基本的な考え方
私たちは、環境に関わるリスクと機会、レジリエンスを事業戦略に組み込み、将来にわたって安定的な事業成長を実現することをめざしています。
電通グループでは、これまで気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の勧告に基づき、気候変動が事業に与える影響のシナリオ分析を実施し、TCFDレポート発行を行ってきました。2025年度は国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が示したIFRSサステナビリティ開示基準 IFRS S2号(気候関連開示)を参照して分析・報告を行い、気候リスクと機会が電通グループの財務状況にどのように作用しているかを明示しました。詳細は「電通グループ気候関連レポート2025」をご覧ください。
環境に関する指標と目標
これまでの電通グループのTCFD気候リスク開示の内容、またビジネス全般における環境影響と事業影響に鑑み、電通グループは、2040年までにバリューチェーン上の温室効果ガス(GHG)排出量のネットゼロ達成を目標に設定しています。2024年、電通グループの短期目標、長期目標は、Science Based Targets initiative(SBTi)企業ネットゼロ基準に従ってSBTiに認定されました。具体的な目標値は下記の通りです。
■短期目標:
Scope1とScope2のGHG絶対排出量を、2019年ベースライン比で2030年までに46.2%削減する。
また、購入した製品・サービス、出張、雇用者の通勤から発生するScope3のGHG絶対排出量を2019年比で46.2%削減する。
■長期目標:
Scope1とScope2のGHG絶対排出量を、2019年ベースライン比で2040年までに90%削減する。更に、Scope3のGHG絶対排出量も同じ期間内に90%削減する。
■再生可能エネルギー比率100% *
2030年までに再生可能エネルギー比率を100%にする。
| * | 電通グループの価値創造戦略とコミットメントにおける再生可能エネルギーとは、再生可能な資源から発電された電力を指します。この定義は、RE100に準拠しています。 |
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電通グループの科学に基づくネットゼロ目標
私たちは、電通グループ、顧客そして社会全体のための持続可能な成長を推進することを目指しています。これらの成長が真に持続可能であるためには、低炭素な未来への移行を加速させ、気候変動の将来的な影響を軽減させなければなりません。電通グループは、2040年までにバリューチェーン上のGHG排出量のネットゼロ達成にコミットします。
2040年までにネットゼロを達成するために、GHG排出量を削減する活動を優先し、残りの排出量(10%未満)は、信頼できる検証可能なGHG除去スキームを通して削減します。
電通グループの科学的に基づく短・長期的なGHG排出削減目標値は、科学に基づく目標設定イニシアチブSBTiの企業ネットゼロ基準に従ってSBTiに認定されています。
詳細はこちらをご覧ください。(環境 – 株式会社電通グループ)
電通グループの環境方針
環境方針
電通グループは、電通グループ行動憲章に基づき、業務過程で発生する環境負荷の低減を目指し、持続可能な社会の実現に寄与します。
- 持続可能な社会の実現のため、事業活動による環境への影響を正しく評価し、環境負荷の低減に努めます。
- 環境に配慮した事業活動の開発・提案に努め、環境問題の改善に寄与します。
- 環境コンプライアンスの徹底とともに、環境目標および成果をより明確に図る環境パフォーマンスの向上に向けて、継続的な改善に努めます。
| 環境保護 |
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| 環境コミュニケーション |
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環境目的
- 取引先、消費者、社員へ向けた環境意識の啓発推進
- 地球温暖化防止・生態系保全の推進
- 廃棄物削減およびリサイクル率の高レベル維持
電通グループの環境方針については、こちらをご覧ください。(環境 – 株式会社電通グループ)
電通の活動推進体制
電通の取り組み
電通では環境管理責任者に加えて各局(室)にもCSR推進委員を任命し、環境活動の推進役とすることで、全社一丸となって取り組みを展開しています。2005年には環境マネジメントシステム「電通グループ エコ・プログラム」を導入し、ISO14001の認証を取得しました。
さらには、dentsu Japan各社でもエコ・プログラムの担当役員・管理責任者・統括担当者・推進委員を任命して活動を推進し、2006年にdentsu Japan各社も加えてグループで統合認証を取得。2025年1月時点では、電通を含めて電通グループで17社が認証を維持しています。
エコ・ファーストの約束(更新書)
電通は、2022年10月に地球的規模でサステナブルな社会の実現を目指して「エコ・ファーストの約束(更新書)」を環境大臣に宣言して、次の3点を重点領域として定めています。
- 環境保全をはじめとして、持続可能な社会実現に向けた意識啓発、積極的なコミュニケーションを推進します。
- 脱炭素社会へ向けて、環境負荷の逓減を積極的に進めます。
- サステナブルな社会の実現に向けた情報発信や認知拡大を図り、さらに環境保全における課題解決に積極的に取り組みます。
関連リンク
環境意識の啓発活動
サステナビリティアワード
dentsu Japanは、サステナビリティ推進の取り組みを強化する施策の一環として、社内アワードを創設し、毎年開催しています。
本アワードは、グループ全体でのサステナビリティ活動を促進するとともに、各年における優れた取り組みを表彰することで、知見の共有と活動のさらなる活性化を図ることを目的としています。

SDGs&人権スローガン募集
dentsu Japanでは、グループ各社の従業員およびその家族を対象に「SDGsスローガン」を募集して、優秀作品を選出し表彰を実施しています。2025年度は合計3,998点(社員の部:3,317点、家族の部:681点)の応募がありました。また、「人権スローガン」でも2025年度に5,380点(社員の部:4,588点、家族の部:792点)の応募がありました。
GHG排出量削減の取り組み
dentsu Japanでは、カーボンニュートラルの視点から、ひとりひとりが最適な出張について考え、選択することを目的に、2021年に「新しい出張ハンドブック※社外秘」を作成しました。新しい働き方が求められる中、最適な交通手段を選択できるようさまざまなプランを提示し、チェックリストを作成するなどして、従業員の意識啓発に努めています。
電通では、各部署のコピー用紙使用状況を測定・共有してペーパーレス化を推進しています。また、リモートワークやオンライン会議を活用することで従業員の移動に伴う交通機関の利用を減らし、クールビズやウォームビズを推進することで冷暖房のエネルギー消費を抑制するなど、GHG排出量の削減に取り組んでいます。
eラーニングによる社員教育
電通では、社員の環境意識の向上と必要な知識の習得のため、全社員に対して環境教育・研修のコンテンツを定期的に提供しています。環境コミュニケーションの推進、環境負荷の逓減、環境課題の解決に向けて社員教育を推進しています。
社員の各種資格取得を支援
電通では、東京商工会議所が主催する「eco検定(環境社会検定試験)」の第1回から社員の受験を積極的に支援してきました。環境に対する幅広い知識を持ち、社会で率先して環境問題に取り組む人財を育てることを目的にしています。また、2021年からオンライン受験が可能な「環境カオリスタ検定」、2022年からは「サステナ経営検定」を新たに推奨しました。
ゴミの分別による意識啓発
電通では、社内各フロアのゴミ収集場所を「エコ・カウンター」と称してゴミの分別ルールおよびリサイクル分別チャートの掲示による意識啓発を行っています。
社内で出るゴミを、再生できるものと再生できないもの、危険物(電池、カッターナイフの刃など)に色分けして、廃棄方法について細かくルールを定めています。
