日米ともに6月中旬以降からの感染の広がりに混乱・動揺を感じる層が増加。
日本では感染の再拡大により「できる限り外出しないようになった」人が約3割。

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:五十嵐 博)は、2020年8月中旬、全国20~69歳の男女1,000名を対象に「COVID-19生活者意識ナビゲーター(第7回日米比較編)」を実施しました。
本調査は、(株)電通グループの海外連結子会社で米国事業を統括するDentsu Aegis Network US Holdings, Inc.が米国において、新型コロナウイルスによる生活者意識の変化を今年3月下旬から8月にかけて11回にわたり調査したものと同じ内容を日本国内でも調査したものです。前回の7 月上旬に引き続き、日本での第7回目の調査を8月中旬(国内の1日あたりの感染者数が1千人を超えるなかで迎えたお盆・夏季休暇のタイミングで実施)に行いました。比較対象である米国の第11回目は8月上旬(1日あたりの新規感染者数が7万人を超えていた7月中下旬を過ぎ、感染者数が減少傾向にあった頃)に調査を行ったものです。

第7回調査の主なファインディングスは以下の通りです。なお、一部の調査項目は情勢を鑑みながら追加・変更を行っているため、設問によっては比較可能な項目がある回との比較を行っております。また、日本では今後10月まで月に一度、定期的に調査を実施し、その結果を随時お知らせしてまいります。

<主なファインディングス>
1. 生活者の心理は、感染者数拡大を受け日米ともにステージ1「混乱・動揺」が増大。日本は2割弱、米国は3割弱がステージ1の心理状態にあり4月頃のスコアに近似。米国は6月初旬からステージ1が増加し、過去最も高い結果に。
2. 生活者の感情は、全ての項目で前回よりネガティブ寄りに。中でも「孤独」が過去最も高い結果に。また、複数の項目で過去2番目にネガティブな感情が強い結果となった。
3. 日米ともに生活者の最大の懸念は「国内景気」。日本では自身や家族・知人の感染への懸念が増加し、感染数がやや減少した米国では感染への懸念が減少した。
4. 日米ともに外出時に感染の危険性を感じる割合は増加傾向。日本では85%が外出時に感染の危険を感じると回答し過去最高値。米国の57%を大きく上回る結果に。
5. 日本では感染者数が再び増加したことを受けて、「できる限り外出をしないようになった」人が約3割。「外出時に注意を払うようになった」と回答した人も50%と意識に変化がみられる。
6. ワクチン接種は、米国では接種可能になったら「いち早く接種したい」が3割なのに対し、日本では1割と慎重な姿勢がみられた。

<詳細結果>
1. 生活者の心理は、感染者数拡大を受け日米ともにステージ1「混乱・動揺」が増大。日本は2割弱、米国は3割弱がステージ1の心理状態にあり4月頃のスコアに近似。米国は6月初旬からステージ1が増加し、過去最も高い結果に。
・新型コロナウイルスの影響下における生活者の心理変容を5つのステージで捉えて傾向を把握。
・日本はステージ1「混乱・動揺」の割合が前回から6ポイント増加し、ステージ3「順応・適応」以降の合計も11ポイント低下。
・米国も前回調査時と比べてステージ1「混乱・動揺」が4ポイント増えて29%となり、日本の18%を大きく上回る。

(図表1)生活者の心理ステージ

質問:新型コロナウイルスの感染拡大のような公衆衛生上の危機に面した時、人々の気持ちの変化にはいくつかの 「ステージ」があると言われています。今回の新型コロナウイルスの感染拡大があなたの日常生活にどのような影響を与えたかを考えていただき、現在のあなたの状況に最も当てはまるものを1つお選びください。
出典:社会心理学の「キューブラ=ロスモデル」から着想を得て、COVID-19での心理変容に置き換えて定義。ステージ文言などは電通オリジナルで作成。

2. 生活者の感情は、全ての項目で前回よりネガティブ寄りに。中でも「孤独」が過去最も高い結果に。また、複数の項目で過去2番目にネガティブな感情が強い結果となった。
・全体的にネガティブ寄りに推移。「孤独」が過去で最も高く、また「ストレスを感じる」が他項目と比べて引き続き高い結果となった。
・「時間を持て余している」の項目以外は、4月下旬に行った第1回調査に次いで過去2番目にネガティブな感情にシフトしている。

(図表2)生活者の感情

質問:新型コロナウイルスが拡がりを見せる中であなたが感じているものを、それぞれお選びください。
※「状況に圧倒されている/自分のペースを保てている」は第2回、「周囲への怒り/感謝の気持ち」は第3回から聴取
※第5回目調査以降、本設問は日本でのみ調査。

3. 日米ともに生活者の最大の懸念は「国内景気」。日本では自身や家族・知人の感染への懸念が増加し、感染がやや減少した米国では感染への懸念が減少した。
・日本では自分自身の感染(48%→51%)周囲の人の感染(48%→51%)に対しての懸念が前回に続いて上昇したのに対し、米国では自分(40%→35%)や周囲の人の感染(43%→40%)への懸念は減少。
・米国は「休業や廃業」「新たな職探し」「現在の仕事の継続」など、仕事の懸念も減少傾向。

(図表3)生活者の懸念事項

質問:現在、気になっていることは何ですか。該当するものをすべてお選びください。

4. 日米ともに外出時に感染の危険性を感じる割合は増加傾向。日本では85%が外出時に感染の危険を感じると回答し過去最高値。米国の57%を大きく上回る結果に。
・日本は6月上旬以降、外出時に感染の危険性を感じる人が増加。85%が外出時に感染の危険を感じると回答。米国も前回より4ポイント増え57%が危険を感じると回答。

(図表4)外出時に感じる危険性

質問:現在、外出する際、新型コロナウイルスの感染についてどの程度危険を感じますか。

5. 日本では感染者数が再び増加したことを受けて、「できる限り外出をしないようになった」人が約3割。「外出時に注意を払うようになった」と回答した人も50%と意識に変化がみられる。
・「できる限り外出をしないようになった」が28%。「外出時に注意を払うようになった」人も5割におよぶ。
・感染拡大は「外出することに影響はない」とする人は20%となった。

(図表5)感染の再拡大による意識・行動変化

質問:6月下旬から、感染者数が再び増加しています。それを受け、あなたの意識や行動はどのように変化しましたか。最もあてはまるものをお選びください。

6. ワクチン接種は、米国では接種可能になったら「いち早く接種したい」が3割なのに対し、日本では1割と慎重な姿勢がみられた。
・日本では他の人が接種してから/完全に立証されてからの接種意向が80%と高い結果となった。

(図表6)新型コロナウイルスのワクチンの接種時期

質問:新型コロナウィルスのワクチン接種が可能になった時、あなたはいつ頃接種したいですか?

<日本での調査概要>
タイトル: COVID-19生活者意識ナビゲーター
調査手法: インターネット調査
調査時期: 第1回:2020年4月23~24日、第2回:2020年5月11~13日、
      第3回:2020年5月28~31日、第4回:2020年6月 9~11日
      第5回:2020年6月24~26日、第6回:2020年7月 8~10日
      第7回:2020年8月13~16日
エリア : 全国
対象者 : 全国20~69歳の男女1,000名
調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など
調査実施: 株式会社電通

<米国での調査概要>
タイトル: COVID Crisis Navigator
調査手法: インターネット調査
調査時期: 第1回:2020年3月27~29日、第2回:2020年4月3~4日、
      第3回:2020年4月9~12日、 第4回:2020年4月17~18日
      第5回:2020年4月 24日、 第6回:2020年5月8日
      第7回:2020年5月22日、 第8回:2020年6月5日
      第9回:2020年6月19日、 第10回:2020年7月10日
      第11回:2020年8月7日
エリア : 全米
対象者 : 全米18~64歳の男女1,000名
調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など
調査実施: Dentsu Aegis Network US Holdings, Inc.

<参考:米国と日本における新型コロナウイルス関連トピックと調査実施タイミング>
【米国】
第1回:アメリカにおける感染者数が世界最多を記録した直後に実施
第2回:失業保険申請数が増加するなど景気経済への影響が顕在化してきた中での実施
第3回:新規感染者数や死者数が継続して高く推移している中での実施
第4回:事態が長期化している中での実施
第5回:一部の州での経済活動の再開などが報じられ始めたタイミングで実施
第6回:多くの州で一部の経済活動を部分的に再開した中での調査
第7回:50の州全てで経済が再開。一方、失業率が高い水準のタイミングでの調査実施
第8回:人種差別への抗議運動が広がり、コロナでも多数がデモに集結していた中で実施
第9回:複数の州で新規感染者数の最多記録が更新され、第二波への懸念が高まる中での調査
第10回:累計感染者数が300万人を超え、依然として失業率が高止まりしている時期に調査
第11回: 7月中旬~後半にかけて新規感染者数が7万人を超えピークを迎えた後、落ち着きを見せ始めた中での調査

【日本】
第1回:緊急事態宣言が対象地域を全国に拡大(4/16)して1週間が経過した中での実施
第2回:ゴールデンウィーク / ステイホーム週間が明け、感染者数が3月末以降初めて100人を下回った中での実施
第3回:全国で緊急事態宣言が解除された数日後の調査
第4回:全国で緊急事態宣言が解除されてから2週間後。東京アラートが解除されるまでのタイミングで実施
第5回:都内ホストクラブでのクラスタ発生を中心に、感染者が再び増加してきた中での実施
第6回:東京都を中心に感染者数が大幅に増加し、都外への外出自粛が要請された中での実施
第7回:国内の感染者数が1,000人を超え、各地で感染が拡がる中迎えたお盆・夏季休暇中での実施

<参考:その他の主なファインディングス>
(ア)新型コロナウイルスに対する心配レベル
・日本では「非常に心配している」人の割合が3ポイント増加し、5月上旬と同じ、4月下旬に次ぐ過去2番目に高い水準に。米国では「非常に心配している」割合は、日本よりも高く36%。

(図表7)新型コロナウイルスに対する心配レベル

質問:現在、あなたは 新型コロナウイルスの感染拡大に関してどの程度心配していますか?

イ)地域における経済活動の再開状況
・「経済活動が再開しているとは言い難い」が前回より8ポイント増え25%となり、5月下旬以降で過去最も高い水準となった。

(図表8)地域における経済活動の再開状況

質問:お住まいの地域における経済活動の再開の状況について、以下の選択肢の中から、最もあてはまるものをお選びください。

(ウ)感染者がさらに拡大した際の対応の考え
・感染者数がさらに増加した場合、「再び自粛要請や規制」を求める人が日米ともに7割前後と高く、自粛要請や規制を行うべきではないを上回る。

(図表9)感染者がさらに拡大した際の対応の考え

質問:今後、感染者数がさらに増加に転じた場合の対応として、あなたの考えにあてはまるものをお選びください。


(エ)新型コロナウイルスのワクチンの効果や安全性 
・日本において「信用できる」は1割弱に留まり、米国よりも懸念を抱く人が多い。 

(図表10)新型コロナウイルスのワクチンの効果や安全性

質問:新型コロナウイルスのワクチンが開発され、接種可能になった場合、その効果や安全性について、あなたの考えをお答えください。


(オ)「通常の生活に戻る」と思う時期

・日本では通常の生活に戻る時期を「年末年始頃」と回答した人が15%、「来年夏頃」が51%と長期化を予想。

(図表11)「通常の生活に戻る」と思う時期

質問:新型コロナウイルスが落ち着き、通常の生活に戻るのはいつ頃だと思いますか。以下の選択肢からお選びください。

以上

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