【調査概要】 電通ジャパンブランド調査は、2011年の東日本大震災で日本の農水産物や訪日観光に風評被害が発生した際、日本発の製品やサービスが世界でどのように評価されているかを把握することを目的に開始された、電通独自の大規模海外消費者調査です。対象国・地域は、日本の主要な輸出先および訪日観光の上位送客元を網羅しており、現地在住の20〜50代の中間所得層以上の生活者を対象としています。
【ジャパンブランドの定義】 本調査において「ジャパンブランド」とは、特定の企業や製品ブランドに限定せず、訪日観光、地方創生、和食、日本産品、カルチャー、コンテンツ、さらには価値観やライフスタイルに至るまで、日本に関連するモノやコト全般を包括的に捉えた概念として定義しています。
調査アーカイブ | プロジェクト概要 | ハイライト | チャート | 思考のヒント
プロジェクト概要
2022年には、全社横断の知見共創プロジェクトの立ち上げを機に、調査設計および分析アプローチを再構築し、一般生活者の行動や意識をより深く理解するための体系的ナレッジ基盤へと大きく進化しました。
【進化① 調査設計の再構築】 日本製品・サービスやインバウンドカテゴリーの充実に加え、企業・商品ブランドの関連指標、情報源、ビジネストレンド、社会課題、総合魅力度(居住・就労・留学等)、さらには、ウェルビーイング、サステナビリティ、メンタルヘルスなど、一般生活者の行動・意識・背景文脈を重層的に捉える、多層構造の調査設計へと進化。
【進化② 高解像度アプローチ】 長年にわたり蓄積してきた実践型消費者知見をもとに、海外生活者の気持ちと行動を100を超える切り口・セグメントで捉えることで解像度を飛躍的に向上。各市場におけるトレンドや生活者像を、より多面的に描き出すことが可能になりました。
【進化③ ナレッジポートフォリオ】 調査データに基づく多様なアウトプットを用途別に開発し、幅広いステークホルダーの期待に応えるナレッジポートフォリオの構築を着実に進めています。ロジックとファクトに裏打ちされた知性を礎としつつ、クリエイティビティを引き出す感性からもインスピレーションを得る――そのようなバランスの取れたナレッジ基盤を活かし、さまざまな意思決定に資する取り組みを深化させていきます。
注1) | 本調査レポートおよびウェブサイトからの情報発信における対象国・地域の名称表記は、従来からの日本政府の見解、日本の社会通念やビジネス慣習に沿ったものです。 |
注2) | 本調査の図表作成において、分析対象となる国・地域名は一部例外を除き、国際基準ISOカントリーコード(ISO 3166-1 alpha-2)を使用しています。 |
アメリカ/US、カナダ/CA、オーストラリア/AU、イギリス/UK、ドイツ/DE、フランス/FR、イタリア/IT、スペイン/ES、サウジアラビア/SA、インド/IN、インドネシア/ID、シンガポール/SG、マレーシア/MY、フィリピン/PH、タイ/TH、ベトナム/VN、中国本土/CN、香港/HK、台湾/TW、韓国/KR | |
注3) | 本調査における国・地域の名称表記は、統計上または分析上の便宜を目的としており、いかなる政治的立場や見解を示すものではありません。 |
注4) | 本調査で使用した地図(世界地図および日本地図)は分析内容やページのレイアウトに合わせて一部加工・トリミングを行っており、必ずしも国境線および国土範囲を正確に反映したものとは限りません。 |
ハイライト
2025年には、調査開始から15周年という節目を迎えるにあたり、本調査史上最大規模となる定量調査を実施しました。調査は、20の国・地域、20を超える産業分野、10を超えるテーマを網羅し、これまで以上に多角的かつ実践的なインサイトの獲得が可能です。また、ナレッジポートフォリオの方針に基づき、ステークホルダーをはじめとする社会全体に向けた知見発信の体系化を進めるとともに、最先端のデータ可視化によるユーザー体験の向上に資する取り組みも積極的に展開しています。

チャート
ジャパンブランド調査で蓄積してきた膨大なデータを、洗練されたチャート形式でお届けしています。「ロジカル×クリエイティビティ」の統合を追求し、一枚一枚のチャートから何らかの示唆を得ていただけるよう工夫を凝らしています。日々の業務における意思決定や、生活者としての知的好奇心を刺激する、そんなきっかけとなることを目指しています。
思考のヒント
企業活動も、消費者行動も、経済学的合理性だけでは語りきれません。本調査のデータは、さまざまな業界・領域を担当する電通のプランナーたちによって、多角的に読み解かれています。マーケティングの実務経験、歴史や哲学に根ざした人文知、現地駐在を通じて得られた体感的な知見、海外出身者ならではの相対化の視点、業界・企業・商材を横断的に見てきたことによるラテラルシンキングなど。単なる調査レポートの枠を超えた集合知として、毎年「記事リレー」という形で、当社の情報メディア「ウェブ電通報」にて定期的に発信しています。
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現在地
高まる期待、訪日の契機となる要因、広がる関心の対象、地方の課題、際立つ和食の力、日本の魅力に潜む温度差、そして「働く国」としての日本。いま世界が見ているジャパンブランドの輪郭を浮き彫りにする
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日本食
古今東西の文化的つながりと統計的ファクトから読み解く、「食」の意義と日本の可能性。日本料理、日本の食材、そしてうま味、グローバルな視点でその本質に迫る
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プロダクト
ロゴス・エトス・パトス、鳥の目と虫の目、彼を知り己を知れば百戦殆うからず、そして無知の知。時代を超えて受け継がれる哲学思考のフレームを軸に日本製品を読み解く
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インバウンド
訪日観光への期待や関心は、どのような変遷をたどってきたのか。過去の調査データを紐解くことで、インバウンドを通じた「ジャパンブランド」の歩みが見えてくる。世界が日本に抱いてきた印象を再確認し、次なる戦略のヒントを探る
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地方創生
地方の魅力を届けるために、発信の優先順位は「4つのU」から見えてくる:Untouched(手つかず)、Unknown(未知)、Unobtainable(入手困難)、Unclear(不明瞭)
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現地事情
シンガポール、タイ、中国の和食事情を軸に、ジャパンブランドの可能性を探るAdvertising Week Asia 2024のパネルディスカッション。海外生活経験者ならではの視点が光る、「ありそうでなかった」スペシャルセッション
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シームレス化
リピート率の高い東アジアの生活者にとって、訪日観光はもはや「海外旅行」ではなく、「もう一つの国内旅行」と言える。自国と日本を一体のマーケットとして捉える視点こそ、これからの戦略に求められている
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ジャパンファン
「なぜ日本へ?」「日本の何に惹かれているか?」――その問いは、常に立ち止まって考えるべき原点である。ときには、過去を振り返ることも未来をひらく鍵に。パンデミック直前年度のデータをいま改めて紐解く
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持続可能な未来
需要の集中、時期の集中、急激な環境変化、不確実性が増す世界情勢――往々にして予測は困難である。企業・社会が直面する課題解決の手がかりを探索するしかない
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株式会社電通 ジャパンブランドプロジェクトチーム
japanbrand@dentsu.co.jp