インターネット

インターネット広告費(媒体費+広告制作費):1兆5,094億円(前年比115.2%)

インターネット広告媒体費 1兆2,206億円(同117.6%)

  • 媒体費が初めて1兆円を超えた前年に引き続き、2017年も媒体費全体では好調に推移した。
  • このうち、運用型*1広告費は9,400億円(同127.3%)。メディア側において予約型広告から運用型広告へのシフトが前年よりさらに進んだ結果、媒体費全体における運用型の構成比は77.0%と、全体の4分の3を超えるに至った。
  • 前年に続き、動画広告が拡大。生活者のモバイルシフトが進み、モバイルでの動画視聴が浸透したことで高まった動画広告ニーズを受け、メディアやプラットフォーマー側で動画広告メニューの拡充が行われた結果、市場が順調に拡大した。特に、運用型広告領域においては、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)や動画系メディアを中心としたモバイル向け動画広告が活況を呈し、成長を牽引した。また、運用型広告へのシフトにより縮小傾向にある予約型広告領域においても、モバイル向け動画広告が新たな収益源となりつつある傾向がみられた。
  • 運用型広告をブランディング目的で活用していく動きが活発化した。中でも動画広告には、認知/好意/購買意欲度などを高めるブランドリフト効果があることが注目され、ブランドリフト調査機能を用意するメディアも増えるなど、運用型広告をブランディング目的で活用していく動きが活発化した。これらに呼応して、テレビスポットと運用型の動画広告を連動させるメディアプランニング需要が増加している。
  • 広告主では、ナショナルクライアントにおけるデジタル・トランスフォーメーションが加速。従来、予約型広告利用が主だった自動車や通信などの業種で、運用型広告の活用が進んでいる。また、これまでマス広告の利用率が高かった食品や飲料といった業種においても、インターネット広告の活用が進みつつある。
  • 海外で発生したブランドセーフティー*2問題をきっかけとして広告価値毀損への関心が高まり、各メディアやプラットフォーマー側で対応策が進んだ。また、広告主側においても、広告価値毀損への対応策として、アドベリフィケーション*3計測のためのベンダー活用が進んだ。
  1. 純広告、タイアップ広告、アフィリエイト広告などは、運用型広告には含まれない。
  2. ブランドセーフティー・・・広告掲載先の品質確保による広告主ブランドの安全性
    (出典:JIAAステートメント http://www.jiaa.org/topics/brand_safety_statement.html

  3. アドベリフィケーション・・・広告価値毀損への対応策。または対応策を実行する仕組みを指す。

インターネット広告制作費 2,888億円(同106.1%)

  • 前年に続き堅調に推移。企業が進めるマーケティング活動のデジタル・トランスフォーメーションの一環として、今後もこの傾向が続いていくとみられる。
  • プロモーション(販促)ページの制作費が増加すると同時に、ソーシャルメディアのための広告制作費・制作関連(システム運用)費も増加。コンテンツの制作トレンドは、オウンドメディア完結型からソーシャルメディアなどプラットフォームとの連携型にシフトしている様子がうかがえる。
  • 動画広告の制作費は、動画広告元年と言われた前年からほぼ横ばいで推移。
  • バナー広告の制作費は久々に増加。DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)を始め、運用型広告で用いられるバナーのタイプ数自体の増大も関係していると思われる。
  • 広告用途でのモバイルアプリ制作の減少が目立った。