物価高騰・食品価格の値上げの影響を受け「食費を節約中と節約予定」の人の合計は約4割に

 株式会社電通(本社:東京都港区、社長:榑谷 典洋)において、日本の食生活の「今」を知り、「これから」を共創していく国内電通グループ横断プロジェクト「食生活ラボ」は、全国15~79歳の男女計1300人を対象に、「食生活に関する生活者調査」(以下「本調査」)を実施しました。


 本調査は、新型コロナウイルス感染症拡大や、物価高騰の影響などの社会的な潮流を踏まえ、日本の食生活における生活者の意識や実態、満足度、トレンドなどを把握するために行いました。本調査で得られた主なファインディングスは次のとおりです。


【主なファインディングス】
① 物価高騰・食品価格の値上げを理由に、食費を節約している人は約2割(21.1%)、今後節約を考えている人と合わせると全体の約4割(42.0%)に。また、値上げに関係なく節約している人を加えると4人に3人(76.8%)が食費の節約を意識している。

② コロナ禍で外食しない生活が続いた影響で「以前よりも外食にお金を使わなくなった」と回答した人は約7割(69.7%)に。

③ 4人に3人(73.6%)が「食生活の満足度が幸せに関係がある」と回答。年齢が上がると、食事の満足度が幸福度に関係があると回答した人の割合は高くなる傾向に。

④ 食品ロス問題は解決すべきだと考えている人は約8割(82.8%)。関心の高さに加え、3人に2人(66.1%)が食品ロス対策を意識して行動に移している。

⑤ 約8割(81.6%)の人がこれからの世界の食糧難を心配。日本の食糧難に対して不安を持っている人も約8割(78.8%)と、食糧問題に多くの人が関心を持っていることがわかった。

注)本調査における構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。

【各ファインディングスの詳細】

① 物価高騰・食品価格の値上げを理由に、食費を節約している人は約2割(21.1%)、今後節約を考えている人と合わせると全体の約4割(42.0%)に。また、値上げに関係なく節約している人を加えると4人に3人(76.8%)が食費の節約を意識している。

● 物価高騰・食品価格の値上げを理由に食費を節約している人(21.1%)と値上げで今後の節約を考えている人(20.9%)の合計は、全体の約4割(42.0%)を占めた。さらに、値上げに関わらずもともと節約している人(34.8%)を加えると、4人に3人(76.8%)が食費の節約を意識している。【図表1】

● 値上げにより節約志向は強くなっているものの、約半数(47.5%)は「値上げがあっても食べたいものはガマンしない」と回答(「Bに近い」「どちらかというとBに近い」の合計)。【図表2】

● 値上げをしたら節約したいものは、「レトルト食品やインスタント食品」(51.8%)、「テイクアウトや総菜、弁当」(49.2%)、「冷凍食品」(49.0%)などが上位。【図表3】逆に、値上げをしてもこれまでと同じくらいお金をかけたいものは「肉や魚、野菜などの生鮮食材」(48.3%)、「記念日など特別な日の家での食事」(47.7%)、「塩、しょうゆ、みそなどの調味料」(47.2%)などが高かった。【図表4】食品のカテゴリーや食事のシチュエーションごとの支出に優先順位をつけることで、食生活の全体的な満足度は下げたくないという傾向がみられた。

【図表1】Q. 物価高騰・食品価格の値上げが起きている中で、あなたの消費意識・行動にあてはまるものをお知らせください。(n:1300)
画像1.png

【図表2】Q. この1~2年のあなたの食生活の傾向や実態、食事に対する意識として、A⇔Bのどちらに近いですか。それぞれ、あてはまるものをお知らせください。(n:1300)
画像2.png

【図表3】Q. 物価高騰・食品価格の値上げが起きている中で、あなたの消費意識・行動にあてはまるものをそれぞれお知らせください。「値上げをしたら、これまでよりはお金をかけたくない・節約したい」(n:1300)
画像3.png

※上位10項目を抽出して掲載

【図表4】Q.「値上げをしても、これまでと同じくらいお金をかけたい・買いたい」(n:1300)
画像4.png

※上位10項目を抽出して掲載

② コロナ禍で外食しない生活が続いた影響で「以前よりも外食にお金を使わなくなった」と回答した人は約7割(69.7%)に。

● コロナ禍で外食しない生活が続いたため、「以前よりも外食にお金を使わなくなった」(「Bに近い」「どちらかというとBに近い」の合計)と回答した人は約7割(69.7%)に。【図表5】また、コロナ禍で外食できなかった反動で、「外食に行きたい気持ちが強くなった」(「Aに近い」「どちらかというとAに近い」の合計)と回答した人(48.8%)と、「外食にあまり行きたいと思わなくなった」(「Bに近い」「どちらかというとBに近い」の合計)と回答した人(51.2%)の割合は、ほぼ同数となった。【図表6】

● リモート飲み会やリモート会食と称した自宅からオンラインで参加する会食スタイルはコロナ禍で一気に広まったが、会食においては約8割(78.2%)の人が「飲食店でリアルに参加する方が好き」(「Aに近い」「どちらかというとAに近い」の合計)と回答した。一方、若い世代では「会食はオンラインで自宅から参加するほうが好き」(「Bに近い」「どちらかというとBに近い」の合計)と回答した人が多く、最も高い20代では3人に1人(35.5%)の割合となった。【図表7】

【図表5】Q. この1~2年のあなたの食生活の傾向や実態、食事に対する意識として、A⇔Bのどちらに近いですか。それぞれ、あてはまるものをお知らせください。(n:1300)
画像5.png
【図表6】Q. 新型コロナウイルスが感染拡大する前の2019年頃と比べた場合の食生活や気持ちの変化について、お知らせください。(n:1300)
画像6.png
【図表7】Q. この1~2年のあなたの食生活の傾向や実態、食事に対する意識として、A⇔Bのどちらに近いですか。それぞれ、あてはまるものをお知らせください。(n:1300)
画像7.png

③ 4人に3人(73.6%)が「食生活の満足度が幸せに関係がある」と回答。年齢が上がると、食事の満足度が幸福度に関係があると回答した人の割合は高くなる傾向に。

● 食生活の満足度と幸福度の関係について、4人に3人(73.6%)が「食生活の満足度が幸せに関係がある」(「とても関係がある」「まあ関係がある」の合計)と回答。「食生活の満足度が幸せに関係がある」と回答した人の割合は、男女ともに20代が最も低く、年齢が上がると高くなる傾向にある。【図表8】

● 食生活の実態として3人に2人(65.1%)が「多少健康に悪くても、食べたいものを食べたい」(「Aに近い」「どちらかというとAに近い」の合計)と回答。【図表9】

【図表8】Q. あなたの食生活の満足度は、あなたの幸せにどのくらい関係があると思いますか。あてはまるものを1つお選びください。(n:1300)
画像8.png【図表9】Q. あなたの食生活の傾向や実態、食事に対する意識はA⇔Bのどちらに近いですか。それぞれ、あてはまるものをお知らせください。(n:1300)
画像9.png
④ 食品ロス問題は解決すべきだと考えている人は約8割(82.8%)。関心の高さに加え、3人に2人(66.1%)が食品ロス対策を意識して行動に移している。

● 食品ロス問題は解決すべきだと考えている人(「Aに近い」「どちらかというとAに近い」の合計)は約8割(82.8%)。【図表10】食品ロス対策を意識して行動している人(「Aに近い」「どちらかというとAに近い」の合計)も6割を超え、食品ロス問題への関心の高さに加え、3人に2人(66.1%)がなんらかの行動に移していることがわかった。【図表11】

● 食材選択においては、約半数(47.3%)の人が「環境に配慮して作られた食べものを選んでいる」(「Aに近い」「どちらかというとAに近い」の合計)と回答。【図表12】約8割(78.6%)の人が、「見ばえや形の悪い野菜も気にせずに買う」(「Aに近い」「どちらかというとAに近い」の合計)と回答。【図表13】

● 普段料理をする人が料理をするうえで大事にしていることは、「自分の好み」(40.7%)や「栄養バランス」(36.7%)よりも、「食材を無駄にしない」(46.9%)が 最も高く、「食べきれる量」(39.0%)や「食材の使い切り」(36.9%)も高かった。【図表14】食品ロス問題に関心を持つ人は多く、日々の食材選択や料理におけるサステナビリティ意識の高さがうかがえる。

【図表10】Q. あなたの食生活の傾向や実態、食事に対する意識はA⇔Bのどちらに近いですか。それぞれ、あてはまるものをお知らせください。(n:1300)
画像10.png

【図表11】Q. あなたの食生活の傾向や実態、食事に対する意識はA⇔Bのどちらに近いですか。それぞれ、あてはまるものをお知らせください。(n:1300)
画像11.png

【図表12】Q. あなたの食生活の傾向や実態、食事に対する意識はA⇔Bのどちらに近いですか。それぞれ、あてはまるものをお知らせください。(n:1300)
画像12.png【図表13】Q. あなたの食生活の傾向や実態、食事に対する意識はA⇔Bのどちらに近いですか。それぞれ、あてはまるものをお知らせください。(n:1300)
画像13.png

【図表14】Q. あなたが料理をするうえで大事なことを、すべてお知らせください。(n:944)


画像14.png


※上位10項目を抽出して掲載
※n数は、料理をする人の数

⑤ 約8割(81.6%)の人がこれからの世界の食糧難を心配。日本の食糧難に対して不安を持っている人も約8割(78.8%)と、食糧問題に多くの人が関心を持っている。

● これからの世界の食糧難を心配している人(「Aに近い」「どちらかというとAに近い」の合計)は約8割(81.6%)。【図表15】日本の食糧難に対して不安を持っている人(「Aに近い」「どちらかというとAに近い」の合計)も約8割(78.8%)と【図表16】、食糧問題に多くの人が関心を持っている。

【図表15】Q. この1~2年のあなたの食生活の傾向や実態、食事に対する意識として、A⇔Bのどちらに近いですか。それぞれ、あてはまるものをお知らせください。(n:1300)
画像15.png

【図表16】Q. この1~2年のあなたの食生活の傾向や実態、食事に対する意識として、A⇔Bのどちらに近いですか。それぞれ、あてはまるものをお知らせください。(n:1300)
2023002-0209_16.jpg

【本調査概要】
・目的:日本の食生活における生活者の意識や実態、満足度、トレンドなどを把握
・対象エリア:全国
・対象者条件:15~79歳の男女
・サンプル数:1300
・調査手法:インターネット調査
・調査期間:2022年9月29日~2022年10月1日
・調査機関:株式会社電通マクロミルインサイト


【電通 食生活ラボ 概要】
1983年に始動した食に関する生活者意識や業界トレンドに関する調査レポートプロジェクトを発展させ、2010年に発足。食生活に関する様々な知見を集積してその専門性を高め、新しい取り組みにチャレンジし続ける国内電通グループ横断プロジェクト。
公式サイト: https://www.shoku-lab.com/

※ 【図表14】のn数に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。(2023年12月19日訂正)
(誤)n:1300
(正)n:944

以上

このページに関する
お問い合わせ先

【リリースに関する問い合わせ先】
株式会社電通コーポレートワン 広報オフィス 電通広報部
               松島、抱井、王
               Email:koho@dentsu.co.jp

【調査に関する問い合わせ先】
株式会社電通 電通 食生活ラボ
       Email:shoku-lab@dentsu.co.jp