エネルギー価格の高騰を実感する生活者は約8割。カーボンニュートラルへの意識にも影響。
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:榑谷 典洋)は、電通グループ横断でサステナビリティに関するプロジェクトを推進する「サステナビリティ推進オフィス」および「電通Team SDGs」を調査主体として、全国10~70代の男女計1400名を対象に、第7回「カーボンニュートラルに関する生活者調査」(以下「本調査」、2022年4月22~23日)を実施しました。なお、本調査は2021年6月発表の第1回調査より継続的に実施しているもので、今回は、ウクライナ情勢に起因する生活者のカーボンニュートラルに対する意識・行動への影響も含めて調査しました。
【調査結果のポイント】
1. 「カーボンニュートラル」の認知※1は59.3%(前回※2から+1.1pt)で、第1回調査から連続して上昇を続けている。また、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの必要性※3は、77.4%の生活者が感じている(前回から+0.1pt)。
2. 「ウクライナ情勢等によるエネルギー資源の価格高騰」の認知は75.1%。また、ウクライナ情勢による日本への影響は「エネルギー関連」が80.1%。ウクライナ情勢に起因したエネルギー資源価格の高騰を、多くの生活者が身近な課題として認識したと考えられる。
3. 「エネルギー価格の高騰を実感している」人は79.2%。これに関連して、カーボンニュートラルの取り組みによる追加コスト許容度は、多くの聴取項目で前回調査からわずかに低下し、特に電気代・水道代・ガソリン代・ガス代等の、エネルギー資源に直結する項目では3~4pt低下した。
4. 「ウクライナ情勢は日本のエネルギー関連に影響がある」と答えた層の約半数は、日頃から国際情勢を意識しており、カーボンニュートラルの取り組みによる追加コスト許容度が相対的に高い傾向がみられた。
注)本調査における構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。
※1:「内容まで知っている」「言葉だけは知っている」と回答した生活者合計数の、全体数に対する割合。
※2:第6回調査(2022年4月12日発表。調査期間2022年1月28~30日)
※3:調査票記載の説明により全回答者がカーボンニュートラルを認知した上で、取り組みの必要性を尋ねる質問に回答しました。
【各ポイントの詳細】
1. 「カーボンニュートラル」の認知は59.3%(前回から+1.1pt)で、第1回調査から連続して上昇を続けている。また、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの必要性は、77.4%の生活者が感じている(前回から+0.1pt)。
【図表1】
Q. 「カーボンニュートラル」「脱炭素」という言葉をどの程度ご存じですか。
【図表2】
Q. カーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいくことは必要だと思いますか。
2. 「ウクライナ情勢等によるエネルギー資源の価格高騰」の認知は75.1%。また、ウクライナ情勢による日本への影響は「エネルギー関連」が80.1%。ウクライナ情勢に起因したエネルギー資源価格の高騰を、多くの生活者が身近な課題として認識したと考えられる。
・ ウクライナ情勢の「エネルギー関連」への影響を感じる人が約8割に対し、「脱炭素に向けた取り組み」への影響を感じる人は約6割で、影響度に認知差がある(図表4)。この認知層は、影響を感じないという層に比べてカーボンニュートラルの取り組みによる追加コスト許容度が低かった(図表5)。
・ ウクライナ情勢をきっかけに多くの生活者がエネルギー問題を身近なリスクとして認識した一方で、「カーボンニュートラルの必要性理解」よりも「カーボンニュートラルによる価格上昇を許容しない」傾向が強まったと考えられる。
【図表3】
Q. ウクライナ情勢等によって、エネルギー資源の価格が高騰していることをご存じですか。
【図表4】
Q. ウクライナ情勢によって、日本にはどの程度影響があると思いますか。
【図表5】
Q. 2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、関連する衣食住や移動等における追加コストは、1か月にどの程度許容できますか。
(基数は現在費用がかかっている人ベース)
3. 「エネルギー価格の高騰を実感している」人は79.2%。これに関連して、カーボンニュートラルの取り組みによる追加コスト許容度は、多くの聴取項目で前回調査からわずかに低下し、特に電気代・水道代・ガソリン代・ガス代等の、エネルギー資源に直結する項目では3~4pt低下した。
【図表6】
Q. 現在、エネルギー価格の高騰を実感していますか。
【図表7】
Q. カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて、追加の費用負担を許容できる項目を選んでください。
(基数は現在費用がかかっている人ベース)
4. 「ウクライナ情勢は日本のエネルギー関連に影響がある」と答えた層の約半数は、日頃から国際情勢を意識しており、カーボンニュートラルの取り組みによる追加コスト許容度が相対的に高い傾向がみられた。
【図表8】
Q. 日頃から国際情勢を気にしていますか。
【図表9】
Q. あなたは、商品購入検討の際に脱炭素・カーボンニュートラルへの配慮度合に応じて、価格差が生まれている場合、価格の高い方を選びますか。
【本調査概要】
・目 的:日本におけるカーボンニュートラルに関する「認知・理解」や「興味・関心」などについての現状を把握した上で、今後の浸透策を検討していくため。
・対象エリア:日本全国
・対象者条件:10~70代の男女
・サンプル数:性年代各100名ずつ、計1400名
・調 査 手 法:インターネット調査
・調 査 期 間:2022年4月22日~4月23日
・調 査 機 関:株式会社電通マクロミルインサイト
※本調査では人口構成比に合わせてウエイトバック集計を実施。報告書の「%」はウエイトバック後のスコア、「n」はウエイトバック前(回収時)のサンプル数を掲載。
(参考)
・第1回調査(2021年6月9日発表。調査期間2021年4月2〜4日):
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/0609-010388.html
・第2回調査(2021年8月12日発表。調査期間2021年6月9〜10日):
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/0812-010426.html
・第3回調査(2021年10月21日発表。調査期間2021年9月3〜5日):
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/1021-010453.html
・第4回調査(2021年12月9日発表。調査期間2021年10月15〜17日):
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/1209-010474.html
・第5回調査(2022年1月20日発表。調査期間2021年11月19〜21日):
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/0120-010494.html
・第6回調査(2022年4月12日発表。調査期間2022年1月28〜30日):
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/0412-010511.html
以上
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