衛星メディア関連

2010年の衛星メディア関連広告費は784億円、前年比110.6%と推定される。
BS放送は、前年比110.6%。デジタルテレビの好調な出荷による視聴可能世帯の増加と、巨人戦ナイターなどの番組の増加や、地上波テレビと異なるM2・F2以上の視聴者向けの番組編成強化による視聴接触率の向上で、これらの視聴者を対象に訴求する大手クライアント(消費財ハイエンド商品、耐久財、サービス)の新規出稿や出稿額の拡大を促進した。加えて通販広告の出稿が引き続き好調に推移した。
CS放送は、前年比108.6%。景気の緩やかな回復傾向と3波共用受信機の普及による有料放送サービスの認知向上、広告主側の有料放送契約者評価、サッカーワールドカップ効果などにより、2009年の前年割れから一転して増加となった。通販(健康食品関連)などが引き続き恒常的に増加しているほか、富裕層を対象にしたサービス関連の出稿が増加しつつある。
CATVは、前年比113.2%。地上波デジタル化対応を契機としたCATV側の積極的な顧客営業はやや停滞状況であるが、MSO(統括運営会社)による統合効果や、デジタル化を機にコミュニティチャンネルを軸足とした営業活動、標準画質チャンネルの複数運用による収入は拡大している。しかしながら、地域広告主の出稿にはやや停滞感があり、通販事業者の出稿も含めエリアによる優劣が明確化しつつある。
文字放送は、デジタルメディアが順調に推移する中で、データ放送への転換が進展しているため、新規需要の引合いに乏しく前年比40.0%となった。