新聞/雑誌/ラジオ/テレビ/マスコミ四媒体広告費

新聞広告費:5,679億円(前年比93.8%)

年間を通して前年を下回って推移。長期的な減少傾向にある。
新聞購読部数の減少、前年の消費増税駆け込み需要や衆院選効果による反動などが影響した。
業種別では、「食品」「金融・保険」が増加した一方で、「家電・AV機器」「エネルギー・素材・機械」「飲料・嗜好品」「自動車・関連品」などは大きく減少。引き続き、サプリメント、健康食品などの通販商材は好調であった。
中部地区では、北陸新幹線の開通や伊勢志摩サミットの開催決定もあり、他の地域に比較し下げ幅は小さかった。

雑誌広告費:2,443億円(前年比97.7%)

推定販売金額の減少率(8.4%、出典:出版月報2016年1月号)が過去最大となるなど、雑誌業界を取り巻く環境は引き続き厳しかった。しかし、電子雑誌は定額制読み放題サービスが大幅に伸長した。
雑誌のジャンル別では、ミセス誌、ヤングアダルト男性誌、アダルト男性誌が好調だった。一方、若年層向け雑誌は苦戦した。
業種別では、「精密機器・事務用品」が好調であり、特に機械式高級腕時計が伸長した。一方、雑誌の主軸となる「ファッション・アクセサリー」や「化粧品・トイレタリー」は減少し、全体の押し下げ要因になった。
期間限定で電子雑誌が無料で読めるサービス「NEXT MAGAZINE」が開催され、雑誌コンテンツに触れる機会を創出した。

ラジオ広告費:1,254億円(前年比98.6%)

1-3月期は前年の消費増税前の駆け込み需要を超える出だしであったが、4月以降に失速し、通年ではマイナスに推移した。
関西、中部、福岡地区では前年を超えたが、他の地区は首都圏を中心に前年を割り込んだ。
業種別では、ラジオ広告でシェアの高い「外食・各種サービス」「自動車・関連品」「薬品・医療用品」が前年に引き続き好調であった。一方、「情報・通信」は前年に比べ減少した。
「radiko.jp(ラジコ)」は月間ユニークユーザー数が堅調に推移した。また、有料で全国のラジオ局を聴取できるエリアフリーも会員数が堅調に拡大した。更なる新規リスナー獲得が期待される。
AMラジオがFM放送でも聴けるワイドFMがスタートした。また、マルチメディア放送「i-dio(アイディオ)」の準備も進み、新展開が待たれる。

テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連):1兆9,323億円(前年比98.8%)

地上波テレビ 1兆8,088億円(同98.6%)

前年の消費増税前の駆け込み需要や大型スポーツ番組による反動減、および経済環境の先行き不透明感から出稿を手控える動きが広がり、10月まで低調に推移した。
番組(タイム)広告(同98.4%)は、7・8月「2015年世界水泳選手権」、8月「2015年世界陸上競技選手権大会」、8・9月「ワールドカップバレー2015」、11月「世界野球プレミア12」、12月「FIFAクラブワールドカップ2015」などの大型スポーツイベントによる効果があったものの、前年の消費増税前の駆け込み需要、「ソチオリンピック2014」「2014FIFAワールドカップ ブラジル大会」などの番組の反動減で前年割れとなった。地域別では、基幹8地区中、大阪、名古屋、広島で前年実績を超えた。
スポット広告(同98.7%)は、第1-3四半期(1-9月)まで前年割れが続いたが、第4四半期(10-12月)は11月以降に回復基調が強まりプラスに推移した。地域別では、全32地区中、北海道、熊本、沖縄では微増したものの、その他の地区は前年割れとなった。
業種別では、「食品」「情報・通信」「交通・レジャー」「外食・各種サービス」などが増加となった。一方、「趣味・スポーツ用品」「自動車・関連品」「飲料・嗜好品」「家電・AV機器」などが減少した。

衛星メディア関連 1,235億円(同101.5%)

全体としては、1年を通して堅調に推移した。
BSは従来の通販事業者に加え、ナショナルスポンサーの健康食品や基礎化粧品、またゲームアプリなどが増加したが、飲料や自動車は減少。CS、CATVでは健康食品系が減少。

BSは、これまで1社提供番組や特定スポンサーによるスポットの大量出稿で市場が成長してきたが、2015年は編成の多様化によりスポーツ・音楽・映画・情報番組などが増加したため、さまざまな企業による出稿が増加し成長を後押しした。

(億円、前年比%)

  2014年 2015年 前年比(%)
衛星メディア関連 1,217 1,235 101.5
BS 831.5 864.4 104.0
CS 212.0 197.7 93.2
CATV 173.2 173.0 99.9

注)合計値は小数点以下を四捨五入

マスコミ四媒体広告制作費:3,068億円(前年比98.3%)

※衛星メディア関連は除く

(注)広告制作費は、新聞・雑誌・ラジオ・地上波テレビの広告費に含まれている。

このうち地上波テレビCM 制作費は2,145億円(同98.8%)。
下半期には回復基調となったが、通年では減少した。
業種別では、「精密機器・事務用品」が堅調で、年後半には「情報・通信」も好調だった。一方、「不動産・住宅設備」は減少した。

2015年 マスコミ四媒体広告費(衛星メディア関連を含む)の四半期別伸び率

2015年(1-12月)の「マスコミ四媒体広告費」(衛星メディア関連を含む)を四半期別にみると、7月以降は減少幅が小さくなったものの、年間を通しマイナスで推移した傾向がみてとれる。

(前年比、前年同期比、%)

マスコミ四媒体広告費
(衛星メディア関連を含む)
2014年1-12月 1-6月 7-12月 1-3月 4-6月 7-9月 10-12月
101.6 102.3 100.8 104.0 100.6 100.6 101.1
2015年1-12月 1-6月 7-12月 1-3月 4-6月 7-9月 10-12月
97.6 96.7 98.6 96.4 97.0 98.7 98.6