プロモーションメディア

プロモーションメディア広告費:1兆7,184億円(前年比102.0%)

屋外 3,042億円(前年比105.3%)

  • 2025年も好調に推移し、前年に続き飲料、情報・通信の業種で多くの屋外広告利用が目立った。
  • 短期間掲出の看板は、繁華街に設置された大型ボードに加え、目線位置のストリート媒体の需要が高まり、街路灯フラッグ広告や街中のポスター媒体などを中心に、SNSでの拡散を意識したインパクトのあるOOH展開が数多くみられた。
  • 屋外ビジョンは、引き続き渋谷・表参道など都市部繁華街の引き合いが活況。業種としては、ウェブサービス、飲料・食品、ゲームなどの出稿があり、ゲームやコンテンツ系を中心に、3D放映によるインパクトのある映像がSNSなどで拡散される事例もあった。
  • ネットワーク型のデジタルOOH媒体については、プログラマティックDOOHが本格的普及のフェーズに突入し、リテールメディアである店舗内サイネージなどへの連携も加速した。
  • 2025年9月に設立した一般社団法人日本OOHメジャメント協会によりOOHにおける共通指標の策定が進み、2026年3月から交通広告とともに屋外広告のデータ提供が始まる見込み。OOH広告効果のアカウンタビリティ強化が期待される。

交通 1,736億円(前年比108.6%)

  • インバウンド需要の高まりもあり、交通媒体全体で増加した。飲料、ファッション・ラグジュアリー、人材系サービスなどの積極的な出稿があり、全体を底上げした。特に、大阪・関西万博の開催に伴い、駅の大型デジタルサイネージの新設も多く、関西圏が大きく増加。都市圏でも大型のデジタルサイネージへの高い需要により堅調に推移した。
  • 鉄道は、リモートワークから出社への動きなどもあり、車両内媒体の需要が高まり、車内ビジョン、中づり、ステッカーほか、前年を上回った。
  • バスは、東京圏での車体広告が堅調に伸長し、全体では前年水準を維持した。大都市圏では車体広告やバス停広告のニーズが強い一方で、ローカル圏はバスの車体数減少のため広告出稿も減少傾向がみられた。
  • 空港は、前年に続き訪日旅行客の需要拡大により、デジタルサイネージを中心に前年を上回った。
  • 2026年も大都市圏を中心に駅のデジタルサイネージ新設の傾向が続き、増加傾向が継続するとみられるが、訪日中国人観光客の減少や大阪・関西万博閉幕の影響もあり、伸び率は緩やかになると予想される。OOH広告の共通指標となるメジャメントデータの提供も、2026年3月、大都市圏から順次開始予定。
  • タクシーは、クライアントニーズに寄り添った広告メニュー開発が行われ、BtoB企業による出稿が、AI関連サービスの訴求活性化で増加したことに加え、金融や不動産などを中心にBtoC向けの積極的な活用もみられた。さらに、オリジナルコンテンツを使った番組のタイアップセールスも好調に推移し、全体として大幅な増加となった。2026年も新たな広告メニューの開発や富裕層向け商材を扱う広告主の出稿が期待される。

折込 2,354億円(前年比96.4%)

  • 新聞購読率の減少や人件費、配送コストなどの高騰を背景とした媒体単価の値上げの影響を受け、出稿量は前年を下回った。
  • 節約志向が継続する環境下において、地域密着型の店舗やデジタルでは到達しにくい高齢層向けの商材・サービスを中心に訴求型広告として活用された。また、2025年7月は第27回参議院議員通常選挙に伴い出稿が増加した。
  • 業種別では、通信販売業、会員制個別宅配、旅行・宿泊業などが増加し、買い取り業も引き続き好調に推移した。一方、教育・教養や自動車販売業などは減少した。
  • 地域別では、出稿量は北関東、首都圏、中部が上位となり、前年差では、北陸、四国、中国、近畿で出稿量が増加した。一方、沖縄が最も減少した。
  • 新聞購読率の低下による到達率への対応として、ポスティングや新聞未購読層向け媒体などが併用され、エリアマーケティングの手段は多様化している。

DM(ダイレクト・メール) 2,708億円(前年比94.6%)

  • 郵便料金改定の影響を受け発送数や媒体を見直す動きもあり、市場全体としては前年を下回った。
  • 通販系を中心に、単発キャンペーンタイプのDMから商品同梱型のパーソナライズされたDMへの移行がみられた。形態としては、圧着ハガキ型からターゲットを絞った冊子型などがあり、QRコードを利用しウェブへ誘導、さらに説明動画から契約まで一貫してオンライン完結を行うものも増加した。
  • 購買や会員獲得目的などのDM利用は引き続き堅調。デジタルマーケティングの機能を補完または代替するものとして、通販系を筆頭に高額商品や金融サービス、小売、通信などのDMが多かった。
  • DM制作関連市場(参考:「日本の広告費」関連市場)との合計では、3,829億円となった。

フリーペーパー 1,056億円(前年比80.9%)

  • デジタル移行などに伴う紙媒体の休刊や廃刊により、減少した。
  • 冠婚葬祭、住宅・不動産などの業種は増加し、求人情報は減少した。原価や人件費の上昇を受け、媒体単価を上げる動きもみられたものの、出稿件数の減少や出稿規模の縮小などが影響した。
  • データ活用によるエリアターゲティングや動画制作、デジタル販促施策などのクライアントニーズに合わせて、地域に密着した自社のウェブ関連事業や他デジタル媒体と組み合わせた企画に取り組むなど、新規広告主の獲得を目指す動きもみられた。

※フリーペーパーは、タブロイド判タイプのフリーペーパー・雑誌タイプのフリーマガジン・電話帳の総称。

POP 1,540億円(前年比103.8%)

  • 2025年は、人流のさらなる回復により、リアル店舗での訴求が活発化した。食品・日用品カテゴリは継続して売場訴求の要求が高く、物価高による価格改定の増加を背景に「売場強化」が進んだことによりPOPの活用が増加。一方、メーカー販促予算がECや小売・流通業の持つメディアにシフトしたこと、さらに紙や資材などのコストが高騰したことによってPOPの採用点数を抑制する動きもあった。
  • 店頭においてもデジタルサイネージの導入が加速し、従来の「紙のPOP」と「デジタルサイネージ」を組み合わせたハイブリッド型の販促施策が増加している。
  • コンビニエンスストアでは、小売業の持つ店舗関連メディアが急進しており、アプリやサイネージと連動した施策が主流になりつつある。

イベント・展示・映像ほか 4,748億円(前年比111.2%)

  • 2025年は、大阪・関西万博やJapan Mobility Show 2025、東京2025世界陸上競技選手権大会など大型イベントの開催が重なり、111.2%と大幅に伸長した。イベントだけではなく、大型商業施設、ホテルなどの新装・改装、都市再開発による需要増加も大きなプラス要因となった。映像領域もイベントや展示の需要増加に伴い、堅調に推移した。
  • 様々な企業がリアル体験の有用性を再確認し、イベントや展示による顧客接点の創出を積極的に活用する動きが活発化している。活用方法も単なる商品展示から、商談の質を高めるためのコミュニティ形成やテクノロジーを駆使した高度な体験設計が重視される場へと役割をシフトさせている。ただし、物価高で人件費、物流費、材料費などが値上がりした影響で厳しいビジネス環境の継続が見込まれる。
  • イベントや展示への導線設計も、SNS・アプリなどデジタルメディアの横断的な活用や顧客のデータ化など、DX化はますます進んでいる。この傾向は今後加速し、「体験価値」と「デジタル技術」を融合させた付加価値の高いソリューション開発(「ARスマートグラス」を活用した展示や「XR技術」によるバーチャルとリアルの融合など)が重要になってくる。同時にサステナビリティへの配慮やAIを活用した働き方改革などが業界発展のカギを握る。
  • 映像コンテンツは、高精細やインタラクティブなど高度化する方向とシンプルなウェビナーなど簡易化する方向と二極化しており、今後もその傾向は変わらないと考える。
  • シネアド(シネマ・アドバタイジング)は、邦画の実写・アニメともに話題作が公開され、映画業界が過去最高の興行収入となったこともあり、前年を上回った。ラグジュアリーブランドの広告出稿は減ったものの、宿泊、保険やBtoB企業のリクルーティングなど、新たな業種での活用が進んだ。2026年もこの傾向は続くと予想される。

参考「日本の広告費」関連市場

※「日本の広告費」推定範囲と重複する市場領域もあるため、「日本の広告費」には含まれない

商業印刷市場 1兆7,500億円(前年比99.4%)

  • デジタル広告の拡大により紙媒体を取り巻く環境は依然として厳しい。一方、印刷業界では、原材料費・物流費の上昇を受けた労務費を含む価格転嫁が進んでいる。短納期・小ロット・可変データといった需要の増加に伴いデジタル印刷の導入も加速しており、各社のデジタル対応力の差が受注を左右する状況となっている。
  • 2026年は、デジタル印刷と可変データ需要の拡大によりパーソナライズ対応が一段と進む見通し。一方で、サステナビリティ要件の強化により環境配慮プロセスへの対応が不可欠となり、デジタル投資や人材確保は中小企業にとって大きな課題となる。今後は、環境対応力と可変需要への適応力が、価格競争からの脱却と利益改善の鍵となる。

ポスティング市場 1,497億円(前年比101.1%)

  • 地域(場所・建物)を限定したポスティングなど、都市圏を中心に前年に続き伸長した。背景には、新聞折込広告やデジタル広告のリーチ補完媒体としての需要が継続したことがある。買い取り業をはじめ、官公庁・自治体の広報関連、飲食・小売業、不動産・住宅設備など、幅広い業種で活用された。
  • AIによるエリア分析やGIS(地理情報システム)活用による配布精度の向上、QRコードの活用など、デジタル連携が普及することで効果測定がより進化しつつある。また、人手不足や環境問題などの企業課題を解決するためにも、市場内で事業者再編が進んでいる。

DM制作関連市場 1,121億円(前年比100.2%)

  • DM発送数は減少したものの、関連市場は前年並みとなった。
  • A4サイズのシンプルなDMや圧着ハガキなどでウェブ誘導型の低コストDMと、高額商品やBtoB向けのプレミアム型DMなど二極化が進んだ。また、通販系広告主の活用が進んだ商品同梱型DMで、より効果効率を上げるためのデータマーケティングやレスポンス測定ツール、パーソナライズDM制作といった周辺領域の費用も増加傾向にある。
  • デジタル施策との連動や広告主からの効果可視化の要求は継続しているため、IT関連企業からも注目されている。

(億円、%)

  2022年 23年 24年 25年
広告費 前年比 広告費 前年比 広告費 前年比 広告費 前年比
商業印刷市場 17,750 99.7 17,900 100.8 17,600 98.3 17,500 99.4
  ポスター・チラシ・パンフレット 10,650 99.5 10,600 99.5 10,400 98.1 10,300 99.0
ポスティング市場 1,387 108.1 1,472 106.1 1,481 100.6 1,497 101.1
DM制作関連市場 1,103 103.0 1,115 101.1 1,119 100.4 1,121 100.2

媒体別構成比

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「2025年 日本の広告費」 報告書ダウンロード

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例)出典:電通「2025年 日本の広告費」

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