発見!バイタリティの高い人は、仕事の始め方・終え方・振り返り方に特徴あり

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)は、会社で健康的に働くためのカギを探るため、多様な規模・業種の会社員5,000人を対象に「全国会社員バイタリティ調査2019」(以下、本調査)を実施しました。

電通では、イキイキと前向きに仕事や生活ができている(=バイタリティが高い)状態を指標化・可視化する「バイタリティスコア」を独自開発し、仕事のパフォーマンスやストレスと相関する指標として、2018年7月から社内での運用を継続してきました。
本調査では、調査対象者をバイタリティスコアの結果の高さによって3段階に分け、高い人と低い人を比較して分析を行いました。その結果、バイタリティの高い会社員には一日の仕事の始め方、終え方と振り返り方に特徴があることが分かりました。
本リリースでは、本調査にて発見したバイタリティに関連する要素として、1.仕事の始め方・終え方、2.仕事の振り返り行動に加え、3.上司と部下のコミュニケーション、4.上司のアンガーマネジメント、の4つの視点からご紹介します。


1.バイタリティの高い人は、一日の仕事の始め方と終え方に特徴あり

● 仕事の始め方
一日をイキイキと過ごすための仕事のスタートの秘訣は、「挨拶」と「タスク整理」。「すぐに仕事に取り掛かる」人は、逆にバイタリティが低い傾向にありました。すぐに仕事を始めるのではなく、まずは社員同士で挨拶をし、一日のタスクを整理してから仕事に取り掛かることなどの習慣が、バイタリティの高さと関係することが分かりました(図1参照)。

<図1:バイタリティと「仕事の始め方」の関係>※差分降順/%は四捨五入


● 仕事の終え方
仕事の終え方によっても、バイタリティに差が出ることが見受けられました。時間に追われただ帰る毎日を繰り返している人はバイタリティが低い傾向にあり、「片づけ・整理」「作業の計画立て」をして一日の仕事を終えることが、バイタリティの高さと関係すると分かりました(図2参照)。

<図2:バイタリティと「仕事の終え方」の関係>※差分降順/%は四捨五入


2.仕事についての振り返りを習慣化することが、バイタリティに関係する

● 仕事の振り返り行動
自分の仕事を定期的に振り返る行動を取ることも、バイタリティと強く関連していることが分かりました。振り返り行動を「毎日」や「1週間に1日くらい」のペースで習慣化することが、バイタリティの高さに関係するようです(図3参照)。
その方法についても、「一人で頭の中で」振り返るだけでなく、人との「会話で」振り返ったり、「業務日誌・日報に書く」「個人的な日記・メモを書く」といった、具体的なアウトプットを行うことが、よりバイタリティに関連するという興味深い示唆が得られました(図4参照)。

<図3:バイタリティと「仕事の振り返り習慣有無・頻度」の関係>


<図4:バイタリティと「仕事の振り返り方」の関係>※差分降順/%は四捨五入



3.部下の満足度を高める面談会話量の黄金比率は「上司2:部下8」

● 部下の面談満足度が高い会話比率
1 on 1などの面談(評価面談は含めない)において、「上司:部下」の会話量比率が、その面談の満足度と強く関連していることが分かりました。部下の立場の会社員の満足度が最も高かったのが、「上司2:部下8」。概ね「上司2~6:部下8~4」の範囲で満足度が高い水準となりました。上司の立場として伝えたい話が多くなりがちでも、できるだけ部下の発言を引き出し、部下の方が多く話すことを意識して面談を行うことが重要であると判明しました(図5参照)。

<図5:部下の面談満足度と会話量の関係>※%は四捨五入
n=部下3694(上司にあたる人がいる かつ 上司との1対1の面談制度がある職場にいる会社員)


● 部下のバイタリティの高さに関連する上司の行動
また、バイタリティの高い会社員の上司は、総じて「部下とのコミュニケーションをよくとれている」傾向にありました。面談以外でも、いつでも会話をしやすい関係構築が、部下のバイタリティを高く保つことに役立っているようです(図6参照)。

<図6:部下のバイタリティの高さに関連する上司の行動特徴>


4.上司としてのアンガーマネジメントは、上司自身のバイタリティに影響。
  怒りは溜めこまない。ただしむやみにぶつけず、一拍置いて意見を伝えよう

● 部下への怒りの対処法について
上司の立場にいる会社員が、自身のバイタリティを保つにあたっての重要なファクターのひとつに、アンガーマネジメントがあります。部下との関わりの中で、いら立ちや怒りを覚える瞬間が発生した際、その対応の仕方が上司自身のバイタリティに関連することが分かりました。
バイタリティが高い上司は、「原因を分析して解決策を考える」「本人に時間を置いてから冷静に不満や意見を伝える」といった対処をしており、部下との関係を壊さずに怒りを昇華していることがうかがえます。一方、バイタリティを最も阻害するのは「何もせず自分で我慢する」こと。怒りは溜めこまずにアウトプットすること、とはいえむやみに人やものにあたるのではなく、問題を咀嚼し一拍置いて意見を伝えることの有用性が示唆されました。

<図7:バイタリティと「部下への怒りの対処法」の関係>※差分降順/%は四捨五入
 n=職場で部下に対して怒りを感じることがある会社員 1150


【本リリースに登場するワードの定義】
 「バイタリティスコア」...下記10個の設問(6段階単一回答)の合計値で測定
 「バイタリティ高い会社員」...本調査におけるバイタリティスコアが45~60点(出現率15.6%)
 「バイタリティ中の会社員」...本調査におけるバイタリティスコアが35~44点(出現率31.7%)
 「バイタリティ低い会社員」...本調査におけるバイタリティスコアが10~34点(出現率52.7%)

<バイタリティスコアを測定する10個の設問>
①  【睡眠】最近、睡眠状態はどうですか?
②  【笑顔】最近、笑っていますか?
③  【満足】最近、毎日の生活満足度は、どうですか?
④  【夢中】最近、仕事で夢中になることはありますか?
⑤  【思いやり】最近、職場で思いやりをもって接していますか?
⑥  【人間関係】最近、職場や仕事の人間関係は、どうですか?
⑦  【意義】最近、仕事のやりがいはありますか?
⑧  【成長実感】最近、仕事で自分の成長実感はありますか?
⑨  【責任達成】最近、仕事で自分の責任を果たせたと感じる機会はありますか?
⑩  【主体性】最近、自ら仕事を創り出していると思いますか?

とても良い状態やあてはまる状態を「笑顔」マーク、とても悪い状態や全くあてはまらない状態を「泣き顔」マークとして、6段階から近いと思う表情を一つだけ選択:
 
【全国会社員バイタリティ調査2019概要】
・調査時期:2019年9月6日(金)~9月10日(火)
・調査手法:インターネット調査
・調査機関:株式会社電通マクロミルインサイト
・調査対象:全国男女20~60代 合計5,000名の会社員個人
      社員数50名以上の会社に所属
      平成30年労働力調査(総務省統計局)に基づき、有職者の性年代構成比で割付

以上

このページに関する
お問い合わせ先

【リリースに関する問い合わせ先】
 株式会社電通 広報局 広報部
        山口、宮田  TEL:03-6216-8041