2_出版
解説
ここ10年で、電子のマンガ単行本(デジタルコミック)を中心に電子出版市場が急速に伸長している。デジタルコミックやデジタル教科書の利用に慣れ親しんだユーザー層の拡大を背景に、電子書籍や電子雑誌の市場はさらに拡大していくだろう。
出版産業発のコンテンツは、これまでアニメや映画コンテンツ等の良質なコンテンツの源泉として重要な役割を果たしてきた。近年では、日本発IPとして海外における文化発信や消費の拡大に寄与するとともに、インバウンド需要を牽引する存在として、その重要性が一層高まっている。

(1)市場
図表2-2、2-3
2024年の出版市場は1兆5716億円となり、媒体別では紙の市場が約1兆円、電子市場が5600億円余りとなった。ジャンル別に見ると、「マンガ」が約7000億円と最も多く、市場の約45%を占めている。

発行元リンク:全国出版協会出版科学研究所
出典リンク:出版指標年報2025年版

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出典リンク:出版指標年報2025年版
図表2-4
紙の出版物におけるルート別販売シェアは、2020年度から2024年度にかけて「書店」が6割弱を占めている。「インターネット」の販売シェアは2割程度で推移している。
図表2-5
2024年度の書店数(売り場面積を公表している書店の数)は、前年度比で95.3%の7673店。平均坪数は132.7坪で前年並みの水準となった。新規店数は57店である。

図表2-6
2024年における書籍(紙の出版物)の新刊発行点数は6万5322点、平均価格は1332円となった。平均価格の内訳は、新刊単行本が1551円、新刊文庫本が801円であり、全体として価格の上昇傾向が見られる。

発行元リンク:全国出版協会出版科学研究所
出典リンク:出版指標年報2025年版
図表2-7
2024年の雑誌市場は紙と電子の市場を合わせて9327億円で、前年の2023年と同水準である。これは、週刊や月刊で定期刊行される雑誌のほか、ムックやマンガ単行本(コミック)を含んだ市場規模である。

発行元リンク:全国出版協会出版科学研究所
出典リンク:出版指標年報2025年版
図表2-8
2024年の雑誌発行点数は、前年2023年比で98.0%の2341点だった。

発行元リンク:全国出版協会出版科学研究所
出典リンク:出版指標年報2025年版
図表2-9
2025年の雑誌広告費(紙媒体の雑誌に投下された広告費)は、前年2024年比で96.3%の1135億円、雑誌デジタル広告費(出版社が主体となって提供するインターネットメディア・サービスに投下された広告費)は同96.5%の615億円である。

図表2-10、2-11
2024年のマンガ市場は紙と電子の市場を合わせて7043億円。うち、電子の市場が5122億円で全体の約7割を占めている。2024年の紙のマンガ単行本の新刊発行点数は1万5000点を超えた。

発行元リンク:全国出版協会出版科学研究所
出典リンク:出版指標年報2025年版

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(2)電子出版
図表2-12
2024年の電子出版市場は前年比で105.8%の5660億円。うち、電子コミック市場が5122億円で9割を占める。文字もののほか、写真集を含む電子書籍市場は452億円となった。

発行元リンク:全国出版協会出版科学研究所
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図表2-13
電子図書館を導入している自治体数は、2025年7月時点で592自治体。自治体の導入率は33.1%であるが、利用可能人口比率は67.3%であり、人口のおよそ3分の2が電子図書館を利用可能である。

図表2-14、2-15
1カ月に読む本(漫画や雑誌を含まない)の冊数は「1、2冊」が最も多く27.6%。「読まない」は62.6%と全体の3分の2にのぼる。一方、本以外の文字・活字による情報を読む機会については、「ほぼ毎日ある」が75.3%、読む機会が「ほとんどない」人は10.4%となった。


図表2-16
雑誌や漫画を含む電子書籍の利用率(「よく利用する」と「たまに利用する」の合計)は40.3%、「紙の本・雑誌・漫画しか読まない」は38.2%となった。さらに、紙・電子にかかわらず、これらのいずれも読まない人は20.6%であった。

図表2-17、2-18
電子書籍を読む端末については、小説、デジタルマガジン、コミックのいずれにおいてもスマートフォンが最も多く利用されている。また、電子雑誌の利用理由としては、「保管場所が少なくてすむ」と「何冊も冊子を持ち運ぶ必要がない」を挙げる回答が多い。



