1_新聞

解説

生成AIの急速な普及を受けて新聞各社のAI対応が本格化している。方向性は大きく分けて3つ、①新聞社独自の生成AIサービスの開発、②生成AI企業との提携、③対生成AI企業との著作権をめぐる交渉や訴訟である。AI検索(いわゆる「ゼロクリック検索」)の普及が新聞社のサイトアクセス数に与える影響は大きいと思われ、新聞社自らもAIを活用することにより、サービス向上やリスクの低減を目指している。

新聞産業構造図

(1)市場

図表1-2

新聞各社は収入源の多様化を図っている。「その他収入」は増加傾向が続き、売上高全体の約3分の1を占めるまでに伸長している。

図表1-3

2025年の新聞の総発行部数は、前年比で93.4%の2486万8000部である。

(2)収入源

図表1-4

新聞社は収入源の多様化を図っており、売上全体に占める「その他収入」の割合が相対的に拡大傾向にある。

図表1-5

2025年の新聞広告費は、前年比で92.1%の3327億円である。新聞広告費・新聞デジタル広告費合計に占める新聞デジタル広告費の割合は5.7%ほどである。

図表1-6

新聞各社が展開するデジタルサービスのうち基幹となるニュースサービスでは、その7割程度が「有料課金・広告併用」のビジネスモデルで運営されている。

(3)生産・配達

図表1-7

新聞用紙の需要を示す新聞用紙払い出し量(重量ベース)については、2024年は前年と比べ91.1%の153万1000トンである。

図表1-8

日本では新聞配達員による戸別配達の割合が圧倒的に大きく、2025年は96.2%を占める。一方、山間部や離島など配達効率の低い地域では郵送が重要な役割を果たしている。スポーツ紙は駅の売店やコンビニエンスストアでの販売(即売)も多い。

図表1-9

新聞の戸別配達制度を支える新聞販売所の数は、2024年は前年比で96.7%の1万2935店。専売店を統合し、複合店・合売店とする効率化の動きも見られる。

図表1-10

コロナ禍の外出自粛を背景に流通・サービス業系の折込広告出稿が減少したため、折込広告費は2020年に大幅に減少した。2025年は前年比で96.4%の2354億円である。

(4)ユーザー

図表1-11

2025年時点で、朝刊をほぼ毎日読む人の割合は女性よりも男性、若年層より高齢層で高い傾向にある。最も高いのは60代男性の40.4%、最低は10代女性の1.2%であった。本データは紙の新聞の閲読状況であり、新聞社由来の情報・記事は放送やインターネットを通しても閲覧されている。

図表1-12

2025年時点で、普段読む新聞記事ジャンルは、政治や経済などが上位を占めている。ローカルコンテンツのニーズも高く、地域・地元の政治は2位、社会・事件は7位、経済は8位にランクインしている。

図表1-13

2025年時点で、約3割の人々が、新聞のもつ独自性(「他メディアにない情報を得る」)、多様性(「いろいろな見方や考え方を知る」)、教育的側面(「子どもの学習や教育に役立つ」)を評価している。新聞の読み方に関しては、「関心紙面はゆっくり読む」が21.0%となった。

図表1-14

インターネット利用時における電子新聞の閲覧率をデバイスごとにみると、パソコンやタブレット端末に比べ、スマートフォンでの閲覧率が高い。2025年時点で、30~60代のスマートフォンでの有料の電子新聞サービス閲覧率は7%ほどである。

図表1-15

2025年時点で、ニュース閲覧時にアクセスするサイトは年代によって傾向が異なり、20代以下は「SNS」、30代以上は「ポータルサイト」での閲覧が多い。一方で、インターネットでのニュース閲覧時に使用する機器は年代にかかわらず「モバイルのみ」が圧倒的である。

発行元リンク:新聞通信調査会
発行元リンク:新聞通信調査会「メディア展望」

図表1-16

2025年時点で、電子新聞や新聞記事を課金して閲覧している割合は3.7%で、男性が女性より課金率が高い。9割以上が有料課金ではインターネットニュースサービスを利用していない。

発行元リンク:新聞通信調査会
発行元リンク:新聞通信調査会「メディア展望」

図表1-17

2025年時点で、インターネットニュースに毎日接触している人の割合は46. 5%である。多くの人々にとってニュースは日常的に接触するネットコンテンツの一つとなっているが、他方インターネットニュースに全く接触していない層も21.9%存在する。

発行元リンク:新聞通信調査会
発行元リンク:新聞通信調査会「メディア展望」