AIには「無駄・非効率な業務が減ること」を最も期待

 株式会社電通(本社:東京都港区、社長:榑谷 典洋)は、国内電通グループ横断でAIに関するプロジェクトを推進する「AI MIRAI」のもと、全国15~69歳の生活者3000人を対象に、「AIに関する生活者意識調査」(以下「本調査」、調査期間2023年6月14日~6月21日)を実施しました。

 本調査は、AIに関する認知・期待・不安などの傾向を把握し、AIの普及と関連ビジネスの発展に貢献することを目的に行いました。本調査から得られた主なファインディングスは次のとおりです。

【主なファインディングス】
①生活者は、AIに「無駄・非効率な業務が減ること」を最も期待。特に男性15~19歳は、他の世代と比べAIに対する期待が高い。

②AIに任せてもよい業務は、「翻訳」「ルーティンワーク・単純作業」「組み立て作業」。人間が行った方がよい業務は、「医療処置」「医療診断」「経営などの意思決定」。

③AIが生成したものには、「信頼できる発信元の表記」や「AIによる生成物であることの表記」を義務付けるべきと考える人が半数以上に。

④一般企業従事者の約7割がAIの導入を検討。人手不足対策を目的とした半年以内の導入意向は約3割。

⑤従業員数300人以上の企業では、300人未満の企業に比べて、AIは「業務効率化につながる」「積極的に活用すべき」と考える人が多い。

注)本調査における構成比(%)は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。

【各ファインディングスの詳細】

①生活者は、AIに「無駄・非効率な業務が減ること」を最も期待。特に男性15~19歳は、他の世代と比べAIに対する期待が高い。

  • 生活者のAIへの期待は、「無駄・非効率な業務が減ること」(26.4%)が最も高い。以降は、「AIにより産業・技術革新が進むこと」(20.5%)、「社会課題(環境問題、医療問題、災害対策、交通渋滞、人口問題など)の解決につながること」(17.8%)、「必要な情報を収集してくれること」(17.2%)、「言語の壁を越えいろいろな情報や人とコミュニケーションがとれること」(17.1%)と続く。【図表1】
  • 性年代別では、男性10代(15~19歳)が、各項目で全体平均(15~69歳の男女)を上回った。【図表2】

【図表1】
Q. 昨今のAIに関する出来事やニュースを見聞きして、あなたがAIに期待していることをお知らせください。(複数回答可)(n:3000)

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※上位15項目を抽出して掲載

【図表2】
AIに期待していることの性年代別回答(複数回答可)(n:3000)

2023013-0913_2.jpg※「全体」の上位15項目を抽出して記載

②AIに任せてもよい業務は、「翻訳」「ルーティンワーク・単純作業」「組み立て作業」。人間が行った方がよい業務は、「医療処置」「医療診断」「経営などの意思決定」。

  • AIによる業務の代替が進むと想定したとき、AIに任せてもよいと思う業務は、「翻訳」(42.4%)、「ルーティンワーク・単純作業」(37.7%)、「組み立て作業」(36.3%)などが多い。一方で、AIに任せず、人間がやった方がよいと思う業務は、「医療処置」(40.7%)、「医療診断」(36.7%)、「経営などの意思決定」(30.6%)などが多い。【図表3】

【図表3】
Q. AIによる業務の代替が進んだことを想定して、以下についてお答えください。
「AIに任せてもよいと思う業務」「AIに任せず、人間がやった方がよいと思う業務」(複数回答可)(n:3000)

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③AIが生成したものには、「信頼できる発信元の表記」や「AIによる生成物であることの表記」を義務付けるべきと考える人が半数以上に。

  • AIの活用に関して、「AIが生成したものには、信頼できる発信元からの情報によって生成されたものであることが分かるような表記を義務付けるべきである」(54.9%)、「AIが生成したものには、そのことが分かるような表記を義務付けるべきである」(54.8%)と考える人が半数を超えた。【図表4】

【図表4】
Q. 下記の項目それぞれについて、あなたのお考えをお知らせください。(n:3000)

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④一般企業従事者の約7割がAIの導入を検討。人手不足対策を目的とした半年以内の導入意向は約3割。

  • 一般企業従事者がAI導入(「導入した方がよいと思わない」を除く、「今すぐ」から「それより先の時期」の合計)を考える目的は、「人手不足対策」(73.0%)が最も高く、「コスト対策」(70.1%)、「ビジネスチャンス」(66.6%)と続き、いずれの項目においても約7割に。【図表5】
  • AIの導入時期は、最も意向が高かった「人手不足対策としての導入」(73.0%)では、「今すぐ」(8%)から「半年以内」(5.8%)までの合計が約3割(32.7%)となった。【図表5】

【図表5】
Q. 今後もビジネスシーンにおいてAIの利活用が進んでいくと想定した場合、どのくらいの時期に導入を考えますか。以下の内容について、それぞれあなたの考えに最も近いものをひとつお知らせください。 (n:1080)

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※導入した方がよいと思う:「今すぐ」から「それより先の時期」までの合計
※半年以内の導入:「今すぐ」から「半年以内」までの合計

⑤従業員数300人以上の企業では、300人未満の企業に比べて、AIは「業務効率化につながる」「積極的に活用すべき」と考える人が多い。

  • 従業員数300人以上の企業は、300人未満の企業に比べ、「自社におけるAI導入は、コストというよりも業務効率化や人員対策につながる方が大きいと思う」(従業員数300人以上:51.6%、従業員数300人未満:43.4%)、「AIを活用することで業務効率の向上につながるため、自社業務においても積極的に活用すべきである」(従業員数300人以上:49.5%、従業員数300人未満:37.4%)と考える人が多い。【図表6】

【図表6】
Q. 下記の項目それぞれについて、あなたのお考えをお知らせください。

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※スコアは「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計
※「一般企業従事者」は、職業選択肢において「一般企業経営者」「一般企業役員」「一般企業管理職」「一般企業正社員」のいずれかの項目に回答した人。

【調査概要】
・目的:日本におけるAIの認知・期待・不安などの傾向把握、およびAI普及と関連ビジネスへの貢献。
・対象エリア:日本全国
・対象者条件:15~69歳の男女
・サンプル数:3000(人口構成比にのっとり回収)
       15~19歳(性別ごとに回収、208ss)
       20~69歳(性別・10歳ごとに回収、2792ss)
・調査手法:インターネット調査
・調査期間:2023年6月14日~6月21日
・調査機関:株式会社電通マクロミルインサイト


〈AI MIRAIの概要〉
 2018年設立。最先端のノウハウと社内外ネットワークを結集した、AI特化の国内電通グループ横断プロジェクトチーム。社会や生活者に関する広告会社ならではのインサイト、アイデア、ネットワークを、AIという新しいフィールドに応用。AI・機械学習技術を活用し、マーケティング発想でテクノロジーと社会課題を結びつけるソリューションを展開。

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