

○エフエム宮崎12.1開局。

○福井エフエム放送12.12開局。

○販売方法に変化の兆し-SOPHIA(講談社6.6創刊)=特約店による宅配制、Dame(主婦の友社7.1創刊)=年間予約制による直販。

○コンビニエンスストア向け雑誌も創刊-「Lady's Day」徳間書店5.23、「ベストバイクスポーツエクストラ」講談社4.26など。

○秋にビジネスマン向け雑誌の創刊相次ぐ-「NHKサラリーマンライフ」日本放送出版協会9.20、「ASPECT」アスキー10.9、「NEXT」講談社10.9、「THE 21」PHP研究所10.22など。

○その他の創刊誌-「The Bike」毎日新聞社3.31、「CLASSY」光文社4.27、「ef」主婦の友社5.23、「BH」パルコ出版7.10、「FRIDAY」講談社11.9など。

○テレビ局数102局

○ラジオ局数61局(2局増)

○創復刊誌238誌、休廃刊誌142誌

媒体普及率(1984)

テレビ契約数 30,798,606
(うち、カラー) (28,534,269)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <99.2%>
VTR普及率 <18.7%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1984)

○放送衛星ゆり2号a打ち上げ成功(1.23)。日本初の衛星放送始まる(5.12)

○全斗煥韓国大統領来日。韓国元首の公式訪問は日韓史上初めて(9.6~8)

○長野県西部地震(M6.8)が発生。震源地王滝村を中心に被害(9.14)

○高度情報通信システム(INS)、三鷹・武蔵野でモデル実験スタート(9.28)

○自民党総裁選、二階堂擁立で紛糾のすえ、第2次中曾根改造内閣発足(11.1)

○新日本銀行券(1万円、5千円、千円)が発行される(11.1)

○世田谷で地下通信ケーブル火災、銀行のオンラインなどマヒ状態に(11.16)

○新情報メディア「キャプテン」のサービス、首都圏と京阪神地区で始まる(11.30)

○王貞治巨人軍監督、アメリカのベーブ・ルース賞'84年受賞者に選ばれる(12.18)

○グリコ・森永事件

海外10大ニュース(1984)

×スペースシャトル「チャレンジャー」の飛行士が命綱なしの宇宙遊泳に成功(2.7)

×アンドロポフ・ソ連書記長死亡(2.9)、後任にチェルネンコ氏が選任(2.13)

×完全民間運営のロサンゼルス・オリンピック大会開幕(7.29~8.13)

×ガンジー・インド首相暗殺される(10.31)

×アメリカ大統領選挙でレーガン大統領再選(11.6)

×インド・ボパール市の殺虫剤工場で毒ガス漏れ事故。死者2500人以上(12.2)

×中英両国が香港返還の合意文書に調印(12.19)。1997年に返還

×南北体育会談(4~5)、南北経済会談(11.5)など、南北朝鮮対話再開される

×5年目のイラン・イラク戦争、タンカー攻撃などでペルシャ湾に緊張が続く

×アフリカの干ばつと飢餓深刻続く

世相・風俗(1984)

○ニューメディア発進-高度情報通信システム(INS)モデル実験スタート、キャプテン実用サービス開始など。

○テクノポリス構想、テレトピア構想、ニューメディアコミュニティ、ニューフロンティア計画など、“地方の時代”を押し進める地方活性化計画相次ぐ。

○CMからでてきた動物ブーム相次ぐ-エリマキトカゲ、コアラ、ラッコ、アルマジロ、ペンギン、タコ、猫など。

○銀行強盗、連続射殺事件、覚せい剤事件、免許証偽造事件など、元・現職警官の不祥事相次ぐ。

○トルコ人青年の訴えから、「トルコ風呂」の名称変更。

陰湿化するいじめ問題、増加する登校拒否児-10年で3倍に、教育改革がクローズアップ、臨教審発足、世界一の長寿国日本-男72.5歳・女74.9歳運転免許保有者5千万人を突破、1票の格差に違憲判決つづく、おいしい水ブーム、ブレイクダンス、ストリート・パフォーマンス、レトロブーム、ニューアカデミズム、物皆足りた“飽食の時代”、ロス疑惑、小錦旋風、阪急ブーマー選手が外人初の三冠王に、テレビに変な外人タレント続々-ケント・ギルバート、ケント・デリカット、アダ・マウロ、マリアンなど。

消費者・住民運動・公害(1984)

○湖や沼の汚染に歯止めをかける「湖沼水質保全特別措置法」が成立(7.20)。

○“湖沼環境の保全と管理-人と湖の共存の道をさぐる”をテーマに、「'84世界湖沼環境会議」が大津市で開催、「琵琶湖宣言」採択(8.27~31)。

×野性動植物の輸出入を規制する、ワシントン条約アジア・太平洋州地域会議は、日本に対する批難決議を表明(10.12)。

○使用済み乾電池に含まれる水銀による環境汚染が問題となり、回収運動広がる。

○ボランティア活動にたよる環境庁「緑の国勢調査」、予想を上回る反響で全国から9万人の応募者が集まる。

時の商品・新製品(1984)

○ニュービジネス花盛り-ハウスクリーニング、バイク宅急便、結婚情報サービス、便利屋など。また、近年盛んな人材派遣業は立法化。

○機能、デザインをすっきりとまとめた単機能商品の人気上昇-FEN専用ラジオ、単機能型電子レンジ、秒針のないアナログ式腕時計、無印良品。

○水道水の質の低下など、水道のまずさが問題にされるなか、“おいしい水”自然水がブームとなる-六甲のおいしい水、秩父源流水など。

○コンパクトディスク(CD)、プレーヤーの低価格化、ソフトの充実・低価格化などにより、普及の兆し。

○面白ネーミング商品ブーム-なんきんまね(チョコスナック)、鈴木くん・佐藤くん(スナック菓子)、まごころ・思いやり(樽生ビール)、文作くん(ワープロ)。

○新登場した商品-ポケット型カラー液晶テレビ、電話番号記憶デジタル腕時計、バイオ口紅、男性用化粧品、ピンクのビール。

○注目された商品-テレホンカード、浴用酒、中国野菜、缶入りウーロン茶、低カロリー甘味料、ミュージカル「CATS」、キャベツ人形、レジャーギフト券、環境ビデオ、デジタルテレビ、焼酎(甲類)。

テレビCM(1984)

麒麟麦酒・絵樽<思いやりとまごころ>細野晴臣、渡辺真知子・キリンビヤシャトル<どっから見てもへんな形>丹波哲郎、G馬場、森下仁丹・白仁丹<たけしの白仁丹>ビートたけし、三菱自動車・ミラージュ<エリマキトカゲ>、サントリー・ローヤル<ガウディ>・Q<デュラン・デュラン>・ペンギンズバー<回覧ネコ>、キッコーマン・がんばれ玄さん<がんばれ、がんばれ、玄さん>、アルマン・パイポ<私はコレで会社を辞めました>、ト、ヨタ自動車・スターレット<かっとびキートン>、朝日麦酒・生とっくり<アーサーキッドの「ショジョジ」の歌とタヌキ・ガールズ>、宝酒造<CANチューハイ>J.トラボルタ、サンスター・デミュートサンスター<どっちを選ぶでしょう>ビートたけし、資生堂・ビコーズ<新発売にはワケがある>石原裕次郎、ロス五輪協賛各社<「がんばれニッポン」キャンペーン>

新聞広告(1984)

西武流通グループ<うれしいね、サッちゃん>、ソニー・ベータマックス<ベータマックスはなくなるの?>、サントリー・オールド<働く人>、オリエンタルランド・東京ディズニーランド<こころフワフワ、夢中旅行>、資生堂・不老林<禁句7題>、アップルコンピュータジャパン<アップルが来た>、サントリー・日本鳥類保護連盟“トリからのメッセージ”シリーズ広告<21世紀へ このすばらしい地球の仲間たちをのこしたい>、朝日新聞社企画“国立公園指定50周年”シリーズ広告<緑はともだち>、キヤノン・ミニOA<これ、俺のOA。これ僕のOA。>ビートたけし、石坂浩二、東陶機器・ウォシュレット<おしりの気持ちも、わかってほしい。>、劇団四季・CATS<夢、かなう。>、朝日麦酒・ビー<冗談でしょ、ピンクのビール?>、ミサワホーム<我が間ま住宅>

話題のテレビ番組(1984)

○「オールナイトフジ」(CX系)に刺激され、土曜日の深夜番組花盛りTV海賊チャンネル(NTV系)、ハロー!ミッドナイト(TBS系)、ミッドナイトIN六本木(ANB系)、夜はエキサイティング(TX)など。

○“教官!”の流行語を生んだ「スチュワーデス物語」(TBS系)、なぜか笑いでうけて大ヒット(83.10~84.3)。

○TBS、ゴールデンタイムに民放初のニュース番組「JNNニュースコープ」を登場させ、一時NHKの「7時のニュース」を抜く視聴率をあげ、注目される。

○テレビ朝日、アメリカのケーブルテレビ局「ケーブル・ニュース・ネットワーク(CNN)」と提携、CNNのニュースを早朝と深夜に流しはじめる(4~)。他の民放各局も海外情報の強化を図る。

○ミュージックビデオ番組増加-ザ・ポッパーズMTV(TBS系)、MTV:MUSIC TELEVISION、ベストヒットUSA(ANB系)、ロックTV(TX)、MUSIC TV(TVK)など。

○女性向き本音ドラマが注目される-くれない族の反乱(TBS系)、金曜日の妻たちへ2・男たちよ、元気かい!(TBS系)、妻たちの乱気流(ANB系)、金曜女のドラマスペシャル(CX系)など。

○40年から放映されてきた長寿番組「銭形平次」(CX系)、4月4日で幕を閉じる。また、主役の大川橋蔵、55歳で他界(12.7)。

○奈良テレビ、全国初の文字ニュース放送を開始(11.1~)。

NHK(1984)

《ロマンス》39.0%《心はいつもラムネ色》40.2%
〈山河燃ゆ〉21.1%

○放送記念日特集で、通常の番組時間枠をはずし、時間に縛られない自由な構成による「18時間テレソン」を実施、注目される(3.20)。

○大河ドキュメンタリー「シルクロード」、5年間30回にわたる放送完結。

流行語(1984)

マル金 マルビ、くれない族、疑惑、千円パック、す・ご・い・で・す・ね~、イッキ・イッキ、教官!、なんですかア、帰ってよ!、ナァーイス、ザンゲ、ここはどこ?私はだれ?、おーっとー!、ぐずでのろまなカメ、キャピキャピ、エーッ!、飽食の時代、スキゾ、パラノ

○誰にでも使われるといった、大きな流行語の少ない年だった。

流行歌(1984)

レコード大賞:五木ひろし<長良川艶歌>

歌唱賞:細川たかし<浪花節だよ 人生は>

最優秀新人賞:岡田有希子 恋 はじめまして、

新人賞:一世風靡セピア、菊池桃子、吉川晃司、SALLY

もしも明日が……
ワインレッドの心
Rock'n Rouge
涙のリクエスト
悲しくてジェラシー
十戒(1984)
娘よ
星屑のステージ
北ウイング
サザン・ウインド
北の螢
前略・道の上より
メイン・テーマ
モニカ
雪にかいたLOVE LETTER
桃色吐息
雨音はショパンの調べ

○映画、テレビCM、出版など、デビュー当初からメディア・ミックスをかけて売り出す歌手が登場-少女隊、セイント・フォー、工藤夕貴など。

○デュラン・デュラン、カルチャー・クラブ、トンプソン・ツインズなど、ニュー・ウェーブのグループが続々と来日。

○マイケル・ジャクソン旋風、世界中を駆ける-57年末発表のアルバム「スリラー」が大ヒット、59年中もその人気は衰えず、シングルカットされた7曲も全米ヒットチャートのトップ10に。

○不振を続けるレコード産業の中で、CD、レーザー・ディスク、ビデオ・ソフトなどの新規商品に成長の兆し。

○「アンコ椿は恋の花」「北の宿から」などのヒットをもつ、都はるみ引退。

○ジャズ界の巨星カウント・ベイシー死去(4.26)。

話題の映画(1984)

洋画
インディジョーンズ魔宮の伝説
キャノンボール2
プロジェクトA
ステイン・アライブ
フットルース

邦画
里見八犬伝
メイン・テーマ/愛情物語
ドラえもん/忍者ハットリくん+パーマン
空海
男はつらいよ・口笛吹く寅次郎/喜劇・家族同盟
お葬式
瀬戸内少年野球団
おはん

○異業種の映画参入相次ぐ-さよならジュピター(電通)、風の谷のナウシカ(博報堂)、上海バンスキング(テレビ朝日、西武流通グループ)。

○日比谷から有楽町へ、映画街の主役交代-日比谷映画街が閉幕、有楽町マリオンに5つの映画館がオープン。

○イタリア、スペインなどの映画祭相次ぐ。

ベストセラー(1984)

愛のごとく
天障院篤姫
伝わる愛
三毛猫ホームズのびっくり箱
見栄講座
プロ野球知らなきゃ損する
ソープバスケット
愛情物語
メインテーマ
人生汗と涙と情
新常識わが家の銀行利用法
愛・見つけた
告白ハンパしちゃってごめん
第四の核
もっとチェッカーズ
華麗なる探偵たち
箱根の坂
闇狩り師
修羅の群れ
金塊巻

○第四次文庫ブーム-昭和初期、25~26年、46~47年に続くブームで「ケイブン文庫」「ワニ文庫」「PHP文庫」「光文社文庫」など新規参入相次ぐ。

○低成長が続く出版界、59年はミリオンセラーもなくなる。

○大きい活字、軽く持ち運べる、読み捨てができるなどで“ザラ紙本”がうける。

○出版界初の非再販本フェア「読者謝恩出版社バーゲンブックフェア」、来場者数11,000人、売り上げ956万円と、予想以上の成績を収める(11.9~11)。

話題のマンガ(1984)

○「少年ジャンプ」、小学生から大学生にまで読まれて、平常号で360万部年末最終号は403万部を発行。

○メディアミックスが人気に拍車-「キン肉マン」「キャプテン翼」「北斗の拳」などテレビ化されたマンガコミックスでも人気を呼ぶ。

○マンガの学習参考書ブーム続く。

○アダルト女性マンガ誌の人気が定着、創刊誌も相次ぐ、、「YLコミックME」講談社、「Elegance イブ」秋田書店、「MAY」少年画報社など。六三四の剣(少年サンデー)、天地を喰らう(少年ジャンブ)、バリバリ伝説(少年マガジン)、アキラ(ヤングマガジン)、まんだら屋の良太(漫画サンデー)、白い風(漫画ゴラク)、ふるさと(漫画アクション)、人間交差点(ビッグコミックオリジナル)、生徒諸君!(少女フレンドコミックス)、吉祥天女(別冊少女コミック)、大いなる完、課長 島耕作(コミックモーニング)、ブッダ(トム)、九番目の男(漫画アクション)

ファッション(1984)

○春夏に、アダルト男性に白のシャツブルゾンが人気に、ギャルにはマリンルックが人気となる。

○手編物が15年ぶりのブーム。

○スタジアムジャンパーが人気となる。

○ここ数年来続いたスポーツカジュアルルックに退潮の兆し。ヤングを中心に、ダブダブの非行動なスラウチ(だらしない)ルックが台頭。

○消費の個性化、多様化が進み、下着にも“ジバンシー”“カルバン・クライン”などのデザイナーブランドが増加。

○昨年来のモノトーンやグレーが夏以降減少、白や生成り、パステルカラーが注目され始める。

気象状況(1984)

○戦後39年ぶりの大寒冬となり、東京の雪日数は1~2月で18日を記録、4月までで29日と気象庁観測開始以来の新記録。とくに、1月の首都圏の大雪では、空陸の交通網が大混乱、転倒事故も相次ぐ。

○夏は全国的な猛暑となり、オリンピック、夏の甲子園大会とも重なり、電力9社の最大電力消費量も8月2日から9日まで連日記録を更新。東京では熱帯夜が連日23日間続く。この暑さで、夏物商戦は久々の活況となる。

○上陸台風ゼロの年。秋以降、西日本、関東などで水不足の心配が出る。

○M、8の長野県西部地震発生。王滝村で土砂崩れ、29人が死亡、行方不明19.14)。

×アフリカの干ばつが続き、飢餓が一段と深刻となる。

1983年(昭和58年)

経済白書 副題(1983)

持続的成長への足固め

経済概況(1983)

昭和58年の日本経済は、原油価格の低下や米国経済の拡大によって輸出が急速に増大し、ようやく長期にわたる低迷から脱して回復過程に入ったとみられるが、個人消費などの内需は依然停滞を続けた。このため、景気回復の足取りはきわめて弱かった。

経済成長率 名目 4.1% 実質 2.3%
民間最終消費支出 名目 5.5% 実質 3.3%
民間企業設備投資 名目 1.4% 実質 1.7%
輸出 名目 -0.3% 実質 4.8%
消費者物価    1.9%  

日本の広告費(電通調査)(1983)

○雑誌広告費は、女性誌の好調に支えられた創刊ブームにより、高い伸びを示した。

  億円 対前年比(%)
総広告費 27,820 (105.9)
新聞 8,369 (105.5)
雑誌 1,739 (111.1)
ラジオ 1,425 (107.1)
テレビ 9,620 (106.2)
DM・屋外他 6,025 (105.0)
輸出 642 (98.9)

政治・経済・業界(1983)

×中曾根首相訪米(1.17)。日米首脳会談で同盟関係を再確認(~1.21)。

○中曾根首相は、就任後初の施政方針演説を行い、日米関係強化、防衛計画大綱の速やかな達成、行財政改革の推進、などを強調(1.24)。

○日本初の実用静止通信衛星「さくら2号a」打ち上げ成功(2.4)。

○第2次臨時行政調査会、「行政改革に関する第5次答申(最終答申)」をまとめ首相に提出(3.14)。7月1日、臨時行政改革推進審議会発足。

×OPECが原油価格を1バーレル=34ドルから29ドルとし、生産上限も1,750万バーレル/日へ引き下げ。値下げはOPEC結成後初めて(3.15)。

○東京ディズニーランドが開園(4.15)。入場者数、年末までで800万人突破。

×第9回主要先進国首脳会議(サミット)がアメリカのウィリアムズバーグで開催(5.28~30)。

○初めて比例代表制を導入した第13回参院通常選挙が行われ、自民党が安定多数を確保(6.26)。

○経済企画庁は、「55年春から3年間続いた戦後最長の不況が終わり、景気は回復局面に入った」と、景気底離れ宣言を出した(7.27)。

○政府は、58年度からの新経済計画「1980年代経済社会の展望と指針」を策定(8.12)。

○金融機関の第2土曜休日がスタート(8.13)。

○ロッキード裁判丸紅ルート公判で、田中角栄元首相に懲役4年の実刑判決(10.12)。

○日本銀行は、公定歩合を0.5%引き下げ、年5.0%に(10.21)。

○コール西独首相来日を皮切りに、レーガン米大統領、トルドー加首相、胡耀邦中国共産党総書記と、各国首脳相次ぎ来日(10.31~11.30)。

○所得税特例法など減税法案が、参院本会議で可決、成立(11.17)。

○第37回衆院総選挙で自民党大敗。投票率は戦後最低の67.94%(11.18)。新自由クラブとの連立政権による第2次中曾根内閣発足(12.27)。

○東京証券取引所の第1部ダウ平均株価は9,893円を記録(12.28)。

マスコミ・広告・媒体(1983)

○日本民間放送連盟ラジオ委員会は、ラジオ媒体力向上のための大型企画「レッド・ホット・キャンペーン」をスタート(3.14)。

○郵政省は、有線テレビ(CATV)にこれまで禁じていた「双方向通信」を認めるよう、全国の地方電波管理局に通達を出した(5.30)。

○郵政省は、未来型コミュニケーションモデル都市(テレトピア)を全国で10都市程度指定し、ニューメディアの実用化を進める構想を発表(8.9)。10月には、テレトピア懇談会が発足、指定基準や推進方策の検討を開始。

○平凡出版は、新社屋落成を機に社名をマガジンハウスに改称(10.1)。

○テレビ文字多重放送がNHKの東京、大阪地域で始まる(10.3)。

○「国際スポーツフェア'83秋」開催(10.6~10.11)。

○「大阪21世紀計画」が「大阪築城400年まつり」を皮切りにスタート(10.8)。

○都市型CATV第1号申請の(株)インターナショナル・ケーブル・ネットワーク(ICN)に、郵政省の設置許可が下りる(11.11)。

○電通は既存CATV15局をネットした「ジャパン・ケーブル・ネットワーク(JCN)」を結成(11.15)。

○この年は国連の「世界コミュニケーション年」に当たり、日本でも「世界コミュニケーション会議・東京」(9.12~9.14)、「コミュニケーションフェア'83」(7.26~8.7)など多数の記念行事や関連企画が展開された。

○商品の情報を生活情報のなかに盛りこんで紹介する新型式の番組型広告「インフォマーシャル」がCATV用ソフトウェアとして注目をあびる。

○グラビア誌「FOCUS」の170万部を超える急成長、雑誌の創刊ラッシュとともに、「平凡パンチ」「週刊平凡」「週刊読売」「婦人生活」など既存誌のリニューアルが相次いだ。

○新聞に女性向け別刷り特集版の発行目立つ-毎日新聞社東京本社版「トマト」、朝日新聞社「風」、河北新報社「河北アルファ」など。

媒体の発足(1983)

○全国で100局目のテレビ局「テレビ愛知(TVA)」9.1開局。

○新潟テレビ21(NT21)10.1、テレビユー福島(TUF)12.4開局。

○静岡エフエム放送4.1開局。

○春に女性誌の創刊ラッシュ-「月刊カドカワ」角川書店4.5、「ViVi」講談社、「LEE」集英社、「Free」平凡社ともに5.23、「SAY」青春出版社5.27創刊など。

○その他創刊誌-「フットワーク」朝日新聞社2.7、「コペル21」公文数学研究センター3.5、「PENTHOUSE」講談社3.24、「San Sun」学習研究社3.26、「BIG SUCCESS」プレジデント社5.10、「Grundy」徳間書店9.26、「月刊小説王」角川書店9.28、「IN POCKET」講談社9.30、「PHOTO JAPON」福武書店10.1、「シティランナー」学習研究社10.21、「2001」祥伝社10.21、「NEW MEDIA」宣伝会議11.1、「鳩よ!」マガジンハウス11.2など。

○テレビ局数102局(3局増)

○ラジオ局数59局(1局増)

○創刊誌244誌、休廃刊誌108誌

媒体普及率(1983)

テレビ契約数 30,403,046
(うち、カラー) (27,928,285)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <98.8%>
VTR普及率 <11.8%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1983)

○自民党ニューリーダー中川一郎自殺(1.9)

○青函トンネル先進導坑貫通(1.27)

○第2次臨時行政調査会が最終答申まとめる(3.14)

○日本海中部地震、東北に大被害(5.26)

○戸塚ヨットスクール事件で戸塚校長逮捕(6.13)

○「免田事件」の免田栄被告、34年ぶりに無罪判決(7.15)

○新薬産業スパイ事件(9.7)から、一連の医薬品不正事件発覚

○伊豆諸島三宅島の雄山噴火(10.3)

○アメリカのレーガン大統領来日(11.9)

○田中実刑判決(10.12)で国会混乱、衆院解散へ。総選挙では自民党大敗(12.18)

海外10大ニュース(1983)

×西ドイツ、イギリスの総選挙(3.6、6.9)でともに保守が圧勝

×OPECが原油価格を5ドル下げて29ドル/バーレルに(3.15)

×アメリカで初の女性宇宙飛行士を乗せ「チャレンジャー」打ち上げ(6.18)

×フィリピンの野党指導者アキノ元上院議員暗殺(8.21)

×大韓航空機撃墜事件(9.1)

×ポーランドの自主労組「連帯」のワレサ委員長、ノーベル平和賞受賞(10.5)

×ビルマ・ラングーン爆弾テロ事件(10.9)

×混迷深まる中東情勢-レバノン紛争、パレスチナ解放機構の内紛、ベイルート爆弾テロ、イラン・イラク戦争など

×アメリカ・ソ連の核軍縮交渉(INF、START)暗礁に乗り上げ、中断

×後天性免疫不全症候群(AIDS)、アメリカ、ヨーロッパで流行

世相・風俗(1983)

○ストレス社会に○○症候群(シンドローム)多発-上昇停止症候群、出勤拒否症、台所症候群、シンデレラコンプレックスシンドローム、バーン アウトシンドロームなど。

○広がるいじめ社会-浮浪者狩り連続殺人事件、忠生中学事件、戸塚ヨットスクール事件など。

○ミーイズムの世の中に、耐え抜く人“おしん”がブームとなる。おしんツアー、おしん饅頭、おしんこけしなどが登場。かたき役に回った佐賀県はNHKに抗議。国会議員までが、超党派でおしん後援会を結成。

○ハイ・テクノロジー社会が進むなかで、人間的感触(ハイタッチ)を求める動き-ゴムの模型飛行機・ブリキのおもちゃが静かなブーム、ホームパーティブーム、環境音楽注目される、催眠・瞑想施設急増など。

○日本で初めての体外受精児(試験管ベビー)誕生(10.14)。

勝手連、ヤンキー族(関西)、黒色ブーム、ロフト文化、バイクブーム、プロレスブーム、力道山ブーム、カルチャー・ミセス、カフェバー、BGMからBGV(バック・グラウンド・ビデオ)へ、愛人バンク、裏ビデオ

消費者・住民運動・公害(1983)

○環境庁がまとめた「1982年度公共用水域水質測定結果」によると、全国の湖沼は水質がいっこうに改善されず、さらに悪化していることが明らかになった。

○消費者運動の国際組織「国際消費者機構(IOCU)」の日本国際セミナーが「健康・安全と消費者」をテーマに開催(4.6~4.9)。

○「ナショナルトラストを進める全国の会」の第1回会合が、33団体の参加により田辺市で開かれる(10.15~16)。

○冬季のスパイクタイヤ使用による「道路粉じん公害」が、新たな社会問題としてクローズアップされる。

時の商品・新製品(1983)

○ニュービジネス注目される-ホーム・ヘルス・ケア産業、電話転送サービス、各種名簿図書館、総合情報サービスなど。

○新素材を使った新製品相次ぐ-車体にプラスチックを採用した乗用車、エンジンの一部にセラミックスを採用したディーゼル車、セラミックゴルフクラブ、ゴアテックスなどを使った防水透湿ウェアなど。

○“おしゃべり機械”続々登場-35ミリカメラ(トークマン)、マイコンミシン(コンパルα)、腕時計(ボイスノート)、パソコン(パナボイス)など

○育毛料が中年やヤングにもブームとなる-薬用不老林(資生堂)、紫電改(カネボウ)、ジャクロ(アートネイチャー)など。

○注目された商品-パーソナル無線、インバーターエアコン、インタークーラー付きターボ乗用車、温水便座、ワンルームマンション、無印良品、輸入ビール、天然水、和風アイスクリーム レンタルショップ、50ccカー。

○新登場した商品-無鉛ハイオクガソリン、MSXホームパソコン、プリンター内蔵テレビ、テレビデオ、パソコンテレビ、文字多重対応テレビ、プラスチック製自転車、カメラ一体型VTR、ライトウイスキー。

テレビCM(1983)

サントリー・缶ビール<泣かせる味じゃん・カサブランカ編>、パルコ<狩人か、旅人か。>スタン・ハンセン、サントリー・ローヤル<ランボウ>、アメリカンエキスプレス<テニス編>ジャック・ニクラウス、武田薬品・アリナミンA<スペインの石まわし編>、日本国有鉄道・ナイスミディパス<行かせて下さい編>菅井きん、野際陽子、泉ピン子、学生援護会・日刊アルバイトニュース<人間だったらよかったんだけどねえ・牛編>斎藤慶子、朝日麦酒・アサヒ黒生<ゴジラ>、サントリー・樹氷<タコ編>田中裕子、麒麟麦酒・ビヤ樽<オナゴでてこい編>田中康夫、春風亭小朝、細野晴臣、日本テレビ放送網<おもしろまじめに4チャンネル>徳光和夫、小林完吾、大日本除虫菊・金鳥どんと<チャップイチャップイ>西川のりお、桂文珍、松下電器・マックロードGT4<中村さんちのマックロード>中村雅俊

新聞広告(1983)

世界コミュニケーション年企画-日本橋三越<もっと、ふ・れ・あ・い>、服部時計店<時は、絆>、日本アイ・ビー・エム<いい年、いい縁>など。

西武百貨店・西武流通グループ<おいしい生活イベント版>、豊島園<これでもか、これでもか、としまえん>、サントリー・バドワイザー<No1が好きだ>、資生堂<人、春夏秋冬>、平凡社・Free<きょう、女性誌が男女の一線をこえます。>郷ひろみ、東京ディズニーランド<ほら、夢がきこえる。>、東陶機器・ウォシュレット<人のおしりを洗いたい。>、サントリー・ミネラルウォーター<顔を洗う水と、飲む水は、別でありたい気もする>、キリンシーグラム・NEWS<私生活のウイスキー。>、カゴメ・朝市<アサーッ!>、資生堂・薬用不老林<秋風 枯葉 髪 心配>、沢之鶴、

ココ山岡他29社連合広告<We Love Nagashima>

話題のテレビ番組(1983)

○4月改編で、スポーツニュース番組の新設、拡充相次ぐ-スポーツTODAY(TX系)、スポーツ天国(CX系)、速報!テレビスタジアム(ANB系)など。

○9月改編では、クイズ番組増加-おもしろクイズBOX(NTV系)、クイズ・Mr ロンリー(TBS系)、GOGOギネス世界一(CX系)、何かとワイド面白地球(ANB系)など。

○世界まるごとHOWマッチ(TBS系)スタート(~'90)。

○この2~3年人気を集めてきた2時間ドラマ頭打ち、1時間ドラマ復活-積木くずし、金曜日の妻たちへ、ふぞろいの林檎たち(TBS系)、若草学園物語、明石貫平35才(NTV系)など。

○深夜放送が復活の兆し-オールナイトフジ(CX)、ロックTV(TX)、月刊ニューアーツ倶楽部(TBS)など。

○深夜に名作洋画のノーカットTV放送相次ぎ注目を集める-ジャイアンツ、男と女、サイコ(TBS系)、レベッカ、失われた週末(TX系)、少年と鮫、雨に唄えば(ANB系)など。

○日本テレビは、目の不自由な人のために、初めての試みとして副音に画面解説を入れた音声多重放送を開始(3.1~)。

○テレビ東京は、平日夜8時台にテレビ界で初めての1時間の帯番組「スーーパーTV」を新設。5日間連続で、番組内容はドラマ、ドキュメント、音楽など多彩なもの(10~)。

×核戦争の恐怖をえがいたテレビ映画「ザ・デイ・アフター」をアメリカABCテレビが放映。視聴率は40%でアメリカテレビ史上3位(11.20)。

NHK(1983)

《おしん》52.6%〈徳川家康〉31.2%

○「おしん」国民的人気-“少女編”平均視聴率40.4%(4~)。

○テレビ放送30周年として、「ブラウン管の一万日」「テレビジョン・その時代」などを放映。初めて民放の番組が、NHKで放送された。

流行語(1983)

いいとも!、○○の輪ッ!、おじさんは怒ってるんだぞ、いかにも一般大衆が……、タコがいうのヨ、○○だったらよかったんだけどネ、積木くずし、涅槃で待つ、人間やめますか、マ・カ・セ・ナサイッ、やるっきゃない、いまだ機熟さず、ルンルン、チャップイ チャップイ、戸塚る、気分はEチケット、みたなあ~、○○人、胸キュン、おもしろまじめ、フォーカスされる、不沈空母、ニューメディア元年、情報使いすて時代、気くばりのすすめ

流行歌(1983)

レコード大賞:細川たかし<矢切りの渡し>

最優秀新人賞:THE GOOD-BYE 気まぐれ ONE WAY BOY

歌唱賞:森昌子<越冬つばめ>

新人賞:岩井小百合、大沢逸美、桑田靖子、小野さとる

さざんかの宿
矢切りの渡し
めだかの兄妹
探偵物語/すこしだけやさしく
氷雨
キャッツ・アイ
ガラスの林檎/SWEET MEMORIES
セカンド・ラブ
フラッシュダンス~ホワット・ア・フィーリング
め組のひと
時をかける少女
3年目の浮気
さらば…夏
エスカレーション
君に胸キュン
ドラマティック・レイン
悲しい色やね

○レコード業界は、58年も低迷を続け、3年連続のマイナス成長に終わる。

○聴き手の嗜好が多様化し、ヒット曲の規模は小さく、ヒット期間も短くなる。58年のミリオン・セラーは大川栄策「さざんかの宿」1曲にとどまる。

○新しい音楽スタイルとして環境音楽が緩やかなブームとなる。

○松田聖子両A面トップ-「ガラスの林檎」のヒットに続き、TVCFのペンギン人気に押されて、元B面の「SWEET MEMORIES」もヒット。

○ヒット演歌の競作相次ぐ-「氷雨」佳山明生、日野美歌、「矢切りの渡し」細川たかし、瀬川瑛子など、「釜山港へ帰れ」趙容弼、渥美二郎など。

○イエロー・マジック・オーケストラ、武道館で散開コンサート(12.12)。

話題の映画(1983)

洋画
E.T.
スターウォーズ・ジェダイの復讐
フラッシュダンス
007/オクトパシー
ランボー
愛と青春の旅だち
戦場のメリークリスマス

邦画
南極物語
探偵物語/時をかける少女
汚れた英雄/伊賀忍法帖
男はつらいよ・花も嵐も寅次郎
プルメリアの伝説・天国のキッス/刑事物語2・りんごの詩
東京裁判
家族ゲーム
幻魔大戦

○「E.T.」日本映画興行史上の新記録。入場者数1,069万人。「南極物語」も「E.T.」に続く。この2本の大ヒットにつられ、58年の映画人口は1億7,000万人台に突入。

○「楢山節考」、カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞(5.19)。

○片岡千恵蔵(3.31)、中村雁治郎(4.13)、寺山修司(5.4)死去。

ベストセラー(1983)

気くばりのすすめ
積木くずし
探偵物語
ひとひらの雪
ふたつの祖国
和田アキ子だ文句あっか!
老化は食べ物が原因だった
続・気くばりのすすめ
女らしさ物語
メガトレンド
佐川君からの手紙
意識革命のすすめ
新・里見八犬伝
プロ野球仁義なき大戦争
私の嫁いびり
わたしの茶の間
ルンルンを買っておうちに帰ろう

○出版界は、この年も依然として低成長から抜けだすことができずに終わった。書籍は、新書判、文庫本などの低価本が主流で、部数が伸びても売り上げが頭打ちの状態が続く。

○“気くばり”ブーム。

○テレビタレントが書いた本、テレビで取りあげられ話題となった本=“テレ・セラー”の隆盛続く-「和田アキ子だ文句あっか!」和田アキ子、「意識革命のすすめ」広岡達郎、「青色のタペストリ」松田聖子など。

○「様々なる意匠」の小林秀雄死去(3.1)。

話題のマンガ(1983)

○大友克洋のマンガ「童夢」が、58年度日本SF大賞を受賞。

○おもしろ真面目に教養を売るマンガが注目され、売れ行きも好調-カネもうけ最前線・饅頭こわい(コミックモーニング)、ニャロメのおもしろシリーズ“数学教室”“コンピューター探険”、コミック版徳川家康など。

○英語もマンガで勉強-「英訳・うる星やつら」小学館即日完売、ワッハハまんが英会話(まんがタイム)など。

めぞん一刻(ビッグコミックスピリッツ)、弍十手物語(週刊ポスト)、バツ&テリー(少年マガジン)、ぼくたちの疾走(漫画アクション)、あした天気になあれ(少年マガジン)、気まぐれコンセプト(ビッグコミックスピリッツ)

ファッション(1983)

○おしんブームは、ファッション界にまで波及、おしん巻きが流行。

○夏には前年のTシャツの重ね着スタイルに続き、白無地のTシャツの上に、そでやネックをひきちぎったトレーナーや、穴のあいたTシャツを重ねた“ボロボロ”ファッションがブーム。

○ボロファッションの流行とともに、かつてはしわになると嫌われた麻スーツなどの麻製品が人気となる。

○ベルトにつける小物入れ、ベルトポーチが目立ちたがり屋の若い女性から中年の男性にまで広がる。

○来るところまで来たユニセックス化-薄化粧やピアスが若い男性にモテモテ。

気象状況(1983)

○秋田沖でM7.7の日本海中部地震が発生。秋田、青森県を中心に家屋の全半壊630棟、日本海沿岸で津波による死者、行方不明102人の犠牲者(5.26)。

○6~7月、東日本以北の太平洋側で記録的な低温が続き、東北、北海道は4年続きの凶作。梅雨明けは全国的に1週間前後おくれた。

○夏は西日本を中心に猛暑、8月6日には北海道の帯広でも35.8度を記録。

○三宅島、昭和37年以来21年ぶりに突然の噴火(10.3)。

×世界各地で大規模な異常天候が長期間にわたり発生-オーストラリアの高温干ばつ(57.4~58.3)、東欧・シベリアの大暖冬、暖春(57.11~58.4)、中国東南部・台湾の大雨・洪水(1~6)、ヨーロッパ・アメリカの熱波、炎暑(7~8)など。

1982年(昭和57年)

経済白書 副題(1982)

経済効率性を活かす道

経済概況(1982)

昭和57年の日本経済は、個人消費と大企業の設備投資が比較的堅調であったのに対し、前年の経済成長を支えた輸出が一転して減少を続けたこと、中小企業の設備投資と民間住宅投資が依然として不振であったこと、また、財政再建下で公共投資の伸びが望めなかったことなどにより、景気は上昇過程に入ることなく、停滞したまま年末を迎えた。

経済成長率 名目 4.9% 実質 3.1%
民間最終消費支出 名目 7.2% 実質 4.4%
民間企業設備投資 名目 2.0% 実質 1.2%
輸出 名目 3.7% 実質 0.9%
消費者物価    2.8%  

日本の広告費(電通調査)(1982)

○ここ2~3年好調であった雑誌広告費と、DM・屋外・その他広告費の伸び率が低下。

  億円 対前年比(%)
総広告費 26,272 (106.5)
新聞 7,933 (104.8)
雑誌 1,565 (107.9)
ラジオ 1,330 (105.2)
テレビ 9,055 (107.9)
DM・屋外他 5,740 (106.8)
輸出 649 (106.9)

政治・経済・業界(1982)

○500円硬貨登場。昭和42年の100円硬貨以来15年ぶりの新硬貨(4.1)。

○国鉄運賃6.1%の値上げ。5年連続となり、初乗り運賃は120円に(4.20)

×第8回主要先進国首脳会議、パリ郊外のベルサイユ宮殿で開催。西欧諸国は、対ソ経済制裁問題で、アメリカと共同歩調をとることに抵抗(6.4~6.6)。

○ロッキード事件全日空ルート裁判で橋本、佐藤被告に有罪判決。政界に衝撃(6.8)。

×米連邦捜査局(FBI)がIBMのコンピューター情報を不法入手した産業スパイとして日立製作所、三菱電機の社員6人をおとり捜査により逮捕(6.22)。

○トヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が合併、トヨタ自動車が発足(7.1)。

○教科書検定、歴史の歪曲などが問題となり、沖縄、北海道、中国、韓国、東南アジアなど、国内外から批判が続出し、外交問題にまで発展(7月)。

○参院全国区選挙制度を「拘束名簿式・比例代表制」に改める公職選挙改正法が、衆院本会議で可決、成立(8.18)。

○鈴木首相が“財政非常事態宣言”を発表。赤字国債依存体質から脱却するという公約の破たんを認め、国民に負担増を要請(9.16)。

○鈴木首相突然退陣(10.12)、田中・鈴木両派支援の中曾根内閣誕生(11.27)。

×フランスが日本製VTRに対する輸入制限措置実施(10.20)。

○東京外国為替市場の円相場は、午前中1ドル=278円となり、昭和52年6月6日以来、約5年ぶりの円安水準を記録した(10.29)。

×ブレジネフ書記長が急死(11.10)、国家保安委員会(KGB)出身のアンドロポフ新政権が誕生(11.12)。

○政府、市場開放策第3弾として、たばこ、チョコレートなど86品目の関税引き下げを決定(12.25)。この5月に決定された第2弾の215品目と合わせて、58年4月1日から実施される。

○輸出(通関実績、ドル建て)年初来の低迷で、30年ぶりの前年割れ。

マスコミ・広告・媒体(1982)

○郵政省の「有線テレビジョン放送(CATV)の現況調査」(3月31日現在)によると、わが国のCATV施設は初めて3万施設を超え、受信契約も3,334,000件と前年に比べ約33万件の増加。

○銀行の広告自主規制が緩和。テレビ・ラジオでは共同広告までが認められるようになった(4.7)。

○テレビ文字多重放送の実用化を主な内容とした放送法改正案が、参院本会議で可決成立(4.12)。

○東洋現像所は、松下電器の協力で多チャンネル双方向ペイテレビシステム「PAY ROAD」開発(5.13)。58年1月から京王プラザホテルでサービス開始。

○公正取引委員会は、小売業やサービス業を対象とした「おとり広告に関する表示」とその運用基準を告示(6.10)、12月1日から施行。

○電電公社は高度情報通信システム(INS)構想の形成などを盛り込んだ57年度から59年度までの3カ年事業計画を発表(6.22)。

○フジサンケイグループ6社と電通、博報堂など広告会社10社の共同出資により、日本で初のクーポン専業会社「日本クーポンシステム」を設立(9.10)。

○リビングマガジンは“商品広告に関する限定保証”システムを発足(10.7)。

○日本で初めてのコンピューター・グラフィックス(CG)に関する国際会議「日本コンピューター・グラフィックス'82」が11月16日から3日間、池袋のサンシャインシティ・プリンスホテルで開催。

○日本の広告会社による海外提携活発化-電通、ヤング&ルビカムとの合併会社のマレーシア設立を発表(8.24)、博報堂とSSC&B・リンタス・ワールドワイドが提携(4.22)、東急エージェンシーインターナショナルとオーグルビー&メーザーインターナショナル提携(5.6)など。

○新聞は1段14字、13字組みの拡大文字の使用、カラー写真の採用が目立つ。

媒体の発足(1982)

○テレビ大阪(TVO)が3月1日開局し、テレビ東京と「メガTONネットワーク」を発足。

○熊本県民テレビ(KKT)4.1、鹿児島放送(KKB)10.1開局。

○FM放送開局相次ぐ-エフエム愛媛2.1、エフエム北海道9.15、エフエム長崎10.1、エフエム仙台12.1、広島エフエム放送12.15。

○VTRの普及と共にテレビ情報誌の創刊相次ぐ-「ザ・テレビジョン」角川書店9.22、「Tele PAL」小学館12.9、「VIDEO COLLEC-TION」東京ニュース通信社12月など。

○熟年誌もブームに-「新潮45+」新潮社3.29などが創刊。

○「スコラ」講談社3.24、「OMNI」旺文社4.5、「オリーブ」平凡出版4.7、「マリ・クレール」中央公論社(5)、「ウータン」学習研究社6.8などが創刊。

○「道新スポーツ」北海道新聞社9.1発刊。

○テレビ局数99局(3局増)

○ラジオ局数58局(5局増)

○創復刊誌182誌、休廃刊誌115誌

媒体普及率(1982)

テレビ契約数 29,789,395
(うち、カラー) (27,128,065)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <98.9%>
VTR普及率 <7.5%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1982)

○ホテルニュージャパン火災惨事(2.8)

○日航機羽田沖墜落事故(2.9)

○日米貿易摩擦で市場開放策(5.28)

○IBM産業スパイ事件(6.22)

○東北新幹線(6.23)、上越新幹線(11.15)開業

○長崎で集中豪雨禍、死者295人(7.23)

○教科書検定、内外で問題化(7月)

○臨時行政調査会が行政改革で基本方針をまとめる(7.30)

○三越ニセ秘宝展(8.29)で岡田社長解任(9.22)

○鈴木首相退陣(10.12)、中曾根政権誕生(11.27)

海外10大ニュース(1982)

×フォークランド紛争勃発(4.2)、英国の勝利で73日ぶりに停戦(6.14)

×アメリカ各地で反核集会「グラウンド・ゼロ週間」始まる(4.18)

×アメリカの失業者1,000万人を超す(4月)

×レバノン戦争発生(6.6)、PLOベルイート撤退(8.21)

×ベイルート難民大量虐殺(9.16)

×西ドイツに保守・中道連立政権成立(10.1)

×中ソ再接近、外務次官会談北京で始まる(10.5)

×ブレジネフ書記長急死(11.10)、アンドロポフ新政権発足(11.12)

×国連総会、1983年から92年を「障害者の10年」と宣言(12.3)

×ポーランド厳戒令停止(12.12)

世相・風俗(1982)

○右傾化の兆し-防衛費突出予算、右翼団体の増加、日米共同訓練恒常化シーレーン防衛研究開始、F16三沢基地配備、自主憲法制定問題、直角警察内閣、歴史を美化する教科書検定問題。

○DIS文化《英語のdiscomfort(不快)、discontent(不満)などから起こった》-覚せい剤一般市民に広がる、10代の妊娠中絶激増、サラ金強盗増加、大阪府警のゲーム機汚職、警察官立ち会いの卒業式増加、校内暴力で校長自殺、プロボクシングの薬物疑惑、歯科医師国家試験漏えい問題うやむや解決、ウサ晴らし連続放火。

○働き盛りの死亡相次ぐ-江利チエミ(2.13)、藤村有弘(3.16)、ロミーシュナイダー(5.29)、ビックモロー(7.23)、金原亭馬生(9.13)、三波伸介(12.8)、岸田森(12.28)など。

テクノロジー・科学ブーム、地方美術館増加、ABC文体(KC庁、コンBフ、E気分)、123文体(10民主党、19BOX)、中間管理職のサンドイッチ症候群、プロレスブーム、大学生卒業拒否、大学への進学率低下、マントル、ホテトル、のぞき部屋、素人ヌード写真、熟女ヌード、エアロビクスダンス、惑星直列、離婚増加-3分11秒に1組、ヘタウマ絵、日焼けサロン

消費者・住民運動・公害(1982)

○昭和52年から始められた10フィート運動(ヒロシマ・ナガサキの記録フィルム買い取り運動)で第1作が完成、「にんげんをかえせ」初公開(1.24)。

○新宿で「明るい地域環境づくり推進会議」発足、ポルノ追放運動を展開(4.22)。

×国連環境会議が、地球環境保全を目指した「ナイロビ宣言」を採択(5.18)。

○政府は公害対策会議で、東京など11地域について公害防止計画の5年間延長を決定(9.3)。

○カラオケ騒音増加(行政管理庁調査)。

○緑の地球を守ろうと、「緑の地球防衛基金」の設立総会開かれる(10.12)。

時の商品・新製品(1982)

○健康志向ブーム依然として続く-ビタミンC・E、小麦胚芽油、豆乳、プルーン、ナチュラルハウス、レオタード、ジャギー、エアロビクスダンス、ヘルスクラブ、漢方薬、電子血圧計、温水便座など。

○OA機器の個人ユース化進む-パソコン、ポケコン、テレビゲーム(びゅう太、インテレビジョン)など。ワードプロセッサーは低価格競争激化で100万円を割る商品相次ぐ。

○LPレコードに代わる夢のオーディオ、コンパクト・ディスク(CD)登場。

○注目された商品-ポータブルVTR、ビデオソフト、デザートソース、パレット化粧品、持ち帰り弁当、単機能電子レンジ、電磁調理器、半生菓子、ワカメスープ、紙おむつ、家庭用カラオケ、地ウイスキー、消費者金融、オーディオ家具、システム家具、ウス切りハム、3ドア冷蔵庫

○新登場した商品-ディスクカメラ、フラットテレビ、テレビ付腕時計、ラジオ付腕時計、電話自動転送機、ツーピースゴルフボール、カーボンヘッド・クラブ、形状記憶合金玩具、風防オートバイ、貸しビデオソフト、ダシ入り液体生みそ、1分間カップラーメン、テレホンカード

テレビCM(1982)

松下電器・ナショナルの明かり<光のメニュー>、サントリー・ホワイト<飲むときはただの人じゃけ、のお>菅原文太、小林コーセー・リップ5<色つきの女でいてくれよ>タイガース、ニッカウヰスキー・スーパーニッカ<スーパーメモリーシリーズ>、講談社・コミックモーニング<サナトリウム編>舟木一夫、伊藤蘭、カネボウ化粧品・レディ'80<すみれ September Love>ブルック・シールズ、明治製菓・コーンスナックもろこし村<免許証>、日本ハム・超うす切りハム<チョーチョ編>、日本楽器・ヤマハマイバンド<ぼくにも弾けた>ジャイアント馬場、サントリー・生ビール<会社の方針編>藤島親方、田中好子、桂三枝、成田三樹夫、資生堂・エクボミルキィクリーム<ローラースケート編>二谷英明、二谷友里恵、セブンイレブン・ハンバーガー<UFO編>斉藤ゆう子

新聞広告(1982)

サントリー《サントリー文化財団「日本の主張」》<欧米へ、アジアへ--国際化できるか、日本の「誠意」>、レナウン・ダーバン<着ているものを変えられるのは人間だけです。>フレデリック・フォーサイス、ライオン・リストライオン<43億3,600万人の人間が守ってあげたい、800頭のパンダ。>、角川書店・カドカワノベルズ<カッパも読んでるカドカワノベルズ>、新潮社・新潮文庫の100冊<坂本くん、大きなことをやろうじゃないか>坂本龍一、集英社・少年ジャンプ<青春堂々、コミックに殉教せよ>、西武百貨店<おいしい生活>、講談社・講談社文庫<度がすぎて、不眠症。>、資生堂<僕はオジサンだ>、サントリー・生ビール<年がら年中うまい>、ソニー<カメラの中に、ビデオが入る。>、日本電気<第三の波>シリーズ広告アルビン・トフラー

話題のテレビ番組(1982)

○情報・カルチャー番組依然好調に推移し、午前、昼間に主婦向けの番組も登場-うわさのスタジオ(NTV系)、こんにちは2時(ANB系)、TVスクランブル(NTV系-20:00)など。

○1時間連続ドラマ低調の裏で、2時間ドラマさらに増加、秋の番組改編で4社7本枠となる-ザ・サスペンス(TBS系)、月曜ワイド劇場(ANB系)、木曜ファミリーワイド(CX系)。

○大型スペシャル番組の多極化が進むなかで、人気番組のスペシャル化も注目された-3年B組金八先生スペシャル(TBS系)、仕掛人大集合(ANB系)、夜のヒットスタジオ15周年記念(CX系)など。

○アニメにもスペシャル番組登場-ニャロメのおもしろ数学教室(TBS系)、十五少年漂流記(TBS系)、二死満塁(CX系)など。

○大型広告主の単独提供番組目立つ-日立テレビシティ(TBS系)、ナショナル・ドキュメンタリー特集(NTV系)、モーツァルト〔東芝〕(NTV系)など。

○秋の番組改編で、夜7時台にアニメの新番組が増え、在京5社で週22本となる。

○朝のワイドショー番組、各局とも視聴者離れが進み、17年続いた「小川宏ショー」(CX系)も3月をもって終了となった。

○NHKの「紅白歌合戦」が、13年ぶりに視聴率70%を割り、「秘必殺現代版」(ANB系)が裏番組としては異例の11.2%を記録した(12.31)。

NHK(1982)

《ハイカラさん》36.2%《よーいドン》38.8%
〈峠の群像〉23.7%

○“NHK特集”好企画で話題を集める-「教科書はこうして作られた」、「日本の条件」、「シーレーン」、「シベリア鉄道・9000キロ・8日の旅」など。

○教育テレビにもカルチャーブーム-「マイコン入門」、「初歩のヨーガ」など。

流行語(1982)

イマい、ルンルン、ひょうきん、気持ちんよか、やったね、ネクラ、ネアカ、だいたんなご意見をありがとうございました、逆噴射、○○!何をするんですか、なめたらあかんぜよ、心身症、なぜだ、○○だからこうなった、ほとんどビョーキ、そこんとこ・よろしく、デジン、色つきの女、ガンバリマッシュ、ヘンタイよいこ

流行歌(1982)

レコード大賞:細川たかし<北酒場>

歌唱賞:大橋純子<シルエット・ロマンス>

最優秀新人賞:シブがき隊 100%…Soかもね

新人賞:石川秀美、早見優、堀ちえみ、松本伊代

待つわ
セーラー服と機関銃
聖母たちのララバイ
心の色
北酒場
悪女
ハイティーン★ブギ
チャコの海岸物語
情熱★熱風・せれなーで
ふられてBANZAI
い・け・な・いルージュマジック
渚のバルコニー
すみれSeptember Love
ウェディングベル
NAI・NAI・16

○ヘッドホンステレオの普及、ホームカラオケブームで録音済みテープの生産量が増加、半面レコードは大幅減少となる。

○ニューミュージック、フュージョンも峠を越し、4ビートジャズが話題を呼び、阿川泰子、真梨邑ケイ、中本マリ、笠井紀美子などが人気を集める。さらには、麻生小百合、秋本奈緒美などのジャズ・アイドルも誕生。名付けて、キャンディ・ジャズ。

○復活サイモン&ガーファンクル、18年目の初来日(5.7)。

○音楽の世界でも反核のアピール、「反核音楽家の会」発足(3.20)。

○オフコースが日本武道館で10日間の記録的公演。事実上の解散コンサート(6月)。

話題の映画(1982)

洋画
ブッシュマン
キャノンボール
ロッキー3
少林寺
レイダース・失われたアーク
黄昏
炎のランナー
ナポレオン

邦画
セーラー服と機関銃
ハイティーン・ブギ
大日本帝国
機動戦士ガンダムⅢ
ドラえもん・のび太の大魔境
鬼龍院花子の生涯
さらば愛しき大地
蒲田行進曲、大日本帝国
ひめゆりの塔

○映画人気の洋高邦低が続くなかで、観客数は1億5000万人の大台を回復した。

○年末に「E.T」予想通りの大ヒット。

○ヘンリー・フォンダ(8.12)、イングリッド・バーグマン(8.29)他界。

○会社帰りのサラリーマン向けに上映時間を設定したミニシアターや、ミニ映画祭などの自主上映会が人気。

ベストセラー(1982)

悪魔の飽食
プロ野球を10倍楽しく見る方法
窓ぎわのトットちゃん
吉里吉里人
気くばりのすすめ
日本国憲法
新編・三光
胎児は見ている
男どき女どき
功・大好き
開幕ベルは華やかに
悪の管理学
天皇陛下と語る
人類は地球人だけではなかった
日本一周「旅号」殺人事件
男は20代に何をすべきか
時代屋の女房

○タレント本の隆盛-「プロ野球を20倍楽しく見る方法」江本孟紀、「親離れするとき読む本」神津カンナ、「積木くずし」穂積隆信など。

○「講談社ノベルズ」(5.25)、「C・NOVELS」中央公論社(11.20)創刊。56年創刊の「カドカワ・ノベルズ」と合わせて、新書発行部数大幅に増加。

○活字の大型化が書籍にも広がり、辞書類から文庫本にまで及ぶ。

話題のマンガ(1982)

○少年誌は「ラブコメ」全盛-タッチ(少年サンデー)、みゆき(少年ビッグコミック)、キックオフ(少年ジャンプ)、胸さわぎの放課後(少年マガジン)等。

○四コマ漫画ブームで、四コマ専門誌が続々誕生-「まんが笑ルーム」、「まんがセブン」、「ザまんが」、「まんがバンバン」など。

○成人女性向けマンガ雑誌に人気-「BE LOVE」、「レディーズコミック YOU」など4誌の総発行部数100万部を超す。

いっしょうけんめいハジメくん(ヤングジャンプ)、タッチ(少年サンデー)、よろしくメカドッグ(少年ジャンプ)、みゆき(少年ビッグコミック)、日出処の天子(ララ)、パタリロ(花とゆめ)、ひっぱあじんおんど(セブンティーン)、ブラックあんどホワイト(ビッグコミックスピリッツ)、ぎゅわんぶらあ自己中心派(ヤングマガジン)、おみやさん(ビッグコミック)、ダットくん(漫画アクション)

ファッション(1982)

○女性ファッションは、スポーティからセクシャルモダンへの転換に乗って、ソフトタイプのワンピースが浮上。

○さらには、秋からセミタイト、フレアのミニスカートが黒タイツとともに復活。

○プライベートパーティや、シティウェア兼用のカラーフォーマルウェアの需要が伸びる。

○若い男性にデザイン、ディテール、色の変化でプレーパンツが人気となる。

○“目立とう”アクセサリー・小物が流行-ルーズベルト、ルーズブーツ、ビッグマフラー、キーホルダーなど。

○夏にTシャツの重ね着、Tシャツ・オン・Tシャツがヤングの間で流行。

気象状況(1982)

○長崎県を中心として記録的集中豪雨が発生、死者・行方不明366人、建物全半壊649戸など大被害となる(昭和57年7月豪雨)(7.23~25)。

○台風10号の本土上陸と梅雨前線の影響により、全国的な大雨となる。被害は、東海地方を中心に四国から北海道まで及ぶ(7.31~8.3)。

○梅雨明けが全国で例年より10日前後遅れ、9月上旬には秋霖がはじまり、夏は短かく終わった。

○10月以降気温は高めに推移し、スキー場には雪のない、暖かい年末をむかえる。

×ペルー沖から赤道沿いの海域で、海面水温が異常に高くなる「エル・ニーニョ」現象が発生し、インドネシア、オーストラリアは干ばつとなる(6月~10月)。

1981年(昭和56年)

経済白書 副題(1981)

日本経済の創造的活力を求めて

経済概況(1981)

昭和56年のわが国経済は、輸出が引き続き増加するとともに、大企業の設備投資は堅調であったが、その半面、個人消費が依然として低迷を続けたこと民間住宅投資が大幅に減少したことなどにより、「景気のかげり」は一般に予想されたよりも長びいたまま年末を迎えた。

経済成長率 名目 7.4% 実質 3.2%
民間最終消費支出 名目 6.1% 実質 1.5%
民間企業設備投資 名目 5.6% 実質 3.7%
輸出 名目15.5% 実質 12.5%
消費者物価    4.9%  

日本の広告費(電通調査)(1981)

○企業イメージの向上をねらった企業広告キャンペーンが活発となり、企業の位置づけを明確にする動きも強まる。

  億円 対前年比(%)
総広告費 24,657 (108.2)
新聞 7,572 (106.9)
雑誌 1,450 (113.2)
ラジオ 1,264 (108.1)
テレビ 8,389 (106.4)
DM・屋外他 5,375 (112.1)
輸出 607 (106.5)

政治・経済・業界(1981)

○臨時行政調査会(第2次臨調、会長・土光敏夫氏)が旗揚げ(3.16)。

○日銀は公定歩合を3月18日から1%引き下げ、年6.25%に。

○神戸市のポートアイランドの完成を記念する博覧会「ポートピア'81」が、会期180日間で開幕(3.20)。

○55年度の原油輸入量は前年度より10.1%減り、8年ぶりに2億5万キロリットルの大台を割った(4.23)。

×対米乗用車輸出規制問題が、来日したブロック米代表と田中通産相の協議で決着し、通産相が(1)56年4月から1年間の輸出を168万台に規制(2)続く1年間は米国市場の動向を見て上乗せする、などの声明を発表(5.1)。

×ワシントンで鈴木・レーガン首脳会談。共同声明で日米「同盟関係」初明記。日本の防衛力整備、自由貿易原則の堅持などを確認(5.7~8)。

×第7回主要先進国首脳会議(サミット)がカナダのオタワで開幕(7.20)。

○郵便個人年金法施行(9.1)。

○スーパーなどの大型店と中小小売業界の紛争で、通産省が、大型店の出店を年内は凍結し、調整策を見直す方針をまとめた。

×ポーランドの自主労組「連帯」初の全国大会で、初代全国委員長選挙が行われ、ワレサ氏が当選(10.2)。

×初の南北サミットが、メキシコのカンクンで開催(10.22~23)。

○鈴木首相が臨時行政調査会に対し59年度までは大規模な新税は創設しない意向を伝え、同調査会も、増税なしの財政再建を旗印に審議を進める方針であることが明らかになった。

○東京外国為替市場の円相場が急騰、終値として5月1日以来の高値,216円台となった(11.24)。

○日本銀行が公定歩合を0.75%引き下げ、年5.5%に(12月11日)。

○57年度の超緊縮型予算が臨時閣議で決定。日米関係への配慮から防衛費を前年度当初比7.8%増と大幅増額(12.28)。

マスコミ・広告・媒体(1981)

○郵政省はNHK、民放テレビ39社に、テレビ音声多重放送の補完的利用拡大を許可(1.23)。主番組に関連する内容であれば第二音声放送が可能に。

○サンケイリビング新聞の“値引券(クーポン)”、3月7日号からスタート。

○民放のCI戦略活発化(近畿放送、テレビ西日本、テレビ新潟)。

○全民放テレビ95社同時ネットで、民放30周年記念特別番組「日本のコマーシャル(30年傑作CM50選)」をオンエア。

○大手スーパー、新聞広告を首都圏中に出稿。各社とも企業姿勢・ポリシーを打ち出し、他社との差別化を図り企業イメージを確立しようとの戦略。

○4月13日から4日間、晴海国際貿易センターで開かれた「ビジネスショウ」に合わせ、東京の新聞各紙にOA機器の大型広告特集が一斉に登場。

○日本テレビコマーシャル制作者連盟がまとめた「テレビCMの著作権は制作者にある」との統一見解をもとに、テレビCMの著作権問題が初めて全日本CM協議会で検討される(4.24)。

○KBS京都が、国際障害者年と同社創立30周年を記念して、テレビ特別番組「まり子の30時間チャリティーテレソン」を4月25日午後6時から27日午前零時まで放送。協賛は151社。

○雑誌広告協会は、雑誌広告の倫理活動推進に関して、新たな改正を加えた「雑誌広告掲載基準」を制定(4.28付改正)。主な改正趣旨は、宗教関係は条件付きで掲載を認める、意見広告は前向きに掲載する、などである。

○「電子郵便」の実験サービス、7月20日から東京、大阪、名古屋で開始。

○朝日新聞は7月20日の朝刊から1行15字詰めの文字を1行14字詰に変更。

○郵政省は世界初の“広告付はがき”を7月から発行。

○「電通ヤング・アンド・ルビカム」設立(11.1)。

媒体の発足(1981)

○テレビ新潟(TNN)4.1、福島放送(KFD)10.1開局。

○東京12チャンネル、社名を「テレビ東京」に変更(10.1)。

○民放FM4社(エフエム東京、エフエム愛知、エフエム大阪、エフエム福岡)が「JFNネットワーク」を発足(5.20)。

○ラジオ関東、社名を「アール・エフ・ラジオ日本」に変更(10.1)。

○「BE-PAL」小学館6.10、「ウィズ」講談社8月下旬、「リビングブック」リビングマガジン社10月、「週刊宝石」光文社10.5、「FOCUS(フォーカス)」新潮社10.23、「ダ・カーポ」平凡出版11.5、「Can Cam」小学館11月下旬、などが創刊。

○テレビ局数96局(2局増)

○ラジオ局数53局

○創復刊誌184誌、休廃刊誌126誌

媒体普及率(1981)

テレビ契約数 29,262,991
(うち、カラー) (26,485,928)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <98.5%>
VTR普及率 <5.1%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1981)

○五六豪雪

○台風15号関東直撃(8.23)

○三和銀行詐欺事件(9.11)

○台湾・遠東航空機墜落 作家向田邦子死亡(8.23)

○覚醒剤通り魔殺人(6.17)

○北炭夕張炭鉱ガス突出事故(10.16)

○芸大楽器購入汚職事件(12.8)

○小佐野に実刑判決(ロッキード事件)(11.5)

○榎本前夫人証言(ロッキード事件)(10.28)

○灰色高官復権(二階堂幹事長)(11.30)

海外10大ニュース(1981)

×政治指導者へのテロ相次ぐ-アメリカのレーガン大統領狙撃(3.30)、ローマ法王ヨハネ・パウロ二世狙撃(5.13)、バングラデシュのラーマン大統領暗殺(5.30)、エジプトのサダト大統領暗殺(10.6)など

×ポーランドに戒厳令敷かれる(12.13)

×イラン人質の米大使館員解放(1.21)

×イラン大統領亡命(7.29)

×仏に中道左派政権成立(5.10)、社会党のミッテラン大統領に

×中国、四人組裁判に判決(1.25)

×欧州各地に反核デモ広がる

×英国皇太子結婚(7.29)

×スペースシャトル打ち上げ成功(4.21)

×「多発報復」戦略を掲げた、レーガン政権発足(1.20)

世相・風俗(1981)

○ヒーローの引退-悲運の闘将西本近鉄監督、ロッテ張本選手、ジュニア・フライ級チャンピオン具志堅用高選手、貴の花・輪島・増位山などの引退。

○若手の台頭-スポーツ界では、原・石毛新人王、プロゴルフ界で倉本・湯原・羽川の学士三羽ガラス。ウルフ千代の富士。アマスポーツでは陸上の増田明美。

○三和銀行女子行員詐欺事件、平和相銀3,000万円詐欺事件、近畿相銀キャッシュカード偽造事件などコンピュータ犯罪激増。

○ポートピア'81-入場者、海洋博を上回る1,600万人、純益は94億円。

○キャラクターブーム-なめネコ、アラレちゃん、ガンダム、バイキン君。貸しレコード店大流行、がん死が日本の死因トップに、名古屋五輪誘致失敗(9.6)、冠大会、カルチャーブーム、ジャパネスク、ロリコンブーム、転勤拒否病、ヤンバルクイナ発見(11.14)、覚醒剤犯罪増加、ニューハーフ、ノーパン喫茶、ビニ本、フルムーン旅行大好評(熟年)、中学生校内暴力事件急増エレベーター犯罪、マニラ保険金殺人事件(8.25)、ベビーホテル、ロックンロール族原宿に出現、クリスタル族、ジャズダンスブーム、巨人8年ぶりV1

消費者・住民運動・公害(1981)

○「子供のためのテレビCM連絡会」、民放連に子供向けCMの放送基準の改定を申し入れる(1.27)。

○空き缶公害-環境庁は、通産省、警察庁など関係10省庁によびかけ、空き缶問題連絡協議会を発足させる(1.30)。

○合成洗剤追放-琵琶湖富栄養化防止条例施行以後、全国各地で合成洗剤追放運動が活発化。

○高知県窪川町と宮崎県日向市で反原子力選挙(4.19、6.21)。

○重税にあえぐサラリーマンを結集し、新しい政治パワーをつくろうと、「日本納税者連合-不公平な税制を正し小さな政府を求める国民の会」が発足(11.23)。

時の商品・新製品(1981)

○ネーミング大流行-あさね棒、ごまみそずい、ぬかよろこび、かけくらべ新鮮組、元禄の茶壺、おゝ!シゲキ的など。

○スクーター復活-55年に発売されたタクトに続き、ベルーガ、ジェンマなどの発売で、スクーターブームを巻き起こす。

○カラー商品花盛り-テニスボール、ゴルフボール、カメラ、小型ラジカセ、ヘッドホンステレオ、大型冷蔵庫、防水ウォッチ、下着など。

○アラレちゃん(Dr.スランプ)、なめネコ、バイキン君、ハットリ君、ガンダムなどのキャラクター商品大流行。

○注目された新製品-ラージサイズラケット(デカラケ)、国鉄熟年パス「フルムーン夫婦グリーンパス」、電子血圧計、低周波治療器、家庭用料理ワイン、LSIゲーム、ミニコン、折りタタミ式自転車、宅急便、全自動カメラ、モニターテレビ、ミニ口紅、金、軽自動車、高級即席めん

○新登場した製品-ビデオディスク、ミニファクス、液体だし、シェイプパンツ、黒い風船ガム、ポータブル電子鍵盤楽器、三輪スクーター、お茶漬ラーメン、白いソーセージ、貸しレコード

テレビCM(1981)

カネボウ<春咲小紅>、西武百貨店<不思議大好き>、キッコーマン<デリシャスじゃなくて、デリーシャスよ>、トリスウイスキー<雨と犬編>、キンチョール<ハエハエカカカキンチョール>郷ひろみ・柄本明、カネボウ<君にクラクラ>、サントリー・ナマ樽<コミヌケーションってむずかしいなあ>渥美清、アンネ<ぼくは男にも生理があるべきだと思う>桑田佳祐、本田・シティ<ホンダ、ホンダ、ホンダCITY>マッドネス、ワコール・シェイプパンツ<Hello アップルヒップ>、総合信販・GC<カードでコーヒーも飲める時代になった、ネ、>タモリ、カネボウ・レディ'80<キッスは目にして>、日清飯店棒棒鶏<ボーボードリ、いいえ!バンバンジィ>、国鉄・フルムーン<振りむけば君がいて>上原謙、高峰三枝子、SK&F・コンタック 600<すっごくエグイでしょう。>中原理恵、伊武雅刀

新聞広告(1981)

ヨーコ・オノ・レノン<感謝をこめて>、富士ゼロックス<「第三の波」を見つめる>、シイベル時計<オメガ21世紀フォーラム>シリーズ広告連載第1回はガルブレイス教授による小論文「余暇と労働」、石油連盟<まだまだみんな石油がほしい。>、サントリー・オールド<夢街道>、トヨタ自販ソアラ<未体験ゾーンへ。>、伊勢丹<太るのもいいなぁ、夏は。>、千趣会《藤本義一のOL対談》シリーズ<お父さんにかわって話そうか>、カゴメトマトジュース<体力、自信、アルカリ性。>、小西六・サクラカラー<男を撮る。>、紀文<紀文の「白」は自然の「白」です。>、集英社<シェイクスピアから長島茂雄まで、読むコミュニケーション集英社>他、日経朝刊全15段5ページマルチプル広告、イトーヨーカ堂<買物は朝しよう。>、パルコ<凛として女>、味の素ゼネラルフーヅ<ゆ・ と・り・す・と募集>

話題のテレビ番組(1981)

○国際障害者年関連-父から子への歌声(NTV系)、ハンディの青春-

国際アビリンピックを目ざして(ANB系)、これぞ人間!ぼくにも登れた-立山(CX系)、ドラえもん-けんちゃんの冒険(ANB系)、生命果てる日まで(ANB系)、NNNドキュメント'81国際障害者年シリーズ(NTV系)。

○番組改編に変化-長時間ドラマや報道・スポーツ特番などのスペシャル編成の流行で、連続ドラマには、ミニシリーズが増えて、4月や10月に限らず新番組が連発されるようになった。

ドラマ・人間(ANB系、6月29日スタート)、虹色の森(TBS系、7月23日スタート)、フラミンゴ・ロード(TBS系7月28日スタート)、ブラックジャック(ANB系、1月8日スタート)、ダウンタウン物語(NTV系、1月13日スタート)。

○長時間ドラマ増える一方-将軍(ANB系)、関ケ原(TBS系)、和様御留(CX系)、空よ海よ息子たちよ(TBS系)、山を走る女(NTV系)、遥かなりマイ・ラブ(TBS系)、一死、大罪を謝す(CX系)など

○レギュラーの長時間ドラマも増加-4月に「時代劇スペシャル」(CX系)、10月に「火曜サスペンス劇場」(NTV系)が新編成され、既設2枠に加え、4番組になる。

○クイズ番組がバラエティー化、10月改編で合計25本となり、新記録を樹立。

人間ふしぎ不思議(TBS系)、アッ!知ッテレビジョン(CX系)、三枝の愛ラブクリニック(CX系)、なるほど!ザ・ワールド(CX系)、クイズ・くいず・食図(TX)、なぜなぜダイヤル!?(NTV系)、げんてんクイズ(一発逆転!!)(NTV系)。

○トーク番組が脚光をあびる-リレー対談、悪友親友(TBS系)、加世子の仔猫の館(TBS系)、梅宮辰夫の美女に乾杯(TX)、気分はパラダイス(TX)。

○長寿番組「スター千一夜」(CX系)22年の歴史に幕、9月22日で終了。

NHK(1981)

《まんさくの花》37.1%《本日も晴天なり》36.6%
〈おんな太閤記〉31.8%

○国際障害者年-NHKはプロジェクトチームを編成して、特別番組の制作に取り組む、あすに挑む-障害者と現代社会、旅立といういま~こずえさん20歳の青春。

○スペャル番組も依然続く-日本の条件、マリコ、男子の本懐など。

流行語(1981)

ナウい、よろしいんじゃないですか、ウッソォー・ホントォー・カワユーイ、なめんなよ、なんとなくクリスタル、えぐい、デリーシャス、んちゃ、ほよよ、ぶりっ子、ハチは一度刺したら死ぬ、校内暴力、おみごとおー、言わんでもええ、ニューウェイブでんなぁ、これだけョ、フルムーン、オコッタゾー、ダイ・イン、夕映えの人(夕映え老人)、行革、談合、ロリコン、ジャパネスク、○○のようなもの、粗大ゴミ

流行歌(1981)

レコード大賞:寺尾聡<ルビーの指環>

最優秀新人賞:近藤真彦 ギンギラギンにさりげなく

新人賞:山川豊、裕子と弥生、竹本孝之、沖田浩之

ルビーの指環
奥飛騨慕情
スニーカーぶる~す
ハイスクール・ララバイ
長い夜
大阪しぐれ
街角トワイライト
恋人よ
チェリーブラッサム
守ってあげたい
つっぱりHigh School Rock'n Roll
みちのくひとり旅
キッスは目にして
もしもピアノが弾けたなら
恋のぼんちシート
ス・ト・リ・ッ・パー
愛のコリーダ
セクシー・ミュージック

○レコード業界は、ヒット曲に恵まれず、マイナス成長となる。

○貸しレコード屋が急成長し、不況のレコード業界との間で、著作権問題が起きる。

○グループサウンズがリバイバルブームとなる-タイガース、ワイルドワンズ、ジャガーズなどが再結成される。

○アーチスト別シングル・セールスで、1位近藤真彦、2位松田聖子、3位田原俊彦と、アイドル歌手が活躍する。さらに、伊藤つかさ、松本伊代などの新人アイドル歌手も注目をあびる。

話題の映画(1981)

洋画
エレファント・マン
007/ユア・アイズ・オンリー
スーパーマンⅡ冒険篇
レイズ・ザ・タイタニック
ブルース・ブラザーズ
アメリカン・バイオレンス
ハンター
ブリキの太鼓
ある結婚の風景

邦画
連合艦隊
ドラえもん・のび太の宇宙開拓史/怪物くん・怪物ランドへの招待
典子は、今
男はつらいよ・寅次郎かもめ歌/土佐の一本釣り
男はつらいよ・浪花の恋の寅二郎
駅・STATION
さよなら銀河鉄道999
泥の河
陽炎座

○ヨーロッパ映画や、日本の独立プロ製作の映画が注目され、地味ではあるが、質のよい映画が着実に観客を増やすようになってきた。

×「慕情」のウィリアム・ホールデン(11.16)、「ウエストサイド物語」のナタリー・ウッド(11.29)も死去。

○喜劇俳優伴淳三郎が死去(10.26)。

ベストセラー(1981)

窓ぎわのトットちゃん
なんとなくクリスタル
アクション・カメラ術1,2
この愛いつまでも
人間万事塞翁が丙午
白ゆりの歌
叱り方の上手な親下手な親
ノストラダムスの大予言Ⅲ
十万分の一の偶然
小さな貴婦人
雑学おもしろ読本
吉里吉里人
ビートたけしの三国一の幸せ者
思い出トランプ
コスモス
悪魔の部屋
峠の群像
つき合い方人間学

○百科辞典の「平凡社」経営悪化。

○「窓ぎわのトットちゃん」56年末で500万部に達するほどの売れ行きとなり、戦後空前のベストセラーとなる。

○サントリー、TBSブリタニカの経営権を獲得し、出版界に進出。

○文芸賞 高校2年生の堀田あけみが「1980 アイコ16歳」で受賞。

話題のマンガ(1981)

○少年マンガ5誌、55年末をピークに売れ行きが落ちる。その原因は、①各誌の長期連載の看板作品が終った。②ヤング向けマンガ週刊誌の台頭。

○人気マンガのTVアニメ、映画化相次ぐ。「釣りキチ三平」「ダッシュ勝平」「うる星やつら」「Dr.スランプ」「じゃりんこチエ」「1000年女王」「土佐の一本釣り」

○「Dr.スランプ」の単行本、子供から大人にまで読まれて、「ドラえもん」の記録をぬりかえる。

減点パパ(週刊ポスト)、魔物語いとしのベティ(ビッグコミックオリジナル)、番外甲子園(少年サンデー)、我ら九人の甲子園(漫画アクション)、激!!極虎一家(少年ジャンプ)、3年奇面組(少年ジャンプ)、いとしのボッチャー(少年マガジン)、ストップひばり君(少年ジャンプ)、イブのおくりもの(漫画アクション)

ファッション(1981)

○坊ちゃんファッション“プレッピールック”夏場に流行。

○夏のマリンルック、ついに秋冬まで継続。

○レッグウォーマー-男女を問わずヤングに大もて。1日200足を売り切る売場も登場。

○ガードルでもショーツでもないシェイプパンツ、予想以上の大ヒット。ヤング層ばかりでなく、ミセス、男性にも人気。

○サーキュラースカート復活-50~60年代のファッション流行、原宿ロックンロール族。「キッスは目にして」のビーナスのヒットも関連。

気象状況(1981)

×世界の天候は、カナダの大暖冬、アメリカ北西部の干ばつ、ヨーロッパロシアの暖冬、中国の暖冬・暖春などと高温を主とした異常天候が多く現れた。

○日本では、55年末からの寒波が2月中旬まで断続し、北陸・東北地方で38豪雪以来の大雪となり、各地に被害がでた。

○8月に北海道は3度の大雨に見舞われ、北海道史上最大の水害がでた。

○8月23日、16年ぶりの関東上陸となった台風15号は、東北、北海道と縦断し、21都道府県に被害を残した。

○9月~11月までは全般に低温となり、12月2日九州で初雪の最早記録をだし寒い冬を思わせたが、12月中旬から冬型がゆるみ、その後幾度か寒波があったものの、全般には暖冬となった。

1980年(昭和55年)

経済白書 副題(1980)

先進国日本の試練と課題

経済概況(1980)

わが国経済にとって、昭和55年は、内外環境の変動下b安定成長軌道を模索した年であった。第2次オイル・ショックの影響が物価の上昇を通じて顕在化し、その抑制策が展開された。その結果、年の後半に入って物価は沈静化の動きをみせたものの、一方で景気の調整局面にカゲを投げかけた。そのため、政策のカジ取りは転換された。

経済成長率 名目 8.4% 実質 2.8%
民間最終消費支出 名目 8.6% 実質 1.1%
民間企業設備投資 名目 14.2% 実質 7.8%
輸出 名目 28.3% 実質 17.0%
消費者物価    7.7%  

日本の広告費(電通調査)(1980)

○対前年比は1ケタの伸び率にとどまる。1ケタの伸び率は、第1時オイルショック後の50年以来5年ぶり。

  億円 対前年比(%)
総広告費 22,783 (107.8)
新聞 7,086 (108.1)
雑誌 1,281 (114.5)
ラジオ 1,169 (110.2)
テレビ 7,883 (105.0)
DM・屋外他 4,794 (107.0)
輸出 570 (134.8)

政治・経済・業界(1980)

×米国の金利上昇衰えず、公定歩合を年率13%に引き上げ(2.15)、二重公定歩合制で総合インフレ対策(3.15)。

○日銀が第4次公定歩合引き上げ(1%)を実施し、年7.25%に(2.19)。

○ダイエーは54年度(54.3~55.2)の販売額が1兆円を超え、小売業として初めて年商1兆円を実現した。

○日銀が第5次公定歩合引き上げ(1.75%)実施、年率9.0%となる(3.19)。合わせて、政府は7項目からなる第3次総合物価対策を決定(3.19)。

○電気料金は平均50.8%、都市ガスは3社平均で45%程度の値上げ(4.1)。

○年初来下降傾向にあった円相場は、52年10月以来1ドル=260円割れ(4.7)、以降産油国からのオイルマネー流入などで円高基調へ。

○米国、ソ連のアフガン侵入に抗議してモスクワ五輪をボイコット。日本も不参加決定(5.25)。

○中国の華国鋒首相(中国最高指導者として史上初)来日(5.27~6.1)。

○大平首相急死(6.12)。初の衆参両院同時選挙(6.22)で、自民党圧勝。

○トヨタはフォード社と提携し、米国での小型乗用車共同生産に合意と発表(7.9)。

×米国自動車各社の業績は悪化し、日米自動車戦争エスカレート。貿易摩擦は欧州へも飛火。

○ジェトロは「54年の日本の農林水産物輸入世界一となる」と発表(8.9)。

○日銀が公定歩合を0.75%に引き下げ、年率8.25%となる(8.19)。

○政府が公共事業を前年比30%程度増とするなど総合経済対策を決定(9.4)。

○日銀が公定歩合を1%引き下げ、年率7.25%となる(11.6)。

○日本経済の強さや日本的経営の卓越性が世界中で注目され、欧米から途上国まで「日本に学べ」風潮強まる。

○55年の日本の自動車と鉄鋼生産が、米国を抜き世界一となる。

マスコミ・広告・媒体(1980)

○新たに合併発足した“ライオン”が発足日を記念して、1社単独・全民放テレビ局ネットの特別番組「80年、未来をこの手に!」を提供(1.1)。

×米国で爆発的“ショーグン・ブーム”-アメリカ人のうち7割近くが「将軍」のテレビ番組をみ、単行本は50年の初版以来800万部売れる。

○電通は北京に事務所を開設(2.1)。

○政府の省エネ対策強化と連動して、民放テレビ各局は4月から、深夜放送を零時台終了に。

○公取委は、過熱気味のオープン懸賞とキャッシュ・バンクセール規制策を実施(4.25)。

×J・W・トンプソン社が世界最大のPR会社ヒル・アンド・ノートン社を買収するなど、米国で広告代理店のPR会社買収相次ぐ。

○中国から初の輸入広告、読売新聞に掲載(5.27)。

○総理府は「広告に関する世論調査」を発表し(6.8)、「ご婦人は広告が好きで、買物に便利である」ことが明らかになる。

○テレビ朝日、日本不参加に勝てず、五輪中継から撤退(深夜に縮小放送)。

○スポーツイベントを格好の媒体と考え、企業の参画競争白熱化。

○ホテルニューオータニ、双方向CATV(有線テレビジョン)を導入し、映画業界の関心高まる。

○産業界で企業イメージ作りのために、CIブーム盛り上がる。

○昭和48年12月、自民党がサンケイ新聞紙上に日本共産党を批判する意見広告の掲載をめぐる“意見広告”裁判、サンケイ新聞側が全面勝訴(9.30)。

○公正取引委員会は、52年10月から調査分析を行ってきた「広告取引の実態について」の報告を11月18日公表。広告業界のガリバー型寡占構造を指摘、今後、寡占がさらに進む恐れがあると判断、検討資料を整えたもの。

○今秋実施された各社の機構改革では、新たに広報室や広報部を設置し、企業PRのため広報体制を強化する動きが目立った。

媒体の発足(1980)

○テレビ信州(TSB)開局(10.1)。

○「日本経済新聞」名古屋で印刷発行始める(10.1)。

○雑誌界に創刊ブーム-「とらばーゆ」リクルート(2)、「BOX」ダイヤモンド社(3)、「スポーツ・グラフィックナンバー」文藝春秋、「写楽」小学館、「25ans(ヴァンサンカン)」婦人画報社(4)、「miss HERO」講談社、「COSMOPOLITAN」集英社、「BIG tomorrow」青春出版社、「TODAY」(5)、「くりま」(6)など。

○テレビ局数94局(1局増)

○ラジオ局数53局

○創復刊誌235誌、休廃刊誌107誌

媒体普及率(1980)

テレビ契約数 28,931,692
(うち、カラー) (26,011,397)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <98.2%>
VTR普及率 <2.4%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1980)

○富士山落石事件(8.14)

○静岡駅地下街ガス爆発事故(8.16)

○新宿バス放火事件(8.19)

○富山、長野の連続誘かい殺人事件(4.2)

○富士見産婦人科病院乱療事件(10.5)

○二浪生、金属バットで両親惨殺(10.29)

○1億円拾得(4.25)

○伊藤律氏29年ぶり帰国(9.3)

○大平首相急死、衆参同日選挙で自民圧勝(6.23)

○巨人軍長島監督辞任(10.21)、王引退(11.14)

海外10大ニュース(1980)

×複雑化する中東-エジプト・イスラエル国交樹立(1.20)。米国、イランとの外交関係断絶(4.7)。イラン・イラク戦争勃発(9.22)。アラブ首脳会議開催(11.25~27)、対イスラエル強硬派欠席

×米軍、イラン人質救出作戦に失敗(4.23)

×チトー大統領死去(5.4)

×韓国光州で反政府暴動事件(5)

×韓国の金大中氏軍事裁判

×パーレビ元イラン国王死去(7.27)

×モスクワ・オリンピック開催(7)、日・米・西独・中国など不参加

×ポーランドで政治スト(8.14)、「連帯」結成(9.22)

×アルジェリアで大地震(10.10)

×ハリウッド出身のレーガン大統領選出(11.4)

世相・風俗(1980)

○不安列島の観-冷夏と冷害深刻化、大地震キャンペーン、ソ連原潜領海侵犯、防衛予算別枠問題、奥野発言と改憲論議、モスクワ五輪ボイコット、イエスの方舟明るみに、女子学生連続誘かい殺人事件、新宿バス放火事件、富士山落石事故、静岡地下街ガス爆発事故、中学生暴力事件続発、東京銀座で1億円の落とし物、伊藤律29年ぶりに帰国、裁判官デート強制事件、埼玉県所沢の産婦人科病院事件。

○相次ぐ政界のハプニング-ハプニング解散、初のダブル選挙、大平首相急死、自民党大勝、鈴木内閣誕生。

国税女性Gメン採用(55年度から)、未婚を通す女性増加傾向、ダイエー・リコー昭和2ケタ重役を集団起用、数学英才育てる広中構想の留学制度スタート、社外スポーツ熱中年族にも、親業訓練協会出現、都の人口初めて減少(1.1現在)、東京都5,000万円宝くじ発売、竹の子族、リクルートカット、早大商学部不正入試、対馬沖の宝船ナヒーモフの金塊引き上げられる、漫才ブーム、情報公開法論議、巨人軍長嶋監督の辞任と王の引退。

消費者・住民運動・公害(1980)

○初の煙嫌権訴訟。

○各地で合成洗剤追放運動。

×国際婦人年の中間時点、コペンハーゲンで世界会議。

×80年代は老人パワーの時代?-米国に広がる運動の輪。

○環境庁、近隣騒音規制のモデル案を全国自治体に提示。

○東京都消費者センターは、「超音波美顔器に不当表示の疑い」と発表(4.22)

○都アセスメント条例案、強行否決(7.5)

○第1次オイルショック時の石油ヤミカルテル事件に判決-「生産調整」は無罪、「価格協定」は有罪(9.26)。

○伊達火力発電所訴訟で住民敗訴(10.13)。

時の商品・新製品(1980)

○省エネ商品うける-太陽熱温水器、住宅用断熱材、断熱フイルム、軽自動車、省エネ冷蔵庫・洗たく機・エアコン、圧力なべ、うちわ、扇子

○激戦下のオフィスオートメーション市場--PPCを中心とする複写機、オフィスコン、ファクシミリ、ワードプロセッサーなどはエレクトロニクス技術の進歩などで騒然。

○マイコン革命じわじわ押し寄せ、半導体技術競争激化し、半導体内製化ブーム。

○家庭用VTR成長-増産ラッシュと価格競争の波、ビデオ撮影セットも登場し、ビデオテープも増産。

○スポーツ用品市場にも脚光-スポーツウェア急成長、スポーツフーズ相次いで登場、スポーツドリンク参入盛ん。

○健康市場注目される-減塩低塩食品はじめ健康食品伸び盛り、健康医療用器具も話題を集める。

○注目された商品-メンズバック、ソーラーシステム、ファミリーレストラン、百貨店自社クレジットカード、新型容器の清酒、1リットルビン清涼飲料、企業年金普及急ピッチ、ふるさと百科事典、低価格万年筆、百円シャープペン

○新登場した商品-キリンライトビール、マヨドレ、ミニ即席ラーメン、無リン洗剤、コードレスホン、ローン販売国内旅行、TV付きインターホン、ウィンドサーフィン、中国野菜

テレビCM(1980)

富士写真フイルム<お名前><夏、焼増し>、スーパーニッカ<桂林、生活甍>、サントリー・純生'80<南回帰線>、オールド<アラスカ>、資生堂<輝けナツコSUN>、キリン・ラガービール<夏祭り>、日本コカ・コーラ<Come on in Coke'80気球>、日清製油・サラダ油<からし蓮根><金ぷら棒>、ライオン・ママレモン<稚内>、カネボー化粧品・春のキャンペーンレディ'80・リップスティック<行進>、松下電器・省電力形57Wシリカ電球<石油を食べる電球>、冷蔵庫The big<母を失したアザラシ>、テクニクス<忘れられた音>、公共広告機構<水道ひとひねり>、トヨタ自販・交通安全キャンペーン<赤い頭巾>、味の素マヨネーズ<きゅうり・セロリ・レタス>、ミノルタ<いまのきみはピカピカに……>宮崎美子

新聞広告(1980)

東宝<「影武者」を見る。1980年を生きている証しだ。>、丸井<好きだから、あげる。>、サントリー・オールド<かくて、陽はまた昇る><魂の海は涸れていないか><真実について正確に語ろうとすればするほど、人は言葉少なくなるだろう。グラス軽く、言葉は重く感じなくなる>、サントリー・カンビール<冷蔵庫がおいしくしたのは、カンビールだけかもしれない。>、伊勢丹<女の記録は、やがて男を抜くかもしれない。>、西武<MILANO…5>、小学館<いい娘になれよ。それしか言えん。>、キリンライトビール<For Todays Active Life><時代が僕を生んだ、キリンライトビール>、西本願寺<煩悩>、国鉄・日本航空<振りむけば君がいて>、キューピーマヨネーズ・アメリカン<目覚める。走る。食べる。>

話題のテレビ番組(1980)

○大型スペシャル番組依然続く-80年、未来をこの手に!(民放92局ネット)、源氏物語(TBS系)、2001年への旅(TBS系)、曠野のアリア(TBS系)、テレビセミナー・フリードマンの選択の自由(TBS系)、COSMOS(ANB系)、小児病棟(NTV系)など。

○4月改編では情報番組が強化された-ミスターサンデー(TBS系)、日本全国ひる休み(CX系)など。

○秋の陣ではゴールデンタイムに報道情報番組が続々登場-報道特集(TBS系)、TV EYE(NTV系)、いま世界は(ANB系)。

○学園ものドラマ花盛り-熱中時代(NTV系)、金八先生(TBS系)に支えられ、ドラマの新しい鉱脈となる。学園危機一髪(CX系)、ただいま放課後(CX系)、サンキュー先生(ANB系)、生徒諸君(ANB系)、それゆけ!レッドビッキーズ(ANB系)

○お笑い番組も好調に登場-爆笑ヒット大進撃!(NTV系)、笑ってる場合ですよ!(CX系)、激突!ギャグハウス(TBS系)、東西オールスター漫才(12ch)

NHK(1980)

《なっちゃんの写真館》39.6%《虹を織る》38.5%
〈獅子の時代〉21.0%

○NHK特集、“シルクロード”話題となる。

○「空白の900分・国鉄総裁怪死事件」「暁は寒かった・母が誰かを殺した日」など戦後史実録シリーズも注目される。

○ドラマ人間模様、「血族」「あ・うん」「続・続事件」など話題に。

流行語(1980)

トカゲのシッポ、不快感、バカラ、カラスの勝手でしょ、8ない女性、会社は永遠です、ナウい、インベーダー、ノー無主義、幕があく前に芝居が終わった、時代が僕を生んだ、それなりに、赤信号 みんなで渡れば怖くない、そ~なんですよ川崎さん!、校内暴力

流行歌(1980)

レコード大賞:八代亜紀<雨の慕情>

歌唱賞:都はるみ<大阪しぐれ>

最優秀新人賞:田原俊彦 ハッとして!Good

新人賞:岩崎良美、河合奈保子、松田聖子、松村和子

ダンシング・オールナイト
異邦人
大都会
ランナウェイ
恋人よ
贈る言葉
順子
お前とふたり
別れても好きな人
風は秋色/Eighteen
哀愁でいと
さよなら

雨の慕情
青い珊瑚礁
不思議なピーチパイ
唇よ熱く君を語れ
南風
女優
ダンシング・シスター
コール・ミー
ギミー・ギミー・ギミー
ユー・アー・ラブ
夢のカリフォルニア

○ニューミュージックの台頭めざましく。

○ピンク・レディーが9月に解散(56年4月)を発表、山口百恵は10月に引退し、歌謡界も“1つの時代”の終わりを告げるかのようだ。シャンソンの越路吹雪不帰の人となる(11.17)。

×ジョン・レノン射殺される(12.8)。

○“テクノ・ポップ”イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)、アメリカ、ヨーロッパでも人気を集める。

話題の映画(1980)

洋画
スターウォーズ/帝国の逆襲
007/ムーンレイカー
地獄の黙示録
クレーマー・クレーマー
スター・トレック
スター・ウォーズⅡ
1941
将軍
ルードウィヒ神々の黄昏
マンハッタン
テス

邦画
影武者
復活の日
二百三高地
ドラえもん のび太の恐竜
戦国自衛隊
ヤマトよ永遠に
ツィゴイネルワイゼン
動乱
天平の甍
四季・奈津子
トラック野郎
アフリカ物語

○冷夏で映画界盛況。

○嵐寛寿郎死去(10.21)。

×サスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒチコック逝く(4.29)、また「荒野の七人」「大脱走」でわかせたスチーブ・マックィーンも死去(11.7)。

ベストセラー(1980)

シルクロード(1~4)
項羽と劉邦(上・中・下)
ノストラダムスの大予言(2)
蒼い時
悪魔の選択(上・下)
自分のお金をどうするか
前例がないからやってみよう
新悪の論理
黒革の手帖
ギネスブック80
選択の自由
こんな女と暮らしてみたい
将軍
ツービートのわッ毒ガスだ
人生抄
MY SEX
公文式数学教室梓弓執りて
神の汚れた手

○出版物の再販制度の運用が一部自由化される(10.1)。

○「蒼い時」発売1カ月で100万部突破、ミリオンセラーのスピード記録となる。

○「河出文庫」(6月)、「徳間文庫」(10月)創刊。

○2年続きの雑誌創刊ブーム、235誌が創刊、その陰で107誌が休廃刊

○更生・筑摩書房が発足(10.1)。

話題のマンガ(1980)

○野球マンガ「ドカベン」の単行本(1-44)の発行部数が3,000万部を突破。

○マンガ雑誌も創刊ブームとなる-「ポップコーン」(3月)、「コミックトム」(5月)、「グットコミック」(6月)、「ヤングマガジン」(6月)、「ビッグコミックスピリッツ」(10月)など。

じゃりんこチエ(漫画アクション)、かりあげ君(漫画アクション)、感電しますよ(少年チャンピオン)、釣りキチ三平(少年マガジン)、1、2の三四郎(少年マガジン)、釣りバカ日誌(ビッグコミックオリジナル)、土佐の一本釣り(ビッグコミック)、Dr.スランプ(少年ジャンプ)、駄馬コマンコスキー(漫画ゴラク)、わたしの沖田くん(ヤングジャンプ)、キャンパスクロッキー(ヤングジャンプ)

ファッション(1980)

○ユニセックスの流れは単に男物を女が手にするだけでなく、レディスのデザイン上にも定着し、ファッション界でマニッシュ感覚、メンズライク感覚が注目される。

○カラフル生活の中にスッキリ色彩指向-白黒のモノトーンファッションが若い女性に広がる。

○閑散期の夏に、夏もの紳士フォーマルウェア(礼服)の売れ行きが好調。婦人物も色鮮やかなパーティ着が売れる。

○スポーツウエアは機能性重視からおしゃれ指向へ。

○若い女性に巻きスカート、前ボタンスカートが人気。

○サラリーマンの世界にメンズバック流行。

○男性用下着にもカラーの波が押し寄せ、紳士用下着の売れ行き急上昇。

気象状況(1980)

×異常気象世界を覆う-米国南西部に熱波が猛威をふるい(死者1,000人を越す)、ソ連や欧州では夏に冷雨が続く。東南アジアからインドにかけて、またアフリカやオーストラリアでは干ばつと、世界各地で異常気象が相次ぎ、農作物の被害広がる。

○日本列島も冷たい夏となり、観測以来の異常冷夏を記録。米作も東北地方をはじめ全国的に不作(戦後2番目)となり、農村景気が心配される。

○冷夏の後早い冬に。

1979年(昭和54年)

経済白書 副題(1979)

すぐれた適応力と新たな出発

経済概況(1979)

わが国経済にとって、昭和54年は回復の年であった。国内民間需要の自律的上昇力が定着するにつれ、企業収益や雇用情勢の改善も着実に進んだ。一方、その過程で相次ぐ原油価格の上昇と円安基調とが重なり、インフレ再燃の不安が顕在化し、政策の転換を迫られた。そのため、秋以降先行き景気を懸念する声も聞かれたが、景気上昇の勢いは予想外に衰えないままだった。

経済成長率 名目 8.4% 実質 5.5%
民間最終消費支出 名目 10.3% 実質 6.5%
民間企業設備投資 名目 17.2% 実質 12.8%
輸出 名目 12.8% 実質 4.3%
消費者物価    3.7%  

日本の広告費(電通調査)(1979)

○対GNP比の上昇基調が定着、産業界における広告のポジショニングが上昇。

○広告活動のリード役は、買い替え需要の波に乗った耐久消費財と流通業。

  億円 対前年比(%)
総広告費 21,133 (114.5)
新聞 6,554 (114.9)
雑誌 1,119 (117.7)
ラジオ 1,061 (116.9)
テレビ 7,508 (114.9)
DM・屋外他 4,468 (110.9)
輸出 423 (127.8)

政治・経済・業界(1979)

×OPECが第1次原油値上げ実施(1.1)。

○政府は石油5%節約のための具体策決定(3.15)。

×OPECが第2次原油値上げ(9.05%)を決定(3.27)、4月1日より実施。

○統一地方選で保守・中道圧勝し、鈴木東京都知事誕生(4.8)。

×日・米・ECなど主要先進国、東京ラウンドに仮調印(4.12)。

○本四架橋の第1号「大三島橋」が開通(5.12)。

×フォード、東洋工業へ資本参加を決定(5.19)。

○54年3月期決算で全上場企業の経常利益史上最高に。

×OPEC総会で、第3次原油値上げを決定(6.25~27)。上限額を1バーレル当たり23.5ドルとする二重価格制とし、7月1日より実施--20ドル原油時代へ。

○東京サミット(第5回先進国首脳会議)を開催し、インドシナ問題、エネルギー問題を討議(6.28~29)。

○経済審議会、新経済社会7カ年計画を答申(8.3)。

○大平首相、一般消費税の55年度導入断念を表明(9.24)。

○総選挙(10.7)で自民惨敗し、自民党40日間抗争。

×米国、イラン原油の全面輸入禁止決定、イランも対米原油禁輸発表(11.12)。

×イラン情勢悪化で円相場が急落し、1ドル=251円台を突破(11.27)。

○大平首相訪中し、華国鋒首相と会談(12.5~9)。

×OPEC総会での原油価格問題合意不成立、サウジの標準原油24ドルを底に国ごとに値上げ(12.17)-実質30ドル原油時代へ。

○日銀は年3回の公定歩合引き上げ-4月17日、5年半ぶりに0.75%引き上げ年率4.25%に。以降7月24日、11月2日に1%ずつ引き上げ、年率6.25%に。

マスコミ・広告・媒体(1979)

○NHK、南極昭和基地から世界初の宇宙中継放送(1.28)。

×広告界に日中交流の波-電通が中国・上海広告公司と広告取引きを開始(3月)。服部時計店、ミノルタ、東芝は、中国の新聞に日本広告の第一陣を飾る。

○省エネルギー対策の一環として、郵政省はテレビ深夜放送の自粛を要請し(6月以降放送時間を短縮するテレビ局が増加)、通産省はネオン点灯の時間制限を指導。

○国際児童年-「世界と日本のこども展」を愛知県で開催(8.1~31)。また子供向けCM論議も高まる。

○ロス五輪の取材・放送は、全民放とNHKが共同歩調(モントリオール方式)をとることに決定(10月)。

×英国の「ザ・タイムズ」紙、348日ぶりに再刊(11.13)。

○日本新聞協会は広告基準改定。折込み広告サイズ規制(これまでタブロイド版以下)を撤廃し、大型折込みが可能となる(11.14)。

○通信販売の専商(12.24)、GMが倒産(12.27)。

○キャプテン・システムが稼働(12.25)。

○社会の動きに敏感な広告界-原油価格の上昇を背景に省資源広告が増加。国際児童年の年とあって親子登場の広告が目立った。東京サミット関連、熟年マーケット、健康テーマ、地震関連広告なども注目を集める。

○体協の「がんばれ!ニッポン!」企画が国民的支持を受けて展開された。

○電波ジャック対策で、民放とNHKが申し合わせ。

○“地方の時代”を反映し、地方紙による地域社会に根ざしたローカル広告の大型化目立���。���送界にも、“地域ニュース”を重視するなどローカル枠強化充実の番組編成増加。

○地域密着型のキャンペーン増加-カネボウ化粧品の「レディ'80」募集企画、日産自動車の「ニッサングリーンカップ全国草野球大会」協賛、味の素の「サラダパーティ」、日立家電の「マスタックス・フェア」など。

媒体の発足(1979)

○テレビ埼玉(TVS)開局(4.1)、静岡第一放送(SDT)開局(7.1)。

○新雑誌が続々登場し-「素敵な女性」婦人生活社、「Hot Dog Press」講談社、「特選街」マキノ出版、「YOUNG JUMP」集英社など-雑誌の年といわれる。ミニ情報誌も大繁盛。

○テレビ局数93局(2局増)

○ラジオ局数53局

○創復刊誌195誌、休廃刊誌76誌

媒体普及率(1979)

テレビ契約数 28,393,682
(うち、カラー) (25,293,365)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <97.8%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1979)

○東名、日本坂トンネル事故(7.11)

○三菱銀行猟銃人質事件(1.26)

○東京サミット(6.28~29)

○KDD密輸・乱脈事件

○総選挙で、一般消費税導入を争点として自民党後退(10.7)

○パンダ・ランラン死ぬ(9.4)

○自民党抗争で大平内閣難産(11.6)

○千葉県神野寺のトラ騒動

○航空機疑惑

○日本鉄道建設公団など官庁、公団、自治体の不正問題続発

海外10大ニュース(1979)

×米中が外交関係を樹立(1.1)

×イランのパーレビ国王出国(1.16)、ホメイニ派が制圧(2.11)

×中越戦争本格化(2.17)

×エジプト・イスラエル平和条約調印(3.26)

×英国総選挙でサッチャー女史先進国初の女性首相に(5.4)

×中国全人代開き、「4つの近代化」法案採択(7.1)

×世界保健機関(WHO)は天然痘が根絶と発表(10.26)

×韓国朴大統領暗殺される(10.26)

×イランで米大使館占拠事件発生(11.4)

×アフガニスタンでクーデター発生(12.27)、ソ連軍がアフガニスタンに侵攻

世相・風俗(1979)

○第2次石油ショック-原油価格上昇と省エネ運動、ガソリンスタンドの日曜祝日休業。東京サミットで石油輸入抑制目標を決定。

○高齢化社会論議盛ん、鉄鋼5社60歳定年制への移行発表(10.17)。

国際児童年、一般消費税論議、元号法成立(6.6)、地方の時代、世界最長の上越新幹線・大清水トンネル貫通(1.25)、鈴木保守系都知事誕生(4.8)、第1回東京国際女子マラソン(11.18)、ドライバー1千万人時代へ、1億円総健康化の潮流、大企業の半分一斉夏休み、金融機関強盗事件、ドラフト無視の江川巨人軍へ入団(1.31)、広島球団初の日本一、千葉トラ騒動、パンダ・ランラン死ぬ(9.4)、口裂け女のうわさ全国に広まる、インベーダーゲーム大流行、国鉄山口線のSLに人気、奈良市で太安萬呂の墓誌発見(1.20)、初の国公立共通一次試験(1.31)、米穀通帳姿消す、米国俳優ジョン・ウェイン死去(6.11)

消費者・住民運動・公害(1979)

○滋賀県は、琵琶湖浄化のためリンを含む家庭用合成洗剤の使用販売の禁止を盛り込んだ合成洗剤追放条例を可決(10.16)し、消費者運動が全国的に広がる。

×米国スリーマイル原発事故が発生(3.28)し、国内でも不安が高まり、反原発運動起こる。

○一般消費税55年度実施見送り。

○第2次石油危機で灯油1,000円台へ。

○薬事2法案成立、薬害救済制度発足。

○都議会でペット条例可決(10.20)。

○四日市の塩素ガス公害裁判で、初の公害罪法違反で有罪(3.7)。

○環境庁が窒素酸化物(NOx)第4次規制(対象拡大)を発表(7.31)

○公害発生源のトップは交通機関(総理府調査)。

時の商品・新製品(1979)

○白熱化するオフィス・オートメーション市場-オフィスコン、複写機戦線で新製品開発、新規参入活発。

○買替え需要のカラーテレビ、冷蔵庫、洗たく機、乗用車、国内販売台数の記録更新。

○ワイン、清酒、自動車、カメラ、眼鏡、スポーツ用品、背広などに“軽量化、マイルド”ブーム。

○複合商品ゾロゾロ-時計付き電卓、メロディーのでる電卓、ラジオ付き双眼鏡など。

○注目を集めた商品-外食産業、総菜、高まるクレジットカードの普及、海外デラックス・中国パック旅行、エクステリア、太陽熱温水器、省エネで戻ってきたうちわ・扇子・甚平、デジタル式クォーツ時計、テニス、サーフィン・ブーム定着、ワイン第2次ブーム、ラジカセ、マンションブーム秋以降後退。

○新登場した商品-インベーダー・ゲーム(78年11月~79年半ば)、超音波美顔器(ただし、きれいにならずと苦情)、初のマイコン車(セドリック・グロリア)、しゃべる自動販売機、自動車電話、ウォークマン、親子2代返済住宅ローン、使い捨てカイロ、シュガーレスガム、スポーツ飲料、アルギンZ、ミニ樽3、ウーロン茶、紙容器入りむぎ茶。

テレビCM(1979)

○3分ときには6分といった長尺CMが定着し、商品主役型の技術的に洗練されたCMが相次いだ。

○銀座で「サントリーCM史」展が催され、「資生堂宣伝史」が出版された。

日立<空から便りが飛んできた(6分CM)>、資生堂<香り><ナツコの夏>、松下電器・自転車<特訓>、冷蔵庫<武田鉄矢の出世物語>、テクニクス・カセットテープ<ドミノゲーム>、アサヒ・ミニ樽3<アイスキャンデー屋>、トヨタ自販<30秒の空白>、サントリーオールド<羊飼い>、ハウス食品・冷しつけ麺<蝉しぐれ>、富士写真フイルム<心の写真・愛ちゃん>、日立家電・ビデオマスタックス<日の出駅>、トワイニング紅茶<ONE FOR THE POT>、味の素ハイミー<玉ネギ>、パルコ<男たちについて語りあう日がやってきた>

新聞広告(1979)

○正月の広告出稿大きく伸びる-3が日の中央紙は12%増、カラー・1頁広告は5割増。

○地方紙の周年企画が相次ぎ、広告出稿に寄与。

○物静かで地道ではあるが、グラフィック広告は成熟の時代へ向けての道を力強く走り始めた-そのなかで、モノ情報にしっかりと根ざした商品広告の新しい波が押し寄せ、駅貼りポスターが市民権を獲得した。

○社会性をもった企画もの目立つ-筑波会議の報道型広告(日経)、国際児童年に協賛した記事広告(毎日の「国際児童年・21世紀への主役」など)、コミュニティーの環境問題に連動した広告展開など。

平凡社<きょう、はじめて、百科に赤を入れた。>、富士ゼロックス・小ライオンキャンペーン、東芝<すもももももももももももももいろいろ>、パイオニアの大型駅貼りポスター<PROJECT7000>、伊勢丹<ああ、スポーツの空気だ。>、カネボウ・レディ'80<Welcome、Mrs. Thatcher!>トヨタ・ターセル・コルサ<百恵の赤い靴>、パルコ<新しいパルコに拍手は鳴るか>、日本水産<SAKANA'80'S ニッスイ>、サントリー<北京の空気は、やわらかだった。>、全日空<トースト娘ができあがる>

話題のテレビ番組(1979)

○大型スペシャル番組や長時間ドラマ番組が定着し、その内容も社会の動きを反映したものだった。

主なスペシャル番組-ウエストサイド物語(TBS系)、熱い嵐(TBS系)、大いなる朝(TBS系)、30秒の狙撃兵(ANB系)

女性もの番組-あめゆきさん(TBS系)、女が職場を去る日(CX系)、東京女子国際マラソン(ANB系)、女たちの忠臣蔵(TBS系、東芝曜劇場1,200回記念)

国際児童年関連-明日へのメッセージ・おめでとう!地球は歌う(NTV系)、翔んだぞ!希望をのせて~飛行船ユニセフ号(TBS系)、The Gift of Songs(CX系)、私たちに愛を・国際児童年特集(TBS)

子供向けアニメスペシャル番組-宇宙戦艦ヤマト(CX系)、銀河鉄道999(CX系)、ドラえもん(ANB系)、アンネの生涯(ANB系)

スポーツ・イベント-全米オープンゴルフ(TBS系)、プレオリンピック(ANB系)、FINA ワールドカップ水泳選手権大会(ANB系)、米大リーグ野球(CX系)

中国もの番組-鑑真和上

教養スペシャル-ドーア教授の学歴インフレの社会(TBS系)、ああ定年(CX系)

映画とのジョイントもの-復活の日(TBS、角川映画)、東京大地震(ANB、東映)、将軍(ANB、米国パラマウント、東宝)

○ドラマ部門が拡充され、クイズ番組が脚光をあび(在京局の10月改編で25本となる)、学園ものが増加した-沿線地図(TBS系)、家族サーカス(CX系)、遥かな坂(ANB系)、ちょっとマイウェイ(NTV系)、特ダネ登場(NTV局)、ぴったしカンカン(TBS系)、3年B組金八先生(TBS系)、われら行動派(CX系)、クイズ100人に聞きました(TBS系)

○省エネ対策の一環として、深夜番組放送が自粛された。

日本のテレビアニメ、海外進出-東映動画の「UFOロボ・グレンダイザー」欧州でヒット(年初)、「宇宙戦艦ヤマト」全米でテレビ放映(9月)

NHK(1979)

《マー姉ちゃん》42.8%《鮎のうた》42.8%
〈草燃える〉26.8%

○わたしは海。

○NHK番組にもスペシャル指向-あめりか物語、南極スペシャルデー、戒厳指令“交信を傍受セヨ-2.26事件”。

○NHK教育テレビの「テレビ評伝」、「生命の科学」も注目される。

流行語(1979)

カラ…(出張、会議、超勤、接待、伝票、勤務、反省)、ヤミ…、ウサギ小屋、働き中毒の国、公費天国、KDD、社長室、商品券、パーティ、大きい方、逓信族、夕暮れ族、アラスカ族、熟年、インベーダー、沈黙は愚者のチエ、曲がり角解散、一般消費税、増税、新たな負担、省エネ、天中殺!、天中ってる、激…、エガワル、ハマトラ、ギャル、…(関白、結婚)宣言、たいしたたまげた、あ~…う~…

流行歌(1979)

レコード大賞:ジュディ・オング<魅せられて>

最優秀新人賞:桑江知子 私のハートはストップモーション

新人賞:竹内まりや、倉田まり子、井上望、松原のぶえ

夢追い酒
おもいで酒
北国の春
魅せられて
関白宣言
みちづれ
おやじの海
ガンダーラ
YOUNG MAN
チャンピオン
YMCA
HERO
美・サイレント
ビューティフルネーム
燃えろいい女
いとしのエリー
きみの朝
セクシャルバイオレット1
愛の水中花
万華鏡
異邦人
愛の嵐

○大ヒットのさだまさし-ピンク・レディー旋風は年初の「カメレオン・アーミー」を最後に退潮し、以降「チャンピオン」、「ヤングマン」、「魅せられて」、「おもいで酒」と続いたが、年の後半女心をつかんださだまさしの「関白宣言」、「親父の一番長い日」が大衆の人気を集めた。

○ニューミュージックが隆盛を続ける-ゴダイゴの「ガンダーラ」、「銀河鉄道999」、アリスの「チャンピオン」-一方、演歌が復活-「夢追い酒」は145万枚とシングルレコード売上げのトップとなり、「おもいで酒」(100万枚)も「関白宣言」(99万枚)を抜く。その他ベスト10に、北国の春、みちづれ。

○レコード業界にピクチャーレコード登場。

○NHKテレビの民謡番組をきっかけに民謡ブーム。

話題の映画(1979)

洋画
スーパーマン
ナイル殺人事件
グリース
JAWS2
チャンプ
エーゲ海に捧ぐ
ドラキュラ都へ行く
旅芸人の記録
木靴の樹
ディア・ハンター

邦画
銀河鉄道999
あゝ野麦峠
男はつらいよ・噂の寅次郎/他
男はつらいよ・翔んでる寅次郎/他
トラック野郎・一番星北へ帰る/他
ルパン三世・カリオストロの城
星のオルフェウス
アルプスの少女ハイジ
龍の子太郎
ベルサイユのばら
衝動殺人・息子よ
英霊たちの応援歌
復讐するは我にあり
太陽を盗んだ男
Keiko
赫い髪の女
月山
十九歳の地図

○子供向けアニメ映画が活況をみせ、テレビ局の映画製作進出が目立った。

ベストセラー(1979)

算命占星学入門
天中殺入門
四季・奈津子
サザエさんのうちあけ話
ジャパン・アズ・ナンバーワン
指導の泉
私の個人指導
頭のいい税金の本改訂版
ギネスブック
足寄より
歌集友舞
カリフォルニアSEX入門
細密占星術
一絃の琴
ザ・ジャパニーズ
水中花
くれなゐ
兎の眼
夕暮まで
もう頬づえはつかない
胡蝶の夢

○占い本が大ブームを呼び、算命占星学入門と天中殺入門の2冊で330万部売れる。

○全国各地でタウン誌が花盛りとなり、「ぴあ」は50万部に達する。

○出版界再販問題にゆれる。

○これまで売れないといわれた「本の本」が注目され、多方面にわたり出版された。

話題のマンガ(1979)

○少年ジャンプは年末最終号で306万部、週平均で250万部発行。少年チャンピオン、少年マガジン、少年サンデー、少年キングを合わせ5誌で1,200万部に迫る。

○テレビ化や映画化がコミック本市場を刺激し、コミック誌は安定した売れ行きをみせ、また長期シリーズものが目立った。なかでも、ちびっ子の「ドラえもん」人気が爆発し、18巻累計で2,500万部売れる。

銀河鉄道999、ドカベン、キャンディキャンディ、ベルサイユのばら、俺の空、がんばれ!!タブチくん!!、新エースをねらえ、新ルパン三世、宇宙戦艦ヤマト2、おやこ刑事、宇宙海賊キャプテンハーロック、リングにかけろ、マカロニほうれん荘、さわやか万太郎、れもん白書、あぶさん、おじゃまんが、朝太朗伝、がんばれ元気

ファッション(1979)

○婦人服ファッションは、ゆったりとしたビッグルックから、体の線を強調するスリム調へ流れを変える。ロングブーツに代ってハイヒール復活。

○省エネで夏のファッション“軽装化革命”進行-省エネスーツが話題(ただし売れず)、ループタイに人気集中、甚平が復活(100年来?)。タンクトップがミセスに浸透、ストラップレスブラジャーが売れる。

○機能性を特徴とするニューヨークファッション過熱。

○ハマトラファッションが若い女性の間に広がり、ブーツの売れ行き下火に。

○アイビーファッション復活。

○スポーツウェア売れる。

気象状況(1979)

○欧州には前年末から年始へかけて異常大寒波が到来、一方、日本列島は暖冬で明け、雪不足となる。東京の年平均気温は16.9℃(平年15.0℃)と観測史上最高の高温を記録。

○カラ梅雨猛暑の後、梅雨全線が西日本で大暴れし被害(6.27~30)、以来夏の長雨続き、夏物商戦不振。

○フェーン現象下の富山県で大火、住宅や工場57棟を全半焼(4.11)。

○阿蘇中岳が大爆発し、21年ぶりに死者が出る(9.6)。

○台風20号が紀伊半島に上陸し、異例の速度で本州縦断-死者行方不明者115名。

○木曾御岳山が有史以来初の噴火(10.28)。

1978年(昭和53年)

経済白書 副題(1978)

構造転換を進めつつある日本経済

経済概況(1978)

わが国経済にとって、昭和53年は試練の年であった。年間を通して吹き荒れた円高あらしの渦中で、政策効果の民間需要への点火はなかなかみられず、内外不均衡の是正も進まないままだった。一方、その過程で、わが国経済には新たな変革の芽もはぐくまれ、産業界には活力ある発展を目指す動きもみられた。

経済成長率 名目 10.1% 実質 5.3%
民間最終消費支出 名目 10.1% 実質 5.3%
民間企業設備投資 名目 7.0% 実質 4.5%
輸出 名目 -6.5% 実質 -0.3%
消費者物価    4.2%  

日本の広告費(電通調査)(1978)

○対GNP比上昇基調続く(51年~53年)

○円急騰による国内需要開発指向が広告活動にプラス要因となる。

○47年ぶりに、新聞の伸びがテレビのそれを上回る。

  億円 対前年比(%)
総広告費 18,457 (112.4)
新聞 5,702 (112.5)
雑誌 951 (108.4)
ラジオ 908 (112.0)
テレビ 6,535 (111.8)
DM・屋外他 4,030 (115.0)
輸出 331 (103.4)

政治・経済・業界(1978)

○永大産業倒産、負債総額1,800億円で戦後最大級(2.20)。

○日銀は公定歩合を0.75%引き下げ、年3.5%と戦後の混乱期を除いて過去最低水準に(3.16)。

○政府、内需拡大など7項目の経済対策決定(3.25)。

○政府は53年度公共事業の73%上期集中契約、不況地域の重点配分などを決定(4.7)。

○総理府は、3月の完全失業者141万人で、この20年の最高と発表(4.28)。

○成田国際空港開港(5.20)。

×ボン先進国首脳会議、共同宣言を発表-日本は実質7%成長、黒字減らし、輸出規制等を約束(7.16~17)。

○東京外為市場で、1ドル=200円割れ(7.24)。

○53年度から従来のGNP統計を新SNA統計へ切り替えることを閣議決定(8.4)。

○日中平和友好条約調印(8.12)、国会で承認(10.18)、中国鄧小平副首相来日(10.22)。

×カーター米大統領はドル防衛策を発表(8.16)。

○不二サッシ2社、証券取引法違反で告発され、粉飾額は431億円(8.29)。

○政府、事業規模2兆5千億円の総合経済対策を決定(9.2)。

○本四連絡橋児島~坂出ルート着工、総工費8,400億円、工期9年(10.11)。

○東京外為市場で、1ドル=175円50銭の最高値を記録(10.31)。

×米政府とFRBは外為市場積極介入と公定歩合引き上げ等のドル防衛策発表(11.1)。

○大平内閣発足(12.7)。

×OPEC、54年の原油段階的値上げ決定、累計14.5%引き上げ(12.17)。

○53年の貿易収支は247億ドル、経常収支も116億ドルと空前の大幅黒(12末)。

○東京外為市場、1ドル=240円でスタートして195円40銭で終幕(12.29)。

マスコミ・広告・媒体(1978)

○民放ラジオ3社、統一キャンペーン「はたちの献血」を展開(1.9~3.9)。

○NHK教育テレビ番組「NHK文化シリーズ-現代社会のしくみ」で広告をとりあげる(1.10)。

○NHKテレビ・東京に怪電波流れる-電波ジャック事件発生(1.17)。

○公共広告機構の東京本部発足(1.18)。

○東京、大阪の国電に車内ステッカー登場(3.1)。

○日本初の実験用放送衛星「ゆり」打ち上げられる(4.8)。

○第1回「日本アカデミー賞」(4)。

○「宇宙-人類の夢と希望」をテーマに宇宙科学博覧会開かれる(7.16~6カ月間)。

○厚生省は「安全性について虚偽、誇大な広告を禁止する」などの薬事法改正案骨子を発表(7.21)。

×ニューヨークの三大新聞が、労使紛争で発行停止(8.9~約3カ月間)。

○公正取引委員会、広告取引の実態調査を始める(10)。

○経済広報センター発足(10.24)。

○民放中波ラジオ局、全国一斉に周波数を切替え、9キロヘルツ間隔に再編成(11.23)。

×パリで開かれた第20回ユネスコ総会で「マスメディア宣言」を採択(11)。

○自民党総裁・大平政権誕生で、朝日、毎日、西日本の3紙号外発行(11.27)。

○大蔵省、税制調査会に「広告課税」を討議事項項目に提示(11.28)。

×労使紛争で英紙タイムズ休刊へ(11)。

○近年増加傾向にあったプレミアム・キャンペーンが空前の活況をみせる。

○朝日新聞は創刊100年を記念して、広告・編集両面から各種大型企画を展開。

○映画と一般企業のタイアップ広告が続々登場し注目される。

○新聞各紙で紙面改革活発。

媒体の発足(1978)

○NTV、テレビ音声多重放送開始(9.28)-他、東京4局、YTV、NHK総合(東・阪)も年内に開始。

○静岡県民放送(SKT)開局(7.1)。

○民放中波ラジオ局、全国一斉に周波数を変更(11.23)。

○極東放送、本放送開始(4.26)。

○日本短波放送、「ラジオたんぱ」に呼称変更(11.23)。

○タウン誌・シティーマガジンが全国各地に出現。

○テレビ局数91局(1局増)

○ラジオ局数53局(1局増)

○創復刊誌165誌、休廃刊誌98誌

媒体普及率(1978)

テレビ契約数 27,773,219
(うち、カラー) (24,427,429)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <97.7%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1978)

○日中平和友好条約締結発効と鄧小平副首相来日(10.22)

○大平内閣誕生(12.7)

○成田空港50日遅れ開港(5.20)

○円相場急騰(10月31日には1ドル=175円台を記録)

○プロ野球話題を集める-ヤクルト日本シリーズでV1(10.22)、江川問題、西武旋風

○山口組事件を機に暴力団社会問題化(7月~)

○栗栖統幕議長解任(7.15)、防衛論議高まる

○東日本で大型地震続発

○現職警官の犯罪相次ぐ

○エルサルバドルで、日系合弁会社「インシンカ社」の日本人社長誘拐事件

海外10大ニュース(1978)

×米中国交正常化(12.15)

×キャンプデービットの中東和平3ヵ国首脳会議(9.5~17)

×中国で毛批判(11月)

×ポーランド人ローマ法王誕生(10.16)、イタリア人以外は950年ぶり

×イラン反政府暴動(12月~)

×ガイアナで人民の寺院集団大量自殺(11.20)

×イタリアのモロ前首相誘拐殺害(5.9)

×英国で試験管ベビー誕生(7.25)

×ベトナム、カンボジア侵攻(6)

世相・風俗(1978)

○不確実と逆転の時代-夏の甲子園PL学園優勝・ヤクルト初優勝・大平内閣誕生。

○ピンクレディー旋風-発売シングル・レコードが次々大ヒット、レコード大賞受賞。

成田空港開港(5.20)、植村直己北極点単独行、福岡国際マラソン瀬古優勝、沖縄で新交通方式(7.30)、八重洲ブックセンター開店(9.18)、稲荷山古墳から古代を語る文字、試験管ベビー、進学ローン出現、隅田川花火大会17年ぶり復活、福岡市で深刻な水不足、伊豆余震情報パニック、コレラ騒動、少女売春、サラ金地獄、中年の自殺ヤングを抜く、嫌煙権運動、警官不祥事件続発、宝石ブーム(金、ダイヤモンド)、「200円宝くじ」発売、ディスコ・フィーバー、ナンチャッテおじさん、若い女性の海外旅行熱、結婚しない女・キャリアウーマン、東京池袋サンシャインビル完成(4)

消費者・住民運動・公害(1978)

○消費者運動の草分け、「暮らしの手帖」編集長花森安治氏死去(1.14)。

○経企庁、消費者保護基本法の施行10周年に当たり、施行日の「5月30日」を「消費者の日」と制定。

○電気・ガスの円高差益一部還元。

○ネズミ講の全面禁止法成立。

○放射線照射の粉末野菜市場に出回る。

○NO2基準緩和で自治体・消費者団体強く反発。

○カビ防止剤TBZ、消費者団体の反対をよそに使用許可。

○2つの環境訴訟相次ぎ敗れる-伊方原発・入浜権訴訟。

○消費者の権利を無視した“ジュース裁判”判決。

時の商品・新製品(1978)

○大衆車ブーム・2BOXタイプとFF車を中心に新型車やモデルチェンジ相次ぐ-コルサ、ターセル、パンサー、シャレード、ミラージュの登場とスターレット、シビック、サニーなどのモデルチェンジ。

○家電新製品ラッシュ-電気冷蔵庫の大型化急ピッチ・3ドア冷蔵庫、ルームエアコン爆発的に売れる、マイコン内蔵エアコン、マイコン内蔵全自動洗濯機、2画面テレビ(POP、PIP)、音声多重放送テレビ、マイコン内蔵テレビ、音声多重用チューナー、システムコンポの小型化(コンサイス・コンポ)、フードプロセッサー脚光を浴びる。

長くて暑い夏のために清涼飲料売れる、生ビールに人気、タンクトップ、半袖メンズシャツ、スポーツウェア、マイコン学習機、円高で舶来品商戦盛ん、ノーブラ商品、マンションブーム持続、PPC(静電式普通紙複写機)、ラジカメ(ラジオとカメラの複合新製品)、宝飾用ダイヤ輸入1千億円突破、金ブーム、SLホテル人気、ブロック崩し、人工皮革繊維、風船ガム、素材缶詰、腐貴ワイン

テレビCM(1978)

○UFOラッシュとピンク・レディブーム。

サントリービール<あんたが主役>、日清焼きそば<UFO>ピンク・レディー、資生堂<君のひとみは10000ボルト>、カネボウ化粧品<Mr.サマータイム>、富士写真フイルム<未知との遭遇>、松下電器エアコン<クールクール>、国鉄<いい日旅立ち><春のひかり>、トヨタ自販<ラジコンカー>、新潮文庫<知性ってすぐ眠りたがる>、龍角散<ブロンスター>、東芝カラーテレビ<おばあちゃんの競争相手>、キヤノン・AE1<フットワーク>、日本航空キャンペーン<僕の前に道はない>

新聞広告(1978)

○印刷媒体の映像化現象-読む広告から見る広告への基調。

○広報広告の定着-国税庁ポスター<春風にのって…>、環境庁<人間なら、捨てません>

○大型企画・変形スペース広告盛ん。

日本石油<このくらいの石油タンクでも、5時間で空になる>、伊勢丹<あ風がかわったみたい>、キリンビール<麦芽シリーズ>、紀文<味の名門シリーズ・時のヒト、「すけそうだら」をお目にかけます>、カゴメ<トマトは野菜か果物か>、丸井<ひとりよりふたり>、松下電器<コンサイスコンポ>、トヨタ・ターセルとコルサ<クルマ維新>、日産<パルサー・ヨーロッパ>

話題のテレビ番組(1978)

○番組編成の柔軟路線が一段と進み、そのなかで番組の活性化を意図した大型スペシャル番組や大型ドラマ、単発イベントやスポーツ・イベントの大型化が定着した。

スペシャル番組-ガルブレイス“不確実性の時代”を語る(TBS系)、子供たちは7つの海を超えた-サンダースホームと1600人の混血児たち(NTV系)、ホロコースト、密約(ANB系)、立てた!滑べれた(CX系)

大型ドラマ-獅子のごとく(TBS系)

イベント番組-植村直己北極探検第一報(TBS系)、祝・17年ぶりの再開・隅田川花火大会(12ch)、エジプト・ピラミッド再現計画(NTV系)

スポーツ・イベント-米国大リーグ独占中継(CX系)、ワールド・スーパー・テニス、全英オープン・ゴルフ衛星中継(TBS系)

○開局25周年を記念しての日本テレビのテレビ界初の24時間全国ネット・テレソン「愛は地球を救う」(8月26日)は、国民的話題となり、12億円の募金を集めた。

○映画番組人気を集める-犬神家の一族、遠すぎた橋、人間の証明、ダンボ、ホロコースト。

○野球中継相変らず人気-プロ野球、高校野球夏の大会。

○GH帯の強化策として、良質のドラマ登場-10年ぶり再登場の七人の刑事、八甲田山、横溝正史シリーズ、あすなろの詩、西遊記、姿三四郎。

○54年の国際児童年に因んだ良質のアニメ番組がGH帯に登場-まんがこども文庫、まんが日本昔ばなし、野球狂の詩。

○音声多重放送が、ニュースや洋画中心の2ヵ国放送、およびステレオ放送でスタート。

○わが国初の“論説放送”が登場(山形放送)。

NHK(1978)

《おていちゃん》43.0%《わたしは海》35.9%
〈黄金の日日〉25.9%

○ドラマ人間模様・夫婦、話題となる。

○コロニアの歌声-ブラジルの移民70年。

○ピンクレディー紅白辞退する。

流行語(1978)

フィーバー、君のひとみは10000ボルト、NEVER GIVE UP!、あんたの負け(勝ち)、男はタフでなければ生きていけない、あんたが主役、不確実性の時代、な~んちゃって、バカにしないでよ、やってられないわ、逆転、アーウー、全方位外交、いい日旅立ち、クロスオーバー、映画は原作をしのげる、原因不明、田中軍団、しらこけ、ワン・パターン、共通一次、足切り、窓際族、翔んでいる、記憶にございません

流行歌(1978)

レコード大賞:ピンクレディー<UFO>

最優秀新人賞:渡辺真知子 かもめが翔んだ日

新人賞:世良公則&ツイスト、原田真二、サーカス、八神純子

UFO
サウスポー
モンスター
君のひとみは10000ボルト
透明人間
季節の中で
青葉城恋唄
微笑がえし
わかれうた
カナダからの手紙
LOVE(抱きしめたい)
かもめが翔んだ日
勝手にシンドバッド

○ピンクレディー旋風-UFO、サウスポー、モンスター(以上3曲で、シングル・レコードの売上げベスト3を独占)、透明人間

○CMソングがヒットソングに-君のひとみは10000ボルト、時間よ止まれ、お雪、ストレンジャー、季節の中で、Mr.サマータイム、東京ららばい、いい日旅立ち、夢一夜

○米国映画「サタデー・ナイト・フィーバー」熱気の日本上陸で、日本中ディスコ大旋風。

○古賀政男他界(7.25)。

○ニューミュージックの伸長と演歌の退潮。

○ストレンジャー、悲しき願い。

○ピンクレディーが「紅白」出場辞退。

○キャンディーズ解散。

○ボブ・ディラン初来日(2.20~3.3)。

話題の映画(1978)

洋画
スター・ウォーズ
未知との遭遇
007/私を愛したスパイ
サタデー・ナイト・フィーバー
死亡遊戯
ミスター・グッドバーを探して
ジュリア
愛と喝采の日々
結婚しない女
グッバイ・ガール
家族の肖像

邦画
野性の証明
宇宙戦艦ヤマト・愛の戦士たち
柳生一族の陰謀
男はつらいよ・寅次郎わが道をゆく/他
トラック野郎・男一匹桃次郎/他
さらば宇宙戦艦ヤマトキタキツネ物語
女王蜂
火の鳥
愛の亡霊
曾根崎心中
サード
事件
帰らざる日々

○大作と大宣伝が目立ち、SF映画ブームをまきおこし、女性映画ブームを生む。

ベストセラー(1978)

和宮様御留
不確実性の時代
不毛地帯(1~4)
海を感じる時
頭のいい税金の本
五味手相教室
黄金の日日
ライフワークの見つけ方
犬笛
野性の証明
北条政子
家庭教育論
成りあがり
新田義貞
私の浅草
夫と妻の老年学

○映像との相乗作用でのベストセラー時代。

○筑摩書房倒産(7.12)。

○返本率いっそう高まり8月には46%。

○八重洲ブックセンター開店(9.18)。

○フィクション部門で女流作家の活躍目立つ。

話題のマンガ(1978)

○マンガ出版大繁盛-とりわけコミック誌の増加著しく、出版業総売上げの20%に迫る。

○少年ジャンプ(8月に232万部達成)、少年チャンピオン、少年マガジン、少年サンデーの4誌は200万部の発行部数を競う。

○秩序化始まった少女マンガ作家群。

風と木の詩、綿の国星、エスの解放、おれは鉄兵、釣りキチ三平、サバイバル、らんぽう、すすめ!!パイレーツ、レース鳩0777、月とスッポン、翔んだカップル、ヒット・エンド・ラン、生徒諸君!、銀河鉄道999、戦場マンガシリーズ、のたり松太郎、二階堂正宏展、ペリーヌ物語、さらば戦艦ヤマト、エースをねらえ!、スペオペ宙学

ファッション(1978)

○タンクトップ大流行、ジョギングパンツ、ストラップレスブラジャー、ジョギングシューズ、フロントホックブラジャー、ワンショルダー、シミチョロルック

○カラーTシャツとネーム入りカラーシャツ

○ニューヨーク・ファッション花盛り、ハーレム・パンツ(もんぺみたいなヤツ)。

○夏のパスポート・シャツと秋から冬へのコーデュロイのジャケット、黒のフォーマルウェア。

○若者たちに“黒い”商品ブーム。

○VAN、花咲倒産。

気象状況(1978)

○長くて暑い夏-昭和16年以来の早い梅雨あけと、記録的猛暑(東京地方の6~8月は過去最高の異常高温)-で、夏物商戦活発化。

○各地で水不足が深刻化し、福岡では5月~10月まで給水制限。

○酒田市で40.1度を記録(日本観測史上3位、8.3)。

○伊豆大島近海地震(1.14)-マグニチュード7.0、死者25人、伊豆急土砂くずれで全線不通、シアン鉱さい狩野川へ流出。

○宮城県沖地震(6.12)-マグニチュード7.5級、死者28人、交通機関・通信網大きく混乱。

○妙高高原で地すべり(5.18)。

×世界的異常気象続く-欧州で寒波後の冷夏、中国かんばつ、インドの100年ぶりの大洪水、アルゼンチンの大寒波など。

1977年(昭和52年)

経済白書 副題(1977)

安定成長への対応を進める日本経済

経済概況(1977)

わが国経済にとって、昭和52年は多難な年であった。前半は期待された政策効果も予想外にみられず、後半には再度不況の顕在化が懸念され、その対応策が迫られた。しかも、秋以降の円高旋風によって経済環境は一変し、内外に多くの問題を山積していった。

経済成長率 名目 11.4% 実質 4.4%
民間最終消費支出 名目 11.8% 実質 4.0%
民間企業設備投資 名目 4.1% 実質 -0.4%
輸出 名目 7.6% 実質 11.7%
消費者物価    8.1%  

日本の広告費(電通調査)(1977)

○新聞広告見直し論の台頭が注目される。

  億円 対前年比(%)
総広告費 16,427 (112.8)
新聞 5,068 (111.4)
雑誌 877 (110.0)
ラジオ 811 (115.2)
テレビ 5,847 (114.8)
DM・屋外他 3,504 (112.5)
輸出 320 (103.2)

政治・経済・業界(1977)

×OPECが国別に二重価格制で原油値上げ実施、平均値上げ率8~8.5%(1.1)。

×米国東部、大寒波で経済マヒ。

○首相、カーター米大統領と電話会談(1.13)。

○東京地検、小佐野・児玉を起訴、ロッキード事件の捜査は事実上凍結に(1.21)。

○200カイリ日米漁業協定を閣議決定(2.10)。

×米・ソ、200カイリ漁業専管水域を実施、200カイリ時代の幕明け(3.1)。

○日銀が公定歩合を0.5%引き下げ年6.0%となる(3.12)。

○円急騰、2年10カ月ぶりに280円割る(3.22)。

○日米首脳会談(3.22)。

○日銀が公定歩合を1%引き下げ年5.0%となる(4.17)。

○政府が総合的新景気対策を決定、公共事業予算9兆9706億円の73%を上期中に契約(4.19)。

×第3回先進国首脳会議、ロンドンで開催(5.7~8)。

○日米カラーTV交渉、自由規制を決め調印(5.20)。

○独禁法改正案成立(5.27)。

○伊藤忠商事と安宅産業、合併に正式調印(5.31)。

○第11回参院選で、自民党が過半数を確保(7.10)。

○政府が事業規模2兆円の総合経済対策を発表(9.3)。

○日銀は公定歩合を0.75%引き下げ年4.25%となる(9.5)。

○一般消費税についての試案が公表される(9.12)。

○政府は第三次全国総合開発計画を決定(11.14)。

○飛鳥田横浜市長が社会党委員長就任を受諾(12.3)。

○東京外為市場、1ドル=240円で取引き終了(12.30)。

マスコミ・広告・媒体(1977)

○日本広告審査機構、「JAROシリーズ」の第1弾として「消費者条例と広告」を刊行(1.31)。

○昭和53年度の総理府広報予算は103億400万円(前年比10.6%増)と初めて100億円の大台に(1.31)。

○国鉄は45年10月から続いた「ディスカバー・ジャパン」に代えて新しい「一枚の切符から」キャンペーンをスタート(1)。

×カーター米大統領と国民との電話問答に大反響、950万人がダイヤル(3)。

○モスクワ五輪中継をテレビ朝日が独占契約(3.10)。

○日本教育テレビは、社名を全国朝日放送(略称テレビ朝日、ANB)と改め社名変更大キャンペーン(4.1~)。

○テレビCMの国際規格による音量自主規制(4.1)。

○放送広告の日の全国同時ネットのテレビ特別番組「コマーシャルは今……」話題となる(4.21)。

○国鉄新幹線に、初めて社内広告がお目見得(5.1)。

○日本新聞協会は“新聞広告の再開発”を合言葉とする媒体キャンペーンを実施。

○ラジオ関東が後楽園ナイターを独占放送。

○電通社長に田丸秀治氏就任(6.28)。

○ビデオリサーチ、視聴率調査の結果が翌日わかる新方式・ミノルメーターを開発し、9月26日より関東地区で実施。

○王選手756号ホームラン=世界新記録を樹立し(9.3)、国民栄誉賞受ける(9.5)。

○在京ラジオ3社は初の共同企画である「T・Q・Lラジオ・ワークショップ'77」を開く(9.7~8)。

○秋口から新車ラッシュで多彩な広告合戦展開される。

○東京放送がテレビCM送出のVTR化新システム実施(10.3)、他の各社も同システムの導入が相次ぎ、VTR・CMが増加。

○毎日新聞社が発足(12.1)。

○全国農業協同組合中央会「見直そう日本のお米」キャンペーンを展開。

○キー局を中心に視聴者窓口の設置相次ぐ。

○放送衛星の実験へ大きな一歩を踏みだし、52年は衛星元年と呼ばれた。

媒体の発足(1977)

○日本教育テレビ(NET)が全国朝日放送(ANB、テレビ朝日)と社名変更(4)。

○雑誌の大型創刊目立つ-ポスト・アンノン族を対象とした「クロワッサン」平凡出版、「アルル」(4)、「モア」集英社(5)、他業種算入の「ギャラントメント」(5)、タウン情報誌の「アングル」、「東京タウン情報」、首都圏ヤング向けの「くりくり」(5)、首都圏キャリアウーマン向けの「ノラ」(5)、その他、「アパッチ」(6)、「バラエティ」、「新鮮」(10)。

○サンケイリビング南山手出版発行(7版目)(9)。

○テレビ局数90局

○ラジオ局数52局

○創復刊誌190誌、休廃刊誌106誌

媒体普及率(1977)

テレビ契約数 27,058,881
(うち、カラー) (23,309,448)

(NHK契約世帯数)

カラー普及率 <95.4%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1977)

○日本赤軍による日航ハイジャック事件、ボンベイ-バンコック間で乗っ取られ、ダッカ空港に強制着陸(9.28)

○北海道有珠山爆発、32年ぶり7回目(8.7)

○東京・高輪で青酸コーラ殺人事件(1.4)

○円高不況が深刻化し、倒産相次ぐ

○愛知医大不正入学事件(7.3)

○日本も200カイリ宣言(3.29)

○参議院選挙で、自民党が過半数を占める(7.10)

○王貞治巨人軍選手、対ヤクルト戦でホームラン世界記録756号を達成(9.3)し、国民栄誉賞を受ける(9.5)

○東京地裁で、ロッキード事件初公判開かれる(1.27)

○社会党の飛鳥田新体制スタート(12.13)

海外10大ニュース(1977)

×カーター氏、第39代米国大統領に就任(1.20)

×インド・ガンジー政権倒れる(3.22)

×中国鄧小平氏副主席に復活(8.19)

×ソ連革命60周年(11.2)

×サダト・エジプト大統領、イスラエル訪問(11.19)

×ルフトハンザ機乗っ取り事件(10.13)

×ロンドン・サミット(6.7~8)

×各国、次々200カイリ宣言・実施

世相・風俗(1977)

○平均寿命、男72.69歳、女77.95歳で世界一となる。

○離婚件数史上最高、新しい女のイメージ・翔んでる女・自立を求める自由な女、「子どもは少なく」が定着(夫婦の平均出産児数1.89人)。

○王選手756号ホームランで世界記録、パンダの出産騒ぎ、スーパーカーブーム、走る(ジョギング)ブーム、草野球ブーム、テレビ・ゲーム、カラオケブーム、円高ドル安、日本女性党誕生、200カイリ問題、日米で「ルーツ」大当り、外国人に弁護士の道、有珠山大爆発、青酸コーラ事件、火曜日の放火魔事件、医大不正入学問題、日本赤軍のハイジャック(9.28)、長崎のバスジャック、芸能界の大麻汚染、日劇ダンシングチーム幕おろす(4)、ニューヤング脚光あびる、全国の幼稚園・保育園の5歳児就園率90%、喜劇王チャップリン死去(12.25)、プレスリー死去(8.16)

消費者・住民運動・公害(1977)

○食品、菓子、化粧品、繊維などの業界、表示問題で揺れる。

○独禁法、30年ぶりに改定。

○松下ヤミ再販の東京高裁判決。

○ユーザーユニオンに有罪判決。

○カネミ油症事件で被害者側全面勝訴。

○化粧品被害者が初の集団訴訟(大阪)(7)。

○わが国最大の薬害事件「東京スモン訴訟」、正式に和解調印(10)。

○通産省マルチ商法対策。

○低公害車欠陥多発。

○フッ素による虫歯予防に不安高まる。

○車イスでのバス乗車問題。

時の商品・新製品(1977)

○ニューモデル車ラッシュ-マーク2、セリカ、ローレル、スカイラインなどのモデルチェンジ、チェイサー、オースター、スタンザの登場。

○ふとん乾燥機、電子チューナーテレビ、超薄型電卓、クォーツ時計、低価格一眼レフカメラ、自動焦点カメラ、1万円を切ったテレビゲーム、テレビ付きパチンコ、ルームランナー、トレーニングウェア

○焼酎ブーム(純、Joh、ワリッカの登場)、マインブロイ(76年秋)に次ぐメルツェン、大型ボトルウィスキー、トマトジュースと野菜ジュース、冷凍ピザパイ、1リットルサイズコーラ、ゴキブリ捕獲器、男性用オーデコロン、マシンションブームの再来、CDカード発行枚数約2千万枚、国債売れる、新型預金と新型保険、石油温風暖房器、液体洗剤

テレビCM(1977)

○ナンセンスやパロディ風もじりCMが続々登場し、説得型トークCMの進出がみられた。

○VTR・CMの増加とCMの音量規制。

○松下電器・クイントリックス<イワテケン>千昌夫夫妻、大日本除虫菊・キンチョール<トンデレラ、シンデレラ>研ナオコ、松下電器・モノクロポータブルテレビ<トランザム…踊る高見山>、損害保険協会<ひとこと言わせてもらいます>ミッキー安川、東京海上<割れない卵>、国鉄<ふしぎですね>三遊亭円右、国鉄<一枚のキップから>キャンペーン・スタート、日立CM劇場の4本の3分CM、キリンビール・トマトジュース<おーい、トマト>、資生堂<サクセス>、カネボウ<ワインカラーのときめき>、江崎グリコ<愛のメモリー>

新聞広告(1977)

○グラフィックの流れに多様化基調。

○大型化・集中化をねらったキャンペーン広告の動きが目立った。

○集英社・MORE<創刊キャンペーン・この瞳は、よりよいものを見るために><4ページマルチプル広告・この声は、仲間と語りあうために>、小西六写真・夕刊買い切りマルチプル広告、富士ゼロックス<人名簿・同時代の発言者たち>、丸井<赤いカードで1、2、3>、西武<感度いかが?ピッ。ピッ。>、伊勢丹<ことし生まれた赤ちゃんが、お嫁にいくのは21世紀です>、松下電器<電卓裁判><枯れたふりしてみごと芽が出せる>、宝酒造<純>、資生堂<マイピュアレディ>、カネボウ化粧品<日に焼けない小麦色>

話題のテレビ番組(1977)

○大型スペシャル番組の登場。

わが国初の3時間ドラマ「海は甦える」(TBS系)、日立の単独提供、視聴率も関東28.5%で、4本の3分CMが挿入される(8.28)。米国ABCで大成功した「ルーツ」がテレビ朝日系で、ゴールデンタイムに連続8日間放送され、話題となり、とりわけ関西で高視聴率(10)。「バレーボール・ワールドカップ'77」(CX系)、22時間で48試合を中継し、驚異的高視聴率をあげる(11)。

○アマチュア・スポーツイベントの拡充で、自社系列以外にもネットを拡大。高校サッカー、春の高校バレー大会、夏の高校野球、全国高校ラクビー選手権大会。

○プロ野球人気さらに上昇。シーズン平均で視聴率23.3%を記録し、王がホームラン世界記録(756号)達成時は43.3%(8.31)。

○報道番組の新設・強化進む

おはよう!ニュースワイド、ニュース・セブン、ニュースコープ、FNNニュース最終版、ワールド'77、ニュース・アイ。

○アニメーション番組が増加し、推理ドラマに人気-

家なき子、まんが日本絵巻、森村誠一シリーズ、松本清張シリーズ。

○生活情報番組拡充される-

あなたのワイドショー、ミセス&ミセス、チャーミング奥様。

NHK(1977)

《いちばん星》37.2%《風見鶏》38.3%
〈花神〉19.0%

○大草原の小さな家、花のステージ。

○政治や政党などの討論番組を充実。

○NHK特集のなかで「日本の戦後」を新設。

○こども向け番組強化のため、笛吹童子、こども面白館を新設。

流行語(1977)

たたりじゃー、母さん 僕のあの帽子……、飛ンデレラ 死んでれら、ルーツ、イワテケーン、○○の証明、よっしゃ よっしゃ、読んでから見るか 見てから読むか、天は我らを見放した、僕って何……、アランドロンかな~、ウォンデッド、飛んでる~、……ごっこ、……って何?、……のてんまつ、黒字減らし、中道、超法規、ドラフト、普通の女の子に戻りたい、決っして1人では見ないで下さい

流行歌(1977)

レコード大賞:沢田研二<勝手にしやがれ>

最優秀新人賞:清水健太郎 帰らない

新人賞:狩人、高田みずえ、ビューティ・ペア、榊原郁恵

ウォンテッド
青春時代
渚のシンドバッド
昔の名前で出ています
勝手にしやがれ
津軽海峡冬景色
雨やどり
カルメン '77
SOS
愛のメモリー
失恋レストラン
イミティション・ゴールド
夢先案内人

○ピンクレディー大人気-カルメン'77、渚のシンドバッド、ウォンテッド、UFO(いずれもシングル・レコード売上100万枚突破)、SOS、ペッパー警部。

○キャンディーズの引退宣言-「普通の女の子に戻りたい」。

×プレスリー(8.16)とクロスビー(10.14)の死去。

○イメージソングの台頭-サクセス、愛のメモリー、ワインカラーのときめき、マイ・ラグジュアリー・ナイト、マイ・ピュア・レディー、人間の証明のテーマ。

×イーグルス「ホテル・カリフォルニア」大ヒット。

話題の映画(1977)

洋画
キングコング
遠すぎた橋
カサンドラ・クロス
ロッキー
サスペリア
アドベンチャーファミリー
ネットワーク

邦画
八甲田山
人間の証明
八つ墓村
トラック野郎・天下御免/河内のオッサンの唄
トラック野郎・度胸一番星/サーキットの狼
幸福の黄色いハンカチ
獄門島
悪魔の手毬唄
アラスカ物語

○久しぶりに邦画が洋画を凌駕し、邦画の1本立て定着。

○映画も大型宣伝時代に入り、映画宣伝から流行語が生まれる。

ベストセラー(1977)

間違いだらけのクルマ選び(正・続)
ルーツ(上・下)
エーゲ海に捧ぐ
深代惇郎の「天声人語」(正・続)
八甲田山死の彷徨
頭のいい銀行利用法
随筆人間革命
知的生活の方法
人間の証明
頭の体操
事故のてんまつ
僕って何
青春の証明
崩壊
耳のツボでやせる

○映像メディアと連動した作品に人気。

○美術全集ラッシュ。

○“文科の時代”を告げる知的ブーム。

○大型書店出店ラッシュ。

○集英社文庫誕生(5)。

○夏枯れに返本率高まる。

○芥川賞作品売れる。

×米国で「ルーツ」爆発的に売れる。

話題のマンガ(1977)

○漫画ブームという安定した文化的必需品の観強まる。

○少年マンガ誌の部数初公開-150万部前後ぞろぞろ。

○少年マガジン(1.8号)、少年サンデー(9.25号)それぞれ通算で1,000号に。

○手塚治虫漫画全集(全300巻)創刊。

○どかべん(水島新司)全28巻で1,600万部。

がきデカ、東大一直線、試験(テスト)あらし、ゆうひが丘の総理大臣、ルパン3世、建師ケン作、多羅尾伴内、トイレット博士、くたばれ!とうちゃん、うわさの天海、マカロニほうれん荘、博多っ子純情、はいからさんが通る、百億の昼と千億の夜、地球(テラ)へ…、真夜中の子守唄、キャプテン、プレイボール、ブラック・ジャック、ガラスの仮面、妖精王、あぶさん、三つ目がとおる、手づくり玩具、フットボール鷹

ファッション(1977)

○50年代ファッションの流行-ポニーテール、ギャザースカート、メッシュセータ短命流行、プリントTシャツ、ウルトラスエード。

○若い女性に舶来ブランド人気。

○新宿にPe Pe オープン。

○「七五三」でハオリ・ハカマ、振りソデの復古調目立つ。

ロマンティックファッション、パンクファッション、ジョークファッション、毛皮のコート、スエード調の人工皮革コート、女性のウェスタン・ブーツ

気象状況(1977)

○正月から2月にかけて、20年以来の寒波が襲来し、裏日本では38年以来の豪雪被害、太平洋側には春の雪急襲(1.10)。

○東京地方の長雨-8月としては昭和10年の記録を破り、22日の長雨を記録。一方、秋には西日本を中心に残暑続く。

○北海道・有珠山、32年ぶりに大爆発(8.7)。

×アメリカ東部、中西部に今世紀最大の寒波。

1976年(昭和51年)

経済白書 副題(1976)

新たな発展への基礎がため

経済概況(1976)

昭和51年は、安定成長への移行の基礎固めの年のはずであったが、政局の不安が続くにつれ、秋口からは景気の“中だるみ”現象が顕在化し、より強力な対応策が迫られることになった。

経済成長率 名目 12.3% 実質 4.0%
民間最終消費支出 名目 13.0% 実質 2.9%
民間企業設備投資 名目 3.8% 実質 -0.1%
輸出 名目 19.0% 実質 16.6%
消費者物価    9.4%  

日本の広告費(電通調査)(1976)

○媒体別構成比で、テレビが新聞との差をあける。

  億円 対前年比(%)
総広告費 14,568 (117.7)
新聞 4,550 (111.2)
雑誌 797 (119.0)
ラジオ 704 (116.9)
テレビ 5,093 (121.0)
DM・屋外他 3,114 (122.2)
輸出 310 (122.0)

政治・経済・業界(1976)

○伊藤忠と安宅産業が合併前提の全面業務提携を発表(1.12)。

○東証ダウ、1年半ぶりに4,600円の大台乗せ(1.15)。

○郵便料金大幅値上げ実施(1.24)。

○共産党スパイ査門問事件、国会で波紋。

○ロッキード事件表面化(2.4)。

○小佐野氏、丸紅、全日空社長らを国会証人喚問。

×金大中氏ら12人が「民主救国宣言」発表(3.1)。

○輸出が急回復。

×米で「不況の終結と新しい繁栄入り」宣言。

○日銀が「景気底離れ」表明(3.31)。

○消費者物価上昇率1ケタの公約達成、全国平均で8.8%(3)。

○地価、全国平均で昨年比0.5%微騰。

×北京天安門事件(4.5)、鄧小平氏解任。

×米大統領「'76年漁業管理法」に署名、'77年3月より200カイリ専管水域実施(4.13)。

○資本の100%自由化完了、農林水産など4業種除く(5.1)。

○ロッキード事件特別委設置(5.14)。

○戦後外交機密文書を初公開(5.31)。

○郵便貯金急成長。

○河野洋平氏ら自民離党し「新自由クラブ」結成(6.25)。

×サンファンで先進7ヵ国首脳会議(6.28)。

○企業の銀行離れ目立つ。

○ロ事件で逮捕者相次ぐ、政治家第1号田中角栄(7.27)橋本登美三郎(8.21)。

○自民反主流派、三木おろしに結集。

○景気“中だるみ”顕在化。

○NHK小野会長が田中前首相見舞問題で辞任(9.3)。

○三木改造内閣成立(9.15)。

○3項目景気対策(11.5)。

○天皇在位50年式典(11.10)。

×ECが輸入超過で日本に厳しい最後通告(11.17)。

○東洋バルブ倒産、史上2番目の大型倒産、負債総額882億円(11.24)。

×ソ連、自国沿岸について200カイリ専管水域を設定(12.10)。

○福田内閣が発足(12.24)。

マスコミ・広告・媒体(1976)

○「サンデー毎日」2月8日号、「週刊朝日」2月22日号で創刊3000号に。

○初のCM編成企画、青森放送で実験開始、4月から東京キー局でも(2)。

○朝日新聞が「意見広告掲載基準細目」を決定、制限の緩和をはかる(3)。

○トリム運動協賛のカラー全ページ広告出稿(3.17)、トリム運動活発化。

○読売新聞、購読料の1年間据え置きと広告料金値上の当分の見送りを社告(3.25)。

○広告募集企画が流行-サントリービールのラベル、ブリヂストン自転車など。

○関西広域圏U局5局が共同制作、編成、共同セールスを目的に「KU5」設立(4)。

○「放送広告の日」に民放90局ネットでテレビ特別番組「コマーシャル!あなたと共に20年」(4.21)。

○新聞協会が新しい「新聞広告倫理綱領」「新聞広告掲載基準」を制定(5.19)。

○“合成写真は独立の作品”とマッド・アマノ氏の写真事件で東京高裁判断(5.19)。

○アメリカ建国200周年を前に記念広告企画ラッシュ。

○VTRCM急増。

○新聞協会がニューファミリーを焦点に強力な新聞広告PRを展開。

○電通「日本広告発達史」上巻を刊行(8)。

○日本プレスセンタービル完成(8)。

○トマトジュース広告合戦で火花。

×米大統領選に臨むフォード、カーター両候補の第1回テレビ討論会(9.23)。

○電通創立75周年記念事業の一環で東京国際経営会議開く(9.29~)。

○電通企画による福岡天神地下街オープン(9)。

○銀座5丁目森永製菓のネオンが3年ぶり点灯(12.1)。

媒体の発足(1976)

○「日本海新聞」が復刊(5)。

○「Mooks U」、「ライフカタログ・世界の一流品大図鑑」(4)、「CCILE」(5)、「POPEYE」平凡出版(6)、「OUTDOOR SPORTS」(10)、「ザ・ミュージック」(10)、「Security」(12)。

○「女性セブン」ワイド化(2)、「ヤングレディ」ワイド化、隔週化(4)、「るるぶ」隔月刊→月刊に(2)。

○テレビ局数90局

○ラジオ局数52局

○創復刊誌196誌、休廃刊誌84誌

媒体普及率(1976)

テレビ契約数 26,544,758
(うち、カラー) (22,262,448)

(NHK契約世帯数)

白黒テレビ普及率 42.2%<カラー 93.7%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1976)

○ロッキード疑獄事件発覚(2.4)、田中角栄前首相逮捕(7.26)

○戦後初の任期満了後総選挙で自クなど中道勢力躍進(12.5)

○ソ連戦闘機ミグ25亡命事件(9.6)日ソ関係緊張

○台風17号が猛威、長良川決壊(9.8~14)

○鬼頭判事補のニセ電話事件発覚(10.21)

○自治体汚染が続発。岐阜・福島など

○公共料金大幅値上げ相次ぐ。郵便、電力、電話、国鉄など

○鹿児島で日本初の五つ子出産(1.31)

○景気中だるみで企業倒産史上最高

○モントリオール五輪(7.17~8.1)で体操男子団体が5連勝

海外10大ニュース(1976)

×中国毛・周死去、政変で華国鋒党首席就任(10)

×南アで黒人暴動

×米大統領にカーター氏当選(11.2)

×ベトナム社会主義共和国樹立(7.2)

×米上院わいろ商法を摘発

×タイでクーデター(10.6)

×レバノン内戦収拾(10)

×欧州共産党会議(6.29)、東欧首脳会議開かれる

×エンテベ奇襲作戦(7.4)

×第21回モントリオール・オリンピック開催(7)

世相・風俗(1976)

○ロッキード事件発覚(2.4)、「文藝春秋」は評論家立花隆の「事件の核心」を掲載。田中前首相が逮捕され(7)、大きな衝撃を与える。

○モントリオール・オリンピックで妖精コマネチ人気。

鹿児島で五つ子誕生(1)、レコード「およげ!たいやきくん」が大ヒット、戦後生まれが人口の半数突破、第3次産業就業人口52%に、国民の90%は中流意識・70%が幸福感、風疹10年ぶりに大流行、大卒就職率約70%で28年以来最低、Jターン現象拍車、SL撮影過熱で死者、マイカー10年間に8倍・2世帯に1台普及、王選手がB・ルース抜く本塁打715号、交通事故死者18年ぶり減少、新幹線乗客10億人突破(5)、新幹線「こだま」に禁煙車登場(8)、ジャンボ宝くじの過熱で死者、「四畳半襖の下張」裁判有罪判決、マザーグース人気、アグネス・ラムに人気、つかこうへいブーム

消費者・住民運動・公害(1976)

○歯科差額徴収の廃止通達。

○筋短縮症防止で筋肉注射全廃。

○ブタのムレ肉異変で不安。

○白アリ詐欺事件続出。

○反プラスチック運動拡がる。

○特殊販売規制法施行。

○大丸が商品のデメリット表示開始。

○意見分かれたLL牛乳。

○欠陥マンション問題に。

○合成洗剤に国の見解出る。

○消費者訴訟費用初の貸付。

○月刊誌「市民」(2次)が終刊。

×米7州で原発規制の住民投票、いずれも規制派敗北。

時の商品・新製品(1976)

○21万円の家庭用ビデオ、超高感度カラーフィルムのフジカラーF-2・400、後楽園球場に人工芝登場

×パリ、ロンドン間にコンコルド就航。

○大衆マンション、低価格システムコンポ、ファンシー商品、フィールドアスレチック、50ccバイク、ストロボ内蔵コンパクトカメラ、男性用香水、電気もちつき器、複合機能の小物家電、50%天然果汁、婦人用フォーマルウェア

○ビクターがVHS方式VTRの第1号機「HR3300」を発売(10)。

○軽自動車の規格が変わり、排気量が360ccから550cc、全長が3mから3.2m、全幅が1.3mから1.4mへと拡大される(1)。売行きも好調となる。

○小型乗用車はモデルチェンジの年となり、新型車が消費不況の中で予想外の好調な売れ行きとなる。

○本田技研が婦人用ミニバイク「ロードパル」を発売(2.10)。これ以降女性の利用者が増え始める。ヤマハが「パッソル」発売('77.3.15)。

○大和運輸が「クロネコヤマトの宅急便」を開始(2)。

○できたて弁当「ほっかほっか亭」の1号店が埼玉県草加市にオープン。

○キヤノンが一眼レフカメラに初めてマイコンを採用し電子化を徹底した「AE-1」を発売(4)。

○クラリオンがカラオケを発売(春)。

○富士ゼロックスが普通紙に記録できるファクシミリ「FX200テレコピア」を発売(8.23)。不在送受信機能・原稿自動送り装置付き。

○アリコジャパンがわが国初の疾病保険(入院費給付)を発売(2.1)。

○生命保険各社が「成人病特約」を発売(6.1)。「財形給付金保険」も発売(11.1)。

○日本ライトサービス、火を使わないカイロ「ホットフレンド」を発売(秋)。

○漢方薬のエキス剤が健康保険の対象となり、漢方薬ブーム起こる(9.1)。

○理研ビタミンがワカメを乾燥させた「増えるワカメ」を発売(5)。'80年頃から人気。

○麒麟麦酒がよりコクのある「マインブロイ」(350ml)を発売(10.1)。

○ニューファミリー層などの消費の多様化に対応するため、百貨店の改装が相次ぐ。

テレビCM(1976)

○外タレCM激増、感覚的、お買得、ナンセンスCMの流行、シェア競争反映し活況。

サントリー<俺もお前も大ものだ>黒沢明、ニッカウヰスキー・ブラックニッカLビン<ポケット瓶一本分多いのよね>川谷拓三、室田日出男、ニッカウヰスキー・G&G<第三の男>オーソン・ウェルズ、サントリー<ソソソクラテスかプラトンか>野坂昭如、サクラカラー24<どっちが得か よ~く考えてみよう>、資生堂<ゆれるまなざし>、カネボウ<黒い瞳はお好き>、カゴメ野菜ジュース<ただよし元気にやっとるきゃ>、明治生命<アッチャフン博士>、トヨタ自動車<あなたの車を凶器にしないで…>

新聞広告(1976)

角川文庫<女性よ、テレビを消しなさい 女性よ、週刊誌を閉じなさい>

丸井<和気あいあい>、西武<触れてほしい>、ニッカ<あの日の新聞プレゼント>、ブリヂストン<マクシールはまだか>、サントリービール<こんなラベルどうかな>、伊勢丹<甘えずに生きていきたい>、ヤクルトジョア<自然はあまりにも強大で人間が勝てるわけがない>上村直己、

宝塚歌劇・ベルサイユのバラ<1,400,000人のお客様 ありがとうございました>

○営団地下鉄パロディポスター広告<独占者><帰らざる傘>

話題のテレビ番組(1976)

○ハプニングショー番組-“妻子公表”で人気の萩本欽一大活躍(週に6本欽ちゃんのどこまでやるの(NET系)、欽ちゃんの“向こう三軒両隣り”(TBS系)、ドッキリカメラ90分。

○名作ドラマリバイバル-喜びも悲しみも幾歳月、暖流(NTV)、君の名は(NET)。

○原作主義のドラマ路線-青春の門。

○赤い衝撃(“赤い”シリーズ)。

○リレーナイター、好評で千葉テレビ、群馬テレビにも拡大。

○スペシャル番組各社出そろう-「落日燃ゆ」、「万延元年のテレビワイドショー」など。

○長名タイトルドラマ続出-「二丁目の未亡人は、やせダンプといわれる凄い子連れママ」(NTV)など。

○花の係長(TBS)。

○ロッキード事件第1回証人喚問中継の視聴率最高35.3%(関東)。

○歌謡曲番組激減。

○TBSとNTV“野球とセックス”論争。

○クイズダービー(TBS系)スタート(1)。

○トーク番組花盛り-「徹子の部屋」(NET系)、「すばらしき仲間」(TBS系)など。

NHK(1976)

《雲のじゅうたん》40.1%《火の国に》35.0%
〈風と雲と虹と〉24.0%

○嫁姑の対立をテーマにしたドラマ「となりの芝生」放送開始(1.5)。

○明治の群像(江藤淳)。

○スペシャル番組「NHK特集」放送開始。

○劇画をドラマ化「紅い花」「寺島町奇譚」。

○刑事コロンボ再放送、チャップリン小劇場。

流行語(1976)

ロッキード不況、灰色高官、KUROMAKU、汚職列島、偽証罪、記憶にございません、ピーナッツ、はしゃぎすぎ、春木る、ゆれるまなざし、クエッ!クエッ、チョンワ チョンワ、(おぬし)役者やのー、フシギナナー、これっきり もうこれっきりですか、○○さんちの□□くん このごろすこしへんよ、限りなく透明に近い……、へば~、…なのラ~、ソ ソ ソクラテスかプラトンか みいんな悩んで大きくなった、どっちが……か よ~く考えてみよう、がんばんべェー、オレが昔……だった頃 弟は~だった、ワカるかな ワッカンねだろうな~、乱塾時代、ニセ学、ユーロコミュニズム、ピッタシ カンカン

流行歌(1976)

レコード大賞:都はるみ<北の宿から>

最優秀新人賞:内藤やすこ 想い出ぼろぼろ

新人賞:ピンクレディ、新沼謙治、子門真人、矢野顕子、丸山圭子

およげ!たいやきくん(レコード売上史上最高の450万枚)
ビューティフル・サンデー
北の宿から
俺たちの旅
木綿のハンカチーフ
岸壁の母
あなただけを
横須賀ストーリー
わかって下さい
あばよ
あの日にかえりたい
なごり雪
山口さんちのツトム君
めまい
パールカラーにゆれて
春一番
夏に御用心
どうぞこのまま
オーマリヤーナ
想い出ぼろぼろ
針葉樹
メランコリー
東村山音頭
ラブ・イズ・ブラインド
ジョリーン
ソウル・ドラキュラ
ロックン・ロール・ラブレター
ダンシング・クィーン
マスカレード

○ベイ・シティ・ローラーズ旋風、ジョン・デンバー、加山雄三、二葉百合子カムバック。

○ピンクレディーが「ペッパー警部」でデビュー。

話題の映画(1976)

洋画
JAWS・ジョーズ(史上最高配収)
グレートハンティング
ミッドウェイ
オーメン
続・エマニエル夫人
カッコーの巣の上で
ベンジー
マイ・ウェイ
タクシー・ドライバー
トリフォーの思春期
バリー・リンドン
狼たちの午後
オーメン

邦画
続・人間革命
犬神家の一族
男はつらいよ・葛飾立志編/正義だ味方だ全員集合
男はつらいよ・寅次郎夕焼け小焼け/猿飛佐助
絶唱/裸足のブルージーン
風立ちぬ
トラック野郎・爆走一番星
鳴呼!!花の応援団
不毛地帯
青春の殺人者
大地の子守歌
あにいもうと
やくざの墓場
さらば夏の光よ
愛のコリーダ

○映画館数16年ぶり増加、日本映画の輸出急伸、映倫Rマーク新設、復古ブーム、黒沢作品2度目のアカデミー賞。

○角川事務所、映画に進出。第1作「犬神家の一族」大ヒット。

○人間の内面を描いた「カッコーの巣の上で」などが注目を集める。

ベストセラー(1976)

限りなく透明に近いブルー(年末までに140万部)
人間革命(9)
不毛地帯1・2
青春の門 墜落編(上)
革命の大河
翔ぶが如く(1~7)
知的生活の方法
毎日が日曜日
ちょっとキザですが
火宅の人
復讐するは我にあり
欽ドンいってみようやってみよう
日本人は死んだ
新西洋事情

○出版が1兆円産業に-書店に大資本の参入続出、返品率最悪に、光文社争議解決。

○図書新聞再発刊。

○地方小出版流通センター発足。

○小学館文庫、講談社学術文庫など文庫創刊ブーム(文庫本比率15.5%)。

○角川商法映画にも進出。

○「文藝春秋」好調。

話題のマンガ(1976)

○戦後3度目のマンガブーム爆発、「漫画文庫」相次ぎ創刊。「少年チャンピオン」「少年マガジン」「少年ジャンプ」150万部台で三つ巴の戦争。

○「月刊マンガ少年」朝日ソノラマ9月創刊、手塚治虫の「火の鳥・望郷篇」が連載開始。

○7年間続いた「子連れ狼」(漫画アクション)が完結(2)。

こちら葛飾区亀有公園前派出所、サーキットの狼(少年ジャンプ)、鳴呼!花の応援団(漫画アクション)(単行本300万部)、まことちゃん、一球さん、がんばれ元気(少年サンデー)、三つ目がとおる(少年マガジン)、ポーの一族(別冊少女コミック)、キャンディ・キャンディ(なかよし)、サバイバル、火乃家の兄弟、11人いる!、MW(ムウ)、さすらい麦子

ファッション(1976)

○ラガージャー、CPOシャツ、ダウンベストなどスポーティ・ファッションブーム。

○ジョーゼットブラウス、婦人フォーマルウェア(ロングドレス)、特殊サイズが伸びる。

○高価格設定で婦人服伸び悩み紳士服はやや活気。

○ファッションショー興業化現象、高田ケンゾーがニューミニ発表。

○カラーに明るさ増す。

○ブーツの流行最高潮、スニーカー、ファションバッグ、ジャガー模様ソックス、羽のアクセサリー、サッスーンカットなどショートカット。

○人工皮革伸びる、女性用ブーツの流行。

○脚元のおしゃれとしてレッグ・ウォーマーが登場。

気象状況(1976)

○1月の寒波に始まって5月連休の悪天、厳しい冷夏と短い周期で変動の大きい異常高温や異常冷温が相次いだ。

○伊豆で直下型地震、駿河湾地震説。

○台風17号で日本全土に大雨(9.8~14)。西日本の集中豪雨は観測史上最大。

○酒田市で大火(10.29)。

×ヨーロッパで250年ぶりの大干ばつ。

1975年(昭和50年)

経済白書 副題(1975)

新しい安定軌道をめざして

経済概況(1975)

我が国経済にとって、昭和50年は苦難の年であった。前年からの強い総需要抑制策によって、インフレは一応収束へ向かっていったものの、同時に不況風が吹き荒れ、その対応策がせまられた。

経済成長率 名目 10.5% 実質 3.1%
民間最終消費支出 名目 16.3% 実質 4.4%
民間企業設備投資 名目 -1.5% 実質 -5.9%
輸出 名目 4.0% 実質 -1.0%
消費者物価    11.7%  

日本の広告費(電通調査)(1975)

○媒体別構成比で、テレビが新聞を抜く。

  億円 対前年比(%)
総広告費 12,375 (105.8)
新聞 4,092 (103.7)
雑誌 670 (107.0)
ラジオ 602 (108.7)
テレビ 4,208 (107.4)
DM・屋外他 2,549 (106.7)
輸出 254 (96.2)

政治・経済・業界(1975)

○消費者物価沈静化、雇用情勢悪化、地価戦後初めて下がる(1)。

○鉱工業生産戦後最大の落込み。

×第1次不況対策10項目(2.14)。

○消費者物価上昇15%以内の公約達成。

○第2次不況対策(3.24)。

○百貨店、40年以来の不調(3)。

○公定歩合引き下げ8.5%に(4.15)。

○東洋工業、GMと提携。

○薬局の距離制限違憲判決(4)。

○春闘賃上げ13.1%。

×海洋法会議「200カイリ経済水域認知」の統一草案(5)。

○佐藤栄作元首相死去(6.3)。

○公定歩合再引き下げ(6.7)。

○中元商戦不振。

○独禁法改正案廃案に(7.4)。

×米政府、GNP好転で不況脱出宣言(7.17)。

○日韓定期閣僚会議再開合意(7.23)。

○第3次公定歩合引き下げ年7.5%に(8.13)。

○第4次不況対策、2兆円追加投入(9.17)。

○戦後最大の倒産「興人」(8.28)で財界に危機感。

○西武百貨店・池袋、新装日本最大でオープン(9.19)。

○新日鉄、戦後初めて操短で高炉止める。

○改正公選法スタート(10.14)。

×ランブイエで主要先進国首脳会議(11)。

○国鉄料金、平均32.2%値上げ(11.20)。

○暮れの民間ボーナスの伸び戦後初のマイナス。

○酒・たばこ・郵便料金値上法案成立(12.13,22)。

○共産党、創価学会を批判(12.20)。

マスコミ・広告・媒体(1975)

○民放連、新放送基準正式決定、CMの総量規制、スーパーインポーズCM中止等。

○朝日、発行部数700万部突破(1)。

○一件一行、2段「出版案内広告」新聞に登場。

○“中部読売”発刊めぐり各社論戦、購読料金の独禁法違反容疑で提訴(4)。

○'74年の日刊紙発行部数・普及度'65年に次ぐ低い伸び。

○CMにコロンボブーム(2)。

○テレビネット(TBS系とNET系)、新聞系列に沿って改変(3)。

○新幹線博多開通で活発な広告企画。

○'74年世界広告会社ランキング、電通首位維持。

○日本版「PLAY BOY」爆発的売れ行き。

○'74年下期の新聞事業収支構成比、広告のウェート低下(53.4%)(5)。

○財源難問題から広告費課税論議高まる。

○国鉄、運賃2倍訴える3日連続全頁広告(6)。

○伊勢丹が有線テレビ局開設(7)。

○政党の「政策広告」新設(7.15)。

○家電業界など広告表現の自主規制基準作り相次ぐ(7)。

○“月刊誌時代へ”上半期発行部数で週刊誌抜く。

○囲碁名人戦独占掲載権、読売と朝日で紛糾。

○10月訪米を前に初の「天皇」紹介テレビ番組製作(8)。

○東日本放送、テレビ新広島が活発な開局キャンペーン(9)。

○カタログ雑誌刊行ブーム(11) “MOOK”出版さかん。

○朝日新聞に全頁“カタログ広告”登場。

○スト権ストで新聞各紙に意見広告続出(11,12)。

○公共広告機構、東京で初の新聞広告「われらの内なる“日本病”」(11.8)。

○大日本水産会、「200カイリ」反対の意見広告を欧米主要紙に(11)。

媒体の発足(1975)

○テレビ新広島、東日本放送(10)。

○「日刊ゲンダイ」日刊現代社(10)。

○日本版「月刊PLAY BOY」集英社(5)、「JJ」光文社(6)、「mimi」講談社(8)、「ロマンムック」(11)。

○発行部数で月刊誌が週刊誌抜く。

○米からカタログブーム上陸、An An Catalog(9)、Men's Catalog(11)、DO CATALOG(11)、Made in USA など。

○テレビ局数90局(2局増)

○ラジオ局数52局

○創復刊誌175誌、休廃刊誌69誌

媒体普及率(1975)

テレビ契約数 25,753,396
(うち、カラー) (20,543,694)

(NHK契約世帯数)

白黒テレビ普及率 48.7%<カラー 90.3%>

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1975)

○天皇、皇后両陛下初の訪米(9.30~10.14)

○エリザベス女王来日(5.7~12)

○沖縄海洋博覧会開幕(7.19~1.18、入場者348万人)

○日本女性エベレスト初登頂(5.16)

○3億円事件ついに時効(12.10)

○企業連続爆破犯人逮捕(5.19)

○山陽新幹線、博多まで開通(3.10)

○公労協長期スト権スト(11.26~12.3)

○春の統一地方選挙(4.13、27)東京都は美濃部3選

○松生丸銃撃事件(9.2)

海外10大ニュース(1975)

×カンボジアの内戦終結(4.17)、ベトナム戦争終結、南ベトナム解放(4.30)

×欧州安保首脳会議(7)

×OPECが石油10%値上げ(9.27)

×スペイン、フランコ独裁時代終わる(11.20)

×スエズ運河8年ぶり再開(6.5)

×米・新太平洋ドクトリン発表(12.7)

×米ソ宇宙船、初のドッキング(7)

×国際婦人年世界会議メキシコで開催(6.19)

×フランスで第1回先進国首脳会議(サミット)開催(11.15)

世相・風俗(1975)

○赤ヘルブーム-広島カープのセ・リーグ初優勝(10)。熱狂的な応援団のトランペットにのって、赤ヘルメットの広島ナインは古葉監督の指示で活躍。

大学生200万人突破、第2次ベビーブーム、紅茶キノコブーム、トリム運動発足、たばこ買いだめ、ナゾナゾ、ナンセンスクイズ流行、古代船「野性号」、夢二ブーム、最下位巨人でも人気、最後のSL運転、洋ダコブーム、名画マルセル盗難事件時効、安楽死懇談会、自宅待機、現金自動支払い機共通化、日銀券の81%が1万円札、ステレオの世帯普及率50%超す、青少年の性行動初の政府調査、ポルノ規制、信教の自由など共産党新庶民政策

消費者・住民運動・公害(1975)

○タンカー座礁による重油汚染事故多発。

○有吉佐和子著「複合汚染」大きな反響。

○排ガス50年度規制告示。

○六価クロム禍問題化。

○リジンの安全性問題化。

○ウレタン、発ガン性の疑いで製造販売中止。

○日経調が住民・消費者運動のエネルギーを評価。

○欠陥医療追究活発化、「歯の110番」拡がる。

○ひざ硬直症問題化。

○企業の消費者窓口急増。

○通産省に消費者相談室。

○各地で消費者保護条例成立。

時の商品・新製品(1975)

○カタログ雑誌、ローラースルー、濃縮洗剤、同時録音8ミリ撮影機、筆ペン、三輪自転車婦人服、千円ウイスキー、BCLラジオ、男性用かつら、アダルトゲーム、小型白黒テレビ、ミニサイズワイン、コーヒー抽出器、赤ヘル商品、シクラメンの鉢、ユニット住宅、自動販売機280万台('65年は29万台)

○カシオが4,500円の電卓を発売し、電卓の低価格競争が始まる。

○カシオが液晶表示で初の2万円台のデジタル腕時計を発売。

○ソニーが家庭用カセットVTRの第1号機「SL6300」(ベータ方式)発売(5.10)。

○ポケットカメラが大ヒット。

○一方ヤシカ(現・京セラ)が西独カールツァイス社と技術提携の高級一眼レフ「コンタックスRTS」発売。また、自動露出の一眼レフカメラ市場に旭光学、オリンパス光学が新製品を投入、大手メーカーの製品が出そろう。

○100円使い捨てガスライター「チルチルミチル」が大ヒット。

○昭和50年度排ガス適合車が登場。価格の安い排ガス未対策車に人気。

○東京23区内のプッシュホンから新幹線の指定席予約サービス開始(3.3)。

○明治製菓が健康食品「プロテイン85」と「クロレラプルーンエキス」発売(4)。

○日清食品が“お湯を注ぐだけでOK”という赤飯を発売(5)。

○ヤマザキ・ナビスコがわが国初の成形ポテトチップス「チップスター」を発売(9)。

テレビCM(1975)

松下電器産業・トランジスタラジオ クーガー<母の国の声>

損害保険協会《うしろ姿》キャンペーン

国鉄<いろいろおありでしょうが>

明治生命<I'm a champion>

大正製薬・カプシプラスト<ホッカホカだよ おっかさん>前川清

中外製薬・新グロモント<ちかれたびー>

ハウス食品・バーモントカレー<ひでき かんげき!>西城秀樹

ハウスシャンメン<ワタシ作るヒト、ボク食べるヒト>リブグループの抗議で放送中止

新聞広告(1975)

国鉄《国鉄(わたくし)は話したい》キャンペーン

伊勢丹<なぜ年齢をきくの>

パルコ<死ぬまで女でいたいのです><モデルだって顔だけじゃだめなんだ>

カネボウ化粧品<ボンジュールお目目さん>

資生堂<彼女はフレッシュジュース>

ライオン事務器<どっこい、ロートレックも、あとがない>

月刊PLAY BOY創刊キャンペーン

話題のテレビ番組(1975)

○初の25時間連続チャリティ番組「宮城まり子のチャリティ・テレソン」(近畿放送)が大反響(3.21)。

※ラジオでも、欽ちゃんのミュージックソン。

○異色番組が高視聴率-「欽ちゃんのドンとやってみよう」(CX)放送開始(4.5)、10月第4週以降、土曜日の午後8時台の王者「8時だヨ!全員集合」の視聴率を上回る。「テレビ三面記事・ウィークエンダー」(NTV)放送開始(4)、異色レポーター、再現フィルムなどが話題を集める。

○クイズ番組「ぴったしカンカン」(TBS系)放送開始(~'86)。

○お見合い番組盛況(大阪生まれの番組、全国ネット開始)-パンチDEデート、ただいま恋愛中、プロポーズ大作戦。

○不定期スペシャル番組に話題-「ザ・スペシャル」の第2作「ハーツ・アンド・マインズ」(NET系)放映(9.5)、第3作「10月のミサイル」(NET)放映(10.9)。

○ホームアニメ「一休さん」(NET)放送開始(10~'82.6)。

○天皇陛下初のテレビ記者会見、NHK・民放(関東)で延べ視聴率64.5%。

○ベトナム戦争終結に関し、各社、特集・特別番組放送(5~)。

○キャスターニュースとしての性格を強めたワイドニュース「ジャストニュース」(NTV系)放送開始(1.1)。

○地方局で夕方6時のローカルニュース枠の拡大(30分)相次ぐ-北海道放送(2)、山梨放送、RKB毎日(4)など。東京放送も夕方6時から30分間の東京ローカルニュース番組「テレポート・TBS6」放送開始。

○朝7時台に30分枠の「ニュース・セブン」(NET)新設(4)。NHKの朝のニュースに対抗。

○日本テレビがプロ野球ナイター中継時間切れの場合、テレビ神奈川にリレー中継し試合終了まで完全中継を開始(7.13)。

NHK(1975)

《水色の時》40.1%(4.7~10.4)《おはようさん》39.6%(10.6~'76.4.3)
〈元録大平記〉24.7%

○朝のテレビ小説、半年サイクルに。

○銀河テレビ小説「ドラマでつづる昭和シリーズ」放送(1.6~3.28)。

流行語(1975)

世界同時不況、「総不況」時代、視界ゼロ、複合汚染、スト権スト、新価格体系、共闘なき共存、紛無派、椎名院政、ライフサイクル、ニューライフファミリー、激○○、乱塾時代、魔女狩り、差別用語、わたし作る人 ぼく食べる人、ブラックホール、植物人間、ちかれたびー、ドッチラケ、あんた・あの娘のなんなのさ、おじゃま虫、死刑!、おヨヨ!グ!、バカうけ、ワタシばかよね~、モー・タイヘン、はい・ポーズ、……というよりも……

流行歌(1975)

レコード大賞:布施 明<シクラメンのかほり>

最優秀新人賞:細川たかし 心のこり

新人賞:岩崎宏美、太田裕美、片平なぎさ、荒井由美、さくらと一郎

シクラメンのかほり
昭和枯れすすき
時の過ぎゆくままに
ロマンス
想い出まくら
心のこり
港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ
「いちご白書」をもう一度
22才の別れ
我が良き友よ
冬の色
はじめての出来事
私鉄沿線
年下の男の子
雨だれ
あの日に帰りたい
ともしび
リリー・マルレーン
そよ風の誘惑
ラブ・マシーン
サタディ・ナイト
我が至上の愛
愛ある限り
ハッスル
ザッツ・ザ・ウェイ
明日なき暴走
呪われた夜

○ニューミュージック躍進、ソウル・ディスコ80店以上に。

○小椋佳ブーム-銀行のエリート社員&シンガー・ソングライターの小椋佳作詞・作曲の「シクラメンのかほり」が大ヒット。日本レコード大賞、日本歌謡大賞などを獲得。

○キャロル解散(4.13)

○吉田拓郎、井上陽水、小室等、泉谷しげるが「フォー・ライフレコード」設立(6.11)。

○ダウン・タウン・ブギウギ・バンド活躍。

○岩崎宏美が「二重唱」(4)、中島みゆきが「時代」でデビュー。

○大阪のブルースバンド「憂歌団」が「おそうじオバチャン」でデビュー。

話題の映画(1975)

洋画
タワーリング・インフェルノ
大地震
エマニエル夫人
007/黄金銃を持つ男
ゴッドファーザーPARTⅡ
ドラゴンへの道
エアポート '75
個人生活
アラン・ドロンのゾロ
バニシングIN60"
ハリーとトント
愛の嵐
アリスの恋
レニー・ブルース
冬の光
デルス・ウザーラ
アメリカン・グラフィティ
オデッサ・ファイル

邦画
男はつらいよ・寅次郎子守歌/極楽男はどこだ!
男はつらいよ・寅次郎相合傘/カモだ御用だ!
伊豆の踊子/エスパイ
花の高2トリオ・初恋時代/青い山脈
青春の門
潮騒
再会
トラック野郎・御意見無用
新・仁義なき戦い
にんぎょ姫
ある映画監督の生涯
祭りの準備
金環蝕
化石
実録阿部定
仁義の墓場
新幹線大爆破
本陣殺人事件
告訴せず

○ポルノとパニックものヒット。

○配給収入、洋画が邦画を上回る。

○“阪妻映画祭”“日本映画名作祭”が注目を集め、「七人の侍」「飢餓海峡」ノーカット版リバイバルがヒットするなど旧作上映に人気。

○東映京都映画村が人気。

ベストセラー(1975)

播磨灘物語(上・中・下)
複合汚染(上・下)
欽ドンいってみようやってみよう1・2
眼がどんどんよくなる
崩れゆく日本をどう救うか
親の顔が見たい(正・続)
ブラック・ホール
謎のバミューダ海域
元禄太平記(前・後)
梅干しと日本刀(正・続)
油断
死霊(第5部)

○推理小説ブーム、横溝正史に人気、専門誌「幻影城」創刊。

○江戸ものブーム。

○タレント出版ブーム。

○岩波文庫が☆1つ100円に値上げ。

○少年倶楽部復刻文庫、「のらくろ」など人気。

○健康法の本ヒット。

○豪華本よく売れる。

○コピー公害問題化。

話題のマンガ(1975)

○週刊少年アクション創刊(8)、少女マンガはじめ少年週刊誌大躍進。

○萩尾望都・竹宮恵子・大島弓子らの少女マンガが大人気。

○石井隆の「淫花地獄」などがエロ劇画雑誌ブームの火つけ役となる。

まことちゃん(少年サンデー)、野球狂の詩(少年マガジン)、はいからさんが通る(少女フレンド)、つる姫じゃー(マーガレット)、11人いる!、一球さん、シュマリ、花も嵐も、狼の星座、天下一大物伝、鬼やん、ザギパッパ、紅の挑戦者、750ライダー、しまっていこうぜ、イヤハヤ南友、ローティーンブルース、ワルワル・ワールド

ファッション(1975)

○不況下でも婦人ファッションは根強い人気、組合せ需要定着。

クラシックふまえた多様な展開、チャイナルック、キルティングなど民族風衣装、つなぎ服などファティーグルック、ジーンズ高年齢層にも、トレンチ・コート、ブーツ氾濫(個性化すすむ)、銀のアクセサリーなど小物が依然流行

○鮮やかな自然色、カーキ色、グレーシュカラー(車の色にも大流行)。

○ビッグルック、ワークルック、ポックリ靴はやる。

気象状況(1975)

○関東地方に大雪。熊谷18cm、東京15cmなど(2.21)。

○関東甲信地方では6月中に21日も雷が発生。6月の東京の曇天日数は28日で最多記録。

○梅雨明け後8月上旬まで西日本を中心に猛暑。連続真夏日は福岡29日、大阪23日など。北日本は雲の多い涼しい日が多い。

○台風5号(8.17~20)、6号(8.23~24)が上陸。四国、北海道で洪水や崖崩れによる被害が相次ぐ。

○異常に長い残暑となり、9月の真夏日は大阪22日、東京21日、福岡17日など各地で9月として、1~2位の記録。

○台風13号で八丈島に強風記録、大被害、最大風速67.8メートル(10.5)。

1974年(昭和49年)

経済白書 副題(1974)

成長経済を超えて

経済概況(1974)

オイル・ショック以降の狂乱物価沈静のため、総需要抑政策はさらに強化され、世界的同時不況が進行するなかで、戦後かつてない2桁物価上昇下のマイナス成長という結果に終わった。

経済成長率 名目 19.3% 実質 -1.2%
民間最終消費支出 名目 20.9% 実質 -0.1%
民間企業設備投資 名目 18.4% 実質 -4.1%
輸出 名目 61.7% 実質 23.1%
消費者物価    23.2%  

日本の広告費(電通調査)(1974)

1兆1,695億円(対前年比 108.6%)

  億円 対前年比(%)
総広告費 11,695 (108.6)
新聞 3,945 (106.0)
雑誌 626 (109.4)
ラジオ 554 (111.7)
テレビ 3,917 (111.2)
DM・屋外他 2,389 (108.1)
輸出 264 (106.5)

政治・経済・業界(1974)

○メジャー石油供給削減緩和通告(1.13)。危機感薄らぐ。

○卸売・消費者物価とも急騰。

○消費者需要(百貨店、自動車など)急速に冷える。

○首相東南ア訪問、ジャカルタで反日暴動(1)。

○ヤマニ石油相来日(1)。

○電力10%、石油8%減に規制緩和。

○衆院予算委で大手企業などを喚問(2)。

○石油製品平均62%値上げ(3.16)。

○日中航空協定調印(4.20)。

○日本熱学倒産、戦後最大規模(5.20)。

○9電一斉に電力料金値上げ、平均56.8%(6.1)。

○参院選に金権選挙の批判。

○国土庁スタート(6.26)。

○参院選で保革伯仲(7.7)、三木・福田・保利3閣僚辞任。

○長雨で不振の中元商戦。

×朴大統領そ撃事件(8.15)。

○日韓打開へ椎名特使(9.19~20)。

○価格凍結全面解除(9.9)。

○公共料金一斉値上げ(10.1)。

○東証株価急落、繊維不況深刻化。

○田中金脈で政局混迷(10.10)。

○フォード米大統領来日(11.18)。

○初の秋闘。

○田中退陣、三木内閣発足(12.9)。

○排ガス51年度規制2年延期(12.5)。

○歳末商戦不振。

○倒産深刻化(12)。

マスコミ・広告・媒体(1974)

○石油ショックにより午前0時以降の深夜放送の自粛始まる(1)。6月から8月にかけて在京テレビ局は深夜放送を10~30分延長。郵政省が深夜テレビの自粛要請を撤廃(9.3)。9月末から民放各社は深夜放送を復活。

○博報堂と大広が技術面での提携(1.29)。

○郵政省が初の「通信白書」発表(3.12)。

○公共広告・意見広告活発。

○73年の世界広告業取扱い高で、電通世界第1位に(アド・エイジ誌発表)。

○74年度政府の広報予算約60億円となり、一挙に73%増。

○「刑法改正案の営業的詐欺罪」、関係団体など検討へ。

○初めての4分間CM(資生堂)が登場(4.20)。

○在京テレビ5社に対する全国紙5社の資本系列化構想完成-NTV-読売、TBS-毎日、フジテレビ-サンケイ、NET-朝日、東京12ch-日本経済(4)。

○自民党の意見広告で、共産党の反論掲載の申請却下(5.14)。

○広告表現に提言ブーム。

○サントリーのCM「アドリブ」がカンヌ広告映画祭グランプリ獲得。

○「ローカル広告」市場再評価の動き(6)。

○新聞購読料50%以上の大幅値上げ(7)。

○通産省特定サービス5業種調査。

○日本広告審査機構(JARO)発足(8.28)。

○経済白書初めて「広告効果」を分析。

○日経、朝日、朝刊24ページ建てに復活。

○電通、高校向け広告教材「新しい広告」出版(8)。

○10日を「屋外広告」の日に制定(9)。

○JARO業務開始、社団法人の認可。

○政府指導食品安売りキャンペーン“フード・ウィーク”。

×米でインフレ克服のWINキャンペーン(10)。

○ラジオで東京各区の広報。

○TVネット再編成の合意。

○東京PRセンター倒産(11)。

○関西公共広告機構が、社団法人「公共広告機構」で発足。

×米、3大放送を独占禁止法違反で告訴(12)。

媒体の発足(1974)

○テレビ和歌山(4)。

○「文藝春秋デラックス」文藝春秋(3)、「GORO」小学館(5)、「セゾンドノンノ」集英社(8)、「壮快」講談社(9)、「ゆうゆう」(9)…初めての中年・老人向け雑誌、「のびのび」学習研究社(3)…児童教育誌、「野性時代」角川書店(3)。

○テレビ局数88局(1局増)

○ラジオ局数52局

○創復刊誌132誌、休廃刊誌110誌

媒体普及率(1974)

テレビ契約数 24,924,985
(うち、カラー) (18,335,615)

(NHK契約世帯数)

白黒テレビ普及率 55.7%<カラー 85.9%>
ラジオ普及率 75.6%

(消費動向調査)

○全世帯の半数に電話。

国内10大ニュース(1974)

○田中首相、金脈問題の渦中で辞意表明(11.26)、後任は三木氏に(12.9)

○田中首相東南アジア5ヵ国訪問、反日デモ拡がる(1.7~17)

○ルパング島で小野田小尉を救出(3.10)

○春闘交通ゼネスト、交通・通信関係を中心に大混乱(4.9~12)

○日中航空協定調印(4.20)、日台空路停止

○伊豆半島地震(M6.8)、死者9、行方不明20(5.9)

○法制審議会が刑法全面改正案を答申(5.29)

○第10回参議院選挙、保守・革新の差7と伯仲(7.7)

○三菱重工ビル爆破事件、死者8(8.30)

○佐藤栄作氏がノーベル平和賞を受賞(10.9)

海外10大ニュース(1974)

×ウォーターゲート事件でニクソン米大統領辞任(8.9)

×国連資源特別総会(4.9~30)

×ソ連、ソルジェニーツィンを国外追放(2.13)

×ギョーム事件でブラント西独首相辞任(5.6)

×ポルトガル無血クーデター(4.25)

×キプロス紛争再燃

×インド地下核実験

×日本赤軍によるハーグ事件、シンガポール事件

×インフレ、不況、国際収支の悪化などから世界経済が深刻な危機

×国家元首、政治指導者の死去、退陣、交代が相次ぐ

世相・風俗(1974)

○エネルギー危機で省エネ・節約時代に入る。節約こそ美徳の風潮が広がり、電気が節約の対象となる。ネオンが消され、エレベーターや廊下の電灯が間引かれ、深夜放送を自粛、ガソリンスタンドは休日閉店。

○長島が現役引退(10)、巨人軍監督に就任(11)。王貞治が史上初の2年連続3冠王となる(10)。

○ベルばらブーム-池田里代子の劇画「ベルサイユのばら」が長谷川一夫演出で60周年記念の宝塚劇場で上演(8.29)。爆発的人気で東京でも公演、'75年11月まで64万人の観客を動員した。

高校進学率90%越す、東京の人口初めて減少、上野の東京国立博物館で「モナリザ展」開催(4.20~6.10)、岡山-博多間新幹線開通、ストリーキング上陸、暴走族、千円亭主時代、インフレダービー118億円、内ゲバ激化、超能力スプーン曲げ、UFO、「愛国→幸福」切符に爆発的人気、空手ブーム、アルコロジー、コロンボブーム、残置諜者、中ピ連活躍、草の根民主主義、金権選挙、中年御三家活躍、世界人口年、日中航空路、新宿の住友ビル・三井ビル完成、21歳2カ月の史上最年少横綱・北の湖誕生(7)、堀江謙一が小型ヨット「マーメイド3世号」で1人ぼっちの世界一周に成功('73.8.1~5.4)

消費者・住民運動・公害(1974)

○AF2使用全面禁止。

○水島で重油流出事故、瀬戸内海を広汎に汚染。

○森永ひ素ミルク中毒事件提訴。

○自動車排ガス規制延期。

○原子力船「むつ」帰港反対運動で太平洋漂流。

○料金不払い運動などで政治献金廃止企業続出。

○合成洗剤追放運動。

○東京ゴミ戦争和解。

○塩ビモノマー使用のスプレー式殺虫剤販売禁止。

○マルチ商法など特殊販売の被害続出。

○日本消費者連盟発足。

時の商品・新製品(1974)

○ポラロイドSX70、宝くじ付定期預金、オセロブーム。

○石油ショック後のゼロ成長経済で新製品登場は激減。節電型家電製品(省資源・省エネルギー商品)や、のり、佃煮、カップラーメンなど節約商品公害防止機器。

○キリンシーグラムが「ロバートブラウン」を発売(2.14)。

○永谷園がインスタントみそ汁「あさげ」を発売(2)。

○パイオニアがマイクミキシング装置内蔵の新型セパレートステレオを発売(5)。カラオケブームの火をつける。

○日清食品が米を材料とする即席食品「即席プリクックライス」を発売(7)。200円。

○伊藤ハム「牛どんの素」を発売(9)。

○資生堂パーラーがアルミ成型容器詰めのレトルト食品「シチュー」を発売(10)。

○アメリカン・ファミリー日本支社、がん保険を発売(11.15)。

○アイスクリームチェーン「サーティワン・アイスクリーム」の第1号店が目黒に開店。

○サンリオのオリジナルキャラクター「キティちゃん」登場。

テレビCM(1974)

サントリー<雁風呂>「人間お互いお隣さん」<日本人って不思議だなァ>

ソニー・トリニトロンカラーテレビ<タコの赤ちゃん誕生>

松下電器産業・クイントリックス<あんた外人だろ>

花王ガードハロー<近頃 気になることがある>

エメロングリーンシャンプー<ふけ イヤイヤ>

明治製菓・カール<それにつけてもおやつはカール>

ミノルタ<美人しか撮らない>

富士電機<空カンも資源です>

日本専売公社・チェリー・峰<Smokin' Clean>

レナウン<シンプルライフ>

味の素<奥さん、独身?>

新聞広告(1974)

三井物産・三井教養セミナー<学びの出発>

資生堂<海岸通りのぶどう色>

松下電器産業<食べたことないでしょ>

全国農業共同組合中央会農協米穀対策中央本部<農業で、日本の明日を担う若い力。10年前9万人、昨年1万8000人>

ソニー・トリニトロンカラーテレビ<白さが違う、という洗剤のCMはできればソニーで見ていただきたい>

日産自動車・チェリーF-2<クミコ、君をのせるのだから>秋吉久美子

平凡社・世界大百科事典<さようなら、ミスター・ジャイアンツ>

日本ユニバック<コンピュータにスト権はない。>

渋谷西武<公園通りは春の陽ざし>

話題のテレビ番組(1974)

○新型ホームドラマ-「寺内貫太郎一家」(TBS系)放送開始(1)。

○「傷だらけの天使」(NTV系)放送開始(10)。

○冬の花・悠子(NET)。

○春ひらく。

○六羽のかもめ(CX)。

○華麗なる一族(NET)。

○コロンボブームで刑事もの盛況-非常のライセンス(NET)('73.4~)夜明けの刑事。

○視聴者参加のお見合いトーク番組「パンチDEデート」(CX系)放送開始。

○夜11時台に音楽番組「サウンド・インS」(TBS系)放送開始。

○4月のテレビ改編期に大作の劇場洋画が相次ぎ登場-シェーン、バラキ、007/ゴールドフィンガー、ローマの休日、ベン・ハーなど。

○夕方6時半にニュース合戦激化-先発の「ニュースコープ」(TBS系)、「ニュース6・30FNN」(CX系)、「ANNニュース」(NET系)に「NNNニュース」(NTV系)が新規参入(4)。

○“立体メガネ”方式のぬいぐるみ人形劇「オズの魔法使い」(NTV)放送開始(10.2)。

○アニメ番組「アルプスの少女ハイジ」(CX系)。

NHK(1974)

《鳩子の海》47.2%〈勝海舟〉24.2%

○石油供給危機による石油・電力節減で放映を夜11時までに自粛(1.16)。

○総合ニュース番組「ニュースセンター9時」(磯村尚徳)放送開始(4.1)。

○世界44ヵ国の文化遺産を取材した放送開始50周年記念番組「未来への遺産」放送(3.22~'75.10.30)。

○「刑事コロンボ」再登場(4.6~12.21)で人気沸騰。

○「レッツゴーヤング」放送開始(4.7)。

○宮田輝アナ、NHKやめ参議院議員に。

流行語(1974)

ゼロ成長、狂乱物価、便乗値上げ、千載一遇、諸悪の根源、節約は美徳、インフレ目減り、弱者救済国民春闘、5つの大切10の反省、企業ぐるみ選挙、保革伯仲、死んでもやめぬ、金脈と人脈、青天のヘキレキ、資産公開、○○アセスメント、かもめの皆さん、長嶋さんもいいました、負けそう、3ジのあなた

流行歌(1974)

レコード大賞:森進一<襟裳岬>

最優秀新人賞:麻生よう子 逃避行

新人賞:りりィ、西川峯子、中条きよし、テレサ・テン、浅野ゆう子

涙の操
あなた
うそ
ふれあい
くちなしの花
夫婦鏡
恋のダイヤル6700
積木の部屋
精霊流し
小さな恋の物語
灰色の瞳
二人でお酒を
私は泣いています
グッド・マイ・ラブ
ひと夏の経験
黒の舟唄
みれん
逃避行
花一輪
心もよう
母に捧げるバラード
甘い生活
浜昼顔
あなたにあげる
ハート・ブレイカー
バンド・オン・ザ・ラン
天使のささやき
プリーズ・ミスター・ポストマン
愛の告白
アイ・ショット・ザ・シェリフ
ユア・シックスティーン

○井上陽水に爆発的人気-LP「氷の世界」が大ヒット。日本初のミリオンセラーアルバムとなる。

○フォークシンガー・吉田拓郎が作曲し、演歌歌手・森進一が歌った「襟裳岬」が日本レコード大賞、日本歌謡大賞を獲得。

話題の映画(1974)

洋画
エクソシスト
燃えよドラゴン
パピヨン
ドラゴン怒りの鉄拳
ドラゴン危機一発
スティング
ダーティーハリー2
アマゾネス
シンジケート
華麗なるギャツビー
フェリーニのアマコルド
叫びとささやき
アメリカの夜
ジーザス・クライスト・スーパースター
ペーパー・ムーン

邦画
日本沈没/グアム島珍道中
ノストラダムスの大予言/ルパン三世念力珍作戦
砂の器
華麗なる一族
三代目襲名/直撃!地獄拳
山口組外伝・九州進攻作戦
ゴルゴ13
女囚さそり・701号怨み節
サンダカン八番館 望郷
青春の蹉跌
竜馬暗殺
わが道
男はつらいよ私の寅さん
赤ちょうちん

エスパイ

○全国映画館数は最盛時35年の1/3約2,700館。

○映画の復調本格的。

○中高生を中心とした洋画ファン層の若返りとともに、オカルトとカンフーが大人気-「エクソシスト」、ブルース・リー主演“ドラゴン”シリーズが大ヒット。空手映画輸入も急増。「ノストラダムスの大予言」も人気。

○「スティング」「華麗なるギャツビー」「ペーパー・ムーン」などの'30年代頃の復古調洋画も人気を集める。

○ハイブローな映画上映を目指して「エキプ・ド・シネマ」発足(1)。

ベストセラー(1974)

かもめのジョナサン(1年で140万部)
ノストラダムスの大予言
たべながらやせる健康食
婦人抄
虚構の家
あのねのね
ぐうたら好奇学
ローラ叫んでごらん
邪馬台国の秘密
アルキメデスは手を汚さない
青春の門放浪篇
エクソシスト

○出版界活況-石油危機による紙不足、本不足がうわさされた年頭から本の売行きが急増、また紙の緊急輸入などで用紙はダブツキ気味となり、夏以降の出版点数も増加。

○文庫本ブーム続く-文春文庫創刊(6)(文庫本比率13.9%)

○岩波新書が定価改定(180円→230円)(2)

○三省堂倒産(11.27)。

話題のマンガ(1974)

○少年漫画誌復調。

○藤子不二雄の「ドラえもん」(小学館)刊行(8)。

がきデカ(週刊少年チャンピオン)、浮浪雲、三丁目の夕日(ビッグコミックオリジナル)、三つ目がとおる、おれは鉄兵(少年マガジン)、ドカベン、ブラックジャック(少年チャンピオン)、のたり松太郎(ビッグコミック)、おれは直角(少年サンデー)、アサッテ君(毎日新聞)、キララ星人応答せよ(マーガレット)、贈り物(別冊少女コミック)、トーマの心臓(週刊少女コミック)、包丁人味平、むさし、プロゴルファー・猿、男組、空手バカ一代、サハラ

ファッション(1974)

○ロンドンでミニ終焉宣言のあと、ミニが店頭から姿消す、買い控えムード、ビックファッション流行、ビッグスカートやワイドブーツ、細長いストール、ジーンズの個性的応用定着、ブリーチドジーンズ、エスカルゴスカート、キャッピールック、パターンオンパターンの生地、スカーフ売れる。

○ミスト・カラーなど控え目な色、茶系統、自然の色はやる。

○ミニスカートからロングスカートへ。

○スリーピーススーツはやる。

気象状況(1974)

○2年続きの異常暖冬から一変して寒冬となる。太平洋側の関東以西の各地で1月20日まで50~70日の無降水日を記録。

○東北地方に記録的大雪(2.7~15)。

○宮古湾が数十年ぶりに凍結(3.14)。

○梅雨入りは全国的に早く、長梅雨となり、各地で大雨や集中豪雨が発生(6~7)。

○遅い梅雨明け後、盛夏期も低温が続く(8)。

○台風16号が高知県須崎市付近に上陸(9.1)。四国・中国・近畿地方が暴風雨に巻込まれ、関東でも集中豪雨が発生。狛江市で多摩川の堤防が40年ぶり決壊、住宅19棟流失。

○伊豆半島沖でM6.9の「1974年伊豆半島沖地震」発生(5.9)。死者行方不明者29人。

1973年(昭和48年)

経済白書 副題(1973)

インフレなき福祉をめざして

経済概況(1973)

多くの問題を含みつつも、比較的好況のうちに終わったが、10月半ば以降、石油情勢の悪化によって、国内経済は大きく揺れ動き、深い傷痕を残したまま49年を迎えることになった。

経済成長率 名目 21.8% 実質 8.0%
民間最終消費支出 名目 20.9% 実質 8.8%
民間企業設備投資 名目 28.4% 実質 14.2%
輸出 名目 15.5% 実質 5.2%
消費者物価    11.7%  

○インフレ・ギャップが拡大し、先進主要国のなかで最高の物価上昇がみられた。

日本の広告費(電通調査)(1973)

  億円 対前年比(%)
総広告費 10,768 (122.6)
新聞 3,721 (123.0)
雑誌 572 (119.7)
ラジオ 496 (115.9)
テレビ 3,522 (124.0)
DM・屋外他 2,209 (122.4)
輸出 248 (120.4)

政治・経済・業界(1973)

○株価暴落、5,000円台を割る(2.2)。

○円は変動相場制に移行(2.14)。

○東京外替市場再閉鎖(3.2~19)。

×スミソニアン体制崩壊。

○3月の新車登録台数、43万台を超え、過去最高の伸び。

○日銀が公定歩合0.75%引き上げ(4.2)。

○日銀が公定歩合0.5%引き上げ(5.30)。

○日銀券増発率、戦後最高の27.9%増。

○全国市街地地価が16%、大都市住宅地が23%暴騰(3月までの半年間で)。

○公定歩合を0.5%引き上げ、年6%(7.2)。

○百貨店売上げ好調(特に地方都市)。

○モノ不足経済深刻化。

○1%大幅の第四次公定歩合引き上げ(8.29)。

○再販制度縮小(8.30)。

○通産省、初の「エネルギー白書」発表。

○中東戦争により、石油危機深まる(10~)。

×OAPEC、11月の原油生産を9月比25%減産と発表(11.5)。

×メジャーの対日供給削減通告相次ぐ。

○石油、電力の10%消費削減の行政指導。

○モノ不足消費者パニック。

○卸売物価指数、前年同月比29%の終戦直後なみ暴騰(11)。

×OAPEC、原油公示価格2倍に値上げ('74.1.1から実施)。

○公定歩合2%引き上げ、年9%で引き上げ率・金利とも戦後最高(12.21)。

○石油2法案成立。

○三木特使アラブ暦訪(12.10~28)、日本は友好国に。

×OAPECはベルギー、日本などの友好国への供給削減を緩和(12.25)。

マスコミ・広告・媒体(1973)

○広告界の自主規制機構BBA(仮称)の設立準備本格化(1)。

○ラジオで初の長期間の公共広告(ニッポン放送ラブ・リバー・キャンペーン)開始(1)。

○アド・エージ誌1972年世界広告業の扱い高、電通第2位に進出を発表(3)。

○銀行広告規制緩和(4)。

○新聞事業の収支構成で販売収入39.0%、広告収入49.9%、テレビ・キー4局の3月期決算、営業収入は開局以来の好成績。

○銀行の車内中吊りポスター、東京で初めて実施。

○NHK新ホール開く(6)。

○自工会、車の広告自粛を申し合わせ(7)。

○節電・節水広告、労働力不足を反映求人広告目立つ(8)。

○新聞用紙不足、世界中で深刻化。

○広告業界、広告税新設に反対の意見書提出(9)。

○1円玉、5円玉不足で銀行が活用を呼びかける広告出稿(9)。

○民放TV、基幹地域は四系列に(10)。

○日本教育テレビ(現・テレビ朝日)と東京12チャンネル(現・テレビ東京)が総合番組局へ移行(11.1)。

○石油危機、各媒体に波及。

○郵政省は電力節減のためテレビ局に深夜放送の自粛を要望(11)。

○全広連はネオンなどの自主規制を要望(11)。

○大手電気各社、6日夜から大都市のネオンサインを消し節電に協力(11)。

○節約協力や容器回収を訴える広告など、広告機能再点検の気運高まる(11)。

○新聞各社減頁に踏切る(12)。

○広告業、1兆円産業に成長。

媒体の発足(1973)

○奈良テレビ(4)、日本科学技術振興財団が東京12チャンネルに(11)。

○朝刊紙「サンケイ経済版」産業経済新聞社(7)、「日経産業新聞」日本経済新聞社(10)。

○「JUNON」主婦と生活社、「るるぶ」日本交通公社(6)。

○テレビ局数87局(1局増)

○ラジオ局数52局

○創復刊誌157誌、休廃刊誌90誌

媒体普及率(1973)

テレビ契約数 24,433,463
(うち、カラー) (15,630,946)

(NHK契約世帯数)

白黒テレビ普及率 65.4%<カラー 75.8%>
ラジオ普及率 72.4%

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1973)

○石油削減で経済大混乱(11~)

○金大中氏誘かい事件(8.8)

○インフレ激化、物価上昇続く(11~)

○熊本、大洋デパート大火(11.29)

○トイレット・ペーパー、洗剤などの買いだめ騒動(11~)

○大手商社の買い占め事件(4~)

○江崎玲於奈氏がノーベル物理学賞(10.23)

○厚生省発表がおこした魚の水銀ショック

○日中交流本格化(大使館開設、廖承志代表団来日)

○円、変動相場制に移行(2.14)。国際収支赤字続く

海外10大ニュース(1973)

×第4次中東戦争(10.6~22)

×ベトナム和平協定調印(1.27)

×ウォーターゲート事件深刻な波紋生む

×世界的なエネルギー危機

×主要通貨、変動相場制へ(3.12)

×チリ、アジュンデ政権倒れる

×タイで学生革命(10.14)

×拡大EC発足(1.1)、イギリスが加盟し9ヵ国に

世相・風俗(1973)

○石油ショック--ガソリン・トイレットペーパーなど品不足に。スーパーマーケットに買いだめ客殺到(11)。銀座のネオンも消える。

○浅間山の爆発、小笠原諸島西之島沖の海底火山噴火と新島誕生、根室沖地震、関東大震災から50年目などから社会の関心が地震に向き、マスコミも一斉に地震を取上げるなど、“地震”ブームとなる。

○地震ブーム、夏の干ばつや水飢饉など自然界の天変地異から“終末”ブーム。オイルショックも追い打ち。

“日本沈没”ロングラン、文庫本ブーム、振りかえ休日制度、赤ちゃん周旋、みにくい日本人、ハイセイコー・輪島・江川、ユックリズム、ゴルフブーム、「終末から」、地震列島、ツチノコ探し、大予言、超能力ブーム、バイコロジー、国電に冷房車、シルバーシート登場(9)、KIOSK、上尾騒動、長期延長国会

消費者・住民運動・公害(1973)

○水俣病裁判、患者側全面勝訴。

○千葉ニッコー食用油事件。

○各社、石油たんぱく製造無期延期。

○無添加食品話題に。

○各地の水銀・PCB汚染で広汎な恐怖。

○第3の水俣病発見。

○東京ゴミ戦争激化。

○ゴミ分別収集始まる。

○原発反対運動活発化。

○各地で環境権訴訟。

○モノ不足深刻化、トイレットペーパーなど買いだめ騒ぎ全国に。

○愛知の豊川信金で取り付け騒ぎ。

○商社の買占めに非難集中。

時の商品・新製品(1973)

○CVCCエンジン、エア・バス就行。

○エアポット、千円札両替機、デジタル腕時計(10万円以上)登場、使い捨てライター上陸でブーム。

○石油ショック下の厳冬で太陽熱温水器、煉炭コンロ、石炭ストーブなど見直される。

○アース製薬が生け捕り方式のゴキブリ駆除器「ごきぶりホイホイ」を発売(2)。

○象印マホービンがふたを押すだけで湯が出る魔法ビン「エアポット」を発売(3)。

○サッポロビールが天然水「No.1」を発売(4.18)。

○ソニーが携帯用生録カセットレコーダー「カセットデンスケ」発売(5.21)。52,800円。

○運輸省は低公害車第1号として東洋工業(現・マツダ)の「ルーチェAP2」を指定(5.28)。12月、本田技研が低公害車「シビック」を発売。

○明治乳業がレディボーデンのギフトカードを発売(5)。

○服部セイコーが「クォーツ・デジタル腕時計」を発売(10.5)。

○明治乳業がプレーンタイプの「ブルガリアヨーグルト」を発売(12)。

○ピザパーラー「シェーキーズ」の1号店が渋谷の公園通りに開店。

テレビCM(1973)

サントリー<サミー・デービス・Jr.><いったい日本はどうなるのだろうか><さすが、わかってらっしゃる>

ボンカレー<じっとガマンの子>

アクアフィルター<たばこする>

資生堂<春なのにコスモスみたい>

ハウス食品<いまなんどきですか><即>結城アンナ

大関酒造<酒は大関、心意気>田宮二郎

ミノルタ<美人しか撮らない>愛川欽也・研ナオコ

新聞広告(1973)

日航ジャルパック<いい旅しよう>

ソニー<自然の色を自然のままに>

資生堂<影も形も明るくなりましたね>

ホンダ<乗る気にさせるシャリイホンダ>

電気事業連合会<夏の電力ピンチ、今年はなんとか乗り切ることができましたが…>

ヤクルト<カラ容器は大切な循環資源>

日産グリーンキャンペーン<木を植えよう。あなたの名前でみんなの森に>

話題のテレビ番組(1973)

○ゴルフ番組大盛況(放送回数、週56本)。

○ブライダル番組・生活情報番組-5時間半のレジャーインフォメーション番組「ザ・ロンゲスト・ショー」(12ch)放送開始(4.7)(週休2日制に対応)。「結婚への扉」など。

○民放最初のテレビ局日本テレビの開局20周年で特別番組「エルビス・プレスリーショー」放送(1.14)。さらに、ドラマ「水滸伝」・「さようなら・今日は!」・テレビ映画「恋人たちへの鎮魂歌」など年間を通じ27本の開局記念特別番組を放送。

○ドラマ「それぞれの秋」(TBS)放送開始(9.6)。

○再登場番組続々。“マンネリ番組”との批判も-「時間ですよ」「ありがとう」「刑事くん」(TBS系)、「つくし誰の子」「そっくりショー」(NTV系)など。

○ハードボイルドタッチの刑事ドラマ「非情のライセンス」(NET系)放送開始(4.5~'80.12)。

○太陽にほえろ。

○出雲の阿国、愛のはじまるとき、子連れ狼。

○幼児番組増加-「ひらけ!ポンキッキ」(CX)放送開始(4.2)。アニメ番組「マジンガーZ」など。

NHK(1973)

《北の家族》46.1%〈国盗り物語〉22.4%

○連続人形劇「新八犬伝」放送開始(4.2~'75.3.28)。

○テレビ映画「刑事コロンボ」放送(7.7~9.11-8回)。

流行語(1973)

オイルショック、モノ不足、せまい日本 そんなに急いでどこへ行く、節約、節約は美徳、経済速度40キロ、ユックリズム、バイコロジー、汚染魚、ロッカーベビー、エロチックアニマル、キーセンパーティー、終末、いったい日本はどうなるのだろうか、知識集約産業、KIOSK、お客さまは神さまです、シルバーシート、必殺仕掛人、じっと我慢の子であった、即…、3分待つのだぞ、ちょっとだけよ、あんたも好きねェ、○○する?、ぐうたら

流行歌(1973)

レコード大賞:五木ひろし<夜空>

最優秀新人賞:桜田淳子 わたしの青い鳥

新人賞:アグネス・チャン、山口百恵、浅田美代子、あべ静江、安西マリア

女のみち
神田川
女のねがい
喝采
学生街の喫茶店
個人授業
危険なふたり
なみだ恋
イエスタディ・ワンス・モア
心の旅
さそり座の女
狙いうち
夢の中へ
ファンキー・モンキー・ベイビー
わたしの青い鳥
白樺日記
青い果実
若葉のささやき
赤い風船
赤トンボの歌
ひなげしの花
恋文
ジョニーへの伝言
てんとう虫のサンバ
わたしの彼は左きき
草原の輝き
ジャンバラヤ
フォロー・ミー
カリフォルニアの青い空
うつろな愛
やさしく歌って

○山口百恵、桜田淳子がデビュー。森昌子と“花の中三トリオ”で人気。

○麻薬事件の関係でビザがおりず、ローリング・ストーンズの来日中止。

○デビット・ボウイ(4)、ジェフ・ベック(5)、サンタナ(6)などが来日。

話題の映画(1973)

洋画
ポセイドン・アドベンチャー
007/死ぬのは奴らだ
ゲッタウェイ
バラキ
街の灯
ラスト・タンゴ・イン・パリ
十戒
ジョニーは戦場へ行った
ジャッカルの日
ベン・ハー
スケアクロウ
ブラザーサンシスタームーン
マクベス
探偵
ひき潮
激突!

邦画
男はつらいよ・寅次郎夢枕
男はつよいよ・寅次郎忘れな草
人間革命
恍惚の人
仁義なき戦い
戦争と人間・完結篇
津軽じょんがら節
青幻記
股旅
四畳半襖の裏張り
戒厳令
花と龍
朝やけの詩
秘女郎責め地獄
同棲時代

○邦画のヒットにより、初めて8月の配収が正月を上まわる。

○観客数の減少が14年ぶりに止まる。

○チャップリンのリバイバル作品「街の灯」「独裁者」の公開とともに、キートンの「海底王キートン」「キートンの蒸気船」なども公開、ヒット。

ベストセラー(1973)

日本沈没(上・下)
人間革命(8)
怪物商法
ぐうたら人間学
にんにく健康法
ぐうたら愛情学
ぐうたら交友録
国盗り物語(前・後)
どんと来い税務署
太陽への挑戦
死海のほとり
華麗なる一族
無影橙
ジャッカルの日
スプーン一杯の幸せ
サンダカン八番娼館

○文庫本ブーム(文庫本比率10.7%)、中公文庫創刊。

○遠藤周作の“ぐうたら”シリーズがベストセラーに。

○終末ブーム-「日本沈没」が年末までに上・下巻合せて350万部のベストセラー。筑摩書房が雑誌「終末から」を創刊(6)。

○物価高騰で物価関連書の出版相次ぐ--「インフレ論争」日本経済新聞社、「現代の物価」塩野谷祐一、「日本のインフレ」鈴木隆など。

話題のマンガ(1973)

○虫プロ商事倒産、「COM」休刊(8)。

○山本美香の「エースをねらえ!」(1)、大島弓子の「ミモザ館でつかまえて」(3)、土田よし子の「つる姫じゃーっ」(4)がマーガレットに連載開始。

○ながやす功の「愛と誠」が少年マガジンに連載開始(1)。

○里中満智子の「アリエスの少女たち」が少女フレンドに連載開始(8)。

○つのだじろうの「恐怖新聞」が少年チャンピオンに連載開始(9)。

○手塚治虫の「ブラックジャック」が少年チャンピオンに連載開始(11)。

あぶさん(ビッグコミック・オリジナル)、のたり松太郎(ビッグコミック)、おれは鉄兵、天才バカボン、プレイボール(少年マガジン)、トイレット博士、はだしのゲン(少年ジャンプ)、空手バカ一代、動物園日記、ひとりぼっちのリン、イサム、現代柔侠伝、奇子、御用牙、バビル2世、おもらいくん

ファッション(1973)

○人間性回復のファッションテーマ、着やすさ、ソフト・カジュアル重視、クラシックへの郷愁、30年代ルック、バギーパンツ、パンプス、毛皮のファッション、テニスファッション

○いろいろのニュアンスの白、さび茶などの茶系統、ブルー系統、グリーン系統

○ジーンズスカート、プリーツ、フレアーなどスカートの復活、ミニ、マキシが混然と流行。ロングスカート、ロングドレスも復活。

○ジーパンのつぎはぎルックはやる。

○ペアルック、背中丸出しのベアルックが目立つ。

○トレーニングウェアが普段着として定着。

○スニーカーが大人気。

気象状況(1973)

○2年続きの全国的な異常暖冬となる(1~2)。

○3月は20日過ぎまで全国的に低温が続く。日本海側では降雪が多く、太平洋側では晴天が続き、月降水量が東京10mm、名古屋3mm、松本5mmなど異常少雨となる。

○梅雨入りは各地で早かったが“空梅雨”となる(6~7)。

○各地で早い梅雨明け後、晴天高温が続く(7)。

○8月の真夏日は福岡・広島30日、東京・大阪・松江29日、仙台でも23日となり、各地で記録的な酷暑が続く。九州、北日本を除き干ばつ、都市部は深刻な水不足となる。

○強い寒波により、太平洋側は異常乾燥、日本海側は大雪となる(11~12)。

1972年(昭和47年)

経済白書 副題(1972)

新しい福祉社会の建設

経済概況(1972)

前年12月を不況の底として、47年に入ると生産・出荷ともに上昇に転じ、月を追うごとに景気は回復の基調を強めた。年後半には、景気は回復過程から上昇に移行し、卸売物価が急騰して景気過熱の懸念さえみられるほど急テンポの拡大を続けた。

経済成長率 名目 14.5% 実質 8.4%
民間最終消費支出 名目 15.4% 実質 9.0%
民間企業設備投資 名目 5.4% 実質 2.2%
輸出 名目 3.5% 実質 4.1%
消費者物価    4.9%  

日本の広告費(電通調査)(1972)

  億円 対前年比(%)
総広告費 8,782 (111.6)
新聞 3,024 (112.8)
雑誌 478 (107.4)
ラジオ 428 (110.3)
テレビ 2,841 (109.5)
DM・屋外他 1,805 (117.6)
輸出 206 (91.6)

政治・経済・業界(1972)

○日米繊維協定調印(1.3)。

○東証旧ダウ、初の3,000円台に(2.26)。

○景気底固めで大蔵省・日銀の見解一致(4.18)。

○外務省機密漏えい事件(4.4)。

○初の交通ゼネスト。

○沖縄返還(5.15)。

○大手商社など日中貿易4条件受入れ表明続出(6~)。

○田中通産相が「日本列島改造論」を発表(6)。

○公定歩合、戦後最低の年4.25%引き下げ(6.24)。

○田中角栄内閣発足(7.7)。

○東証旧ダウ初めて4,000円台に乗る(8.16)。

○日本版マスキー法制定(8.18)。

○田中訪中、日中国交回復(9.29)、日台条約失効。

○東洋工、本田技研が低公害車発表(10)。

×タイで日本製品ボイコット運動(12.10)。

○衆院総選挙で共産党躍進(12.10)。

○卸売物価急騰、11月2.3%上昇で最高記録(12.12)。

○東証旧ダウ5,000円台に(12.22)。

×国際石油資本、日本の石油会社に原油価格値上げを通告(12)。

○列島改造景気('72.1~'73.11)。

マスコミ・広告・媒体(1972)

○関西公共広告機構の広告キャンペーンに反響大(2)。

○日薬連は医薬品広告で注意事項挿入を決定(3)。

○電通が広告の景気指標「AD・INDEX」を開発(4)。

○景品表示法・食品衛生法・割賦販売法の改正案成立。

○有線放送案成立(6)。

○新聞協会「広告は環境です」キャンペーン(7)。

○都が「光化学スモッグ」記事広告(7)。

○ヤング&ルビカムが日本進出。

○関西公共広告機構「Keep Japan Beautiful」キャンペーン(9)。

○電話ニュースサービス始まる(9)。

○都が「老人問題」記事広告(9)。

○甲府CATV局、初の自主放送開始(10)。

○銀座三越裏にレストラン・スタジオ「GINZAテレサ」登場(10)。

○初の情報週間(10)。

○公取委、都道府県知事に一部権限委任(11)。

媒体の発足(1972)

○北海道文化放送、びわこ放送、テレビ神奈川(4)。

○新聞各社によるコミュニティペーパーの発刊盛ん。

○「日経メディカル」日本BP社(4)、「ぴあ」ぴあ('76年秋には20万部突破)(7)。

○テレビ局数86局(3局増)

○ラジオ局数52局

○創復刊誌147誌、休廃刊誌96誌

媒体普及率(1972)

テレビ契約数 23,520,254
(うち、カラー) (11,794,279)

(NHK契約世帯数)

白黒テレビ普及率 75.1%<カラー 61.1%>
ラジオ普及率 71.5%

(消費動向調査)

○カラー契約率50%超す(12月)。

国内10大ニュース(1972)

○沖縄返還(5.15)屋良革新知事誕生

○田中角栄新首相誕生(7.6)

○田中首相訪中、日中国交回復(9.29)

○連合赤軍事件(2~3月)、浅間山荘で銃撃戦(2.28)

○総選挙で共産党躍進(12.10)

○札幌冬季オリンピック(2.3~13)

○四日市ぜんそくなどの公害裁判で患者側勝訴(7~8月)

○グァム島で元日本兵横井庄一発見(1.24)

○高松塚古墳発見(3.26)

○地価、株価、卸売物価高騰、インフレ傾向強まる(年半ば以降)

海外10大ニュース(1972)

×ニクソン訪中(2.22)

×ベトナム和平進展(10~)

×国連人間環境会議(6)

×英・アイルランド・デンマークEC加盟

×ミュンヘンオリンピックにアラブゲリラ襲撃(9)

×南北朝鮮の対話始まる

×東西両独、基本条約に調印(12.21)

×馬王推古墳発掘

世相・風俗(1972)

○日本列島改造ブーム--田中角栄通産相の「日本列島改造論」(6)がベストセラーに。この本の発売後に田中首相が誕生、今太閤ともてはやされる。開発ブームが巻き起こり地価が高騰。

○日中国交回復とパンダブーム--田中首相が訪中し、日中共同声明に調印、外交関係が成立(9.29)。その記念に贈られた上野動物園の2頭のパンダが異常なブームに。

○浅間山荘事件のテレビ実況中継--連合赤軍の5人が軽井沢の寮の管理人を人質にろう城し警官隊に猟銃を乱射(2.19)、人質救出の模様をテレビ局は終日実況中継した(2.28)。

福祉社会へ、エコロジー、新幹線 大阪・岡山間開通(3)、住宅あきらめムード、大阪千日デパートビル火災、未婚の母、子連れ、コインロッカーの捨子増加、ロマンポルノ、ドラムロック、スケ番、ゴルフ会員権に人気、絵画ブーム、SLブーム、競馬ブーム、男子バレー人気加熱、パチンコ玉1個3円に、サウナ風呂定着化、テルアビブ空港事件(5)、大学生170万人・幼稚園児を上回る、最後のトロリーバス--横浜市営トロリーバス廃止(3.31)、自動車に初心者マーク登場(10.1)

消費者・住民運動・公害(1972)

×「国連人間環境会議」がストックホルムで開催(6)。

○土呂久ひ素公害表面化。

○PCB汚染クローズアップ。

○公害防止産業急成長へ。

○富山イタイイタイ病・四日市公害裁判、患者側全面勝訴。

○瀬戸内海に赤潮大発生。

○工場配置計画実施。

○日本版マスキー法制定。

○製品安全センター発足。

○紙巻きタバコの有害表示始まる。

○初の「環境白書」発表(5)。

時の商品・新製品(1972)

○広角110°カラーテレビ、自転車、ファースト・フード、低公害車、ハッチバック車に人気、

「香り」をテーマとする商品(口臭・体臭防止剤・洗剤など)、

ワイン、カップヌードル、パンダぬいぐるみ、マオタイ酒、トーキー案内装置発売(以後テレホンサービス急増)。

○理研ビタミンが家庭用としては初の麻婆亜豆腐の素「マボちゃん」を発売(4)。

○東京瓦斯がガスセントラルヒーティングを発売(5.1)。

○サントリーが500mlのロング缶ビールを発売(6.20)。缶ビール容器多様化の始まり。

○サントリーがニューファミリー向けの「デリカワイン」を発売(6)。

○津村順天堂(現・ツムラ)、浴槽洗浄剤「バスピカ」を発売(7)。

○石川県七尾市のスギヨが「珍味かまぼこ・かにあし」を発売(7)。もどき食品の先駆け。以後、低カロリー・低コレステロールの健康食品として各社が発売し大ヒット。

○カシオが12,800円、6桁表示のパーソナル電卓「カシオミニ」を発売(8)。10カ月で100万台突破。

○わが国初のDIY(DO IT YOURSELF)の店が埼玉県与野市に開店。ドイト与野店。

○5型ポータブル・トランジスター式白黒テレビが発売される。

テレビCM(1972)

○文化人の起用相次ぐ-ネッスル日本 遠藤周作、サントリー 山口瞳、リコー 岡本喜八、森永乳業 中原誠、パイロット 植草甚一など。

富士フィルム<Have A Nice Day>、サントリービール<若さだょヤマちゃん>、キリンビール<中ぐらいもいいさ>

レナウン<私生活>アラン・ドロンシリーズスタート

コカ・コーラ「人間は人間さ」

花王フェザーシャンプー「さわやか律子さん」

モービル石油<のんびりゆこうよ>、日産自動車・ブルーバード<愛されてますか、奥さん>、丸井<愛情はつらつ、夫婦はいいもの>、カルピス食品・カルピス<雨上がり>土屋里織、松下電器産業・MAC<あんた松下さん?>愛川欽也、森永製菓・チョコベー<君はチョコベーを見たか>

新聞広告(1972)

サントリー<金曜日はワインを買う日。>キャンペーン

伊勢丹<こんにちは土曜日くん。>、丸井<愛情はつらつ>キャンペーン

国鉄・新幹線岡山開業<ひかりは西へ>

明治製菓・チョコレート<おれ、ゴリラ。おれ、景品。>

キューピーマヨネーズ<私たちは食卓の上の自然を守ります>

日産自動車・ローレル<ゆっくり走ろう。ゆっくり生きよう。>

丸井<われら夫婦、クレジットエイジ>

キリンビール中びん<中ぐらいもいいさ。>

国際羊毛事務局<おつかれさま。日本。>堺正章

話題のテレビ番組(1972)

○生活情報(テレショップ)番組盛ん-リビング11(CX)放送開始(1.31)。この番組をきっかけに、地方局にもテレショップ番組が広がる。

○主婦層を対象としたローカルテレビワイドショー「プラスα(あるふぁ)」(朝日放送)放送開始(1.10)。

○浅間山荘事件で民放各社がCM抜きの前例のない長時間中継-日本テレビ前9:55~後6:55、東京放送前10:00~後7:00、フジテレビ前9:56~後6:55、テレビ朝日前10:00~後6:55など(2.28)。

○木枯し紋次郎、必殺仕掛人(以後必殺シリーズ)……など反良識ドラマ。○「木枯し紋次郎」(CX系)を映画の市川崑監督が手掛け大ヒットとなり、今村昌平などの大物映画監督のテレビ進出相次ぐ。

○刑事アクションドラマ「太陽にほえろ!」(NTV)放送開始(7)。

○東京12chが経営不信のため中止していたドラマの制作を再開。「となりは隣」放送開始(10.3)。

○「冬物語」(NTV)放送開始」(11.13)。

○再登場テレビドラマ相次ぐ-「水戸黄門」「大岡越前」(TBS系)、「浮世絵・女ねずみ小僧」(CX系)、「おふくろの味」「つくし誰の子」「細うで繁盛記」(NTV系)など。

○開店した「GINZAテレサ」から「ぎんざNOW!」「ぎんざナイト・ナイト」(TBS)の生放送開始(10)。

○遠くへゆきたい。

○新日本紀行。

○ありがとう 56.3%、田中訪中 50.8%、浅間山荘事件 50.8%。

○ヤングの脱TV傾向強まる。

=11年続いた「シャボン玉ホリデー」(NTV)放送終了('61.6.4~'72.10)。

○18年続いた「日本プロレス中継」(NTV)が放送終了(5.12)。

NHK(1972)

《藍より青く》47.3%〈新平家物語〉21.4%

○春の番組改定で午後9時台に報道番組を集中的に編成、10時台に銀河テレビ小説を新設、各地方でローカル各局参加の30分番組を新設(4.3)。

○「セサミストリート」定期放送開始(4.9)。

○「赤ひげ」放送開始(10.13~'73.9.28)。

流行語(1972)

列島改造論、○○改造、三角大福、角福戦争、小異を残して大同につく、決断と実行、苦労しました、知る権利、総括、甘えの構造、光害、恍惚、ワーカホリック、未婚の母、わんぱくでもいい、お客様は神様です、よく言うわね、ジャンボ、あっしにはかかわりのねえことでござんす、ナウ(Now)な、ウシウシ、ワレメちゃん、恥ずかしながら、どうにもとまらない、アヘアヘ

流行歌(1972)

レコード大賞:ちあきなおみ<喝采>

最優秀新人賞:麻丘めぐみ 芽ばえ

新人賞:森昌子、三善英史、郷ひろみ、青い三角定規

瀬戸の花嫁
悪魔がにくい
旅の宿
さよならをするために
京のにわか雨
ひとりじゃないの

別れの朝
ちいさな恋
虹をわたって
子連れ狼
ピンポンパン体操
結婚しようよ
だれかが風の中で
赤色エレジー
ひまわりの小径
学生街の喫茶店
たどりついたらいつも雨ふり
ひなげしの花
北国行きで
どうにもとまらない
女のみち
終着駅
あの鐘を鳴らすのはあなた
雨のエアポート
せんせい
僕とフリオと校庭で
いとしのレイラ
シェリーに口づけ
迷信
愛は面影の中に

○メッセージ色が失せて、フォークソングが支持層を広げる。「結婚しようよ」「旅の宿」などのヒットで吉田拓郎に人気が集まる。六文銭、ガロ、ビリー・バンバン、モップス、井上陽水などが活躍。アリス、チューリップ、荒井由美(松任谷由美)などがデビュー。

○新・御三家の西城秀樹、野口五郎、郷ひろみも活躍。

○キャロルもデビュー。

○新・三人娘に続き、清純派若手歌手の麻丘めぐみ、森昌子に注目が集まる。

○キャンディーズが「あなたに夢中」、アグネス・チャンが「ひなげしの花」でデビュー。

話題の映画(1972)

洋画
ゴッドファーザー
007/ダイヤモンドは永遠に
屋根の上のバイオリン弾き
風と共に去りぬ
レッド・サン
ひきしお
ラスト・ショー
フェリーニのローマ
死刑台のメロディ
時計じかけのオレンジ
わらの犬
キャバレー

邦画
男はつらいよ・寅次郎恋歌
春だドリフだ全員集合!
男はつらいよ・柴又慕情
祭りだお化けだ全員集合!!
座頭市御用旅
人生劇場
子連れ狼・子を貸し腕貸しつかまつる
忍ぶ川
関東緋桜一家
新網走番外地・吹雪の大脱走
八月はエロスの匂い
エロスの誘惑
軍旗はためく下に
故郷
旅の重さ
約束
夏の妹
女囚701号さそり

○洋画ファン層の若返りとともに、「モダンタイムス」「風と共に去りぬ」「南太平洋」「男と女」などのリバイバル作品の上映に人気が集まる。

○暴力を取り上げた映画がヒット-「ゴッドファーザー」「死刑台のメロディ」「時計じかけのオレンジ」「わらの犬」など。

○日活ロマンポルノ路線摘発うける。

ベストセラー(1972)

恍惚の人
天の音楽
人間革命(7)
日本列島改造論
HOW TO SEX
ユダヤの商法
女の子の躾け方
般若心経入門
坂の上の雲1~6
放任主義
新平家物語
ゴッドファーザー
たった一人の反乱

○「恍惚の人」有吉佐和子が大ヒット。老人問題が社会的関心となる。

○「日本列島改造論」が政治家の著作としては空前の100万部以上の売行きとなり、“列島改造論ブーム”を巻き起こす。

○ノーベル賞受賞作家・川端康成がガス自殺(4.16)。

○宗教ブーム。

話題のマンガ(1972)

○上村一夫の「同棲時代」が漫画アクションに連載開始(2)。

○池田理代子の「ベルサイユのばら」がマーガレットに連載開始(5)。

○水島新司の「ドカベン」が少年チャンピオンに連載開始(5)。

○牧美也子の「緋紋の女」が女性セブンに連載開始(5)。

野球狂の詩、釣キチ三平(少年マガジン)、キャプテン(別冊少年ジャンプ)、さそり、ゴルゴ13(ビッグコミック)、モンローちゃん(漫画ゴラク)、ポーの一族(別冊少女コミック)、漂流教室、デビルマン、ザ・ムーン、あした輝く、群竜伝

ファッション(1972)

○ビューティフルパンツ、ベアーバック、ミモレ丈のスカート・コート、ラメ入りセーター、シャツルック、サラリーマンにカラーシャツ、巾広ネクタイが一段と普及。

○パステルカラー、明るいトーンが主流。

○ジーンズにTシャツの組合せが流行。カラージーンズにも注目。ラブピース・ニコニコワッペンがブーム。男性の長髪が定着化。

○パンタロン定着化。

○ハイヒール紳士靴売れる。

○スクールガールドレスが人気。サボやポックリコ大流行。

気象状況(1972)

○1月は冬型の気圧配置が現れることが少なく、全国的に高温の記録が続出、元旦に東京では4月なみの11.1℃の以上高温を記録。

○4月初めに寒波が入り、その後も花冷えの日が続いたが、下旬には夏型の気圧配置が現れ東北の太平洋岸でフェーン現象が起こり、異常高温となる。

○寒波により東日本で農作物に大凍霜害が発生(5.3~5)。

○6月に梅雨前線により西日本で集中豪雨が5回あり、各地で浸水、崖崩れなどが発生。7月に入り、集中豪雨は全国的に拡大、各地で浸水、崖崩れなどが発生し多くの災害を出す(47.7豪雨)。

○台風20号が潮岬付近に上陸、富山湾に抜ける(9.16~17)。中部・関東地方は激しい暴風雨となる。

1971年(昭和46年)

経済白書 副題(1971)

内外均衡達成への道

経済概況(1971)

前年秋口から後退局面に転じた日本経済は年央には回復の兆しが出はじめたかに思われた。しかし、8月のニクソン声名以後、事態は一変し、再び不況に逆もどりすることになった。

経済成長率 名目 10.0% 実質 4.4%
民間最終消費支出 名目 12.8% 実質 5.5%
民間企業設備投資 名目 -0.3% 実質 -2.5%
輸出 名目 19.3% 実質 16.0%
消費者物価    6.3%  

日本の広告費(電通調査)(1971)

○対GNP比率で1%割る(一貫して漸減傾向、特に40年以降)。

  億円 対前年比(%)
総広告費 7,868 (104.1)
新聞 2,681 (101.1)
雑誌 445 (116.5)
ラジオ 388 (112.5)
テレビ 2,594 (106.1)
DM・屋外他 1,535 (103.6)
輸出 225 (103.2)

政治・経済・業界(1971)

○日銀が公定歩合を0.25%再引き下げ(1.7)。

○大手家電メーカーがテレビなどを値上げ、消費者団体の不買運動へ。

○日立製作所が家電不振でレイオフ実施(2.16)。

○繊維産業連、対米輸出自主規制を宣言(3.8)。

○政府が公共事業の上半期繰り上げ決定(3.26)。

○統一地方選、大都市周辺で革新票の優勢顕著(4)。

○公定歩合0.25%引き下げ(5.8)。

○円切上げ回避の8項目国際収支対策決定(6.4)。

○沖縄返還協定調印(6.17)。

○政府は財投計画2,200億円追加を含む景気対策了承(7.27)。

○公定歩合引き下げ、年利5.25%へ(7.27)。

○ニクソンショックで、円の変動相場制移行決定、外貨準備は世界2位へ(8.27)。

○第一銀行と日本勧業銀行が合併、第一勧業銀行が新発足(10.1)。

○総額1,650億円にのぼる所得減税年内実施決定(10.11)。

○日米繊維政府間協定仮調印(10.15)。

○公取委、鉄鋼6社の不況カルテル認可(12.8)。

×10ヵ国蔵相会議で多国間通貨調整決着1ドル=308円の新レート発効(12.20)。

○公定歩合第5次引き下げ、4.75%へ(12.29)。

マスコミ・広告・媒体(1971)

○通産省に広告向上推進事業が登場(1)。

○“ツーウェイコミュニケーション”の認識深まる(1)。

○民放ローカル局自主番組ブーム(2)。

○広告界、公取の“オープン懸賞規制案”に結束して反対運動(3)。

○民放連、放送基準審議会設置(4)。

○'70年世界広告業扱い高で、電通第3位に躍進(アド・エージ誌発表)(4)。

○ACCがCM倫理綱領を制定。

○初のCATV実験放送(上尾団地)(5)。

○関西公共広告機構発足(7)。

○第4次資本自由化で、広告代理店・屋外広告業100%業種へ移行決定、'72年4月実施へ(8)。

○オープン懸賞広告規制施行(9)。

○民放連、クイズの商品・賞金自主規制決める(10)。

○47年度、消費者行政関係予算案、総額40億余で、前年比52%増(10)。

○電通、TSS局新設(10)。

○関西公共広告機構、初の新聞広告キャンペーン(11)。

○ラジオ深夜放送、若者に圧倒的人気(DJによるパーソナリティー路線)。

○ニッポン放送が長時間ラジオジョッキー「50時間マラソン・ジョッキー」放送(DJ糸居五郎)(1.23)。

媒体の発足(1971)

○テレビぐんま(4)、千葉テレビ(5)。

○「日経流通新聞」日本経済新聞社(5)、「サンケイリビング」(6)。

○「微笑」祥伝社(4)、「ノンノ」集英社(5)、「海」中央公論社(6)、「WOMAN」(7)、

「週刊FM」音楽之友社(3)、「FMfan」共同通信社(6)。

○テレビ局数83局(2局増)

○ラジオ局数52局

○創復刊誌155誌、休廃刊誌71誌

媒体普及率(1971)

テレビ契約数 22,818,567
(うち、カラー) (7,662,636)

(NHK契約世帯数)

白黒テレビ普及率 82.3%<カラー 42.3%>
ラジオ普及率 69.8%

(消費動向調査)

○年末にラジオ増力。KR、QR、LF(11.1)。RF(12.1)。

国内10大ニュース(1971)

○円切上げ(12.20、1ドル=308円)

○沖縄返還協定強硬採決(11.17)

○自衛隊と全日空機、空中衝突(7.30)、162人死亡

○日中復交へ各界人努力

○天皇・皇后訪欧(9.27~10.14)

○成田空港強制代執行で衝突(9.16)

○イタイイタイ病患者勝訴(9.29)

○日米繊維協定仮調印(10.15)

○大久保清事件

○保険医総辞職(7.1より1カ月)

海外10大ニュース(1971)

×ニクソン大統領、ドル緊急防衛対策(8.15)

×中国、国連加盟決定(10.25)、台湾は脱退声明

×インド・パキスタン全面戦争(12.4)

×英、EC加盟決定(10.28)

×ベトナム秘密文書問題化

×米中ピンポン外交、米大統領補佐官キッシンジャー訪中(7.9)

×バングラデシュ独立宣言(3.25)

×中国の林彪がクーデターに失敗し死亡(9.13)

×スミソニアン体制発足(12.18)、米ドル実質切り上げ

世相・風俗(1971)

○ドルショック--ニクソン米大統領がドル防衛などの新経済政策を発表(8.15)。東証株価が暴落、円レートが上昇。

○ミニからパンタロンへ。夏に若い女性にホットパンツが流行、秋になってパンタロンが中年女性にうけて定着。

○公害問題深刻化--富山地裁がイタイイタイ病訴訟で住民側全面勝訴の判決(6)。美濃部都知事の「ゴミ戦争宣言」(9)。東京八王子で全国初のノーカーデー(10)。環境庁発足(7.1)。

トカゲ内閣のシッポ切り、三角大福戦争、中国ブーム、脱都会、新宿駅前の地価銀座を抜く、新宿の京王プラザホテル完成、爆弾闘争宣言、アパートローラ、ポルノブーム、ファッションビジネス、ロックフェスティバル、大鵬引退、ボウリング人口1,000万人、モーテル乱立、バイオリズム、百円化粧品、コットウ品ブーム、銀座に日本マクドナルド1号店(7)、海外旅行者年間で初めて100万人を突破し127万人に

消費者・住民運動・公害(1971)

○環境庁発足(7)。

○新潟水俣病で患者側勝訴。

○騒音環境基準決定。

○光化学スモッグ被害拡がる。

○東京ゴミ戦争表面化。

○三里塚強制収容。

○スモン病勝訴。

○薬品広告規制強化。

○ラルフ・ネーダー来日。

○ノーカーデー・ノー包装運動。

○果汁表示で主婦連不服申立て。

○再販化粧品・薬品不買運動。

○BBB活動センター設立。

時の商品・新製品(1971)

○LSIの生産急増。

○パネルヒーター、固形のり、ボディスーツ、キャッシュディスペンサー 電子卓上計算機(平均単価5万円、49年には1万円割る)

○積水化学が初のユニット住宅「セキスイハイム」を発売(2)。

○永大産業がツー・バイ・フォーの永大構法ハウスを発売(4)。2インチ×4インチの木材に合板を貼り合わせるもの。業界初。

○ダスキンが大阪府吹田市にカーペットや台所を掃除するハウスクリーニングのモデル第1号をオープン(4)。

○立川ブラインド工業、住宅用ブラインド「シルキー」を発売(6)。コード式操作のものとしては業界初。

○トーヨーサッシがアルミ雨戸「カールイ雨戸」を発売(10)。

○ファースト・フードチェーンが増加。

○明治乳業が米国ボーデン社と提携して高級アイスクリーム「レディボーデン」を発売(10)。アイスクリームの高級化が始まる。

○瓶ビールの自動販売機が登場(4)。7月には電子レンジ内蔵のハンバーガー自販機や弁当自販機、8月にはカップめん自販機も。この年の自販機、139万台。

○朝日麦酒がわが国初のアルミ缶ビールを発売(6.5)。

○-日清食品が容器に熱湯を注ぐだけで食べられる「カップヌードル」発売(9.16)。120円。

○会員販売だった地婦連の100円化粧品「ちふれ」が市販される(5.10)。

テレビCM(1971)

○大型外人タレントの起用相次ぐ-マンダム チャールズ・ブロンソン、レナウン アラン・ドロン、カネボウ カトリーヌ・ドヌーブなど。

味の素・ハイミー<いもがらぼくと>

中外製薬・新グロモント<ガンバラナクッチャ>

キンチョール<おら知っちょーる>

丸井<愛情はつらつ>、コニカ<ジャーニー>

サントリー「ビバ純生」、大関「白い花なら」

三菱鉛筆<キミのはフトーイ>

トリス<これから日本はどうなるんだ>

新聞広告(1971)

デルモンテ・トマトジュース<飲むサラダ>

資生堂ギャラック<われわれの異性は男性です>

東洋工業<直感、サバンナ>

トヨタ自動車<ちょっとうれしいカローラ>

日産自動車<ほんとうに“狭い日本”でしょうか>

アサヒビール<飲んで貰います>高倉健

日本橋三越<ハートのあるホットパンツ>

話題のテレビ番組(1971)

○空前のボウリング番組ブーム(週10本以上)-「クィーンズ・ボウリング」(TBS)をゴールデンアワーで放送開始(4.2)。チャレンジボール、美しきチャレンジャー。

○初のCM番組「CM博士の大冒険」(NTV)放送開始(8.2)。

○東京放送が夜の番組(後5:30~深夜0:30)を全時間カラー化(11.14)。

○8時だヨ!全員集合、50.4%(レギュラー番組空前の高視聴率)。

○「帰ってきたウルトラマン」(TBS)放送開始(1)、'66年に続き第2次怪獣ブーム。

○「仮面ライダー」(MBS)放送開始(4.3)(“変身”ブーム起こる)。

○アニメ番組「天才バカボン」(9)、「ルパン三世」(10)(ともにNTV)放送開始。

○グランド劇場「2丁目3番地」(NTV系)放送開始(1)。

○脱ドラマ手法の「お荷物小荷物」(TBS系)放送開始(12.4)。

○つくし誰の子、花は花よめ。

○ハッチャキマチャアキ。

○天皇の世紀(ドキュメンタリー)。

○素人参加の歌手スカウト番組「スター誕生」(NTV)放送開始(10.3~'83.9.25)。

○ワイドショー「モーニング・ジャンボ」(TBS)(前6:50~10:00)放送開始(3.29)。

○「23時ショー」(NET)放送開始(4.5)。

○ローカル局独自の番組作り相次ぐ-「RABニュースレーダー」に刺激され、「OXあさ一番」(仙台放送)、「おはよう9チャンネル」(西日本放送)、「ワイドAKT」(秋田放送)などの帯番組が各地に登場。

○民放83局が初のフルネットで共同制作した大晦日の番組「ゆく年くる年」放送。

NHK(1971)

《繭子ひとり》47.4%〈春の坂道〉21.7%

○「セサミストリート」、学校放送夏のテレビクラブで放送(7.21)。

○総合テレビ番組、全時間カラー化(10.10)。

流行語(1971)

経済大国、日本株式会社、ガッツ、ドルショック、エンキリ(円切り)、脱サラ、脱○○、ドロップアウト、ダメおやじ、変身(ヘンシーン)、男めかけ、東京ゴミ戦争、ガンバラナクッチャ、ピース ピース、フィーリング、のんびりゆこうよ、シラケ、論述人間、古い奴だとお思いでしょうが、右も左も真っ暗闇じゃござんせんか、これにて一件落着、ニアミス、ミノベンジャー、○○してまんねん、オヨメにもらって

流行歌(1971)

レコード大賞:尾崎紀世彦<また逢う日まで>

最優秀新人賞:小柳ルミ子 わたしの城下町

新人賞:欧陽菲菲、シモンズ、南紗織、本郷直樹、天地真理

わたしの城下町
知床旅情
また逢う日まで
傷だらけの人生
雨の御堂筋
ナオミの夢
よこはま・たそがれ
雨のバラード
花嫁
望郷
中途半端はやめて
京都慕情
あの素晴らしい愛をもう一度
戦争を知らない子供たち
ふたりだけの旅
さらば恋人
17才
水色の恋
おふくろさん
雨がやんだら
じんじん
悪魔がにくい
雪が降る
小さな恋のメロディー
マザー
ノックは3回
フレンズ
サインはピース
スーパー・スター
イマジン
イッツ・トウ・レイト
オールド・ファッションド・ラブ・ソング
ブラック・マジック・ウーマン
原子心母
マミー・ブルー

○新・三人娘の小柳ルミ子、南紗織、天地真理がデビュー、注目を集める。

○ディスカバージャパンブームにのり「私の城下町」「知床旅情」がヒット。

×米国ニューヨークで「バングラデシュ難民救済コンサート」開催。

○グランド・ファンク・レイルロード、ピンク・フロイド、シカゴなどの大物グループが来日。エルトン・ジョン、バート・バカラックなども来日。

話題の映画(1971)

洋画
ある愛の詩
エルビス・オン・ステージ
栄光のル・マン
チャイコフスキー
小さな恋のメロディ
トラ・トラ・トラ!
狼の挽歌
アラビアのロレンス
ベニスに死す
ライアンの娘
小さな巨人
わが青春のフロレンス
バニシング・ポイント
嵐が丘

邦画
誰かさんと誰かさんが全員集合!!
男はつらいよ・純情編
男はつらいよ・奮闘編
新・男はつらいよ(新版)
キングギドラ対ゴジラ
日本一のワルノリ男
どうぶつ宝島
新網走番外地・吹雪のはぐれ狼
戦争と人間・第2部
傷だらけの人生
儀式
沈黙
婉という女
いのちぼうにふろう
緋牡丹博徒
曼陀羅
水俣
八月の濡れた砂

○洋画の配給収入(148億円)が邦画の配給収入(156億円)に迫る。

○中高生を中心に観客層が若返り、洋画観客が増加。

○日活が映画事業を合理化、日活ロマン・ポルノスタート-第1回公開作品「団地妻・昼下りの情事」「色暦大奥秘話」(11.20)。

○大映倒産。

○洋画・邦画ともにポルノ映画が増加。

ベストセラー(1971)

人間革命(6)
冠婚葬祭入門
日本人とユダヤ人
冠婚葬祭入門(続)
春の坂道(1~3)
HOW・TO・SEX
誰のために愛するか
ラブ・ストーリィ
冠婚葬祭入門(続々)
戦争を知らない子供たち
若き人へ贈る
二十歳の原点
ムツゴローの博物誌
緑色革命

○ドルショック、変動相場制移行、大幅円切上げで“エンキリ本”ブーム。

○講談社文庫創刊。第三次文庫ブームに突入。

○謎の著者、イザヤ・ベンダサンの「日本人とユダヤ人」を契機に日本人論、日本文化論ブームが起きる。

○三島由紀夫、高橋和巳ブーム。

話題のマンガ(1971)

○この年に入り少年マンガ雑誌の売行きが急速に落ちる。

○「週刊ぼくらマガジン」「まんが王」「少年画報」などが相次いで休刊。

○ビッグ錠の「釘師サブやん」が少年マガジンに連載開始(2)。

○石森章太郎の「仮面ライダー」がぼくら、少年マガジンに連載開始(4)。

○永島慎二の「花いちもんめ」が少年サンデーに連載開始(4)。

○大和和紀の「モンシェリCoCo」が少女フレンドに連載開始(4)。

○松本零士の「男おいどん」が少年マガジンに連載開始(5)。

○芳谷圭児の「高校生無頼控」が漫画アクションに連載開始(7)。

○山岸涼子の「アラベスク」がりぼんに連載開始(10)。

○萩尾望都の「11月のギムナジウム」が別冊少女コミックに掲載(11)。

ダメおやじ(少年サンデー)、いなかっぺ大将(小学五年生)、ほえろボボ(COM)、男ドアホー甲子園、ルパン3世、レッツラゴン、新オバQ

ファッション(1971)

○ジーンズ爆発的売れ行き、消費者が流行をつくる時代へ、ホットパンツ一時的流行に終わる、「質素革命」への共感、パンストほぼ定着、パンタロン定着、アーミールック、ワンポイントルック、パッチワークファッション

○ファッションのサイクル短くなる。

○シャツブラウス全盛。

○ワイドタイ多くなる。

○プリントシャツ

気象状況(1971)

○月初め頃に寒波がおしよせたが、その間は温暖な期間もあり、寒暖の変動が大きな冬となる(1~3)。

○ゴールデンウィークは発達した低気圧が続けて通り、各地で大雨、中北部の山岳部や北海道では季節はずれの雪となり、山や海での遭難が相次ぐ。

○7月下旬に各地で梅雨が明け、8月前半は各地とも猛暑となる。東京では30℃以上の真夏日が7月29日以降20日間続く。月半ばすぎると全国的に気温が下降し短い夏が終りを告げた。

○日本付近に前線が停滞し秋の長雨が続き、全国的に気温も低く、9月末には中部以北の山で初雪となる。

1970年(昭和45年)

経済白書 副題(1970)

日本経済の新しい次元

経済概況(1970)

前年9月に実施された予防的引き締めで大型景気も下期にはストップ。景気は沈静化への道をたどった。このため上昇一途であった卸売物価も下期には低落しはじめた。

経済成長率 名目 17.9% 実質 10.3%
民間最終消費支出 名目 15.1% 実質 7.4%
民間企業設備投資 名目 22.5% 実質 19.3%
輸出 名目 20.9% 実質 17.5%
消費者物価    7.7%  

○年度輸出は200億ドル達成。

日本の広告費(電通調査)(1970)

  億円 対前年比(%)
総広告費 7,560 (119.5)
新聞 2,653 (117.9)
雑誌 418 (120.1)
ラジオ 345 (118.6)
テレビ 2,445 (119.7)
DM・屋外他 1,481 (121.7)
輸出 218 (121.1)

政治・経済・業界(1970)

○米国の対日投資規制で、東証株価、開所以来の大暴落(1.8)。

○日本万国博、大阪で開幕(3.14)。一般公開は3月15日から。

○八幡、富士合併で「新日本製鉄」発足(3.31)。

○東証旧ダウ2,534.45円と史上最高記録(4.6)。

○新経済社会発展計画('70~'75年度)答申、年率10.6%の成長率(4.10)。

○東証旧ダウ2,000円台割る(5.19)。

○繊維対米輸出規制問題の日米交渉決裂(6.22)。

○6月の卸売物価、23カ月ぶり前月比0.4%下落(7.14)。

○長期好況のいざなぎ景気が終息(8)。

○第3次資本自由化323業種選定(8)。

○政府が私鉄運賃23%値上げ決定(9.25)。

○公定歩合0.25%引下げ、金融緩和へ(10.28)。

○公正取引委員会はカラーテレビ価格問題で、メーカーへの値下げ指導を通産省に要請(12.23)。

マスコミ・広告・媒体(1970)

○広告界に人間回復ムードの広告続出。

○新聞元旦号に多色カラー広告激増(1)。

○日本教育テレビ系の12社を結ぶニュースネットワークANN発足、民放4系列出そろう(1.1)。

○CATV財団法人“東京ケーブルビジョン”発足(1)。

○初のビデオ・パッケージ会社“フジ・ポニー”発足(1)。

○TBS制作部門を一部分離。木下プロ、テレパック、テレビマンユニオン設立。

○万国博開幕式、7ヵ国に宇宙中継(3.14)。

○朝日、朝刊20頁から24頁へ(5)。

○静岡新聞、地方紙で初のオールカラー1社単独8ページ特集(6)。

○ゼロックス、ソニービルで“前衛芝居”催す(7)。

○チャールズ・ブロンソン、CMに登場して話題(7)。

○万国博入場者5,000万人突破(8)。

○東芝、世界最小のVTR発表(8)。

○広告界に「公害」をテーマにした広告が増える。

○国鉄“DISCOVER JAPAN”キャンペーン始まる(10)。

○第1回“雑誌広告の日”(11)。

○広告学会第1回大会(11)。

媒体の発足(1970)

○山形テレビなど8局(4)、宮城テレビ(10)、広島ホームテレビ(12)。

○大阪音楽エフエム放送、エフエム東京(4)、福岡エフエム音楽放送(7)

○特定層ねらう雑誌発刊相つぐ、「アンアン」平凡出版(3)、「月刊エコノミスト」毎日新聞社(4)、「Amica」(12)など。

○テレビ局数81局(10局増)

○ラジオ局数52局(3局増)

○創復刊誌133誌、休廃刊誌63誌

媒体普及率(1970)

テレビ契約数 22,087,548
(うち、カラー) (3,995,800)

(NHK契約世帯数)

白黒テレビ普及率 90.2%<カラー 26.3%>
ラジオ普及率 71.7%

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1970)

○日航“よど号”ハイジャック事件(3.31)

○日本万国博開催(3.14~9.13)、入場者6,421万8,770人

○三島事件(11.25)

○沖縄国政参加選挙(11.15)

○日米安保条約自動継続(6.23)

○佐藤総裁四選

○大阪ガス爆発惨事(4.8)

○全国に公害続発

○富士銀行不正融資事件

○プロ野球に黒い霧

海外10大ニュース(1970)

×中東停戦(8.8)、ナセル急死(9.28)

×米の保護貿易主義強まる

×アラブゲリラのハイジャック多発

×米軍、カンボジアに侵攻(4.30)

×独ソ武力不行使条約調印(8.13)

×中国初の人工衛星、東方紅打ち上げ(4.24)

×チリでアジェンデ社会党党首が大統領に当選(10.25)

世相・風俗(1970)

○日本万国博-史上最高の入場者数、最多入場は9月5日(土)に83万人で救急車が191回出動、最も混雑したパビリオンは月の石を展示したアメリカ館。

○公衆電話の市内通話が10円で3分となる(それまでは制限なし)。

歩行者天国出現(8)、東海道自然遊歩道着工、ウーマンリブ、女性の新職業スタイリスト増加、1兆円交際費が話題、自然食が話題、古米・古古米増える、SLブーム、ミニコミブーム、ロングヘアーはやる、五ケタ春闘、国民総背番号、ディスカバージャパン・キャンペーン始まる(10)

消費者・住民運動・公害(1970)

○公害14法成立、被害者救済制度スタート。

○田子の浦ヘドロ表面化。

○牛込柳町鉛公害表面化(米、マスキー法成立)。

○「告発する会」・「守る会」運動多発化。

○公害自主講座始まる。

○一株株主運動始まる。

○チクロ入りジュース類全面販売禁止。

○大衆薬問題化。

○ブリタニカ商法問題化。

○二重価格問題で消費者5団体カラーテレビ不買運動。

○コンシューマリズム台頭、企業内に消費者対策機構新設の動き高まる。

○国民生活センター発足(10)。

時の商品・新製品(1970)

○新燃料電池を開発、新合成甘味料開発、プッシュホン。

○世界初の4チャンネルレコード発売、家庭用ビデオテープ発売。

○日航ジャンボ就航。

○スカイライン・ハードトップGTR、ローレル・ハードトップなど2ドア・ハードトップに人気。

○鈴木自動車、軽自動車で初の四輪駆動「ジムニー」を発表(3.3)。

○12桁の計算ができる電卓や、10万円を切る電卓が登場。新規メーカーの参入が相次ぎ、販売競争が激化。年間生産高1000億円産業に成長。

○ファースト・フード進出-ケンタッキー・フライドチキンが大阪の万国博に初登場(3.14)。名古屋に第1号店開店(11.21)。ダンキンドーナツのチェーン第1号店が東京・銀座に開設される(7)。

○スナック菓子が花形商品となり、おやつ辛口時代へ。

○愛媛青果連、「ポンジュース」を全国発売(2)。100%果汁へ。

○象印が炊いたご飯を長時間保温できる電子ジャー発売。食生活が変化。

○大成建設がプレハブ住宅「パルコン」を発売(4)。プレキャスト壁式鉄筋軽量コンクリート造としては業界初。

○クラウンがわが国初の使い捨て100円ライター「マチュラー」を発売(4)。

○東京・銀座に「酸素自動販売機」登場(7)。五十円玉を入れるとマスクで1分間3,000ccの酸素が吸える。

○自動販売機が100万台を突破(8)。

○電電公社(現・NTT)がキャッチホンの発売を開始(9)。

○キヤノンが普通紙にコピーできる国産初のPPC複写機を発売(10)。

○キヤノンが撮った写真に日付けが入るカメラ「キヤノンデートE」を発売(12)。

○マンダムが「マンダム」のシリーズ商品を発売、チャールズ・ブロンソンのテレビCMで爆発的にヒットする。

テレビCM(1970)

富士ゼロックス<モーレツからビューティフルへ>キャンペーン

キリンビール<どういうわけか>、サッポロビール<男は黙って>

日産自動車・サニー<隣の車が小さくみえまーす>

ライオン油脂・エメロン石鹸<銭湯 こんなかっこうで失礼します>

ライオン油脂・エメロンクリームリンス<ふりむかないで>

オリエンタルカレー<ハヤシもあるでヨー>南利明

ハウス食品・ジャワカレー<女房よろこぶ>伊丹十三・宮本信子

新聞広告(1970)

国鉄<DISCOVER JAPAN>キャンペーン

ジャルパック・ジョイキャンペーン

丸井<さわるショッピング>、三越<今週の三越>

キリンビール<どういうわけかキリンです>

テイジン<スコーレ 人間を愛し 人間を考え 人間に帰ろう>

資生堂オーデコロン<お米と野菜ばかり食べていたころ 日本人は体臭のすくない民族でした>

富士ゼロックス<Black is Beautiful. White is Beautiful. >

象印電子ジャー<高級半導体を採用した電子ジャー誕生!>

マンダム<マンダムは男の香り>チャールス・ブロンソン

ニッカウヰスキー<贈りものなら ウイスキーなら ニッカのセットが いいんじゃないかしら>越路吹雪

話題のテレビ番組(1970)

○ホームドラマ復活-女湯のヌードが話題を集めたギャグ・ホームドラマ「時間ですよ」(TBS)放送開始(2.4)。ありがとう(4.2)(TBS)、細腕繁盛記(NTV)(5.8~'71.4.1)、だいこんの花など。

○時代劇も人気-「大岡越前」(TBS)(3.16)、中村梅之助の「遠山の金さん」(NET)(7.12~'72.9.30)、「大江戸捜査網」(12ch)など。

○新しいスタイルの旅番組「遠くへ行きたい」(YTV系)放送開始(10)。

○アニメ番組-ひみつのアッコちゃん、ムーミン、あしたのジョー、みなしごハッチ、ハレンチ学園、いなかっぺ大将。

○特ダネ登場(NTV)。

○スポ根ドラマ「サインはV」。

○ローカルワイドショーのブームのはしり-RABニュースレーダー。

○全国民放テレビ局共同制作の日本万国博開会式の実況中継番組「幕ひらく日本万国博」放送(3.14)。

○主婦向け生活情報番組「東京ホームジョッキー」(CX)放送開始(10.1)('71.10.2「リビング4」'75.10.1「リビング2」と改称)。

○番組カラー化50%越す(NTVが4月にゴールデンで100%)。

○各局から制作部門分離独立。

○警視庁、特別指名手配人のスポット放送開始。

○ドキュメンタリー「ドキュメント '70」(NTV)放送開始(1.4)。

NHK(1970)

《虹》37.9%〈樅の木は残った〉21.0%

○スペシャル番組編成のはじまり(民放にも波及)、70年代われらの世界。

○音楽バラエティショー「ステージ101」放送開始(1.10~'74.3.31)。

○「ひるのプレゼント」放送開始(4.6)。

○「日本史探訪」放送開始(4.8)。

○初の性教育番組。

○市民大学講座(教育テレビ)。

流行語(1970)

モーレツからビューティフルへ、ディスカバー・ジャパン、ウーマン・リブ、光化学スモッグ、ヘドロ、怨、歩行者天国、フリーセックス、ハイジャック、シージャック、三無主義、ブラックユーモア、衝撃の告白、シンクタンク、ダメおやじ、きまったぜセニョール、ウハウハ喜ぶでよ、○○だもんね、ドバー、ドヒャー、アサー、ン……ダモンネ、ヤメテ、ドッちらけ、ワリャ・オンドリャ、鼻血ブー、生活かかってる、グンバツ、おヌシやるな

流行歌(1970)

レコード大賞:菅原洋一<今日でお別れ>

最優秀新人賞:にしきのあきら もう恋なのか

新人賞:野村真樹、辺見マリ、安倍律子、ソルティ・シュガー

黒ネコのタンゴ
京都の恋
ドリフのズンドコ節
圭子の夢は夜ひらく
女のブルース
男の世界
逢わずに愛して
手紙
走れコウタロー
愛は傷つきやすく
白い蝶のサンバ
竹田の子守唄
都会
経験
誰もいない海
戦争を知らない子供たち
希望
噂の女
波止場女のブルース
ヴィーナス
レット・イット・ビー
悲しき鉄道員
明日に架ける橋
ハートブレイカー
コットン・フィールド
遥かなる影
この胸のときめきを
雨を見たかい
マイ・スウィート・ロード

○第1回「日本歌謡大賞」藤圭子 圭子の夢は夜ひらく、新人賞は野村真樹 一度だけなら、辺見マリ 経験。

○第1回「東京国際歌謡音楽祭」が武道館で開催(11.21~23)。

○歌謡界も“女性上位時代”-藤圭子、辺見マリ、ちあきなおみ、奥村チヨ、森山加代子、由起さおり、岸洋子など女性歌手が活躍。

○小椋佳がLP「青春」でレコードデビュー。オフコース、吉田拓郎、RCサクセションもデビュー。

×ビートルズが解散(4)。

話題の映画(1970)

洋画
続・猿の惑星
サウンド・オブ・ミュージック
クリスマス・ツリー
女王陛下の007
ひまわり
ネレトバの戦い
シシリアン
シェーン
チップス先生さようなら
さらば夏の日
サテリコン
Z
冬のライオン
M★A★S★H★(マッシュ)
雨の訪問者
ウッド・ストック

邦画
戦争と人間
軍閥
座頭市と用心棒
富士山頂
新網走番外地・大森林の決闘
チンチン55号ぶっ飛ばせ!発進行
新選組
ブラボー若大将
待ち伏せ
幕末
渡世人列伝
家族
どですかでん
エロス+虐殺
地の群れ
日本開放戦線・三里塚
影の車
裸の十九才
おさな妻

○アメリカの低コスト映画“ニューシネマ”がヒット-「いちご白書」「イージーライダー」「アリスのレストラン」「明日に向って撃て!」など。

○アジア地域で初の世界映画製作者連盟公認の第1回「日本国際映画祭」が大阪フェスティバル・ホールで開催(4.1~10)。

○ヤクザ映画ブーム続く。

ベストセラー(1970)

日本万国博公式ガイドマップ
日本万国博公式ガイド
冠婚葬祭入門
誰のために愛するか
創価学会を斬る
私の人生観

冠婚葬祭入門(続)
スパルタ教育

冬の旅
銭の花
原価の秘密
アカシヤの大連

○万博公式ガイドブック・マップがミリオンセラー。

○人生論ブーム-「誰のために愛するか」曽野綾子が大ヒット、「愛」「人生」「幸福」をテーマとした本が相次ぐ。

○「苦海浄土」「公害の政治学」「イタイイタイ病との闘い」など、公害本に関心が集まる。

○言論弾圧紛争。

○国定教科書復刻版。

○ハヤカワ文庫創刊。

話題のマンガ(1970)

○漫画が高年齢層にも広がる。

○「少年マガジン」が150万部突破。

○「あしたのジョー」(少年マガジン)終了。敵役ボクサー・力石徹の死を悲しむファンからの投書が編集部に殺到、追悼式が講談社で挙行(3)。

○水野英子の「ファイヤー」が週刊セブンティーンに連載開始(1)。

○みつはしちかこの「小さな恋のものがたり」出版(8)。

○小池一雄作・小島剛夕画の「子連れ狼」が漫画アクションに連載開始(9~'76年)。さそり(ビッグコミック)、赤色エレジー(ガロ)、アシュラ(少年マガジン)、ダメおやじ、銭ゲバ(少年サンデー)、トイレット博士、ド根性ガエル(少年ジャンプ)、誕生(マーガレット)、柔道一直線(少年キング)、おろち、赤き血のイレブン、ワル、アポロの歌、やけっぱちのマリア、モーレツ先生、高校生さすらい旅、がらがら

ファッション(1970)

○男性カラーシャツはやる、スケスケルック、ノーブラ旋風、サファリコート、Tシャツ、パリモードがミニ終焉告げ、スカート丈論争、ミディ・マキシ、タートルネック、ヘアーピース流行、素材の多様化、レイヤード・ファッション

○自然なプリミティブな色調、紫色の台頭。

○デザイナーブランドもの全盛。

○ロングヘヤー、トンボめがね流行。

○東レ、スエード調合成皮革「エクセーヌ」を発売(3.31)。

気象状況(1970)

○記録的な寒さはなかったが、周期的に強い寒波が襲来(1)。

○太平洋側では降水量が少なく、東京では53日間無降水を記録('69.12.18~1.29)。

○低温が続き桜の開花が各地で大幅に遅れる(4)。

○梅雨は関東以西で陰性型となり、西日本を中心に長雨型の曇雨天が続き、東京でも梅雨入り(7.11)以後26日まで連続16日間の長雨新記録。北日本は高温少雨となる。

○梅雨明け前後から各地とも厳しい熱さが続き、東京で32度以上の日が連続16日続く(7.18~8.2)。

○東京で木枯し1号の寒波(10.26)。冬は平年より早めに到来。

1969年(昭和44年)

経済白書 副題(1969)

豊かさへの挑戦

経済概況(1969)

輸出競争力の増大から、高い経済成長と国際収支の大幅黒字が定着するようになり、年末の外貨準備高は35億ドルに達した。が、反面「円」に対する切り上げ要請が高まってきた。

経済成長率 名目 17.5% 実質 12.0%
民間最終消費支出 名目 14.9% 実質 10.3%
民間企業設備投資 名目 26.6% 実質 25.5%
輸出 名目 22.6%  
消費者物価    5.2%  

○カラーテレビ、乗用車の普及が一段と進む。

日本の広告費(電通調査)(1969)

  億円 対前年比(%)
総広告費 6,328 (118.9)
新聞 2,250 (119.4)
雑誌 348 (116.8)
ラジオ 291 (124.9)
テレビ 2,042 (117.0)
DM・屋外他 1,217 (120.3)
輸出 180 (120.8)

政治・経済・業界(1969)

○政府は国鉄の15%旅客運賃値上げを決定(1.9)。

○外貨審議会が第二次資本自由化を答申、50%自由化16業種、100%自由化44業種に(2.5)。

○外貨準備、初の30億ドル台のせ(3.1)。

○大型合併調印相次ぐ(新日本製鉄3.6、ユニチカ3.19)。

○大蔵省が為替管理の大幅規制緩和方針を決定(4.24)。

○公正取引委員会は八幡、富士合併に対し、緊急停止申し立て(5.7)。

○東証旧ダウ2,000円の大台乗せ(5.31)。

○通産省はトヨタ、日産に対し、欠陥車の改善計画の提出要請(6.6)。

×IMFはSDRの正式発効を発表(7.28)。

○日銀が公定歩合を5.84%→6.25%に引き上げ(公定歩合年利建てに)(9.1)。

○日銀、9月末全銀貸し出し約定平均金利は7.375%で、実質上10年ぶりの急上昇と発表(11.4)。

○東証株価、ダウ平均2,358円の史上最高(12)。

○日米首脳会談の共同声明で、沖縄の72年復帰ほぼ決定(12.21)。

○衆議院選で自民党圧勝(12.28)。

マスコミ・広告・媒体(1969)

○新聞元旦号の多色刷り全ページ広告(オフセット)の増加目立つ(1)。

○'68年の電通扱い世界第4位とアド・エージ誌が発表(2)。

○毎日東京本社、朝刊を常時20ページに増加実施(4)。

○CATV規制原案成る(4)。

○民放12社UHF本放送開始(4)。

○“日本広告業協会”発足(5)。

○読売新聞社ワイド編集など紙面大刷新(6)。

○テレホンサービス規制改正。

○東京キー局の取引合理化委員会、年内にPT契約の基本条項作成を決める(6)。

○サンケイ新聞社9月から朝刊紙面大刷新と発表(6)。

○電通報2,000号迎える(9)。

○IAA東京大会開く(9)。

○日経、東京12チャンネルの経営に乗り出す。

○NTV会長正力松太郎死亡(10)。

○東京地区に有線テレビの財団法人設立決まる(11)。

○全広連初のBBB懇談会開く(11)。

○POP広告協会発足(11)。

○“日本広告学会”発足(11)。

○初の“テレビ総選挙”(11)。

○“全日本ブッククラブ”発足(12)。

○民放初のFM放送開始(12)。

媒体の発足(1969)

○サンテレビなど12局(3,4,5)、福井テレビ(10)、三重テレビなど5局(11)。

○愛知音楽エフエム放送(12)。

○「夕刊フジ」産業経済新聞社(2)。

○「諸君」文藝春秋(5)、「週刊ポスト」小学館(8)、「日経ビジネス」日本経済新聞社(9)。

○テレビ局数71局(18局増)

○ラジオ局数49局(1局増)

○創復刊誌116誌、休廃刊誌56誌

媒体普及率(1969)

テレビ契約数 21,220,733
(うち、カラー) (1,688,897)

(NHK契約世帯数)

白黒テレビ普及率 94.7%<カラー 13.9%>
ラジオ普及率 72.6%

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1969)

○72年沖縄返還きまる(11.21)

○年内総選挙(12.27)

○70年前年の安保闘争

○大学立法(成立8.3)と紛争校平常化

○交通事故死傷者100万人へ

○東大安田講堂“落城”(1.19)

○八幡・富士合併に公取委同意審決(10.30)

○チクロ騒動など食品公害

○両米価据え置きと減反政策

○正寿ちゃん殺しなど幼児誘かい続出

海外10大ニュース(1969)

×米・アポロ11号、人類初の月着陸(7.20)

×米、南ベトナムから段階的撤退開始(6.8~)

×フラン切り下げ(8.8)、マルク切り上げ(10.24)

×ドゴール仏大統領退陣、後任にポンピドー(6.15)

×中国9全大会、毛沢東後継者に林彪氏指名(4.14)

×ホー・チ・ミン北ベトナム大統領死去(9.3)

×中ソ武力衝突(3.2)

×チェコ自由化終息、ドブチェク氏ら追放

世相・風俗(1969)

○昭和元禄の風潮高まる。

○大学紛争は沈静化に向かう。東大安田講堂の封鎖解除に機動隊出動(1)を始め、各大学で機動隊導入。

○新宿のフーテンに軽犯罪法適用。フォークソング集会は道交法違反との見解(7)。フォーク集会は消滅。

海外旅行本格化、東名高速道路全通(5)、テレビ総選挙時代へ、ポスターブーム、公営ギャンブル廃止論、クレジットカードの利用大幅にのびる、減反政策、自主流通米、マンションブーム、原子力船むつ進水(6)、東大入試中止、アメリカ宇宙飛行士の月面歩行をカラーテレビ中継(7)

消費者・住民運動・公害(1969)

○カネミ訴訟。

○チクロ追放運動(製造販売禁止)。

○東京都公害研究所発足。

○初の公害白書。

○国鉄、黄害追放着手。

○産業廃棄物処理問題化。

○「菩海浄土-わが水俣病」出版。

○米で、日本製欠陥車問題。

○主婦連、オトリ販売やチラシ広告の実態調査。

時の商品・新製品(1969)

○3D(ディッシュウォッシャー、ドライヤー、ディスポーザー)。世界初の全電子走査式高速ファクシミリ完成、工業用ロボット登場、ピンレバーウォッチ日本で発売、国鉄にグリーン車、ミニサイクル、ユニット家具

○ソニーと松下電器、家庭用ビデオを発表(10.29)。ソニーがベータ、松下がVHSと2つの規格が並ぶ。

○ホンダが750CCオートバイ「ドリームCB750 Four」発売(7)。ナナハン時代へ。

○服部セイコーが世界初の水晶クォーツ「セイコー35Qアストロン」を発売(12)。

○リンナイがガス温風暖房機を発売(12)。

○専売公社(現・日本たばこ産業)がヤシ殻活性炭入りのフィルター付き「セブンスター」を発売(2.1)。1箱100円。

○サッポロビールがわが国初の低アルコールビール「サッポロライト」発売(6.6)。

○にんべんがかつおぶしの5g入りパックを発売(12)。'70年以降、爆発的な売行き。

○コカコーラが年に36億本を売って売上げ日本一の食品会社に。

○東京・平河町に1億円マンションが登場。

○この年発売された主な電化製品-13型オールトランジスターカラーテレビ、家庭用衣類乾燥機、2ドア冷凍冷蔵庫など。

テレビCM(1969)

パイロット・エリートS<はっぱふみふみ>大橋巨泉

丸善石油<Oh!モーレツ>

コカ・コーラ「スカッとさわやか」

明治製菓<カール>

明治チョコバー<痛快まるかじり>石坂浩二

資生堂・オリーブ石鹸<おふろ>

資生堂・サンオイル<海辺男女編>

ネッスル日本・ゴールドブレンド<違いのわかる男>松山善三

新聞広告(1969)

日産自動車・スカイライン<愛のスカイライン=遠い旅に出かけよう>

森永乳業・クリープ<クリープを入れないコーヒーなんて>

ネッスル日本・ゴールドブレンド<違いがわかる男のゴールドブレンド>

日本クレジットビューロー(JCB)<55万人がサイフを捨てた>

日本高層住宅協会<ボクはマンション二世>

グンゼパンティストッキング<Fit&COLOR>

武田薬品・強力フローミン<ガンバレ!大正生まれ…>

アンネタンポン<おフロもどうぞ のアンネです>

パイロット・エリートS<日本中のお父さまお母さまが首をかしげた-「ハッパふみふみ」>

サントリー・オールド<十年まえは熱燗で一杯やったものですが……一日のピリオド。黒丸。>

話題のテレビ番組(1969)

○ナマ中継(ニュース中継のショー化)-東大安田講堂落城、アポロ11号月面着陸“月面第1歩”で62%。

○番組のショー化、ながら視聴番組。

○ショーとクイズ-「コント55号!裏番組をブッ飛ばせ」(NTV)放送開始(4.27)。

公開バラエティショー「8時だヨ!全員集合」(TBS)放送開始(10.4)(出演ドリフターズ)。

ギャグ中心のバラエティショー「巨泉・前武ゲバゲバ90分!」(NTV)放送開始(10.7)。

「コント55号の野球ケン」(NTV)放送開始(11.26~'70.4.1)。ヤングオーオー!!。

○ラジオのディスク・ジョッキーの手法を取入れた番組として「TVジョッキー 歌の星座」(TBS)、「オールナイトフジ」(CX)が注目を集める。「オールナイトフジ」は土曜日の深夜の生番組で、深夜族に人気となる。

○“時代劇のお化け番組”-東野英治郎黄門の「水戸黄門」(TBS系)放送開始(8.4)。

○月火水木金金金(TBS)。

○映画「スタートレック」の原型「宇宙大作戦」(NTV)放送開始(4.7)。

○「ムーミン」(CX)放送開始(10.5)。

○アニメ「サザエさん」(CX)放送開始(10)、平均視聴率28.5%。

○スポ根番組花ざかり-「サインはV」(TBS)、「アタック1」(CX)、「柔道一直線」(TBS)など。

○人気刑事ドラマ「七人の刑事」(TBS系)終了('61.10~'64.5、'64.8~'69.4)。

NHK(1969)

《信子とおばあちゃん》37.8%〈天と地と〉25.0% カラー化

○夜9時に「連続ドラマ」(銀河ドラマ)の時間帯新設、夜9時の「ニュース」を9時30分に移行。

○連続ドラマ「鞍馬天狗」放送開始(10.17~'70.10.2)。

流行語(1969)

エコノミックアニマル、Oh!モーレツ!、全共闘、ノンセクト・ラディカル、ニャロメ、反博、すべて順調(All systems are go)、造反有理、学際、水平思考、断絶、あっと驚くタメゴロー、やったぜベイビー、あなた好み、オヨビでない、はっぱふみふみ、柔構造社会、デボノ理論、モラトリアム、自警団、夜明けは近い、サヨナラの総括

流行歌(1969)

レコード大賞:佐良直美<いいじゃないの幸せならば>

新人賞:ピーター 夜と朝のあいだに

夜明けのスキャット
港町ブルース
池袋の夜
禁じられた恋
長崎は今日も雨だった
時には母のない子のように
グッドナイト・ベイビー

人形の家
君は心の妻だから
ブルーライト・ヨコハマ
白いブランコ
涙の季節
恋の奴隷
真夜中のギター
ひとり寝の子守唄
坊や大きくならないで
遠い世界に
悲しき天使
西暦2525年
ふたりのシーズン
輝く星座
ラブ・ミー・トゥナイト
ホンキー・トンク・ウイメン
ダウン・バイ・ザ・リヴァー
スウィート・キャロライン
雨にぬれても
コンドルは飛んで行く
マルタ島の砂
涙のくちづけ
カム・トゥギャザー
サムシング

○黒猫のタンゴ、レコード史上最高260万枚売る。

○プロテスト・フォーク、メッセージ・フォークが台頭-大阪で「第1回メッセージコンサート」開催(1)、新宿西口広場では毎週土曜日「反戦フォーク演奏会」(新宿フォークゲリラ)が始まる(2)。

×米国ニューヨーク郊外で“史上最大のロックの祭典”「ウッドストック・アート&ミュージック・フェア」開催。40万人の若者を集める(8.21~23)。

話題の映画(1969)

洋画
ブリット
チキ・チキ・バン・バン
ウエスト・サイド物語
荒鷲の要塞
マッケンナの黄金
新・黄金の7人=7×7
空軍大戦略
あの胸にもういちど
カラマーゾフの兄弟
アポロンの地獄
真夜中のカーボーイ
ウィークエンド
ifもしも…
ローズマリーの赤ちゃん

邦画
栄光への5000キロ
日本海大海戦
超高層のあけぼの
人斬り
千夜一夜物語
御用金
新網走番外地・流人岬の決闘
日本暗殺秘録
心中天網島
私が棄てた女
少年
かげろう
橋のない川
男はつらいよ(シリーズ化)

○「超高層のあけぼの」、「荒い海」などスポンサード映画が台頭。

○独立プロの「橋のない川」、「若者は行く」などが大ヒット。俳優プロの「風林火山」「栄光への5000キロ」「人斬り」も大ヒット。

○眠狂四郎などで活躍した市川雷蔵が37歳で死去(7.17)。

ベストセラー(1969)

人間革命(5)
天と地と(1~3朝日新聞社刊)
対話 人間の原点
科学と宗教
都市の論理
天と地と(上・下、角川書店刊)
改定版広辞苑
赤頭巾ちゃん気をつけて
大もの小もの
池田大作論
知的生産の技術
さびしい王様
水平思考の世界
初歩自動車工学
素顔の日本
断絶の時代

○潮文庫創刊。

○情報化社会論ブーム-「水平思考の世界」E・デボノ、「知的生産の技術」梅棹忠夫など。

○大学紛争の本が相次ぐ-「東大紛争の記録」東大新聞研究所・東大紛争文書研究会編、「太陽と嵐と自由を」柏崎千枝子著など。

話題のマンガ(1969)

○コミックスブーム-月刊のビッグコミックが隔週刊に(4)、「月刊女性コミック」芸文社・「漫画ボン」少年画報社・「週刊少年チャンピオン」秋田書店創刊(7)、「週刊ぼくらマガジン」講談社創刊(11)、隔週刊の少年ジャンプが週刊に(11)、「月刊少年ジャンプ」集英社も創刊(12)。

○マンガの全集も登場-「現代漫画」筑摩書房、「白土三平選集」秋田書店、「もーれつア太郎」曙出版、「のらくろ漫画全集」講談社など。

○さいとうたかをの「ゴルゴ13」がビッグコミックに連載開始(1)。

○園山俊二の「花の係長」が週刊ポストに連載開始(11)。

デロリンマン、ハレンチ学園(少年ジャンプ)、おろち(少年サンデー)、ワイルド7(少年キング)、キッカイくん、男一匹ガキ大将(~48年)、リュウの道、ムーミン

ファッション(1969)

○ノールールファッション浸透。

アールデコ、シースルー、パンタロン、民族服への注目、スイッチング・ルック、ロングスカーフ、ユニセックス、重ね着・ルック登場、マキシコート、ジャンプスーツ

○落ちついた深味のある色調、白・黒・赤の重視。

○ブーツが目立つ。

○パンティストッキングはやる。

○カラーシャツブーム。

気象状況(1969)

○梅の開花は暖冬のため東北・北海道を除き早まる。

○3月に2度、関東以西の太平洋岸で大雪(3.4、3.12)。交通機関がマヒ。12日の積雪は東京で30cmに達し、3月の雪では気象観測開始以来の記録。

○桜の開花が遅れたが、開花後に関東・甲信地方に季節はずれの大雪。中央線、横須賀線が運休となる。東京の遅い雪の観測記録を更新(4.17)。

○夏は西日本が高温となり、北日本、とくに北海道で低温が続いた(8)。

○盛夏の終りに東北地方から北陸・信越地方にかけ、毎日地域を変えた集中豪雨“ゲリラ豪雨”が発生。死者行方不明者41人などの被害(8.7~12)。

1968年(昭和43年)

経済白書 副題(1968)

国際化のなかの日本経済

経済概況(1968)

米のドル防衛策強化に続き、未曽有のゴールド・ラッシュ、ベトナム停戦の動きなど海外環境は流動的。

国内は年央から金融引き締め策が解除され、3年続きの高成長を達成した。

経済成長率 名目 18.4% 実質 11.9%
民間最終消費支出 名目 14.0% 実質 8.5%
民間企業設備投資 名目 24.9%  
輸出 名目 24.0%  
消費者物価    5.3%  

日本の広告費(電通調査)(1968)

  億円 対前年比(%)
総広告費 5,321 (115.8)
新聞 1,884 (116.9)
雑誌 298 (116.9)
ラジオ 233 (119.5)
テレビ 1,745 (115.6)
DM・屋外他 1,012 (111.9)
輸出 149 (124.2)

政治・経済・業界(1968)

×米国がドル防衛白書発表(1.1)。

○日銀が公定歩合1厘引き上げ(1.6)。

×ロンドン、パリ市場でゴールドラッシュ再燃(3.14)。

×米国が公定歩合を4.5%から5%に引き上げ(3.14)、NY証券市場大活況。

○金二重価格制を採用(3.17)。

○参院選で青島幸男、横山ノックなどのタレント議員誕生。

○日銀が公定歩合を1厘引き下げ(8.6)。

○政府が生産者米価を5.9%引き上げ決定(8.12)。

○政府が消費者米価を平均8%値上げ決定(9.10)。

○窓口規制の撤廃を決定、東証旧ダウ1,800円台乗せ(9.20)。

○日本のGNPが西ドイツを抜いて自由経済圏第2位に。

マスコミ・広告・媒体(1968)

○新聞元旦号のカラー印刷、テレビのカラー放送の増加が顕著(1)。

○“新聞広告のための新聞広告”各紙上で始まる(1)。

○民放連“放送広告の日”決める(3)。

○初の“放送広告の日”で本格的なキャンペーン行われる(4)。

○日本テレビが東京新宿に世界最高のテレビ塔建設を発表(4)。

○東京12チャンネル(現・テレビ東京)がカラー放送を開始、沖縄を除く全民放テレビ局がカラー化(4)(沖縄のテレビ2社も5月にカラー化)。

○ラジオ受信料廃止(5)。

○郵政省はFM東海を電波法違反で告発(7)。

○テレビのUHF放送開始、第1号は岐阜放送(8.12)。

○公取委が家庭電気器具業界に“景品つき(カラーテレビなど)販売”の自粛を要望(9)。

○日立の飛行船“キドカラー号”東京上空訪問(9)。

○正力タワー起工式(10)。

○万国博入場券の前売り開始(10)。

○東京消費者センター開設“かしこい消費者生活展”開く(10)。

○全日本ネオン協会が発足(10)。

○旭広告社が大阪地裁に破産申請(12)。

○深夜ラジオ放送ブーム('67年オールナイト・ニッポン開始)。

媒体の発足(1968)

○UHFテレビ開局-岐阜放送(8)、北海道テレビ(11)、テレビ静岡など3局(12)。

○「週刊セブンティーン」集英社(5)。

○テレビ局数53局(5局増)

○ラジオ局数48局

○創復刊誌138誌、休廃刊誌55誌

媒体普及率(1968)

テレビ契約数 20,270,487
ラジオ契約数 2,211,643

(NHK契約世帯数)

白黒テレビ普及率 96.4%<カラー 5.4%>
ラジオ普及率 72.1%

(消費動向調査)

○カラー契約100万突破。

国内10大ニュース(1968)

○東大紛争など一連の学園紛争の続発

○初の心臓移植手術(8.8)

○エンタープライズ入港(1.19)、佐世保、異常放射能に衝撃(5.6)

○川端康成氏、ノーベル文学賞受賞(10.17)

○沖縄初の公選で革新主席誕生(11.10)

○観光バス、飛騨川に転落の事故(8.18)

○小笠原諸島日本に復帰(6.26)

○倉石農相の憲法発言で国会紛糾(2.6)

○厚生省、水俣病を公害病と認定(9.26)

○全学連を中心とする新宿駅デモに騒乱罪適用(10.21)

海外10大ニュース(1968)

×チェコ動乱、ソ連東欧5ヵ国軍チェコに侵入(8.20)

×パリでベトナム和平交渉始まる(5.10~)

×米、8年ぶり共和党ニクソン政権(11.15)

×国際通貨危機(3.1)

×パリ5月革命、400万人がゼネスト(5.19)

×ジョンソン米大統領、北爆停止(10.30)

×アラブ石油輸出国機構(OAPEC)結成(1.9)

×南ベトナム解放勢力が各地で大攻勢(1.30)

×米黒人運動指導者キング牧師暗殺(4.4)

×核拡散防止条約調印(7.1)

世相・風俗(1968)

○日本のGNPが自由世界で第2位。いざなぎ景気で高度成長を歩み、'66年にフランスを抜いて第4位、'67年にイギリスを抜いて第3位、'68年には西ドイツを抜いて第2位に。

○明治100年、佐藤栄作首相の音頭で記念式典を挙行(10)。

○参議院選でタレント議員が大量当選。石原慎太郎が301万票でトップ当選、青島幸男、横山ノックなどタレント5人が上位当選。

○スチューデントパワー爆発-米原子力空母エンタープライズ佐世保寄港

反対(1)、東大安田講堂占拠(3)、新宿駅占拠(10.21反戦デモ)など。

郵便番号制スタート(7)、サイケデリック流行、シンナー遊び、劇画ブーム、東京府中で3億円強奪事件(12)、住宅マンションブーム、霞が関ビル完成(4.12)、文化庁発足、国民生活白書「国民生活優先への展開」

消費者・住民運動・公害(1968)

○熊本、新潟の水俣病が公害病に認定。

○大気汚染防止法、騒音規制法制定。

○カネミライスオイル事件。

○富士市に公害対策市民協結成。

○消費者保護基本法制定。

時の商品・新製品(1968)

○新3C(コテージ、セントラルヒーティング、クッカー)。

○ラジオ付きカセットテープレコーダー(ラジカセ)登場。

○日本電々公社が「ポケットベル」の営業を都内で開始(7)。

○集団学習用のティーチングマシンを開発。

○超小型ICテレビ 世界初のICカメラを製品化。

○本格オフロードバイク「ヤマハDT1」発売。

○厚木ナイロンが「パンティストッキング」を発売。

○大塚食品工業が初のレトルト食品「ボンカレー」を発売(2)。80円。「ボンシチュー」も同時発売。

○ソニーが「トリニトロン・カラーテレビ」発売(4)。

○にんべんがかつおぶしの「フレッシュパック」を発売(7)。

○初の長距離カーフェリーが小倉-神戸間(阪九フェリー)に就航(8.10)。

○明治製菓がコーンを使ったスナック菓子「明治カール」を発売(8.19)。

○東京・新宿の伊勢丹に、わが国初の男のデパート「男の新館」がオープン(9.25)。

○地婦連(全国地域婦人団体連絡協議会)、「100円化粧品」運動を開始(11)。

「ちふれ」の商品名で売り出す。

○マーガリンの世帯当たり年間消費量がバターを大幅に上回る。バター305gに対しマーガリン1,920g。コレステロールの心配からバターが敬遠された。

○この年発売された主な電化製品-全自動食器洗い機、フロアヒーター、家庭用除湿器、折り畳み式伸縮式やぐらこたつ、全自動トースターなど。

テレビCM(1968)

○ポップアートCM流行。

マックスファクター<バザズ>、レナウン<蝶とギャングとイエイエ>

丸大ハム<ワンパクでもいい たくましく育ってほしい>

ネッスル日本・ネスカフェ<世界の都市>シリーズスタート

タケヤ味噌<ひと味ちがいます>

ゼブラ・ボールペン<見える見える>佐々木信也

大日本除虫菊・キンチョール<シュコロキンチョール>桜井センリ

明治製菓・ハイポリック<水虫デタゾ ダメナノヨー>

マックスファクター<ジョワジョワ>

森永製菓<大きいことはいいことだ>

フジカラー<お正月を写そう>

新聞広告(1968)

トヨタ<白いクラウンは「男ざかり」にふさわしい車です>

伊勢丹<ピーコック革命>

ミツカン酢<なぜ欧米人は日本人の三倍もお酢を食べているのでしょうか>

銀座松屋<明治100年・松屋100年>

武田薬品・アリナミンA<冷房病と気のつくまでに>

アサヒビール<“シブ”いビールから、アサヒにのりかえよう>

日本新聞協会<AかBか新聞広告ならじっくり比較できます>

帝人テトロン<能力主義時代とともにカラーシャツ時代来る>

話題のテレビ番組(1968)

○ハプニング番組-木島則夫ハプニングショー(NTV)(5.13)、夜のヒットスタジオ(ワイド歌謡ショー)(CX)(1.4)、お昼のゴールデンショー。

○昼にワイドショーが競う-アフタヌーンショー(NET)、お昼のゴールデンショー(CX)に続き、お昼のワイドショー(NTV)放送開始(9.30)。

○女性向けワイドショー「3時のあなた」(CX)放送開始(4.1~'88.9)。

○各種事件報道中継-金嬉老事件報道、三里塚衝突、新宿騒乱事件。

○スポーツ根性アニメ「巨人の星」(読売テレビ)放送開始(3.30)、放送の人気が週刊誌に還元され「少年マガジン」'69年末最終号は150万部を突破、アニメーションおよびドラマにスポーツ根性もの続々登場。

○ゲゲゲの鬼太郎(NET)。

○ホームドラマ「肝っ玉かあさん」(TBS)放送開始(4.4~11.28、'69.4~'70.1、'71.5~'72.1)、平均視聴率25%を確保。

○のちに映画でシリーズ化される“フーテンの寅さん”の「男はつらいよ」(CX)が放送開始(10.3)。

○キックボクシング(TBS)放送開始(9.30)。

○女子プロレス(12ch)放送開始(12.5)。

○ローラーゲーム(12ch)。

○劇映画のゴールデンタイム進出。

×アポロ7号、初のテレビ宇宙中継。

NHK(1968)

《あしたこそ》44.9% カラー化〈竜馬がゆく〉14.5%

○「明治百年の年明ける」(1.1)、「明治のアルバム」(1.4~4.12)、「明治百年記念式典」(10.23)など明治百年にちなんだ番組が多数放映される。

○「連想ゲーム」放送開始(4.8)。

○第23回毎日マラソンをスタートからゴールまで初の完全中継(4.14)。

○「世界のワンマンショー」放送(7.30~8.2)。

流行語(1968)

いざなぎ景気、昭和元禄、とめてくれるなおっかさん、ノンポリ、ゲバ棒、エンプラ、シビルミニマム、拒絶反応、サイケ、ハレンチ、失神、ポップ、イッピー、情報化社会、タレント候補、ズッコケる、ハレハレ、指圧のこころは母ごころ、スチューデントパワー、アングラ、一点突破・全面展開、大衆団交

流行歌(1968)

レコード大賞:黛ジュン<天使の誘惑>

新人賞:矢吹健 あなたのブルース、久美かおり くちづけが怖いピンキーとキラーズ 恋の季節

恋の季節
星影のワルツ
帰って来たヨッパライ
小樽のひとよ
サウンド・オブ・サイレンス
恋のしずく
花の首飾り/銀河のロマンス
長崎ブルース
夕月
霧にむせぶ夜
花と蝶
ゆうべの秘密
小さな日記
今は幸せかい
小さなスナック
マサチューセッツ
白い恋人たち
恋はフェニックス
キサナドウの伝説
ミセス・ロビンソン
青春の光と影
すてきなヴァレリー

○アングラ曲がヒット-ザ・フォーク・クルセイダースの「帰って来たヨッパライ」、ザ・ダーツとザ・ジャイアンツの競作「ケメ子の唄」、高石友也の「受験生ブルース」、ザ・ズートルビーの「水虫の唄」など。

○グループ・サウンズ人気が続く。

○地名ブルースも人気-「伊勢崎町ブルース」「思案橋ブルース」など。

話題の映画(1968)

洋画
卒業
猿の惑星
続・夕陽のガンマン
2001年宇宙の旅
アンナ・カレーニナ
暗くなるまでまって
カスター将軍、華麗なる賭け
女体の神秘
ドリトル先生不思議な旅
俺たちに明日はない
ロミオとジュリエット
魚の出てきた日
質屋
異邦人
パリのめぐり逢い
白い恋人たち

邦画
山本五十六
博徒列伝
クレージー・メキシコ大作戦
空想天国
フレッシュマン若大将
侠客列伝
座頭市喧嘩太鼓
徳川女刑罰史
人生劇場・飛車角と吉良常
神々の深き欲望
肉弾
黒部の太陽

緋牡丹博徒

○ATGと独立プロなどとの提携作品が話題を集める-初恋・地獄編(羽仁プロ)、絞死刑(大島渚監督)、さらば夏の光(羽仁プロ)など。

○東映は好調なやくざ映画に“緋牡丹”シリーズを加え、藤純子を売り出す。

○ポルノ映画の第1号・西独映画「女体の神秘」が公開。「女の歓び」「完全なる結婚」などが続いて公開。日本のピンク映画も急増。

ベストセラー(1968)

人間革命(4)
民法入門
刑法入門
竜馬がゆく(1~5巻)
頭の体操(4)
どくとるマンボウ青春記
商法入門

道路交通法入門
Dの複合
労働法入門
こんな幹部は辞表を書け
不信のとき
歴史のパズル

○佐賀潜六法ブーム-民法入門、刑法入門、商法入門、道路交通法入門、税法入門を合わせて210万部以上の売れ行き。

○テレビ化された本がヒット-「竜馬がゆく」「不信のとき」「ふたりは二人」「積木の箱」など。

○“ゼンガクレンもの”相次ぐ-「全学連-その行動と理論」「学生運動-大学の改革か社会の変革か」「全学連-70年安保と学生運動」など。

話題のマンガ(1968)

○大人向け漫画・劇画雑誌台頭-「月刊漫画ゴラク」日本文芸社1月、

「月刊ビッグコミック」小学館4月、「月刊プレイコミック」秋田書店6月などが創刊。

○隔週刊誌「少年ジャンプ」集英社8月創刊。

○「少年」光文社3月、「少年ブック」集英社4月休刊。

○ちばてつやの「あしたのジョー」が少年マガジンに連載開始(1~'73.5)。

○貸本マンガに少女スリラー・妖怪ものがブーム。

○永井豪の「ハレンチ学園」が少年ジャンプに連載開始(8~'69.8)。子供たちにスカートめくりが流行し問題化。

○「ガロ」臨時増刊号「つげ義春特集」に「ねじ式」が掲載。

佐武と市捕物控(ビッグコミック)、無用之介(少年マガジン)、夕やけ番長(冒険王)、サインはV、アタックNo.1、ワイルドキャット、タイガーマスク

ファッション(1968)

○ミニ全盛、ミニから自由な丈に、サイケ爆発、エキゾッチックの全盛、カラーシャツ、メガネのアクセサリー化、マックスファクター「バザズ」キャンペーン。

○世界的に色傾向一致、ソフトな淡い色調と強い純色調。

○ミディ、マキシが登場。

○サイケ、ヒッピースタイルの一般化。

○男性タートルルック、カジュアルルック本格化。

○1930年のモード復活。

気象状況(1968)

○本州南岸沿いに台湾坊主が通過。全国的な雪。北九州では37年ぶり、東京は17年ぶりの大雪となる。西日本では風害で各地で大停電(2.15~16)。

○8月の九州を除いて、全国的に低温が続く(8~9)。

○台風7号が東シナ海で急に進路を変え、長崎県で多数の漁船が遭難(8.16)。その後、温帯低気圧となるが、低気圧からの寒冷前線により京都、岐阜、長野などで局地的な大雨。観光旅行中のバス15台の内2台が土砂崩れに巻込まれ飛騨川に転落、死者行方不明104名の大惨事(8.18)(飛騨川豪雨)。

○えびの地震が2月に続発。

○M7.9の十勝沖地震が発生。太平洋各地に津波がおしよせる(5.16)。

1967年(昭和42年)

経済白書 副題(1967)

能率と福祉の向上

経済概況(1967)

設備投資の著増、個人消費支出の堅調を背景に、輸入増、輸出不振で貿易収支が急速に悪化。後半から公定歩合引き上げ、財政繰り延べなど景気は短期的に調整局面を迎えた。

経済成長率 名目 17.2% 実質 11.1%
民間最終消費支出 名目 14.7% 実質 10.4%
民間企業設備投資 名目 31.6%  
輸出 名目 6.9%  
消費者物価    4.0%  

○輸出水準が100億ドル台を突破。

日本の広告費(電通調査)(1967)

  億円 対前年比(%)
総広告費 4,594 (119.9)
新聞 1,611 (120.5)
雑誌 255 (120.9)
ラジオ 195 (115.4)
テレビ 1,509 (121.0)
DM・屋外他 904 (117.4)
輸出 120 (123.7)

政治・経済・業界(1967)

○日銀は戦後初の国債の買オペ実施(2.2)。

○経済社会発展計画(42~46年度)を答申、年平均成長率8.2%(2.25)。

○閣議が42年税制改正要綱決定、減税初年度803億円、平年度940億円(3.27)。

×ケネディ・ラウンド妥結(5.15)。

×中東紛争勃発(6.5)。

○政府は資本取引自由化基本方針を決定(6.6)。

○政府は42年度米生産者価格の引き上げを決定(7.16)。

○日銀が6月の全国銀行貸出約定金利は1.997銭と戦後初めて2銭を割ったと発表(8.1)。

○公定歩合1厘引き上げ、窓口規制復活(9.1)。

○政府は消費者米価14.4%引き上げを決定(9.1)。

○政府は景気対策の一環として財政支出繰り延べを決定(9.5)。

○ポンドショックで東証一部旧ダウ開所以来の最大の暴落(11.20)。

○GNP、1,140億ドルで自由経済圏中第3位(12)。

マスコミ・広告・媒体(1967)

○“ラジオ受信料の無料”閣議決定(1)。

○化粧品工業会が広告自粛を審議(3)。

○東京キー局、カラーテレビ本放送開始、カラー化急速に進行(4)。

○参議院大蔵委員会で広告費課税論議(5)。

○日本ダイレクト・メール協会が発足(4)。

○公正取引委員会はレモン飲料広告に排除命令(5)。

○NHKがUHF局の実験結果を報告(7)。

○民放連がUHF免許に条件つきで賛成(8)。

○衆議院大蔵委税制小委員会で広告課税論質疑応答(10)。

○医療用薬品の大衆向け広告を禁止(10)。

○郵政省はテレビ局再免許で教育・教養番組比率の義務づけ強化(11)。

○東京12チャンネルは43年4月からカラー化決める(11)。

○NETはステブレ枠拡大を申し入れ(11)。

○フジテレビもステブレ枠拡大を申し入れ(12)。

○沖縄放送協会(OHK)、沖縄本島でのテレビ本放送を開始(12.22)。

媒体の発足(1967)

○「パンチoh!」平凡出版(4)。

○テレビ局数48局

○ラジオ局数48局

○創復刊誌109誌、休廃刊誌47誌

媒体普及率(1967)

テレビ契約数 19,246,542
ラジオ契約数 2,400,831

(NHK契約世帯数)

白黒テレビ普及率 96.2%<カラー 1.6%>
ラジオ普及率 74.7%

(消費動向調査)

○NHKテレビ契約2,000万突破

国内10大ニュース(1967)

○佐藤訪米(11.15共同声明)と小笠原返還協定

○羽田乱闘事件(10.8)

○初の革新都知事(美濃部)と共産党市長の実現

○総選挙(1.29)で多党化時代始まる

○吉田元首相死去、戦後初の国葬となる(10.20)

○交通死傷者、史上最高

○集中豪雨禍と西日本の干害

○資本自由化第一歩を踏み出す

○米価、公共料金の値上げ

○共和製糖事件(3.17)

海外10大ニュース(1967)

×中国劉少奇ら失脚、造反外交を展開

×中東6日戦争(6.5~10)、イスラエル電撃的勝利

×ポンド14.3%切下げ(11.18)

×ケネディ・ラウンド妥結(6.30)

×米海兵隊、南ベトナムのメコンデルタに初侵攻(1.6)

×欧州共同体(EC)発足(7.1)

×米デトロイトで史上最大の黒人暴動(7.23)

×東南アジア諸国連合(ASEAN)結成(8.8)

×米ワシントンで10万人のベトナム反戦集会(10.21)

×モントリオール万国博開催(4.27~10.29)

世相・風俗(1967)

○大型景気時代に入る(昭和元禄)。

○ミニスカート大流行。ツイッギーが来日(10)。

○グループサウンズブーム。ブルーコメッツのブルーシャトーがレコード大賞に。

○東京都知事に社共推薦の美濃部氏当選(4)。革新自治体の拡大始まる。乗用車保有台数1,000万台超える、都電大部分廃止、国鉄電車1万両超え世界一、イエイエ族、ゴーゴー喫茶、アングラ酒場盛況、新宿・アングラブーム、フーテン族、怪獣ブーム、ケロヨン大ヒット、サユリスト、サラ金ブームはしり、月賦旅行ブーム、スナックバー急増、中高年向け人材銀行開設、初の順法闘争、初の建国記念日

消費者・住民運動・公害(1967)

○公害対策基本法成立。

○経済白書、「公害の社会的費用」とりあげる。

○イタイイタイ病表面化。

○ポッカレモン不当表示排除命令。

○嘘つき商品クローズアップ。

時の商品・新製品(1967)

○世界最小のクロマトロン式マイクロカラ-テレビを開発。

○東洋工業が「コスモスポーツ」発売(5.30)。世界初のロータリーエンジン実用車。

○本田技研が軽乗用車「N360」発売(3.6)。

○トヨタ自動車がパブリカ系全車種を1万~3.5万円値下げ(5.4)。小型乗用車として初めて36万円を割る“1000ドルカー”が誕生。

○トヨタ自動車が最高級大型乗用車「センチュリー」を発表(9.25)。

○トヨタ自動車が月産8万台を達成(9)。うち3万台を「コロナ」が占める。

○日航世界一周線営業開始(3)。

×超音速旅客機コンコルド完成(12)。

○カセットテープレコーダー発売。

○日本電気がテレビ電話を発売。20回線で900万円(10)。

○ナショナル魔法瓶が花柄付きの卓上ポットを発売、ポットに花柄ブーム起こる(3)。

○サントリーがビン詰生ビール「純生」を発売(4.20)。

○ミツカンがドレッシング「フレンチ」を発売(4)。ドレッシングブームの引き金に。

○資生堂が男性用ブランド化粧品「MG5」のシリーズ商品を発売(8.1)。

○東京瓦斯がガス・セントラルヒーティングを発売(12.1)。

○クーラー、パンスト。

○タカラが「リカちゃん人形」を発売(7)。大人気となり着せ替え人形のトップに。

テレビCM(1967)

○自動車CM著増。トヨタ自動車・コロナ<ツイッギー>、カローラ<ウィリアム・テル>、日産自動車・サニー<おれの車>

○ネッスル日本《お早ようマギーです》、初の4媒体総合大型キャンペーン○実証型CM増加-ママレモン<汚れ落ち実験>、東芝クリーナー<吸塵力公開実験>

レナウン<イエイエ>、ブリヂストン<どこまでも行こう>

ハナマルキ味噌<おかあさ~ん>

クラレ・クラリーノ<あひるのダンス>

東京ガス<ガスを守る人々>

ネッスル日本・ネスカフェ<コーヒー飲みのコーヒー>

新聞広告(1967)

日本航空<音速出張>

森永製菓・エールチョコレート<大きいことはいいことだ>

ネッスル日本・マギースープ<お早よう、マギーです>

日本コカ・コーラ<コークと呼ぼうコカ・コーラ>

松下電工<1部屋、2あかり、3コンセント>

ハウス<今夜はあったかいシチューです>

丸井クレジット<Play Now!Pay Later!>

資生堂・MG5<1967年8月-MG5の新時代が始まる>

伊勢丹<どのくらい短くしますか-伊勢丹は2センチです>

キヤノンカメラ<明日、銀座から都電が姿を消す>

シャープICコンペット<ヒザの上にものるミニタイプですが>

東芝クリーナー<全国の奥さまに実証!>

話題のテレビ番組(1967)

○視聴率競争に伴い番組の類型化、娯楽化が進行。

○年齢別視聴番組の固定化。

○お色気番組増加-ミュージック・プレイメイト(CX)、ミッドナイトショー、風流寄席(NET)などが放送開始。

○青春ドラマ・ブーム-これが青春だ、あいつと私(NTV)、青春の条件、太陽のあいつ(TBS)、結婚志願(NET)、うちの大物(CX)など。

○ドラマ「意地悪ばあさん」(NTV系)放送開始(9.26)。吉田元首相の国葬の日も放送し人気となる。

○コメットさん、サザエさん、夫婦百景。

○昼のメロドラマ競争激化-午後1時台にフジテレビに続いて、人生相談ドラマ「あなたならどうする」(TBS)、歌謡メロドラマ「島倉千代子歌謡シリーズ」(NTV)が放送開始。

○子供向け番組では怪獣ブーム-キャプテン・ウルトラ(TBS)、マグマ大使(CX)、光速エスパー、怪獣ブースカ(NTV)、忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ(NET)など。

○イタリア製のネズミを主人公にした子供向け番組「トッポジージョ」(TBS)放送開始(3.7)。

○木馬座アワ-(NTV)。

○コント55号など出演の「お昼のゴールデンショー」(CX)放送開始(4.1)。

○ニュースキャスター定着。

○報道番組「ハノイ-田英夫の証言」(TBS)放送-北ベトナムの表情を「微笑を浮かべて戦っていた」と報告、論議を呼ぶ(10.30)。

○インテルサット商用化で海外中継番組さかん。

○主な外国ドラマ-スパイ大作戦(CX)(4.8~'73.9.27)、インベーダー(NET)(10.4~'68.3.27)、ザ・モンキーズ(TBS)、グリーン・ホーネット(NTV)、ターザン(NET)など。

NHK(1967)

《旅路》45.8%〈みだれがみ〉19.1%

○放浪記。

○三姉妹。

○SFドラマ「タイムトンネル」放送開始(4.8)。

○NHKでも青春ドラマ・ブーム-太郎、青春気流など。

流行語(1967)

中流意識、戦無派、大きいことはいいことだ、昭和元禄、蒸発、核家族、マイカー族、ムチウチ症、フーテン、ヒッピー、ホット、クール、ハプニング、未来学、マクルーハン理論、エスカレーション、都の掃除人になりたい、嘘つき商品、対話、ガバチョ、ボイン、ハイミス、バハハーイ、ケロヨーン、フリーセックス、星の王子さま、ヤマトダマシイ

流行歌(1967)

レコード大賞:ジャッキー吉川とブルーコメッツ<ブルーシャトー>

新人賞:永井秀和 恋人と呼んでみたい、相良直美 世界は二人のために

小指の思い出
夜霧よ今夜も有難う
君こそわが命
新宿ブルース
ブルー・シャトウ
世界は二人のために
知りたくないの
こまっちゃうナ
小樽のひとよ
帰ってきたヨッパライ
銀色の道
花はおそかった
真赤な太陽
モナリザの微笑
虹色の湖
霧の摩周湖
いっぽんどっこの歌
霧のかなたに
恋のフーガ
渚のセニョリーナ
レッツゴー運命
ラブユー東京
ハートに灯をつけて
ダンス天国
恋はみずいろ
ビートでジャンプ
ホリディ
悲しみのジェット・プレーン
青い影

○グループ・サウンズブーム盛り上がる-ブルーコメッツの「ブルー・シシャトー」が大ヒット、タイガースが「僕のマリー」でデビュー、テンプターズの「忘れ得ぬ君」、カーナビーツの「好きさ好きさ好きさ」、ヴィレッジ・シンガースの「バラ色の雲」など次々とヒット。

○ジョーン・バエズの来日、森山良子の「この広い野原いっぱい」、フォーク・クルセイダースの「帰ってきたヨッパライ」のヒットなどでフォークソングの人気が広がる。

話題の映画(1967)

洋画
007は二度死ぬ
グラン・プリ
戦争と平和・完結編
プロフェッショナル
風と共に去りぬ
夕陽のガンマン
おしゃれ泥棒
続・荒野の七人
パリは燃えているか
続黄金の七人・レインボー作戦
アルジェの戦い
欲望
気狂いピエロ
昼顔
冒険者たち
夜の大捜査線

邦画
日本のいちばん長い日
クレージー・黄金作戦
クレージーの怪盗ジバゴ
レッツゴー!若大将
ゴー!ゴー!若大将
日本一の男の中の男
クレージーだよ 天下無敵
あゝ同期の桜
座頭市血煙り街道
上意討ち
人間蒸発
乱れ雲
華岡青洲の妻
伊豆の踊り子
日本春歌考

○マカロニ・ウエスタンが爆発的ブーム-夕陽のガンマン、続・荒野の七人がヒット。その他にもマカロニ・ウエスタンの公開相次ぐ。

○怪獣映画相次ぐ-「ガメラ対ギャオス」「サイボーグ 009怪獣大戦争」「マグマ大使」「大巨獣ガッパ」など。

ベストセラー(1967)

頭の体操(1)
人間革命(3)
頭の体操(2)
華岡青洲の妻
英単語記憶術
姓名判断
捨てて勝つ
徳川の夫人たち
道をひらく
まぼろしの邪馬台国
マクルーハンの世界
ベートーヴェン1

○明治百年を記念する本の出版が相次ぐ。

○詩の全集ブーム-'66年11月の「日本詩人全集」新潮社の刊行がきっかけとなり、「カラー版世界の詩集」角川書店など相次ぐ。

○実用書シリーズの出版も活発-「文芸実用百科シリーズ」文藝春秋社、「実用百科事典」主婦の友社、「現代ホーム百科」主婦と生活社など。

話題のマンガ(1967)

○「COM」創刊、手塚治虫の「火の鳥」、石森章太郎の「ジュン」が連載開始(1)。永島慎二の「フーテン」も連載。

○週刊漫画アクション(双葉社)(8)、月刊ヤングコミック(少年画報社)(9)が創刊。

○田河水泡の「のらくろ漫画全集」出版(3)。

○赤塚不二雄の「天才バカボン」が少年マガジンに連載開始(4)。

○里中満智子の「ナナとリリ」が少女フレンドに連載開始(5)。

柔道一直線(少年キング)、夕やけ番長(冒険王)、田舎っぺ大将(小学五年生)、もーれつア太郎(少年サンデー)、無用之介(少年マガジン)、パーマン(少年サンデー)、ゲゲゲの鬼太郎(少年マガジン)、どろろ、悪魔くん、ジュン

ファッション(1967)

○モッズルック流行、男性ファッションにピーコック革命、光の素材、メキシカン・ルック、ツイッギー来日、ミニスカートの大流行でパンスト躍進、プレタポルテ全盛時代へ、素材の高級化。

○オパーリンカラーとショックカラー。

気象状況(1967)

○北陸を中心に日本海側で「38豪雪」以来の大雪。奄美大島にも降雪。太平洋側では雨無しで寒風が吹き“東京さばく”などと騒がれる(1)。

○西日本を中心に干ばつ(5~10)。農産物被害618億円、武雄市、牛深市などで完全断水となる。

○梅雨は“入り”が全般に10日ほど遅れ、“あけ”は平年並みで、7月に入り陽性の梅雨となる。

○梅雨前線と台風7号くずれの温帯低気圧により長崎、広島、兵庫を中心に西日本で死者行方不明118人をだす豪雨(昭和42年7月豪雨7.7~10)。

○東京の真夏日が26日続く(8)。

○秋冷前線上の低気圧により新潟県北部と山形県の一部で豪雨。中小河川で土石流が発生、138人の死者行方不明をだす(羽越豪雨8.28~29)。

○季節はずれの台風34号が伊良湖岬から東日本を縦断。長野・群馬の山岳部から奥秩父一帯で降雪(10.28~29)。

1966年(昭和41年)

経済白書 副題(1966)

持続的成長への道

経済概況(1966)

輸出好調、財政支出増大にささえられて在庫調整が進み、生産、出荷の増加が続いた。設備投資もようやく上向きに転じ、景気は「いざなぎ景気」といわれる上昇過程にはいった。

経済成長率 名目 16.1% 実質 10.2%
民間最終消費支出 名目 15.1% 実質 10.0%
民間企業設備投資 名目 17.2%  
輸出 名目 16.8%  
消費者物価    5.1%  

○全国百貨店販売1兆円台に乗せる。

日本の広告費(電通調査)(1966)

  億円 対前年比(%)
総広告費 3,831 (111.4)
新聞 1,337 (108.4)
雑誌 211 (109.9)
ラジオ 169 (105.0)
テレビ 1,247 (112.3)
DM・屋外他 770 (117.6)
輸出 97 (109.0)

政治・経済・業界(1966)

○運輸省が私鉄運賃の値上げを認可、平均20.2%(1.11)。

○戦後初の国債700億円発行(1.28)。

○東証旧ダウ2年7カ月ぶりに1,500円台回復(2.8)。

○日銀、金融調節に市場価格による政保債買切りオペの採用決定(2.11)。

○大蔵省が40年度の通関実績を発表、輸出の好調から戦後初の輸出超過を記録(4.5)。

○日産自動車とプリンス自動車工業の合併契約調印(4)。

○経済審議会が中期計画に代わる'67年度から5年間の新長期計画の作成に着手(5.28)。

○輸銀が米州開銀と36億円の円借款供与契約、国際金融機関へ初の円供与(6.27)。

○東京新国際空港の建設予定地が成田市三里塚に決定(7)。

○日銀は景気が回復過程から上昇期に移ったと判断(8.22)。

○東京・大阪取引所、戦後初めて国債を上場(10.1)。

○アジア開発銀行設立(11.24)。

○郵便貯金3兆円超す(12.13)。

○衆議院、黒い霧解散(12.27)。

マスコミ・広告・媒体(1966)

○有力新聞の新年号は44ページに及ぶものがあり広告面も60%を超す。雑誌の新年号の売れ行きも好調で、幼少年もの約1,000万部、婦人もの4誌で400万部(1)。

○民放連ラジオ強化委員会発足(1)。

○カラーテレビ中継回線網拡大。NHK、民放連がメーカーと協力してカラー受像機の普及に乗り出す(3)。

○公正取引委員会は取引部に“景品表示課”を新設し不当景品の取り締まりに乗り出す(3)。

○日本テレビ系19社を結ぶテレビニュース・ネットワークNNN結成(4.1)。

○東京12チャンネルが経営再建のため放送時間大幅短縮、大幅合理化実施(4)。

○郵政省は第三種扱いの広告規制を全紙面の50%までと決定(6)。

○婦人雑誌の大型化と広告料値上げ続出(7)。

○大手新聞社の入社試験に「物価と広告」問題続出。

○日経はじめ有力紙に全面記事広告続出(8)。

○各新聞の案内広告激増、そのなかで不動産業者のものは厳選(9)。

○日米間テレビ中継実験、両国で受信に成功(10)。

○フジテレビ系のFNNニュースネットワークが発足(10.3)。

媒体の発足(1966)

○「週刊プレイボーイ」集英社(10)、「月刊現代」講談社(12)、「話の特集」話の特集編集室(2)。

○婦人倶楽部、他誌にさきがけワイド化。

○テレビ局数48局

○ラジオ局数48局

○創復刊誌134誌、休廃刊誌41誌

媒体普及率(1966)

テレビ契約数 18,224,213
ラジオ契約数 2,361,046

(NHK契約世帯数)

白黒テレビ普及率 94.4%<カラー 0.3%>
ラジオ普及率

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1966)

○航空大惨事の続発(2.4全日空、3.4カナダ航空、3.5BOAC、11.13全日空)

○“黒い霧”と政局不安で解散

○交通戦争の死者、史上最高

○千葉大集団チフス事件

○早大の学園紛争

○松代の群発地震

○国債発行と景気回復

○台風、各地に暴威

○国産大型ロケット打上げ

○札幌の冬季オリンピック開催決まる

海外10大ニュース(1966)

×中国、文化大革命と紅衛兵運動の嵐(8.18)

×北爆激化、北ベトナムの徹底抗戦表明

×インドネシア、スハルト体制確立(3.11)、国連復帰(9.28)

×中ソ関係最悪段階に

×ソ連共産党に書記長制が13年ぶりに復活、ブレジネフが就任(4.8)

×ハバナで3大陸人民連帯会議(1.3)

×ソ連の無人月探査機が月に軟着陸(2.3)、米の無人探査機も軟着陸(6.2)

×ガーナで軍事クーデター(2.24)

×仏、NATO軍脱退(7.1)

×世界で2人目の女性首相、インディラ・ガンジーがインド首相に(1.19)

世相・風俗(1966)

○景気回復、いざなぎ景気始まる。

○航空機事故が相次ぐ-全日空ボーイング727型機が東京湾に墜落し133人全員死亡(2.4)。カナダ航空機が濃霧のため羽田空港の防潮堤に激突炎上し死者64人(3.4)。英国航空機が富士山付近に墜落し124人全員死亡(3.5)。全日空YS11が松山空港沖に墜落し50人全員死亡(11.13)。

○NHK朝の連続ドラマ「おはなはん」が茶の間を独占。平均視聴率50%を記録し、朝8時15分になると水道メーターが急降下するという減少まで生んだ。

○自動販売機の普及で百円玉が不足、銀行でもストックが底をつく(5)。戦後最高の倒産件数、「ひのえうま」で今世紀最少の出生数、総人口1億突破、百円札廃止、原宿族、敬老の日・体育の日制定、クイズブーム本格化、外米の自由販売開始(12)、古都保存法施行(4)、代議士ソング、都立高校入試に学校群制度、ラボ教育、前田美波里のポスターに人気、東京・三宅坂に国立劇場開場(11)、ビートルズ来日(6)、総評のベトナム反戦統一スト(10)

消費者・住民運動・公害(1966)

○ユリア樹脂食器問題。

○医療品広告に対する批判と規制の動き。

○有害ヘアスプレー製造停止。

○全国で物価メーデー。

時の商品・新製品(1966)

○新三種の神器(3C)-カラーテレビ、カー、クーラー(カラーTV13万5千円)。

○人工皮革のくつ、小型電子計算機、“使い捨て時代”へ(ティッシュ・ペーパー等)、トヨタ・日産がレンタカーに進出、JALパック。

○「ヤマハメイト50」発売。女性がバイクに乗るきっかけとなる。

○サンヨー食品が即席めん「サッポロ一番」を発売(1)。9月には明星食品の「チャルメラ」も発売される。この年、インスタントラーメンが28万食出回る。

○ライオン油脂(現・ライオン)、「エメロン化粧石鹸」を発売。

○東京都北区にコインランドリーの第1号登場(5)。

○資生堂、サマー化粧品「ビューティーケイク」を発売(5)。モデルの前田美波里のポスターが話題となる。

○トヨタ自動車が「コロナ」系全車種のフロントウインドに日本初のワイド強化ガラスを採用(8)。

○豊年リーバ(現・日本リーバ)、純植物性マーガリン「ラーマ」発売(9)。

○ライオン油脂が「ママレモン」を発売(10.3)。以後レモンタイプの台所用洗剤が流行。

○こげつかないテフロン加工(フッソ樹脂加工)の鍋やフライパンが登場(10)。○早川電機(現・シャープ)がターンテーブル式電子レンジを発売(12)。価格は大卒初任給の4倍の19万8,000円。

テレビCM(1966)

○日本テレビが世界初のカラースポットCMの放送開始(3.6)。最初のスポンサーは日立製作所。

○ナンセンスCM盛ん-キンチョール<私ってダメね>桜井センリ、明治ポリック<水虫出たぞ>、桃屋・花らっきょう<クレオパトラ>

レナウン<シリーズ肌着>青島幸男

三洋電機・サンヨーカラーテレビ<うちのテレビにゃ色がない>

トヨタ自動車<カローラは豹>

花王石鹸・ワンダフルK<油に強い>

資生堂・サンオイル・サンスクリーン<フン ナニサ イーダ>前田美波里

新聞広告(1966)

資生堂<太陽に愛されよう>

トヨタ自動車<ファミリーカーのトヨタと呼んで下さい>

ブリヂストンタイヤ<2キロに1店ブリヂストン>

日本航空<早朝会議にきょうでかけます>

伊勢丹<縞は三歳トクをする>

話題のテレビ番組(1966)

○映画スタ-のテレビ出演解禁。

○朝日新聞1,000万円懸賞小説当選作のドラマ化「氷点」(NET)放送開始1.23)。

○社会派ドラマ「若者たち」(CX)放送開始(2.7~9.30)。

○長寿番組「銭形平次」(CX)放送開始(5.4~'84.4)。

○真田幸村(TBS)。

○ザ・ガードマン(TBS)。

○子供番組に脚光-特撮怪獣ものの「ウルトラQ」(TBS)(1.2~7.3)(以後'75.3までウルトラマンシリーズ続く)、おそ松くん(NET)(2.5~'67.3.25)、ハリスの旋風(CX)(5)、ウルトラマン(TBS)(7.10)、魔法使いサリー(NET)(12)などが放送開始。

○幼児番組「木馬座アワー」(NTV)放送開始(11.21)。

○日本テレビが「ザ・ビートルズ日本公演」を日本武道館からテレビ中継

(6.30)(56.5%)。

○寄席番組ラッシュ。落語家のタレント化が盛んとなり、「トリオ・ザ・パンチ」などのコミック・トリオも人気を集める-「金曜寄席」(のちの笑点)(NTV)放送開始(5.15)。テレビ寄席、テレビ演芸場(NET)、お笑いタッグ・マッチ、日曜お好み寄席(CX)などが放映。

○ニュースショー番組が人気-おはようにっぽん(人形のトッポジージョに人気)、ヤング720(TBS)、ウィークエンド・ショー(NET)、日曜スタジオおはよう九時です(CX)などが放送開始。

○主な外国テレビ映画-奥さまは魔女、宇宙家族ロビンソン(TBS)、ハニーにおまかせ、かわいい魔女ジニー(NET)、バットマン、わんぱくフリッパー(CX)、ラット・パトロール(NTV)など。

NHK(1966)

《おはなはん》45.8%〈源義経〉23.5%

○日本全国各地を回って、各地のお国自慢を紹介する公開生中継番組「ふるさとの歌まつり」放送開始(4.7~'74.3.28)。

○「アンディ・ウィリアムズ・ショー」放送開始(1.23~'68.4.21)。

○「サンダーバード」放送開始(4.10)。

○連続テレビ小説「おはなはん」、視聴者の要望により再々放送(特集)の時間帯を特設(7.3)。

○「アルプスを行く皆さん」で全国初の山の天気予報放送を開始(NHK長野)(7.1)。

流行語(1966)

黒い霧、マッチ・ポンプ、核の傘、エリを正す、過疎、物価戦争、三食昼寝付き、生活かかっちゃってっからね、新三種の神器(3C)、人材銀行、世の中まちがってるよ、いろいろあらァな、びっくりしたなーもう、シビレちゃった、ダヨーン、ドッタのー、ボクァしあわせだなァー、教育パパ、ハイドロ・プレーニング、大河マンガ、今週のハイライト!

流行歌(1966)

レコ-ド大賞:橋幸夫<霧氷>

新人賞:荒木一郎 空に星があるように、加藤登紀子 赤い風船

君といつまでも
骨まで愛して
バラが咲いた
悲しい酒
星のフラメンコ
霧氷
こまっちゃうな
夢は夜ひらく
唐獅子牡丹
霧の摩周湖
いい湯だな
柳ケ瀬ブルース
お嫁においで
逢いたくて逢いたくて
星影のワルツ
恍惚のブルース
この胸のときめきを
男と女
アイ・アム・ア・ロック
思い出のグリーングラス

○ビートルズが来日(6.29)。日本武道館で5回の公演(6.30~7.2)。熱狂的なビートルズブームが巻き起こる。

○ビートルズの来日をきっかけに、グループ・サウンズブームが起きる-ブルーコメッツ、ザ・スパイダース結成。秋にスパイダースの「夕陽が泣いている」がヒット。ワイルド・ワンズも「思い出の渚」でデヒュー(11)。

○第1次フォークソングブーム-反戦フォークソング流行。「花はどこへいった」などのアメリカのフォークソングが大学生の間で静かに流行。マイク真木の「バラが咲いた」(和製フォーク第1号)もヒット。

○加山雄三の「君といつまでも」がセリフと鼻をかくしぐさで話題となりヒット。続く「お嫁においで」もヒット。

○ハスキーボイスのデビュー-森進一が「女のためいき」でデビュー、青江三奈も「恍惚のブルース」でデビュー(ともに6月)。

話題の映画(1966)

洋画
天地創造
戦争と平和
007/サンダーボール作戦
メリー・ポピンズ
バルジ大作戦
グレート・レース
ネバダ・スミス
テレマークの要塞
ドクトル・ジバゴ
巨大なる戦場
砦の29人
大地のうた
市民ケーン
幸福
奇跡の丘
男と女
野性のエルザ

邦画
網走番外地・大雪原の対決
絶唱
網走番外地・南国の対決
アルプスの若大将
愛と死の記録
クレージーだよ奇想天外
網走番外地 荒野の対決
クレージー大作戦
関東三兄弟
無責任清水港
白い巨頭
エロ事師たち
紀ノ川
湖の琴
他人の顔
氷点
けんかえれじい

○洋画の大作攻勢に伴い、高額の宣伝費を使ったり、キャンペーンのため大者俳優や監督などの来日が相次ぐ。

○ディズニー映画製作者のウォルト・ディズニーが死去(12.15)。

○黒沢映画「用心棒」の盗作として話題にもなった、マカロニ・ウエスタンのはしり「荒野の用心棒」がヒット。

ベストセラー(1966)

人間革命(2)
人間への復帰
氷点
へんな本
海軍主計大尉 小泉信吉
私をささえた一言
家庭革命
五味マージャン教室
山本五十六
天皇ヒロヒト
戦争と平和
三国志1
おはなはん

○全集ブーム-「カラー版 世界文学全集」河出書房新社、「世界文学全集」筑摩書房、「世界の名著」中央公論社、「現代日本文学館」文藝春秋社、「日本文学全集」集英社などが相次いで刊行される。

○海軍ものがヒット-「海軍主計大尉小泉信吉」「戦艦武蔵」「あゝ同期の桜-かえらざる青春の手記」などの他、写真集「学徒出陣-海軍予備学生の記録」などがヒット。

話題のマンガ(1966)

○子供マンガ雑誌ブーム、少年マガジン、少年サンデーが100万部突破。

○新書判コミックブーム-「サンコミックス」朝日ソノラマ、「ゴールデン・コミックス」小学館、「サンデー・コミックス」秋田書店などが発刊。連載マンガが単行本化される。

○貸本屋向け雑誌「影」日の丸文庫が、120号で廃刊(9)。

○長谷川町子の「意地悪ばあさん」がサンデー毎日に連載開始(1)。

○“スポコン”マンガの火つけ役「巨人の星」が少年マガジンに連載開始(5~'71.1)。

○白土三平の「忍者武芸帳」が小学館から発刊。小学生からサラリーマンにまで人気を集める。

ワタリ、ヘビ少女、パットマン

ファッション(1966)

○クレージュ旋風、オプティカルモード、タートル・ルック、カルダン紳士服。

○ビビッド・トーン寒色系。

○ミニスカートが若い女性の間に着実に広まる。

○グループ・サウンズの人気とともに、ミリタリー・ルックが流行。

気象状況(1966)

○5月18日 関東~甲信 凍霜害 被害面積17,369ha。

○台風4号が太平洋岸を通過、停滞中の梅雨前線を刺激し、中部~北海道で死者64人、床上・床下浸水128,041棟などの被害を出す(6.27~29)。

○台風24号が九州南部に接近、秋雨前線を刺激し九州から関東で大雨となる。続けて台風26号が御前崎に上陸、三陸沖に抜ける。山梨を中心に全国で死者行方不明者318人、住家の全・半壊73,166棟などの被害(9.24~25)。

○松代群発地震続く。'65年8月からこの年末までに5万回以上の有感地震。

1965年(昭和40年)

経済白書 副題(1965)

安定成長の課題

経済概況(1965)

再三にわたる公定歩合の引き下げ、公債発行を伴う財政面からの刺激策によって景気は年末に停滞を脱した。が、暦年の実質経済成長率は5%以下に落ちこみ、倒産もふえた。

経済成長率 名目 11.3% 実質 5.7%
民間最終消費支出 名目 13.0% 実質 5.8%
民間企業設備投資 名目 -4.8%  
輸出 名目 23.2%  
消費者物価    6.6%  

○山陽特殊製鋼が倒産、企業倒産6,141件と急増。

日本の広告費(電通調査)(1965)

  億円 対前年比(%)
総広告費 3,440 (98.5)
新聞 1,233 (95.1)
雑誌 192 (98.5)
ラジオ 161 (94.7)
テレビ 1,110 (102.7)
DM・屋外他 655 (99.1)
輸出 89 (102.3)

○総広告費、初めて前年比マイナスに。

政治・経済・業界(1965)

○日銀が公定歩合1厘引き下げ(1.9)。

×NY株式、900ドルを突破(1.28)。

○山陽特殊製鋼倒産、戦後最大の倒産(3.6)、負債総額480億円。

○日銀が公定歩合1厘引き下げ(4.3)。

○東証旧ダウ、35年9月以来4年ぶりに1,200円の大台を割る(4.3)。

○政府が中期経済計画を決定、40~43年実質成長率7.5%(5.22)。

○日銀が再建はかる山一証券に特別融資を決定(5.28)。

○公共事業費等1,000億円繰り上げ支出きまる(6.23)。

○日銀が公定歩合1厘引き下げ、金融緩和進む(6.26)。

○財政投融資計画1,200億円追加きまる(7.27)。

○政府が完成自動車などを自由化、自由化率は93%へ(10.1)。

○政府が消費者米価、国鉄運賃、郵便料金値上げ方針を決定(11.12)。

○閣議で財政処理のため国債発行を決定(戦後初の赤字国債)(11.19)。

○日韓条約、激しい反対運動の中で強行採決。

○いざなぎ景気('65.11~'70.7)。

マスコミ・広告・媒体(1965)

○放送番組向上委設置(1)。

○朝日新聞500万部突破-539万297部(1)。

○朝日・毎日・日経・産経各新聞、第1、第3日曜日の夕刊廃止、地方4紙も同調、前年から日曜夕刊全廃の地方新聞25紙(2)。

○アンプル入り風邪薬の中毒事件、広告自粛(2)。

○化粧品工業連合会、懸賞広告の賞金を自制し、過当競争の自粛申合わせ(3)。

○全国新聞社のほとんど全部が4月から日曜夕刊廃止実行。

○不当景品類防止法実施(5)。

○JRN及びNRNラジオネットワーク発足(5)。

○10月から自由化実施の決まった自動車の広告が各媒体を通じて増加(8)。

○TBS、Aタイムのテレビ5秒スポット中止(10)。

○通産省、広告代理業の実態調査結果発表(12)。

媒体の発足(1965)

○「宝石」光文社(10)。

○テレビ局数48局

○ラジオ局数48局

○創復刊誌61誌、休廃刊誌58誌

媒体普及率(1965)

テレビ契約数 17,132,090
ラジオ契約数 2,746,488

(NHK契約世帯数)

テレビ普及率 90.0%
ラジオ普及率

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1965)

○日韓条約の成立(12.18)

○朝永振一郎氏、ノーベル物理学賞受賞

○吉展ちゃん事件解決(7.3)

○山陽特殊製鋼倒産(3.6)と山一証券への特別融資(5.28)

○都議会解散と社会党第一党

○ILO条約の承認成立(5.17)

○河野、池田、河上氏らの死去

○公共料金、諸物価の値上げ

○佐藤首相訪米(1.13)と沖縄訪問(8.19)

○万国博の大阪開催決定(9.13)

海外10大ニュース(1965)

×米が北爆開始(2.7)、ベトナム戦争激化

×インドネシアにクーデター、9.30事件、スカルノ失脚

×ソ連、人類初の宇宙遊泳(3.18)

×カシミールで印パ紛争(9.1)

×ローデシアの独立宣言、国連安保理は非承認

×シンガポールがマレーシアから分離独立(8.9)

×中国で文化大革命始まる(11.10)

×アメリカ宇宙船もランデブーに成功(12.15)

×インドネシア、国際連合を脱退(1.21)

世相・風俗(1965)

○高まる海外旅行熱、ジャルパック発売(1)。

○アイビー・スタイルが高校生から大学生の間に流行。

○エレキギターブームおこる-日劇ウエスタン・カーニバル超満員。テレビのエレキ番組、エレキパーティ盛ん。エレキギターが大量に売れる。

○「11PM」放送開始(11)。ナイトショーの始まり、タイツ姿のカバーガールが新鮮。

総人口9,828万で世界第7位(国勢調査)、大学生100万人突破(進学率25%、私大72%)、過密都市問題が表面化、名神高速道路全通(7)、赤いダイヤブーム、レーシングカー大流行、釣り堀流行、007ブーム、モンキーダンス流行、やくざ映画・ピンク映画氾濫、深夜映画興業定着、日活「黒い雪」押収サッカーの人気上昇、明治村設立(3)、教科書裁判、第1回プロ野球ドラフト会議開催(11.17)、シンザン五冠馬、中教審「期待される人現像」に賛否両論、「ベトナムに平和を!市民文化団体連合(ベ平連)」主催のデモ行進(4)

消費者・住民運動・公害(1965)

○新潟水俣病新聞報道。

○四日市で公害病患者認定。

○夢の島ハエ大発生。

○アンプル入り風邪薬中毒死多発。

○ベ平連、初のデモ('67年、ニューヨーク・タイムズに全頁意見広告)。

○経企庁に国民生活局設置。

○地方に消費生活センター2カ所誕生。

時の商品・新製品(1965)

○戦後ベビーブーム世代がハイティーンに成長。10代の三種の神器は、エレキギター、レコード、テープレコーダー。この他、ステレオ、トランジスタラジオや、アサヒペンタックス、セイコースポーツダイバー、トヨタスポーツ800なども注目を集める。

○プリンス自動車が「スカイライン2000GT」発売(2)。

○アイワがわが国初のコンパクトカセットレコーダーを発売(4)。

○帝人が膝上10cmのスカート「テイジンエル」を発売(8.11)。国内におけるミニスカートの始まり。

○わが国初のカラー百科事典刊行(小学館)、電気冷蔵庫のアートドア流行。

○国鉄みどりの窓口開設(9.24)。

○電子複写機。

○日本航空が「ジャルパック」発売(1.20)。海外旅行の大衆化が始まる。

○サッポロビールが「サッポロストライク」(ビン入り334ml)発売(3)。ビンの王冠を指で押し上げるプルトップ式第1号。

○大塚製薬が炭酸入り滋養強壮ドリンク「オロナミンC」発売(4)。

○トヨタ自動車がわが国初のハードトップタイプ「コロナ・ハードトップ」発売(6.26)。

○フジカシングル8発売。

○家庭用電子レンジ発売。

○ニッカウヰスキーがわが国初の1,000円ウィスキー「ブラックニッカ」を発売(9)。大ヒット。

○ポッカレモン発売。

テレビCM(1965)

○CMソング、この頃から退潮、CMの背景音楽となり独立性失なう。

レナウン<ワンサカ娘>シルビー・バルタン歌

フジカシングル8<ワタシニモ、ウツセマス>扇千景

資生堂<MG5>シリーズ

資生堂・メイクアップ・キャンペーン<チェリーピンク>

ライオン油脂・ダッシュ<ヘイ、ミスター、ダッシュ>

武田薬品工業・アリナミンA<飲んでますか>三船敏郎

大正製薬・リポビタンD<ファイトでいこう>王貞治

新聞広告(1965)

森永クリープ<コーヒー・アンド・クリープ>

第一製薬トランコパール<不定愁訴>

日本航空<日航機で行く海外旅行ジャルパック会員募集>

全日空・ボーイング727就航<真昼の星をお目にかけましょう->

銀座松屋<ワーゲンのあるバーゲン>

ヤマハ<ド・レ・ミはイ・ロ・ハと同じです>

生命保険協会<オネダリに答えるだけが よいパパだろうか>

ワコール・タミーガードル<おなか ひっこむ>

富士ジューサー<にんじんぎらいのやせっぽちをなくしましょう>

話題のテレビ番組(1965)

○ワイドショー続出-「奥様スタジオ-小川宏ショー(CX)(5.1)、「ただいま正午アフタヌーンショー」(NET)(4.5)、「おはよう!子どもショー」。

○視聴者参加番組(白痴番組との批判も起こる)-踊って歌って大合戦(NTV系)(4.2)、ちびっ子のどじまん(CX系)(7.27)、そっくりショー(NTV系)、プロポーズ大作戦(YTV系)、アベック歌合戦(NTV系)、勝ち抜きエレキ合戦、腹のたつものやってこいなど。

○ベトナム報道相次ぐ-ベトコンとともに-W・バーチェットの記録(TBS)(2.18)、開高健の“ずばりベトナム”(12ch)(2.25)、ベトナムレポート-サイゴンの不安(CX)(7.12)など。

○また、日本テレビの「ノンフィクション劇場-ベトナム海兵大隊戦記」3部作の第1部を放送(5.9)、生首シーンが問題となり、第2部以降を放送中止。論議を呼ぶ。

○東京12chが徹夜討論番組「戦争と平和を考える集会」を放送(8.14~15)。第1部が終わり第2部に入った午前4時過ぎ、突如番組打切りとなる。

○青春学園ドラマ「青春とは何だ」(NTV)放送開始。大河ドラマに肉薄。

○「スーパージェッター」(TBS)放送開始(1.6)(テレビまんがの商品化話題となる)。

○生活ギャグマンガ-オバケのQ太郎(TBS)放送開始(8.22~'68.3.26)。

○初のカラーアニメ「ジャングル大帝」(CX)放送開始(10.6)。

○「アッちゃん」(NTV)放送開始(1.12)。

○江利チエミ主演のホームコメディ「サザエさん」(TBS)放送開始(11)。

○深夜ワイドショー「11PM」(NTV)放送開始(11.8~'90.3)。

○夜8時台のワイド歌謡番組「歌謡曲ベストテン」(TBS)放送開始(10.5)(ベストテン番組の初め、'67.4「歌のグランプリ」と改題)。

○プロレス中継51.2%。

○愛染かつら(CX)、源氏物語(NET)。

○主な外国テレビ映画-新ヒッチコック・シリーズ、マンスターズ(CX)、頭上の敵機、バークレー牧場(NET)、0011/ナポレオン・ソロ(NT)、ペイトン・プレイス物語(NET)、F・B・I(TBS)など。

NHK(1965)

《たまゆら》33.6%〈太閤記〉31.2%

○NHKでもベトナム報道相次ぐ-「ベトナム中部戦線の表情-前線基地 デュコー」(3.25)、「ベトナム報告」(12.21)など。

○「スタジオ102」放送開始(4.5)。

流行語(1965)

明治百年、戦後二十年、ベ平連、夢の島、宇宙遊泳、期待される人間像、国定メニュー、ジャルパック、ワタシニモウツセマス、ティーチ・イン、T・P・ O、○○人間(マジメ人間)、ブルーフィルム、これはエライことですョ、やったるで、シゴキ、根性、メンドー見きれねーなー、タンパク質が足りないよ、中味が濃いからね、指圧の心は母心……、猛妻

流行歌(1965)

レコード大賞:美空ひばり<柔>

新人賞:バーブ佐竹 女心の唄、田代美代子 愛して愛して愛しちゃったのよ

ワン・レイニーナイト・イン・トーキョー
網走番外地
さよならはダンスの後に
愛して愛して愛しちゃったのよ

松の木小唄
涙の連絡船
知りたくないの
赤坂の夜は更けて
女心の唄
学生時代
女ひとり
ヘルプ
10番街の殺人
サティスファクション
夢みるシャンソン人形
マイ・ガール
悲しき願い
ストップ・イン・ザ・ネーム・オブ・ラブ
好きさ好きさ好きさ
蜜の味

○ビートルズ旋風-すてきなダンス、のっぽのサリー、ミスター・ムーンライト、涙の乗車券、ヘルプ!などのシングルを相次いでリリース。ヒットチャートを賑わせる。

○ベンチャーズ来日(1)。エレキブームとモンキー・ダンスが広がる。

○オデッタ(5)、ブラザース・フォア(9)、キングストン・トリオ(10)などの来日に刺激をうけ、大学生にフォークグループの結成が相次ぐ。

○アート・ブレイキー(1)、シルヴィ・バルタン(5)、ジリオラ・チンクエッティ(5)、アニマルズ(6)などが来日。

話題の映画(1965)

洋画
007/ゴールドフィンガー
マイ・フェア・レディ
サウンド・オブ・ミュージック
わんわん物語
シャイアン
大列車作戦
サーカスの世界
8 1/2
明日に生きる
素晴らしきヒコーキ野郎
コレクター

邦画
東京オリンピック
赤ひげ
網走番外地・北海篇
日本侠客伝
関東果し状
網走番外地・望郷篇
日本侠客伝・関東篇
続・網走番外地
怪談
にっぽん泥棒物語
兵隊やくざ
けものみち
霧の旗

○邦画界の不振が続く。東映は娯楽路線としてやくざ路線に力を注ぐ-網走番外地(シリーズ化)、花と竜、血と掟、日本侠客伝など。

○外国映画の日本映画市場攻勢に対処するために「日本映画特別上映制度」を実施(6.1)。

○松竹京都撮影所閉鎖。

○映画でもビートルズ旋風-「ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!」が全国公開(東京のみ '59夏公開)、「HELP」も公開され、女子高生を中心に熱狂的な人気となる。

○「黒い雪」ワイセツ映画で問題化。ピンク映画激増(年218本)。

○東京オリンピックが大ヒット。

ベストセラー(1965)

人間革命(1)
なせば成る
おれについてこい
徳川家康(1~23)
わが愛を星に祈りて
三分間スピーチ
妻の日の愛のかたみに
南ヴェトナム戦争従軍記
白い巨塔
氷点
バランスシート
ヒロシマノート
対話・人間の建設
泥と炎のインドシナ

○歴史書ブーム-「日本の歴史」全25巻・中央公論、「人物日本の歴史」全14巻・読売新聞社、「日本文化史」全8巻・筑摩書房、「日本の考古学」全7巻・河出書房新社など。

○百科事典ブーム-「世界原色百科事典」全8巻・小学館、「現代新百科事典」全6巻・学習研究社、「現代ホーム百科事典」全10巻・学習研究社、「スタディ百科事典」全1巻・旺文社など。

話題のマンガ(1965)

○大学生にマンガが大人気。

○ちばてつやの「ハリスの旋風」が少年マガジンに連載開始(4~'67.10)。

○サトウサンペイの「フジ三太郎」が朝日新聞に連載開始(4)。

○園山俊二の「ギャートルズ」が漫画サンデーに連載開始(6)。

○水木しげるの「墓場の鬼太郎」(ゲゲゲの鬼太郎)が少年マガジンに連載開始(8~'69.3)。

○藤子不二雄の「怪物くん」が少年画報に連載開始(12)。

カムイ伝(ガロ)、おそ松くん(少年サンデー)、ねこ目の少女(少女フレンド)、ボンボン、宇宙エース

ファッション(1965)

○トリコロール=三色旗、星条旗の色を使った服、ロマンスハーモニー・ストッキングの流行、カレッジ・ルック、ダークスーツ本格化、ロンドンでミニ発表

○スラックスが台頭、パンタロンの流行もはじまる。

○ミニスカート出はじめる-帝人が膝上10cmの「テイジンエル」発売(8)。

○パンティストッキング多くなる。

○男性ファッションは“アイビー・ルック”“VAN・JUNルック”が主流。007の公開でコンチネンタル調の“ボンド・ルック”も流行。

気象状況(1965)

○風台風23号が高知県安芸市に上陸。瞬間最大風速77mに達し、全国で死者行方不明者73人、住家の全・半壊63,436棟などの被害をだす(9.9~11)。

○続いて台風24・25号が北上、本州付近に停滞していた前線を刺激し、四国から関東の各地で大雨となる。25号は太平洋にそれたが、24号が志摩半島から北海道へ抜ける。死者行方不明者107人、住家の全・半壊8,105棟、床上・床下浸水251,820棟の被害が全国に及んだ。

○長野県の松代で地震が発生(8.3)、以降続く('66年に“松代群発地震”と命名)。

1964年(昭和39年)

経済白書 副題(1964)

開放体制下の日本経済

経済概況(1964)

IMF8条国へ移行、OECDへの加盟とわが国は開放経済体制に進んだ。が、金融引き締めは強化され、企業倒産は激増、株式市場も低迷を続けるなど、不況裡に暮れた。

経済成長率 名目 17.6% 実質 11.2%
民間最終消費支出 名目 15.3% 実質 10.8%
民間企業設備投資 名目 18.8%  
輸出 名目 23.6%  
消費者物価    3.9%  

日本の広告費(電通調査)(1964)

  億円 対前年比(%)
総広告費 3,491 (117.1)
新聞 1,297 (115.8)
雑誌 195 (115.4)
ラジオ 170 (99.4)
テレビ 1,081 (120.2)
DM・屋外他 661 (118.5)
輸出 87 (133.8)

政治・経済・業界(1964)

○“日本麦酒”がサッポロビールに、“丸見屋”が“ミツワ石鹸”に社名改定。

○日銀が銀行の貸し出し増化が根強い現状から市銀に窓口規制を通告(1.10)。

○日本共同証券設立(1.20)。

○日銀が公定歩合2厘引き上げ(3.7)。

○揮発油、灯油、カラーTVなど8品目自由化決定。自由化率93%弱(3.31)。

○IMF8条国に移行(4.1)。

○OECDに正式加盟(4.28)。

○新三菱重工、三菱造船、三菱日本重工が合併して三菱重工業発足(6.1)。

○新潟地震で関連株売られる(6.16)。

○通産省が輸入担保率を一部引き下げ(8.28)。

○日本共同証券、投信証券14社株式肩代り(11.6)。

○佐藤新内閣発足(11.9)。

○公明党結成大会(11.17)。

○39年中の企業倒産は4,112社で過去の最高(12.29)。

○粗鋼生産3,979万トンで世界第3位へ。

マスコミ・広告・媒体(1964)

○有力紙元旦号40ページ以上、東京オリンピック主題に多彩。

○38年度“国民生活白書”広告の役割の重要性を解説(3)。

○38年上半期の新聞経営収任構成比は広告52%と販売を上回る(新聞協会)。

○IAA、6月11日を“国際広告の日”に決める(6)。

○電電公社は東京オリンピックまでにカラー・テレビ放送網の全国普及を計画(7)。

○朝日新聞・読者応答の欄で新聞広告増量の理由とその必然性を解説。

○厚生省、医薬・化粧品の適正広告基準改定、日薬連もこれに対し自粛体制確立(8)。

○マス媒体によるオリンピック気分盛り上げ新聞の増ページ連続し1部売りの値上げ続出(10)。

○ABC協会、東京地区の新聞公査開始(10)。

○“新聞広告の日”各新聞の社説・解説・企画連合広告など広告キャンペーン多彩(11)。

○民放ラジオ・全国ネット化を推進(12)。

媒体の発足(1964)

○日本科学技術振興財団(現テレビ東京)(4)。

○「小説現代」講談社(2)、「平凡パンチ」平凡出版(4)、「DELICA」(5)。

○「展望」筑摩書房復刊(10)。

○テレビ局数48局(1局増)

○ラジオ局数48局

○創復刊誌121誌、休廃刊誌45誌

媒体普及率(1964)

テレビ契約数 15,662,921
ラジオ契約数 3,702,356

(NHK契約世帯数)

テレビ普及率 87.8%
ラジオ普及率 71.8%

(消費動向調査)

国内10大ニュース(1964)

○史上最大の東京オリンピック(10.10~10.24)

○池田首相入院と佐藤内閣誕生(11.9誕生)

○新潟地震(6.16)

○東海道新幹線開通(10.1)

○ライシャワー刺傷事件(3.24)

○物価値上がりと新型不況

○開放経済移行とIMF東京総会(9.7)

○米原子力潜水艦佐世保寄港(11.12)

○異常気象、東京の水キキン

○義宮結婚

海外10大ニュース(1964)

×フルシチョフ、ソ連首相解任、ブレジネフ、コスイギン集団指導体制へ(10.15)

×中国、核実験に成功(10.16)

×トンキン湾事件起きる(8.2)。米軍、北ベトナムに報復攻撃(8.4)

×英、13年ぶり労働党内閣発足(10.17)

×仏、中華人民共和国を承認

×南ベトナムでクーデター(1.30)。グエン・カーン政権獲得

×国連貿易開発会談(UNCTAD)開催(3.23)

×インドのネール首相死去(5.27)

×パレスチナ開放機構(PLO)設立(5.28)

世相・風俗(1964)

○東京オリンピック-10月10日開幕、日本の金メダル16個は米ソに次ぐ3位、女子バレーとマラソンに人気が集まり、テレビ観戦に熱中。オリンピック景気高まり、デパート・ホテルの拡張盛ん。

○東海道新幹線、東京-新大阪間が開業(10.1)。夢の超特急「ひかり」「こだま」がデビュー。東京-新大阪間が4時間となり、それまでの6時間50分を大幅短縮。

海外観光旅行自由化(4.1)、羽田-浜松町モノレール開通(9)、ミロのヴィーナス特別公開、みゆき族、フーテンバック、ワッペンブーム、切手ブーム、カギッ子が問題に、マンション出現、一千万円懸賞小説「氷点」、全学連が初めてヘルメット使用、初の交通事故白書、都内の車100万台を突破しマイカー時代到来(8)

消費者・住民運動・公害(1964)

○新潟地震で精油所火災。

○三島などの住民、石油コンビナートの進出阻止。

○横浜市公害センター発足(横浜方式)。

○消費科学センター設立。

○初の消費者モニター設置。

時の商品・新製品(1964)

○国産初の電子式卓上計算機登場。シャープ「コンペット」、53万円(急速な技術革新で低価格化すすむ)。

○産業スパイ封じの電子シュレッダー。

○裏に字の書ける録音テープ。

○カルビー製菓が「かっぱえびせん」発売(1)。

○トヨタ自動車が日本で初めて乗用車生産・月産1万台を突破(3)。日産自動車の「ブルーバード」が月産1万台を達成(4)。

○ダスキンが東京で家庭用の化学ぞうきん「ホームダスキン」発売(6)。

○ポーラ化粧品がティーンエイジ向け基礎化粧品「フォンティス」発売(6)。

○大関酒造がカップ酒第1号「ワンカップ大関」を発売(10.1)。

○十條キンバリーが「クリネックスティシュー」発売(10)。以後、家庭の必需品に。

○ペプシコーラが「ファミリーサイズ」を発売(11)。12月にはコカコーラも「ホームサイズ」を発売し、コーラ大ビン時代へ。

○アメリカ生まれの着せ替え人形「バービー」「タミー」ブーム。着せ替え衣裳は約100枚、全部そろえると5万円。

○インスタントラーメンが多様化-エースコック・カレーラーメン、明星焼そば、サンヨー食品・長崎タンメンなどが発売。

○為替自由化にともない、海外旅行も自由化。日本航空が海外旅行割賦制度を開始。

○ビタミン剤の生産急増。

テレビCM(1964)

○ビタミン剤CMに有名タレント起用盛ん。

アリナミン<飲んでますか>三船敏郎

リポビタンD<ファイトで行こう>王貞治

ユベロン<丈夫で長持ち>渥美清

アスパラ<生き抜こう>弘田三枝子

ノイビタ<アイアムタフ>江利チエミ

SBカレー<インド人もビックリ>

興和・コルゲンコーワ<おめえ、へそねえじゃねぇか>保積ペペ

服部時計店・競技用時計<TISに活躍したセイコー>

旭光学・ペンタックス<黒い男のブルース>

ハウス食品「ハウスバーモントカレーの唄」

新聞広告(1964)

森永ドライミルク<頭のよい子に育てよう>

アサヒスタイニー<マイ・ペースで飲もう>

三菱カラーテレビ<オリンピックをカラーで見たいカラーで見せたい>

服部時計店<とらえる世界新記録!ここにSEIKO>

<夢の超特急あと60日>東芝、松下など連合広告

日立<ここから《未来》が開ける…>

東芝<超スピードで 走れ!走れ!>

カシミロン子供服<リトルスポーツマン>

シチズン<太平洋をゆく・パラウォータ>

ヤマハ<ベートーベンの国に教えに行きます>

十條キンバリー・クリネックスティシュー<アメリカ生れの新製品>

トヨタ自動車・パブリカ・デラックス<パブリカが奥さまのへそくりで買えます!>

日本レイヨン・ボーリングルック<2000000人誕生>

話題のテレビ番組(1964)

○時代劇復活-幕末、それからの武蔵。

○大型ホームドラマ続出-7人の孫(TBS)(1.6~7.6)、ただいま11人(TBS)(6.4~'67.3.23)など。

○朝のワイドショーが登場-木島則夫モーニングショー(NET)放送開始(4.1)(第3回テレビ記者賞受賞)。

○歴史ドラマ「徳川家康」(NET)放送開始(7.4)。

○ミュージックフェア'64(CX)放送開始(8.21)。

○題名のない音楽会(NET)。

○私の昭和史(12ch)。

○隠密剣士53.0%、オリンピック開会式82.6%、女子バレー決勝戦92.4%。

○東京オリンピック、欧米21ヵ国に宇宙中継。

○主な外国テレビ映画-バークにまかせろ(NTV)、ペチコート作戦、逃亡者(TBS)、原子力潜水艦シービュー号(NET)など。

NHK(1964)

《うず潮》30.2%〈赤穂浪士〉31.9%

○風雪。

○現代の映像-ある人生。

○「ひょっこりひょうたん島」放送開始(4.6~'69.4.4)。

○「歌のメリーゴーラウンド」放送開始(4.11)。

○海外取材番組「アジア・ハイウェー10,000キロ」放送(7.30~8.27、ラジオ7.27~8.24)。

○午後7時半台に報道・教育番組強化。

流行語(1964)

黒字倒産、ムード不況、豚とソクラテス、産業スパイ、東京砂漠、マンション、過密、おれについてこい、根性、ウルトラC、ファイトで行こう、黄色い血、モーニングショー、不定愁訴、おめぇ ヘソねぇじゃねぇか、前癌症状、インド人もびっくり!、コンパニオン、トップレス、ビヨーン、いい線いってるね、いいと思うよ、あんたお酒のんでる

流行歌(1964)

レコード大賞:青山和子<愛と死をみつめて>

新人賞:西郷輝彦 君だけを、17才のこの胸に 都はるみ アンコ椿は恋の花

君だけを
幸せなら手をたたこう
お座敷小唄
愛と死をみつめて
サン・トワ・マミー
夜明けのうた
ウナセラディ東京
アンコ椿は恋の花
東京ブルース
涙を抱いた渡り鳥
東京五輪音頭
千恵子抄
ワンツースリーゴー
プリーズ・プリーズ・ミー
平和の誓い
朝日のあたる家
七つの水仙
イパネマの娘
ダイアモンド・ヘッド
ア・ハード・デイズ・ナイト
アンド・アイ・ラブ・ハー

○ビートルズの日本初のシングル「プリーズ・プリーズ・ミー」発売(3.5)1週間で5万枚売れる。続いて「抱きしめたい」もヒット。

○コピー・フォーク流行・アマチュア・フォークシンガーなどの間で「風に吹かれて」「悲惨な戦争」「花はどこへ行った」などが流行。フォークの祭展「原宿フーテナニー」開催(4)。

○西郷輝彦が「君だけを」でデビュー。すでにデビューしている橋幸夫、舟木一夫とともに“御三家”時代を築く。

○都はるみが「困るのことよ」でデビュー、ヒットせず。第3弾の「アンコ椿は恋の花」のはるみ節がうけて大ヒット。

話題の映画(1964)

洋画
マイ・フェア・レディ
ローマ帝国の滅亡
007/危機一発
シャイアン
大列車作戦
サーカスの世界
昨日・今日・明日
鎖の大陸
太陽の帝王
長い船団
かくも長き不在
突然炎のごとく
シェルブールの雨傘
メリーポピンズ
ブーベの恋人
沈黙
わらの女

邦画
愛と死をみつめて

越後つついし親不知
若草物語
大盗賊
赤いハンカチ
香華
宮本武蔵一乗寺の決斗
黒の海峡
喜劇・駅前茶釜
砂の女
怪談
赤い殺意
飢餓海峡
傷だらけの山河
甘い汁

○洋画輸入全面自由化。

○娯楽主義に徹した洋画のヒットが相次ぐ-007/危機一発、マイ・フェア・レディ、ローマ帝国の滅亡、パリで一緒に、シャレードなど。

○「砂の女」が東京・大阪の洋画劇場でロードショー形式で公開、続いて名古屋・横浜などでも洋画館で公開しヒットする。

○「白日夢」「紅閨夢」がヒット。ピンク映画が増加の兆し。

ベストセラー(1964)

愛と死をみつめて
徳川家康(1~21)
おかあさん(1~3)
若きいのちの日記
おれについてこい
物の見方考え方
炎は流れる(1~4)
アンネの日記行為と死
廃墟の唇
炎は流れる
山田風太郎忍法全集

○「愛と死をみつめて」がドラマ化、映画化、主題歌のレコード化、週刊誌の記事合戦などにより年間を通して130万部のロングセラーとなる。

○本格文芸書に注目が集まる-「行為と死」石原慎太郎、「楡家の人々」北杜夫、「秀吉と利休」野上弥生子、「砂の上の植物群」吉行淳之介、「されどわれらが日々」柴田翔など。

話題のマンガ(1964)

○「月刊ガロ」青林堂7月創刊。

○森田拳次の「丸出だめ夫」が少年マガジンに連載開始(1)。

○藤子不二雄の「オバケのQ太郎」が少年サンデーに連載開始(3~'66.12)。

○石森章太郎(現石ノ森章太郎)の「サイボーグ009」が少年キングに連載開始(7)。途中から少年マガジンに転載。「おかしなおかしな女の子」もマーガレットに連載開始(4)。

○水木しげるの「悪魔くん」集考社6月出版。

○白土三平の「カムイ伝」がガロに連載開始(12~'71.7)。

○藤子不二雄の「忍者ハットリくん」が少年に連載開始。

サブマリン707(少年サンデー)、秘密探偵JA(少年キング)、007

ファッション(1964)

○アイビールック、トップレス水着出現、マッチメート作戦、オリエンタル調の柄、日本の紋章柄、スポーティブムード、ニットウェアー、ノースリブ流行。

○ディープ・トーン暖色系、オリンピック五輪カラー。

○カラーコーディネートに関心。

気象状況(1964)

○新潟県沖でM7.7の地震が発生。新潟市内の住家約6,700棟が全・半壊し、製油所の原油タンク90基が爆発的に燃え、15日間燃え続ける(新潟地震)(6.16)。

○7月の中旬から梅雨前線の停滞により裏日本各地を集中豪雨が襲う。特に17~19日にかけて山陰から北陸地方に集中豪雨が重なり、死者行方不明者128人、床上・床下浸水約67,000棟の被害となる。

○風台風20号が九州から上陸、東北まで縦断。北海道を除く全国各地に被害が発生(9.24~25)。

1963年(昭和38年)

経済白書 副題(1963)

先進国への道

経済概況(1963)

金利引き下げで景気は上昇に転じたが、アメリカのドル防衛策強化-金利平衡税法案で国際収支不安が強まり、消費者物価高騰も依然続き、12月には再び引き締め策がとられた。

経済成長率 名目 14.4% 実質 8.8%
民間最終消費支出 名目 16.7% 実質 8.8%
民間企業設備投資 名目 8.3%  
輸出 名目 9.7%  
消費者物価    7.6%  

○資本収支、長短合わせ5.7億ドルの大幅黒字。

日本の広告費(電通調査)(1963)

○媒体別構成比で、テレビが30%越す。

  億円 対前年比(%)
総広告費 2,982 (122.5)
新聞 1,120 (121.5)
雑誌 169 (117.4)
ラジオ 171 (98.8)
テレビ 899 (130.3)
DM・屋外他 558 (122.6)
輸出 65 (127.5)

政治・経済・業界(1963)

○東証第一部時価総額7兆円にのせる(1.21)。

×IMF理事会が日本の八条国移行を勧告(2.6)。

×米国務省は日本綿製品の対米輸出で主要品目の自由規制を要求(2.13)。

○公定歩合1厘引下げ(3.20)。

○公定歩合1厘引下げ(4.20)。

○大蔵省が対米ドル相場を改訂、西欧なみに変動幅を上下、0.75%に拡大(4.23)。

○日銀が28年末実施の窓口規制を全面廃止(5.7)。

○資本取引き自由化(7)。

×ケネディ教書で米株式、史上最大の下落(7.18)。

○東証一部旧ダウ大暴落、下げ幅は開所以来最大(7.19)。

○砂糖など35品目を自由化、自由化率92%へ(8.30)。

○山下汽船、新日本汽船の対等合併、以後、海運の集約化続く(9.19)。

○閣議でIMF八条国移行を決定(11.12)。

○東証一部旧ダウ、ケネディ暗殺事件で暴落下げ幅40円27銭(11.25)。

○日銀政策委が16日より預金準備率の引上げ決定(12.10)。

○政府物価安定策として公共料金の一年間ストップを決定(12.20)。

○日銀券、2兆円の大台突破(12.25)。

マスコミ・広告・媒体(1963)

○新聞協会の紙面分析調査では中央、地方10紙の広告スペース平均36.9%(1)。

○電通社長吉田秀雄氏死亡(1)。

○自由世界30国の中で広告費の増加率、日本が第1位(IAAの調査)(2)。

○電通社長に日比野恒次氏就任(2)。

○東京中日新聞“オリンピック協賛・カラー広告シリーズ”をはじめる(2)。

○“株式会社寿屋”が“株式会社サントリー”と社名変更(1)。

○民放連・全国48社を結合して“ラジオ広告キャンペーン”をはじめる(4)。

○“レジャー”についで“バカンス”ムード全国的に盛り上がる(6)。

○民放連の“オリンピック放送総本部”発足(6)。

○全日本商店街連合会、スタンプ付き売り出しの1ページ広告を有力紙に掲載(7)。

○日本経済新聞“量から質の広告時代”という記事掲載(10)。

○全国の新聞、夕刊を休刊(10.20)。

○内閣広報室が広告に関する世論調査の結果を発表。“消費者に役立つ”が82%など(10)。

○リレー衛星利用最初の日米中継TVでケネディ大統領遭難が報道さる(11)。

媒体の発足(1963)

○福島テレビ(4)。

○茨城放送、栃木放送(4)。

○「女性セブン」小学館(4)、「プレジデント」プレジデント社(5)、「太陽」平凡社(6)、「ヤングレディ」講談社(9)、「大学受験」「高三コース」学習研究社。

○テレビ局数47局(1局増)

○ラジオ局数48局(2局増)

○創復刊誌96誌、休廃刊誌81誌

媒体普及率(1963)

テレビ契約数 13,378,973
ラジオ契約数 5,104,081

(NHK契約世帯数)

テレビ普及率 88.7%
ラジオ普及率 81.8%

(消費動向調査)

○一般日刊紙110紙発行部数2,654万9,547部、1部当り3.64人、1世帯当り1.20部(1月10現在)。

国内10大ニュース(1963)

○国鉄鶴見、三井三川鉱の2大惨事(11.9)

○村越吉展ちゃん誘かい事件

○松川事件無罪確定(9.12)

○総選挙と第3次池田内閣発足(11.21、12.9)

○物価値上がりと株価の低迷

○豪雪裏日本を襲う(1月)

○池田首相、太平洋4ヵ国訪問(9.23出発)

○沖縄でみどり丸沈没

○東京国際スポーツ大会開催(10.11~16)

○日米初のテレビ中継実験成功(11.22)ケネディ暗殺のニュース

海外10大ニュース(1963)

×ケネディ大統領暗殺(11.22)

×米英ソ部分的核実験停止条約の調印(8.5)

×南ベトナムにクーデター、ゴ・ジン・ジェム大統領殺さる(11.2)

×ドル防衛強化

×英、EEC加盟に失敗(1.14)

×英、プロヒューモ事件

×韓国、朴正煕が大統領就任(12.17)

×アフリカ独立諸国首脳会議、アフリカ統一機構憲章に調印(5.22)

×米ソ間にホットライン協定調印(6.20)

×米で人種差別撤廃のワシントン大行進(8.28)

世相・風俗(1963)

○死亡事件・事故相次ぐ-東京で村越吉展ちゃん誘拐事件(3)、八丈島で航空機が山に衝突し19人全員死亡(8)、沖縄で連絡船が転覆し死者・行方不明112人(8)、東京・池袋で百貨店火事(8)、東京の地下鉄で時限爆弾が爆発(草加次郎事件)(9)、東海道本線で脱線・衝突事故、死者161人(鶴見事故)(11)、三池三川鉱でガス爆発、死者458人(11)、力道山刺殺される(12)、アメリカではケネディ大統領暗殺(11)など。

○'62年からのニセ札大量使用に対して、伊藤博文の新千円札発行(11)。

○芽誠司氏「小さな親切運動」ひろめる。

○心身障害児救済「あゆみの箱」スタート。

マイカー激増、大阪駅前に初の横断歩道橋(4)、三ちゃん農業、座禅修行ブーム、ESSブーム、ボウリング流行、マイホーム時代へ、マンションブーム、古代美術展ブーム、働く女性の呼称BGからOLへ

消費者・住民運動・公害(1963)

○熊野灘原発反対の声。

○四日市公害対策協結成。

時の商品・新製品(1963)

○トヨタ自販が自動車消費者金融制度(マイカーローン)を実施(2)。各社も相次いで開始。

○自動車メーカー各社が新車保証期間を3カ月または1万km→1年または2万kmに延長(3)。

○日産自動車が普通乗用車「セドリックスペシャル50」発売(2.2)。小型乗用車ではダイハツの「コンパーノワゴン」、本田技研初の四輪車「ホンダスポーツ500」、いすゞの「いすゞベレット」などが登場。

○男性化粧品に注目が集まる-'62年の「バイタリス」に続き、資生堂「MG5」も登場。

○「シスコーン」「ケロッグコーンフレーク」が登場。

○サントリーがびん生ビールを発売(4)。

○この年発売された16インチカラーテレビの価格が20万円を割る。

○冷蔵庫の普及とともにタッパーウェアも広がる。

○マンション建設が活発。第1次マンションブーム。

○小型湿式複写機、初のリース会社誕生。

○水中翼船本格化。

○この年発売された主な電化製品-電気蚊取器、パーコレーター式コーヒーメーカー、サイホン式コーヒーメーカー、2槽式脱水洗濯機、オールトランジスタステレオ、スチーム式加湿器など。

テレビCM(1963)

○五秒スポット全盛時代('63年~'65年)

丸定商店<なんであるアイデアル>植木等、神聖<一杯やっか>伴淳三郎小西六写真・コニカ<コニカはコニカ、いいと思うよ>村松達雄、アサヒビール<アサヒスータイニー、ア>、丸美屋・のり玉<おもかじ一杯、のり玉で三杯>桂小金治、マミアン<たんぱく質が足りないよ>

前田製菓<あたり前田のクラッカー>藤田まこと

明治製菓・マーブル・チョコレート<ハッピー・マーブル>上原ゆかり

田辺製薬<アスパラでやりぬこう>

アンネ<アンネナプキン>

キャベジン<お世話になります>

東京ガス<電話一本お湯が出る>

資生堂<ファッションベール>

東芝「光る東芝」

新聞広告(1963)

東レ・バカンス・ルック<1963年の、もっとも感動的な新語「バカンス」>

エーザイ・ユベロン<丈夫で長もち!>

東京芝浦電気・東芝テープレコーダー<昔、ガリ勉 いま、録勉>

サッポロビール・サッポロジャイアンツ<でっかくいこう>

首都高速道路公団・日産自動車<首都高速道路1号線12月20日開通!/フリーウェイは日産車の〈走るショールーム〉です!>

三菱電機・スカイリング<銀座に電子頭脳の灯がともる!>

日本生命会館・日本生命保険相互会社<日本生命日比谷ビル誕生>

資生堂リンス<リンスを始めましょう>

シスコーン<世界の朝食>

味の素・ケロッグコーンフロスト<ぼっちゃん じょうちゃん ケロッグのおいしいお砂糖つきのコーンフロストです!>

明治製菓・クイックライス「ドライカレー」<完成!超高速ゴハン>

旭化成・ベンベルグ・世<BG気質>

森永フラワーチョコ<禁男のチョコ>

話題のテレビ番組(1963)

○日米初のテレビ宇宙中継に成功・・日本のテレビに映し出されたものは、ケネディ米大統領の狙撃シーン(11.23)。

○国産TV映画台頭(為替自由化で外国TV映画放送権料急騰)。

○ドラマ「三匹の侍」(CX)放送開始(10.10~'69.3.27)。豪快な立回りや人を切る時のリアルな効果音などが話題となる。

○記者ものドラマ「こちら社会部」(TBS)放送開始(10~'64.4)。

○ヴァイタリティドラマ-図々しい奴、赤いダイヤ(TBS)、男嫌い(NTV)(4.16~'64.4.7)。

○人気マンガが相次いでテレビに登場、テレビアニメブームが起こる-初の国産テレビアニメ「鉄腕アトム」(CX)(1.1~'66.12.31)、「鉄人28号」(CX)(10.20~'65.5.27)、「8マン」(TBS)(11.27~'64.12.31)、「狼少年ケン」(NET)(11)など。

○底抜け脱線ゲーム(NTV)放送開始(6.2~'73.1.25)。

○テレビ寄席(NET)放送開始(6.12~'78.6.25)。

○幼児番組「ロンパールーム」(NTV)放送開始(10.7~'79.3.30)。

○戦争ドラマが話題となる-コンバット(TBS)、ギャラント・メン、戦場(NET)など。

○その他の主な外国テレビ映画-ハワイアン・アイ(NET)、チビッコ大将、ルーシー・ショー(TBS)、3ばか大将、ジャングル・ボンバ(NTV)、ヒッチコック・サスペンス(CX)など。

NHK(1963)

○大河ドラマスタート〈花の生涯〉20.2%(4.7~12.29)

○《あかつき》

○「ミッチと歌おう」放送開始(4.7)。

○「新日本紀行」放送開始(10.7)。

○通信高校教育講座スタート、弁護士プレストン(教育テレビ)。

○外国テレビ映画「ママと7人の子供たち」放送開始(1.4)。

○外国アニメ「宇宙家族」放送開始。

流行語(1963)

流通革命、バカンス、平均的ニッポン人、私はカモメ、巨人・大鵬・卵焼き、“BG”から“OL”へ、鍵っ子、あゆみの箱、アイ・バンク、小さな親切、拝啓○○殿、ON砲、カッコいい、丈夫で長もち、ハッスル、シェー、お呼びでない、ガチョン、つぎ いこう、これまた失礼いたしました、ちイともしらなかったわー、気にしない気にしない、いいからいいから、おえりゃーせんなー、カックン、いいじゃんか・そうじゃんか、かもね・そのようよ、まあね・かもね、ガバチョ、カワイコちゃん、またいっちゃった、ポカ休、むしっちゃうわよ、昭和の岩窟王、豪雪、フルーツカラー、フラワーモード

○関西弁がテレビの影響で全国に広まりつつある。

流行歌(1963)

レコード大賞:梓みちよ<こんにちは赤ちゃん>

新人賞:舟木一夫 高校三年生、学園広場、三沢あけみ 島のブルース、私も流れの渡り鳥

島のブルース
高校三年生
東京五輪音頭
長崎の女
見上げてごらん夜の星を
美しい十代
こんにちは赤ちゃん
浪曲子守歌
若い季節
出世街道
逢いたくて
赤ちゃんは王様だ
恋のバカンス
男ならやってみな
おもちゃのチャチャチャ
大学数え唄
ルート66
パフ
悲しき悪魔
悲しき雨音
ビー・マイ・ベイビー
風に吹かれて
サーフィンU.S.A
シー・ラブズ・ユー
抱きしめたい
彼氏になりたい
酒とバラの日々
シェリー

○学園ソングの流行-高校三年生、学園広場(ともに舟木一夫)、美しい十代(三田明)など。

○為替制限の大幅な緩和により来日アーティスト急増-ナット・キング・コール(2)、ジルベール・ベコー(3)、アーサ・キット(10)など。

×坂本九の「スキヤキ・ソング」(上を向いて歩こう)、アメリカで100万枚突破。全米レコード協会より日本人で初めてゴールデンレコードを贈られる。

話題の映画(1963)

洋画
アラビアのロレンス
大脱走
クレオパトラ
北京の55日
地下室のメロディ
シャレード

チコと鮫
奇跡の人
勝利者
奇跡の人
シベールの日曜日
女と男のいる舗道
蜜の味
ピアニストを撃て

邦画
天国と地獄
勢揃い東海道
にっぽん昆虫記
光る海
飛車角
武士道残酷物語
青い山脈
いつでも夢を
五番町夕霧楼
太平洋ひとりぼっち
非行少女
しとやかな獣

○アメリカ映画の大作が次々ヒット-「史上最大の作戦」「アラビアのロレンス」「大脱走」「クレオパトラ」など配給収入3億~5億円をあげる。

○「麦秋」「東京物語」「彼岸花」などの小津安二郎監督死去(11.12)。

○“007=ジェームズ・ボンド”シリーズの第1作「007は殺しの番号」公開(6.1)。

○三船映画がヒット-「太平洋の翼」「天国と地獄」「五十万人の遺産」など。

ベストセラー(1963)

徳川家康(1~19)
危ない会社
性生活の知恵
時間の習俗
物の見方考え方
永遠のエルザ
図々しい奴(1~3)
流通革命
交換日記
太平洋ひとりぼっち
赤いダイヤ
わたしのエルザ
女のいくさ
江分利満氏の優雅な生活
国語笑事典
春宵十話
本の中の世界

○経営書ブーム続く-「危ない会社」「物の見方・考え方」「流通革命」「経営者の勘」「ビジネスマン名言集」などが人気となる。光文社は「カッパビジネス」を刊行。

○「英会話一週間」の25万部をトップに、オリンピックをねらい各種の英会話本が出版される。

話題のマンガ(1963)

○第2次マンガブーム-「週刊少女コミック」小学館1月、「週刊マーガレット」集英社5月、「週刊少年キング」少年画報社8月などが創刊。

○「鉄腕アトム」「鉄人28号」「8マン」などの人気マンガのテレビアニメ化が相次ぐ。

○テレビの影響などで児童月刊誌の休・廃刊相次ぐ。

○わたなべまさこの「亜希子」がマーガレットに連載開始(10)。

紫電改のタカ(少年マガジン)、黒い秘密兵器(少年マガジン)、サブマリン707(少年サンデー)、8マン(少年マガジン)、ビックX、0戦はやと、すきすきビッキ先生、ミミとナナ、悪魔くん、忍者部隊月光

ファッション(1963)

○有名デパート相次ぎ外国デザイナーと契約、プレタポルテ出現、フラワー・モード(帝人)、バカンス・ルック(東レ)、ジャンボ・スリーブ、ボーイッシュ・ルック、TPOキャンペーン、曲線模様はやる。

○フルーツカラー(東レ)

○ニット・ウェアが流行。

○レザー・ウェアも流行-皮のなめし技術の向上、染色技術の向上により布製の服と同じような着こなしができるようになり、様々なレザー・ウェアが登場。

○理容店に男性用ビューティールームの特設相次ぐ。

気象状況(1963)

○北陸地方を中心に裏日本は豪雪に襲われ、各地で最深積雪記録を更新。死者228人、住宅の全・半壊1,700棟以上の被害となる(38.1豪雪)(1)。

○表日本は連日の好天となり、異常乾燥が続く。東京の1月の降水量は0.2mm、平均湿度も46%、1月24日には湿度がわずか6%を記録。

○梅雨前線が九州北部に停滞、福岡・佐賀県に集中豪雨。床上浸水1,998棟、水田の流失614ha、罹災世帯12,045世帯などの被害となる(6.29~7.1)。

1962年(昭和37年)

経済白書 副題(1962)

景気循環の変貌

経済概況(1962)

景気調整が進展すると同時に、米国の景気上昇で輸出が大幅に伸び国際収支が好転した。このため公定歩合が引き下げられ、金融引き締めは解除されたが、不況感が濃くでた。

経済成長率 名目 13.5% 実質 8.6%
民間最終消費支出 名目 14.7% 実質 7.5%
民間企業設備投資 名目 7.5%  
輸出 名目 15.3%  
消費者物価    6.8%  

※輸出大幅に伸び50億ドルにせまる。

日本の広告費(電通調査)(1962)

○ラジオ広告費が初めて減少。

  億円 対前年比(%)
総広告費 2,435 (115.4)
新聞 922 (111.9)
雑誌 144 (115.2)
ラジオ 173 (97.2)
テレビ 690 (128.0)
DM・屋外他 455 (110.7)
輸出 51 (154.5)

政治・経済・業界(1962)

○閣議で減税による物価引き下げ措置を承認(2.27)。

○閣議で物価安定総合対策を決定、経済全般にわたる視野から物価対策へ(3.9)。

○物品税、酒税、入場税などの減税実施(4.1)。

○通産省、綿紡の操短率36.3%に引き上げ告示(4.28)。

×NY株式、1929年以来の大暴落(4.29)。

○政府は景気調整策の推進を確認(5.21)。

○短期外資流出調整のため外貨準備金制度発足(6.11)。

○閣議、生鮮食料品の価格安定を決定、標準小売り店、公認小売り市場などを決める(6.11)。

×米国上下両院、綿製品輸入制限法案を可決(6.14)。

○経企庁、経済白書<景気循環の変貌>を発表、転換期論争起る(7.17)。

○石炭調査団、政府に石炭緊急融資を要望(7.23)。

○貿易自由化率88%に(10~)。

○日銀が公定歩合を1厘引き下げ(10.27)。

○日銀が公定歩合を1厘再引き下げ(11.27)。

○全銀協、貸し出し金利を引き下げ(11.30)。

○経済閣僚懇談会が自由化促進対策を決定(12.27)。

○オリンピック景気('62.11~'64.10)。

マスコミ・広告・媒体(1962)

○元旦号の新聞3紙の36ページをはじめ各紙増ページで広告増量を示す(1)。

○郵政省、テレビの難視聴地域解消のためUHF帯による置局問題検討をはじめる(5)。

○週刊朝日その他の雑誌に広告界の記事掲載が流行(7)。

○公取委の懸賞付販売規制と不当表示防止法実施(9.1)。

○ABC協会の第1回認証審議会開かる(9)。

○東芝、電通、民放18社出資の「ビデオリサーチ株式会社」創立(9)。

○“新聞広告の日”各新聞の広告面と広告PR記事で賑う(10)。

○日本雑誌広告会ABC加盟について初会合(11)。

○産経新聞12ページの見開き広告を掲載(11)。

媒体の発足(1962)

○名古屋テレビ(4)、広島テレビ(9)、仙台放送(10)。

○札幌ラジオ、岐阜放送(12)。

○「季刊中央公論経営問題」中央公論社(10)、「週刊テレビガイド」東京ニュース社(8)。

○テレビ局数46局(3局増)

○ラジオ局数46局(2局増)

○創復刊誌102誌、休廃刊誌97誌

媒体普及率(1962)

テレビ契約数 10,222,116
ラジオ契約数 9,451,790

(NHK契約世帯数)

テレビ普及率 79.4%
ラジオ普及率 82.6%

(消費動向調査)

○2月TV契約1,000万台突破、英国を抜き世界第2位のテレビ国に。

○生活保護世帯のテレビ保有認められる(日常品化)。

国内10大ニュース(1962)

○三河島事件、死者169名(5.3)

○池田訪欧と日米通商条約調印(11.4~25)

○不況浸透と経済政策転換

○貿易自由化88%実施(10.1)

○大揺れのオリンピック体制

○全国にニセ札横行

○参議院選挙と内閣改造(7.1、7.18)

○堀江青年の太平洋横断成功(8.12)

○皇太子夫妻のアジア訪問(1.12出発)

○日紡貝塚の女子バレー世界制覇

海外10大ニュース(1962)

×米、キューバを海上封鎖(キューバ危機)(10.22)

×ソ連宇宙船のランデブー飛行(8.14)

×米ソ核実験再開

×株価世界的大暴落(5)

×米、ベトナムに軍需援助司令部設置(米の軍事介入本格化)(2.8)

×アルジェリア戦争終わる(3.18)、アルジェリア独立宣言(9.25)

×ラオス、連合政府成立(6.23)

×中印軍国境で衝突(10.17)

×ソ連に続き、米も有人宇宙飛行に成功(2.20)

世相・風俗(1962)

○テレビ受信契約1,000万を突破(2)。

○東京の人口1,000万人突破(2.1)、世界最初の1,000万都市に。

○激化する交通戦争-交通事故死者が'61年に史上最高の12,865人を記録。酒酔い運転の取り締り強化(1)、車庫設置の義務付け、ダンプカーの規制強化(6)。

○女子大生亡国論が話題。大学の文学部の女子学生比率が高まる。

産業スパイが話題、忍者ものブーム、当り屋の横行、ツイスト流行、ファイティング原田がボクシング世界チャンピオンに(10)、マリリン・モンローが謎の死、小中学校で全国一斉学力調査、初の国民生活白書、池田首相「人づくり」の所信表明、植木等の「スーダラ節」大ヒットで無責任時代、大学生の青田買い盛ん

消費者・住民運動・公害(1962)

○ばい煙排出規制法公布。

○サリドマイド系睡眠薬問題化、大日本製薬出荷停止。

○東京にスモッグ続き問題化。

○国民生活研究所発足('70年に国民生活センターに)

時の商品・新製品(1962)

○YS11試験飛行に成功。

○乗用車の発売相次ぐ-軽乗用車では東洋工業の「マツダキャロル 360」(2.23)、鈴木自動車の「スズライトフロンテ」(4.20)、新三菱重工の「三菱ミニカ」(10.1)、小型乗用車ではいすゞの「ベレル」(4.11)、プリンス自動車の「スカイラインスポーツ」(4.19)、新三菱重工の「コルト 600」(10.1)、東洋工業の「キャロル 600」(11.7)、スポーツカーでは日産自動車の「フェアレディ」(10.4)。

○灯油の値段が12月に1~2割上がったが、経済的でかつ品質が向上したとのことで石油ストーブがブームとなる。

○男性整髪料「バイタリス」登場(8)。

○大正製薬がドリンク剤「リポビタンD」発売(4)。

○ソニーが電話機サイズのマイクロ・ポータブルテレビを発売(5.20)。大ヒットとなる。

○インスタント食品相次ぐ-スープ別添インスタントラーメン、インスタントみそ汁、クイックライス、インスタントマッシュポテトなど。

○カメラもインスタント-フィルム自動巻上げのリコー・オートハーフ、完全EEカメラのミノルタ・ハイマチック、ポラロイド120型などが発売。

○コカ・コーラが小売店直売方式で本格的に販売される。

○牛乳に紙容器が使われる、ホンコン・フラワー、ポリペールのゴミ箱(ポリバケツ)。

テレビCM(1962)

トヨペット・コロナ<ドラム缶>カラーCM第1号

バヤリースオレンジ<西部こぼれ話>チンパンジー連作

コカ・コーラ<スカッとさわやか、コカ・コーラ>

神聖<かあちゃんいっぱいやっか>伴淳三郎

船橋ヘルスセンター<長生きしたけりゃちょっとおいで、チョチョンノパ…>

新聞広告(1962)

東レ・資生堂共同キャンペーン<お化粧とモードをむすぶ世界の流行-シャーベット・トーン>

東レ<春の主役はシャーベット>

ソニー<トランジスタがテレビを変えた>

東京芝浦電気<宇宙に目を向けよう>

日立<ご家庭の冷房時代がきました>

ホテルオークラ・開業<世界をもてなす>

積水化学・ポリバケツ<オリンピックをきれいな東京で。>

武田薬品<価値あるアリナミン>

光文社<“カッパの本”は一軒に一冊の割合です>

ライオン歯磨・バイタリス、バン<ニッポンの方にぜひ…>

話題のテレビ番組(1962)

○ドキュメンタリー-ノンフィクション劇場-老人と鷹-(カンヌ国際映画賞グランプリ)。

○女性専科。

○ホームドラマ「咲子さんちょっと」が人気(食事場面、消費者革命へ刺激婦人視聴者大量動員時代)。

○「判決」(NET)放送開始(10.16)。社会派ドラマとして茶の間の注目を集める。

○「人間の条件」(TBS)放送開始(12.3)(女性視聴者吸引)。

○ドラマでは「パパだまってて」(TBS)、「教授と次男坊」(NTV)なども人気を集める。

○初の忍者ものドラマ「隠密剣士」(TBS)放送開始(10.7)。

○コメディ公開番組「てなもんや三度笠」(TBS)放送開始(6.1~'68.3.31)。

○プロレス視聴者ショック死続出。

○深夜テレビ放送開始(マルマン深夜劇場)。

○新聞連載マンガのTV化-アメリカ中産階級の生活を描いたコメディー「ブロンディ」(CX)放送開始(4.21)。

○その他の主な外国テレビ映画-ベン・ケーシー(5月の放送開始後、急激な人気となる)、コンバット(TBS)、ジャングル・パトロール、じゃじゃ馬億万長者(NTV)など。

○主な外国アニメ-ディック・トレーシー(NET)、出てこい!キャスパー(CX)など。

NHK(1962)

○総合テレビが全日放送となる(10.1)。

○《あしたの風》

○現代の記録、二つの橋(初の海外取材ドキュメント)。

○「シャープさんフラットさん」放送開始(4.6)。

○外国テレビ映画「ルート66」放送開始(4.7)。

○高橋圭三アナ、NHKをやめ、民放ヘ。

流行語(1962)

安中派・安後派、無責任(時代)、青田刈り、人づくり、ビジョン、産業スパイ、スモッグ、サリドマイド、ニセもの、原子の火、○○残酷物語、三ちゃん農業、マイカー、現代っ子、(算数教育)水道方式、怪童、黄色ママさん、スカッとさわやか、ツイスト、プレイボーイ、お分りかな、分っちゃいるけどやめられない、ハイそれまでよ、どんと行こう、スイスイ、C調、気楽な稼業、カンケーない、バッチリヨ、かっこいい、ケーシースタイル、吹けば飛ぶよな、いっぱいやっか

流行歌(1962)

レコード大賞:橋幸夫、吉永小百合<いつでも夢を>

新人賞:北島三郎 なみだ船、倍賞千恵子 下町の太陽

江梨子
可愛いベビー
恋は神代の昔から
ハイそれまでよ
いつでも夢を
赤いハンカチ
なみだ船
下町の太陽
島育ち
王将
遠くへ行きたい
王将
星屑の町
小さい秋みつけた
ルイジアナ・ママ
愛さずにはいられない
ロコ・モーション
シェリー
ヘイ・ポーラ
電話でキッス
アンチェイン・マイ・ハート
霧のサンフランシスコ
トゥナイト

○映画スター・吉永小百合が「寒い朝」でレコード・デビュー(5)。次いで橋幸夫とのデュエット「いつでも夢を」が30万枚のヒット。

○クレージーキャッツ、無責任男・植木等の「スーダラ節」「ドント節」「無責任一代男」「ハイそれまでよ」などがたて続けにヒット。

○年の前半はツイスト、後半にはボサノバが流行。

○フランク・シナトラ、イブ・モンタン(4)などが来日。

○歌謡界に若手歌手登場のきざし。

○“新三人娘”の中尾ミエ、伊東ゆかり、園まりがデビュー。

話題の映画(1962)

洋画
史上最大の作戦
世界残酷物語
ハタリ!
エル・シド
101匹わんちゃん大行進
ウエスト・サイド物語
荒野の三軍曹
駅馬車
ブルー・ハワイ
野いちご
ニュールンベルグ裁判
怒りの葡萄
太陽はひとりぼっち

邦画
椿三十郎
花と竜
キングコング対ゴジラ
宮本武蔵・第2部
銀座の恋の物語
どぶろくの辰
東海道のつむじ風
私は二歳
キューポラのある街
切腹
破戒
秋刀魚の味
秋津温泉
黒の試走車
おとし穴

○日本アート・シアター・ギルド(ATG)発足(4)。

○「ウエスト・サイド物語」は封切り当初('61.12.22)は人気がなかったが、年明けから連日大入り満員となり、'63年5月までに73週509日間のロードショー最長記録を樹立。

×マリリン・モンローが謎の急死(8.5)。

○洋画にリバイバル・ブーム-哀愁、駅馬車、黄色いリボン、白昼の決闘、禁じられた遊び、ローマの休日、カサブランカ、シェーンなど。

ベストセラー(1962)

易入門
手相術
愛と死のかたみ
徳川家康(1~19)
算数に強くなる
性生活の知恵
スタミナのつく本
教養人の手帖
浩宮さま
野性のエルザ
外国語の学び方
マイカー
景気
日本百科大事典

○“光文社文化”続く-カッパ・ブックスの「易入門」「手相術」「スタミナのつく本」「読書術」「実用文の書き方」などヒットが相次ぐ。

○ペーパーバック時代来る-「ポケット・ライブラリー」新潮社、「河出ペーパーバックス」河出書房新社、「ポケット文春」文藝春秋新社、「グリーンベルト・シリーズ」筑摩書房、「中公新書」中央公論社などが創刊。

○推理小説人気も続く-松本清張の「風の視線」「時間の習俗」「高校殺人事件」「黄色い風土」「球形の荒野」「連環」などが10万部以上の売れ行き。黒岩重吾、水上勉、高木彬光なども活躍。

○経営兵法ブーム。

話題のマンガ(1962)

○長者番付に手塚治虫、横山光輝、横山泰三の三人が登場(5.1)。

○「週刊少女フレンド」講談社創刊(12)。

○「講談倶楽部」「少年クラブ」「少女クラブ」休刊(12)。

○赤塚不二夫の「おそ松くん」が少年サンデーに連載開始(4)。

○サトウサンペイの「アサカゼ君」が漫画サンデーに連載開始(7)。

○白土三平「忍者武芸帳」全17巻完結(10)。

漫画家残酷物語(刑事)、ストップ兄ちゃん、血だるま剣法

ファッション(1962)

○アンサンブル・ルック、オリエンタル・ルック、テレビウェア、ラッシュコート

カントリーウェアー好調、チャールストン時代再現、五段六段のフリルのブラウス、カンカンドレス、ムームーなどホームウェア

○シャーベット・トーン(知名度97.6%)。

東レ「春の主役はシャーベット」(コンビナート・キャンペーンのはしり)

○映画「ウエスト・サイド物語」のヒットでバスケットシューズに注目。

○ヘヤーバンドはやる。

気象状況(1962)

○梅雨前線に台風5号からの湿った空気が入り九州を中心に関東以西で集中豪雨が発生。死者110人などの被害を出す(7.1~8)。

○夏は東京で30C以上の日が連続18日、20日間連続の雨なし記録、9月も月間雨量4.9mmなど渇きの記録が続くなど、太平洋岸各地で異常渇水となる。

1961年(昭和36年)

経済白書 副題(1961)

成長経済の課題

経済概況(1961)

所得倍増ムードで高成長を続けたが、消費者物価の高騰、国際収支悪化など景気に行き過ぎがみられた。このため、年の後半には再びかなり強力な景気調整策がとられた。

経済成長率 名目 20.8% 実質 11.9%
民間最終消費支出 名目 17.4% 実質 10.4%
民間企業設備投資 名目 34.6%  
輸出 名目 4.5%  
消費者物価    5.3%  

※農林業就業者、全就業者の30%を割る。

日本の広告費(電通調査)(1961)

○媒体別構成比でラジオが10%を割る。

  億円 対前年比(%)
総広告費 2,110 (121.3)
新聞 824 (120.5)
雑誌 125 (125.0)
ラジオ 178 (100.0)
テレビ 539 (138.9)
DM・屋外他 411 (110.5)
輸出 33 (183.3)

政治・経済・業界(1961)

×アメリカがキューバとの外交、領事関係を断絶(1.3)。

×第35代米大統領にジョン・F・ケネディが就任(1.20)。

○日銀が公定歩合1厘引下げ(1.26)。

○ライシャワー駐日大使赴任(3)。

○国鉄運賃値上げ実施(4.6)。

○大蔵省、証券界の行政指導にのり出す。4大証券に資金計画の提出を要請(4.20)。

○郵便料金引き上げ実施(6.1)。

○農業基本法公布(6.13)。

○日銀が公定歩合1厘引上げ、再び金融引締めへ(7.22)。

○日銀が公定歩合1厘再引上げ、預金準備率を引き上げ(9.29)。

×米欧20ヵ国で構成される経済協力開発機構(OECD)が発足(9.30)。

○東証・大証・名証で市場第二部発足(10.2)。

○日米経済委員会はじまる(11.2)。

○外資準備高15億ドル割る(11.3)。

○公明政治連盟が発足(11.27)。

○通産省、172品目の輸入自由化を発表(12.20)。

マスコミ・広告・媒体(1961)

○新聞の元旦号の建ページ増大、42紙が28ページ以上(1)。

○マッキャン・エリクソン博報堂設立(1)。

○広告代理店「東急エージェンシー」設立(2)。

○1961年度IAA賞は吉田秀雄氏に(3)。

○ニールセン視聴率調査開始(4)。

○日本ABC協会、朝日新聞を最初に部数公査開始(5)。

○電通がヤング&ルビカムと提携(6)。

○京都市広告条例を施行(7)。

○全国銀行協会広告自主規制を緩和して広告活動のワクを拡げる(7)。

○中小企業団体、共同PRの推進を決める(7)。

○ABC協会の新聞部数公査、東日本の分を終了。

○電通PRセンター設立(9)。

○第1回ACC・CMフェスティバル開催(10)。

○ABCの関西地方公査はじまる(11)。

○民放テレビのスト相つぐ(11)。

媒体の発足(1961)

○「婦人の友」主婦の友社(4)、「ブレーン」誠文堂新光社(7)。

○テレビ局数43局

○ラジオ局数44局

○創復刊誌100誌、休廃刊誌91誌

媒体普及率(1961)

テレビ契約数 6,860,472
ラジオ契約数 11,802,387

(NHK契約世帯数)

テレビ普及率 62.5%
ラジオ普及率

(消費動向調査)

○4月1日現在、全国日刊新聞発行部数2,510万余の新記録。

○白黒テレビ14インチ4万円台、カラー17インチ35万円。

国内10大ニュース(1961)

○池田首相の米国、東南アジア訪問(6.21ケネディ会議、11.10東南アジアへ出発)

○松川事件の無罪判決

○国際収支の悪化と株式暴落(10.9大暴落)

○集中豪雨と第2室戸台風(9.15)

○実力者内閣誕生(7.18)

○小児マヒに生ワクチン開発成功(7.20使用開始)

○中央公論嶋中事件(2.1)「風流無譚」

○日米箱根会談(11.2~4)

○釜ケ崎暴動(8.1)

○日本柔道やぶれる(12.2)

海外10大ニュース(1961)

×ソ連ガガーリン少佐、人類初の宇宙旅行(4.12)

×東独、東西ベルリン境界を封鎖(8.13)

×ケネディ米大統領就任(1.20)

×ソ連共産党大会開催(10.17~)。スターリン主義の一掃始まる

×経済協力開発機構(OECD)発足(9.30)

×アルバニアの孤立化と中ソ対立表面化

×韓国朴正煕らの軍事クーデター(5.16)

×ハマーショルド国連事務総長の事故死(9.17)

×東西対立緩和に向け非同盟国首脳会議開催(9.1)

×米支援の反革命軍がキューバに侵攻、失敗(4.17~19)

世相・風俗(1961)

○レジャーブーム-高度成長で余暇時間が増え、レジャーが浸透、新聞・テレビにレジャーの言葉があふれ、行楽地に人が押し寄せる。スキー客100万人突破、登山者224万人。

○柏鵬時代始まる。柏戸・大鵬が同時横綱昇進(10)。

○三島由紀夫の「宴のあと」が告訴され(3)、プライバシー侵害として訴えが認められる('64年)。

少年少女に睡眠薬遊びが流行、有線放送急速に普及、うたごえ喫茶、ドドンパのリズム流行、六本木族、ガンブーム、女子学生亡国論、日紡貝塚女子バレー「東洋の魔女」といわれる、初の物価白書、50円の商品に100万円が当たる懸賞広告

消費者・住民運動・公害(1961)

○イタイイタイ病、カドミウム原因説発表。

○四日市ぜんそく患者多発。

○国民生活向上対策審発足。

○医師会一斉休診。

○日本消費者協会設立、初の商品テスト結果発表。

○「原価の秘密」。

時の商品・新製品(1961)

○本格的クレジット・カード時代へ-富士銀行と日本交通公社が共同でアメリカのダイナース社と提携、日本ダイナース・クラブを設立('60.12.2)この年営業を開始(1.15)。三和銀行、日本信販などが共同で日本クレジット・ビューロー(JCB)設立。

○東京-札幌間に国内線初のジェット旅客機が就航(9)。

○日野自動車が小型乗用車「コンテッサ900」を発売(4.1)。

○トヨタ版国民車「パブリカ」(700cc)発売(6.30)。

○EEカメラの普及始まる-自動露出の「キヤノネット」発売(1)。

○半袖のワイシャツ登場-テイジン「ホンコンシャツ」、東レは「セミスリーブシャツ」を発売。

○資生堂が「サンオイル」発売(5)。太陽で肌を焼く欧米の習慣が日本にも波及し始める。

○ポーラ化粧品が高級化粧品「ビノレーム」発売。

○クレラップ、サランラップが登場。

○アンネナプキン発売(11.11)。

○インスタントコーヒーの輸入が自由化(7)。

○粉末インスタントクリーム「クリープ」発売。

○武田薬品が総合調味料「いの一番」発売(2.1)。

○明治製菓が「マーブルチョコレート」発売(2)。

○シームレス・ストッキング

○この年発売された主な電化製品-トランシーバー、タイムスイッチ付き電気釜、ジューサーミキサー、電気かつお節削器、普及型テープレコーダー(2万円)、電気温風機など。

テレビCM(1961)

○スポットCM、30秒から15秒単位が主流に。

○寿屋<トリスを飲んでHawaiiへ行こう>

○レナウン「ワンサカ娘」

○外人タレント起用CM増加-森永製菓 トリオ・ロス・パンチョス、服部時計店 E.H.エリック

新聞広告(1961)

アンネ・アンネナプキン<アンネの日ときめました><40年間お待たせしました>

帝人ホンコンシャツ<テイジンが贈る涼しい夏>

寿屋トリス<「人間」らしくやりたいナ>

厚木シームレスストッキング<「線」を忘れましょう><シームレスはお好き?>

東レ<キモノでごめんあそばせ>

日産自動車・セドリック<走る豪華な応接間>

トヨタ自動車・パブリカ<パブリカにはじまって パブリカにつきる>

キヤノンカメラ・キヤノネット<不思議の目><ウデなんていりません>

旭ダウ・サランラップ<見えない香りも包みます>

武田食品・いの一番<いの一番のコマーシャルソングをえらんで下さい>

話題のテレビ番組(1961)

○フジテレビ、東海テレビ放送を筆頭に早朝からの全日放送体制が実施される(11)。

○“テレビを毎日見る人”の数が“ラジオを毎日聞く人”の数追い抜く。

○俗悪番組に批判。

○映画番組の新設が相次ぐ-「テレビ名画座」(1.9)、「奥様映画劇場」(9.25)(ともにCX)、「お茶の間映画館」(2.17)、「週末名画劇場」(土曜日後11:15~前0:40-深夜放送の初め)(3.4)、「名作邦画アワー」(4.7)、「お好み映画館」(9.25)(ともにTBS)、「土曜映画劇場」(NTV)(11.4)などが放送開始。

○シャボン玉ホリデー(バラエティ・ショー)(NTV)放送開始(6.4)。

○ロカビリー番組、バンドポップショー。

○ズバリあてましょう(CX)放送開始(8.5)。

○ホームドラマ「咲子さんちょっと」(TBS)放送開始(10.2)。

○月曜日の男。

○おとらさん繁盛記。

○刑事ドラマ相次ぐ-「7人の刑事」(TBS)(10.4~'69.4.28)、「特別機動捜査隊」(NET)(10.11~'77.3.20)放送開始。

○NET「消費者教育講座」開始。

○アメリカ製TV映画全盛-サーフサイド6(TBS)、アンタッチャブル、マーベリック(NET)など(探偵の近代的生活様式が大きな反響)。

○その他の主な外国テレビ映画-パパ大好き、マイク・ハマー(CX)、ちびっこギャング(NET)、快傑ゾロ、保安官ワイアット・アープ(NTV)。

○主な外国アニメ-バックス・バニー・ショー(MBS)、強妻天国、ワンワン保安官(CX)、ウッドペッカー(NTV)など。

NHK(1961)

○朝の連続テレビ小説スタート《娘と私》(4.3)。

○土曜夜10時に「夢で逢いましょう」放送開始(4.8~'66.4.2)。永・中村コンビのコーナー「今月の歌」から「上を向いて歩こう」などのヒット曲が誕生。

○青春職場ドラマ「若い季節」放送開始(4.9~'64.12.28)。

○伊豆の踊り子(初のTV小説)。

○ものしり博士。

流行語(1961)

物価倍増、交通戦争、時差出勤、地球は青かった、レジャー、○○ムード、××ブーム、不快指数、中間層、リバイバル、プライバシー(“宴のあと”事件)、東洋の魔女、アンネの日、何でも見てやろう、ファンキータッチ、現代っ子、スイスイ、C調、申しわけない、ありがたや、ドドンパ、スクスク、パチャンガ

流行歌(1961)

レコード大賞:フランク永井<君恋し>

硝子のジョニー
銀座の恋の物語
北上夜曲
君恋し
スーダラ節
北帰行
上を向いて歩こう
コーヒー・ルンバ
東京ドドンパ娘
川は流れる
今日は赤ちゃん
恋しているんだもん
おさななじみ
湖愁
かかしのねがいごと
ムーン・リバー
G・Iブルース
花はどこへ行った
コットン・フィールズ
禁じられた遊び
スタンド・バイ・ミー
カレンダー・ガール
可愛いベイビー
ルイジアナ・ママ
ヴァケーション
恋の一番列車

○リバイバル・ブーム-「君恋し」がレコード大賞を受賞し、「九ちゃんのジンタッタ」「ジンジロゲ」「東京ドドンパ娘」などの他、うたごえ喫茶を中心に「北帰行」「川は流れる」「北上夜曲」などリバイバルブームとなる。○NHK番組「夢で逢いましょう」から生れた「上を向いて歩こう」(坂本九)が大ヒット。

○NHK番組「夢で逢いましょう」から生れた「上を向いて歩こう」(坂本九)が大ヒット。

○ドドンパ、パチャンガ、ドンドン、スクスクなどのリズムが一時のブームとなる。

話題の映画(1961)

洋画
荒野の七人
ウエスト・サイド物語
ナバロンの要塞
コマンチェロ
風と共に去りぬ
片目のジャック
栄光への脱出
ガン・ファイター
アラスカ魂
処女の泉
素晴しい風船旅行
ティファニーで朝食を
ふたりの女
日曜はダメよ
荒馬と女

邦画
赤穂浪士
あいつと私
用心棒
宮本武蔵
幽霊島の掟
波涛を越える渡り鳥
堂々たる人生
アラブの嵐
世界大戦争
不良少年
名もなく貧しく美しく
ニッポン無責任時代
小早川家の秋
ゼロの焦点

○新東宝倒産。

○日活のアクションスター・赤木圭一郎が撮影所内でゴーカートに乗り事故、1週間後に死亡(2.21)。

○大映が日本初の70ミリ映画「釈迦」を公開(11.1)。

○新東宝の旧作品559本のテレビ上映権をテレビ各社に売却(7)。

ベストセラー(1961)

英語に強くなる本
記憶術
性生活の知恵
頭のよくなる本
砂の器

○8月5日に発売された「英語に強くなる本」が、11月末で150万部の売れ行きとなる。

○“光文社文化”-「英語に強くなる本」「頭のよくなる本」「日本経済入門」などカッパ・ブックスの光文社からベストセラーが相次ぐ。

○推理小説ブーム続く-松本清張の「砂の器」「影の地帯」「黄色い風土」の他、水上勉の「雁の寺」、高木彬光の「虚名の鎖」「人蟻」などが人気となる。

○有田八郎元外相が小説「宴のあと」はプライバシー侵害だとして新潮社社長と作家三島由紀夫を告訴(3.15)。

話題のマンガ(1961)

○手塚治虫が虫プロを設立(6)。

○横山光輝の「伊賀の影丸」が少年サンデーに連載開始(4~'66.10)。

○石森章太郎(石ノ森章太郎)の「ミュータント・サブ」が少女に連載開始(10)。

サスケ(少年)、ちかいの魔球(少年マガジン)、星のたてごと(少女クラブ)

ファッション(1961)

○カラーキャンペーンさかん。

○エレガントスタイルが主流となりプリーツスカート多くなる。

○夏にムームーが流行、女性にはショート・パンツも人気となる。

○イタリアンプリントに人気。

○セーターとスラックスが若者に人気。セーターは大きい目のヒップが隠れるもので強烈な色彩のもの。

○女性の靴は先の四角いフレンチ・タイプが秋ごろから流行。

○セミスリーブシャツ、ホンコンシャツ、黒の流行、レザーウェア、ビニールの金色ベルト、チロリアン・スタイル、シームレス・ストッキング時代へ、ブライダルキャンペーン、和服ブーム

気象状況(1961)

○台風6号くずれの低気圧と梅雨前線により、中国地方から降りだした雨が近畿・中部・関東地方にまで広がり、各地で集中豪雨が発生。被害は31都道府県におよび、全国で6,971か所のがけ・山崩れがあり急造宅地に大き被害を与え、死者252人、行方不明133人をだす(6.24~7月初旬)。

○超大型の風台風18号が近畿地方から能登半島を縦断、大阪府の高波被害を中心に全国各地で死者行方不明者202人、全壊住宅15,238棟などの被害をす(第2室戸台風)(9.15~17)。

1960年(昭和35年)

経済白書 副題(1960)

日本経済の成長力と競争力

経済概況(1960)

アメリカは戦後4回目の景気後退に見舞われたが、日本経済は政府の高度成長政策の展開ともあいまって、投資の盛行をもたらし、前年に引き続き未曾有の高成長をとげた。

経済成長率 名目 21.4% 実質 13.3%
民間最終消費支出 名目 15.3% 実質 11.5%
民間企業設備投資 名目 47.5%  
輸出 名目 15.7%  
消費者物価    3.6%  

※テレビ生産世界第2位へ躍進

日本の広告費(電通調査)(1960)

  億円 対前年比(%)
総広告費 1,740 (119.5)
新聞 684 (110.7)
雑誌 100 (125.0)
ラジオ 178 (109.9)
テレビ 388 (163.0)
DM・屋外他 372 (111.4)
輸出 18 (75.0)

政治・経済・業界(1960)

×日米新安保条約、ワシントンで調印(1.19)。

○民主社会党結成、委員長に西尾末広氏(1.24)。

○貿易外為替の一部を自由化ないし制限緩和(2.8)。

○東証旧ダウ1,000円台の大台突破(2.20)。

×EFTA(欧州自由貿易連合)域内間の第1回関税引き下げをまず20%と発表(3.12)。

○新安保条約強行採決(5.20)。

×韓国が対日輸入制限を撤廃(5.12)。

○大蔵省外資導入の緩和措置を実施(6.2)。

○アイク訪日延期、ハガチー事件起る(6.16)。

○政府が貿易・為替自由化大綱を発表(6.24)。

○政府は政府全体の広報センターとして総理府に広報室を設置(6.27)。

○安保騒動で岸内閣総辞職(7.15)。

○第一次池田内閣発足(7.18)。

○日銀が公定歩合1厘引下げ(8.24)。

○政府閣議で国民所得倍増計画を正式決定、10年後の45年度国民総生産26兆円、年率7.8%の成長率を想定(12.27)。

マスコミ・広告・媒体(1960)

○民放連、広告主協会などによるCM合同研究会(現・全日本CM協議会=ACC)が発足(1)。

○KR、CBC、ABC、RKB4社のネットワーク連盟出現(1)。

○ソニーが週刊新潮の全広告スペースを買い切る。

○朝日新聞販売部数を公表(2)。

○“アド・エージ”誌が電通を世界の広告代理店の5位にランク(米国を除いて1位)。

○商業放送、成績好況を記録(3)。

○缶詰ビールの製造と売出し宣伝盛んになる(4)。

○世界の広告主順位、東芝18位、松下電器50位に記録さる(5)。

○民放連がテレビの青少年への影響調査のためテレビ影響調査専門部会を設置(6.15)。

○カラーテレビ受像機の売出しはじまる(7)。

○新聞協会34年度下期の新聞社の経営動向を発表、目立つ広告収入の増加。

○ローマオリンピック放送でNHKと民放のテレビ中継体制整う(7)。

○カラーテレビ本放送開始(9)、NHK、NTV、KRT(現TBS)、ABC、YTV。

○KRとCBC株式上場(10)。

○公正取引委員会は誇大広告制限で独禁法強化決める(10)。

○広告業者協会秋期大会で吉田電通社長、BBBの設置を提唱(11)。

○ラジオ東京(KR)が東京放送(TBS)と社名変更(11.29)。

○近畿広告社が大広と社名変更(11)。

媒体の発足(1960)

○秋田放送など2局(4)、福井放送など2局(6)、宮崎放送(10)。

○東海ラジオ(4)、ラジオ沖縄(7)。

○日経新聞、大阪で夕刊発刊。

○「潮」潮出版社(7)。

○NHK総合・教育TVの全国置局許可。

○テレビ局数43局(5局増)

○ラジオ局数44局(2局増、2局減)

○創復刊誌133誌、休廃刊誌73誌

媒体普及率(1960)

テレビ契約数 4,148,683
ラジオ契約数 13,413,077

(NHK契約世帯数)

テレビ普及率 44.7%
ラジオ普及率 -(消費動向調査)

国内10大ニュース(1960)

○安保闘争とアイク訪日中止(6.16)

○新安保条約の調印と自然成立(1.19調印、6.23成立)

○浅沼委員長刺殺事件(10.12)

○三井三池争議(3.28衝突)

○池田内閣誕生と9%成長政策(7.19)

○総選挙と民社党の惨敗(11.20)

○浩宮さまご誕生(2.23)

○チリ地震津波(5.24)

○雅樹ちゃん殺し

○プロ野球日本選手権に大洋優勝

海外10大ニュース(1960)

×U2機事件、パリ首脳会議決裂(5.16)

×ケネディ、米大統領に当選(11.8)

×アフリカ諸国独立、コンゴ動乱(6.30)

×韓国の反政府デモ、李承晩政権崩壊(4.27)

×米ドルの信用低下

×コメコン発足(4)

×石油輸出国機構(OPEC)結成(9.14)

×国連総会、植民地独立宣言を採択(12.14)

×経済協力開発機構(OECD)条約調印(12.14)

×第17回ローマ・オリンピック開催(8)

世相・風俗(1960)

○インスタント時代-インスタント食品が登場、インスタントラーメン('58年初登場)が続々と発売され、国産インスタントコーヒーも発売される(8)。

○安保改定抗議行動(6)、国会へデモ行進。

○1円玉が全国的に不足し、日銀貯蓄推進本部は“1円玉回収運動”を開始(12.1)。

クレジットカード誕生、国鉄3等廃止、ダンプカーの通行激化、ダッコちゃん大流行、アーチェリー流行、トルコ風呂乱立、山谷のマンモス交番襲撃事件(8)

消費者・住民運動・公害(1960)

○伊勢湾の“臭い魚”クローズアップ。

○ABS洗剤の毒性問題化。

○日本生産性本部、消費者教室開設。

時の商品・新製品(1960)

○クレジットカード登場-富士銀行と三越が提携しクレジットカードを発行(11)。

○本格的消費者金融も始まる-住友銀行がプリンス自動車と提携し乗用車の月賦金融を開始。東海銀行も参入(11)。

○タカラがビニール人形「木のぼりウィンキー(マスコミが“ダッコちゃん”と命名)」を発売(6)。大ヒットとなり、偽物も続出。

○インスタントラーメン・ブーム-チキンラーメンが大ヒット。新規メーカーの参入も相次ぐ。

○森永製菓がインスタントコーヒー発売(8)。味の素ゼネラルフーヅも(12)。

○家電メーカーが相次いでカラーテレビを発売。

○ソニーが世界初のトランジスタテレビ(白黒・8インチ)を発売。

○本格的なプレハブ住宅「セキスイハウス」登場(5)。

○主婦の友社から「青汁の効用」が発行され、ジューサーが注目を集める。

○初のロングサイズ・フィルター付きたばこ「ハイライト」発売(6)。

○6大都市で外国たばこが自由販売となる(20本入り150円)(10)。

○東海道線特急「こだま」「つばめ」に列車電話が登場(8)。

○この年発売された主な電化製品・・ヒートポンプ式ルームクーラー、遠心脱水機付き2槽式洗濯機、自動保温付き電気釜、コードリール式掃除機、ホットプレート付きロースターなど。

テレビCM(1960)

○インスタント食品CMスタート-日清チキンラーメン・森永インスタントコーヒーなど。

○ガムCM盛ん。

阪急共栄「ヴィックスの歌」集中スポット第1号

久光兄弟<はってすっきりサロンパス>

不二屋・パラソルチョコレート<パッとパラソルチョコレート…>

新聞広告(1960)

ロッテ<お口の中は南極です>

日立電気洗濯機<洗って着るまで20分>

日立カラーテレビ<色は日立のお家芸>

アサヒビール<ビールつくり三代>

松下電気毛布<胸もとはホノボノ 足さきはポカポカ>

三洋電機<独身男性は電化する>

朝日麦酒<ホロ馬車と彼女>

日本電気・電子計算システム<国産初の電子計算機オールシステム完成!>

マックスウェル・インスタントコーヒー<インスタント時代のスター!>

マルマン・ガスライター<日本で最初のガスライター>

ソニー・トランジスタテレビ<ニッポンの誇りがまた一つ!>

話題のテレビ番組(1960)

○外国テレビ映画「オールスター劇場」(CX)放送開始(8.9)。民放テレビ初の外国企業スポンサー・マックスファクターが提供。

○視聴者参加音楽番組「ヒット・キット・ショー」(CX)放送開始(4.4)。

○民放初の連続ドラマ「水道完備ガス見込」(NET)放送開始(5.2~'63.6)。

○大型西部劇放送開始-シャイアン(ラジオ東京)(5.2)、テキサス平原児(NET)(6.1)、ララミー牧場(NET)(6.23)、ボナンザ(NTV)(7.4)、幌馬車隊(NTV)(10.2)、ライフルマン(ラジオ東京)(11.30)。

○推理ドラマ流行-夜のプリズム、松本清張シリーズ、刑事物語、ヒッチコック劇場。

○昼メロ誕生-日々の背信(CX)(7.4)。

○毎週日曜の夜10時45分からの15分番組「ピンク・ムード・ショー」放送開始(9.18)。

○東は東。

○子供たちには国産テレビ映画では「七色仮面」「アラーの使者」「ナショナルキッド」「少年ジェット」などが人気。

○その他の主な外国テレビ映画-透明人間、モーガン警部(NTV)、ペリー・メイスン(CX)、サンセット77(ラジオ東京)など。

○主な外国アニメ-早射ちマック。

NHK(1960)

○子供に与える影響を考慮して、西部劇、ピストルもの、チャンバラものを追放(6)。

○放送時間を1日約1時間増加し、総合は約9時間半、教育は約6時間半となる(10.5)。

○「それは私です」放送(3.20)、のちに定時放送開始(7.8~'68.3.30)。

○長時間(2時間)のドラマ「敦煌」(作 井上靖)放送(7.9)。

○人形劇「ブーフーウー」(飯沢匡作)(9.5)、「ものしりカレンダー」(9.5 '61.4.6から「ものしり博士」となる)放送開始。

○私だけが知っている、ポンポン大将

○チャップリンの独裁者

流行語(1960)

黄金の60年、所得倍増、安保闘争、全学連、国立愚連隊、極東論争、インスタント、マスレジャー、ヌーベル・○○、私は嘘は申しません、声なき声、低姿勢、寛容と忍耐、裸足の王者、交通戦争、ダンプカー、家つき・カーつき・婆あ抜き、トップ屋、がめつい奴、行動右翼、七生報国、トラ箱、セックスが最高よ、永仁の壷、とうくろう、無い賃ゲール、~ちっち

流行歌(1960)

レコード大賞:松尾和子・マヒナスターズ<誰よりも君を愛す>

新人賞:橋幸夫 潮来笠

アカシヤの雨がやむとき
月の法善寺横町
雨に咲く花
哀愁波止場
潮来笠
月影のナポリ
ありがたや節
さすらい
無情の夢
誰よりも君を愛す
白い小指の歌
一本刀土俵入り
霧笛が俺を呼んでいる
おおキャロル
恋の片道切符
夏の日の恋
グリーン・フィールズ
渚にて
ビキニ・スタイルのお嬢さん
グッド・タイミング

○有線放送さかんになる。

○橋幸夫が「潮来笠」でデビュー.「潮来笠」のヒットで一躍スターに。10代のファンが急増。

○ニール・セダカ(4)、ハリー・ベラフォンテ(7)、リッキー・ネルソン(9)来日。

○日活アクションスターの活躍-石原裕次郎に続き、赤木圭一郎「霧笛が俺を呼んでいる」、小林旭「さすらい」がヒット。

○「アラモ」「グリーン・フィールズ」などブラザース・フォーのコーラス曲がヒット。

話題の映画(1960)

洋画
ベン・ハー
アラモ
眠れる森の美女
チャップリンの独裁者
許されざる者
太陽がいっぱい
バファロー大隊
スパルタカス
サイコ
五つの銅貨
渚にて
甘い生活
アパートの鍵貸します
真夏の夜のジャズ

邦画
任侠中仙道
天下を取る
闘牛に賭ける男
喧嘩太郎
娘・妻・母
あじさいの歌
太平洋の嵐
鉄火場の風
女が階段を上る時
続・親鸞
おとうと
黒い画集
笛吹川
青春残酷物語
裸の島

○男性映画ブーム-日活の石原裕次郎、小林旭、赤木圭一郎、東宝の三船敏郎、夏木陽介、佐藤允などが人気を集める。

○ヌーベル・バーグの波紋-ヌーベル・バーグの指導者フランソワ・トリュフォーの第1作「大人は判ってくれない」、ジャン・リュック・ゴダールの第1作「勝手にしやがれ」など公開。大島渚監督の「青春残酷物語」、吉田喜重監督の「ろくでなし」など松竹ヌーベル・バーグも話題となるが、「日本の夜と霧」で急速に退潮。

ベストセラー(1960)

性生活の知恵
頭のよくなる本
どくとるマンボウ航海記
敦煌
人生は芸術である
私は赤ちゃん
性格
鳥葬の国
河口
黒い樹海
トイレット部長
日本残酷物語

○世界史全集ブーム-「歴史の人間像」誠文堂新光社、「世界の歴史」筑摩書房、「世界史新書」至文堂など。

○「経済白書」が5万部の売れ行き。

話題のマンガ(1960)

○マンガ貸本屋全盛。

○水野英子の「星のたてごと」が少女クラブに連載開始(1)。

○富永一郎の「チンコロ姐ちゃん」がアサヒ芸能に連載開始(3)。

○牧美也子の「マキの口笛」がりぼんに連載開始(9)。

○貸本屋向けに水木しげるの「鬼太郎夜話」出版(9)。

○永島慎二の「漫画家残酷物語」が刑事に連載開始(12)。

スポーツマン金太郎(少年サンデー)、赤胴鈴之助(少年画報)、忍者武芸帳、エンゼルの丘、キャプテンKEN、ベスよ尾をふれ、ポテト大将

ファッション(1960)

○ライン時代が終り、カラーの時代へ。

○チャールストンスタイル、くずした美しさ。

レジャーウェア、ファンキー・ルック、落書ルック、高級化、個性化へ、きもの再評価、高級和装物、イタリアン・カットの靴、アイシャドー

○ブリリアン・トーン、スモーキー・トーン、各デパートがカラーキャンペーン開始。

○若者にジーパンが流行。

○第四の繊維・「人工レザー」が注目を集める。

気象状況(1960)

○年間を通して集中豪雨が各地で発生した。

○6月24日~7月1日全国(北海道を除く)豪雨 死者行方不明357人。○南米チリ沖で大地震が発生(5.23)。津波が太平洋沿岸に襲来し、北海道南岸、三陸沿岸、志摩半島など各地に被害をもたらす(チリ地震津波、5.24)。

1959年(昭和34年)

経済白書 副題(1959)

速やかな景気回復と今後の課題

経済概況(1959)

生産の著しい増加などで、経済は前年に引き続き拡大過程をたどり、いわゆる岩戸景気をもたらした。また、貿易為替の自由化計画が検討され始めた。

経済成長率 名目 14.3% 実質 9.3%
民間最終消費支出 名目 12.0% 実質 8.2%
民間企業設備投資 名目 21.5%  
輸出 名目 16.7%  
消費者物価    1.0%  

日本の広告費(電通調査)(1959)

○媒体別構成比で、テレビが急伸、ラジオを抜く。

○総広告費の対GNP比率が1%を上回る。

  億円 対前年比(%)
総広告費 1,456 (136.7)
新聞 618 (117.7)
雑誌 80 (145.5)
ラジオ 162 (103.2)
テレビ 238 (226.7)
DM・屋外他 334 (159.0)
輸出 24 (184.6)

政治・経済・業界(1959)

×カストロ派のキューバ革命成功。バチスタ大統領がドミニカへ亡命(1.1)。カストロがキューバの新首相に就任(2.16)。

○大蔵省は貿易為替の自由化推進の方針を決定(1.19)。

○日銀が公定歩合を1厘引下げ(2.19)。

○大蔵省は貿易自由化の細目を発表(4.24)。

○デノミ議論さかんとなる(6.5)。

○全銀協コール取引の自主的改善措置を実施(7.15)。

×米国で史上空前の鉄鋼スト発生(7.17)。

○準備預金制発動(9.11)、ドル相場の自由化(9.12)。

○東証株式出来高1.56億株で、開所以来の大商い(10.1)。

○日銀、公定歩合1厘引下げ(12.2)。

マスコミ・広告・媒体(1959)

○東京銀行協会、テレビ広告の利用に乗り出す(1)。

○日本テレビがカラーテレビ実験のナマ放送開始(1)。

○アメリカ誌“アド・エージ”58年度の世界広告代理業取扱高順位で電通を第9位にランク(8位まではアメリカ)(2)。

○放送法改正、番組の向上適性化、規定の整備強化(3)。

○NHKがラジオ受信料値上げ(4)。

○46紙が新聞購読料値上げ、増ページ(4.1)。各紙がラジオ、テレビ、スポーツ欄を拡充。

○新聞購読料値上げに対し消費者団体連合会が公正取引委員会に提訴(4)。

○毎日新聞、読売新聞が北海道での印刷発行開始(5.1)。

○電通が東京と阪神地区のテレビ視聴率調査行なう(5)。

○“電通報”題字下の標語を“マーケティングと広告活動”に置き換える(7)。

○製薬団体連合会、厚生省と医療品広告問題で懇談(7)。

○ラジオ東京系のテレビニュース・ネットワークJNN協定成立(8)。

○朝日新聞社、北海道でオフセット印刷開始(9)。

○毎日新聞が日本初の紙齢3万号を達成(11.8)。

○朝日新聞が初めての沖縄支局開設(11.20)。

媒体の発足(1959)

○長崎放送(1)、NETテレビ(現東京朝日放送)(2)、フジテレビなど4局札幌テレビなど8局(4)、岩手放送(9)、青森テレビなど3局(10)、沖縄テレビ(11)、山梨放送など2局(12)。

○和歌山放送(4)。

○「朝日ジャーナル」朝日新聞社(3)、「週刊文春」文藝春秋、「週刊現代」講談社、「週刊平凡」平凡出版(4)、マネジメント(5)。

○NHK教育テレビ発足(1)。

○テレビ局数38局(21局増)

○ラジオ局数44局(1局増)

○創復刊誌124誌、休廃刊誌117誌

媒体普及率(1959)

テレビ契約数 1,982,379
ラジオ契約数 14,605,745

(NHK契約世帯数)

テレビ普及率 23.6%
ラジオ普及率 95.0%(消費動向調査)

○TV受信契約300万突破(10)。

○月刊誌と週刊誌の発行部数逆転。

国内10大ニュース(1959)

○伊勢湾台風(9.26)

○安保改定で保守、革新の対決

○皇太子御結婚(4.10)

○砂川事件伊達判決

○社会党の分裂(10.25)

○国会請願デモ事件(11.27)

○松川事件判決(8.10)

○エネルギー革命と石炭労使の紛争

○東京オリンピック大会決定(5.26)

○北朝鮮帰還(8.13日朝協定調印)

海外10大ニュース(1959)

×ソ連月ロケット、月の裏面撮影に成功

×ダレス米国務長官死去、アイク東西協調外交推進

×キューバ革命成功(1.1)、カストロ首相就任(2.16)

×米鉄鋼スト、タフトハートレー法発動(10.9)

×チベットで反乱(3.16)、中印国境紛争起こる(8.7)

×欧州自由貿易連合(EFTA)条約仮調印(11.20)

×中ソ意見対立激化、ソ連首相訪中で共同生命発表されず(9.30)

世相・風俗(1959)

○“消費革命”時代-電化製品の売り上げが伸びる。電気釜、テレビ、電気洗濯機などに人気。

○皇太子結婚、パレードをテレビ中継(4.10)。テレビ受信契約が結婚式1週間前に200万を突破。

○児島明子がミス・ユニバースに選ばれる(7)。

○日本水泳世界新、200メートル背泳で田中聡子、400メートル自由形で山中毅(7)。

×ハワイがアメリカ合衆国の50番目の州となる(8.21)。

メートル法実施(1)、ラジオ深夜放送スタート、個人タクシー出現(12)、セクシーブーム、ビート族・カミナリ族、フクロウ部隊、青年の家開設、国民年金制度発足(4)、東京上野に国立西洋美術館が開館(6.10)、緑のおばさん登場(11)

消費者・住民運動・公害(1959)

○水俣で漁民が新日窒工場に乱入。熊大、水俣病有機水銀原因説発表。

時の商品・新製品(1959)

○音の出る雑誌「コダマ」発売。

○即席しるこ発売。

○三菱 500、ブルーバード発売でマイカー時代へ。

○富士精密工業が国産初の3ナンバー車「グロリア」発売(2)。

○台所用洗剤ブーム-ライオン油脂が「液体ライポンF」発売(4)。日本油脂が「ニッサンセブンK」を発売(6)。

○資生堂が男性化粧品「フォアメン」発売(3)。

○ハーフサイズのコンパクトカメラ「オリンパス・ペン」発売(10)。

○“3時間で建つ”と、勉強部屋の増築用、別荘用に大和ハウスがプレハブ宅「ミゼットハウス」発売(11)。

○「チキンラーメン」のヒットに続きエース食品が「エースコック」を発売(12)。九州でも「マルタイラーメン」が登場。

○バンドエイド登場。

○この年発売された主な電化製品-セパーレト型エアコン、自動温度調節器付き電気ポット、ロースター、自動オーブン、遠心脱水機など。

テレビCM(1959)

旭化成「カシミロンの歌」

文明堂「カステラ一番」

ヤンマーディーゼル「ヤン坊マー坊の歌」

ダイハツ<ミゼット!言うたった>

キスミー化粧品「セクシーピンク」

中外製薬<坊やのケガとお母さん>

ハリスガム<リスの擬人化>

江崎グリコ・アーモンドグリコ<ひと粒で2度おいしい>

新聞広告(1959)

サッポロビール<ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー>

三洋電機<消費者こそ王様>

東レ<ザイラーが来る・ザイラーが着る>

文藝春秋・週刊文春<あさっては皇太子さまのご結婚・きょうは週刊文春の発売日>

花王フェザーシャンプー<男だって使うべきよ!>

東芝電気洗濯機<余暇を生む働きもの!>

東レバンロン肌着<呼吸する肌着>

日産・ブルーバード<誕生!ダットサン ブルーバード>

話題のテレビ番組(1959)

○初のカラースタジオドラマ-赤い陣羽織(NTV)放送開始(4.15)。

○天皇番組さかん、各社皇太子成婚中継。

○イベント中継にともないテレビが郡部まで普及し、ネットワーク系列化振行。

○JNNニュースネット発足。

○メイコのごめん遊ばせ(NET)放送開始(2.7)。

○のちに“スタ千に出なければスターじゃない”とまでいわるまでになった「スター千一夜」放送開始(CX)(3.1)。

○クレージーキャッツを売り出すきっかけとなった「おとなの漫画」(CX)放送開始(3.2~'64.12.31)。

○初の国産カラーテレビ映画「快傑ハリマオ」(NTV)放送開始(4.5)。

○この他、子供たちには国産テレビ映画では、「月光仮面」「まぼろし探偵」「豹の眼」(ラジオ東京)、「風小僧」(NET)、「少年ジェット」「鉄腕アトム」(CX)、「怪人二十面相」(NTV)などが人気。

○フジテレビ「テレビ結婚式」放送開始(7.7~'67.3.28)。

○日本テレビが日本製ホームドラマ「ママちょっと来て」(本格的なホームドラマのはしり。アメリカのホームドラマが下敷き)(7.12)、「愛の劇場」(10.1)、「花と光と」(10.2)放送開始。

○百万円Xクイズ(ラジオ東京)放送開始(10.11~'61.6.30)。

○ラジオ東京、ドラマ「いろはにほへと」放送(11.29)。

○海外取材番組「世界飛び歩き(のちの兼高かおる世界の旅)」(ラジオ東京)放送開始(12.13)。

○外国テレビ映画激増(ゴールデンに週32本)。

西部劇-ローハイド(NET)(60分もの)、バット・マスターソン(NET)、ガンスモーク、大平原(CX)など放送開始。スティーブマックィーンの出世作「拳銃無宿」(CX)(12.6)も放送開始。

ホーム・コメディ-ビーバーちゃん(NTV)(1.7)、うちのママは世界一(CX)(12.6)など。

その他の主な外国映画-ウィリアム・テル、世にも不思議な物語(NTV)など。

○主な外国アニメ-ベティちゃん(NTV)、珍犬ハックル(NET)、ポパイ(ラジオ東京)など。

○なんでもやりまショー(28年~)終了。

※ニッポン放送、ラジオオールナイト全日放送開始。

NHK(1959)

○「現代人間模様」放送開始(4.6)。

○「おかあさんといっしょ」放送開始。

○ドラマ特別番組「日本の日蝕」放送(10.9)。クローズ・アップ手法が話題。

○子供達に人気の町内ドラマ「ホームラン教室」(10.10~'63.3.30)。

○第1回海外取材番組開始、「アフリカ大陸を行く」(12.10~'60.3.27)。

○主な外国テレビ映画-カサブランカ、キングス・ロー、宇宙探険。

流行語(1959)

岩戸景気、消費革命、消費は美徳、ご清潔でご誠実、私の選んだ人を見て下さい、ファニーフェース、アフターサービス、セクシーピンク、トランジスタ・グラマー、春一番、カミナリ族、稲妻族、サッチョン族、三当四落、がめつい、乗車拒否、優マーク、曲り角、ちゃんねえ、タフガイ、カックン、キサッス・キサッス

流行歌(1959)

第1回レコード大賞:水原弘<黒い花びら>

夜霧に消えたチャコ
南国土佐を後にして
人生劇場
東京ナイトクラブ
黒い花びら
黄色いサクランボ
僕は泣いちっち
浅草姉妹
哀愁のからまつ林
古城
愛ちゃんはお嫁に
チャンチキおけさ
やさしい和尚さん
大利根無情
キサス・キサス・キサス
恋の日記
恋の片道切符
カラーに口紅
アイ・ニード・ユア・ラブ・トゥナイト
いとしのヴィーナス
チャオ・チャオ・バンビーナ
マック・ザ・ナイフ

○コーラスグループの活躍-ダーク・ダックス、マヒナスターズ、デューク・エイセス、ザ・ピーナッツ、スリー・キャッツなど。

○日本民間放送連盟が「要注意歌謡曲取扱い内規」を制定(7)。

○ザ・ピーナッツ「可愛い花」でデビュー(6)。

○同じく双子姉妹のこまどり姉妹の「浅草姉妹」もヒット。

○ペギー葉山がNHK高知テレビの開局祝いで「南国土佐を後にして」を余興で歌ったのがきっかけとなり大ヒット。

話題の映画(1959)

洋画
リオ・ブラボー
大いなる西部
騎兵隊
ワーロック
北北西に進路をとれ
連邦警察
大海賊
ソロモンとシバの女王
白銀は招くよ
十二人の怒れる男
灰とダイヤモンド
恋人たち
お熱いのがお好き
いとこ同志
アンネの日記
さすらい
わらの男

邦画
忠臣蔵
日本誕生
怒濤の対決
人間の条件・第1・2部
世界を賭ける恋
男が命を賭ける時
人間の条件・第3・4部
天下の副将軍
男なら夢をみろ
キクとイサム
野火
にあんちゃん
独立愚連隊

○第9回ベルリン国際映画祭で「隠し砦の三悪人」が助監督賞と国際映画批評家賞を、「裸の太陽」が青年映画賞を受賞(7.8)。

○ヌーベル・バーグ-フランスの30歳前後の若手監督の進出が注目を集める。日本でも「いとこ同志」「今晩おひま?」などが公開。

○黒沢プロダクション発足(4)。

ベストセラー(1959)

にあんちゃん
日本の歴史
少年少女世界文学全集
波濤
催眠術入門
論文の書き方
日本文学全集
私本太平記
世界文学全集
敦煌
告白的女性論
不道徳教育講座
ドクトル・ジバゴ
日本唱歌集
インカ帝国
井上靖集
われらの時代
ロリータ

○日本史ブーム起こる-敗戦によりタブーとなっていた日本史を唯物史観の立場から書いた「日本の歴史」が読売新聞社から刊行(1.20~'60.1)。

○経営学書から産業書にブームが移る-「現代日本産業講座」岩波書店、「日本の産業シリーズ」有斐閣、「産業シリーズ」東洋経済新報者、「工業大事典」平凡社など。

○創元推理文庫創刊。

○井上靖の「波濤」「敦煌」「楼蘭」「揺れる耳飾」などがベストセラーとなる。

○「面白倶楽部」など大衆誌廃刊続出。

話題のマンガ(1959)

○少年週刊誌時代が始まる-「週刊少年マガジン」講談社、「週刊少年サンデー」小学館3.17同日創刊。

○「劇画界」2月創刊。

○横山光輝の「おてんば天使」がりぼんに連載開始(1)。

○わちさんぺいの「ナガシマくん」が少年に連載開始(1)。

○寺田ヒロオの「スポーツマン金太郎」が少年サンデーに連載開始(3)。

○今村洋子の「チャコちゃんの日記」が少女に連載開始(5)。

○手塚治虫の「魔神ガロン」が冒険王に連載開始(7)。

○「週刊漫画サンデー」8月創刊、萩原賢次の「忍者武士道」が連載開始。

○白土三平の「忍者武芸帳」第1巻出版(12)。

0マン(少年サンデー)、少年ジェット(ぼくら)、フイチンさん(少女クラブ)、怪傑ハリマオ、少女三人、白馬の少女、月のひとみ、スーパーマン

ファッション(1959)

○チェック柄の流行、デパートルック(共通点は細身のシルエット、ソフトな色調)。

ミッチースタイル、テトロンの進出による3W性・無色彩に人気。ササールコート、キューピットライン

○慶祝カラー、ザイラー・ブラック(T・ザイラー来日)、チャコールグレーの全盛。

○シャツ・ルックが愛好される。

○シームレスストッキングが流行。

気象状況(1959)

○停滞前線により北陸・東海地方に豪雨(8.25~26)。

○紀伊半島から上陸した伊勢湾台風(15号)により、北海道を除く全国で死者4,697人、負傷者38,921人の被害をもたらす(9.26~27)。

○京浜地帯に集中豪雨。江東地区で164戸の床上浸水、都内で1万戸が停電、東横線菊名駅が水浸しとなる(12.2~3)。

1958年(昭和33年)

経済白書 副題(1958)

景気循環の復活

経済概況(1958)

神武景気の反動で設備過剰から在庫調整へとなべ底不況が続いた。が、年央からの需要増加にささえられ国際収支の黒字化もあって景気の回復が進んだ。

経済成長率 名目 6.3% 実質 7.3%
民間最終消費支出 名目 7.2% 実質 8.0%
民間企業設備投資 名目 -3.0%  
輸出 名目 -0.6%  
消費者物価    -0.4%  

日本の広告費(電通調査)(1958)

○媒体別構成比で新聞50%割る。

  億円 対前年比(%)
総広告費 1,065 (113.3)
新聞 525 (102.9)
雑誌 55 (110.0)
ラジオ 157 (104.7)
テレビ 105 (175.0)
DM・屋外他 210 (123.5)
輸出 13 (-)

政治・経済・業界(1958)

×欧州経済共同体(EEC)と欧州原子力共同体(ユートラム)が発足(1.1)。

×アメリカ初の人工衛星「エクスプローラ1号」打ち上げに成功(1.31)。

○日中貿易新協定調印(3.5)。

×ソ連でブルガーニン首相が解任、フルシチョフ第1書記が首相兼任(3.27)。

×キューバでカストロ派のハバナ攻撃が始まる(4.3)。

○全銀協が自粛コ-ル・レ-トを2厘引き下げ(4.18)。

○日英通商協定調印(4.25)。

○中国が日中貿易全面停止を通告(5.10)。

○外国為替相場の大幅自由化措置実施(5.15)。

○日銀が公定歩合を戦後始めて2厘引き下げ(6.18)。

○鉄鋼不況対策として公開販売制を決定(6.13)。

○経済基盤強化資金法成立(7.8)。

○海外貿易振興会を前身として政府が全額出資の特殊法人、日本貿易振興会(JETRO)発足(7.25)。

○政府はココム決定で対共産圏禁輸を大幅緩和(8.15)。

○日銀が公定歩合1厘引き下げる(9.5)。

○東証の出来高1億株をこえる(10.7)。

×西欧12ヵ国で通貨交換制回復。

○1万円札発行(12.1)。

○東京通信工業がソニーに改称(1)。

○岩戸景気('58.7~'59.12)。

マスコミ・広告・媒体(1958)

○民放連がテレビ放送基準制定(1)。

○東京コピーライターズ・クラブ(TCC)が発足(1)。

○NHK、NTV、KRT第1回視聴率調査。

○新聞広告活況、有力紙の建ペ-ジ平均15ページ。

○毎日新聞が1面を総合編集面とする(3.1)。

×ベルギーで「ブリュッセル万国博」開催(4.17~10.19)。入場者4157万人。

○自治庁がラジオ利用のPR開始(4)。

○厚生省が化粧品広告の適正基準を制定(5)。

○衆議院の総選挙で新聞、ラジオ、テレビが利用される(5)。

○ラジオ・テレビはじめ各種家庭電気器具の広告宣伝いよいよ盛ん(6)。

○広告代理業の手数料問題で関係各団体の懇談会開かれる(7)。

○日本広告協会が懸賞付広告の自粛を強調(7)。

○電通が単独のラジオ聴取率調査を東京はじめ関東5市で行う(8)。

○西日本新聞連載の“出版連合広告”注目をひく(8)。

○化繊類の広告、農村向の電気機器、農機具、金融関係などの宣伝活発(9)。

○第1回“新聞広告の日”全国各新聞は社説・記事で広告の解説を記載(10)。

○“読書週間”はじまり出版広告賑わう。

○皇太子妃決定の祝賀広告、新聞、雑誌上に賑わう(11)。

○ABC協会が任意団体から社団法人に移行(12.1)。

○マンモステレビ塔の「東京タワー」が完成(12.23)。

○全日本屋外広告業団体連合会が発足(12)。

媒体の発足(1958)

○RKB毎日(3)、山陽放送(6)、西日本放送(7)、読売テレビ(8)、テレビ西日本(8)、信越放送(10)、関西テレビ、静岡放送(11)、東海テレビなど4局(12)。

○大阪放送(7)、ラジオ関東(11)。

○「日本工業新聞」復刊(1)、「The Yomiuri」再発刊(11)。

○「週刊大衆」双葉社(4)、「週刊明星」集英社(7)、「女性自身」光文社(12)、など週刊誌ブーム。

○テレビ局数17局(12局増)

○ラジオ局数43局(2局増)

○創復刊誌78誌、休廃刊誌58誌

媒体普及率(1958)

テレビ契約数 908,710
ラジオ契約数 14,590,807

(NHK契約世帯数)

テレビ普及率 10.4%
ラジオ普及率 89.1%(消費動向調査)

○テレビ受信契約数100万突破(4)。

○東京の電話50万台(6)。

国内10大ニュース(1958)

○皇太子妃決定(11.27)

○国会内外の警職法反対闘争(11.22審議未了)

○総選挙と第2次岸内閣成立(5.22、6.12)

○中国の対日政策硬化(5.2長崎事件、5.10日中貿易停止状態となる)

○狩野川台風による伊豆の水害(9.26)

○勤評反対闘争

○第3回アジア競技大会開催(5.24)

○売春防止法実施(4.1)

○王子製紙争議(7.18~12.9)

○全日空機伊豆沖で墜落(8.12)

海外10大ニュース(1958)

×イラク、アラブ連合脱退、中東動乱(7.14)

×フルシチョフ首相兼任で主導権確立(3.27)

×米ソの人工衛星・ミサイル競争

×欧州経済共同体(EEC)発足(1.1)

×仏で第5共和制発足(10.5)、ドゴールが大統領に当選(12.21)

×エジプト・シリアが合併しアラブ連合共和国成立(2.1)

×第1回全アフリカ人民会議開催(12.8)

世相・風俗(1958)

○相撲の栃若時代が始まる(~'60)。

○プロ野球の人気が高まる-長島・金田対決(4)、巨人対西鉄の日本シリーズ開催。巨人3連勝の後、西鉄が奇跡の4連勝。鉄腕稲尾が7試合のうち6試合に登板、47イニングを投げぬく活躍(10)。

○巨人の長島茂雄が新人王に(10)、王貞治が巨人に入団(10)、川上哲治選手が引退。

○ロカビリーブーム-日劇でウエスタン・カーニバル開催(2)。

○世界初の海底関門トンネル開通(3.9)。

○ミッチーブーム-皇太子と正田美智子さまの婚約発表(11)。始めて民間から選ばれた皇太子妃で、交際のきっかけが軽井沢のテニスコートであることなどからミッチーブームが起こり、身につけていたヘアバンド、カメオのブローチやテニスウェアがファッションとして流行。

○神戸にダイエー開店、以後スーパーマーケット増加。

○東京タワ-が完成(12.23)。東京の新名所に。

日本初の1万円札発行(12.1)、フラフープ大流行、8ミリ映写機が人気、ジュークボックス好評、テレビ結婚第1号誕生(3.3)、証券ブーム、東宮御所1万円入札、道徳教育始まる、売春防止法実施(4.1)

消費者・住民運動・公害(1958)

○水俣病患者家庭互助会結成。

○工場排水法制定。

時の商品・新製品(1958)

○近鉄奈良線に初の二階建てビスタカー登場、東海道線にもビジネス特急こだま登場(11.1)(当初は東京~大阪間6時間50分、のち6時間半に)。

○初のインスタントラーメン「チキンラーメン」(日清食品)発売(8.25)。発売時1袋35円、すぐに値下げされ30円に。爆発的人気となる。

○渡辺製菓が無果汁の「粉末ジュース」発売(2)。

○武田薬品が果汁飲料「プラッシー」を米穀店ルートで発売(4)。

○朝日麦酒が日本初の缶ビール(ブリキ缶)を発売(9.15)。

○キューピーが初の市販ドレッシング「フレンチドレッシング」を発売(12)。

○富士重工が「スバル360」発売(5.1)。

○日本ビクターが国産初の電子オルガン「ビクトロン」発売(7)。

○日本ビクターが国産初のステレオレコード発売(8)。

○オムツサービス会社登場(9)。

○厚木ナイロンがシームレスストッキングを発売。1足400円(8)。

○テトロン、カシミア、ボンネル、アセテートなど化繊製品量産開始。

○「月光仮面」のキャラクターノート(極東ノート)が発売され(12)、ヒット。

○トランジスターラジオ爆発的人気。

○電気炊飯器、電気こたつが大人気。

○この年発売された主な電化製品-ポータブル式テープレコーダー、家庭用換気扇、スチームアイロン、FMラジオ受信機など。

×アメリカのテキサス・インスツルメンツ社が集積回路(IC)を開発(12)。

テレビCM(1958)

寿屋<トリス・バー>アンクル・トリスシリーズ第1号

横浜ゴム「ハマホームの歌」

チョコレートのCM活発化-グリコアーモンドチョコレート

桃屋<なにはなくとも江戸むらさき(三木のり平の漫画シリーズ)>

日本麦酒・リボンジュース「奇声CM」<リボンちゃん、ハーイ>

新聞広告(1958)

旭化成・カシミロン<カシミヤタッチのカシミロン><5キロの厚着はもうごめん>

東レテトロン<ラフに洗ってタフに着る!>

光文社<カッパの本はみんなヒットする>

明治製菓・ミルクチョコレートデラックス<皇太子さまのご婚約おめでとうございます>

ビクター・オーディオラ<あふれるゆたかなこの音を>

東芝・自動式電気釜<デンキガマオクレ>

銀座松屋・アパート生活展<アパートの暮しをデザインする>

ライポン<水では野菜はキレイにならない>

ソニーラジオ<SONYは世界の人気者>

日興證券<マネービルクラブに入りましょう>

光文社・女性自身<あなたが編集者>

話題のテレビ番組(1958)

○ラジオ東京(テレビ)が早朝放送開始(1.20)。

○国産テレビ映画の成功第1号「月光仮面」(ラジオ東京)放送開始(2.24)。当初は15分番組、5月から30分に。

○「遊星王子」(NTV)放送開始。

○視聴者参加番組「テレビ結婚式」(ラジオ東京)放送開始(3.3~12.29、'59年からCXで放送)。

○夫婦百景(NTV)(5.11)。

○日本初のVTR録画番組「ちんどんやの天使」放送(OTV)(6.1)。

○銭形平次捕物控(ラジオ東京)放送開始(7.7~'60.6.27)。

○20世紀(NTV)放送開始(9.7~'62.10.28)。

○歌番組の登場-光子の窓(NTV)(5.11)、ロッテ歌のアルバム(ラジオ東京)。

○海外で放送された初めての日本のテレビドラマ「私は貝になりたい」(ラジオ東京)放送(10.31)。

○お母さん

○ディズニーランド(NTV)(4つの国から毎週違ったバラエティに富んだ内容の映画やマンガを放送)放送開始。

○少女漫画をドラマ化した時代劇コメディ「あんみつ姫」(ラジオ東京)放送開始。

○アメリカの典型的な中流家庭を明るく描いたホーム・コメディ「パパは何でも知っている」(NTV)放送開始(8.3)。

○その他の主な外国テレビ映画-ローン・レンジャー(ラジオ東京)、潜水王マイク・ネルソン(OTV)、モーガン警部(NTV)など放送開始。

○スーパーマンが大人気(74.2%)。

※ラジオ、ナイター中継開始-ラジオ関東、文化放送。

NHK(1958)

○初の連続帯ドラマ「バス通り裏」放送開始(4.7~'63.3.30)。

○30分2週完結の連続ドラマ「事件記者」放送開始(4.3~'67.3.29)。

○「金環食」関係特別番組編成、鹿児島・東京上野科学博物館・三鷹天文台から3元中継(4.19)。

○今日の料理。

○テレビで初の選挙速報。

流行語(1958)

なべ底不況、一億総評論家時代、国民車、神様・仏様・稲尾様、圧力団体、シビれる、イヤーな感じ、団地族、ながら族、ネリカン、白タク、神風タクシー、ハイティーン、ベットタウン、阪僑、カシミヤタッチ、スキャンティ、イカす、私は○○になりたい、低音の魅力、だから言ったじゃないの、すし詰め教室

流行歌(1958)

泣かないで
星は何でも知っている
おーい中村君
からたち日記
どうせ拾った恋だもの
港町十三番地、
りんご村から
ダイアナ
有楽町で逢いましょう
練監ブルース
君はわが運命
オンリー・ユー
ラ・バンバ
ロリポップ
ボ・ラーレ
かわいいキャロル
想い出の指輪

○ロカビリー・ブームが巻き起こる-日劇で第1回「ウエスタン・カーニバル」開催(2.8)。ミッキー・カーチス、平尾昌章、山下敬二郎、寺本圭一などが出演。1週間で45,000人を動員。

○ロカビリー・ブームにのりポール・アンカ来日(9)。

○浪曲師・村田英雄が「無法松の一生」で歌謡界にデビュー

○平尾昌章の初めてのオリジナル曲「星は何でも知っている」が大ヒット。

○映画スター・石原裕二郎、歌謡界でも活躍-嵐を呼ぶ男、俺は待ってるぜ、錆びたナイフなど次々ヒット。

話題の映画(1958)

洋画
十戒
ヴァイキング
大いなる西部
野ばら
愛情の花咲く樹
武器よさらば
老人と海
鉄道員
死刑台のエレベーター
悲しみよこんにちわ
女の一生

ぼくの伯父さん

邦画
忠臣蔵
陽のあたる坂道
紅の翼
隠し砦の三悪人
明日は明日の風が吹く
風速40米
日蓮と蒙古大襲来
楢山節考
彼岸花
炎上
夜の鼓
裸の太陽
無法松の一生
裸の大将
張込み

○年間観客動員11億2千余万人でピーク。

○ベニス国際映画祭で「無法松の一生」がグラン・プリを受賞(9.7)。

○裕次郎ブーム続く-「嵐を呼ぶ男」「陽のあたる坂道」「紅の翼」など裕次郎が配給収入2億円から4億円を連続してあげる。

○日本初の長編カラー動画「白蛇伝」がヒット。

○今村昌平の監督第1作「盗まれた欲情」公開(5.20)。

ベストセラー(1958)

人間の条件(1~6)
氷壁
南極越冬記
少年少女世界文学全集
陽のあたる坂道
はだか人生
自由との契約
氾濫
つづり方兄弟
人間の壁
森と湖のまつり
頭脳
女経
ネコは知っていた

○推理小説ブーム-松本清張の「点と線」「眼の壁」などがベストセラーとなり、「黒地の絵」松本清張、「四万人の目撃者」有馬頼義、「成吉思汗の秘密」高木彬光なども好評を得る。

○経営学ブーム-「経営学入門」坂本藤良、「新しい経営者、新しい労働者」中山伊知郎、「繁栄の技術」山田雄一、「会社はなぜつぶれるか」畠山芳雄など。

話題のマンガ(1958)

○紙芝居が低調、貸本屋のマンガが人気。

○大学漫画連盟の機関紙「がくまん」創刊。

○わたなべまさこの「しあわせの鐘」が少女ブックに連載開始(2)。

○川内康範原作・桑田次郎絵の「月光仮面」が少年クラブに連載開始(5~'61年)。

○つのだじろうの「ルミちゃん教室」がりぼんに連載開始(8)。

○貸本漫画で人気となった「ロボット三等兵」が少年クラブに連載開始(8)。リボンの騎士(少女クラブ)、まぼろし探偵(少年画報)、ナガシマくん、くりくり投手、台風五郎、ジャジャ馬くん

ファッション(1958)

○多色織ツイードが流行。

○ウエストに切替えのない、すとんとしたスタイルのワンピース「サックドレス」が爆発的人気となる。マギー・ルフのサックドレス「ベビードール」も流行。

○モーニングスターブルーの流行(映画「初恋物語」より)。

○厚木ナイロンがシームレスストッキングを発売。1足400円(8)。

○東レ、帝人がテトロン量産開始。カシミロン、ボンネル、アセテートなどの化繊製品も量産時代に入る。

○カルダン来日。

○茶色に染めた髪が流行。

○アクセサリーブーム。

気象状況(1958)

○本州南岸で強風、高波(前線)、死者行方不明者212人(1.26~27)。

○関東北部から東北南部で凍霜害、農作物被害面積約16,700ha(3.28~29)。

○7月から9月にかけて東日本に4個の台風が上陸。9月27日に神奈川県江ノ島から上陸した台風22号(狩野川台風)は雨台風となり、静岡県を中心に近畿以北で死者888人、行方不明者381人などの被害をだす。

○阿蘇山が阿蘇測候所開設以来の大爆発を起こす(6.24)。

○浅間山も大爆発。小諸、軽井沢などで家のガラスが壊れる(11.10)。

1957年(昭和32年)

経済白書 副題(1957)

速すぎた拡大とその反省

経済概況(1957)

経済界は前年の拡大均衡財政の影響による好況を続けたが、貿易収支悪化に対し、3月以降、金利引上げ、設備投資抑制策がとられ、夏をピークに生産は反転した。しかし、それまでの好況の余熱が残り、最終需要はほとんど減退しなかった。

経済成長率 名目 15.2% 実質 6.5%
民間最終消費支出 名目 12.0% 実質 8.1%
民間企業設備投資 名目 39.1%  
輸出 名目 13.2%  
消費者物価    3.1%  

日本の広告費(電通調査)(1957)

○新聞広告費が500億円を超える。テレビ広費が雑誌広告費を抜く。

  億円 対前年比(%)
総広告費 940 (126.2)
新聞 510 (125.9)
雑誌 50 (125.0)
ラジオ 150 (115.4)
テレビ 60 (300.0)
DM・屋外他 170 (113.3)

政治・経済・業界(1957)

×アイゼンハワー米大統領が英仏勢力の後退によって生じた中東の真空地帯をアメリカが埋めるとした、異例の「中東特別教書(アイク・ドクトリン)」を議会に提出(1.5)。

×イーデン英首相がスエズ危機の責任をとり辞任(1.9)。マクミラン内閣成立(1.13)。

○石橋首相病気のため内閣総辞職(2.23)。岸信介内閣成立(2.25)。

×日英通商協約、ロンドンで調印(2.26)。

○日本銀行が公定歩合を1厘引き上げ(3.20)。さらに、5月8日からも2厘引き上げ、2銭3厘となる。

×仏、西独などヨーロッパ6ヵ国はローマで欧州経済共同体(EEC)、欧州原子力共同体(ユーラトム)創設のための「ローマ条約」に調印(3.25)。発足は'58年1月1日。

○所得税法改正、法人税法改正、租税特別措置法改正などの減税3法案が成立(3.29)。4月から1,000億円減税実施。

○戦後初の日本の首相のアジア訪問-岸首相、東南アジア6ヵ国歴訪(5.20~6.4)。

○電子工業振興臨時措置法公布・施行(6.11)。

×ソ連が大陸間弾道弾(ICBM)の実験成功を発表(8.26)。米もICBMアトラスの発射実験に成功(12.17)。

○茨城県東海村の原子力研究所の原子炉が臨界実験に成功。日本初の「原子の火」が灯る(8.27)。

○日本が国連に核実験停止決議案を提出(9.23)。

○日本が国連安全保障理事会の非常任理事国に当選(10.1)。

○5000円札登場(10.1)。100円硬貨も登場(12.11)。

○ネール・インド首相が来日(10.4)。

×ソ連が世界初の人工衛星「スプートニク1号」の打ち上げに成功(10.4)。

○日仏貿易新協定調印(11.15)。

○日ソ通商条約調印('58.5.9発効)(12.6)。

○政府は、年率6.5%の経済成長を目標とする新長期経済計画を決定(12.17)。

○なべ底不況('57.7~'58.6)。

マスコミ・広告・媒体(1957)

○朝日・毎日・読売・産経新聞、共同通信がモスクワ支局開設決定(2.11)。

○日本広告主協会設立(2)。

○全日本新聞社広告会設立(3.19)。

○河出書房倒産(3.25)。「河出書房新社」として再発足(6.1)。

○日本書籍出版協会発足(3.29)。

○日本国際見本市、東京で開催(5)。

○厚生省、化粧品業界に対し薬事法抵触を警告(5)。

○東京・有楽町の読売会館内に公開放送専用のテレビホール完成(5)。

○朝日新聞が総合編集により1面を総合ニュース面とする(6.1)。

○日本放送連合会設立(6.22)。

○第1回アジア放送会議が13ヵ国の参加により東京で開催(7.1)。

○全日本放送広告会設立(7.20)。

○日本国際広告協会設立(9)。

○鹿児島-東京-札幌を結ぶ本土縦断マイクロウェーブ回線網が完成(9)。

○朝日・毎日・読売新聞などが新聞広告PRのため全面広告を掲載(10)。

○日本マーケティング協会設立(10)。

○日本貿易振興会(JETRO)は海外市場白書で日本商品の海外宣伝不足を指摘(11)。

○日本製薬団体連合会が医薬品広告自粛を協定(11)。

○ソ連の人工衛星打ち上げ成功により各雑誌が人工衛星特集を企画。特に月刊誌より発行間隔の短い週刊誌が注目を集める。

媒体の発足(1957)

○北海道放送(テレビ)開局(4.1)。

○初の女性週刊誌「週刊女性」が河出書房から創刊されるが、河出書房の倒産により4号で休刊。8月より主婦と生活社から復刊。

○博文館から誌名を買い取り、筑摩書房が「太陽」を創刊(8)。5号で休刊。

○講談社が新雑誌創刊を発表。「中学生から80歳の老人まで、読んで面白く、見てためになる雑誌」として誌名を一般公募、新雑誌「日本」創刊(11)。

○「婦人倶楽部」「婦人生活」が「主婦の友」に続き大判化。「婦人朝日」は逆にA5版に小型化。

○「服装」婦人生活社(5.1)。

○テレビ局数5局(1局増)

○ラジオ局数41局

○創復刊誌80誌、休廃刊誌92誌

媒体普及率(1957)

テレビ契約数 419,364
ラジオ契約数 13,970,137

(NHK契約世帯数)

国内10大ニュース(1957)

○東海村原子炉に日本初の「原子の火」がともる(8.27)

○南極予備観測隊が南極大陸のオングル島に上陸(1.29)。南極基地に日章旗がひるがえる

○石橋首相の引退(2.23)と岸内閣の成立(2.25)

○国連安保非常任理事国に日本が当選(10.2)

○宇宙時代への国民の関心

○九州大水害

○流感猛威をふるう

○ネール・インド首相が来日(10.4)

○瀬戸内海で「第5北川丸」沈没(4.12)

○日ソ通商条約調印(12.6)

海外10大ニュース(1957)

×ソ連の人工衛星「スプートニク」打ち上げ成功(10.4)

×中東の緊張

×ジューコフ国防相追放とフルシチョフ・ソ連共産党第一書記の権力増大

×欧州経済共同体(EEC)条約調印(3.25)

×米ソのミサイル競争、ソ連の大陸間弾道弾の実験に成功(8.22)、米も成功(12.17)

×世界の各国で核実験禁止運動高まる

世相・風俗(1957)

○南極予備観測隊が南極大陸のオングル島に上陸(1.29)。観測基地を昭和基地と命名。

○有楽町にそごう百貨店開店(4)。

○数寄屋橋ショッピングセンター開店(7)。

○チャームスクール各地に開校。

○熱海にモーテル第1号登場(4)。

○売春防止法施行(4.1)。

○東京への憧れから家出件数が過去最高を記録。

○ロカビリーブームで、新宿、銀座のジャズ喫茶がロカビリー喫茶に衣替え相次ぐ。

○ドライブ・クラブが全国で400社を超え、ドライブブームが高まる。

○サイクリングブーム。

○登山ブーム。

○北海道旅行ブーム。

○日本初の本格的地下街「名古屋地下街」開業(3.18)。「渋谷地下街」、「難波地下センター」も開業(12)。

○国産ロケット1号機「カッパー4C型」の打ち上げ成功(9.20)。

○上野動物園に日本初のモノレールが開通(10.14)。

○プロ野球初の300勝投手ビクトル・スタンヒル選手が都内で自動車事故により死去(1.12)。

○ジラード事件-群馬県相馬ケ原の米軍演習場内で空薬きょうを拾っていた農婦が米兵ジラードに射殺される(1.30)。

○定員の3倍の乗客を乗せた「第5北川丸」が瀬戸内海で沈没。死者行方不明113人(4.12)。

×英国が太平洋クリスマス島付近で水爆実験を敢行(5.15)。

消費者・住民運動・公害(1957)

○砂川闘争激化-立川基地拡張のための予備調査が強制実施され、地元民、学生、団体などの反対派が衝突。

×世界各国で核実験禁止運動が高まる-ゲッチンゲン宣言(4.12)、パグウォッシュ宣言(7)、ネール印首相声明(11.28)など。

時の商品・新製品(1957)

○明治製菓が天然オレンジジュースの200g缶を発売。青森県もこの年、100%リンゴジュースを発売(1.17)。

○コカ・コーラ発売。

○三菱鉛筆が自動鉛筆削り器「シャープナー」を発売(3)。

○寳酒造が500ml入り中ビン「タカラビール」100円を発売(4.1)。各社追随。

○東京通信工業(現ソニー)が世界最小のトランジスタラジオ「TR63型ポケッタブルラジオ」を発売(4)。

○富士精密(現日産自動車)が小型乗用車「プリンス・スカイライン」(1484cc)を発売(6.1)。スタンダードで93万円。

○トヨタ自動車が小型乗用車「コロナ」(995cc)を発売(7.1)。64万8500円。

○トヨタ自動車の「クラウン・デラックス」が人気となる。“デラックス”が流行となりチョコレート、化粧品、牛乳にまでデラックス登場。

○各種の洗剤が登場-日本油脂が液体洗剤「ニッサンセブン」発売。花王が日本初のナイロン専用洗剤「ピンクエマール」(7)、国産初の青色蛍光剤配合洗剤「ブルーワンダフル」(12)などを発売。

○専売公社(現日本たばこ産業)が初のフィルター付きたばこ「ホープ」を発売(7)。

○この年発売された主な電化製品-サーモスタット付きやぐら式電気こたつ、発熱布着脱式電気毛布、山型・平型電気あんか、丸型電気クッション(座布団)、電気ポット、電気大工道具、硬質ホーローの電気冷蔵庫(従来はビニール板)など。

○東レ・帝人がイギリスからテトロン製造技術を導入(1.2)。

テレビCM(1957)

三共<ルルの歌>

寿屋<スタンドで、サラリーマン>

ミツワ石鹸<ミツワ三姉妹>

東京芝浦電気<ヘッケルとジャッケル>

松下電器産業<ナショナル坊や>

松下電器産業・生CM・泉大助

花王石鹸<黒んぼが白んぼに>

森下仁丹<ジンジン仁丹>

新聞広告(1957)

ムード派書籍広告のはしり=東都書房<挽歌>

三共<クシャミ3回、ルル3錠>

森永製菓・森永ミルクキャラメル<森永のエンゼルは……男の子?それとも女の子?>

精工舎<国産でたった一つの自動巻き腕時計>

東洋レーヨン・帝国人造絹絲・テトロン<ありがとう 石油から生まれた新しいせんい 私の名はテトロンと決まりました>

有楽町そごう・そごう東京店開店<有楽町で逢いましょう>

三越<大切なお金で上手なお買物>

東京通信工業<世界一小さいラジオ>

話題のテレビ番組(1957)

○スリラー外国映画「ヒッチコック劇場」(NTV)放送開始(6)。

○名犬ラッシー(ラジオ東京)放送開始(11.3)。

○その他の主な外国テレビ映画-非常線、ジャングルの女王、海賊船サルタナ、走れ!名馬チャンピオン、マーティン・ケイン、ミッキー・ルーニー・ショー(ラジオ東京)、西部の勇者キット・カースン、バッファロー・ビルの冒険、ドラグネット、陽気なコーリス、サーカス・ボーイ、ハーバー・コマンド(NTV)などが放送される。

○刑事ドラマの草分け「ダイヤル110番」(NTV)放送開始(9.3)。

○連続時代劇「太閤記」「若殿行状記」「眠狂四郎無頼控」「宮本武蔵」(ともにNTV)などが放送される。

○「野球教室」(NTV)放送開始(3.17)。

○プロレスのレギュラー番組「プロレス・ファイトメンアワー」(NTV)放送開始(6.15)。

○「時事放談」(ラジオ東京)放送開始(7.28)。

○皇室初のレギュラー出演番組「オリエントの旅」放送開始。出演、三笠宮宗仁(10.5)。

NHK(1957)

○早朝放送開始(午前7時~8時)。

○「日本の芸能」放送開始(4.2~'66.3.25)。

○「アイ・ラブ・ルーシー」放送開始(4.25~'60.4.30)。

○「きょうの料理」放送開始(11.4)。

○推理番組「私だけが知っている」放送開始(11.10)。

○大相撲秋場所実況中継でスローモーションフィルム録画機を初使用(9.16)。

流行語(1957)

有楽町で逢いましょう、才女時代、グラマー、よろめき、ストレス、デラックス、留年、永すぎた春、カックン、ケ・セラ・セラ、かけますわよ、ファニーフェイス、孤独の人、シスターボーイ

流行歌(1957)

逢いたいなァ あの人に
俺は待ってるぜ
お月さん今晩は
東京だよおっ母さん
チャンチキおけさ
バナナ ボート
バイ・バイ・ラブ
監獄ロック
砂に書いたラヴレター
ジェニ・ジェニ
喜びも悲しみも幾年月
港町13番地
東京のバスガール
錆びたナイフ
バルコニーに坐って

○ロカビリーブーム-「ハート・ブレイク・ホテル」「監獄ロック」「ハウンド・ドック」「ジェニ・ジェニ」などがヒット。

○浜田美智子の「バナナ ボート」が一時のカリプソブームを起こす。

○女装の男性・丸山明宏(三輪明宏)がジルベール・ベコーの曲に自分で訳詞した「メケ・メケ」が話題を集める。

○浪曲界から歌謡曲に転向した三波春夫の「チャンチキおけさ」がヒット。

○“低音の魅力”フランク永井の「夜霧の第二国道」「有楽町で逢いましょう」などがヒット。

○神戸一郎「十代の恋よさようなら」でデビュー。

○ベニー・グッドマン楽団(1)、イベット・ジロウー(2)が来日。

話題の映画(1957)

洋画

宿命
翼よ!あれが巴里の灯だ
抵抗
戦場にかける橋
ノートルダムのせむし男
ジャイアンツ
戦争と平和
八月十五夜の茶屋
OK牧場の決闘
昼下りの情事
追想
めぐり逢い
菩提樹
汚れなき悪戯
八十日間世界一周

邦画
明治天皇と日露大戦争
喜びも悲しみも幾年月
嵐を呼ぶ男
水戸黄門
任侠清水港
挽歌
蜘蛛巣城

大忠臣蔵
幕末太陽伝
雪国
智恵子抄
どん底
純愛物語

○有楽町にみゆき座などが入る東宝会館が落成(4.14)。

○邦画初のシネマスコープ、東映の「鳳城の花嫁」公開(4.2)。続いて、新東宝が「明治天皇と日露大戦争」(4.29)、大映「地獄花」(6.25)、日活「月下の若武者」(7.9)、東宝「大当り三色娘」(7.13)、松竹「抱かれた花嫁」(7.14)を公開。各社のシネスコ版作品が出そろう。

○石原裕次郎ブーム-月1本のペースで出演映画が製作され、「勝利者」「海の野郎ども」「鷲と鷹」「俺は待ってるぜ」など配収1億円以上をあげる。

דハードボイルド”“ボギー”のハンフリー・ボガート、がんで死去(1.14)。

○「明治天皇と日露大戦争」興行収入7億円の大ヒット。

○月形龍之介の映画生活38周年記念映画「水戸黄門」公開(8.11)。配収3億円以上をあげる。

ベストセラー(1957)

挽歌
楢山節考

美徳のよろめき
一日一言
愛のかたみ
いろ艶筆
昭和時代
ロンドン東京5万キロ
暖簾

○原田康子の「挽歌」、北海道のガリ版同人雑誌に発表していた長編小説が出版され、ムード広告により78万部のベストセラーとなる。

○女性作家の活躍-「挽歌」の原田康子、「暖簾」の山崎豊子、「黎明」の曽野綾子、「断弦」の有吉佐和子、「非常の庭」の樋口茂子、「猫は知っていた」の仁木悦子、「おはん」の宇野千代、「映画女優」入江たか子など。

話題のマンガ(1957)

○貸本が最盛期となり、「劇画」が一般名称となる。

○貸本漫画誌「街」セントラル出版社創刊。

○「赤胴鈴之助」人気で連載誌の少年画報の発行部数増加。

○上田トシコの「フイチンさん」が少女クラブに連載開始(1)。

○桑田次郎の「まぼろし探偵」が少年画報に連載開始(1)。

○水野英子の「銀の花びら」が少女クラブに連載開始(12)。

ファッション(1957)

○「バナナ ボート」のヒット曲で、黄色に脱色したロングヘアー、濃いアイシャドー、マユズミで輪郭を書いた唇の「カリプソ・スタイル」が夏に流行。

○化繊の特色である鮮やかな色調を生かし、丸洗いができることから化繊の着物が注目を集める。

×クリスチャン・ディオールが死去(10.24)、ディオール工房の正式後継者としてイブ・サンローランが選ばれる。

気象状況(1957)

○長崎・佐賀県を中心に豪雨。とくに、諌早市、大村市では最高1時間に12mm、一昼夜で700mm以上の雨量を記録。長崎・佐賀・熊本・福岡県などで死者475人、行方不明489人、家屋の全・半壊1,852戸、床上浸水22,008戸などの被害をだす(諌早豪雨)(7.25)。

1956年(昭和31年)

経済白書 副題(1956)

日本経済の成長と近代化

経済概況(1956)

世界的好況を反映して、日本経済も「神武以来の好景気」とうたわれるほどの経済的繁栄を享受した。29年秋頃から始まった輸出の増大による好景気が関連産業に波及し、内需増加から企業利潤の増加、設備投資の増加、内需増加と好循環を生み出した。

経済成長率 名目 12.5% 実質 7.5%
民間最終消費支出 名目 10.2% 実質 8.9%
民間企業設備投資 名目 52.4%  
輸出 名目 22.5%  
消費者物価    0.4%  

日本の広告費(電通調査)(1956)

○ラジオ広告費が100億円突破。

  億円 対前年比(%)
総広告費 745 (122.3)
新聞 405 (120.2)
雑誌 40 (114.3)
ラジオ 130 (132.7)
テレビ 20 (222.2)
DM・屋外他 150 (115.4)

政治・経済・業界(1956)

○原子力委員会発足(1.13)。

×第7回冬季オリンピックがイタリアで開催(1.26)。オーストラリアのトニー・ザイラーが滑降・回転・大回転で初の三冠王となる。

○衆議院で原水爆実験禁止要望決議案を可決(2.9)。参議院も翌10日可決。

×ソ連共産党第20回大会の秘密会でフルシチョフ第一書記がスターリン批判演説を行う(2.25)。ソ連共産党機関誌「プラウダ」もスターリン批判の論説を掲載(3.28)。

○日本原子力産業会議発足(3.1)。

○衆議院本会議で「地方教育行政の組織及び運営に関する法律(新教育委員会法)」をめぐって混乱、4月20日午前5時に議長職権で可決。参議院でも警察隊が出動する騒ぎの中、文教委員長の中間報告だけで、6月2日午前5時可決成立。

○売春防止法が成立(5.21)。

×ナセル・エジプト首相がエジプト大統領に就任(6.25)。「スエズ運河」国有化を宣言(7.26)。第2次中東戦争勃発(10.29~12.22)-イスラエルがエジプト領内に侵攻(10.29)。英・仏軍もエジプトの軍事目標を爆撃(10.31)。

○国防会議発足(7.2)。

○経済企画庁が「日本経済の成長と近代化」を副題とする経済白書を発表。結語の「もはや戦後ではない」が流行語となる(7.17)。

×国際原子力機関創立総会がニューヨークの国連本部で開催される(9.20)。

○大東京500年祭始まる(10.1)。

○鳩山首相訪ソ(10.7~)。クレムリンで“日ソ国交回復に関する共同宣言”“通商航海に関する議定書”に調印(10.19)。日本の外務省で日ソ復交の批准書交換式挙行(12.12)。

×ハンガリー動乱勃発(10.23~'57.3.28)-首都ブタペストで反ソの大衆デモから内乱に発展。

○東海道本線の全電化完成(11.19)。

×オーストラリアで南半球初の第16回メルボルン・オリンピック大会開催。77ヵ国が参加(11.22~12.6)。

○日本、国際社会に復帰-国連総会が全会一致で日本加盟を可決(12.18)。

○鳩山内閣総辞職(12.20)。石橋内閣成立(12.23)。

○日本の年間造船量、起工・進水・竣工とも世界1位となる。

マスコミ・広告・媒体(1956)

○大阪読売新聞が朝夕刊14ページ建実施(1.15)。増ページ競争の口火を切る。

○民放連はテレビ懇談会を設置(1.20)。

○日本雑誌協会創立(1.30)。

○出版科学研究所発足(2.16)。

○厚生省は「医薬品広告適性基準」を決める(2)。

○電電公社の大阪-広島-福岡間マイクロ中継回線が完成(3.17)。

○ABC協会が公査制度審議会を設置(3)。

○第3種郵便物の封筒に広告文の印刷が認められる(3)。

○万国著作権条約発効(4.28)。

○米国のJ・W・トンプソンが日本支社を設立(4)。

○世界商業デザイン展が日本橋三越で開催される(6)。

○電通広告年鑑創刊(6)。

○新潟広告協会設立(6)。

○新聞の増ページ続く-朝日・毎日・読売3紙の平均建てページは14ページ余となる(7)。

○山形広告協会設立(7)。

○マスコミ倫理懇談会が太陽族映画に強い反省を要望(8.11)。

○警察庁は悪質広告予防に5カ条のPR要項を発表(8)。

○神戸広告協会設立(9)。

○電電公社の札幌-福岡間日本縦断マイクロ中継回線完成(10.1)。

○京都広告協会設立(10)。

○広島広告協会設立(11)。

○日本新聞広告業者会は「日本新聞放送広告業者協会」に改称(11)。

媒体の発足(1956)

○中部日本放送(テレビ)、大阪テレビ放送(現・朝日放送)ともに12.1開局。

○ラジオ山口4.1開局。

○社名変更-岐阜放送→ラジオ東海9.25、ラジオ香川→西日本放送10.1、ラジオ三重→近畿東海放送11.27。

○「東京中日新聞」中部日本新聞社2.28発刊。

○出版社による初の週刊誌「週刊新潮」新潮社(2.19)。週刊誌ブームが巻き起こる。

○「ミステリーマガジン」早川書房(6.25)。

○「主婦の友」が3月号からB5版の大型化へ。婦人雑誌の大型化が始まる。

○テレビ局数4局(2局増)

○ラジオ局数41局(1局増)

○創復刊誌81誌、休廃刊誌113誌

媒体普及率(1956)

テレビ契約数 165,666
ラジオ契約数 13,253,608

(NHK契約世帯数)

国内10大ニュース(1956)

○日ソ国交回復交渉妥結(12.12)

○国鉄参宮線列車転覆事故(10.15)

○新潟県弥彦神社初詣での餅まきで124人が圧死、94人が負傷(1.1)

○砂川基地拡張反対闘争激化

○石橋自民党総裁決定(12.14)

○日本隊マナスル登頂成功(5.9)

○日本南極観測隊出発(11.8)

○新教育委員会法をめぐり国会が混乱。本会議場に警官隊を導入(6.1~2)

○日本が国連に加盟(12.18)

○天台宗総本山比叡山延暦寺の講堂が放火で消失(10.11)

海外10大ニュース(1956)

×イスラエルのエジプト侵攻(10.29)、英・仏軍参戦

×ハンガリー動乱(10.23)

×エジプトのスエズ運河国有化(7.26)

×ソ連共産党大会でフルシチョフがスターリン批判(2.25)

×第16回メルボルン・オリンピック開催(11.22~12.6)

世相・風俗(1956)

○池袋に西武、東武、三越などデパートラッシュ(2)。

○日本住宅公団が入居者募集を開始(3.19)。千葉稲毛団地で入居開始(5.1)。

○戦時中に鉄材供出で姿を消した大阪新世界の通天閣が再建される(10.28)。

○クイズブーム-読売新聞が「日曜クイズ」を連載開始(5)。賞金が話題となり他の新聞・週刊誌も同様のクイズを企画。

○東海道線の全線電化が完了(11.19)。特急で東京-大阪間7時35分。

○東京開都500年(10.1)。

○佐久間ダム完成(10.15)。

○愛知県犬山市に「日本モンキーセンター」が開園(10.17)。

○大阪に梅田コマスタジアム開館(11.16)。東京にも新宿コマスタジアム開館(12.8)。

○第1回中山グランプリ('57年から有馬記念競走)開催。メイジヒカリが優勝(12.23)。

○自動車損害賠償責任保険の強制加入実施(2.1)。

○深夜喫茶急増。東京都議会が深夜喫茶取締条例を公布、施行(8)。

○新潟県の弥彦神社で初詣客3万人が石段上の餅まきに殺到、将棋倒しとなり124人が圧死、94人が負傷(1.1)。

○北海道で冷害。凶作農家や不漁漁村に欠食児童や婦女子の人身売買が増加。

○日本登山隊がヒマヤラのマナスル(8,125m)登頂に成功(5.9)。

○映画館新築ブーム。

○太陽族。

○月光族。

○愚連隊。

○ホッピングがブーム。

消費者・住民運動・公害(1956)

○熊本県水俣市の水俣保健所は、新日本窒素水俣工場付属病院から「原因不明の中枢神経疾患が多発」との報告を受ける(5.1)。

○「太陽族映画」は青少年に悪影響をおよぼすとして、婦人団体が締め出し運動を始める(8)。

時の商品・新製品(1956)

○国産ジェット機第1号「T33」各務が原飛行場で初の試験飛行(1.16)。

○鐘淵化学がアクリル肌着の第1号「カネカロン・メリヤス肌着」を発売(3)。以後、化学繊維が相次いで工業化。

○インスタントコーヒーに初の輸入許可がでる(4.1)。

○協同乳業が日本初のテトラパック入り牛乳を発売(4)。

○ライオン油脂(現ライオン)が合成洗剤「トップ」を発売(6)。食器・野菜洗い専用の粉末合成洗剤「ライポンF」も発売される(8)。

○この年発売された主な電化製品-携帯用電気毛布、電気フライパン、スリッパ型電気足温器、自動反転式洗濯機、ジェット式深井戸ポンプなど。

テレビCM(1956)

鐘紡・カネボウ毛糸<赤ちゃんのときから>

森永乳業<タヌキとホモちゃん>

ハトヤホテル<ホテルはハトヤ>

キリンビール<家中でみんなキリン・キリン>

新聞広告(1956)

日興証券<マネービル時代です>

花王石鹸・花王フェザーシャンプー<100人が100人満足できる完全中性(PH・7)シャンプー>

積水化学・セキスイバン<バン創コウとはちょっとちがう!?ビニールの包帯>

三菱電機・電気冷蔵庫<1日わずか10円の電気代で>

フローミン<マネージャー病に>

ノーシン<頭痛にノーシン>

話題のテレビ番組(1956)

○邦画界との対立から外国テレビ映画の放映が始まる。当初はスーパーインポーズで-初の外国テレビ映画「カウボーイGメン」(ラジオ東京)放送開始(4.28)。その他、ロビン・フッドの冒険(NTV)(6.14)、ジャングル・ジム(NTV)(9.3)、地方検事(ラジオ東京)(10.3)、スーパーマン(ラジオ東京)(11.3)、シスコ・キッド(ラジオ東京)(11.4)、名犬リンチンチン(NTV)(11.12)などが放送開始。

○NTVのサスプロ「シルエットクイズ」に花王石鹸のスポンサーが付き、「花王ワンダフルクイズ」と改題(1)。

○宮城まり子主演の「てんてん娘」(ラジオ東京)放送開始(4.2)。

○ラジオの人気番組「ぴよぴよ大学」(ラジオ東京)をテレビでも放送開始(4.5)。

○「お昼の演芸」(NTV)放送開始(4.11)。由利徹、八波むと志、南利明の“脱線トリオ”が誕生。

○NTVが日本初のテレビ早朝放送開始(午前6時~7時50分)。画面に初めて時分テロップを入れる(8.19)。

○邦画5社が劇映画のテレビ提供を打ち切り、専属タレントのテレビ出演を制限(10.1)。

○ドラマ「鞍馬天狗」(ラジオ東京)放送開始(11.1)。

○ドラマ「東芝日曜劇場」(ラジオ東京)放送開始)(12)。

NHK(1956)

○人形劇「チロリン村とクルミの木」放送開始(4.14~'64.4.3)。

○NHKでも外国テレビ映画「口笛を吹く男」放送開始(7.1~'56.4.30)。

○外国テレビ映画「ハイウェイ・パトロール」放送開始(10.10~'60.7.2)。

○三遊亭小金馬、一龍斎貞鳳、江戸家猫八出演のコメディー「お笑い三人組」放送開始(11.20~'66.3.29)。

○大相撲夏場所実況中継でコマどり録画による分解写真を初めて放映(5)。

流行語(1956)

もはや戦後ではない、神武以来、ハトマンダー、戦中派、ドライ・ウェット、裏口入学、書きますわよ、白線・黒線・黄線、コールガール、セクスタシー、楢山詣で、マネービル、キングサイズ、ゲイボーイ、ちょっとピンボケ、中学浪人、愚連隊、アドビル、兵隊の位、暁の国会、一億総白痴化

流行歌(1956)

東京の人よさようなら
ここに幸あり
どうせ拾った恋だもの
哀愁列車
好きだった
若いお巡りさん
ケ・セラ・セラ
ハート・ブレイク・ホテル
のっぽのサリー
ロール・オーバー・ベートーベン
リンゴ村から
愛ちゃんはお嫁に

○アメリカで大ヒットしたエルビス・プレスリーの「ハート・ブレイク・ホテル」が日本でも発売(6)、大ヒット。ロカビリーブームが巻き起こる。

○都会と農村を結ぶ歌が増加-リンゴ村から、別れの一本杉、哀愁列車、早く帰ってコなど。

○結婚式用ソングがヒット-ここに幸あり、愛ちゃんはお嫁になど。

○“ロックンロールの神様”“ダックウォーク”チャック・ベリーの「ロール・オーバー・ベートーベン」もヒット。

○映画「知りすぎていた男」の主題歌「ケ・セラ・セラ」ドリス・デイがヒット。ペギー葉山の歌もヒット。

話題の映画(1956)

洋画
居酒屋
必死の逃亡者
ピクニック
リチャード三世
最後の橋
空中ぶらんこ
トロイのヘレン
征服者
沈黙の世界
白鯨
王様と私
理由なき反抗
バラの刺青
禁断の惑星
知りすぎていた男
ヘッド・ライト

邦画
赤穂浪士
恐怖の空中殺人
曽我兄弟・富士の夜襲
旗本退屈男・謎の幽霊船
太陽の季節
夜の河
ビルマの竪琴
早春
流れる
台風騒動記
太陽とバラ
赤線地帯
四十八歳の抵抗
忘れ得ぬ慕情
逆光線
四谷怪談
ラドン

○“太陽族映画”に非難が巻き起こる-「太陽の季節」が日活製作再開以来の大ヒット(5)。これに続き6月から9月ごろまで「狂った果実」「処刑の部屋」「日蝕の夏」などの“太陽族映画”の氾濫となり、社会的な非難が巻き起こる。

○築地に地下2階地上9階の松竹本社と劇場4館を含む松竹会館が落成(9.14)。

○映画渡来60周年を記念し12月1日を「映画の日」として、各種の行事が開催される。

○日本映画の海外での受賞続く-アカデミー賞で「宮本武蔵」外国語映画賞受賞(3)。ベルリン映画祭で「白夫人の妖恋」カラー撮影賞、「カラコルム」記録映画銀熊賞受賞(7)。ベニス映画祭で「ビルマの竪琴」サン・ジョルジョ賞受賞(9)。

○邦画5社が劇映画のテレビ提供を打ち切り、専属タレントのテレビ出演を制限(10.1)。

ベストセラー(1956)

太陽の季節
帝国と墓と民衆
異性ノイローゼ
あなたは煙草がやめられる
夜と霧
モゴール族探検記
大菩薩峠
女優
マナスル登頂記
細胞生活

○石原慎太郎の「太陽の季節」が芥川賞を受賞(1)。一大センセーションを巻き起こす。

○長編小説ブーム-「鍵」谷崎潤一郎、「金閣寺」三島由紀夫、「秩父困民党」西野辰吉、「漂民宇三郎」井伏鱒二、「迷路」野上弥生子など。

○探偵・科学小説ブーム-「世界推理小説全集」東京創元社、「探偵小説文庫」新潮社、「ルパン全集」鱒書房、「少年少女科学冒険全集」講談社などが話題を集める。

話題のマンガ(1956)

○貸本マンガが人気-月刊誌形式の貸本漫画誌「影」日の丸文庫創刊。

○「週刊漫画Times」芳文社11.28創刊。

○寺田ヒロオの「背番号0」が野球少年に連載開始(1)。

○岡部冬彦の「ベビーギャング」が漫画読本に連載開始(1)。

○岡部冬彦の「アッちゃん」が週刊朝日に連載開始(1)。

○横山隆一の「フクちゃん」が毎日新聞に連載開始(1)。

○佃公彦の「ほのぼの君」が東京新聞に連載開始(3)。

○横山光輝の「鉄人28号」が少年に連載開始(7)。

○小島功の「仙人部落」がアサヒ芸能に連載開始(10)。

○赤塚不二夫が貸本向け少女漫画「嵐を越えて」でデビュー。

ファッション(1956)

○男性のヘアスタイルに慎太郎刈りが流行。

○女性ファッションはディオールブームが続く-ストレートなシルエットの「アロー・ライン」が流行。秋以降にはアロー・ラインの変形「マグネット・ライン」も流行。

気象状況(1956)

○大館市内から出た火が台風9号通過直後のフェーン現象により市内中心部に燃え拡がる(大館大火)(8.19)。

○台風12号の通過によって、富山県魚津市内から出た火が南風に煽られて市内中心地を延焼(魚津大火)(9.10)。

○台風15号が伊豆半島から上陸、勢力を弱めながら東京から鹿島灘へ脱ける(9.27)。三重県で関西線の通勤列車が土砂崩れで脱線、うち1両が加古川の激流にのまれ乗客8人が死亡。

1955年(昭和30年)

経済白書 副題(1955)

前進への道(1955)

経済概況(1955)

国際的緊張緩和を背景として、この年の世界経済は戦後最大の繁栄を記録した。世界的好況を背景に、わが国も輸出が伸長、米の豊作に伴う農村活況もあり、物価上昇を伴わずに投資および消費の拡大による大幅な景気上昇を示した。

経済成長率 名目 10.1% 実質 8.8%
個人消費支出 名目 7.1% 実質 7.9%
民間設備投資 名目 -2.5%  
輸出 名目 14.7%  
消費者物価    -1.1%  

日本の広告費(電通調査)(1955)

  億円 対前年比(%)
総広告費 609 (110.7)
新聞 337 (104.7)
雑誌 35 (116.7)
ラジオ 98 (132.4)
テレビ 9 (225.0)
DM・屋外他 130 (108.3)

政治・経済・業界(1955)

×ソ連のマレンコフ首相が失脚。後任にブルガーニン元帥が就任(2.8)。

○生産性の向上を目指す「日本生産性本部」が設立。初代会長に東芝の石坂泰三社長が就任(2.14)。

○第27回総選挙が実施される(2.27)。鳩山ブームにのり民主党が第一党に躍進。左右両社会党も合わせて165名と革新派が憲法阻止に必要な3分の1の議席を確保。第2次鳩山内閣成立(3.19)。

×チャーチル英国首相が老齢を理由に辞任(4.5)。イーデン内閣成立(4.7)。

○富士重工業は富士工業など5社を吸収合併(4)。

×米・英・仏国が10年にわたる西ドイツの占領状態停止を正式宣言。西ドイツは独立主権国家となり(5.5)、正式にNATOに加盟(5.6)。

×ソ連と東欧7ヵ国は友好相互援助条約(ワルシャワ条約機構)に調印(5.14)。

○1円アルミ貨発行(6.1)。50円ニッケル貨発行(9.1)。

×ロンドンで日ソ関係正常化へ向けての「日ソ交渉」開始(6.1)。領土問題、抑留邦人帰還問題など両国の妥協点が見いだされないまま中断(9.13)。

○政府は長期経済計画立案のため経済審議庁を経済企画庁に改め発足(7.20)。

○日本住宅公団発足(7.25)。

○第1回世界原水爆禁止世界大会広島大会開催(8.6)。

○日銀が4年ぶりに公定歩合を基準日歩2銭に引き上げ(8.9)。

○日本がガット(関税および貿易に関する一般協定)に正式加盟(9.10)。

○左右両党に分裂していた社会党が4年ぶりに統一。「日本社会党」として再発足(10.13)。

○民主党、自由党が解党(11.14)。自由民主党が発足(11.15)。

○第2次鳩山内閣総辞職(11.21)。第3次鳩山内閣成立(11.22)。

○衆議院で原子力3法(原子力基本法、原子力委員会設置法、原子力局設置法)が可決(12.14)。

○輸出船ブーム- '54年秋頃から海外からの造船受注が増加。造船業界はブームに酔う。

○神武景気('54.12~'57.6)。

○この年、ヤクルト本社(4)、ヤマハ発動機、三井石油化学工業(8)など設立。

マスコミ・広告・媒体(1955)

○アジア国際放送協会の発起人総会が東京で開催される(1)。

○民放・広告主両者による「商業放送懇談会」発足(2.25)。

○朝日新聞社と毎日新聞社が名古屋に中部本社を設立(2)。

○産業経済新聞社は東京・大阪両本社制をとる(2)。

○ラジオ東京がテレビ開局に備え、テレビニュース・短編映画を制作する「東京テレビ映画」設立(3.16)。

○ABC懇談会が「日本ABC協会」と改称、公査規定を定める(3)。

○悪書追放の世論が高まり、マスコミ連絡懇談会が「マスコミ倫理懇談会」と改称(4.2)。出版団体連合会が「出版倫理化運動実行委員会」を設置(5.16)。不良出版物の追放を声明。

○全北海道広告協会設立(4)。

○東京・晴海で国際見本市開催(5.5~18)。

○ICC(国際商業会議所)第15回総会開催。広告の倫理化と発行部数、視聴率の公開を決議(6)。

○世界ポスター展が日本橋高島屋で開催される(6)。

○早稲田・慶応・明治・立教4大学による学生広告研究団体結成(6)。

○日本意匠家協会設立(7)。

○日本電報通信社が社名を株式会社電通と改める(7)。

○岡山広告協会設立(8)。

○北陸広告協会設立(9)。

○仙台広告協会設立(10)。

媒体の発足(1955)

○民放2番目のテレビ局、ラジオ東京テレビ4.1開局。

○岐阜放送(現ラジオ東海)開局(3.10)。

○「産経スポーツ」産業経済新聞社(大阪)2.27発刊。

○「週刊東京」東京新聞社8.20創刊(~'59.12.19)。

○「モーターマガジン」モーターマガジン社(8.1)。

○東京日日新聞休刊(9)。

○「改造」改造社廃刊(2)。

○テレビ局数2局(1局増)

○ラジオ局数40局(1局増)

○創復刊誌48誌、休廃刊誌33誌

媒体普及率(1955)

テレビ契約数 52,882
ラジオ契約数 12,505,370

(NHK契約世帯数)

国内10大ニュース(1955)

○「紫雲丸」沈没事件(5.11)

○自由民主党発足(11.15)と第3次鳩山内閣成立(11.22)

○砂川基地闘争

○日本、ガットに正式加盟(9.10)

○日ソ交渉

○輸出船ブームと全国的大豊作

○森永ヒ素ミルク事件

○新潟市の大火(10.1)

○社会党統一(10.13)

○第1回原水爆禁止世界大会広島大会開催(8.6)

海外10大ニュース(1955)

×アイゼンハワー米大統領が心臓病で倒れる

×ワクチンが小児マヒに有効と発表

×西独の占領状態停止(5.5)とNATOへの正式加盟(5.6)

×ソ連・東欧のワルシャワ条約調印(5.14)

×アジア・アフリカ会議、バンドン10原則を採択(4.18)

×ジュネーブで米・英・仏・ソの4国巨頭会談(7.18)

×チャーチル英首相辞任(4.5)

×オーストリア独立回復(7.27)

×中東条約機構(METO)発足(11.22)

世相・風俗(1955)

○家庭電化時代、「三種の神器」電気洗濯機、電気冷蔵庫、テレビが憧れの的となる。

○後楽園遊園地がオープン。日本初の本格的ジェットコースターが人気(7)。

○日本初のヘルスセンター「船橋ヘルスセンター」がオープン(11.3)。

○カルチャーセンターの第1号「産経学園」が開設(3.12)。

○食堂の米飯自由販売が始まる(9)。

○米の生産が史上最高の1,239万トンに達し、ヤミ米価が配給米を下回り、米不足時代が終わる(秋)。

○ボディビルブーム。「日本ボディビル協会」も設立(12)。

○新宿駅にアルバイト学生による「押し屋(旅客整理係学生班)」登場(10.24)。

○中古車を日貸する「ドライブ・クラブ」が流行。

○紫雲丸事件発生(5.11)-修学旅行生を乗せた宇高連絡船「紫雲丸」が高松から宇野に向かう途中、濃霧のため同連絡航路宇野発高松行の「第三宇高丸」と衝突、紫雲丸は数分で沈没。学童・乗客など168人が死亡。

○三重県津市の女子中学生36人が水泳講習中高波にのまれて死亡(7.28)。

○マンボブーム。

○子供の間でプロレスごっこが流行。

○プラモデルブーム。

○深夜喫茶登場。

○「成人向映画」指定始まる。

○少年の自殺相次ぐ。

×アメリカの理論物理学者アインシュタイン死去(4.18)。

消費者・住民運動・公害(1955)

○砂川闘争始まる-東京・砂川町で立川基地拡張反対総決起大会開催(5.8)。

○森永ヒ素ミルク中毒事件発生-6月下旬頃から岡山県下で乳児が原因の発熱・下痢・肝臓肥大が続出。原因は森永の粉ミルクに混入していたヒ素と判明(8.23)。多数の乳児が中毒となり、死亡児も出る。

○第1回原水爆禁止世界大会広島大会開催(8.6)。

時の商品・新製品(1955)

○トヨタ自動車が小型乗用車「トヨペット・クラウン」を発売、101万4860円。「クラウン・デラックス」(121万9860円)が発売(12.9)され、「トヨペット・クラウン」を96万9860円に値下げ。富士精密(現日産自動車)も6人乗り1500・乗用車「プリンス」を発売(4.1)。

○国鉄(現JR)が一般周遊券を発売(2.1)。

○日本楽器(現ヤマハ)が初めてバイクを発売。「赤トンボ」の愛称でヒット(2)。

○本田技研が「ドリーム号」(350cc)発売(2)。

○XEROX複写機「スタンダード・ゼロックス」輸入開始。理研光学工業(現リコー)もジアゾ式国産事務用複写機第1号「リコピー101」を発売(5)。

○通産省が合成樹脂工業育成計画を決定。プラスチック時代が本格化(6.9)。

○東京通信工業(現ソニー)が米ウエスタン・エレクトリック社より技術を導入、日本初の「トランジスタラジオ」を発売(8.7)。1万9800円。

○武田薬品がカゼ薬「ベンザ」を発売(9)。

○キスミー化粧品が落ちない口紅「スーパー口紅」を発売(9)。200円。

○花王石鹸(現花王)が粉末の「花王フェーザーシャプー」を発売(10)。

○自動式電気釜、間接加熱式電気釜が発売。

○日本初の電気毛布発売。機能や安全性が評価されなかったため需要は低い。

○ポップアップ型トースター発売。

○電気クッション(座蒲団)発売。

○共同乳業が初めてのバーアイス「ホームランバー」を発売(夏)。以後、ロングランの売行き。

テレビCM(1955)

三共・「日真名氏飛び出す」の劇中生CM

不二家・ミルキー<ミルキーの歌>

松下電器産業<明るいナショナル>ナショナル坊や

江崎グリコ<一粒で二度おいしい アーモンドグリコ>

塩野義製薬<ポポンとね>

鐘紡<かーん、かーん カネボウ>

新聞広告(1955)

リコー・リコーフレックス<ついに出た!オートメーション カメラ>

松下電器産業・ナショナルテレビ<一生に一度のお買物です……十二分にご吟味下さい>

東京早川電機工業・シャープテレビ<84,500円は この工場から生まれます><断然!テレビで見るプロレスの面白さ>

東京通信工業・テープレコーダー<声のカメラ>

東京通信工業・トランジスタラジオTR55<日本で初めてのトランジスタラジオ>

三洋電機・電気洗濯機<奥様の声をたえず設計にとり入れています>

寿屋・トリスウ井スキー<近頃都で流行るもの…>

ピアスカラー<女学生もこっそり使ってる>

ミツワ石鹸・ミツワソフト<オートメーションでつくる新石鹸>

キスミーファンデ・素人ジャズのど自慢<・1を決する出場者募集>

小林製薬・ハッキリ<受験のため猛勉強する学生諸君!>

塩野義製薬・ウインタミン<現代人の流行病 ノイローゼ>

話題のテレビ番組(1955)

○三木のり平出演のコメディー番組「テレビ千一夜」放送開始(2)。

○連続サスペンスドラマ「日真名氏飛び出す」(ラジオ東京)放送開始(4.9~'62.7.14)。

○マンガの連続ドラマ化「轟先生」(NTV)放送開始(8.5)。

○ドラマ「サザエさん」(ラジオ東京)放送開始(10.3~'57.9.28)。

○連続ドラマ「山一名作劇場」(NTV)放送開始(10.4)。

NHK(1955)

○連続人形劇「テレビ天助漫遊記」放送開始(4.10)。

○クイズ番組「私の秘密」放送開始(4.14~'67.3.27)。

○東京・大阪4元ドラマ「追跡」放送(11.26)。

流行語(1955)

数量景気、三種の神器、セミテン、なんと申しましょうか、ノイローゼ、オランコリー、最高・最低、エッチ、たよりにしてまっせ、事実は小説より奇なりと申しまして、M+W、不良文化財

流行歌(1955)

おんな船頭唄
ガード下の靴みがき
東京アンナ
りんどう峠
別れの一本杉
この世の花
月がとっても青いから
ちいさい秋みつけた
パパはマンボが好き
マンボイタリアーノ

○ジャズブームに代りマンボブームが台頭-東京キューバンボーイズ、浜口庫之助のアフロ・クバーノ、東京マンボ・オーケストラなどが活躍。

○映画「暴力教室」の主題歌「ロック・アラウンド・ザ・クロック」がヒット。ロカビリーブームの先駆けとなる。

○映画「慕情」「エデンの東」のテーマ音楽がヒット。その他、「オズの魔使い」の「紅の彼方に」、「海底の黄金」の「チェリー・ピンク・マンボ」、「現金に手を出すな」の「グリスピーのブルース」などがヒット。

○島倉千代子「この世の花」でデビュー。

○三橋美智也「おんな船頭唄」でデビュー

○プラターズの「オンリー・ユー」ヒット('50sの代表曲の1つ)。

○ハナ肇・谷啓などクレージーキャッツ結成(4)。

○和製ウエスタンソング第1号といわれる小坂一也とワゴンマスターズの「ワゴンマスター」ヒット。

話題の映画(1955)

洋画
エデンの東
洪水の前
スタア誕生
埋もれた青春
旅情
ヴェラクルス
スタア誕生
赤と黒
やぶにらみの暴君
フレンチ・カンカン
マーティ
文なし横町の人々
鉄路の闘い
ショウほど素敵な商売はない
俺達は天使じゃない
現金に手を出すな

邦画
新諸国物語
修善寺物語
ジャンケン娘
新・平家物語
亡命記
楊貴妃
夫婦善哉
浮雲
野菊の如き君なりき
生きものの記録
ここに泉あり
警察日記
血槍富士
由起子
ゴジラの逆襲
青春怪談

○輸入映画の大型化ブーム-“シネスコでもなければ、立体映画でもない”として、シネラマ第1作「これがシネラマだ」公開(1.15)。

○東映の正月映画が2本立て上映でヒット-「紅孔雀」が配収2億3000万円を挙げ大ヒット。

○秋以降、日本映画の2本立て上映が増加。30年の映画制作本数は400本以上となる。

×米国のアカデミー賞で「地獄門」が外国語映画賞と色彩映画衣装デザイン賞を受賞(3)。

○映倫に青少年映画委員会が発足。“青少年に悪影響を及ぼす”映画に「成人向」指定が始まる(5)。

○アメリカ映画「暴力教室」公開(8.26)。暴力描写が問題化、上映反対運動が起きる。アメリカ・メジャー各社が映倫に参加していないことも非難。

○ジェームス・ディーン、自動車事故で死去、24歳(9.30)。

ベストセラー(1955)

はだか随筆
経済学教科書
慾望
うらなり抄
財閥
裁判官
広辞苑
うわばみ行脚
あすなろ物語
不安の倫理

○江戸川乱歩が戦後初の作品「化人幻戯」(宝石)、「獣男」(面白倶楽部)を連載、長編探偵小説全集(講談社)の配本も始まり(11)、探偵小説ブームが始まる。

○大型企画-広辞苑(岩波書店)(5.25)、大漢和辞典(大修館)、世界大百科事典(平凡社)などが刊行される。

話題のマンガ(1955)

○「なかよし」講談社1月創刊。

○「りぼん」集英社8.3 創刊。

○マンガ本が大型化。

○石森章太郎(石ノ森章太郎)がデビュー-「二級天使」漫画少年に連載開始(1)。

ファッション(1955)

○海水浴場でビキニスタイルが登場、流行。大胆な露出度がビキニ環礁の核実験のように効果絶大なところから命名。

○女性にフロントフォールのヘアスタイルが流行。

○映画「エデンの東」がヒットし、女性の髪型にポニースタイルも流行。

○マンボダンスブームで踊りやすい細身のスラックスが流行。

○スカート丈が膝下のシャネルスーツに人気。

×フランスのファッションデザイナー、クリスチャン・ディオールが胸元を大胆に開けた「Aライン」を発表(2.2)。8月には「Yライン」を発表。日本でもブームに。

気象状況(1955)

○西日本一帯で強風雨。特に九州では豪雨となり、各河川が氾濫。死者22人、行方不明64人、家屋の浸水15,974戸などの被害。降雨量は福岡管区気象台開設以来の記録(4.14~16)。

○台風22号が九州の薩摩半島に上陸し玄界灘に抜ける。死者42人、家屋の全半壊12万戸以上(9.29)。22号が佐渡沖を通過直後、新潟市内で火災が発生。台風の強風により燃え拡がり市内中央部が大火(新潟大火)(10.1)。

1954年(昭和29年)

経済白書 副題(1954)

地固めの時

経済概況(1954)

国内経済は前年の国際収支の不均衡を是正するためデフレ政策によって、インフレ環境から大きく転換した。デフレ政策によって国内需要が減少して、物価が低落、輸出も好調に転じ、国際収支は黒字になった。年後半から内外景気が好転した。

経済成長率 名目 11.0% 実質 5.9%
個人消費支出 名目 10.7% 実質 4.9%
民間設備投資 名目 5.8%  
輸出 名目 8.2%  
消費者物価    6.5%  

日本の広告費(電通調査)(1954)

○広告費が500億円を突破。

  億円 対前年比(%)
総広告費 550 (112.0)
新聞 332 (100.6)
雑誌 30 (120.0)
ラジオ 74 (164.4)
テレビ 4 (400.0)
DM・屋外他 120 (120.0)

政治・経済・業界(1954)

○50銭以下の小銭廃止(1.1)。

×ダレス米国務長官が「アメリカの好む所に大量破壊力をもって即時に報復する」とした「ニュールック戦略」を発表(1.12)。

○憲法擁護国民連合発会式が開催。議長に片山哲氏(1.15)。

○静岡県焼津のマグロ漁船「第5福竜丸」がビキニ環礁付近で米国水爆実験の「死の灰」により被ばく(3.1)。米軍告示の航行禁止区域外での被ばくが明らかとなり、国際法上の問題となる。

○相互防衛援助協定、米国農産物購入協定、経済措置協定、投資保証協定から成る「日米相互防衛援助(MSA)」協定に調印(3.8)。

○市制ブーム-成田、小山、喜多方など全国で35市が誕生(3.31)。

×国連経済社会理事会がアジア極東経済委員会(ECAFE)への日本の加盟承認(4.22)。

○造船疑獄に関し、犬養法相が指揮権を発動。

×フランス軍のインドシナ戦争の拠点ディエンビエンフーが陥落(5.7)。インドシナ戦争でのフランスの敗北が決定的となる。フランスが南ベトナムの完全独立を承認(6.4)。ジュネーブでインドシナ休戦協定が調印(7.21)。8年間にわたる戦争が終わる。ベトナムは南北に分割される。

○改正警察法公布-国家地方警察と自治体警察を都道府県警察に統合(6.8)。

○防衛庁設置法、自衛隊法公布。MSA協定等に伴う防衛秘密保護法公布(6.9)。陸・海・空3軍の自衛隊発足(7.1)。

○海外市場調査会、国際見本市協議会、日本貿易斡旋所協議会が統合し「海外貿易振興会」が発足(8.14)。

×アメリカで原子力法改正法が成立(8.30)。原子力の平和利用に関する知識の友好国への提供、私企業による原子力発電所の建設などを規定。

×東南アジア条約機構(SEATO)設立総会開催(9.8)。

×米欧など西側9ヵ国の外相がパリ会議を開催。西独の主催を回復・再軍備・NATO加盟承認などの「パリ協定」が結ばれる(10.23)。

○自由党鳩山派・岸派、改新党、日本自由党が合流し日本民主党結成(11.24)。

○吉田首相が内閣総辞職(12.7)。鳩山内閣成立(12.10)。

マスコミ・広告・媒体(1954)

○朝日新聞社が創刊75周年記念号として、1ページ全面の金色グラビア版を含む20ページの特集号を発行(1.25)。

○「九州五社会」発足(2.24)。

○番組の共同制作、交換のために中部日本放送、ラジオ九州、北海道放送、東北放送が「四月会」を結成(4.1)。

○新聞・放送・出版などマスコミ関係団体の自主規制機関「マスコミ連絡懇談会」発足(4.2)。

○電電公社(現NTT)の初のマイクロ回線(東京-名古屋-大阪間)が業務開始(4.15)。

○東京・日比谷公園で第1回全日本自動車ショー開催。54万人が集まり、自動車よりオート三輪やオートバイに人気が集まる(4.20)。

○東京都が屋外広告物規制を実施(5)。

○全日本広告連盟が「広告倫理綱領」を制定(6.18)。

○高さ180mの名古屋テレビ塔が完成(6.19)。東京タワー完成('58.12.23)まで日本一の高さ。

○経営者宣伝研究会が発足(8)。

○九州広告協会設立(10)。

○北海道放送・東北6社・ラジオ新潟の8社で「えぞの会」発足(11.1)。

○読売新聞社が創刊80周年記念特集号を発行(11.2)。

○日本新聞協会が「新聞販売綱領」を制定(12.16)。

媒体の発足(1954)

○ラジオの開局-九州朝日放送1.1、ラジオ山陰3.1、ラジオ佐世保4.1、ラジオ山梨、ラジオ宮崎ともに7.1、ニッポン放送7.15開局。

○ラジオ長崎とラジオ佐世保が合併し「長崎放送」と社名変更(10.18)。

○日本短波放送開局(8.27)。

○アメリカ民政府の許可により、琉球放送開局(10.1)。

○「カメラ毎日」毎日新聞社(6.1)。

○男性ファッション誌「MEN'S CLUB」婦人画報社(6)。

○テレビ局数1局

○ラジオ局数39局(8局増(短波と琉球を含む)、1局減)

○創復刊誌74誌、休廃刊誌26誌。

媒体普及率(1954)

テレビ契約数 16,779
ラジオ契約数 11,709,173

(NHK契約世帯数)

国内10大ニュース(1954)

○「洞爺丸」遭難事故発生(9.26)

○「第五福竜丸」事件と原水爆禁止運動

○陸運・造船・保安汚職

○改正警察法案成立をめぐる乱闘国会

○近江絹糸争議

○二重橋事件

○吉田首相の外遊

○吉田内閣総辞職(12.7)と鳩山内閣成立(12.10)

○日本民主党結成(11.24)

○街頭テレビブームとプロレスブーム

海外10大ニュース(1954)

×マッカーシー議員けん責問題

×米下院における議員狙撃事件

×ディエンビエンフー陥落(5.7)とインドシナ休戦(7.21)

×周恩来・ネール、平和5原則の共同声明発表(6.28)

×東南アジア条約機構(SEATO)設立で調印(9.8)

×エジプト、ナセル政権成立(4.18)

×アルジェリア独立戦争開始(11.1)

世相・風俗(1954)

○原子爆弾の恐怖-アメリカがビキニ環礁で水爆実験実施(3~5)。米観測要員、島の原住民などが被ばく。3月1日の実験で「第五副竜丸」が被ばく。久保山無線長死亡(9.23)。築地などで同船から水揚げされたマグロから強度の放射能検出。3月以降相次いで放射能汚染魚が見つかる。さらに、日本各地の雨から放射能が検出、飲料水・農作物・加工食品などの汚染問題に注目が集まる。全国各地で原水爆禁止運動が起こり、「原水爆禁止署名運動全国協議会」結成(8.8)。全国から2,000万人以上の署名が集まる。

○二重橋事件(1.2)-皇居の一般参賀に38万人が押し寄せ、二重橋上で老女が押されて転倒したのをきっかけに参賀客が将棋倒しとなり、16人圧死。

○青函トンネルの起工式開催(1.6)。

○戦後初の地下鉄、丸の内線が池袋-お茶の水間6.6kmの営業開始(1.20)。

○ハリウッドの“セックスシンボル”マリリン・モンローが夫の大リーガー・ジョー・デマジオと来日(2.1)。

○街頭テレビブームとプロレスブーム-日本初の国際プロレスリング大会が蔵前国技館で開催(2.19~3.9)。力道山・木村組対シャープ兄弟戦。NTV・NHKテレビでも放映されプロレスブームが巻き起こる。

○関門国道トンネルが貫通(3.4)。

○国連家族連盟名誉会長のサンガー夫人が来日(4.9)。日本家族計画連盟が結成され、家族計画運動が盛んとなる。

○ベビーブームで小学校の新入生が前年より100万人も増加(4)。

○日光いろは坂開通(10.1)。

○戦争で中断していた救世軍の社会鍋が名古屋で復活(12)。

○東京・芝にゴルフ練習場が登場(12)。

○造船疑獄、陸運疑獄が発覚。造船疑獄では佐藤栄作自由党幹事長の逮捕に対し犬養法相が指揮権を発動。

○ヒロポン全国に蔓延。

○新宿にうたごえ喫茶登場。

○近江絹糸労組の人権スト。

消費者・住民運動・公害(1954)

○東京都が街頭広告放送などによる騒音に対し騒音防止条例を制定(1)。

○第五福竜丸事件を契機として、全国で原水爆禁止運動が起こる。

○各地で基地接収反対運動が続く。

時の商品・新製品(1954)

○電気冷蔵庫、洗濯機、テレビが「三種の神器」とよばれる。脱水機付き洗濯機、ワイドスペース型冷蔵庫なども相次いで新発売。

○噴流式電気洗濯機が各社から発売され、人気が高まる。

○噴流式に比べて布地の傷みが少なく、この後主流となる渦巻式電気洗濯機も登場。

○新鮮なフルーツ・野菜のジュースと、糖蜜やハイ芽などを混ぜ合わせて飲めば元気になるという“ハウザー式若返り法”が流行し、ミキサーの売れ行きが伸びる。

○武田薬品がビタミンB1強化白米「ビタライス」を発売(1)。

○武田薬品がチオール型ビタミンB1「アリナミン」を発売(3)。ビタミン剤ブームの引き金に。

○ジュースブーム-明治製菓がわが国初の缶ジュース「明治オレンジジュース」を発売(4.28)。「キリンジュース」や「タカラポンジュース」も売り出され、名糖産業は初の粉末ジュースを発売する。

○厚木編織(現厚木ナイロン)がウーリーナイロン肌着の販売を開始(8)。

○主婦連が東京・世田谷区で10円牛乳(市販は15円)を発売。以後、都内に広がる(12.29)。

○丸定商店がスプリング式折りたたみ傘「アイデアル」を発売。後に植木等のCMで人気。

テレビCM(1954)

森永製菓<やっぱり森永ね>シンギングテレビCM第1号

森永製菓<一枚のチョコレートから>人形を使ったCM第1号

ミツワ石鹸<ワ、ワ、ワー、ワが三つ>

資生堂<パールちゃんシリーズ>

新聞広告(1954)

伊勢丹<ヘップバーンカットによく似合う服装>

郡是製絲・グンゼナイロン靴下<貴方の容姿をより美しく!>

明色アストリンゼン<アメリカではお化粧前必ずアストリンゼンを使う>伊東絹子

大塚製薬・オロナイン軟膏<3億円の景品を225万人の愛用者に贈る!>

雪印乳業・雪印ネオマーガリン<バターとまちがえる>

ライオン歯磨<ライオン1個で御招待!アメリカへ空の旅>トニー谷

三洋電機・サンヨー電気洗濯機<欧米で一番人気のある噴流式>小暮実千代(サンヨー夫人)

キング除虫菊工業・デピースキング<ビキニの灰よりこのけむり!!>

話題のテレビ番組(1954)

○NTV中継番組続々-男子スピードスケート世界選手権大会中継(1.18~19)、プロ野球公式戦中継開始(4.3)、力道山・木村対シャープ兄弟のプロレス中継(2.19~3.9)、全日本柔道選手権大会中継(5.5)、プロボクシング世界タイトルマッチ白井義男対エスピノザ戦中継(5.24)、全日本水上選手権大会中継(8.14~15)、プロテニスのクレーマー、セッジマン、ゴンザレス、セグラ戦中継(9.25、10.17)、全日本剣道大会中継(10.10)、フランス美術展を東京国立博物館とスタジオを結び2元中継(10.13)など。

○フランキー堺、中村メイコ出演の連続ミュージカルコメディ「二人でお茶を」(NTV)放送開始(3.5)。

○近藤圭子出演の少女ドラマ「星をみつめて」(NTV)放送開始(3.6)。

○人物のシルエットをスクリーンに映し出し、これを解答者が当てるテレビ的なクイズ番組「シルエットクイズ」(NTV)、スポンサーをつけない自主番組(サスプロ)で放送開始(9)。

NHK(1954)

○NHKも中継番組続々-力道山・木村対シャープ兄弟のプロレス中継(2.19)、天皇誕生日参賀風景中継(4.29)、世界レスリング選手権大会中継(5.22~25)、太平洋選手権争奪プロレスリング試合中継(8.8)、フランス美術展中継(10.15)、BBC交響楽団指揮者マルコム・サージェント指揮のN響特別演奏会中継(10.19)など。

○徳川無声、柳家金語楼による社会時評「こんにゃく問答(のちのこんにゃく談義)」放送開始(12.15~'61.4.1)。

流行語(1954)

台風手形、リベート、指揮権発動、死の灰、ビキニマグロ、水爆マグロ、放射能雨、ロマンスグレー、パートタイマー、シャネルの5番、流言蜚語、むちゃくちゃでござりまするがな

流行歌(1954)

黒百合の歌
お富さん
岸壁の母
あなたと共に
哀愁日記
ウスクダラ
高原列車は行く
オー・マイ・パパ
青いカナリヤ
茶色の小びん
子靴屋さん
パ・パーヤ・ママ

○「お富さん」ブーム-春日八郎が一躍スターダムに。

○国産EPレコード第1号-雪村いづみの「青いカナリヤ」。

○映画「グレン・ミラー物語」の封切りとともに「茶色の小びん」などのグレン・ミラー・サウンドがブームとなる。

○岡山労音誕生を皮切りに全国各地に労音誕生相次ぐ。

話題の映画(1954)

洋画
嘆きのテレーズ
恐怖の報酬
ロミオとジュリエット
波止場
エヴェレスト征服
麗しのサブリナ
ケイン号の叛乱
嘆きのテレーズ
裁きは終りぬ
グレン・ミラー物語
陽気なドン・カミロ
帰らざる河
ダイヤルMを廻せ

邦画
君の名は 第3部
七人の侍
忠臣蔵
二十四の瞳
ゴジラ
月よりの使者
宮本武蔵
ハワイ珍道中
金色夜叉
叛乱
家族会議
山椒太夫
山の音
晩菊
女の園
大阪の宿
黒い潮
潮騒
足摺岬
太陽のない街
勲章

○この年も日本映画が海外で各賞を受賞-カンヌ映画祭で「地獄門」がグランプリを受賞(4.11)。チェコ・カルロビバリ映画祭で「原爆の子」が平和賞、「蟹工船」が特別賞を受賞(7)。ベニス映画祭で「七人の侍」「山椒太夫」が銀獅子賞を受賞(9)。

○「ローマの休日」がヒット、ヘップバーン・ブームが起こる。

○東京で第1回東南アジア映画祭開催(5)。

○東宝が日本初の特撮怪獣映画「ゴジラ」を公開(11)。1億5000万円の配給収入をあげ、アメリカでも評判となる。

○東映が新作映画の二本立興行を始める(1)。「真田十勇士」「雪之丞変化」「笛吹童子」などがヒット、中村錦之助(萬屋錦之助)、東千代之介がデビュー、一躍スターの座を獲得。

○マリリン・モンローが夫の野球選手ジョー・ディマジオと来日(2.1)。

○東京で第1回東南アジア映画祭開催(5)。

○日本語の吹替えが始まり、ディスニー映画「ダンボ」公開(3.12)。

○ビスタビジョン第1作「ホワイト・クリスマス」公開(12.17)。

ベストセラー(1954)

女性に関する十二章
昭和文学全集
現代日本文学全集
君の名は
潮騒
人間の歴史
火の鳥
愛は死を越えて
カロリーヌ
現代世界文学全集

○全集ブームから新書ブームへ-中央公論の軽装版「女性に関する十二章」に始まったともいわれ、「文学と人間-百十一章」「伊藤整の生活と意見」「文学入門」「火の鳥」など伊藤整ブームとともに新書ブームが台頭。光文社もカッパ・ブックスを刊行(10)。

○写真が盛んに活用され、見る本も増加-空からみる日本、現代写真地理、日本文学アルバム、写真でみる日本史、現代名作名画全集など。

話題のマンガ(1954)

○「文芸春秋臨時増刊・漫画読本」文芸春秋社12月創刊。ナンセンス漫画隆盛へ。

○加藤芳郎の「まっぴら君」が毎日新聞に連載開始(1)。

○加藤芳郎の「おんぼろ人生」がサンデー毎日に連載開始(7)。

○福井英一の「赤胴鈴之助」が少年画報に連載開始(8)。連載1回で福井英一が急死、竹内つなよしが継承。

○手塚治虫の「火の鳥」が漫画少年に連載開始。

ファッション(1954)

○「ローマの休日」のヒットでショートカットのヘアスタイル“ヘップバーン・カット”が流行し、「麗しのサブリナ」の公開で細身のズボンのトレドアル・パンツとサブリナ・シューズが流行。

気象状況(1954)

○東京地方に積雪31.5cmの大雪(1.23~24)。

○京都地方にも積雪25cmの大雪(1.25)。

○台風12号が九州南端に上陸(9.13)。関東以西で、死者107人、住宅の全・半壊39,855棟、家屋の浸水181,380棟などの被害を残す。

○洞爺丸台風(台風15号)が九州北部をかすめて日本海を北上(9.25~27)。天候の回復を待っていた青函連絡船「洞爺丸」が函館港を出航。陸からかわずか800mの函館港外で強風を受けて転覆。死者・行方不明1,183人にのぼる日本最大の海難事故となる(9.26)。

○浅間山が噴火(6.24)。火山灰が関東一円に降る。

1953年(昭和28年)

経済白書 副題(1953)

自立経済達成の諸条件

経済概況(1953)

世界経済の停滞的な環境におかれながらも、日本の産業活動は活況を呈し、消費も著しい増加を示した。しかし、輸入の増大と輸出の不振で国際収支は逆調となり、外貨保有高は減少した。このため10月以降、金融の引締めなどのデフレ政策がとられるようになった。

経済成長率 名目 12.6% 実質 6.2%
個人消費支出 名目 20.8% 実質 12.5%
民間設備投資 名目 19.5%  
輸出 名目 -0.0%  
消費者物価    6.5%  

日本の広告費(電通調査)(1953)

  億円 対前年比(%)
総広告費 491 (127.5)
新聞 320 (118.5)
雑誌 25 (138.9)
ラジオ 45 (204.5)
テレビ 1 (-)
DM・屋外他 100 (133.3)

政治・経済・業界(1953)

×ユーゴスラビア国民会議がチトー元帥を初代大統領に選出(1.14)。

×第34代米大統領にアイゼンハワー、副大統領にニクソンが就任(1.20)。

○吉田首相が衆院予算委で社会党の吉村英一に「バカヤロー」発言(2.28)。吉田内閣不信任案が可決し、衆院解散(3.14)。

×スターリン・ソ連書記長兼首相が死去(3.5)。マレンコフが後継首相に就任(3.6)。

○スターリン首相死去の影響で軍需株を中心に株式大暴落(3.5)。

○保安隊の幹部養成のため保安大学校が横須賀に開校(4.1)。

○日米友好通商航海条約調印(4.2)。10月30日発効。

○第26回総選挙実施(4.19)。自由党が199議席を獲得。改進党が辛うじて76議席で第2党。左派社会党が躍進し72議席を獲得。

○第3回参議院選挙実施(4.24)。自由党が46議席を獲得。左派社会党が改選前の2倍の18議席を獲得。

×アメリカがインドシナの仏連合軍強化のために特別援助資金を送る(5.8)。仏軍がインドシナ戦争の劣勢挽回をはかるため「カストロール作戦」を開始。仏軍空挺部隊がベトナム北西部のディエンビエンフーに降下(11.20)。

×イギリスのエリザベス2世女王の戴冠式が挙行される(6.2)。

×国際民間航空機構(IATA)が日本の加盟を承認(7.1)。

×朝鮮半島の板門店で休戦協定調印(7.27)。3年1カ月の朝鮮戦争に終止符。

○日本航空が初の国際路線免許を取得(8.14)。東京-サンフランシスコ、東京-那覇間の2路線を開設。

○経済審議庁が朝鮮戦争による特需契約総額は12億2700万ドルと発表(8.29)。

○李ライン問題化-韓国海軍が李ライン内での日本漁船の操業禁止(9.7)。このため日本漁船2隻がだ捕。竹島の領海をも巡り、外交問題化。

×フルシチョフがソ連共産党第1書記に就任(9.12)。

○日本航空は資本金20億円のうち半額を政府が出資する特殊会社として再発足(10.1)。

×ガット第8回総会で日本の加入が承認される(10.23)。

○ニクソン米副大統領来日(11.5)。日米協会の歓迎会で日本の防衛力増強を強調(11.19)。

○奄美諸島が日本に復帰(12.25)。

マスコミ・広告・媒体(1953)

○北陸放送、北日本放送、福井放送の北陸3社が、初の地域放送網「ラジオ北陸放送連盟」結成(2.1)。

○NHKテレビ放送開始(2.1)。

○通産省、郵政省、NHK、無線通信機械工業会が「テレビジョン普及協議会」を結成(2)。

○PR懇談会発足(2)。

○国際電信電話設立(3.24)。4月1日業務開始。

○森永製菓が東京・銀座に地球儀型の大ネオン塔を設置。東京名物の1つとなる(4.11)。

○第1回民放週間開催(4.21~27)。民放祭式典を日比谷公会堂で開催、CMコンクールなどを実施。

○国立近代美術館で世界ポスター展開催(4)。

○中部広告協会設立(6)。

○民間テレビ放送開始(8.28)。

○NHKでは従来実施してきた中国の地名・人名の中国読みが不評のため、漢字音読式を採用(9.1)。

○東京-名古屋-大阪間の長距離電話が即時通話となる(9.1)。

○第1回ネオンコンクール開催(9)。

○広告界懸案の全国組織結成のため、日本広告会、関西広告会、中部広告協会が「全日本広告連盟」を結成(10.20)。

○英文毎日が日本の日刊紙初の立体グラビア写真特集4ページを発行(10.31)。月極め読者に眼鏡つきで無料配付。

媒体の発足(1953)

○民放ラジオ局の開局ラッシュ続く-ラジオ長崎3.1、ラジオ高知9.1、山陽放送、ラジオ四国、ラジオ熊本、南海放送、ラジオ大分ともに10.1、ラジオ南日本10.10、ラジオ青森10.12、山形放送10.15、ラジオ東北11.1、ラジオ福島12.1、ラジオ三重12.10、岩手放送12.15開局。

○日本初のテレビ局「NHK東京テレビ局」本放送開始(2.1)。

○日本初の民放テレビ局「日本テレビ放送網(NTV)」開局(8.28)。

○社名変更-仙台放送→東北放送2.1、西日本放送→九州朝日放送9.2、ラジオ四国→ラジオ香川10.15。

○大阪読売新聞が「読売新聞」に改題(4.1)。

○「流行の編物」婦人画報社(4)。

○テレビ局数1局(1局増)

○ラジオ局数32局(14局増)

○創復刊誌73誌、休廃刊誌36誌

媒体普及率(1953)

テレビ契約数 1,485
ラジオ契約数 10,539,593

(NHK契約世帯数)

国内10大ニュース(1953)

○皇太子殿下のエリザベス女王戴冠式出席に伴う外遊(3.30~10.12)

○初夏から秋にかけての全国的風水害

○衆議院の「バカヤロー」解散(3.14)と総選挙(4.19)

○秩父宮殿下逝去(1.4)

○中国・ソ連から引揚げ再開

○李承晩ライン問題

○内灘射爆場問題

○全国的凶作

○ニクソン米副大統領訪日

○奄美諸島返還(12.25)

海外10大ニュース(1953)

×スターリンの死とクレムリン内の権力再編成

×朝鮮休戦(7.27)と双方の捕虜釈放

×アイゼンハワー政権発足(1.20)

×エリザベス2世女王の戴冠式(6.2)

×ユーゴスラビア初代大統領にチトーを選出(1.14)

×英登山隊が世界最高峰エベレストの初登頂に成功(5.29)

世相・風俗(1953)

○早大登山隊が南米の最高峰アコンカグア(7035m)の登頂に成功(1.26)。

○読売巨人軍が戦後初のアメリカ遠征(2)。

○内線のため途絶えていた中国からの引揚げ再開。第1陣が「興安丸」で舞鶴に着港(3.23)。ソ連抑留者の釈放問題もまとまり、帰国が再開(12)。

○浅草楽天地に都内初のウェーブコースター(ジェットコースター)設置(4)。

×アメリカのジャクリーヌ・コクランが女性パイロット初の超音速飛行に成功(5.18)。

○大阪・梅田に日本初の高層建築物「第一生命ビル」が完成(5.20)。12階建て、高さ40.75m。第一生命ビル屋上に屋上ビアガーデン1号の「アサヒビアガーデン」がオープン(6.1)。東京、名古屋でもビアガーデンが復活。

○この年から6月の第3日曜日が「父の日」となる。

×ロングビーチで開催されたミス・ユニバースコンテストで日本代表の伊東絹子が3位に入賞(7.16)。「八頭身」が流行語となる。

○戦後初の国際学術会議「国際理論物理学本会議」が京都で開催(9.18)。

○街頭テレビブーム-ボクシング世界タイトルマッチ「白井義男対テリー・アレン」をテレビ放映。新橋駅前や渋谷ハチ公前などの街頭テレビに人々が殺到、都電がストップする騒ぎとなる(10.27)。

○赤電話が都内に初登場(10)。

○青山に日本初のスーパーマーケット「紀ノ国屋」がオープン(12)。

○社用族・公用族を中心にドライブブーム。

消費者・住民運動・公害(1953)

○使用期限4カ月と地元民と合意ができていた石川県内灘米軍試射場について使用期限切れとともに政府が永久接収を村側に申し入れ(4.30)。地元民の反対運動が激化、全国から学生、労組、文化人などが支援に参加。政府は内灘の無期限使用を閣議決定(6.2)。反対派と警官隊との衝突にまで発展(6.13)。米軍が試射を再開(6.15)。

時の商品・新製品(1953)

○花屋へ電話で申し込めば、全国どこへでも花が届く宅配組織「日本生花商通信配達協会(JFTD)」が発足(4.13)。

○厚木編機(現厚木ナイロン工業)が国産初のナイロン製シームレスストッキングを発売(3)。

○花王石鹸(現花王)が合成粉末洗剤「ワンダフル」を発売(4)。

○ミシンの年産が150万代を突破(4)。

○三洋電機が日本初の噴流式電気洗濯機を発売(8)。2万8500円。

○金が15年ぶりに自由販売に(8.1)。

○東京ジュジュ化粧料本舗が「ジュジュ・ファンデーション」を発売(1)。

○パピリオ化粧品が「パピリオ・ドオル」を発売(12)。

○トヨタ自動車が「トヨペット・スーパー」を発売。102万円。

○かくはん式電気洗濯機の価格が高価なため、普及促進に廉価格版を各社が開発。そのはしりとして噴流式電気洗濯機が発売される。

○国産初のジグザグ電気ミシン発売。

テレビCM(1953)

○テレビCM第1号-精工舎(現服部セイコー)の正午の時報。<セイコー舎の時計が正午をお知らせいたします>

龍角散<ゴホンといえば龍角散>

ミツワ石鹸<小鳥ちゃんとオフロ>アニメーション

新聞広告(1953)

松下電器産業<生活を豊かに楽しくする家庭電化!>

朝日麦酒<アサヒビールはあなたのビールです>

三菱レイヨン<化繊の時代が参りました>

三共・オリザニンレッド<テレビが当たる!>

神谷酒造・蜂ブドー酒<1本で100万円の住宅か自動車が当る!>

花王石鹸・ワンダフル<50円の洗濯機>

ピアスカラー<悩殺犯人・と騒がれているパリー生れのカラー化粧とは>

話題のテレビ番組(1953)

○公開番組の先駆「ほろにがショー(のちのなんでもやりまショー)」(NTV)放送開始(8.29~'59.4)。

○単発ドラマシリーズ「NTV劇場」放送開始。第1回作品「私は約束を守った」(8.31)。

○「ジェスチャークイズ」(NTV)放送開始(9~'57.4)。

○テレビ初の視聴者参加番組「子供のパーティ」放送開始(9.6~'56.4)。

○「クラブステップゲーム」(NTV)放送開始(9)。

○テレビ初の連続ホームドラマ「わが家の日曜記」放送開始(10.25)。

○街頭テレビブーム高まる-後楽園球場の巨人対阪神のナイターゲームを中継(8.29)、大相撲秋場所中継(9.19~10.3)、プロ野球日本シリーズ「巨人対南海」を中継(10)、プロボクシング世界タイトルマッチ「白井義男対テリー・アレン」を中継(10.27)など。

NHK(1953)

○「ジェスチャー」放送開始(2.20~'68.3.25)。

○NHKラジオ番組を映画化した新東宝制作の映画「白鳥の騎士」放送(6.30)。

○テレビ初の高校野球中継-甲子園から「第35回全国高校野球大会」を中継(8.13)。

○第4回紅白歌合戦、テレビで中継開始(12.31)。

流行語(1953)

消費景気、街頭テレビ、電化元年、戦力なき軍隊、さんずい、性典、30娘、プラス・アルファ、洗脳、クルクルパー、コネ、キセルモノ、八頭身、ジェスチャー、ティーン・エージャー、トニーグリッシュ、さいざんす、お今晩は、バカヤロー解散

流行歌(1953)

君の名は
街のサンドイッチマン
落葉しぐれ
毒消しゃいらんかね
雪の降る町を
青いカナリヤ
セ・シ・ボン
ヴァイヤ・コン・ディオス
思い出のワルツ

○ジャズブーム-日劇で「ティーン・エイジャー・ジャズ大会」開催。6日間で7万人の入場記録(7)。浅草国際劇場で「ジャズ・ショー」開催。13日間で10万人が入場(9)。また、ルンバ王といわれるザビエル・クガートとその楽団(3)、ノーマン・グランツやオスカー・ピーターソンの「JATP」(11)、ルイ・アームストロング・オールスター(12)などが来日。全国の大学ではジャズバンドが続々誕生し、都内にジャズ喫茶の開店が相次ぐ。

○東京・日比谷で「日本のうたごえ」第1回中央大会開催(11.29)。うたごえ運動が広がる。

○雪村いずみ「想い出のワルツ」でデビュー。

話題の映画(1953)

洋画
禁じられた遊び
ライムライト
探偵物語
落ちた偶像
終着駅
地上最大のショウ
シェーン
クオ・ヴァディス
シンデレラ姫
地上より永遠に
静かなる男
文化果つるところ
超音ジェット機
紳士は金髪がお好き

邦画
君の名は 第2部
君の名は 第1部
ひめゆりの塔
太平洋の鷲
戦艦大和
地獄門
花の生涯
ひばり姫初夢道中
夏子の冒険
にごりえ
煙突の見える場所
あにいもうと

○「ひめゆりの塔」公開(1.9)。配収1億4969万円のヒット。

×ニューヨークで「ナイアガラ」が公開(2)。“モンロー・ウォーク”が話題を集める。

○NHKラジオドラマの映画化「君の名は」公開(9.15)。配収2億6000万円の大ヒットとなる。

○ベニス映画祭で「雨月物語」が銀獅子賞を受賞(9)。

○入場税が100%から50%に引き下げられる(1)。

○立体映画が公開されたが、メガネが煩わしい、目が疲れるなどの理由から定着せず-洋画では「恐怖の街」、邦画では「飛び出した日曜日」など。

○板東妻三郎死去(7.7)。

○俳優、監督、演出家などの引き抜きを防止するための「五社協定」が締結(9.10)。

○日本初のシネマスコープ映画「聖衣」公開(12.26)。

○「十代の性典」がヒット。性典映画ブームとなり、社会問題ともなる。

○文芸映画の興隆-「雨月物語」「東京物語」「日本の悲劇」「大菩薩峠」など。また、独立プロも活躍-「蟹工船」「ひろしま」「縮図」「煙突の見える場所」「にごりえ」など。

ベストセラー(1953)

昭和文学全集
人間の歴史
君の名は
第二の性
光ほのかに
現代文豪名作全集
秘録・大東亜戦争史
新唐詩選
新平家物語

○「世界大思想全集」6月河出書房、「現代日本文学全集」8月筑摩書房などの配刊が始まり、全集ブームがピークを迎える。

○年末頃からミッキー・スピレーンの探偵ヒーロー=マイク・ハマーが人気となり、この後ハードボイルドミステリーの出版が相次ぐ。

○堀辰雄死去(5)。

話題のマンガ(1953)

○手塚治虫の「リボンの騎士」が少女クラブに連載開始(1)。

○清水崑の「かっぱ天国」が週刊朝日に連載開始(1)。

ファッション(1953)

○夏にエバーグレースなどの樹脂加工布地やナイロンブラウスの流行で「透けるファッション」が話題となる。ノースリーブも流行し、肌の露出が多いために役所内での着用で論議を呼ぶ。

○デパートで婦人服のイージーオーダーが始まる。

○“ディオール”旋風-クリスチャン・ディオールが春にパリでチューリップラインを発表。ディオールが専属モデルを連れ来日(11.24)。帝国ホテルと東京開館で「ディオール・ショー」開催。入場料が高価にもかかわらず大盛況。日本でもショートスカート、チューリップラインが人気を集める。

○秋から冬にかけショールを頭から首にまいた「真知子巻き」がブーム。

○第1次下着ブーム-下着ショーが盛んになりペチコートやブラジャーがもてはやされる。

気象状況(1953)

○台風の呼称が女性名から発生順番号となる(6)。

○6月4日~5日の豪雨に引き続き台風2号が北九州に上陸(6.7)。福岡、長崎、熊本などで死者29人を出す。

○西日本各地で豪雨(6.25~29)。

○南紀で豪雨(7.16~24)。

○近畿で豪雨(8.14~15)。

○東日本で冷害(8~9)。

○台風13号が伊勢湾から上陸、東海、信越を荒らし三陸沖へ抜ける(9.25~26)。収穫直前の稲に大被害。

1952年(昭和27年)

経済白書 副題(1952)

独立日本の経済力

経済概況(1952)

1951年後半からの世界の景気後退は日本経済に影響し、輸出が沈滞し、産業活動は戦後初めて伸び悩み、経済界も深刻なデフレ減少を呈し始めた。しかし、物価は微落、生産は年間を通じて安定を続け、実質賃金は上昇し、購買力も強く、日本経済は国内消費に支えられて、当初予想されたほどの悪化が表面化することはなかった。

経済成長率 名目 12.4% 実質 11.2%
個人消費支出 名目 21.9% 実質 17.1%
民間設備投資 名目 16.8%  
輸出 名目 -8.6%  
消費者物価    5.0%  

日本の広告費(電通調査)(1952)

385億円(対前年比 158.4%)。

  億円 対前年比(%)
総広告費 385 (158.4)
新聞 270 (150.0)
雑誌 18 (180.0)
ラジオ 22 (733.3)
テレビ - (-)
DM・屋外他 75 (150.0)

政治・経済・業界(1952)

×日本が戦後初参加のオリンピック大会開催-第6回オスロ冬季大会開催。日本から6選手参加(2.14~25)。第15回ヘルシンキ夏季大会開催(7.19~8.3)。日本から75選手参加、金メダルはレスリングの石井庄八選手の1個だけ。チェコのザトペックが陸上の5,000m、10,000m、マラソンで優勝。

○復興金融金庫が解放。日本開発銀行が継承(1.16)。

×李承晩韓国大統領が漁区境界線(李承晩ライン)の設定を宣言(1.18)。

×アメリカが再軍備計画推進のため欧州12ヵ国に総額7億7000万ドルの借款を供与(2.1)。リスボンでNATO理事会開催。総兵力50個師団の欧州軍を創設することで合意(2.20)。

○日米行政協定調印(2.28)。4月28日発効。

○国民民主党、農民共同党、新政クラブが合同し「改進党」を結成(2.8)。

×チャーチル英首相がイギリスの原爆保有を認める(2.26)。

○琉球中央政府発足(4.1)。

○対日講和条約・日米安全保障条約が発効(4.28)。

×米・英・仏3国と西独がドイツ占領終結協定に調印(5.26)。

×パリで仏・西独・伊・ベネルクス3国が欧州防衛共同体(EDC)創設条約に調印。NATOとの間に相互援助協定を設ける(5.27)。

×国際通貨基金(IMF)と国際復興開発銀行(世銀)への日本の加盟が承認(5.29)。

○羽田空港が米軍から返還、東京国際空港と改称(7.1)。

○住民登録実施(7.1)。

○破壊防止法公布・施行。公安調査庁発足(7.21)。

○吉田首相が衆議院予算委員会で「防衛隊構想を研究中」と答弁(1.31)。再軍備問題が沸騰。警察予備隊と海上保安庁を統括した保安庁が発足(8.1)。警察予備隊は保安隊となる。

○吉田首相が衆議院を突然抜き打ち解放(8.28)。第25回総選挙実施(10.1)。自由党が辛うじて過半数を獲得。第4次吉田内閣成立(10.30)。

×米大統領選挙実施(11.4)。アイゼンハワー共和党候補が勝利。

マスコミ・広告・媒体(1952)

○新日本放送・朝日放送・大阪電通の3社共同で聴取率調査実施(1.21~27)。

○地方民放各社の共同制作組織「火曜クラブ」結成(2)。7月29日「火曜会」と改称。会社組織となる。

○アメリカの広告会社「ファルコン」が日本支社を設立(2)。

○財団法人電波技術協会設立(3.31)。

○厚生省が薬品広告の制限緩和(3)。

○日本民間放送連盟が社団法人となる(4.21)。

○民放東京支社長懇談会発足(5.29)。

×パリで国際新聞協会の設立総会開催(5)。日本からも新聞関係7人が出席。

○ブロック3社と有力9社代表者の親睦団体「春秋会」が発足式挙行(6.6)。

×国際新聞発行者会議で日本新聞協会の加盟が承認される(6.9)。

○放送法が一部改正され、ラジオ・テレビを問わず受信者は全てNHKと受信契約することを規定(6.17)。

○新聞・出版・放送事業関係の減税、広告税廃止を含む地方税改正案が成立、公布(6.28)。

○新聞の増ページ競争-東京の朝日・毎日・読売の3紙はセット地域の朝刊オール4ページ、夕刊4ページ5回、2ページ2回、統合版地域8ページ6回、4ページ1回を実施。西日本新聞も増ページを実施。京都・神戸新聞は連日朝夕刊10ページ建(朝刊6ページ、夕刊4ページ)実施(7.1)。朝日・毎日大阪本社が週6回セット紙12ページ建実施。京都・神戸新聞もこれに同調。朝日毎日西部本社・西日本新聞は朝夕刊10ページ建実施(10.1)。朝日新聞はセット紙10ページ建、読売新聞は10ページ建実施(11.1)。

○電波管理委員会を廃止(7.31)。電波行政は郵政省の所管となり、郵政省の付属機関として電波監理審議会・電波研究所などを設立(8.1)。

○電気通信省が廃止。日本電信電話公社設立(8.1)。

○朝日新聞社が「朝日広告賞」を設定(8)。

○朝日・毎日・読売新聞が共同通信を脱退(9)。

媒体の発足(1952)

○民放ラジオ局の開局ラッシュ-北海道放送3.10、信濃放送3.25、日本文化放送3.31、神戸放送4.1、仙台放送5.1、北陸文化放送5.10、北日本放送7.1、四国放送7.1、福井放送7.20、ラジオ中国10.1、静岡放送11.1、ラジオ新潟12.24開局。

○社名変更-信濃放送→信越放送4.1、北陸文化放送→北陸放送11.28。

○「大阪読売新聞」読売新聞11.25発刊。読売新聞の大阪進出。

○「週刊サンケイ」サンケイ新聞社(2.3)。

○月刊「明星」集英社(10.1)。

○島根新聞が「山陰新報」に改題(4.1)。

○「高知日報」4月廃刊。「石川新聞」11.1、東海毎日・新東海新聞12.1休刊。

○ラジオ局数18局(12局増)

媒体普及率(1952)

○ラジオ契約数-9,712,015(NHK契約世帯数)

国内10大ニュース(1952)

○皇太子明仁親王の立太子礼(11.10)

○衆議院の抜き打ち解散(8.28)、総選挙(10.1)

○「血のメーデー」事件(5.1)

○「もく星号」三原山遭難事件(4.9)

○対日講和条約・日米安全保障条約発効(4.28)

○名神礁爆発事件

○オリンピックに日本が戦後初参加

○白井義男、日本人初のボクシング世界チャンピオンに(5.19)

○民放ラジオ局の開局ラッシュ

○十勝沖地震(3.4)

海外10大ニュース(1952)

×米大統領選挙でアイゼンハワー共和党候補が勝利

×アメリカの水爆実験成功(11.1)

×朝鮮休戦会談の挫折と捕虜暴動事件

×英軍、スエズ運河を閉鎖(1.4)

×韓国が海洋主権宣言、「李ライン」設定(1.18)

×キューバのバチスタが軍事無血クーデターに成功(3.10)

×第15回ヘルシンキオリンピック開催(7.19~8.3)

×イギリスが原爆保有を認める(2.26)

世相・風俗(1952)

○天皇退位説が風評されるなか、平和条約発効ならびに憲法施行5周年記念式典で天皇陛下の「あえて自らを励まして負荷の重きにたえんことを期し」の言葉で退位説に終止符が打たれる(5.3)。

○砂糖の統制が13年ぶりに撤廃(4.1)。

○GHQが帝国ホテル・メモリアルホールなどの接収を解除(4.1)。

○日本航空「もく星号」が伊豆大島の三原山に墜落。乗員・乗客37人全員死亡(4.9)。

○「血のメーデー事件」発生(5.1)-第23回統一メーデーで使用不許可の皇居前広場にデモ隊が入り警官隊と衝突。デモ隊の2人が射殺、負傷者約1,500人、1,232人が検挙される。

○ボクシング世界フライ級タイトルマッチが後楽園球場特設リングで開催。白井義男がチャンピオンのダド・マリノを破り日本人初のボクシング世界チャピオンとなる(5.19)。

○前東大教授大賀一郎博士が千葉市の古代遺跡から発掘した2000年前の蓮の種が開花(7.20)。

○伊豆諸島青ケ島南方30マイル付近で海底火山爆発でできつつある新島を発見(9.17)。海上保安庁が名神礁と命名。名神礁調査中の海上保安庁観測船「第5海洋丸」が新爆発で遭難、調査団9人、乗務員22人全員死亡(9.23)。

○皇太子明仁親王の立太子礼が行われる(11.10)。

○東京・八重洲にブリジストン美術館開館(1.8)。

○東京・竹橋に国立近代美術館開館(11.18)。

○上野動物園に海水水族館開館(3.20)。

○江ノ島水族館開館(7.19)。

○川崎市に向ケ丘遊園開園(4.1)。

○宝塚新温泉(現宝塚ファミリーランド)にウェーブコースター開設(12.20)。

○東京・青山に日本初のボーリング場が開場(12.20)。

消費者・住民運動・公害(1952)

○日米行政協定による米軍演習地問題が全国的に広がる-富士山の標高1000m以上が演習地として接収されると農林省から静岡県に通知があり、富士宮市と周辺町村で反対運動が起こる(5)、兵庫県伊丹基地の拡張をめぐり「伊丹基地拡張反対期成同盟」結成(7)、立川基地拡張でも地元民が反対(8)。

時の商品・新製品(1952)

○不二家がペコちゃんマークの「ミルキー」を発売(1)。

○日産自動車が戦後初のスポーツカー「ダットサン・スポーツDC3」発売(1)。

○森永製菓が「チョイスビスケット」を発売(3.1)。100円。

○オレンジジュース・ブーム-明治屋が濃縮オレンジジュースの製造を開始(3)。4月サッポロビールが「リボンジュース(のちにリボンオレンジと改称)」を発売。

○シチズン時計が国産初のカレンダー付き腕時計「シチズン・カレンダー」を発売(3)。

○本田技研が原付自転車「カブ号」を発売(3)。

○日本生命が利益配当付き子供生存保険を発売(4.1)。

○たばこ「ピース」が米デザイナー、レイモンド・ローウィのデザインで新登場(4.1)。売れ行き急増。

○内田洋行がマジックインキを発売(4)。

○出光興産がアメリカから高オクタン価ガソリンを輸入、「アポロ」の銘柄で全国販売を開始(5)。

○国産の金ペン万年筆が売り出される(6.14)。製造販売禁止以来12年ぶり。

○中外製薬が殺虫剤の「バルサン・リング」を発売(6)。

○人造バターがマーガリンと名称変更(11)。

○即席カレーが人気。

○ビタミン・ブームで米にも炊飯用強化剤(バイリッチR1号・2号)が発売。

○一般家庭向け小型電気冷蔵庫(90リットル)発売。

○扇風機の羽根に初めてプラスチックを採用。カラフルな羽根の幕開け。

新聞広告(1952)

○読売新聞が5月15日付朝刊(8ページ建)の第8面に10段の案内広告を掲載。戦前への復活傾向として注目を集める。

味の素・日本光学工業・三共連合広告<12才ではありません!!>

小野薬品工業・アナヒスト<アメリカの風邪薬>

森永乳業・森永ホモ牛乳<太陽のびん詰>

寿屋<舶来駆逐が念願>

不二屋・ミルクチョコレート<舶来品 さようなら>

朝日麦酒・三ッ矢サイダー<全糖(さとう)の三ッ矢サイダー>

池田製菓・バンビキャラメル<キャラメルの王様が生まれました>

森永製菓・スイートガール募集<チョコレートの知性とキャラメルの明るさ>

東京ジュジュ化粧料本舗・ジュジュアーモンド<ナイロンの靴下は足が丸見え!!>

クラブコールドクリーム<母よ美しく!!娘よ更に美しく>

花王石鹸<うぶ湯の時からカオーせっけん>

松下電器産業・ナショナル家庭用電気洗濯機<お洗濯の労苦から奥様を解放!>

フルヤ・フルヤキャラメル劇場<連続放送はロッパキャラメルはフルヤ>

朝日麦酒・カムカム英語<たのしいカムカム英語をききましょう>

話題のラジオ番組(1952)

○新日本放送・ラジオ東京・中部日本放送・ラジオ九州の4社共同で民放初の相撲放送開始(1.12)。

○ラジオ東京が「素人うた合戦」をNHKの「のど自慢素人演芸会」と同じ時間帯で放送開始(4.1)。

○クイズ番組「ぴよぴよ大学」(ラジオ東京)放送開始(4.5~'60.5.1)。

○日本初のボクシング世界チャンピオン誕生を放送-ラジオ東京と新日本放送の共同でプロボクシング世界選手権試合「白井義男対ダド・マリノ戦」を全国9社へ中継(5.19)。

○新日本放送が連続ラジオ絵巻「アンジェラスの鐘」放送開始(5.25)。ラジオ九州と日本文化放送との3社による民放初の共同企画制作。

○連続ラジオ小説「名作アルバム」(ラジオ東京)放送開始(12)。

NHK(ラジオ番組)(1952)

○「演芸独演会」放送開始(1.4)。

○「アチャコ青春手帖」放送開始(1.7)。

○「三つの歌」定時放送となる(1.7~'70.3.30)。

○連続時代劇「新諸国物語」放送開始(4.1~'56.12.31)。「笛吹童子」「紅孔雀」などが人気を集める。

○連続放送劇「君の名は」放送開始(4.10~'54.4.8)。毎週木曜日の放送時間になると女湯が空になるといわれるほどの人気となる。

○「日曜娯楽版」を「ユーモア劇場」に改称(6.15~'54.6.13)。

○戦後初の日本のオリンピック参加にともない、ヘルシンキ大会の実況・インタビューなど延べ36時間以上にわたり放送(7.16~8.3)。

○「黄金のいす」を放送(11.3)。11月18日から定時番組となる(~'55.4.1)。

○国際放送再開(2.10)。北米・中国北部・中国中部・フィリピン・インドネシア・インドの6方面。各方向とも1日1時間放送。

流行語(1952)

PR、ゴールデン・ウィーク、人間機関車、黄変米、キャノン機関、恐妻、言うてみてみ 聞いてみてみ、風太郎、エッチ、ヤンキー・ゴーホーム、パンマ、青線、カバヤ文庫、明日ではおそすぎる、李ライン

流行歌(1952)

リンゴ追分
ゲイシャ・ワルツ
山のけむり
赤いランブの終列車
憧れの郵便馬車
テネシーワルツ
キッス・オブ・ファイヤ
セプテンバー・イン・ザ・レイン
ジャンバラヤ
第三の男
ああモンパルテルの夜は更けて

○ラジオ東京開局記念ラジオドラマ「リンゴ園の少女」のために作られた美空ひばりの「リンゴ追分」が大ヒット。

○江利チエミ「テネシーワルツ」でデビュー。23万枚のヒットとなる。

○春日八郎「赤いランブの終列車」でデビュー。50万枚のヒット。

○ペギー葉山「キッス・オブ・ファイア」でデビュー。

話題の映画(1952)

洋画
チャップリンの殺人狂時代
第三の男
天井棧敷の人々

ミラノの奇蹟
風と共に去りぬ
誰が為に鐘は鳴る
サムソンとデリラ
血と砂
三銃士
北西騎馬警官隊
巴里の空の下セーヌは流れる
陽のあたる場所
真昼の決闘
欲望という名の電車
巴里のアメリカ人

邦画
お茶漬の味
ひばり姫初夢道中

現代人
陽気な渡り鳥
千羽鶴
本日休診
生きる
稲妻
カルメン純情す
真空地帯
山びこ学校
慟哭
西鶴一代女

○日本映画が海外で脚光を浴びる-「羅生門」アカデミー賞で外国映画最優秀賞を受賞(2.21)。「源氏物語」カンヌ映画祭で国際撮影技師賞を受賞(5.10)。「西鶴一代女」ベニス映画祭で国際賞を受賞(9)。

○戦争のため輸入が禁じられていた「風と共に去りぬ」が完成後13年目にして公開される(9)。入場料600円(一般の封切館の平均入場料120円)という高額にもかかわらず東京で大ヒット。大阪では大失敗。

○西部劇ブーム-真昼の決闘、荒野の三悪人、ウィンチェスター銃73など。

○性教育問題を描いたイタリア映画「明日では遅すぎる」が社会的話題となり大ヒット(2)。この映画に刺激され、「娘はかく抗議する」松竹、「若き日のあやまち」新東宝などが作られる。

○対日戦争を描いたアメリカ映画「硫黄島の砂」がマスコミの反対を押し切り公開され、ヒットとなる(6)。

○独立プロが躍進-「真空地帯」新星映画、「原爆の子」近代映画協会・民芸、「山びこ学校」八木プロなど。

ベストセラー(1952)

人間の歴史
三等重役
ニッポン日記
千羽鶴
生きている日本史
泣き虫記者
風と共に去りぬ
ものの見方について
新唐詩選
源氏物語

○「アサヒグラフ」原爆記念号が、広島・長崎の原爆被害の実情を写真で初めて公開したものとして国内外の反響を呼び、3版60万部を売り切る(8)。

○角川書店が「昭和文学全集」の第1回を配本(11)。文学全集ブームの火付けとなる。

話題のマンガ(1952)

○「まんが王」秋田書店1.3 創刊。

○福井英一の「イガグリくん」が冒険王に連載開始(1)。

○益子善六の「ヒットくん」が産経新聞に連載開始(1)。

○手塚治虫の「鉄腕アトム」が少年に連載開始(4)。

○新聞マンガは、「ブロンディー」朝日新聞、「マギーとジグス」読売新聞などの輸入もの連載マンガが掲載打ち切り、下火となり、「少年ケニア」産業経済新聞、「原爆少年」中部日本新聞、「宇宙探検」京都新聞などの国産連載マンガがブームとなる。

ファッション(1952)

○プリーツスカートが流行。

○短いコート「トッパー」が流行。羽織も短くなり「茶羽織」として人気を集める。

気象状況(1952)

○北海道十勝沖でM8.2の十勝沖地震が発生(3.4)。日高・十勝・釧路地域が烈震・強震。被害は北海道南部から東北北部におよぶ。

○関東・信越地方に平均10~15cm、多いところで60cmの大雪が降る(3.7~8)。

○ダイナ台風が紀伊半島を横断し太平洋岸を通過(6.22~25)。長良川が決壊するなど九州南部から関東以西の太平洋岸で死者65人、不明70人などの被害。

○梅雨前線の北上により近畿・中国・四国地方で豪雨(7.7~18)。死者67人、不明73人、家屋の浸水161,027棟などの被害。

1951年(昭和26年)

経済白書 副題(1951)

なし

経済概況(1951)

朝鮮動乱の特需に支えられ、日本経済は経済自立が達成したといえる段階に達した。一方、停戦の動きが進むにつれ、特需の減少で不況色が漂いだしたが、重化学工業部門での近代化のための設備投資意欲は急速に盛り上がりを示した。

経済成長率 名目 37.9% 実質 13.0%
個人消費支出 名目 25.9% 実質 9.6%
民間設備投資 名目 56.4%  
輸出 名目 93.7%  
消費者物価    16.4%  

日本の広告費(電通調査)(1951)

  億円 対前年比(%)
総広告費 243 (145.1)
新聞 180 (150.0)
雑誌 10 (142.9)
ラジオ 3 (-)
テレビ - (-)
DM・屋外他 50 (123.5)

政治・経済・業界(1951)

○日本青年会議所設立(2.9)。

○社会民主党結成(2.10)。

○食糧公団が解体され、主食の配給業務が民営となり、米屋が復活(4.1)。

×アイゼンハワー元帥が欧州防衛統一最高司令官に就任、パリで欧州防衛統一(NATO)軍指令部も発足(4.1)。

×トルーマン米大統領が朝鮮問題をめぐり見解が不一致のマッカーサー連合国最高司令官を解任。後任にリッジウェー中将を任命(4.11)。

○500円札(岩倉具視)発行(4.20)。50円札(高橋是清)も登場(12.1)。

○電力再編制問題は、新電力会社役員の人事をめぐり難行した末、9電力会社として新たに発足(5.1)。

○日本経済協力の第一石として在日米軍補給司令部と日立製作所の間で、自動車部品・車両部品など500万ドル(18億円)にのぼる「新特需契約」が調印される(5.30)。

○GHQが対日援助打ち切りを声明(5)。

○日本信用販売が月賦販売を目的に設立(6.7)。

○占領政策緩和による第1次追放解除実施(6.26)。第2次解除実施(8.6)。

×朝鮮戦争で北朝鮮側が国連軍の休戦交渉提案の受諾と開城での会見希望を北京放送で通告(7.1)。事実上の戦闘停止状態に入る(7.2)。

○糸へん暴落-朝鮮の休戦交渉急進展により証券・繊維相場が暴落(7.2)。繊維問屋街は半休状態(7.30)。

×パリで市制200年記念日を祝う(7.8)。

×米・英・仏が対独戦争状態終結を宣言(7.9)。

×アメリカが第2次大戦以来認めていた対共産圏関税特恵を全て廃止(8.3)。

×米・豪・ニュージランドが太平洋安全保障条約(ANZAS)に調印(9.1)。

×サンフランシスコ講和会議が52ヵ国出席のもと開催(9.4)。ソ連・チェコ・ポーランドを除く48ヵ国と日本は講和条約に調印。日米安全保障条約にも調印(9.8)。会議不参加のインドが対日終戦を通告(9.10)。

×トルーマン米大統領が対独戦争状態終結を宣言(10.24)。

○日本航空設立(7.31)。東京-大阪-福岡間が営業開始となり、戦後初の民間航空機「もく星号」が羽田を離陸(10.25)。

○建設省が東京-神戸間527kmの高速自動車専用道路の建設計画を発表(10)。

○日本の国際機関への復帰・参加承認相次ぐ-世界保健機関(WHO)日本の加盟を承認(5.7)、国際労働機関(ILO)日本の復帰申請を承認(6.19)、国連教育科学文化機関(UNESCO)(6.21)、国連食糧農業機関(FAO)(11.21)も加盟を承認。

○この年、河合楽器製作所(5)、日本石油精製(10)などが設立。

マスコミ・広告・媒体(1951)

○全国106紙で15段制実施(1.1)。

○朝日・毎日・日本経済新聞が元旦号から多色刷りを実施(1.1)。

○日経新聞が大阪での発行を開始(1.25)。

○朝日・毎日・読売3紙が日曜夕刊を廃止(2.4)。3紙、日曜夕刊を復活(6.3)。

○新聞用紙の配給・価格、新聞購読料の統制が廃止(5.1)。

○大分合同新聞が朝夕刊セット制を実施(5.1)。

○日本新聞学会発足(6.16)。

○日経新聞、日刊工業新聞がオール4ページ建を実施(6)。

○予備免許の下りた16社が任意団体の「日本民間放送連盟(民放連)」を結成(7.20)。

○民間ラジオ放送開始(9.1)。

○講和問題特集の「世界」10月号が増版を重ね15万部を販売(9)。

○戦後初の輸出広告(小野田セメント)をニューヨーク・ヘラルド・トリビューンに掲載(電通扱い)。ライフも対日講和特集に日本商品広告を掲載(9)。

○新聞23紙が朝夕刊セット制を実施(10.1)。

媒体の発足(1951)

○日本初の民放ラジオ局が開局-中部日本放送、新日本放送(ともに9.1)。

○朝日放送11.11開局。

○ラジオ九州12.1開局。

○京都放送12.24開局。

○ラジオ東京12.25開局。

○「オール生活」実業之日本社(6)。

○「モーターサイクリスト」八重洲出版(11)。

○ラジオ局数6局(6局増)

媒体普及率(1951)

○ラジオ契約数-9,192,934(NHK契約世帯数)

国内10大ニュース(1951)

○対日講和条約と日米安全保障条約の調印(9.8)

○マッカーサー元帥の突然の解任(4.11)

○貞明皇后の崩御(5.17)

○国電桜木町事件発生(4.24)

○公職追放解除本格化

○第2回地方選挙実施(4)。保守が優勢

○社会党が左右に分裂(10)

○民間航空再開

○民間放送開局(9.1)

○日本の国際機関への加盟承認相次ぐ

海外10大ニュース(1951)

×サンフランシスコ講和会議

×朝鮮休戦会談

×マッカーサー連合軍最高司令官罷免(4.11)

×イラン石油国有化法成立(3.15)

×米・豪・ニュージランドが太平洋安全保障条約調印(9.1)

×米が対共産圏関税特恵を廃止(8.3)

世相・風俗(1951)

○歌舞伎座復興(1.3)。

○銀座に街灯が復活(4.1)。

○米屋が復活(4.1)。

○第55回ボストンマラソンに日本が戦後初参加。初出場の19歳の田中茂樹選手が優勝(4.19)。

○京浜東北線の赤羽発桜木町行きの木造の63型電車が桜木町駅近くで垂れ下がった架線が原因で火災を起こし、死者106人、重軽傷者92人を出す大惨事となる(4.24)。

○プロ野球初のオールスター・ゲームが開催(7)。2勝1敗でセ・リーグ優勝。

○アナタハン島の旧日本軍残留者など20名が羽田に帰還(7.6)。

○日本最初のプロレス試合「力道山対ボビー・ブランズ戦」が両国のメモリアルホールで開催(10.28)。

○第1回青森-東京間駅伝開始(11)。

○名古屋を中心にパチンコが大流行。「軍艦マーチ」も復活。

○春から夏にかけて赤痢が大流行。死者1万4000人以上。

○三越労組が人員整理をめぐって日本橋・新宿・銀座の3店でデパート史上初のストライキを実行(12.18)。

○華やかな都会に憧れて上京する家出娘が増加。

○東京都が「こども白書」を発表し、浮浪児・家出児の都市への集中、宝くじの影響で子供たちに賭博行為が激増していることなどを指摘(5.4)。

○生活苦による児童の人身売買依然続く。

○子供の幸福をはかるための「児童憲章」を制定(5.5)。

○動物園ブーム続く-王子動物園(神戸)(3.20)、野毛山動物園(横浜)(4.1)、円山動物園(札幌)などが開園。上野動物園に戦後初のペンギンが大洋漁業「第2天洋丸」から贈られる(4.21)。

消費者・住民運動・公害(1951)

なし

時の商品・新製品(1951)

○コロンビア、LPレコードを発売(3.20)。初めは長時間レコードとよばれベートーベン「第九交響曲」と、ブラームス「運命の歌」など5枚。1枚2300円。

○三共、カゼ薬「ルル」を発売(6.1)。

○資生堂が初の過脂肪石鹸「オリーブ石鹸」を発売(7)。1個30円。

○かくはん式洗濯機の生産が始まる(7)。

○トヨタ自動車が「BJ型四輪駆動車(のちのランドクルーザー)」を発売(8)。

○ライオン油脂(現ライオン)が日本初の鉱油系合成洗剤「ライポン」発売(10)。

○朝日麦酒が「バヤリースオレンジ」を発売(11)。オレンジジュースの代名詞となる。

○本田技研が4サイクルのオートバイ「ドリーム号E型」を発売(12)。

○貝印が使い捨て軽便カミソリを発売。1個4円。

○フロアスタンド型扇風機が登場。「ばら」「すいれん」など、電化製品の愛称もこの時から。

新聞広告(1951)

日立製作所・電気冷蔵庫<食品衛生の強化!>

デパート各社の連合広告<750万の人達がデパートで倹約しています!>

千代田銀行<1円からお預かりします>

三井化学工業・ミツゲン<ミツゲンでオリンピックに選手派遣!!>

ライオン歯磨・ライオン歯刷子<米国デュポン会社製ナイロン使用!日本で初めてです!>

エーザイ・サンプーン<子供を少なく産みましょう>

寿屋<旗日にはきっと日の丸かかげましょう>

話題のラジオ番組(1951)

○中部日本放送が名古屋の毛織物店「五金」提供のスポンサード・プログラム第1号「服飾講座」を放送(9.1)。

○放送劇「鞍馬天狗」(新日本放送)放送開始(9.1)。

○初の解説つきプロ野球実況放送-日米親善野球中継(甲子園)に中沢不二雄を起用(新日本放送)(9.2)。

○「歌のない歌謡曲」(新日本放送)放送開始(9.2)。

○クイズ番組「バイバイゲーム」(新日本放送) 放送開始(9.5~'57.9.28)。

○放送劇「チャッカリ夫人とウッカリ夫人(のちに「ウッカリ夫人とチャッカリ夫人」と改称)」(ラジオ東京)放送開始(12.25~'64.10)。

○「ラジオスケッチ」(ラジオ東京)放送開始(12.25)。

○NHKの「英語会話」が「カムカム英語」(ラジオ東京)として復活。

NHK(ラジオ番組)(1951)

○第1回「紅白歌合戦」をスタジオから放送(1.3)。

○連続放送劇「さくらんぼ大将」放送開始(1.4~'52.3.31)。

○「明るい茶の間」放送開始(4.2~'60.4.2)。

○GHQの命令により放送中止となっていた「ラジオ体操」が3年8カ月ぶりに再開される(5.6)。

○「夢声百夜」、「海外の話題」放送開始(5.7)。

○対日講和条約会議のため特別番組を編成-「講和条約条文解説」(8.27~30)、ドキュメンタリー番組「講和への道」(9.2)、「調印式実況」(9.2)など。

○歌謡クイズ番組「三つの歌」放送開始(11.2)。宮田輝の司会が人気となる。

流行語(1951)

老兵は死なず、逆コース、糸へん暴落、エントツ、三越にはストもございます、プーバイ、社用族、三等重役、スチューワデス、ワンマンカー、アナタハン(の女王)、上海帰りのリル、親指族、アジャパー

流行歌(1951)

越後獅子の歌
高原の駅よさようなら
トンコ節
上海帰りのリル
私は街の子
ミネソタの卵売り
えり子の唄
アルプスの牧場
銀座のリル
僕は特急の機関士で

○「上海帰りのリル」がヒット。「銀座のリル」「リルを探してくれないか」などのリル・ブームが起こる。

○お座敷ソング登場-「トンコ節」「ヤットン節」など。

○ご当地ソング登場-NHK「日曜娯楽版」の放送中に歌われた「僕は特急の機関士で」が人気を集める。

○「アルプスの牧場」「野球小僧」「ボクはアマチュアカメラマン」など灰田勝彦の歌う曲がヒット。

話題の映画(1951)

洋画
イブの総て
サンセット大通り
わが谷は緑なりき
オルフェ
邪魔者は殺せ
白昼の決闘
駅馬車
ダラス
リオ・グランデの砦
黄色いリボン
悪魔の美しさ
バンビ
雲の中の散歩
チャンピオン
黒水仙
レベッカ

邦画
源氏物語
大江戸五人男
馬喰一代
自由学校
銭形平次・恋文道中
麦秋
続佐々木小次郎
佐々木小次郎完結編
めし
偽れる盛装
どっこい生きている
風雪二十年
あゝ青春
命美わし
愛妻物語

○在京スポーツ新聞7社の新聞記者が「日本映画文化賞(ブルー・リボン賞)」を設定。第1回作品賞は東宝「また逢う日まで」(2)。

○ベニス国際映画祭で黒沢明監督の「羅生門」がグランプリを獲得(9)。世界に“クロサワ”の名を知らせる。

○映倫により1社1カ月1本に抑えられていた時代劇の枠が取り除かれ(8)、チャンバラ・ブームが始まる。

○東和商事がロンドン・フィルムと輸入契約を結ぶ。第1作「ジャングル・ブック」公開。配収4000万円をあげる(2)。

○日本初の総天然色映画、松竹「カルメン故郷に帰る」公開(3)。

○東京映画配給、東映映画、大泉映画の3社が合併し「東映」設立(4)。

○松竹創立30周年記念映画「大江戸五人男」が26週のロングランで配収1億2300万円を記録(11)。続いて、大映創立10周年記念映画「源氏物語」を公開(11)。配収1億4105万円の記録を達成。

○対日講和条約調印とともにセントラル映画社(CMPE)の解体が決まり、アメリカのメジャー10社が日本支社を設立(10)。CMPE解体(12.31)。

ベストセラー(1951)

少年期
ものの見方について
源氏物語
武蔵野夫人
新平家物語
人間の歴史
ニッポン日記
私の人生観
風と共に去りぬ
山びこ学校

○書籍用紙の高騰と高い翻訳料などから文庫本の創刊ブームとなる。

○翻訳本が一段落し、新聞小説が書籍として再び発行され人気を集める-「宗方姉妹」大仏次郎、「自由学校」獅子文六、「佐々木小次郎」村上元三など。

○「世界」平和問題特集号が15万部を完売(10)。

○宮本百合子(1.21)、林芙美子(6.2)死去。

×「狭き門」などを残した仏作家アンドレ・ジード死去(2.19)。

話題のマンガ(1951)

○「少女ブック」集英社9月創刊。

○手塚治虫の「アトム大使」が少年に連載開始(4)。

○塩田英二郎の「ミーコちゃん」が読売新聞に連載開始(6)。

○根本進の「クリちゃん」が朝日新聞に連載開始(10)。

○清水崑の「かっぱ川太郎」が小学生朝日に連載開始(11)。

○福井英一の「ドンマイ君」が漫画少年に連載開始。

○山川惣治の「少年ケニヤ」が産経新聞に連載開始。

ファッション(1951)

○カーディガンが流行。

○ショルダーバックに人気。

気象状況(1951)

○東京に5年ぶりの大雪。都内で積雪が30cmとなり、国電などの交通機関が全面的にマヒ(2.14)。

○伊豆大島の三原山が大爆発(3.9)。

○関西以西に豪雨-近畿地方で雷を伴う豪雨。京都では嵐山で山崩れが発生、鴨川で8橋が流失し、死者・行方不明者110人以上、大阪、兵庫でも各1万戸以上が浸水(7.11~12)。福岡、山口、広島にも豪雨(7.12~14)。

○全国で日照りが続き、富山県では66年ぶりの雨なし日34日を記録(7~8)。

○ルース台風が鹿児島県西岸から上陸し九州を横断、防府市から中国地方に被害をもたらし日本海へ抜ける。この台風で山口県玖珂郡広瀬町(現錦町)が「陸の孤島」となり、死傷者1500人を出し、警察予備隊300 人が初の救援出動をする(10.14~15)。

1950年(昭和25年)

経済白書 副題(1950)

安定経済下の日本経済

経済概況(1950)

1948年末から50年初めにかけての世界的景気後退は、6月の朝鮮動乱勃発によって急転回した。日本経済はドッジライン設定による調整、世界経済の景気後退などの深刻な影響を受けていたが、朝鮮動乱とそれを契機とする国際経済の変化が刺激を与えた。動乱によって増大した輸出と特需による外貨収入によって、産業部門は増産体制に転じた。好況は内需にも波及し、鉱工業生産は戦前水準を突破した。

経済成長率 名目 16.9% 実質 11.0%
個人消費支出 名目 6.0% 実質 8.4%
民間設備投資 名目 35.1%  
輸出 名目 116.7%  
消費者物価    -6.9%  

日本の広告費(電通調査)(1950)

○新聞広告費が100億円を突破。

  億円 対前年比(%)
総広告費 167.5 (159.5)
新聞 120 (150.6)
雑誌 7 (140.0)
ラジオ - (-)
テレビ - (-)
DM・屋外他 40.5 (202.5)

政治・経済・業界(1950)

○初の1000円札(聖徳太子)登場(1.7)。

×マッカーシー米共和党上院議員が国務省内に共産党員および同調者がいると発言(2.9)。マッカーシー旋風が始まる。

○「自由党」成立(3.1)。

×ソ連モスクワで中ソ友好同盟相互援助条約を締結(2.14)。

○「国民民主党」結成(4.28)。

○外資導入法が公布・施行(5.10)。外国技術の導入が始まる。

○第2回参議院選挙実施(6.4)。

○住宅金融公庫設立(6.6)。

○レッドパージ吹き荒れる-マッカーサー司令官が吉田首相に書簡で共産党中央委員24人の公職追放を指令(6.6)。共産党機関紙「アカハタ」を無期限発行停止(7.18)。さらにGHQは新聞協会代表に共産党員と同調者の追放を勧告(7.24)。以降、民間から公務員まで大量の追放者がでる。

×朝鮮戦争が勃発(6.25)。

○GHQが日本国内線の開設を許可(6.26)。

○マッカーサー司令官が吉田首相に書簡で警察予備隊と海上保安庁の増強を指令(7.8)。ポツダム政令により警察予備隊令が公布・施行(8.10)。

○「総評」が総同盟、全日労、日教組、国鉄などの参加により結成(7.11)。

○朝鮮戦争勃発以来3カ月間の朝鮮特需348億円と経済安定本部が報告(9.29)。

○政府がGHQの承認を得て、戦犯該当者を除く追放解除を訴えていた1万人

余の追放解除を発表(10.13)。旧軍人3,250人も追放解除となる(11.10)。

○10月の鉱工業生産指数が106.3と戦前の水準を超える(経済安定本部発表)。

○GHQが11月1日より日本船の海外定期航路の開設を許可。

○国会審議で難航中の電力再編成問題はマッカーサー司令官の指示によりポツダム政令で処理され、電気事業再編成令、公益事業令が公布(11.24)、施行(12.5)。

○地方公務員・公立学校教員の政治活動・争議行為などの禁止を定めた地方公務員法公布(12.13)。

○この年、三菱重工業(1)、ほていや(現ユニー)、明星食品(3)、三洋電気、三菱商事(4)、雪印乳業(6)、川崎製鉄(8)、サンスター(11)など設立。

マスコミ・広告・媒体(1950)

○電通が本社にラジオ広告部、PR部を新設(1)。

○朝日新聞と毎日新聞が8年ぶりに中京地区での編集印刷を再開。朝夕刊発行(2.1)。

○関西紙の産業経済新聞(現産経新聞)が東京で印刷開始(3.1)。

○東京放送と電通が各地の広告主に試作盤を聞かせ「ラジオ広告研究会」開催(3.3)。

○関西スポーツ紙のスポーツニッポンが東京で印刷開始(3.6)。

○産業経済新聞が東京、大阪ともに全日4ページ建を実施(4.1)。

○電波法・放送法・電波監理委員会設置法の電波3法が公布(5.2)、施行(6.1)。

○「新宣伝人クラブ」結成(5)。

○日本新聞広告業者協会(現日本広告業協会)が発足(5)。

○放送法により「日本放送協会」発足(6.1)。「放送受信規約」「受信料免除基準」を制定(8.22)。聴取契約者は受信契約者、聴取料は受信料となる。

○新橋駅屋上に、東京新聞社が“電光ニュース板”を設置。新宿駅前にも出現(6)。

○GHQが新聞・通信・放送関係の共産党員と同調者の追放を勧告(7.24)。

○読売新聞、日本経済新聞が右書き見出しを廃止(8.1)。

○「ネオン美術コンクール」開催(8)。

○虚構記者会見記事事件発生-9月25日付けの夕刊朝日新聞と朝日新聞に地下潜入中の共産党幹部伊藤律と朝日新聞記者との会見記を掲載。世間の注目を集めるが、記者の捏造記事であることがわかる。

○各地で博覧会が相次いで開催-アメリカ博、日本貿易博(ともに神戸)、産業文化博(東京)、農業博(福岡)、広告文化博(新潟)(3)、平和博(金沢)、産業博(米子)(4)など。

媒体の発足(1950)

○「電波新聞」電波新聞社5.5発刊。

○「報知新聞」報知新聞社がスポーツ紙として再発足(1)。

○「芸術新潮」新潮社(1)。

○「日本カメラ」日本カメラ社(2)。

○「女学生の友」小学館(4)。

○「男子専科」スタイル社(8)。

媒体普及率(1950)

○ラジオ契約数-8,650,037(NHK契約世帯数)

国内10大ニュース(1950)

○日本共産党幹部の公職追放指令(6.6)

○警察予備隊令の公布・施行(8.10)

○神宮プールで日米対抗水上競技開催(8.4~6)

○金閣寺が放火で全焼(7.2)

○公職追放解除始まる

○第2回参議院選挙実施(6.4)

○ジェーン台風の襲来(9.3~4)

○三鷹事件に判決(8.11)

○第3皇女孝宮和子内親王のご結婚(5.20)

○第1回日本プロ野球選手権大会(日本シリーズ)開催(11)

海外10大ニュース(1950)

×朝鮮動乱勃発(6.25)と国連軍、中共軍の介入

×トルーマン大統領暗殺未遂事件

×米中間選挙で民主党上院の議席減少

×米でマッカシー旋風(赤狩り)始まる(2.9)

×中ソ友好同盟相互援助条約締結(2.14)

×世界平和擁護大会で「ストックホルム・アピール」が採択(3.19)

世相・風俗(1950)

○1月7日に出た1000円札のニセ札が早くも京都に出現(3.14)。

○各種衣料品の統制がほぼ撤廃(4.1)。

○タバコの家庭配給が廃止。「ピース」が60円から50円に値下げ(4)。

○米以外の主食の統制が撤廃、食堂や飲食店で外食券なしでパンやうどんが食べられるようになる(5)。そば屋も復活(6)。味噌・醤油の統制撤廃(7)。

○東京-大阪間に特急「つばめ」「はと」が運転開始(5)。

○朝鮮戦争が勃発(6.25)、小倉・八幡・門司市などに警戒警報が発令され、灯火管制が実施(6.29)。国内は朝鮮特需ブームに沸く。

○巨人の藤本英雄投手が青森球場の対西日本戦で日本プロ野球初のパーフェクトゲームを達成(6.28)。

○金閣寺が放火により全焼(7.2)。

○鉄鋼統制が解除(7)。東京など各都市でビルディングの新築が始まる。

○小田急が新宿-箱根間にロマンスカーの運転を開始(8.1)。

○大阪千日前にアルバイトサロン開業(8.15)。以降、全国に広がる。

○プロ野球第1回日本選手権試合(日本シリーズ)開催-4勝2敗で松竹ロビンズを破り毎日オリオンズが初優勝(11.28)。

○動物園ブーム-高知市立動物園(3.25)、甲子園動物園(西宮市・阪神パーク)(4.25)、小田原動物園(9.30)、浜松市動物園(11.1)などが開園。ゾウのインディラなどを乗せた特製貨車による「移動動物園」が東北・北海道を巡回(4.25~)。上野動物園に戦後初のトラがタイから到着(7.15)。

○女性の平均寿命が初めて60歳を超える-女性61.4歳、男性58歳。

消費者・住民運動・公害(1950)

×スウェーデン・ストックホルムで開催された世界平和擁護大会が、原子力兵器の絶対禁止を要求する「ストックホルム・アピール」を採択(3.19)。12月までに世界中で5億人以上がこのアピールに署名。

時の商品・新製品(1950)

○リコーが低価格の「リコーフレックス」発売。2眼レフブームが起こる(3)。また、日本製カメラの優秀性が世界の注目を浴びるようになる。

○寿屋(現サントリー)が「トリスウイスキー」を発売(4)。

○タイガーがワンタッチで上蓋が開く卓上用魔法瓶(ポット)を発売(4)。

○三洋電機がプラスチック製キャビネットを使ったラジオを発売し、大ヒット(4)。

○ライオン歯磨(現ライオン)が初めて合成繊維を使った、アラミン歯ブラシを発売(5.5)。

○初の暑中見舞用ハガキが発行される(6.15)。絵入りで5種、2円。

○リプトン紅茶が初輸入される(6)。

○コーヒーの輸入が8年ぶりに再開(7.1)。

○森永製菓が「ミルクキャラメル」発売(8.1)。1箱20円。

○日産自動車が「ダットサン・スリフトセダン」を発売(9.1)。革新的スタイルで860cc・21馬力、最高速度は72km/h。

○武田製薬が「パンビタン」発売(12)。総合ビタミン剤普及の始め。

○女性の化粧にアイメーク登場。ただし、まつ毛につや出しクリームを塗ったり目バリを描く程度。

新聞広告(1950)

○中部日本新聞に講談社の見開き2ページ8段広告が掲載(4)。

野田醤油・キッコーマン醤油<いよいよ自由販売!>

浅草松屋<アメリカ優良中古服バザー>

日本橋高島屋<P・X放出物資売出し>

塩野義製薬・サンスター<民間放送誕生記念、ペンギン鳥の歌懸賞募集>

森永乳業・森永ドライミルク<10,800,000人の健康児を育てた>

東京ジュジュ化粧料本舗・マダムジュジュ<25才以下の方はお使いになってはいけません!>

山之内製薬・サンシーゼリー<1姫2太郎3サンシーゼリー>

リーダーズダイジェスト<「空飛ぶ円盤」は実在する>

塩野義製薬・第一製薬・田辺製薬・山之内製薬・輸入パス<結核治療に・待望の輸入パス発売!>

麒麟麦酒<衆議一決!ビールはキリン>

朝日麦酒<ビールといえば吾妻橋>

ノースウェスト航空<米國行旅客機>

日産自動車・ダットサン<日本の小型車>

セーラー万年筆<今アメリカで評判のプラスチック製>

NHK(ラジオ番組)(1950)

○バラエティー番組「愉快な仲間」放送開始(1.3~'52.7.25)。

○「今週の明星」放送開始(1.8~'64.4.2)。

○放送劇「三太物語」放送開始(4.30~'51.10.28)。

○深刻化する朝鮮問題にスポットをあてたニュースドラマ「世界の危機」放送開始(8.3~'51.12.27)。

○関西喜劇番組の先駆となった「気まぐれショーボート」放送開始(9.1)。

○森繁久弥によるディスクジョッキー「ラジオ喫茶店」放送開始(11.11~'65.4.2)。

流行語(1950)

特需景気、金へん・糸へん、レッドパージ、赤色分子、三十八度線、貧乏人は麦を食え、つまみ食い、オー・ミステーク、ディスインテリ、わてホンマによういわんわ、エケチット、とんでもハップン、チラリズム、アルサロ、日曜作家、アメション、曲学阿世の徒、一辺倒、BG(Business girl)、零号、25時

流行歌(1950)

白い花の咲くころ
ダンスパーティーの夜
水色のワルツ
東京キッド
星影の小径
イヨマンテの夜
桑港のチャイナタウン
ベッサメ・ムーチョ
ボタンとリボン
アゲイン
山の彼方に
夜来香
赤い靴のタンゴ
火の鳥

○進駐軍放送(WVTR)からヒット曲が生まれる-ドリス・デイ「アゲイン」、ナット・キング・コール「モナリザ」など。

○“ブギの女王”笠置シヅ子の「買物ブギ」がヒット。ブギブームが終焉をむかえる。

話題の映画(1950)

洋画
自転車泥棒
情婦マノン
三人の妻への手紙
無防備都市
赤い靴
天国への階段
靴みがき
虹を掴む男
密告
女相続人
嵐カ丘

邦画
宗方姉妹
佐々木小次郎
細雪
帰郷
紅蝙蝠
また逢う日まで
暁の脱走
執行猶予
羅生門
醜聞
暴力の街
七色の花
きけわだつみの声

○イギリス映画「赤い靴」が大ヒット(3)-有楽座で32万人の観客を動員。銀座通りの靴屋には赤い靴が並び、赤い靴ブームを巻き起こす。

○「自転車泥棒」「無防備都市」などイタリア映画が話題を集める。

○ウォルト・ディズニー初の長編カラーアニメ「白雪姫」公開(9.26)。

○前年に公開された「ハムレット」がピカデリー劇場で19週のロングラン上映を記録(1.13)。

○入場税が150%から100%に引き下げられる(3.1)。

○「乙女の性典」がヒット(3)。

ベストセラー(1950)

細雪
潜行三千里
風と共に去りぬ
石中先生行状記
帰郷
チャタレイ夫人の恋人
きけわだつみのこえ
少年期
裸者と死者
十五対一

○D・H・ロレンスの「チャタレイ夫人の恋人」がわいせつ文書として発禁処分となり(6.28)、小山書店社長と訳者の伊藤整が起訴される(9.12)。本は発刊から発禁の2カ月間売れに売れる。

話題のマンガ(1950)

○西山辰美の「おトラさん」が主婦の友に連載開始(5)。

○横山泰三の「プーサン」が毎日新聞に連載開始(7)。

○手塚治虫の「ジャングル大帝」が漫画少年に連載開始。

ファッション(1950)

○アコーディオン・プリーツのスカートが流行。

○短めのタイトスカートも流行。

○ネッカチーフが流行。

○映画「赤い靴」がヒットし、赤い靴ブームとなる。

○パステル調、中間色がはやる。

気象状況(1950)

○九州一帯で雨を混えた突風で出漁中の漁船などが遭難(1.9)。

○一部では20mに及ぶ突風が九州から関東を吹き抜け、各地で船の転覆、家屋の倒壊、火災などの被害をおこす(1.10~11)。

○ジェーン台風が、四国の室戸岬をかすめ大阪湾から神戸市付近に上陸し、日本海を通り北海道を横断(9.3~4)。大阪湾は満潮直後のため大阪各地で浸水。被害は京阪神を中心に中国、四国、北陸、北海道にまで及び、死者336人、負傷者10,930人、家屋の全・半壊56,131棟・浸水166,605棟など。

○ギジア台風が大隅半島から九州のほぼ中央を縦断(9.13)。九州全土で家屋の倒壊・浸水、交通・通信の混乱が続出。

1949年(昭和24年)

経済白書 副題(1949)

なし

経済概況(1949)

米国の景気後退を転換点として、世界経済は終戦以来持続してきた復興と景気上昇の基調から転換して、経済活動は停滞ないし縮小の傾向を示し始めた。昭和24年春からのドッジラインの進展によって、戦後数カ年にわたるインフレが収束に向かった。

経済成長率 名目 26.6% 実質 2.2%
個人消費支出 名目 29.9% 実質 10.8%
民間設備投資 名目 36.5%  
輸出 名目 167.0%  
消費者物価    32.0%  

日本の広告費(電通調査)(1949)

  億円 対前年比(%)
総広告費 105 (318.2)
新聞 80 (285.7)
雑誌 5 (250.0)
ラジオ - (-)
テレビ - (-)
DM・屋外他 20 (666.7)

政治・経済・業界(1949)

○GHQが外国人の対日投資を制限付きで認可(1.14)。外資導入が始まる。

×モスクワでソ連と東欧5ヵ国の代表会議が開催され、東欧経済相互援助会議(コメコン)の創設を決定(1.25)。

○衆議院総選挙実施(1.23)。民自党が264議席を獲得し議席の過半数を占める。第3次吉田内閣成立(2.16)。

○GHQのドッジ経済顧問がデフレ政策(均衡予算)の「経済安定政策(ドッジ・ライン)」公表(3.7)。

○東京・大阪・名古屋の3大証券取引所再開(5.16)。続いて、京都・神戸・福岡・広島・新潟の5地方証券取引所も開設(7.2)。

×米・英・仏・加など12ヵ国が集団防衛体制などを定めた「北大西洋条約」に調印(4.4)。北大西洋条約機構(NATO)が発足。

○GHQは日本政府に対して1ドル360円の単一為替レート実施を指示(4.23)、4月25日から実施。

×ベルリン封鎖が328日ぶりに解除(5.12)。

×西ドイツの新憲法「ドイツ連邦共和国基本法」公布。ボンを暫定首都とするドイツ連邦共和国(西独)成立(5.23)。ドイツ民主共和国(東独)も成立(10.7)。

○商工省と貿易庁を発展統合した通商産業省が発足(5.25)。

○公務員の大量整理を図る「行政機関職員定員法」が国会で乱闘騒ぎの末、公布(5.31)。人員整理の中心となる国鉄は第1次人員整理37,000人を発表(7.4)。続いて第2次人員整理63,000人を発表(7.12)。

○公共企業体の「日本国有鉄道」が発足。初代総裁に下山定則。「日本専売公社」も発足(6.1)。

○国民金融公庫発足(6.1)。

○「日本工業規格(JIS)制定(6)。

○初の穴あき硬貨「5円黄銅貨」発行(8)。

○シャウプ税制使節団が「シャウプ使節団日本税制報告書(シャウプ勧告)」を発表(9.15)。

×ソ連政府が1947年以来の原子爆弾所有を初めて正式に認める(9.25)。

×中国共産党の毛沢東首席が首都北京で中華人民共和国成立を宣言(10.1)。

○GHQが自動車の生産販売制限全面解除に関する覚書を発表(10.25)。

×対共産圏輸出統制委員会(ココム)設立(11)。

○完全民間貿易再開のため「外国為替及び外国貿易監理法」公布・施行(12.1)。

×国民党政府が首都を成都から台湾の台北に移転(12.7)。

○東京株式市場暴落(12.14)。“ドッジ不況”深まる。

○この年、デサント(3)、森永乳業(4)、日本ハム(5)、住友金属工業、協和醗酵工業(7)、愛知トマト(現カゴメ)(8)、朝日麦酒、サッポロビール(9)、和江商事(現ワコール)、沖電気(11)、伊藤忠商事、丸紅(12)など設立。

マスコミ・広告・媒体(1949)

○中央・地方有力15紙が18段制を実施(3.1)。

○全国出版協会創立(4.27)。

○マッカーサー司令官の覚書「新聞言論の自由に関する追加措置」によって効力が停止されていた「新聞紙法」「出版法」が正式廃止(5.24)。

○全国の広告代理業が225社に増加(5)。

○郵政省・電気通信省発足(6.1)。

○「鉄道広告祭」が開催される(6)。

○屋外広告物法公布(6)。

○屋外広告研究会発足(7)。

○日本出版販売創立(9.10)。

○日本教科書図書販売創立(9.20)。

○新聞用紙割当の見直しにより、新聞の合併・特約などが相次ぐ。

○朝刊とは別建で非統制紙(仙花紙)を使った夕刊が復活(11~)。

○戦後初のアドバルーンが年賀郵便PRのため銀座と新宿に浮かぶ(11.25)。

媒体の発足(1949)

○大阪で「スポーツニッポン」スポーツニッポン社2.1発刊。

○「ドレスメーキング」鎌倉書房(5)。

○「ビューティブック」婦人画報社(11)。

○「文学界」文芸春秋新社3.7復刊。

○新聞の合併・特約などが相次ぐ-国際タイムスが東京日日に(1.7)、山陽朝報が山陽新聞に(3.1)、大阪時事が大阪新聞に(6.1)合併される。内外タイムスは報知新聞と特約を結ぶ(6.2)。日米新聞は東京タイムズに買収(7.18)など。

○「大阪タイムス」3.29休刊。

○夕刊が復活-「夕刊神戸」神戸新聞社11.3、「夕刊愛媛」愛媛新聞社11.25,「夕刊毎日」(東京)毎日新聞社、「夕刊読売」読売新聞社ともに11.26、「夕刊京都新聞」京都新聞社11.28、「夕刊朝日」(東京、大阪、西部)朝日新聞社12.1など発刊相次ぐ。

媒体普及率(1949)

ラジオ契約数-7,592,625(NHK契約世帯数)

国内10大ニュース(1949)

○全米水上選手権大会で古橋選手の相次ぐ世界新記録(8.16~19)

○湯川博士がノーベル賞を受賞(11.3)

○下山事件(7.6)、三鷹事件(7.15)、松川事件(8.17)

○米プロ野球チームの「サンフランシスコ・シールズ」来日(10.12~11.16)

○1月総選挙(1.23)と第3次吉田内閣の成立(2.16)

○シャウプ税制勧告(9.15)

○法隆寺金堂の炎上(1.26)

○行政機関職員定員法の公布(5.31)と国鉄の人員整理

○1ドル360円の単一為替レート実施(4.25)

○ドッジ・ライン実施

海外10大ニュース(1949)

×ソ連が原爆保有を正式に認める(9.25)

×北大西洋条約機構(NATO)成立(4.4)

×ソ連、東欧5ヵ国が経済相互援助会議(コメコン)設置(1.25)

×ベルリン封鎖解除(5.12)

×ドイツ連邦共和国成立(5.23)、ドイツ民主共和国成立(10.7)

×中華人民共和国成立(10.1)、国民党政府は台北へ移転(12.7)

×アイルランド独立(4.18)

世相・風俗(1949)

○法隆寺金堂の国宝の壁画が漏電により消失(1.26)。

○大都市転入制限が解除される(1)。

○北関東・東北地方で少年少女の人身売買事件が続出(1)。

○東京都が女子学童に増えている頭髪シラミの駆除にDDTの使用を開始(3.8)。

○東京の盛り場に靴磨き少年や花売り娘が激増(3)。

○東京消防庁が火災報知専用電話「119番」を設置(3)。

○国鉄の団体割引が復活、観光旅行宣伝の増加などから団体旅行が増加。大半が戦災を避けた京都・奈良方面(3)。

○野菜の需給関係が安定し、野菜類の統制が撤廃。4年ぶりに自由販売となる(4.1)。

○新制大学スタート(4)。「駅弁大学」「蛸足大学」と呼ばれる。

×国際オリンピック委員会(IOC)が日本とドイツのオリンピック復帰を承認(4.29)。

○酒類が自由販売となり飲食店が正式に営業を再開(5)。各地にビヤホールも復活(6)。

○謎の事件相次ぐ-国鉄の下山総裁が足立区の常磐線の線路上でれき死体で発見「下山事件」(7.6)、中央線三鷹駅車庫内で無人電車が突然暴走、付近の民家に突入「三鷹事件」(7.15)、東北本線金谷川-松川間のカーブで、青森発上野行の旅客列車が脱線転覆「松川事件」(8.17)。

×米・ロサンゼルスの全米水上選手権大会に出場した古橋広之進選手が1500m、400m、800mと世界新記録を樹立。「フジヤマのトビウオ」と呼ばれる(8.16~19)。

○米プロ野球3Aチーム「サンフランシスコ・シールズ」来日。日本チームは7戦全敗(10.12~11.6)。

○湯川秀樹博士が中間子論で日本人初のノーベル賞を受賞(11.3)。

○毎日、近鉄の加盟をめぐりプロ野球がセントラル・リーグと太平洋野球連盟の2リーグに分裂(11.26)。

○この年紙芝居が最盛期を迎える。

消費者・住民運動・公害(1949)

○東京都が自治体初の工場公害防止条例を制定(8)。

時の商品・新製品(1949)

○エーザイが避妊薬「サンプーン」を発売(4.29)。

○東洋レーヨン(現東レ)がオールナイロン短靴下を発売(8)。

○真珠の国内販売、10年ぶりに許可(11.28)。ネックレス1本最低1万円、上物は10万円。

○明治製菓が水あめの統制撤廃で、自由販売の明治キャラメルの製造開始。1箱25円(11)。

○初の「お年玉付き年賀はがき」1億8000万枚発売(12.1)。景品は、特等がミシン(当時2万3000円)、1等純毛服地、2等学童用グローブなど。

○民生産業(現日産ディーゼル工業)が日本初のリヤエンジンバスを完成(12)。

○アメリカから「バヤリース・オレンジジュース」が初輸入。

○蛍光灯など照明器具が市販される。

×アメリカRCAビクターが45回転のレコード(ドーナツ盤)とその専用プレーヤーを発表(1.10)。

新聞広告(1949)

○大阪朝日新聞が香料入り赤刷り広告を掲載(1)。続いて、紅、緑、黄色の三色刷り広告を掲載(2)。

○中京新聞がアブリ出しインクによるアブリ出し広告を掲載(7.28)。

ハリス・ハリスチュウインガム・ハリスチョコレート<科学された菓子>

森永製菓・森永ミルクキャラメル<ほんとうのキャラメルを自由に買える時代がもうすぐやって来ます!>

カゴメ・ケチャップ・ビタミンソース<昔から 此の味覚が自慢!>

サンプーン錠<新しい家庭薬が一つ>

塩野義製薬・プレホルモン<夫婦愛の支配者>

ハリス・アスミン<美容-眞の健康美は蛔虫を駆除しなければ得られません>

資生堂・資生堂石鹸<輸出向けに指定されたおなじみの資生堂石鹸が家庭配給になります>

オペラ口紅<輸出しました、良い品質は貴方をより美しくします>

ピアス<アメリカ帰りの美容師は奨める>

日本橋白木屋<衣料品雑貨掘出し市 切符不要>

仁丹・仁丹歯磨<十円で買える……>

大虚堂書房・りべらる<男女心理の起伏を教える青春地理書>

大日本機械工業・光自転車<10月3日より切符制 お好きな自転車が自由に買えます>

NHK(ラジオ番組)(1949)

○クイズ番組「私は誰でしょう」放送開始(1.2~'69.3.23)。

○「とんち教室」放送開始(1.3~'68.3.28)。

○「ラジオ寄席」放送開始(4.3~'64.4.5)。

○「朝の訪問」放送開始(4.4~'64.4.5)。

○「陽気な喫茶店」放送開始(4.5~'54.11.2)。内海突破の「ギョッ」「ギョギョのギョ!」などが流行語となる。

○「なつかしのメロディー」放送開始(6.12~'60.4.2)。

○多元リレーの「今週のニュース特集」放送開始(7.2~'56.11.3)。

○「歌のおばさん」放送開始(8.1~'64.4.4)。

○戦後初めての海外中継-アメリカ・ロサンゼルスから「全米水上選手権大会」を中継(8.18~20)。

○「光を掲げた人々」放送開始(9.11~'55.3.27)。

○公開番組「上方演芸会」放送開始(9.14)。

○連続放送劇「えり子と共に」放送開始(10.5~'52.4.3)。

○ドキュメンタリー番組「今日の歩み」放送開始(10.30~'50.8.27)。

流行語(1949)

竹馬経済、ディスインフレ、ドッジライン、自転車操業、ニコヨン、トイチ、ワンマン、二当一落、三バン(地盤、看板、カバン)、駅弁大学、アクチーブ、吊るし上げ、ヒロポン、光クラブ、厳粛なる事実、ギョッ、てんやわんや、アジャパー、さかさクラゲ、フジヤマのトビウオ、暁に祈る

流行歌(1949)

銀座カンカン娘
悲しき口笛
青い山脈
長崎の鐘
バラを召しませ
トンコ節
月よりの使者
ハバロフスク小唄
夏の思い出
三味線ブギウギ

○映画の主題歌のヒットが相次ぐ-「悲しき口笛」「青い山脈」「月よりの使者」「銀座カンカン娘」など。

○スイング・ジャーナル主催による第1回スイングコンサートが読売ホールで開催される(7)。

○関西自立楽団協議会の主唱により、「関西労音」が結成される(11)。

○ブギブーム続く-「三味線ブギウギ」「河童ブギウギ」など。

話題の映画(1949)

洋画
戦火のかなた
大いなる幻影
ママの想い出
ハムレット
裸の町
平和に生きる
恐るべき親達
黄金
仔鹿物語
犯罪河岸

邦画
晩春
青い山脈
野良犬
破れ太鼓
忘れられた子等
お嬢さん乾杯
女の一生
静かなる決闘
森の石松
小原庄助さん

○地方の下番館で日本映画の二本立興行が始まる(4)。

○映画倫理規定委員会設立(6.14)。対象は邦画のみ。これによりGHQ民間情報局の審査・検閲も映倫に移管されることとなった。

○大映の「母紅梅」「母三人」「母恋星」など母ものがヒット。'56年までドル箱シリーズとして30本製作される。

○映画館の入場料金の統制撤廃(8)。

○少女歌手美空ひばりの初レコード曲「悲しき口笛」を映画化(10)。美空ひばりも出演し大ヒット。

ベストセラー(1949)

この子を残して
共産主義批判の常識
風と共に去りぬ
細雪
宮本武蔵
哲学ノート
石中先生行状記
長崎の鐘
平和の発見
親鸞
哲学入門

○20年ぶりの“円本合戦”-河出書房が1ページ当たり53銭の「現代日本小説大系」を出版(5)。続いて春陽堂が1ページ35銭の「現代大衆小説全集」、日比谷出版が1ページ31銭6厘の「大衆小説集」、矢貴書店が1ページ28銭8厘の「新大衆小説」を相次いで出版。

○第二次世界大戦の戦没学生の遺稿集「きけわだつみのこえ」が東大協同組合出版部から出版(10.20)。

○永井隆博士の随筆「この子を残して」「ロザリオの鎖」「長崎の鐘」「生命の河」が読者の感動を呼ぶ。

×イギリスでジョージ・オーウェルの未来小説「1984年」が出版(6.8)。以降、世界各国で翻訳され1500万部の大ベストセラーとなる。

話題のマンガ(1949)

○「少年少女冒険王」「漫画王」秋田書店1月創刊。

○「少女」光文社2.1創刊(~'63.3)。

○「おもしろブック(のちの少年ブック)」集英社9.7創刊。

○「ブロンディ」朝日新聞にも連載開始(1~'51.4)。

○倉金章介の「あんみつ姫」が少女に連載開始(5)。

○秋好馨の「轟先生」が読売新聞に連載開始(11)。

○横山隆一の「デンスケ」が毎日新聞に連載開始(12)。

○「サザエさん」夕刊フクニチから朝日新聞に移る(12~'74.2)。

○沢井一三郎の「てるてる日記」が漫画少年に連載開始。

ファッション(1949)

○ロングスカートの流行続く。

○ショートカットのヘアスタイルが流行。

○洋裁学校の設立続出。

気象状況(1949)

○1月から2月にかけて全国的な暖冬となる。

○デラ台風が九州を縦断。九州・四国を中心に西日本で被害が相次ぎ、瀬戸内海では青葉丸が沈没し死者・行方不明137人をだす(6.20~23)。

○ジュディス台風が志布志湾から九州に上陸。佐賀県を中心に九州・四国で死者154人、床上・床下浸水101,994棟などの被害をだす(8.15~19)。

○キティ台風が神奈川県に上陸し東京を直撃。被害は関東を中心に死者・行方不明160人、床上・床下浸水144,060棟など(8.31~9.1)。

○今市市付近を中心としたマグニチュード6.4の「今市地震」発生(12.26)。死者10人、家屋の全・半壊3,184棟の他、日光東照宮にも被害を及ぼす。

1948年(昭和23年)

経済白書 副題(1948)

回顧と展望

経済概況(1948)

米ソの緊張の増大によって、米国の対日政策の転換はいっそうテンポを早めた。経済自立の促進を目的として、対日経済援助政策が積極化した。鉱工業生産が年間を通じて約5割上昇し、戦前の約60%まで回復をみせた。インフレ阻止のために金利や賃金などさまざまな政策がとられた。

経済成長率 名目 103.7% 実質 13.0%
個人消費支出 名目 90.3% 実質 13.2%
民間設備投資 名目 123.8%  
輸出 名目 192.8%  
消費者物価    82.7%  

日本の広告費(電通調査)(1948)

   億円 対前年比(%)
総広告費 33 (226.0)
新聞 28 (254.5)
雑誌 2 (125.0)
ラジオ - (-)
テレビ - (-)
DM・屋外他 3 (155.0)

政治・経済・業界(1948)

דインド独立の父”マハトマ・ガンジー暗殺(1.30)。

○追加予算をめぐり政府と社会党左派が対立、衆院予算委員会で政府追加予算案否決(2.5)、片山内閣総辞職(2.10)。民主・社会・国協3党連立の芦田内閣成立(3.10)。

○食糧配給公団発足(2)。

○新警察制度が発足(3.7)。

○自由党と民主クラブが合流し民主自由党結成。吉田茂を総裁とし、衆院第1党となる(3.15)。

×国連世界保健機関(WHO)発足(4.7)。

○経営者団体連合会が日本経営者団体連盟(日経連)に改称(4.12)。

×戦後初のオリンピックがロンドンで開催(7.29~8.14)。日本は参加できず。

○政令201号公布。国家・地方公務員の団体交渉権・スト権を否認(7.31)。

×アメリカ下院の非米活動委員会が共産主義者のスパイ活動に関する中間報告を発表(8.28)。反共ムードに拍車がかる。

○物価庁が食料品・日用品など111種・13,000品目の公定価格を廃止(10.7)。

○昭和電工疑獄にからみ芦田内閣が崩壊(10.7)。第2次吉田内閣成立(10.15)。

○昭和電工疑獄-昭和電工社長日野原節三が贈賄容疑で留置(6.23)。「復興金融金庫」から融資を受けるため商工省、大蔵省、GHQ、興銀、政府関係者などに贈賄を工作。大蔵省主計局長福田赳夫、民主自由党顧問大野伴睦、前蔵相栗栖赳夫、前副総理西尾末広などの他、12月7日には前首相となった芦田均も逮捕。

○GHQが企業合理化3原則を発表。赤字融資・物価に影響する賃金引き上げ、価格差補給金を禁止(11.11)。

○極東国際軍事裁判(東京裁判)で判決。被告の25人全員が有罪。うち、東条秀機、広田弘毅など7人が絞首刑の判決(11.12)。

○国家公務員法改正公布(11.30)。

○GHQが経済安定9原則発表(12.18)。

×国連の第3回総会で「世界人権宣言」が採択される(12.10)。

×ドイツを中心として東西の対立が深まる-西ドイツに関して米・英・仏・ベネルクス3国による第1回6ヵ国会議開催。欧州復興計画推進のため西独の西側陣営組み入れを決議(2.23~3.6)。トルーマン米大統領が「48年経済協力法(欧州復興計画)」に署名(4.3)。欧州復興計画の受入れ機関として西欧16ヵ国とドイツの西側占領地区がパリで「欧州経済協力機構(OEEC)」結成(4.16)。第2回6ヵ国会議開催、ルール地方の西側監理、西独の憲法作成を決定(4.20~6.1)。米・英・仏により西独のみの通貨改革案が発表(6.18)、実施(6.20)。ソ連は西ベルリンへの交通を全面遮断(6.24)。西ベルリンへの大空輸開始(6.26)。ベルリンの東側デモ隊によりベルリン市議会が東西分裂(9.6)。また、朝鮮半島では大韓民国(初代大統領李承晩)成立(8.15)。朝鮮民主主義人民共和国(初代首相金日成)も成立(9.9)。

マスコミ・広告・媒体(1948)

○朝日・毎日・読売など主要紙が従来の1面16段制から17段制に移行(1.1)。

○鉄道広告協議会結成(1)。

○東京都が広告税監査制を実施(2)。

○広告の地方税法案撤回(6)。

○GHQは東京・大阪などの新聞・通信社の事前検閲を廃止、事後検閲となる(7.15)。10月24日に新聞検閲廃止。

○新聞用紙の供給がやや安定し、主要紙は週1回4ページ建てとなる(8.1)。

○取引高税が実施され、広告料金にも適用される(9)。

○第1回全国新聞週間開催(10.1~8)。

○用紙割当委員会が各社への用紙割当ての配分見直しを購読部数に従って実施(11.1)。

○夏から秋の読書週間にかけて、大衆婦人誌から文芸誌までが割当て用紙外の仙花紙やザラ紙を使い、別冊付録や増ページが相次ぐ。

媒体の発足(1948)

○「デイリースポーツ」デイリースポーツ社(8)。

○「毎日グラフ」毎日新聞社(7)。

○「暮らしの手帖」暮らしの手帖社(9)。

媒体普及率(1948)

○ラジオ契約数-6,443,206(NHK契約世帯数)

国内10大ニュース(1948)

○帝銀毒殺事件(1.26)

○東京裁判に判決(11.12)

○古橋選手の水泳世界記録ラッシュ

○昭和電工事件

○福井地震(6.28)

○10月政変-芦田内閣の総辞職(10.7)、第2次吉田内閣の成立(10.15)

○労働基本権のうち団体交渉権、罷業権などを禁止した国家公務員法改正が公布(11.30)

○礼文島の金環食観測(5.9)

○2月政変-片山内閣の総辞職(2.10)、芦田内閣の成立(3.10)

○アイオン台風により関東以北が大被害

海外10大ニュース(1948)

×ソ連の西ベルリン封鎖(6.24)

×ガンジー暗殺(1.30)

×イスラエル共和国の独立宣言(5.14)

×戦後初のオリンピック、第14回ロンドン大会が58ヵ国5000人の参加で開催(7.29~8.14)

×大韓民国成立(8.15)、朝鮮民主主義人民共和国成立(9.9)

×第3回国連総会で「世界人権宣言」が採択(12.10)

×ビルマ民主共和国独立(1.4)

×セイロン独立(2.4)

世相・風俗(1948)

○帝銀事件発生(1.26)。

○沢田美樹が神奈川県大磯に混血児救済施設「エリザベス・サンダース・ホム」を開設(2.1)。

○夏時刻(サマータイム)法公布(4.28)。5月第1土曜から9月第2土曜まで時刻を1時間進める。思ったほど効果があがらず、睡眠不足など悪評で'52年に廃止となる。

○ソ連からの引揚げ第1船「千歳丸」が函館に着港(5.5)。

○両国・隅田川の川開きが11年ぶりに復活(5.28)。

○国民の祝日に関する法律が公布され、元旦、成人の日、春分の日、天皇誕生日、憲法記念日、子供の日、秋分の日、文化の日、勤労感謝の日が国民の新しい祝日となる(7.20)。

○横浜で初のプロ野球ナイター「巨人・中日戦」開催(8.17)。

○日本脳炎が13年ぶりに各地で猛威をふるう(8)。

○“平和日本のたくましい前進”をテーマに「復興大博覧会」が毎日新聞社の主催により大阪の夕日ケ丘で開催(9.18~11.17)。日本初公開の有線放送によるテレビ受像機が人気を集める。

○上野動物園にお猿の電車が登場(9.23)。

○警視庁に犯罪専用電話「110番」が誕生(10.1)。

○史上初の江戸っ子横綱「東富士(第40代横綱)」が誕生(10.29)。

○政府が戦後2度目の主食増配を決定-主食を1日2合5勺から2合7勺に増配。味噌、醤油、食用油も増配(11.1)。

○GHQが日本の実業家・文化人の海外渡航を許可(11.4)。

○年賀郵便の特別扱いが復活(12.1)。

○大阪道頓堀の中座で「松竹新喜劇」が旗揚げ(12)。

消費者・住民運動・公害(1948)

○物価改定(値上げ)を契機に「大阪主婦の会」がヤミ牛肉の不買同盟を結成。この運動に刺激されて東京でも奥むめおをリーダーとして「不良マッチを持ちよる会」を開催(9.3)。この大会の成功から「主婦連合会(主婦連)」が結成される(9.15)。

時の商品・新製品(1948)

○日本勧業銀行(現第一勧銀)が特賞に住宅が当たる「住宅定期預金」を開始(3.1)。

○避妊薬7品目の発売が許可(4.30)。

○日本光学(現ニコン)が「ニコンI型カメラ」を発売(4)。

○ソースの流行でソースメーカーが全国で2100工場に激増(6)。

○日絆薬品(現ニチバン)がセロハン粘着テープを新発売(6)。セロテープという言葉が広がる。

○たばこ値上げ法案が成立し、「いこい」「ハッピー」などが新発売(7.2)。

○リッカーミシンが月掛け予約・月賦販売を開始(8)。

○マッチが8年ぶりに自由販売となる(9.16)。

○天然ゴム製のバスト・パッド登場(12)。商品名「ソフト・ブレスト」、通称“甘食パン”とよばれる。1個250円。

×ニューヨークで米コロンビアレコードが開発した331/3回転のLPレコードが初公開される(6.21)。

×米ベル研究所のショックレー、バルディーン、ブラティンがトランジスタを発表(6.30)。

×ポラロイドカメラがアメリカで発売される(11.6)。

新聞広告(1948)

○戦後初の色刷り広告-中部日本新聞が赤刷り広告を掲載(9.2)。

○避妊薬の販売が許可され避妊薬の広告が増加。

浅草松屋<生活安定と物価展>

三菱銀行<第一封鎖が解除されました>

千代田生命<アメリカの水準をいく理想の保険>

塩野義製薬・ヤトコニン<サンマータイムと……><さようならサンマータイム>

藤澤薬品工業・コンムニン<日本にもこんな良い薬がある!>

三菱化成・化成殺虫剤12号<D.D.T.と比べて下さい>

明治製菓・ペニシリン明治<品質更に向上の新記録>

大日本ビタミン製薬・エビオス<ビール工場の一角で生まれたペニシリン><アメリカの菌でアメリカ式の生産>

塩野義製薬・アドルム<平和の眠り>

松下電器産業・パーソナルラジオ<アンテナ・アース無しで聴ける>

中山太陽堂・クラブ乳液<新しき女性のためのクラブ乳液>

資生堂・香水<輸出用高級香水の放出!>

三越劇場<三越ファッション・ショウ>

大蔵省<天罰てき面>

日本出版協会・日本自由出版協会<文化を阻害する廣告税に反対>

大阪銀行<十月一日から住友銀行は大阪銀行となりました>

NHK(ラジオ番組)(1948)

○「インフォメーション・アワー」放送開始(1.5)。

○「アメリカ便り」放送開始(2.14~'52.11.11)。

○「声くらべ腕くらべ子供音楽会」放送開始(4.25~'71.3.14)。

○DJ形式の生活情報番組「メロディーにのせて」放送開始(9.13)。

○極東国際軍事裁判の判決を市ケ谷法廷から実況中継(11.12)。

流行語(1948)

サンマータイム(サマータイム)、斜陽族、鉄のカーテン、ノルマ、個人として、ニュールック、ロマンスシート、男娼、主婦連、こんな女に誰がした、老いらくの恋、赤い羽根、冷たい戦争

流行歌(1948)

湯の町エレジー
憧れのハワイ航路
異国の丘
東京ブギウギ
君待てども
星の流れに
フランチェスカの鐘
長崎のザボン売り
みかんの花咲く丘

○美空ひばりがデビュー-横浜国際劇場に前座歌手として登場(5.1)。10月伴淳三郎のラジオ番組に出演し、このとき初めて芸名を美空ひばりとする。

○NHKラジオの「のど自慢素人演芸会」でシベリアからの復員兵が「異国の丘」を歌い、世間に知られヒットのきっかけとなる(8)。

○ブギブーム-「東京ブギウギ」に続き「ヘイヘイブギ」「ジャングルブギ」がヒット、服部・笠置のコンビでセンセーショナルを巻き起こす。

○“古賀メロディー”の代表作「湯の町エレジー」が40万枚以上の売れ行き。

○毎日新聞に掲載された“闇の女”の投書から作られた「星の流れに」が発表から1年ぶりに大流行となる。

○川田孝子が歌う童謡「みかんの花咲く丘」がヒット。

話題の映画(1948)

洋画
ヘンリー五世
我等の生涯の最良の年
逢びき
海の牙
旅路の果て
美女と野獣
悪魔が夜来る
失われた週末
オヴァランダース
悲恋

邦画
酔いどれ天使
手をつなぐ子等
夜の女たち
蜂の巣の子供たち
わが生涯の輝ける日
破戒
風の中の牝鶏
王将
生きている画像
第二の人生

○フランス映画輸出組合によりフランス映画第1作「美女と野獣」が公開されヒット(1)。以降、「悲恋」「旅路の果て」「海の牙」などが公開され、フランス映画がブームとなる。

○戦後初めてのテクニカラー漫画映画「ガリヴァー旅行記」公開。

○「我等の生涯の最良の年」がスバル座で17週のロングラン記録を作る(6)。

○オリンピックの金メダリスト=ジョニー・ワイズミューラー主演の「ターザンの黄金」が大ヒット。

○ソ連のカラー映画「シベリヤ物語」が大ヒットとなる(11)。

ベストセラー(1948)

斜陽
愛情は降る星のごとく
凱旋門
新書太閤記
罪と罰
女の一生
親鷲
若きヴェルテルの悩み
夏目漱石全集
復活
生きゆく道
この子を残して
望みなきに非ず

○GHQ民間情報教育局が初めて翻訳出版を許可(5)。「滞日10年」「エーブ・リンカーンの生い立ち」「民主主義の新冒険」など100冊が順次出版。

○朝日新聞に連載予定の「グッドバイ」を執筆中の太宰治が愛人の山崎富栄と玉川上水で入水自殺(6.13~14)。太宰の誕生日の6月19日に遺体発見。

話題のマンガ(1948)

○「おもしろブック」集英社1月創刊。

○「冒険活劇文庫(のちの少年画報)」明々社8.1創刊。永松健夫の「黄金バット」掲載。

○小松崎茂の「地球SOS」が冒険活劇文庫に掲載される。

○手塚治虫の「前世紀-ロストワールド」が出版される(12)。

○原一司の「カンラカラ兵衛」が漫画少年に連載開始。

ファッション(1948)

○ニュールック旋風-クリスチャン・ディオールが'47年秋にロングスカートを発表。この年の後半から日本でもロングスカートや肩のパッドの入ったボレロ風上着、オイルシルクのレインコートが流行。

○電気パーマ(電髪)も流行。

○若い男性にリーゼントスタイルが人気となる。

○夏にアロハシャツが流行。

○学生からサラリーマンまで背広の三つ揃いがブームとなる。

○銀座のキャバレー「美松」で日本人による戦後初のファッションショーが開かれる(4.5)。

気象状況(1948)

○礼文島でほぼ皆既に近い金環食を観測(5.9)。

○マグニタュード7.1の「福井地震」が発生(6.28)。被害は福井平野とその付近に限られたが、死者3,769人、家屋の倒壊36,184棟、半壊11,816棟などの被害となる。また、南北に延長約25kmの断層ができる。

○九州北部で大雨(9.11~12)。死者121人、行方不明126人、家屋の全・半壊1,263棟、家屋の浸水2,290棟など。

○アイオン台風が房総半島南端をかすめ東北地方沿岸を北上(9.15~17)。関東以北、特に岩手県を中心に、死者512人、行方不明326人、家屋の流出および全・半壊18,017棟、床上・床下浸水120,035棟などの被害を残す。

1947年(昭和22年)

経済白書 副題(1947)

なし

経済概況(1947)

米ソの対立を背景に、対日管理政策が経済復興のための援助の導入へと急旋回した。依然としてインフレの高進はやまなかった。そのため生産も停滞傾向を示した。

経済成長率 名目 176.1% 実質 8.4%
個人消費支出 名目 174.7% 実質 8.6%
民間設備投資 名目 154.0% 名目 154.0%
輸出 名目 477.1%  
消費者物価 125.3%  

日本の広告費(電通調査)(1947)

  億円 対前年比(%)
総広告費 14.6 (-)
新聞 11.0 (-)
雑誌 1.6 (-)
ラジオ - (-)
テレビ - (-)
DM・屋外他 2.0 (-)

政治・経済・業界(1947)

○吉田首相が年頭の辞で労働運動指導者を「不逞の輩」と非難、問題化

(1.1)。全官公庁労組共闘委員会(260万人)が2月1日午前0時から無期限スト実施決定(1.9)。マッカーサー司令官が2.1ゼネストの中止を命令(1.31)。

○政府が全額出資の復興金融金庫が開業(1.25)。

×国連は欧州戦災諸国の経済復興援助の「欧州経済復興委員会」設置(3.3)、アジア・極東の戦災地域復興援助の「アジア経済復興委員会」設置(3.18)。

×トルーマン米大統領が第2次世界大戦での米ソ協力関係を破棄し、反ソ・反共の冷戦政策「トルーマン・ドクトリン」を発表(3.12)。

○証券取引法公布(3.27)。

○第92議会解散、貴族院停会。帝国議会に幕(3.31)。

○改正選挙法公布、教育基本法・学校教育法公布(3.31)。

○6・3制の義務教育始まる(4.1)。

○労働基準法公布(4.7)、施行(9.1)。

○独占禁止法公布(4.14)、施行(7.20)。公正取引委員会が発足(7.1)。

○第1回参議院選挙実施(4.20)。社会党が47議席獲得し第1党に。続く衆議院総選挙(4.25)でも社会党が143議席獲得し第1党に。片山哲社会党委員長が首相指名(5.23)。社会・民主・国民協同3党の連立内閣誕生(6.1)。

○日本国憲法施行(5.3)。

○経営者団体連合会(現・日経連)設立(5.19)。

×マーシャル米国務長官が欧州復興計画(マーシャル・プラン)を発表(6.5)。

○日本教職員組合(日教組)結成(6.8)。

○GHQが8月15日から対日経済封鎖の一部を解除し民間貿易の再開を許可すると発表(6.10)。

×アメリカ議会で労働組合活動の制限する「タフト・ハートレー法」が成立(6.23)、施行(8.22)。

○GHQが三井物産、三菱商事に解体指令を出す(7.3)。

○政府が第1次経済実相報告書(初の経済白書)を発表(7.4)。

×パキスタンを分離してインド共和国が成立(8.15)。

○労働省発足(9.1)。

×アメリカで国防総省と中央情報局(CIA)発足(9.18)。

○臨時国勢調査実施(10.1)。総人口7810万1473人。

×ジュネーブの国際貿易会議で参加23ヵ国が関税・貿易に関する一般協定(GATT)調印(10.30)。

×国連総会がパレスチナ分割案採択(11.29)。

○過度経済力集中排除法公布(12.18)。独占企業の排除を目指す。

○改正民法・改正戸籍法公布(12.22)。家制度の廃止。

○内務省廃止(12.31)。

×ドイツ・オーストリア講和条約に関する米・英・仏・ソの4ヵ国外相会議がドイツ復興をめぐり米ソ間で対立、会議は決裂(11.25~12.15)。米ソ間の対立が深まるとともに、ドイツの東西分裂が始まる。

○この年、積水化学工業、阪急百貨店(3)、アキレス、第一製パン、パイオニア(5)、ハウス食品工業(6)、ゼネラル石油(7)、樫山商事(現オンワード樫山)、佐々木営業部(現レナウン)(9)、任天堂(12)など設立。

マスコミ・広告・媒体(1947)

○対日理事会が民放不許可の方針を決定(1.8)。GHQが政策を転換し、NHKの公共事業体化、民間放送の開設等を指示(10.6)。

○日本広告会が発足(2)。

○日本宣伝クラブが発足(2)。

○関西広告協会が発足(2)。

○学童教科書用紙が不足のため新聞用紙が転用されることとなり、日本新聞協会所属の116社は週2回(日・月)タブロイド版の発行となる(3~5)。

○電通上田社長が公職追放令に該当し辞任。第4代目社長に吉田秀雄常務が就任(6)。

○東京屋外広告協会が設立(7)。

○日本広告会主催の第1回「ニッポン・ルネッサンス広告展」を日本橋三越で開催(9)。

○屋外広告物に地方税が課税される(11)。

○証券の民主化運動で証券の広告増加。

媒体の発足(1947)

○「アサヒ芸能」アサヒ芸術新聞社(のち徳間書店)(1)。

○「婦人生活」婦人生活社(5)。

○「小説新潮」新潮社(9)。

○「婦人世界」ロマンス社(9)。

媒体普及率(1947)

○ラジオ契約数-5,705,468(NHK契約世帯数)

国内10大ニュース(1947)

○臨時石炭鉱業監理法成立(12.20)

○カスリン台風により関東・東北で大水害(9.14~15)

○全官公労総罷業中止(2.1スト中止)

○民間貿易再開(8)

○新憲法施行(5.3)

○新憲法施行に合わせて4月に参議院選挙(4.20)、衆議院選挙(4.25)、地方首長選挙(4.5)など各種選挙が実施される

○社会党委員長片山哲内閣成立(6.1)

○古橋選手が国内水泳大会の400m自由形で世界記録を樹立(8.9)

○隠退蔵物資の世耕情報事件

○新学制の6・3制実施(4.1)

海外10大ニュース(1947)

×米ソ冷戦とトルーマン・ドクトリン

×欧州復興計画(マーシャル・プラン)発表(6.5)

×ソ連、東欧6ヵ国などがアメリカに対抗しコミンフォルム(共産党・労働者党情報局)を結成(9.22)

×ジュネーブで関税・貿易に関する一般協定(ガット)調印(10.30)

×国連総会がパレスチナ分割案採択(11.29)

×パキスタン・インド独立(8)

世相・風俗(1947)

○食糧難依然続く-食糧の遅配が北海道50日・東京28日を突破し、全国の平均遅配20日に及ぶ(5~6)。GHQは京浜、名古屋、京阪神など大消費地に対し凍結米、輸入食糧など計2万トンの緊急特別放出を許可(8.9)。小学校でララ(アジア救済連盟)物資による副食のみの給食開始。主食は各自持参だが、手ぶらの児童が多数(1.20)。飲食営業緊急措置令公布実施。外食券食堂、旅館、喫茶店を除き、全国の飲料店の営業が停止。実際は裏口営業で繁盛(7.1)。パンの切符配給制実施(9.1)。東京地裁の判事がヤミを拒否し配給食糧だけで生活し餓死(10.11)。東京中央郵便局などで食糧難のため欠勤者相次ぐ。登校時をねらい児童から弁当を奪う少年激増(10)。この年、生活苦から子供たちの家出増加。

○八高線の高麗川駅付近で満員の買い出し列車が転覆、死者174人、負傷者約800人(2.25)。

○衣料切符制度復活(10.1)。

○インフレ激化-復興金融金庫の融資の大部分が赤字融資となり、“復金インフレ”となる。鉄道乗車運賃、電気、郵便などの公共料金も年に2~3回、倍々の値上げとなる。東京の闇米は1月1升60円→12月180円に。

○東京都が35区制を整理統合し22区に(3.15)。8月1日に練馬区が新設され、23区制がスタート。

○隣組廃止(4.1)。

○日大の古橋広之進が全日本選手権水上競技大会400m自由形で世界新記録を樹立(8.9)。以降、2年間で23回の世界新記録を樹立。

○婦人子供専用車が中央線と京浜線に登場(5)。

○喫茶店が復活(6)。

○新宿の帝都座でストリップの元祖“額縁ショー”「名画アルバム」始まる(1.15)。

○新宿の軽演劇ホール「ムーラン・ルージュ」再開(4.8)。

○接収されていた甲子園球場が使用許可となる(1.22)。第19回春の甲子園大会が甲子園球場で復活(3.30)。優勝徳島商業。

×アメリカ陸軍省が第3次世界大戦に備えて産業動員計画を発表(7.6)。

消費者・住民運動・公害(1947)

○東京で住宅獲得同盟結成。皇居前広場で住宅獲得国民大会開催(8.5)。

○皇居前広場で食糧確保全国大会開催(8.12)。

時の商品・新製品(1947)

○ロッテがガムの製造開始(4)。甘味料としてサッカリンを使用。甘味に飢えていたせいで飛ぶような売れ行き。

○GHQが小型乗用車(1500cc以下)の年間300台生産とトヨタ自動車のストック部品による普通乗用車50台組立てを許可(6.3)。戦後初の乗用車生産。

○三菱重工業、スクーター「シルバーピジョン」の製作を開始(7)。

○トヨタ自動車が「トヨペットSA型」乗用車の生産を開始(10)。

○日産重工業(現日産自動車)が4人乗り700cc「ダットサン・スタンダード・セダン」16万円を発売(11.27)。

○森永製菓がGHQ放出のココアを原料に「ココアキャラメル」を生産(12)。

○明治製菓が塩辛、代用醤油、固形サイダー発売。

新聞広告(1947)

資生堂・資生堂歯磨<遅欠配は完全な咀シャクで>

松屋<衣料品登録日>

オゾ本舗・オゾ<喰はれる前はDDT 喰はれてからはオゾが一番!>

森永薬品・ペニシリン<世紀の驚異><世界的水準を往く 日本のペニシリンの先駆!>

ロッテ・ロッテフウセンガム<愈々発売>

有楽町スバル座<アメリカを観る場所……>

NHK(ラジオ番組)(1947)

○隣組の廃止により、食糧・家庭用配給品の入荷量、配給地区などの情報を伝えたローカル番組「配給だより」放送開始(3.1)。

○「街頭録音」“青少年の不良化をどうして防ぐか-ガード下の娘たち”で娼婦にインタビュー(4.22)、“経済緊急対策について”では片山首相が回答者として銀座の街頭に立ち4000人の市民が道路を埋めつくし交通マヒが起こる(6.24)など注目を集める。

○連続放送劇「向う三軒両隣」放送開始(7.1~'53.4.10)。

○「引揚者の時間」放送開始(7.4~'57.3.31)。

○フラナガン神父の来日を契機に青少年不良防止、戦災孤児救済をねらいとした「鐘の鳴る丘」放送開始(7.5~'50.12.29)。主題歌「とんがり帽子」も大ヒット。

○前年にスタートした「のど自慢素人音楽会」を「のど自慢素人演芸会」に改称(7.6)。

○「ラジオ体操」がGHQの命令により放送中止となる(9.1)。

○「日曜娯楽版」放送開始(10.5)。

○クイズ番組「二十の扉」放送開始(11.1~'60.4.2)。

○ドラマ「やまびこ」放送(12.5)。食糧難と戦災孤児の社会問題をテーマとして反響を呼ぶ。

○「明日の食糧」放送開始(12.8~'50.7.11)。

流行語(1947)

不逞の輩、世耕情報、裏口営業、ララ(アジア救済連盟)物資・ケア(アメリカ救済物資発送協会)物資、青空教室、オンリー、額縁ショー、アプレゲール、レクリエーション、そのものズバリ、陰の声、集団見合い、学校給食、土曜夫人、第二の青春、代用食

流行歌(1947)

山小舎の灯
啼くな小鳩よ
夜のプラットホーム
港が見える丘
夢淡き東京
夜霧のブルース
君去りぬ
港に灯がともる頃
とんがり帽子

○NHKの連続ラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の主題歌「とんがり帽子」が大流行。

○平野愛子のデビュー曲「港が見える丘」がヒット。

○笠置シズ子が3月東京日劇、9月大阪梅田劇場で「東京ブギウギ」を歌い、大ヒット。

○労働運動の高まりとともにうたごえ運動が登場-「街から村から工場から」「世界をつなげ花の輪に」などの新労働歌が選ばれ歌われる。

話題の映画(1947)

洋画
断崖
荒野の決闘
心の旅路
町の人気者
百万人の音楽
第七のヴェール
ブルックリン横町
影なき殺人
永遠の処女
石の花
ガス燈

邦画
安城家の舞踏会
戦争と平和
今ひとたびの
長屋紳士録
女優
素晴らしき日曜日
銀嶺の果て
四つの恋の物語
花咲く家族
幸福への招待

○有楽町にアメリカ映画ロードシヨー専門館「スバル座」が開館(3.25)。第1作「アメリカ交響楽」を公開。全館座席指定、入れ替え制、割り高入場料金にもかかわらず9週間にわたるロングランとなる。

○東宝第二製作部を中心として「新東宝映画製作所」設立(3)。

○各国の洋画、続々上陸始まる-英国映画協会設立(8)。イギリス映画第1作「第七のヴェール」公開(11)。フランス映画輸入組合設立(9)。日ソ映画社設立、第1作「モスクワの音楽娘」公開(9)。第2作は戦後初のカラー映画となった「石の花」公開(11)。

○電力制限が強化され、興行場は週3回休電となる。ただし休電日の午後6時からは1回だけ公演が許される(8)。

○入場税が3月4日100%引き上げられ、続いて12月1日には150%となり、入場料金は封切り館25円、2番館以下20円となる。

○映画製作者連合会は「日本映画連合会」に改称(3.1)。

○公正取引委員会が映画3社の興行場に対する映画2本立禁止協定を独禁法違反と警告(11.25)。

ベストセラー(1947)

旋風二十年
愛情は降る星のごとく
完全なる結婚
凱旋門
夏目漱石全集
人生論ノート
風知草
自叙伝
哲学ノート
キューリー夫人伝
荷風日記

話題のマンガ(1947)

○「クマンバチ」書店赤い星3月創刊。

○「漫画少年」学童社12月創刊(~'55.10)。井上一雄の「バット君」連載。

○手塚治虫の長編漫画「新宝島」が出版され40万部のベストセラーとなる。

○山川惣治の漫画単行本「少年王者」50万部のベストセラーとなる。

ファッション(1947)

○物資不足が依然として続き、衣料品も不足のため、着物やモンペをスカートや洋服に直した「更生服」が着られる。

○女性にはモンペの姿が次第に少なくなりスカートが増え始め、ロングスカートが注目を集める。

○木綿ストッキングが出回る。

○5センチぐらいのヒールで先が丸く、はき口がハート型の「アメリカンヒール」が注目を集める。

○国防色、原色調が流行。

気象状況(1947)

○九州全土で豪雨(6.22、6.24)。死者12人、浸水家屋6,125戸など。

○中部以西で干害(7~8)。宮崎県12,014ha、三重県6,520haなどに被害。

○東北地方で豪雨(7.21)。河川の増水により、死傷者22人、浸水家屋20,108戸などの被害。

○カスリン台風が房総沖をかすめ三陸沖へ抜ける。上陸は免れたが、前線を刺激して、関東以北で記録的な豪雨となり、死者1,077人、行方不明853人、浸水家屋384,743戸などの被害(9.14~15)。

1946年(昭和21年)

経済白書 副題(1946)

なし

経済概況(1946)

敗戦による経済的荒廃と社会的混乱、世界経済からの隔絶によって著しく縮小した日本経済は、昭和21年に入っていっそう経済危機の様相を深めた。厳しい非軍事化を主眼とした対日管理政策が続行され、既存ストックの枯渇化、石炭・電力の不足に伴って生産活動が低調を極めたため、経済はインフレの悪循環に見舞われた。深刻な窮乏と不安に終始したが、年末には生産再開を目指す傾斜生産方式の採用に至った。

経済成長率 名目 - 実質 -
個人消費支出 名目 - 実質 -
民間設備投資 名目 -  
輸出 名目 -  
消費者物価    -  

日本の広告費(電通調査)(1946)

  億円 対前年比(%)
総広告費 (-)
新聞 (-)
雑誌 (-)
ラジオ (-)
テレビ (-)
SP (-)

政治・経済・業界(1946)

○天皇が年頭詔書で、天皇の神格を否定した「人間宣言」を行う(1.1)。

○GHQ(連合国総指令部)が戦争責任者の公職追放を指令(1.4)。2月28日公職追放令が公布、即日施行。

×北朝鮮に金日成を首席とする臨時人民委員会が設立(2.8)。南朝鮮には李承晩を議長とする大韓民国代表民主議員が設立(2.14)。

○政府が生活必需品の国民生活用品統制措置を発表(2.16)。価格統制を実施(3.1)。

○金融緊急措置令施行-預貯金封鎖、新円切り替え(2.17)。

×チャーチル前イギリス首相がアメリカ・フルトン市のウエストミンスター大学で「鉄のカーテン」演説。ソ連を批判(3.5)。

○連合国対日理事会が初会合を開く(4.5)。

○初の婦人参政権を認めた戦後初の総選挙(第22回総選挙)実施(4.10)。婦人議員39人誕生。共産党も議会初進出。

○政権居座りをはかる幣原内閣に対し、自由・社会・協同・共産4党が幣原内閣打倒協同委員会を結成(4.19)。4月22日幣原内閣総辞職。

○アメリカ軍が琉球アメリカ軍政府下に民政府を創設(4.22)。

○経済同友会創立(4.30)。

○メーデー、11年ぶりに復活-第17回メーデー開催(5.1)。

○極東国際軍事裁判(東京裁判)が市ケ谷の旧陸軍省大講堂で開廷。A級戦犯28人を起訴(5.3)。キーナン首席検事が、「天皇を戦争犯罪人として裁かず」と言明(6.17)。

○第1次吉田内閣成立(5.22)。

○第2次農地改革-GHQが農地改革の徹底化を勧告(6)。自作農創設特別措置法・農地調整法改正公布(10.21)。

×アメリカがビキニ環礁で初の公開核実験実施(7.1)。

×中国内戦が本格化-国民党軍が開放区を攻撃(7.12)。

○日本労働組合総同盟(総同盟)発足(8.1)。

○経済安定本部・物価庁発足(8.12)。

○経済団体連合会(経団連)創立(8.16)。

○全日本産業別労働組合会議(産別会議)結成(8.19)。

○持株会社整理委員会発足(8.22)。三井本社・三菱本社・住友本社などを第1次指定(9.6)。第5次まで83社を指定。

第1回国民体育大会が京都・大阪で開催(11)。

日本国憲法公布(11.3)。

○日本商工会議所設立(11.20)。

×ニューヨークに国連本部の設置が決まる(12.14)。

×第1次インドシナ戦争勃発-フランス軍がベトナムで軍事行動開始。ホー・チ・ミンは反仏解放闘争を宣言(12.19)。

○閣議で傾斜生産方式を決定(12)。

○この年、紀伊國屋書店(1)、宝幸水産、三菱樹脂(2)、東京通信工業(現ソニー)(5)、長谷川公務店(8)、西濃運輸(11)、東京銀行(12)など設立。

マスコミ・広告・媒体(1946)

○放送委員会がGHQの覚書により発足(1.22)。

○電通報創刊(2)。

○日本新聞協会発足。新聞倫理綱領制定(7.23)。

○戦時中に創設された広告税法廃止(8)。

○全国新聞広告同業組合発足(9)。

○鉄道広告事業組合発足(9)。

○日本雑誌広告協会発足(11)。

○新聞がルビつき漢字を廃止、左横書き、新かなづかいを採用(12)。

○三一書房、みすず書房など出版社の創業相次ぐ。

○東京、大阪に広告搭続出。

媒体の発足(1946)

○「東京タイムズ」東京タイムズ社2.6発刊。

○初のスポーツ日刊紙「日刊スポーツ」日刊スポーツ新聞社3.6発刊。

○「世界」岩波書店(1)。

○「新婦人」文化実業社(1)。

○「展望」筑摩書店(1~'51.9、'64.10復刊)。

○「りべらる」大虚堂書房(1~'53.5)。

○「改造」「中央公論」中央公論社1月復刊。

○「歴史読本」「人物往来」人物往来社(5)。

○「スクリーン」近代映画社(5)。

○「自然」中央公論社(5)。

○「主婦と生活」主婦と生活社(5)。

○「ベースボールマガジン」ベースボールマガジン社(6)。

○「リーダーズダイジェスト」日本リーダーズダイジェスト社(6)。

○「群像」講談社(10)。

○「時事英語」研究社出版(11)。

○「百万人の英語」日本英語教育協会(4)。

媒体普及率(1946)

○ラジオ契約数-5,728,076(NHK契約世帯数)

国内10大ニュース(1946)

○天皇の「人間宣言」(1.1)

○天皇の国内巡幸、神奈川県から始まる(2.19)

○戦争責任者の公職追放令が公布、施行(2.28)

○初の婦人参政権を認めた戦後初の総選挙実施(4.10)

○幣原内閣総辞職(4.22)と吉田内閣誕生(5.22)

○東京裁判開廷(5.3)

○食糧事情の悪化と食糧メーデー

○経済安定本部・物価庁発足(8.12)

○日本国憲法公布(11.3)

○南海地震発生(12.21)

海外10大ニュース(1946)

×チャーチル前英首相が「鉄のカーテン」演説(3.5)

×アメリカがビキニ環礁で公開核実験(7.1)

×インドシナ戦争勃発(12.19)

×国連第1回総会がロンドンで開催(1)

×中国内戦本格化(7.12)

×ドイツの戦争責任と戦争犯罪を追求するためのニュルンベルク国際軍事裁判に判決(10.1)

×フィリピン独立(7)

世相・風俗(1946)

○GHQが公娼容認法規の撤廃に関する覚書を発表(1.21)。内務省が娼妓取締規則を廃止(2)。結果的に街娼が増加。

○発疹チフスが全国的に流行(2)。連合軍のDDT散布班が出動。

○食糧事情の悪化-全国各地で食糧の遅配・欠配が相次ぎ、北海道では2か月以上も欠配が続き、大都市では1週間から10日の遅配が常態となる。

○戦後食糧輸入第1号-マニラから小麦粉1000トンが東京に到着(1.26)。東京都で輸入食糧の配給が始まる(2)。

○食糧緊急措置令(主食供出制強化)・隠匿物資等緊急措置令公布(2.17)。

○GHQが放出した小麦粉で学童にコッペパン1個を配給(9)。

○主食の配給1日2合1勺(約300g)から2合5勺(約450g)に増配(11.1)。

○東京のヤミ市露店商58,237人(1)。

○メチルアルコール酒(バクダン)の中毒で死者・失明者が続出。

○天皇の国内巡幸、神奈川県から始まる(2.19)。

○プロ野球復活(4.21)。早慶戦4年ぶりに復活(6)。全国中等学校野球大会が西宮で復活(8.15)。

○日本史の授業がスミぬり教科書で始まる(10.12)。

○旧満洲からの残留日本人の引き上げ開始(5.7)。シベリアからの引き上げも始まる(12.8)。

○住宅難のため全国25都市で転入抑制措置を実施(3)。

消費者・住民運動・公害(1946)

○皇居前の飯米獲得人民大会(食糧メーデー)に25万人が参加。吉田反動政府反対・民主戦線結成を訴える(5.19)。GHQは「暴民デモは許さず」と警告(5.20)。

時の商品・新製品(1946)

○高級たばこのピース新発売(10本入り7円)(日曜日に1人1箱だけ)(2.24)。コロナ(10本入10円)も発売。

○小型三輪車続々登場-発動機製造(現ダイハツ工業)が小型三輪車「ダイハツSE型」の製造を再開(4.1)。5月、三菱重工で小型三輪車「みずほ号」完成。7月、日本内燃機・三井精機・愛知起業・明和興業・汽車製造・不二越などの新規メーカーも参入相次ぐ。

○GHQが日本製ペニシリンの市販を森永製菓と萬有製薬に許可(4.11)。

○ミノルタカメラが戦後初のカメラ「ミノルタセミⅢ型」の生産を開始(4)。この年、精機光学工業(現キヤノン)は「キヤノンSⅡ型」を発売。

○味の素が「味の素」の生産開始(5)。

○人工甘味料取締規則が改正され、ズルチンの販売が許可される(7.4)。サッカリンの使用も許可される(5)。

○資生堂が爪紅(ネイルスティック)を発売。

○自転車の生産が再開され、年末までに全国で16万5000台。

○富士産業(現富士重工)がスクーター「ラビット」を発売。

○松下電器が電気炊飯器発売。日本で初の安価な電気調理器具。

×電子計算機第1号「エニアック(ENIAC)」が米ペンシルベニア大学で完成(2.15)。真空管1万8800本、所要電力120KW、重量30tという大型。

新聞広告(1946)

第一復員省経理局<外地ヨリ復員ノ軍人軍属ノ方ヘ>

内務省調査局<占領地から持ち帰った一切の物品を所持していると処罰されます>

運輸省<帰省しても戻れない>

東宝<NEW FACE 東宝新スタア募集>

テルミー<アメリカ好みの化粧品>

NHK(ラジオ番組)(1946)

○「復員だより」放送開始(1.15)。

○「のど自慢素人音楽会」放送開始(1.19)。

○童謡「証城寺の狸囃子」のメロディに“カム・カム・エブリボティ……”の歌で始まる「英語会話」放送開始(2.1~'51.2.9)。

○「街頭にて(のちの街頭録音)」の6月3日放送テーマ“あなたはどうして食べていますか”が話題を集める。

○「民主主義講座」放送(3.5~5.21、12回)。

○「尋ね人」放送開始(7.1~'62.3.31)。

○初のクイズ番組「話の泉」放送開始(12.3~'64.3.31)。

流行語(1946)

あっそう、象徴、自称天皇、公僕、500円生活、愛される共産党、オフ・リミット、赤バット・青バット、ニューフェース、ご名答、カストリ、夜の女、パンパン、パングリッシュ、ノガミ(上野)・ラクチョウ(有楽町)、特飲街(赤線)、幽霊人口、ハバハバ、DDT、朕はたらふく食っている、進駐軍、隠匿物資(放出)、接収

流行歌(1946)

リンゴの唄
東京の花売娘
かえり船
悲しき竹笛
別れても
愛のスウィング
ワカラン・ソング
ニュー・トーキョーソング
ジープは走る

○ブギウギのリズムで「東京の花売娘」岡春夫が大ヒット。

○映画「或る夜の接吻」の主題歌「悲しき竹笛」奈良光枝・近江俊郎もヒット。

○「リンゴの唄」並木路子・「悲しき竹笛」がインフレにあえぐ市民に替え歌にされて親しまれる。

話題の映画(1946)

洋画
我が道を往く
運命の饗宴
疑惑の影
エイブ・リンカーン
南部の人
カサブランカ
情熱の航路
追憶

邦画
大曾根家の朝
わが青春に悔なし
或る夜の殿様
待ちぼうけの女
我が恋せし乙女
民衆の敵
歌麿をめぐる五人の女
命ある限り
或る夜の接吻

○GHQが映画の検閲を開始(1.28)。

○「はたちの青春」で日本映画初のキスシーンが登場。

○東宝がニューフェイスの第1回募集開催。久我美子、三船敏郎などを採用。

○アメリカ映画輸入のためのセントラル映画社設立(1)。戦後初輸入の「キューリー夫人」「春の序曲」を公開。

○イングリッド・バーグマン、ハンフリー・ボガード主演の「カサブランカ」が大ヒット(6)

○都道府県別に値上げが行われ、東京では封切り館3円、4~6番館1円50銭、7番館以下が1円となる(3.21)。洋画の封切り館は5円に値上げ

(5.30)。

○「7つの顔(多羅尾伴内シリーズ第1作)」公開-“ある時は片目の運転手、ある時は……”のセリフが大ウケ。

○日本映画社の「広島・長崎の原爆効果」19巻が完成直後米軍に没収(5)。

ベストセラー(1946)

旋風二十年
愛情は降る星のごとく
腕くらべ
哲学ノート
嘔吐
完全なる結婚
架空会見記
凱旋門
自叙伝(河上肇)
夏目漱石全集

話題のマンガ(1946)

○漫画雑誌創刊ブーム-「漫画タイムス」漫画タイムス社1月創刊、「少年」光文社2.6創刊、「漫画クラブ」共立社2月創刊、「VAN」イヴニングスター社5月創刊(~'49.9)、「新漫画」臼田書店など。

○手塚治虫デビュー-「毎日小学生新聞」に「マアちゃんの日記帳」連載開始(1)。

○南部正太郎の「ヤネウラ3ちゃん」が大阪新聞に連載開始(1)。

○長谷川町子の「サザエさん」が夕刊フクニチに連載開始(4)。

○アメリカの平均的市民生活を描いたチック・ヤングの「ブロンディ」が週刊朝日に連載開始(6~'56.12)。

○横井福次郎の「ふしぎな国のプッチャー」が少年クラブに連載開始。

ファッション(1946)

○男性用ズボンを女性用の脇開きに改良したスラックスが流行。

○パーマネントが復活。ヘアスタイルでは三つ編み、内巻きなどが流行る。

気象状況(1946)

○東海道沖でマグニチュード8の「南海地震」が発生(12.21)。被害は中部以西の各地にわたり、死者998人。家屋の全壊11,591戸・半壊23,487戸など。津波も発生し、高知・三重・徳島沿岸で4~6mに達した。

1945年(昭和20年)

経済白書 副題(1945)

なし

経済概況(1945)

敗戦の結果、一切の経済活動は極度の混乱状態に陥った。それは生活水準の大幅な低下、膨大な失業者群の造出、食糧の絶対的不足と闇市場の出現、インフレーションの高進とそれに基づく実質賃金の低下や勤労意欲の低下に端的に表れている。こうした悪条件の下に、しかも連合軍の管理政策の限界内で経済復興への途を踏みだした。経済民主化政策によって農業生産に労働移動が起こったが、米の凶作でインフレがいっそう進行した。

経済成長率 名目 - 実質 -
個人消費支出 名目 - 実質 -
民間設備投資 名目 - 実質 -
輸出 名目 - 実質 -
消費者物価    -  

日本の広告費(電通調査)(1945)

  億円 対前年比(%)
総広告費 - (-)
新聞 - (-)
雑誌 - (-)
ラジオ - (-)
テレビ - (-)
DM・屋外他 - (-)

政治・経済・業界(1945)

○正午、天皇が戦争終結の詔書を放送(玉音放送)。第2次世界大戦が終結。戦後が始まる(8.15)。

○鈴木貫太郎内閣が総辞職(8.15)。初の皇族内閣の東久邇内閣成立(8.17)。

×インドネシア共和国が独立宣言(8.17)。スカルノ大統領選出(8.18)。

×満州国皇帝溥儀が退位し、満州国が消滅(8.18)。

○連合軍最高司令官ダグラス・マッカーサー元師が厚木に到着(8.30)。

○東京湾内の米艦「ミズーリ」上で連合国・日本双方の代表が降伏文書に署名。正式に太平洋戦争に終止符(9.2)。

×ベトナム民主共和国成立。ホー・チ・ミン臨時政府代表が独立宣言(9.2)。

○天皇がマッカーサー元師を訪問(9.27)。

○GHQ(連合国総司令部)が日比谷の第一生命相互ビルで執務開始(10.2)。

○GHQが政府に治安維持法・特高警察の廃止、天皇批判の自由などを内容とする「民権自由に関する指令」を発行(10.4)。東久邇内閣はこの指令を実行不可能として総辞職(10.5)。幣原内閣成立(10.9)。

○マッカーサー司令官が幣原首相に、婦人の解放、労働組合の結成奨励、学校教育の自由主義化、経済制度の民主主義化、秘密審問司法制度の撤廃の「民主化に関する5大改革」を指令(10.11)。

×国連憲章発効、国際連合が正式発足(10.24)。

○政党の結成相次ぐ-日本社会党(11.2)、日本自由党(11.9)、日本進歩党(11.16)、日本協同党(12.18)などが結成。共産党も政治犯として捕らえられていた幹部が釈放され、党再建大会開催(12.1)。

○戦災復興院設置(11.5)。

○GHQが財閥解体を指令(11.6)。

×国際法でナチス・ドイツの戦争犯罪を裁く、史上初の国際軍事裁判「ニュルンベルク裁判」が開廷(11.20)。

○GHQがA級戦犯容疑者59人に逮捕指令(12.2)。出頭を命じられた近衛文麿が服毒自殺(12.16)。B・C級戦犯の軍事裁判が横浜地裁で開廷(12.18)。

○第1次農地改革-GHQが農地改革に関する覚書を発表(12.9)。農地調整法公布(12.29)。

○婦人参政権などを規定した「衆議院議員選挙法」が改正公布(12.17)。

○労働組合法公布(12.22)。

×米・英・ソ3国のモスクワ外相会議開催(12.16~27)。朝鮮信託統治・極東委員会・対日理事会設置などを内容とする「モスクワ宣言」を発表。

×「ブレトンウッズ協定」が発効され、国際通貨基金・国際復興開発銀行が設立される(12.27)。

マスコミ・広告・媒体(1945)

○広告税適用廃止(8)。

○GHQが政府に「言論及新聞の自由」に関する覚書を通告。連合国・軍に関する報道言論の制限、新聞・出版・放送の編集の基準などを指令(9.10)。

○GHQが「日本に与ふる新聞準則(プレスコード)」を指令(9.19)。

○GHQが「日本に与ふる放送準則(ラジオコード)」を指令(9.22)。

○GHQが「新聞の政府よりの分離」に関する覚書公布。特定通信社の優先的取扱い禁止などを指令(9.24)。

○GHQが「言論及新聞の自由への追加措置」に関する覚書公布。新聞・映画・放送など言論に関する統制法令の撤廃措置を指令(9.29)。

○日本出版協会創立(10.10)。

○日本新聞広告同業組合設立(10)。

○日本新聞公社解散(10)。

○同盟通信社解散(10)。

○GHQが占領政策徹底のため日本国内の家庭の半数にラジオ受信機が普及するように生産・配給の立案を政府に指示(11.13)。

○共同通信社設立(11)。

○時事通信社設立(11)。

○日本新聞連盟結成(11)。

○日本映画製作者連盟設立(11)。

媒体の発足(1945)

○「光」光文社(10)。

○「新生」新生社(11)。

○「平凡」凡人社(現マガジンハウス)(11)。

○「近代映画」近代映画社(12)。

媒体普及率(1945)

○ラジオ契約数(NHK契約世帯数)

なし

国内10大ニュース(1945)

○天皇が戦争終結の詔書を放送(玉音放送)。太平洋戦争が終結(8.15)

○ダグラス・マッカーサー司令官が厚木に降り立つ(8.30)

○GHQが日比谷の第一生命相互ビルで執務開始(10.2)

○戦前・戦中の法律や統制が続々廃止

○政党の結成相次ぐ

○第1次農地改革始まる

○食糧危機深刻化

海外10大ニュース(1945)

×日本が無条件降伏し、第2次世界大戦が終わる(8.15)

×国際連合発足(10.24)

×ニュルンベルク裁判開廷(11.20)

×国際通貨基金・国際復興開発銀行設立(12.27)

×インドネシア共和国独立宣言(8.17)

×ベトナム民主共和国独立宣言(9.2)

×抗生物質ペニシリンの発見者・フレミングにノーベル医学・生理学賞(12.11)

世相・風俗(1945)

○主食の配給が1割減の2合1尺(297g)となる(7.11)。米はなかなか配給されず芋や小麦粉、大豆、豆粕、クズ芋までが配給される。遅配・欠配も相次ぎ、農村への買い出しや闇市などで食糧を調達。

○新宿の焼け跡に闇市が出現(8.20)。9月には闇市が氾濫。

○米の収穫量が587万トンと、大正・昭和期最大の凶作で食糧危機が深刻化。漁獲量も昭和期最低の記録。

○全国で弁当を持参できない学童が続出。このため午後の授業が中止。

○上野駅での10月の餓死者、1日平均2.5人。

○メチルアルコールによる死亡者が続出。

○戦災孤児・引上げ孤児・家出浮浪児が激増。

○敗戦に伴う失業者、推定477万人(厚生省調べ)。

○内務省が地方長官に占領軍向け「慰安施設」設置を指令(8.18)。特殊慰安施設協会設立(8.26)。

○灯火管制が解除され、信書の検閲も停止(8.20)。

○シラミが媒介する発疹チフス予防のためGHQがDDTの散布を実施。立川基地上空で初の空中散布実施(9.10)。

○文部省が中学校以下の教科書から戦時教材を省略・削除するよう通達。「スミぬり教科書」の作成が始まる(9.20)。

○外地部隊の復員第1号船「高砂丸」がメレヨン島から1,700人を乗せ別府港に入港(9.26)。

○東京と京都の競馬場で戦後初の競馬を開催(10)。

○スポーツの復活-戦後初のスポーツ試合として「関西ラグビークラブ対三高戦」開催(9.21)。天井が焼け落ちた両国国技館で戦後初の大相撲本場所・晴天十日間興行(10)。戦後初の野球試合「東京6大学OB紅白試合」開催(10.28)。プロ野球も「東西対抗戦」で復活(11.23)。

○GHQが修身・日本史・地理の授業中止を命令(12.31)。

○英人記者バーチェットが広島の惨状を取材。〈広島における大惨状(ノー・モア・ヒロシマ)〉を打電。世界に初めて被爆地の惨状を報道(9.3)。

消費者・住民運動・公害(1945)

○比嘉正子・岩崎歌子など主婦15人による米よこせ風呂敷デモを契機に、大阪・盾野町に「主婦の会」発足(10)。

○東京・日比谷公園で餓死対策国民大会開催。米3合配給を要求(11.1)。

時の商品・新製品(1945)

○GHQが生活必需品の生産促進を指令(9.22)。

○日本火薬王子工場がズルチンを完成(11)。砂糖の代用で大人気となる。

○日本勧業銀行発行の第1回「宝くじ」が発売(10.29~11.7)。1等10万円~5等20円、1等~4等まで副賞として純綿カナキン付き。その場で結果がわかる「スピードくじ」も発売(12)。副賞にたばこ、サッカリン、酒などの生活必需品がついたため人気を集める。

○野菜・魚類の公定価格が廃止され、市場のせり売りが復活(11.20)。ただし価格は高騰。翌年再統制。

○日蓄工業(現日本コロムビア)が蓄音器・レコードの生産開始(10)。

○柳屋ポマード、花王クリーム、ケンシポマード、パピリオクリームが製造開始。

新聞広告(1945)

東洋火熱工業<緊急平和産業ノ確立>

アメリカン・クラブ<進駐軍要員緊急募集>

科学教材社・日米會話手帳<今すぐ役立つ 日米會話手帳>

東亜通信電気・トーア全波受信機<世界の聲を聽け>

日本再建社<帝都ノ復興ハ先ヅ「ビル」カラ>

三正工事<焼ビル改築>

上野松坂屋<鐵兜を鍋に更生>

新流行音楽大会<新流行歌の大衆審査>

NHK(ラジオ番組)(1945)

○「天気予報」復活(8.22)。

○「ラジオ体操」復活(8.23)。

○戦後初の放送劇として幸田露伴原作の「五重塔」放送(9.3)。

○軽音楽・歌謡曲の放送復活。「新雪」「赤城の子守歌」「野崎小唄」などが流れる(9.9)。

○聴取者からの投書を放送する「建設の声」放送開始(9.19)。「私たちのことば」と改称(11.1)。

○「実用英語会話」放送開始(9.19~'46.1.31)。

○「日米放送音楽会」放送(9.23)。“敵性音楽”として規制されていたジャズやダンス音楽も復活。

○「街頭にて(のちの街頭録音)」放送開始(9.29)。

○「希望音楽会」放送開始(10.3)。並木路子の「リンゴの唄」初放送(12.10)。

○第1放送が全日放送開始(11.1)。

○「国民常識講座」放送開始(11.5)。

○戦後初のスポーツ放送「大相撲秋場所」を中継(11.6)。「全早稲田対全慶応戦」も中継(11.18)。

○「座談会(のちの放送討論会)」放送開始(11.21)。第1回のテーマは「天皇制について」。

○放送番組にクォーター制(15分制)実施(12.1)。

○「真相はかうだ」放送開始(12.9)。

○紅白歌合戦の前身「紅白音楽試合」放送(12.31)。

流行語(1945)

玉音放送、一億総懺悔、進駐軍、GHQ、四等国、戦犯、復員、戦争未亡人、青空市場、闇市、自由市場、たけのこ生活、たまねぎ生活、買い出し、虚脱状態、真相はこうだ、DDT、ギブ・ミー・チョコレート、焼け跡生活、生活菜園、銀シャリ、刈り込み、進駐軍の命により、民主化

流行歌(1945)

リンゴの唄
新雪
野崎小唄
Smoke Gets in Your Eyes(邦題 眼に入った煙)
Sentimental Journey
ビギン・ザ・ビギン

○映画「そよ風」の主題歌「リンゴの唄」が全国的に広まる。

○NHKラジオで軽音楽・歌謡曲の放送が復活(9.9)。「新雪」「赤城の子守唄」「野崎小唄」などが流れる(9.9)。

○“敵性音楽”として規制されていたジャズやダンス音楽も復活。米軍部放送組織(AFRS)が開設(9.23)。「Smoke Gets in Your Eyes」(邦題:眼に入った煙)「Sentimental Journey」などが流れる。

○日蓄工業(現日本コロムビア)が戦後初の洋盤レコードを発売(11)。A面「ビギン・ザ・ビギン」、B面「眼に入った煙」で大ヒットする。

話題の映画(1945)

洋画
ユーコンの叫び
ウェヤ殺人事件

邦画
そよ風
聖断を拝す
東久邇宮内閣成立

○戦後初のニュース映画「聖断を拝す」「東久邇宮内閣成立」公開(9.6)。

○GHQが映画・演劇などの製作方針、興行取締り方針を指示。国家主義的なもの、民主主義に反するものなどの禁止を要求(9)。

○邦画のGHQ検閲第1号「そよ風」封切(10.11)。主演の並木路子が歌う主題歌「リンゴの唄」が全国的に広まる。

○GHQが「非民主主義的映画の除去に関する覚書」を通告。チャンバラ映画が軍国主義的として上映禁止となる(11.16)。

○8月15日から1週間、全国の映画・演劇の興行停止。

○開戦直前に輸入され、敵国映画として上映が中止されていた米映画「ユーコンの叫び」、英映画「ウェヤ殺人事件」が戦後初の洋画として上映される(12.6)。注目を集めたがヒットせず。

ベストセラー(1945)

日米會話手帳

○科学教材社(現誠文堂新光社)が「日米會話手帳」を出版(9.15)。日常の挨拶など必要最低限の英会話が79例掲載され、わずか32ページの本が3カ月の間で350万部以上の大ベストセラーとなる。

話題のマンガ(1945)

○横山隆一、杉浦幸雄、近藤日出造などの新漫画派集団が「漫画集団」として再発足(10)。

○「漫画」「漫画日本」復刊。

ファッション(1945)

○男性は国民服か復員服。

○女性はもんぺとズックぐつ。

○パーマネントが復活。

気象状況(1945)

○北陸から北海道で冷害(7~8)。

○枕崎台風が九州から上陸(9.17)。西日本で死者・行方不明2,400人に及ぶ大被害を与える。