国際交流基金の後援で海外展開も視野に

 株式会社電通(本社:東京都港区、社長:五十嵐 博、以下「電通」)の社内ラボ「電通ダイバーシティラボ」のプロジェクト「やさしい日本語ツーリズム研究会」(以下「同研究会」)は、明治大学国際日本学部(キャンパス:東京都中野区、学部長:鈴木 賢志)と協力し、多文化共生・インクルーシブ社会の実現を目指して、「やさしい日本語」をテーマとするラップのミュージック・ビデオ「やさしい せかい」(以下「本楽曲」)を本日公開しました。本楽曲を後援する独立行政法人国際交流基金が、海外の日本語学習者を巻き込んだ動画制作プロジェクトを計画するなど、海外展開も視野に発信していきます。

 やさしい日本語は、海外にルーツがあるなど日本語のコミュニケーションに壁のある人たちにも分かりやすく伝える表現方法の一つです。阪神・淡路大震災の際に通常の日本語では必要な情報を受け取りにくい人がいたことから、情報保障の観点で考案されました。今では災害時のみならず、平時や日本語話者にも効果的なコミュニケーションツールとして注目されており、2020年8月には出入国在留管理庁・文化庁が「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」を公開するなど、日本政府もその普及に力を入れています。

 同研究会は2016年の立ち上げ以来、やさしい日本語の普及に尽力し、2018年からは明治大学国際日本学部・山脇啓造教授との連携を開始しました。山脇教授は「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」策定の有識者会議で座長を務め、同学部の山脇ゼミでユニークな教育活動にも取り組まれています。本楽曲は、同研究会が企画し、山脇ゼミの協力のもとで制作・公開しました。

 本楽曲は、「やさしい日本語」に賛同する方々が自由に歌詞をつけて公開することができます。また、本楽曲を後援する独立行政法人国際交流基金が、今後海外の日本語学習者を巻き込んだ動画制作プロジェクトを計画しています。

 電通は今後も「やさしい日本語」の普及啓発に取り組み、情報保障の観点を含むダイバーシティ&インクルージョンに多角的に取り組んでいきます。


<ミュージック・ビデオ「やさしい せかい」>
作詞: 吉開章(電通ダイバーシティ・ラボ) + 明治大学国際日本学部 山脇啓造ゼミ
作曲: JUN
監督: 小澤雅人(映画『風切羽~かざきりば~』『月光』監督)
制作・著作: 株式会社電通(やさしい日本語ツーリズム研究会)
特別協力: 明治大学国際日本学部
特別協賛: 株式会社BRICK's
後援: 独立行政法人国際交流基金

<明治大学国際日本学部 概要>
設立:2008年4月
所在地:東京都中野区中野4-21-1
学部長:鈴木 賢志
教育特色:世界から注目されている日本文化に対する深い理解と優れた語学力を有し、かつ異文化に対しても柔軟な理解力を兼ね備え、21世紀の地球社会に貢献できる人材を育成。

<やさしい日本語ツーリズム研究会ウェブサイト>
https://yasashii-nihongo-tourism.jp/
※動画も本サイトからリンクされます。

■参考資料:本楽曲の魅力と特徴
 本楽曲は、日本語自体の難しさと日本人とのコミュニケーションの難しさを日常的な場面で示し、やさしい日本語とやさしい気持ちで乗り越えていこうというメッセージを伝えます。

<学生たちの協力で作詞、メジャーアーティストによる作曲、手話ラップバージョンも同時公開>
 本楽曲の作詞には山脇ゼミが参加し、同ゼミ生や外国人留学生が曲を歌い、視覚障害・聴覚障害のある方々も出演しています。また、メジャーアーティストでプロデューサーのクリフエッジJUN氏が作曲したオリジナル音源は、前向きで心地よいサウンドとなっています。
 映像は、ワルシャワ国際映画祭コンペ正式出品作品『月光』や韓国全州国際映画祭でBest Picture Prize(作品賞)を受賞した『風切羽~かざきりば~』を代表作とし、外国人などの人権にかかわる作品も手掛ける新進気鋭の映画監督・小澤雅人氏が、明治大学中野キャンパスをフルに活かした演出で制作しました。
 さらに、やさしい日本語は障害のある人たちにも有効であるとされており、視覚障害・聴覚障害のある方々も出演しています。本編とは別に手話ラップを付けたバージョンも同日公開しました。手話の翻訳とラップを演じたのは手話バンド「こころおと」のボーカル西槇久仁子さんです。

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